JPH11348255A - インクジェット記録方法およびその装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびその装置

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JPH11348255A
JPH11348255A JP10163328A JP16332898A JPH11348255A JP H11348255 A JPH11348255 A JP H11348255A JP 10163328 A JP10163328 A JP 10163328A JP 16332898 A JP16332898 A JP 16332898A JP H11348255 A JPH11348255 A JP H11348255A
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JP
Japan
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ink composition
recording medium
reaction liquid
printing
recording
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JP10163328A
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Yoshiyuki Ozawa
沢 善 行 小
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
    • B41J2/2114Ejecting transparent or white coloured liquids, e.g. processing liquids

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク組成物と、インク組成物中の成分を凝
集させる反応剤を含んでなる反応液との二液を印字する
インクジェット記録方法であって、効率のよい印刷方法
の提供。 【解決手段】 反応液をインク組成物よりも前に記録媒
体に付着させるときの記録媒体の単位面積当たりのイン
ク組成物の付着重量に対する反応液の付着重量の比をS
1とし、反応液をインク組成物よりも後に記録媒体に付
着させるときの記録媒体の単位面積当たりのインク組成
物の付着重量に対する反応液の付着重量の重量比をS2
としたとき、S1<S2を満足するよう印刷を行うこと
により、効率よく二液の印字が行え、良好な印刷画像が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法およびその装置に関
し、詳しくは記録媒体に反応液とインク組成物とを付着
させて印字を行うインクジェット記録方法およびその装
置に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔
させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法
である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高
品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有す
る。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物
は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防
止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一
般的である。
【0003】一方、インクジェット記録方法として、イ
ンク組成物と、インク組成物中の成分を増粘または凝集
させる成分を含んだ反応液との二液を持ちいたインク組
成物が最近新たに提案されている。
【0004】例えば、多価金属塩溶液を記録媒体に適用
した後、少なくとも一つのカルボキシル基を有する染料
を含むインク組成物を適用する方法が提案されている
(例えば、特開平5−202328号公報)。この方法
においては、多価金属イオンと染料から不溶性複合体が
形成され、この複合体の存在により、耐水性がありかつ
カラーブリードがない高品位の画像を得ることができる
とされている。
【0005】また、少なくとも浸透性を付与する界面活
性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインク
と、この塩との作用により増粘または凝集するブラック
インクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高
くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得ら
れるという提案もなされている(特開平6−10673
5号公報)。すなわち塩を含んだ第一の液と、インク組
成物との二液を印字することで、良好な画像が得られる
とするインクジェット記録方法が提案されている。
【0006】また、その他にも二液を印字するインクジ
ェット記録方法が提案されている(例えば、特開平3−
240557号公報、特開平3−240558号公
報)。
【0007】二液を用いたインクジェット記録方法にあ
っては、反応液とインク組成物とが接触することで良好
な印字が実現できるとされている。反応液とインク組成
物とが接触すると、反応液中の反応剤がインク組成物中
の着色剤、その他の成分の分散状態を破壊し、それを凝
集させると考えられる。これによって、色濃度の高い、
にじみ、印刷ムラの少ない画像を実現するものと考えら
れる。また、カラー画像においては、異なる色の境界領
域での不均一な色混じり、すなわちカラーブリードを有
効に防止できるとの利点も有する。
【0008】
【発明の概要】本発明者等は、今般、二液を印字するイ
ンクジェット記録方法において、二液の記録媒体への付
着量を制御することによって良好な画像が実現できると
の知見を得た。さらに、二液の記録媒体への付着量を制
御すると同時に、記録ヘッドおよび記録媒体の相対的な
位置関係を制御しながら印刷を行うことで、効率のよい
印刷が可能であることを見出した。本発明はかかる知見
に基づくものである。
【0009】従って、本発明は、二液を印字するインク
ジェット記録方法において、良好な画像が実現できる方
法およびそのための装置の提供をその目的としている。
【0010】そして、本発明によるインクジェット記録
方法は、記録媒体に反応液とインク組成物との二液の液
滴をそれぞれインクジェット記録ヘッドによって吐出
し、反応液とインク組成物とが記録媒体上で接触するよ
う付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であっ
て、反応液がインク組成物中の成分を凝集させる反応剤
含んでなるものであり、反応液をインク組成物よりも前
に記録媒体に付着させるときの記録媒体の単位面積当た
りのインク組成物の付着重量に対する反応液の付着重量
の比をS1とし、反応液をインク組成物よりも後に記録
媒体に付着させるときの記録媒体の単位面積当たりのイ
ンク組成物の付着重量に対する反応液の付着重量の重量
比をS2としたとき、S1<S2を満足するものであ
る。
【0011】また、本発明によるインクジェット記録装
置は、記録媒体に反応液とインク組成物との二液を付着
させて印刷を行うインクジェット記録装置であって、前
記記録媒体を保持し副走査方向に搬送する記録媒体搬送
手段と、前記反応液の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体
に付着させる反応液印刷手段と、記録媒体にインク組成
物を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させるインク組成
物印刷手段と前記反応液印刷手段を主走査方向に往復駆
動する第一駆動手段と、前記インク組成物印刷手段を主
走査方向に往復駆動する第二駆動手段と、前記各手段を
制御する制御手段とを備えてなり、前記制御手段が、前
記第一駆動手段により前記反応液印刷手段を主走査方向
に往復駆動しながら、往時および/または復時に前記反
応液印刷手段から反応液を記録媒体に付着させる機能
と、前記第二駆動手段により前記インク組成物印刷手段
を主走査方向に往復駆動しながら、往時および/または
復時に前記インク組成物印刷手段からインク組成物を記
録媒体に付着させる機能と、前記反応液と前記インク組
成物とが前記記録媒体上で接触するよう印刷位置を制御
する機能と、そして反応液をインク組成物よりも前に記
録媒体に付着させるときの、記録媒体の単位面積当たり
のインク組成物の付着重量に対する反応液の付着重量の
比をS1とし、反応液をインク組成物よりも後に記録媒
体に付着させるときの、記録媒体の単位面積当たりのイ
ンク組成物の付着重量に対する反応液の付着重量の重量
比をS2としたときS1<S2となるよう制御する機能
とを有するものである。
【0012】
【発明の具体的説明】本発明によるインクジェット記録
方法は、記録媒体に反応液とインク組成物との二液の液
滴をそれぞれインクジェット記録ヘッドによって吐出
し、反応液とインク組成物とが記録媒体上で接触するよ
う付着させて印刷を行う。そしてさらに、本発明にあっ
ては、反応液をインク組成物よりも前に記録媒体に付着
させるときの記録媒体の単位面積当たりのインク組成物
の付着重量に対する反応液の付着重量の比をS1とし、
反応液をインク組成物よりも後に記録媒体に付着させる
ときの記録媒体の単位面積当たりのインク組成物の付着
重量に対する反応液の付着重量の比をS2としたとき、
S1<S2を満たすようインク組成物および反応液の付
着量を制御する。インク組成物および反応液の量を上記
のように制御することで、記録媒体への反応液とインク
組成物の付着の順序によらず、良好な画像が実現でき
る。
【0013】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物が顔料と樹脂エマルジョンとを含んでなり、反応剤
が多価金属塩である場合、S1が0.2〜1.1の範囲
にあり、S2が1.2〜2.0の範囲にあることが好ま
しく、より好ましくはS1が0.3〜0.8の範囲にあ
り、S2が1.3〜1.7の範囲にあることが好まし
い。本発明による方法に用いられるインク組成物は、後
記するように、好ましくは顔料と樹脂エマルジョンを含
んでなる。また、反応液は、好ましくは反応剤として多
価金属塩を含んでなる。顔料と樹脂エマルジョンを含ん
でなるインク組成物と、多価金属塩を反応剤として含ん
でなる反応液を用いた場合、S1とS2とを上記範囲に
置くことで、さらに良好な画像が実現できる。
【0014】本発明によるインクジェット記録方法を実
施するための装置を図面に基づいて説明する。図1は、
本発明の好ましい態様によるインクジェット記録装置の
概略構成図である。プリンタ1は、記録媒体2を保持
し、これを図中の矢印A方向すなわち副走査方向に搬送
する記録媒体搬送手段として、紙送りモータ11および
それと連動されたプラテンローラ12とを有してなる。
さらに、プリンタ1は、キャリッジ21に搭載された反
応液タンク22と、反応液を吐出する反応液印刷手段で
ある記録ヘッド23と、インク組成物タンク24と、イ
ンク組成物を吐出するインク組成物印刷手段である記録
ヘッド25、26、27、および28とがを備えてな
る。さらに、このキャリッジ21は、プラテンローラ1
2の軸と平行に設けられた摺動軸13上を摺動し、図中
の矢印B方向すなわち主走査方向に往復運動可能とされ
る。ここで、記録ヘッド23と、記録ヘッド25、2
6、27、および28は、両者ともに、キャリッジ21
の動きとともに運動するという意味で、両者は一体とさ
れてなる。キャリッジ21はキャリッジベルト14に連
結され、このキャリッジベルト14は、キャリッジモー
タ15とプーリ16とに架設され、モータ15の回転に
従いキャリッジ21を往復運動させる。プリンタ1は、
さらにキャリッジ21の原点位置を検出するセンサ31
を備えてなる。紙送りモータ11、キャリッジモータ1
5、および記録ヘッド23、25、26、27、および
28は、制御回路32に結合され、その動作を制御され
る。
【0015】記録ヘッド23、25、26、27、およ
び28のノズルプレートの拡大図を図2として示す。記
録ヘッド23は反応液印刷手段であり、記録ヘッド2
5、26、27、および28は、それぞれブラックイン
ク組成物、シアンインク組成物、マゼンタインク組成
物、およびイエローインク組成物の印刷手段である。こ
の態様において、それぞれの記録ヘッドにはノズルが等
間隔をもってならんだノズル列31とノズル列32とが
間隔dをもって二列に長さL1にわたって設けられてな
る。さらに、この二列のノズルは、図中にあるように、
ノズル間距離の1/2にあたる距離kだけずらして設け
られてなる。
【0016】この態様の記録ヘッドによる印刷は、二列
のノズルによって一列のドット列を印字する。すなわ
ち、図3に示されるようなドット列を印字する。このた
めには、記録ヘッドの移動速度をvとすると二つのノズ
ル列の間にd/vの時間差をもって印字信号を入力す
る。
【0017】記録ヘッドは、図2におけるB1およびB
2のいずれの方向に走査されるときも、すなわち往時お
よび復時のいずれにおいてもインク組成物および反応液
を吐出し、記録媒体への印刷を行う。
【0018】記録ヘッドが図2におけるB1方向に走査
されるとき、記録ヘッド23から反応液が、記録ヘッド
25、26、27、および28からインク組成物がそれ
ぞれ吐出され、記録媒体に印刷される。ここで、反応液
はインク組成物よりも前に記録媒体に印刷されることと
となる。上記したように、このB1方向の一回の走査に
よって、図3に示されるようなドット列がブラック、シ
アン、マゼンタ、およびイエローの各色ごとに形成され
る。
【0019】この態様にあってはB1方向への走査によ
り記録ヘッドが印刷領域の一端に至ると、紙送りモータ
11およびそれと連動されたプラテンローラ12とによ
って記録媒体が長さL1だけ図中のA方向に搬送され
る。そしてその後、記録ヘッドが図2におけるB2方向
に走査され、記録ヘッド23から反応液が、記録ヘッド
25、26、27、および28からインク組成物がそれ
ぞれ吐出され、記録媒体に印刷される。ここで、反応液
はインク組成物よりも後に記録媒体に印刷されることと
となる。
【0020】本発明にあっては、インク組成物と反応液
の記録媒体への付着の前後において、インク組成物と反
応液の相対的な付着量を変化させる。具体的には、反応
液をインク組成物よりも前に記録媒体に付着させるとき
の記録媒体の単位面積当たりのインク組成物の付着重量
に対する反応液の付着重量の比をS1とし、反応液をイ
ンク組成物よりも後に記録媒体に付着させるときの記録
媒体の単位面積当たりのインク組成物の付着重量に対す
る反応液の付着重量の比をS2としたときS1<S2を
満足するよう制御する。
【0021】本発明の別の態様によるインクジェット記
録装置の記録ヘッドの構成を図4に示す。この態様にあ
っては、記録ヘッド23、25、26、27、および2
8のノズル群が一列に間隔2kをもって長さL2にわた
って設けられてなる。この態様にあっても記録ヘッド
は、図4におけるB1およびB2のいずれにの方向に走
査されるときも、すなわち往時および復時のいずれにお
いてもインク組成物および反応液を吐出し、記録媒体へ
の印刷を行う。そして、反応液をインク組成物よりも前
に記録媒体に付着させるときの記録媒体の単位面積当た
りのインク組成物付着重量に対する反応液の付着重量の
比をS1とし、反応液をインク組成物よりも後に記録媒
体に付着させるときの記録媒体の単位面積当たりのイン
ク組成物付着重量に対する反応液の付着重量の比をS2
としたときS1<S2を満足するよう制御する。
【0022】この態様における図4の記録ヘッドは、図
2に記載のノズル群の倍の間隔である2kの間隔のノズ
ル群を備えてなる。従って、上で説明した図2に記載の
記録ヘッドの様な記録媒体の搬送を行い記録を行うと、
図2の記録ヘッドの場合の半分の解像度の画像が得られ
ることとなる。しかし、次のような制御を行うことで、
図4の記録ヘッドによっても図2に記載の記録ヘッドと
同一の解像度の画像が得られる。その制御を図5を用い
て説明する。
【0023】まず、記録ヘッドをB方向のいずれか一方
の方向、例えばB1方向に走査しながら、印刷を行う。
そのときの記録ヘッドの位置を図5(a)とする。記録
ヘッドがキャリッジの一端に至ると、反対方向のB2方
向に記録ヘッドを走査するが、その前に記録媒体をA方
向に搬送する。その搬送量を{L2/2+1/(2
n)}インチとする(ここで、nは記録ヘッドにおける
1インチ当たりのノズル数、すなわちノズル密度を意味
する)。図5においては、記録媒体と記録ヘッドの相対
位置を表し、図5(b)は、図5(a)から記録媒体を
{L2/2+1/(2n)}インチ搬送したときの記録
媒体と記録ヘッドの相対位置を示すものである。このよ
うな記録媒体の搬送後、記録ヘッドをB2方向に走査し
て印刷を行う。このとき印字されるドットは、図5
(a)に示される位置の記録ヘッドから印字されたドッ
トの間に印字される。但し、この印刷は、図5(a)に
示される位置の記録ヘッドから印字されたドット群の半
分について、その間にドットが印字されるものである。
この印刷によってドット間隔は、図3に示されるドット
列の場合と同様にkとなり、図2に示される記録ヘッド
の場合と同様の解像度となる。さらに、記録ヘッドがキ
ャリッジの一端に至ると、記録媒体を{L2/2+1/
(2n)}インチ搬送する。そのときの記録媒体と記録
ヘッドとの相対位置は図5(c)に示される通りとな
る。その後、記録ヘッドをB1方向に走査して印刷を行
う。この場合も、図5(b)に示される位置の記録ヘッ
ドから印字されたドット群の半分について、その間にド
ットが印字される。この印刷によってドット間隔は、図
3に示されるドット列の場合と同様にkとなり、図2に
示される記録ヘッドの場合と同様の解像度となる。
【0024】反応液 本発明において用いられる反応液は、インク組成物中の
着色剤などの分散状態を破壊し、着色剤成分などを凝集
させる性質を有する反応剤を含有してなる。本発明にお
いて用いられる反応液の例は、反応剤として多価金属
塩、ポリアミン、ポリアミン誘導体、酸性液体、カチオ
ン性界面活性剤などを含んでなるものである。
【0025】反応剤が多価金属塩である場合、その好ま
しい例としては、二価以上の多価金属イオンとこれら多
価金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に
可溶な塩が挙げられる。多価金属イオンの具体例として
は、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+
などの二価金属イオンAl3+、Fe3+、Cr3+などの三
価金属イオンがあげられる。陰イオンとしては、Cl
- 、NO3 - 、I-、Br-、ClO3 -よびCH3COO-
などがあげられる。
【0026】とりわけ、Ca2+またはMg2+より構成さ
れる金属塩は、反応液のpH、得られる印刷物の品質と
いう二つの観点から、好適な結果を与える。
【0027】これら多価金属塩の反応液中における濃度
は印字品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜
決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度
であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0028】本発明の好ましい態様においては、反応液
に含まれる多価金属塩は、二価以上の多価金属イオン
と、これら多価金属イオンに結合する硝酸イオンまたは
カルボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものであ
る。
【0029】ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは
炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸または炭素数
7〜11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるもの
である。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好
ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸
などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0030】このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素
基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、その
ようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げら
れる。さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン
酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸等が挙
げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0031】反応剤として好ましく用いられるポリアリ
ルアミン及びポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水
中でプラスに荷電するカチオン系高分子である。例え
ば、下記の式(I)、式(II)、および式(III)
が挙げられる。
【0032】
【化1】 (式中、X-は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物
イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イ
オン等を表す)これら以外にもアリルアミンとジアリル
アミンが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモニ
ウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用するこ
ともできる。
【0033】これらポリアリルアミン及びポリアリルア
ミン誘導体の含有量は、反応液の0.5〜10重量%で
あることが好ましい。
【0034】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでいてもよい。高
沸点有機溶媒は、反応液の乾燥を防ぐことによりヘッド
の目詰まりを防止する。高沸点有機溶媒の好ましい例と
しては、前記ポリオールとも一部重なるが、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘ
キシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ
エチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキ
ルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2
−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、トリエタノールアミンなどがあげられる。
【0035】高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されな
いが、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より
好ましくは2〜20重量%程度である。
【0036】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
低沸点有機溶剤を含んでいてもよい。低沸点有機溶剤の
好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげ
られる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶
剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点
有機溶剤の添加量は0.5〜10重量%が好ましく、よ
り好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
【0037】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
浸透剤を含んでいてもよい。浸透剤としては、アニオン
性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤
等の各種界面活性剤、メタノール、エタノール、iso
−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低
級アルキルエーテルなどがあげられる。なお、反応液は
後記のインク組成物の項で説明するカラー着色剤を添加
して着色され、インク組成物の機能を兼ね備えたものと
されてもよい。
【0038】インク組成物 本発明においてインク組成物とは、モノクロ印字を行う
場合にはブラックインク組成物を意味し、さらにカラー
印字を行う場合にはカラーインク組成物、具体的にはイ
エローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシ
アンインク組成物、更に場合によってブラックインク組
成物を意味するものとする。
【0039】本発明において用いられるインク組成物
は、少なくとも着色剤と水とを含んでなる。
【0040】本発明において用いられるインク組成物に
含まれる着色剤としては、染料、顔料のいずれであって
もよいが、インク組成物の不溶化あるいは増粘等の作用
によって、インク中の着色成分の浸透を抑制する場合
は、水性媒体中に溶解している染料よりも分散している
顔料の方が有利である。
【0041】染料としては、直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、
可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェッ
ト記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0042】顔料としては、特別な制限なしに無機顔
料、有機顔料を使用することができる。無機顔料として
は、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、フ
ァーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造
されたカーボンブラックを使用することができる。ま
た、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性
アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含
む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリ
レン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キ
レート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キ
レートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブ
ラックなどを使用できる。
【0043】本発明の好ましい態様によれば、これらの
顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散さ
せて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが
好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製
するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を
使用することができる。
【0044】分散剤または界面活性剤の好ましい例とし
ては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸
−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸
エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−
アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチ
レン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチ
レン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合
体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体が挙げられる。
【0045】本発明の好ましい態様によれば、これらの
共重合体は重量平均分子量が3.000〜50.000
程度であるのが好ましく、より好ましくは5.000〜
30.000程度、最も好ましくは7.000〜15.
000程度である。
【0046】分散剤の添加量は、顔料を安定に分散さ
せ、本発明による他の効果を失わない範囲で適宜添加さ
れて良い。本発明の好ましい態様によれば、その使用量
は顔料:分散剤として1:0.06〜1:3程度の範囲
が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3程
度の範囲である。
【0047】なお、この顔料分散液に含まれる分散剤お
よび界面活性剤がインク組成物の分散剤および界面活性
剤としても機能するであろうことは当業者に明らかであ
ろう。インクへの顔料の添加量は、0.5〜25重量%
程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度で
ある。
【0048】本発明において用いられるインク組成物
は、分散剤または界面活性剤を含むことができる。分散
剤または界面活性剤の例としては、前記樹脂エマルジョ
ンの説明で記載した各種の界面活性剤が挙げられる。
【0049】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は樹脂エマルジョンを含んでなるのが好ましい。こ
こで、樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散
相が次のような樹脂成分であるエマルジョンを意味す
る。分散相の樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸
ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹
脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、などがあげられる。
【0050】本発明の好ましい態様によれば、この樹脂
は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるの
が好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマル
ジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm
程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程
度である。
【0051】これらの樹脂エマルジョンは、樹脂モノマ
ーを、場合によって界面活性剤とともに水中で分散重合
することによって得ることができる。例えば、アクリル
系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョン
は、(メタ)アクリル酸エステル、または(メタ)アク
リル酸エステルおよびスチレンを、界面活性剤とともに
水中で分散重合させることによって得ることができる。
樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1
〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量
が前記範囲にあることでより良好なインクの耐水性、浸
透性が得られる。界面活性剤は特に限定されないが、好
ましい例としてはアニオン性界面活性剤(例えばドデシ
ルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート
のアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポ
リオキシエチレンアルキルアミドなど)があげられ、こ
れらを単独または二種以上を混合して用いることができ
る。また、アセチレングリコール(オレフィンY、なら
びにサーフィノール82、104、440、465、お
よび485(いずれもAir Products and Chemicals In
c. 製))を用いることも可能である。また、分散相成
分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対
して水60〜400重量部、好ましくは100〜200
の範囲が適当である。
【0052】このような樹脂エマルジョンとして、公知
の樹脂エマルジョンを用いることも可能であり、例えば
特公昭62−1426号、特開平3−56573号、特
開平3−79678号、特開平3−160068号、特
開平4−18462号などに記載の樹脂エマルジョンを
そのまま用いることができる。
【0053】また、市販の樹脂エマルジョンを使用する
ことも可能であり、例えばマイクロジェルE−100
2、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジ
ョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001
(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業
株式会社製)ボンコート5454(スチレン−アクリル
系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社
製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エ
マルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールS
K−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化
学株式会社製)、などがあげられる。
【0054】本発明に使用するインクは、樹脂エマルジ
ョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40重量%と
なるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜2
5重量%の範囲である。
【0055】樹脂エマルジョンは、多価金属イオンとの
相互作用により、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録
媒体への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマ
ルジョンの種類によっては記録媒体上で皮膜を形成し、
印刷物の耐擦性をも向上させる効果も有する。
【0056】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物はアルギン酸誘導体を含んでなるのが好ましい。ア
ルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アル
カリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)アル
ギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、ア
ルギン酸アンモニウム塩、等が挙げられる。
【0057】このアルギン酸誘導体のインク組成物への
添加量は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、
より好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0058】アルギン酸誘導体の添加により良好な画像
が得られる理由は確定できないが、反応液に存在する反
応剤、特に多価金属塩が、インク組成物中のアルギン酸
誘導体と反応し、着色剤の分散状態を変化させ、着色剤
の記録媒体への定着が促進されることに起因するものと
考えられる。
【0059】また、本発明に用いられるインク組成物
は、無機酸化物コロイドを含んでいてもよい。無機酸化
物コロイドの好ましい例としては、コロイダルシリカ、
アルミナコロイドがあげられる。これらは、一般的に
は、SiO2、Al23等の超微粒子を水または有機溶
媒中に分散したコロイド溶液である。市販されている無
機酸化物コロイドとしては、分散媒が水、メタノール、
2−プロパノール、n−プロパノール、キシレンなどで
あり、SiO2、Al23等の粒子の粒径が5〜100
nmであるものが一般的である。また、無機酸化物コロ
イド溶液のpHは中性領域ではなく酸性またはアルカリ
性に調製されているものが多い。これは、無機酸化物コ
ロイドの安定分散領域が酸性側かアルカリ性側に存在す
るためであり、インク組成物に添加する場合には、無機
酸化物コロイドの安定分散領域のpHとインクのpHと
を考慮して添加する必要がある。
【0060】インク組成物中の無機酸化物コロイドの添
加量は、0.1〜15重量%となるよう添加するのが好
ましく、二種以上の添加も可能である。
【0061】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は有機溶媒を含んでなるのが好ましい。この有機溶
媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい
例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、is
o−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。
特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、イ
ンクの乾燥時間を短くする効果がある。
【0062】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明に使用するインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒
からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有
機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−
ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレング
リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル
類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエ
タノールアミンなどがあげられる。
【0063】これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5
〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量
%の範囲である。また、低沸点有機溶剤の添加量はイン
クの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは
1.5〜6重量%の範囲である。
【0064】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は糖を含有してなるのが好ましい。糖類の例として
は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類
を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコー
ス、マンノース、フルクトース、リボース、キシロー
ス、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシ
シール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、
ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオ
ース、などがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖
を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セル
ロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用い
ることとする。
【0065】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式H
OCH2(CHOH)n CH2 OH(ここで、n=2〜
5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アル
ドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげ
られる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としては
マルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0066】これら糖類の含有量は、インクの0.1〜
40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適
当である。その他、必要に応じて、pH調整剤、防腐
剤、防かび剤等を添加しても良い。
【0067】
【実施例】以下本発明を以下の実施例によって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるれものではな
い。
【0068】反応液およびインク組成物の調製 インク組成物 カーボンブラックMA7 5重量% (三菱化成株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体 1重量% (分散剤) ボンコート4001 3重量% (アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、最低
造膜温度5℃、大日本インキ株式会社製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量 カーボンブラックと分散剤とを混合し、サンドミル(安
川製作所製)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合
物の1.5倍量(重量)とともに2時間分散させた。そ
の後、ガラスビーズを取り除き、他の成分を加え、常温
で20分間撹拌した。5μmのメンブランフィルターで
濾過して、インク組成物を得た。
【0069】反応液 硫酸マグネシウム・六水和物 25重量% トリエチレングリコール モノブチルエーテル 10重量% グリセリン 20重量% 純水 残量
【0070】印字評価試験 上記インク組成物および反応液により、図2に示される
ノズル構造を有するプリンターを用いて、印刷画像とし
てベタ印字(100%duty)およびキャラクターを印刷
した。また、記録紙としてXerox4024(ゼロッ
クス社製)を用いた。
【0071】解像度は360dpi、ドット当たりのイ
ンク重量は50ngとした。そして、反応液がインク組
成物よりも先に印刷される場合の反応液重量を5ng〜
60ngと変化させて印刷を行った。また、反応液がイ
ンク組成物よりも後に印刷される場合の反応液重量を5
5ng〜105ngと変化させて印刷を行った。
【0072】得られた印刷物の印字品質を、白抜け、紙
しわ、にじみ、および印刷ムラのそれぞれについて、下
記の基準で評価した。 白抜け 評価A:顕微鏡観察により白抜けが観察されない。 評価B:目視観察により白抜けが観察されないが、顕微
鏡観察により白抜けが観察される。 評価C:目視観察により白抜けが観察される。 紙しわ 評価A:紙のうねりが全く観察されない。 評価B:10mm以下の範囲の紙のうねりが観察され
る。 評価C:10mm超過の範囲の紙のうねりが観察され
る。 にじみ 評価A:顕微鏡観察によりにじみが観察されない。 評価B:目視観察によりにじみが観察されないが、顕微
鏡観察によりにじみが観察される。 評価C:目視観察によりにじみが観察される。 印字ムラ 評価A:画像が均一に乾燥し、かつ乾燥後も画像の印刷
ムラが観察されない。 評価B:画像が不均一に乾燥するが、乾燥後は画像の印
刷ムラが観察されない。 評価C:画像が不均一に乾燥し、かつ乾燥後も画像の印
刷ムラが観察される。
【0073】以上の結果は、下記の表に示されるとおり
であった。 反応液重量 S1 白抜け 紙しわ にじみ 印字ムラ (ng) 5 0.1 C A B C 10 0.2 B A B B 15 0.3 A A A A 30 0.6 A A A A 40 0.8 A A A A 45 0.9 A B A A 50 1.0 A B A A 55 1.1 A B B A 60 1.2 A C B A
【0074】 反応液重量 S2 白抜け 紙しわ にじみ 印字ムラ (ng) 55 1.1 C A C C 60 1.2 B A B B 65 1.3 A A A A 75 1.5 A A A A 85 1.7 A A A A 95 1.9 A B B B 100 2.0 A B B B105 2.1 A C C B
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法を実施するインクジェット記
録装置を示す図であって、プリンタ1は、記録媒体2を
保持し、これを図中の矢印A方向に搬送する記録媒体搬
送手段として、紙送りモータ11およびそれと連動され
たプラテンローラ12と、キャリッジ21に搭載された
反応液を吐出する記録ヘッド23と、インク組成物を吐
出する記録ヘッド25、26、27、および28とを備
え、紙送りモータ11、キャリッジモータ26、および
記録ヘッド23、25、26、27、および28を制御
する制御回路32を有する。
【図2】記録ヘッド23、25、26、27、および2
8のノズルプレートの拡大図である。それぞれの記録ヘ
ッドにはノズルが等間隔をもってならんだノズル列31
とノズル列32とが間隔dをもって二列に長さL1にわ
たって設けられてなる。さらに、この二列のノズルは、
図中にあるように、ノズル間距離の1/2にあたる距離
kだけずらして設けられてなる。
【図3】図2に示された記録ヘッドによって印刷された
ドット列を示す図である。このようなドット列を印字す
るためには、記録ヘッドの移動速度をvとすると二つの
ノズル列の間にd/vの時間差をもって印字信号を入力
して反応液およびインク組成物が印刷されなければなら
ない。
【図4】本発明の別の態様によるインクジェット記録装
置の記録ヘッドのノズルプレート拡大図である。この態
様にあっては、記録ヘッド23、25、26、27、お
よび28のノズル群が一列に間隔2kをもって長さL2
にわたって設けられてなる。
【図5】図4に示される記録ヘッドによって、図2に記
載の記録ヘッドと同一の解像度の画像が得られる制御方
法を説明する図である。
【符号の説明】
1 プリンタ 2 記録媒体 12 プラテンローラ 21 キャリッジ 23 反応液を吐出する記録ヘッド 25、26、27、および28 インク組成物を吐出す
る記録ヘッド

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に反応液とインク組成物との二液
    の液滴をそれぞれインクジェット記録ヘッドによって吐
    出し、反応液とインク組成物とが記録媒体上で接触する
    よう付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であ
    って、 反応液がインク組成物中の成分を凝集させる反応剤を含
    んでなるものであり、 反応液をインク組成物よりも前に記録媒体に付着させる
    ときの記録媒体の単位面積当たりのインク組成物の付着
    重量に対する反応液の付着重量の比をS1とし、反応液
    をインク組成物よりも後に記録媒体に付着させるときの
    記録媒体の単位面積当たりのインク組成物の付着重量に
    対する反応液の付着重量の重量比をS2としたとき、S
    1<S2を満足する、インクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】インク組成物が顔料と樹脂エマルジョンと
    を含んでなり、反応剤が多価金属塩であり、S1が0.
    2〜1.1の範囲にあり、S2が1.2〜2.0の範囲
    にある、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】前記反応液を吐出する記録ヘッドと、前記
    インク組成物を吐出する記録ヘッドとが一体とされてな
    り、 前記記録ヘッドを記録媒体上で往復駆動させ、往時およ
    び復時いずれにおいてもインク組成物および反応液を記
    録媒体に付着させ印刷を行い、 前記記録媒体が記録ヘッドの往復運動とほぼ垂直方向で
    ある副走査方向に搬送される、請求項1または2に記載
    のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】前記記録ヘッドの往時の印刷と復時の印刷
    との間に、前記記録ヘッドのノズル群の副走査方向の長
    さ分だけ、前記記録媒体を副走査方向に搬送する工程を
    含んでなる、請求項3に記載のインクジェット記録方
    法。
  5. 【請求項5】前記記録ヘッドにおけるノズル密度がnd
    piであるとき、前記記録ヘッドの往時の印刷と復時の
    印刷との間に、前記記録ヘッドのノズル群の副走査方向
    の長さの1/2の長さ±1/(2n)インチ、前記記録
    媒体を副走査方向に搬送する工程を含んでなり、2nd
    piの解像度の画像の印刷を行う、請求項3に記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】反応液が反応剤として多価金属塩および/
    またはポリアリルアミンを含んでなるものであり、 インク組成物が、着色剤、樹脂エマルジョン、および水
    性溶媒を少なくとも含有してなるものである、請求項1
    〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】前記着色剤が顔料である、請求項6に記載
    のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】記録媒体に反応液とインク組成物との二液
    を付着させて印刷を行うインクジェット記録装置であっ
    て、 前記記録媒体を保持し副走査方向に搬送する記録媒体搬
    送手段と、 前記反応液の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着さ
    せる反応液印刷手段と、 記録媒体にインク組成物を吐出し、該液滴を記録媒体に
    付着させるインク組成物印刷手段と前記反応液印刷手段
    を主走査方向に往復駆動する第一駆動手段と、 前記インク組成物印刷手段を主走査方向に往復駆動する
    第二駆動手段と、 前記各手段を制御する制御手段とを備えてなり、 前記制御手段が、 前記第一駆動手段により前記反応液印刷手段を主走査方
    向に往復駆動しながら、往時および/または復時に前記
    反応液印刷手段から反応液を記録媒体に付着させる機能
    と、 前記第二駆動手段により前記インク組成物印刷手段を主
    走査方向に往復駆動しながら、往時および/または復時
    に前記インク組成物印刷手段からインク組成物を記録媒
    体に付着させる機能と、 前記反応液と前記インク組成物とが前記記録媒体上で接
    触するよう印刷位置を制御する機能と、そして反応液を
    インク組成物よりも前に記録媒体に付着させるときの、
    記録媒体の単位面積当たりのインク組成物の付着重量に
    対する反応液の付着重量の比をS1とし、反応液をイン
    ク組成物よりも後に記録媒体に付着させるときの、記録
    媒体の単位面積当たりのインク組成物の付着重量に対す
    る反応液の付着重量の重量比をS2としたときS1<S
    2となるよう制御する機能とを有するものである、イン
    クジェット記録装置。
  9. 【請求項9】前記反応液印刷手段と、前記インク組成物
    印刷手段とが一体とされてなる、請求項8に記載のイン
    クジェット記録装置。
  10. 【請求項10】前記反応液印刷手段および前記インク組
    成物印刷手段が、ノズル群を備えたインクジェット記録
    ヘッドである、請求項8に記載のインクジェット記録装
    置。
  11. 【請求項11】前記制御手段が、 前記記録ヘッドの往時の印刷と復時の印刷との間に、前
    記記録ヘッドのノズル群の副走査方向の長さ分だけ、前
    記記録媒体を副走査方向に搬送する機能を有する、請求
    項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】前記制御手段が、 前記記録ヘッドにおけるノズル密度がndpiであると
    き、前記記録ヘッドの往時の印刷と復時の印刷との間
    に、前記記録ヘッドのノズル群の副走査方向の長さの1
    /2の長さ+1/(2n)インチ、前記記録媒体を副走
    査方向に搬送する機能を有し、2ndpiの解像度の画
    像の印刷を行う、請求項10に記載のインクジェット記
    録装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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