JP3693205B2 - インクジェット記録用インクおよび記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、インクジェット記録方法に関し、詳しくは記録媒体に反応液とインク組成物とを付着させて印字を行うインクジェット記録方法に関する。
【0002】
背景技術
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
【0003】
一方、インクジェット記録方法として、最近新たに、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後、少なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むインク組成物を適用する方法が提案されている(例えば、特開平5−202328号公報)。この方法においては、多価金属イオンと染料から不溶性複合体が形成され、この複合体の存在により、耐水性がありかつカラーブリードがない高品位の画像を得ることができるとされている。
【0004】
また、少なくとも浸透性を付与する界面活性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインクと、この塩との作用により増粘または凝集するブラックインクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得られるという提案もなされている(特開平6−106735号公報)。すなわち塩を含んだ第一の液と、インク組成物との二液を印字することで、良好な画像が得られるとするインクジェット記録方法が提案されている。
【0005】
また、その他にも二液を印字するインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特開平3−240557号公報、特開平3−240558号公報)。
【0006】
このような二液を印字するインクジェット記録方法において、さらに性能の向上が望まれてる点を挙げれば次の通りである。
【0007】
まず第一は、着色成分の定着能力の改善である。近年、上質紙に替わって再生紙が使用されることが多くなっている。再生紙は上質紙に比べインクが浸透しやすい場合が多い。このため、上質紙では高品位の画像が得られても、再生紙では画像のにじみやカラーブリードが発生してしまうことがあり、改善が求められている。
【0008】
第二は、印刷ムラである。印刷ムラとは、紙上での着色成分の偏りからくる印刷物の色濃度の乱れである。印刷ムラは、通常サイズの文字では大きな問題とはならないが、図形やグラフ等を印刷しなければならない様な用途にあっては、重要な問題となってくる。
【0009】
第三は、使用できる着色成分を拡大することである。二液を印字するインクジェット記録方法の多くは、金属イオンと着色成分が有するカルボキシルイオンとの塩析現象を利用するものである。従って、着色成分はカルボキシル基を有することが前提条件となる。しかし染料の中には、カルボキシル基以外の基、例えばスルホン基の作用により水溶化しているものもあり、この様な染料の利用も可能にする記録方法が求められているといえる。
【0010】
【発明の概要】
本発明者等は、今般、二液を印字するインクジェット記録方法において、無機酸化物コロイドが添加されたインク組成物を用いることによって、良好な画像が実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0011】
従って、本発明は、二液を印字するインクジェット記録方法において、良好な画像が実現できる方法の提供をその目的としている。
【0012】
より具体的には、再生紙においても良好な画像が実現できる二液を印字するインクジェット記録方法の提供を目的としている。
【0013】
さらに、印字ムラのない画像が実現できる二液を印字するインクジェット記録方法の提供を目的としている。
【0014】
さらにまた、広い範囲の着色成分の利用が可能な二液を印字するインクジェット記録方法の提供を目的としている。
【0015】
そして、本発明によるインクジェット記録方法は、記録媒体に、反応液とインク組成物とを付着させて、印字を行うインクジェット記録方法であって、反応液が多価金属塩および/またはポリアリルアミンを含んでなるものを用い、かつインク組成物として着色剤、無機酸化物コロイド、および水性溶媒を少なくとも含有してなるものを用いる。
【0016】
【発明の具体的説明】
インクジェット記録方法
本発明によるインクジェット記録方法は、記録媒体に反応液とインク組成物とを印字する工程を含んでなるものである。
【0017】
反応液とインク組成物を記録媒体に適用する順序としては、いずれが先であってもよく、すなわち反応液を記録媒体に付着させその後この記録媒体にインク組成物を付着させる方法、インク組成物を印字した後反応液を付着させる方法、さらに反応液とインク組成物をその射出直前または直後に混合する方法のいずれも好適に行うことができる。
【0018】
本発明によるインクジェット記録方法にあっては、反応液とインク組成物とが接触することで良好な印字が実現できる。以下は仮定であってこれよって本発明が限定的に解釈されないことを条件にその理由を述べれば次の通りである。反応液とインク組成物とが接触すると、反応液中の多価金属イオンまたはポリアリルアミンがインク組成物中の着色剤、無機酸化物コロイド、その他の成分の分散状態を破壊し、それを凝集させると考えられる。とりわけ、反応液中の多価金属イオンまたはポリアリルアミンと、インク組成物中の無機酸化物コロイドとが反応し、凝集物を形成するものと考えられる。これらの凝集物が着色剤の記録媒体への浸透を抑制すると考えられる。さらに記録媒体上に残ったコロイド粒子は、記録媒体に付着し、さらに粒子同士で結合して皮膜を形成し、着色剤の記録媒体への定着を促進する効果を有すると思われる。これらによって、色濃度の高い、にじみ、印刷ムラの少ない画像を実現するものと考えられる。また、カラー画像においては、異なる色の境界領域での不均一な色混じり、すなわちカラーブリードを有効に防止できるとの利点も有する。以上の機構はあくまで仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈されるものではない。
【0019】
また、本発明においては、上記したようにこの無機酸化物コロイドと、反応液中の多価金属イオンまたはポリアリルアミンとが反応し、効率よく凝集物を形成するものと考えられる。よって、着色剤が多価金属イオンまたはポリアリルアミンと凝集物を生じ難いものであっても、良好な印刷画像が実現できる。このことは、本発明による方法が着色剤の種類を選ばず、広範な種類の着色剤の利用を可能にするものであることを意味する。これは本発明の大きな利点である。
【0020】
反応液の記録媒体への付着に関しては、インク組成物を付着させる場所にのみ選択的に反応液を付着させるという方法と、紙面全体に反応液を付着させる方法のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消費量を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、反応液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度の精度が要求される。一方、後者は、前者に比べ反応液およびインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和されるが、紙面全体に大量の反応液を付着させることとなり、乾燥の際、紙がカールしやすい。従って、いずれの方法を採用するかは、インク組成物と反応液との組み合わせを考慮して決定されてよい。前者の方法を採用する場合、反応液の付着は、インクジェット記録方法によることが可能である。
【0021】
さらに、後記するように反応液は着色剤を含み、インク組成物として機能させてもよい。
【0022】
インク組成物
本発明において用いられるインク組成物は、着色剤、無機酸化物コロイド、および水性溶媒を少なくとも含有してなるものである。
【0023】
無機酸化物コロイド
本発明において用いられる無機酸化物コロイド(無機酸化物ゾルとも言う)は、分散媒が水または水と良好に混合する有機溶媒からなり、分散質が無機酸化物の超微粒子からなるコロイド溶液を意味する。無機酸化物としては、高分子量の無水珪酸(SiO2)やアルミナ(Al23)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。無機酸化物の超微粒子の粒径は1〜100nm程度が一般的であり、好ましくは1〜20nmの範囲であり、より好ましくは1〜10nmの範囲である。また、無機酸化物コロイドの分散媒は、水または水と良好な相溶性を有する有機溶媒例えばメタノール、エタノ−ル、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等との混合溶媒が一般的である。無機酸化物コロイドは、上記の無機酸化物の超微粒子を水中または、上記の有機溶媒中に分散することによって得られる。上記の無機酸化物の超微粒子を水中に分散させたものは水性ゾル、有機溶媒に分散させたものをオルガノゾルと呼ばれる。
【0024】
本発明において用いられる無機酸化物コロイドは、上記のように多価金属塩またはポリアリルアミンと相互作用をして凝集する性質を有する必要がある。
【0025】
このような無機酸化物コロイドとしては、市販のものを利用することも可能である。その具体例としては、高分子量の無水珪酸の超微粒子を水中に分散させたスノーテックス S、スノーテックス N、スノーテックス C、スノーテックス SS、スノーテックス XS、スノーテックス 20、スノーテックス 30、スノーテックス 40(以上 日産化学製)、Cataloid SI−350、Cataloid SI−500、Cataloid SI−30、Cataloid S−20L、Cataloid S−20H、CataloidS−30L、Cataloid S−30H、Cataloid SI−40(以上 デュポン社製)等が挙げられる。アルミナの超微粒子を水中に分散させアルミナゾル 100、アルミナゾル 200、アルミナゾル 520(以上 日産化学製)等が挙げられる。高分子量の無水珪酸の超微粒子を有機溶媒中に分散させたOSCAL−1432(イソプロピルアルコールゾル;触媒化成工業製)も利用が可能である。上記の市販の無機酸化物コロイド溶液のpHは、酸性またはアルカリ性に調整されているものが多い。これは、無機酸化物コロイドの安定分散領域が酸性側かアルカリ性側に存在するためであり、市販の無機酸化物コロイド溶液をインク中に添加する場合は無機酸化物コロイドの安定分散領域のpHとインクのpHとを考慮して添加する必要がある。
【0026】
無機酸化物コロイドの添加量は、その種類およびその凝集物を勘案して適宜決定されてよいが、例えばインク組成物の0.1〜15重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0重量%程度の範囲である。また、複数の無機酸化物コロイドを添加してもよい。
【0027】
着色剤
本発明において用いられるインク組成物に含まれる着色剤としては、染料、顔料のいずれであってもよい。本発明にあっては上記のように極めて広範な着色剤を利用することができる。
【0028】
染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0029】
顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0030】
本発明の好ましい態様によれば、これらの顔料は、分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤、界面活性剤を使用することができる。
【0031】
インク組成物への顔料の添加量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度である。
【0032】
水性溶媒
本発明によるインク組成物の基本溶媒である水性溶媒とは、水性有機溶媒と、水とからなる。
【0033】
水性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。
【0034】
また、本発明の好ましい態様によれば、水性溶媒はさらに高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。
【0035】
これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%の範囲である。また、低沸点有機溶剤の添加量はインクの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
【0036】
また、本発明に用いられるインク組成物は界面活性剤を含むことができる。界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤、メタノール、エタノール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルなどがあげられる。
【0037】
本発明に用いられるインク組成物は、その他、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等が添加されてもよい。例えば、pH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンがあげられる。
【0038】

本発明の好ましい態様によれば、本発明において用いられるインク組成物は、糖を含有してなるのが好ましい。この糖の添加によって、色濃度をさらに改善し、にじみ、および印刷ムラを極めて少なくすることができる。さらに、カラー画像においてはカラーブリードをより高い次元で防止できる。糖類の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0039】
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)n CH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0040】
これら糖類の含有量は、インク組成物の0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0041】
エポキシ基含有化合物およびエポキシ硬化剤
本発明の好ましい態様によれば、本発明において用いられるインク組成物は、エポキシ基含有化合物を含んでなるのが好ましい。本発明において、エポキシ基含有化合物とは、少なくとも二個以上のエポキシ基を分子構造中に有するものであり、エポキシ基が関与した架橋反応を生じ、樹脂化(すなわち高分子量化)するものを意味するものとする。このエポキシ基含有化合物の添加によって、印刷画像に良好な耐擦性、耐水性を付与することができる。
【0042】
本発明において用いられるエポキシ基含有化合物としては、エポキシ基を有し、エポキシ基と反応可能な官能基を更に有する化合物と、エポキシ基を有するが、エポキシ基と反応可能な官能基を有しない化合物とが挙げられる。
【0043】
ここで、エポキシ基と反応可能な官能基とは、エポキシ基と反応し、その架橋反応を生じさせるものを意味し、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、などが挙げられる。本発明にあっては、更にエポキシ基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化合物を用いると、後記するような反応液へのエポキシ硬化剤の添加を省略することが出来る。一方で、エポキシ基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化合物を用いながら、更に反応液にエポキシ硬化剤を添加すると、印字の定着速度を更に向上させることが出来る。いずれの利点を得るかは、適宜選択することが出来る。
【0044】
本発明においてエポキシ基含有化合物をインク組成物に添加することで、良好な印字が得られる機構は次のように考えられる。但し、この機構はあくまで仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈されるものではない。
【0045】
本発明による方法にあっては、反応液と、インク組成物とを記録媒体に付着させる。インク組成物が記録媒体に付着すると、反応液中の多価金属塩による多価金属イオンまたはポリアリルアミンと、インク組成物中の無機酸化物コロイドとの相互作用によって凝集が生ずることは上記したとおりである。ここで、反応液にエポキシ硬化剤が含まれている場合には、エポキシ基含有化合物のエポキシ基の架橋反応が生じ、樹脂化が進行する。また、エポキシ基含有化合物としてエポキシ基に反応可能な官能基を有する化合物を用いた場合、次のような機構で、エポキシ硬化剤が存在しないにもかかわらず樹脂化が進行するものと考えられる。すなわち、反応液中の多価金属塩またはポリアリルアミンと、無機酸化物コロイドとの凝集により、エポキシ基含有化合物間の距離が極めて小さくなると、隣り合うエポキシ基含有化合物間においてエポキシ基と、それと反応可能な官能基とが反応する現象が生ずると予想される。この反応によってエポキシ基含有化合物間において架橋反応が生じ、樹脂化するものと考えられる。以上のような樹脂化によって、印字が強固に記録媒体に付着し、更に印字表面に樹脂の皮膜が形成される。このような印字は良好な耐擦性、耐水性、耐光性を有するものになるものと考えられる。
【0046】
なお、インク組成物中においてこのエポキシ基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化合物同士が反応してしまうことが好ましくないことは明らかであるから、そのようなエポキシ基含有化合物の利用は避けるのが好ましい。
【0047】
本発明において好ましく用いられるエポキシ基含有化合物としては、エポキシ基含有樹脂エマルジョンおよび水溶性エポキシ化合物があげられる。
【0048】
本発明の好ましい態様によれば、エポキシ基含有樹脂エマルジョンとして、連続相が水であり、分散相が下記の式(I)および(II):
【0049】
【化3】
Figure 0003693205
(式中、
1およびR3は独立してHまたはCH3を表し、
2はその構造中にアルキル基(好ましくはC1 21アルキル)、水酸基、カルボキシル基およびスルホン酸基から選ばれる一種以上の基を含んでなる基を表わす)で表わされる繰返し単位を含んでなる共重合体を含んでなる、エポキシ基含有アクリル系樹脂エマルジョンがあげられる。この樹脂は、共重合の態様によっては制限されず、例えばブロックコポリマ、ランダムコポリマなどであることができる。
【0050】
また、このような共重合体の末端は、この共重合体が高分子ゆえその性質に本質的な影響を与えるものではないが、一般的には重合開始剤の切片が結合したものとなろう。このような重合開始剤の切片としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの重合開始剤の切片、具体的には−OSO3 Hなどがあげられる。
【0051】
2の好ましい例としては、−OH、−COOH、−COO−R(ここで、Rは直鎖または分岐鎖状のアルキル基、好ましくはC1-12のアルキル基を表し、更にこのアルキル基上の一以上の水素原子は水酸基、ホスホノ基、またはスルホン酸基で置換されていてもよい)、スルホン酸基で置換されたアリール基(例えば、フェニル基、トリル基)が挙げられる。R2として表わされる基の具体例としては、−OH、−COOH、−COOCH2CH2OH、−COOCH2CH(CH3)OH、−COOCH2CH2PO(OH)2、−C65SO3H、−COOCH2CH2SO3H、−COOCH3、−COOC25、−COOC49、−COOC613、−COO(CH211CH、−COOCH2CH(CH3)CH2C(CH33等が挙げられる。ここで、R2に含まれることのある水酸基、カルボキシル基、またはスルホン酸基はエポキシ基と反応可能な官能基である。よって、R2がアルキル基のみを含んでなる場合およびR2が水酸基、カルボキシル基、またはスルホン酸基を含んでなるが実質的にエポキシ基と反応しない場合には、樹脂エマルジョンはエポキシ基と反応可能な官能基を有さないものとなる。また、R2がアルキル基に加えて、水酸基、カルボキシル基、またはスルホン酸基を含んでなる場合には、樹脂エマルジョンはエポキシ基と反応可能な官能基を有するものとなる。
【0052】
また、この樹脂エマルジョンとして市販のものを用いることも可能であり、その例としてはアルマテックスZ116(三井東圧化学株式会社製)、ニューコートS−2170およびS−1080(新中村化学工業株式会社製)、バナテックス#952およびHG−9(新中村化学工業株式会社製)、Piestex B−3(新中村化学工業株式会社製)があげられる。
【0053】
水溶性エポキシ化合物は、一分子中に、後記するエポキシ硬化剤と反応性のエポキシ基を、好ましくは二個以上含んでなるものであって、典型的には水溶性ジエポキサイドである。本発明において好ましく用いられる水溶性エポキシ化合物としては、下記の式で表されるものが挙げられる。
【0054】
【化4】
Figure 0003693205
(式中、nは4〜9の自然数を表わす)
水溶性エポキシ化合物の好ましい例としては、ポリエチレングリコールグリシジルエーテルがあげられる。市販のものとしてはエポライト400E(ポリエチレングリコール#400グリシジルエーテル、共栄社化学製)、エポライト200E(ポリエチレングリコール#200グリシジルエーテル、共栄社化学製)、エポライト80MF(グリセリンジグリシジルエーテル、共栄社化学製)、エピオールG−100(グリセリンジクリシジルエーテル、日本油脂株式会社製)、デナコール(ナガセ化成株式会社製)があげられる。
【0055】
本発明において好ましく用いられるエポキシ基と反応性の官能基を有するエポキシ基含有化合物としては、例えは、前記エポキシ基含有樹脂エマルジョンのうち、R2の少なくとも一部がエポキシ基との反応可能な官能基、つまり、水酸基、カルボキシル基、およびスルホン酸基から選ばれる官能基を含んでなるものがあげられる。R2の一部がアルキル基(好ましくはC121アルキル)を含んでなり、エポキシ基と反応可能な官能基を含まないものであってもよい。市販のものとしては、アルマテックスZ116(三井東圧化学株式会社製)があげられる。
【0056】
本発明によるインク組成物におけるエポキシ基含有化合物の含有量は、インク組成物の1〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。
【0057】
なお、本発明において用いられるインク組成物は、後記するように樹脂エマルジョンを含んでなるが、前記したエポキシ基含有化合物がエポキシ基含有樹脂エマルジョンである場合、このエポキシ基含有化合物はこの樹脂エマルジョンの作用をも兼ねるものであり、更に別の成分の樹脂エマルジョンを含まなくともよい。しかし、本発明の好ましい態様によれば、エポキシ基含有樹脂エマルジョンに加え、更に樹脂エマルジョンが添加されるのが好ましい。
【0058】
本発明においては、好適にはエポキシ硬化剤を反応液に含ませてもよい。このエポキシ硬化剤は、前記したインク組成物に含まれるエポキシ基含有化合物とともに、架橋反応により、エポキシ基含有化合物の樹脂化(高分子量化)を促進させるものを意味するものとする。本発明にあっては、後記する様なインクジェット記録方法において良好な耐擦性、耐水性を有する印字を与えるエポキシ硬化剤であれば特に制限無く利用することができる。
【0059】
本発明において好ましく用いられるエポキシ硬化剤は典型的には水溶性である。このような硬化剤としては、アミン化合物、例えば、エチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、脂肪族アミン変成物、水溶性ポリアミン、アミン以外の水溶性常温硬化触媒、例えばP−フェノールスルホン酸などの芳香族スルホン酸、エポキシエマルジョン用硬化剤があげられる。硬化剤として市販のものを利用することをも可能であり、その例としては、アルマテックスH700(三井東圧化学株式会社製)、エポキ−H(三井東圧化学株式会社製)があげられる。
【0060】
このようなエポキシ硬化剤の反応液中における濃度は、好ましくは0.1〜40重量%程度であり、より好ましくは1〜20重量%程度である。
【0061】
本発明において、反応液が付着した記録媒体に、インク組成物が印字されると、反応液に含有されているエポキシ硬化剤と、インク組成物に含有されているエポキシ基含有化合物とが反応し、エポキシ基含有化合物の架橋反応が進行する。その反応は例えば下記のように表される。
【0062】
【化5】
Figure 0003693205
その結果、エポキシ基含有化合物の樹脂化(樹脂エマルジョンの場合更なる高分子量化)が促進される。記録媒体に形成された印字中におけるこのような樹脂化によって印字が強固に記録媒体に付着し、更に印字表面に樹脂の皮膜が形成される。このような印字は良好な耐擦性、耐水性、耐光性を有するものとなる。
【0063】
樹脂エマルジョン
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明において用いられるインク組成物は樹脂エマルジョンを含んでなるのが好ましい。好ましく用いられる樹脂エマルジョンは、連続相が水であり、分散相の樹脂成分がエポキシ基を含まないものである。なお、前記したように、エポキシ基含有化合物がエポキシ基含有樹脂エマルジョンである場合、この樹脂エマルジョンの添加は必須ではない。このような樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などがあげられる。
【0064】
また、市販の樹脂エマルジョンとしては、例えばマイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などがあげられる。
【0065】
本発明の好ましい態様によれば、これらの樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
【0066】
これらの樹脂エマルジョンは、重合反応によって得られた重合物に、界面活性剤と水を加えて乳化する、あるいは、モノマーを界面活性剤存在下の水中で乳化重合することによって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂エマルジョンまたはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンと(メタ)アクリル酸エステルとを界面活性剤等の乳化剤の存在下で乳化重合することによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良好なインクの耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は特に限定されないが、好ましい例としてはアニオン性界面活性剤(例えばアルキルサルフェート、アルキルアリルスルホネート、ジアルキル サクシネート、アルキルナフタレンスルホネートなど)、HLB10以上の非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルなど)があげられ、これらを単独または二種以上混合して用いることができる。
【0067】
また、分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
【0068】
本発明に使用するインク組成物は、樹脂エマルジョンを、その樹脂成分がインク組成物の0.1〜40重量%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。
【0069】
エポキシ基を含有している樹脂エマルジョン、エポキシ基を含有していない樹脂エマルジョンのいずれも、多価金属イオンまたはポリアリルアミンとの相互作用により、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録媒体への定着を促進する効果を有するものと考えられる。
【0070】
本発明において用いられる反応液は、基本的に多価金属塩、ポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体から選択される少なくとも一つと、水とを含んでなる。さらに、インク組成物がエポキシ基含有化合物を含んでなる場合には、好ましくは前記したエポキシ硬化剤とを含んでなる。
【0071】
本発明において、反応液に含まれる多価金属塩は、2価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する好ましくは硝酸イオンまたはカルボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものである。
【0072】
ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸および炭素数7〜11の炭素環式モノカルボン酸からなる群から選択されるカルボン酸から誘導されるものである。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0073】
このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、そのようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げられる。
【0074】
さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0075】
一方、多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオンAl3+、Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンが挙げられる。陰イオンとしては、Cl- 、NO3 -、I- 、Br- 、ClO3 -、およびCH3 COO- が挙げられる。
【0076】
とりわけ、上記陰イオンと、Ca2+またはMg2+より構成される金属塩は、反応液のpH、得られる印刷物の品質という2つの観点から、好適な結果を与える。
【0077】
これら多価金属塩の反応液中における濃度は印字品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0078】
反応液に用いることができるポリアリルアミン及びポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子である。例えば、式(a)、式(b)、および式(c)が挙げられる。
【0079】
【化6】
Figure 0003693205
(式中、X-は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等を表す)
さらに、アリルアミンとジアリルアミンが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用することもできる。
【0080】
これらポリアリルアミンの含有量は、反応液の0.5〜10重量%であることが好ましい。
【0081】
また、本発明において反応液には、高沸点有機溶媒などの湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有機溶媒の好ましい例としては、インク組成物の項で記載したものが挙げられる。高沸点有機溶媒は、反応液の乾燥を防ぐことによりヘッドの目詰まりを防止する。
【0082】
高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されないが、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より好ましくは2〜20重量%程度である。
【0083】
本発明の好ましい態様によれば、高沸点有機溶媒としてトリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンを添加するのが好ましい。これらを組み合わせて添加する場合、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびグリセリンの添加量はそれぞれ10〜20重量%程度および1〜15重量%程度が好ましい。
【0084】
また、この反応液は、カラー着色剤を添加して着色され、インク組成物の機能を兼ね備えたものとしてもよい。
【0085】
その他、保存安定性を向上させるため必要に応じて、反応液にpH調整剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。
【0086】
このうち、pH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンがあげられる。トリエタノールアミンが添加される場合、その添加量は、0〜2.0重量%程度が好ましい。
【0087】
インクジェット記録方法および記録装置
本発明によるインクジェット記録方法およびそれを実施するインクジェット記録装置について以下、図面を用いて説明する。
【0088】
図1のインクジェット記録装置は、インク組成物および反応液をタンクに収納し、インク組成物および反応液がインクチューブを介して記録ヘッドに供給される態様である。すなわち、記録ヘッド1とインクタンク2とがインクチューブ3で連通される。ここで、インクタンク2は内部が区切られてなり、インク組成物、場合によって複数のカラーインク組成物、の部屋と、反応液の部屋とが設けられてなる。
【0089】
記録ヘッド1は、キャリッジ4に搭載され、モータ5で駆動されるタイミングベルト6によってガイド9にガイドされて移動する。一方、記録媒体である紙7はプラテン8によって記録ヘッド1と対面する位置に置かれる。なお、この態様においては、キャップ10が設けられてなる。このキャップ10には吸引ポンプ11が連結され、いわゆるクリーニング操作を行う。吸引されたインク組成物はチューブ12を介して廃インクタンク13に溜め置かれる。
【0090】
記録ヘッド1のノズル面の拡大図を図2に示す。1bで示される部分が反応液のノズル面であって、反応液が吐出されるノズル21が縦方向に設けられてなる。一方、1cで示される部分がインク組成物のノズル面であって、ノズル22、23、24、25からはそれぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐出される。
【0091】
さらにこの図2に記載の記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法を図3を用いて説明する。記録ヘッド1は矢印A方向に移動する。その移動の間に、ノズル面1bより反応液が吐出され、記録媒体7上に帯状の反応液付着領域31を形成する。次に記録媒体7が紙送り方向矢印Bに所定量移送される。その間記録ヘッド1は図中で矢印Aと逆方向に移動し、記録媒体7の左端の位置に戻る。そして、既に反応液が付着している反応液付着領域にインク組成物を印字し、印字領域32を形成する。
【0092】
また、図4に記載のように記録ヘッド1において、ノズルを全て横方向に並べて構成することも可能である。図中で、41aおよび41bは反応液の吐出ノズルであり、ノズル42、43、44、45からはぞれぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐出される。このような態様の記録ヘッドにおいては、記録ヘッド1がキャリッジ上を往復する往路、復路いずれにおいても印字が可能である点で、図2に示される記録ヘッドを用いた場合よりも速い速度での印字が期待できる。
【0093】
さらに、インクジェット記録装置には、インク組成物の補充がインクタンクであるカートリッジを取り替えることで行われるものがある。また、このインクタンクは記録ヘッドと一体化されたものであってもよい。
【0094】
このようなインクタンクを利用したインクジェット記録装置の好ましい例を図5に示す。図中で図1の装置と同一の部材については同一の参照番号を付した。図5の態様において、記録ヘッド1aおよび1bは、インクタンク2aおよび2bと一体化されてなる。記録ヘッド1aまたは1bをそれぞれインク組成物および反応液を吐出するものとする。印字方法は基本的に図1の装置と同様であってよい。そして、この態様において、記録ヘッド1aとインクタンク2aおよび記録ヘッド1bおよびインクタンク2bは、キャリッジ4上をともに移動する。
【0095】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0096】
インク組成物の調製
以下のインク組成物を調製した。
【0097】
ブラックインクA1
カーボンブラックMA7 5重量%
(三菱化成株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体 1重量%
(分散剤)
スノーテックスS 10重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学社製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
カーボンブラックと分散剤とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の上記成分を加え、常温で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィルターでろ過して、インクジェット記録用インクを得た。
【0098】
ブラックインクA2
カーボンブラックRaven1080 5重量%
(コロンビヤン・カーボン株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体 1重量%
(分散剤)
スノーテックスC 0.5重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量20%、日産化学製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0099】
ブラックインクA3
カーボンブラックRaven1080 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体 1重量%
(分散剤)
スノーテックスS 5重量%
ボンコート4001 5重量%
(アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、MFT=5℃、大日本インキ株式会社製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0100】
ブラックインクA4
C.I.フードブラック 2重量%
スノーテックスC 10重量%
2−ピロリドン 5重量%
純水 残量
【0101】
ブラックインクA5
C.I.フードブラック 2重量%
アルミナゾル−200 5重量%
(Al23含有量10%、日産化学社製)
2−ピロリドン 5重量%
純水 残量
【0102】
ブラックインクA6
C.I.フードブラック 2重量%
2−ピロリドン 5重量%
純水 残量
【0103】
ブラックインクA7
カーボンブラックRaven1080 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体 1重量%
(分散剤)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0104】
下記の着色剤を下記の液媒体に添加して、それぞれシアン、マゼンタ、およびイエローインク組成物を得て、カラーインクセットとした。
【0105】
カラーインクセットA1
染料
シアンインク
C.I.ダイレクトブルー86 3重量%
マゼンタインク
C.I.ダイレクトレッド9 3重量%
イエローインク
C.I.アシッドイエロー23 3重量%
液媒体
スノーテックスC 5重量%
ジエチレングリコール 10重量%
サーフィノール82 3重量%
サーフィノールTG 0.5重量%
純水 残量
【0106】
カラーインクセットA2
顔料
シアンインク
顔料KETBLUEEX−1 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
マゼンタインク
顔料KETRED309 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
イエローインク
顔料KETYELLOW403 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
液媒体
スチレン−アクリル酸共重合体 0.4重量%
(分散剤)
コロイダルシリカS 3重量%
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0107】
下記の成分を混合して、反応液を調製した。
【0108】
反応液A1
硝酸マグネシウム・六水和物 25重量%
(硝酸マグネシウム 14.8重量% )
ジエチレングリコール 10重量%
純水 残量
【0109】
反応液A2
塩化カルシウム 10重量%
ジエチレングリコール 10重量%
純水 残量
【0110】
反応液A3
下記のそれぞれの染料を液媒体に添加し、シアン、マゼンタ、およびイエローのカラーインク組成物の機能を兼ねる反応液を調製した。
【0111】
染料
シアンインク
C.I.ダイレクトブルー86 3重量%
マゼンタインク
C.I.ダイレクトレッド9 3重量%
イエローインク
C.I.アシッドイエロー23 3重量%
液媒体
塩化カルシウム 10重量%
グリセリン 10重量%
純水 残量
【0112】
以上示したインク組成物、反応液を第1表に示される通りに組み合わせ、後記する評価試験を行った。
【0113】
Figure 0003693205
【0114】
評価A1:印字品質(にじみ)
インクジェトプリンタMJ−700V2C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、以下の各紙に印刷を行った。印刷は、まず反応液を100%dutyで印刷した後、ブラックインクで文字を印刷した。乾燥後、文字におけるにじみの発生の有無を調べた。
【0115】
▲1▼Xerox P紙(ゼロックス株式会社製)
▲2▼Ricopy 6200紙(リコー株式会社製)
▲3▼Xerox 4024紙(ゼロックス株式会社製)
▲4▼Neenah Bond紙(キンバリークラーク社製)
▲5▼Xerox R紙(ゼロックス株式会社製・再生紙)
▲6▼やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)
【0116】
その結果は第2表に示されるとおりであった。表中、
○:にじみがなく鮮明な印刷の場合、
△:ひげ状のにじみが発生した場合、そして
×:文字の輪郭がはっきりしないほどにじみが発生した場合を意味する。
【0117】
評価A2:印刷ムラ
インクジェットプリンタMJ−700V2Cを用いて、以下の各紙に100%dutyで印刷を行った。印刷の方法は印字品質(にじみ)で示した方法と同様である。
【0118】
▲1▼Ricopy 6200紙(リコー株式会社製)
▲2▼Canon dry紙(キャノン株式会社製)
得られた印刷画像について、その反射OD値をMachbeth PCMII(マクベス社製)を用いて測定した。印刷部分の任意の5点のOD値を測定し、その平均値を求めた。この手順を5回繰り返し、5つの平均値の最大値と最小値を求めた。この差が0.5 未満であると実用上問題なく、さらには0.4 未満が好ましい。その結果は次の第2表に示されるとおりであった。表中、
○:OD値の差が0.3 未満、
△:OD値の差が0.3 以上0.4未満、そして
×:OD値の差が0.4 以上の意味である。
【0119】
評価A3:耐擦性
インクジェットプリンタMJ−700V2CでXerox P紙(ゼロックス株式会社製)に印刷し、印刷物を24時間自然乾燥させた。その印刷物を25℃、50RHの環境で指でこすり、印刷の汚れの発生の有無を目視で観察した。その結果は、次の第2表に示されるとおりであった。表中、
○:印刷の汚れが観察されない場合、
△:印刷の汚れが若干発生するが、文字の判別は可能な場合、
×:印刷の汚れで文字の判別ができない場合である。
【0120】
評価A4:カラーブリード
インクジェットプリンタMJ−700V2Cを用いて、以下の各紙に100%dutyで反応液を記録材に付着させた後、100%dutyでカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)とブラックインク(文字)とを同時に印刷し多。得られた印刷物の文字の境界部分での不均一な色の混じりの有無を調べた。なお、実施例8では100%dutyで反応液とブラックインク(文字)とを同時印刷した。
【0121】
▲1▼Xerox P紙(ゼロックス株式会社製)
▲2▼Ricopy 6200紙(リコー株式会社製)
▲3▼Xerox 4024紙(ゼロックス株式会社製)
▲4▼Neenah Bond紙(キンバリークラーク社製)
▲5▼Xerox R紙(ゼロックス株式会社製・再生紙)
▲6▼やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)
その結果は次の第2表に示される通りであった。表中、
○:色の混じりがなく境界が鮮明な場合、
△:ひげ状に色の混じりが発生した場合、そして
×:文字の輪郭がはっきりしないほど色が混じった場合である。
【0122】
評価A5:専用メディアへのインク定着性
インクジェットプリンターMJ−700V2Cを用い、インクをMJ−700V2C用専用光沢フィルム(セイコーエプソン株式会社製)に印字した後、印刷物を24時間自然乾燥させた。その印刷物を25℃、50RHの環境で指でこすり、印刷物の汚れ、着色剤の剥離の発生の有無を目視で観察した。その結果は、次の第2表に示される通りであった。表中、
○:印刷の汚れ、着色剤の剥離が観察されなかった場合、
△:印刷の汚れが若干発生するが、着色剤の剥離は観察されなかった場合、そして
×:印刷の汚れ、着色剤の剥離がともに発生した場合である。
【0123】
Figure 0003693205
【0124】
以下のインク組成物を調製した。
【0125】
ブラックインクB1
カーボンブラックMA7 5重量%
(三菱化成株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
アルマテックスZ116 3重量%
(エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、三井東圧化学株式会社製)
スノーテックスS 2重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.0重量%
KOH(pH調整剤) 0.1重量%
純水 残量
【0126】
ブラックインクB2
カーボンブラックRaven1080 5重量%
(コロンビヤ・カーボン株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
アルマテックスZ116 3重量%
(エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、三井東圧化学株式会社製)
エポライト400E 2重量%
(水溶性エポキシ化合物、ポリエチレングリコール#400グリシジルエーテル、共栄社化学製)
スノーテックスC 1重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量20%、日産化学製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0127】
ブラックインクB3
カーボンブラックRaven1080 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
マイクロジェルE−5002 3.5重量%
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分29.2%、MFT 約80℃、日本ペイント株式会社製)
アルマテックスZ116 5重量%
(エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、三井東圧化学株式会社製)
スノーテックスS 1重量%
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.0重量%
KOH(pH調整剤) 0.1重量%
純水 残量
【0128】
ブラックインクB4
カーボンブラックRaven1080 5重量%
(コロンビヤ・カーボン株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
マイクロジェルE−5002 3.5重量%
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分29.2%、MFT 約80℃、日本ペイント株式会社製)
エポライト400E 2重量%
(水溶性エポキシ化合物、ポリエチレングリコール#400グリシジルエーテル、共栄社化学製)
スノーテックスC 1重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量20%、日産化学製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0129】
ブラックインクB5
カーボンブラックRaven1080 5重量%
(コロンビヤ・カーボン株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0130】
ブラックインクB6
カーボンブラックRaven1080 5重量%
(コロンビヤ・カーボン株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
マイクロジェルE−5002 3.5重量%
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分29.2%、MFT 約80℃、日本ペイント株式会社製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0131】
以上のブラックインク組成物は次のように調製した。まず、カーボンブラックと分散剤とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え常温で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィルターでろ過し、インクジェット記録用インクを得た。
【0132】
カラーインクセットB1
シアンインク
顔料KETBLUEEX−1 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
アルマテックスZ116 3重量%
(エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、三井東圧化学株式会社製)
スノーテックスS 2重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0133】
マゼンタインク
顔料KETRED309 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
アルマテックスZ116 3重量%
(エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、三井東圧化学株式会社製)
スノーテックスS 2重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0134】
イエローインク
顔料KETYELLOW403 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
アルマテックスZ116 3重量%
(エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、三井東圧化学株式会社製)
スノーテックスS 2重量%
(コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0135】
カラーインクセットB2
シアンインク
顔料KETBLUEEX−1 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0136】
マゼンタインク
顔料KETRED309 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0137】
イエローインク
顔料KETYELLOW403 2重量%
(大日本インキ化学工業株式会社製)
スクロース 0.7重量%
マルチトール 6.3重量%
グリセリン 10重量%
2−ピロリドン 2重量%
エタノール 4重量%
純水 残量
【0138】
以上、カラーインク組成物は次のように調製した。まず、顔料と分散剤とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え常温で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物を得た。
【0139】
反応液B1
硝酸マグネシウム・六水和物 25重量%
トリエチレングリコール
モノブチルエーテル 10重量%
グリセリン 20重量%
純水 残量
【0140】
応液B2
硝酸マグネシウム・六水和物 25重量%
水溶性ポリアミン
(アルマテックスH700) 3重量%
(三井東圧化学株式会社製)
トリエチレングリコール
モノブチルエーテル 10重量%
グリセリン 20重量%
純水 残量
【0141】
以上の反応液は、組成成分を混合して、室温で1時間攪拌を行なった後、室温で5μmメンブランフィルターで吸引ろ過して調製した。
【0142】
印字評価試験
以上のインク組成物および反応液を組み合わせて用いて所定の印刷を行い、得られた画像を次のように評価した。
【0143】
印字方法
インクジェットプリンタMJ−700V2C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、以下の各紙に印刷を行った。印刷は、まず反応液を100%dutyで印刷した後、ブラックインクで文字を印刷した。反応液、インクともに吐出量は0.07μg/dot、密度は360dpiとした。
【0144】
印刷試験用紙
▲1▼Xerox P紙(ゼロックス株式会社製)
▲2▼Ricopy 6200紙(リコー株式会社製)
▲3▼Xerox 4024紙(ゼロックス株式会社製)
▲4▼Neenah Bond紙(キンバリークラーク社製)
▲5▼Xerox R紙(ゼロックス株式会社製・再生紙)
▲6▼やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)。
【0145】
評価B1:耐擦性試験(耐ラインマーカー性)
得られた印刷物をゼブラ社製イエロー水性蛍光ペン ZEBRA PEN2を用いて、印刷文字を筆圧4.9×105N/m2で擦り、イエロー部の汚れの有無を目視で観察し、次のように評価した。
【0146】
◎:印刷直後から2回擦っても全く汚れが生じない
○:24時間自然乾燥後、2回擦っても全く汚れが生じない
△:24時間自然乾燥後、1回の擦りまで汚れが生じないが、2回以上で汚れが発生する用紙がある
×:24時間自然乾燥後、1回の擦りでも汚れの生じる用紙がある
【0147】
評価B2:印字品質(にじみ)
得られた印刷物の乾燥後の文字におけるにじみの発生の有無を調べ、次のように評価した。
【0148】
◎:全紙にじみの発生なく鮮明な印刷である
○:一部の用紙(再生紙)にひげ状のにじみの発生がある
△:全紙にひげ状のにじみの発生がある
×:文字の輪郭がはっきりしないほどにじみが発生している
【0149】
評価B3:OD値
上記の方法で印字した印刷物の反射OD値をMacbeth PCMII(マクベス社製)で測定した。
【0150】
以上の評価B1〜評価B3において用いられた反応液およびインク組成物、並びにその評価結果は、次の第3表に示される通りであった。
Figure 0003693205
【0151】
評価B4:カラーブリード
インクジェットプリンタMJ−700V2Cを用いて、上記記録紙に100%dutyで反応液を各紙に付着させた後、100%dutyでカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)を同時に印刷した。得られた印刷物の色の境界部分での不均一な色の混じりを目視で観察し、次のように評価した。
【0152】
○:色の混じりがなく境界が鮮明な場合
△:ひげ状に色の混じりが発生した場合
×:輪郭がはっきりしないほど色が混じった場合
その結果は次の第4表に示されるとおりであった。
【0153】
Figure 0003693205
【0154】
評価B5:専用メディアへのインク定着性(その1)
インクジェットプリンタMJ−700V2C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、インクジェットプリンタMJ−700V2C用専用光沢フィルム(セイコーエプソン株式会社製)に印字した後、印刷物を24時間自然乾燥させた。
【0155】
該印刷物を評価B1と同様の方法で調べた。その結果を次の基準で評価した。
【0156】
○:1回の擦りでは汚れが全く生じない
△:1回の擦りで汚れが若干生じる
×:1回の擦りで汚れが発生する
【0157】
評価B6:専用メディアへのインク定着性(その2)
粘着テープ(セロハンテープ:セキスイテープ(積水化学製)))を印刷物の印字部分に貼り、指で2ないし3回擦った後に粘着テープを引き剥した。その部分の印字部の状態を目視で観察し、次の基準で評価した。
【0158】
○:インク(着色剤)の専用光沢フィルムからの剥離が全くない
△:インク(着色剤)が専用光沢フィルムと粘着テープの粘着剤面の両方にある
×:インク(着色剤)が専用光沢フィルムから完全に剥離している
以上の結果は第5表に示される通りであった。
【0159】
Figure 0003693205

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法を実施するインクジェット記録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッドとインクタンクがそれぞれ独立してなり、インク組成物および反応液はインクチューブにより記録ヘッドに供給される。
【図2】記録ヘッドのノズル面の拡大図であって、1bが反応液のノズル面であり、1cがインク組成物のノズル面である。
【図3】図2の記録ヘッド用いたインクジェット記録ヘッド説明する図である。図中で、31は反応液付着領域であり、32は反応液が付着された上にインク組成物が印字された印字領域である。
【図4】記録ヘッドの別の態様を示す図であって、吐出ノズルが全て横方向に並べて構成されたものである。
【図5】本発明による方法を実施するインクジェット記録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッドとインクタンクが一体化されてなる。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 インクタンク
3 インクチューブ
21 反応液吐出ノズル
22,23,24,25 インク組成物吐出ノズル
31 反応液付着領域
32 印字領域

Claims (16)

  1. 記録媒体に、反応液とインク組成物とを付着させて、印字を行うインクジェット記録方法であって、
    前記反応液が、多価金属塩、ポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体から選択される少なくとも一つを含んでなるものであり、
    前記インク組成物が、着色剤、無機酸化物コロイド、および水性溶媒を少なくとも含有してなるものであり、前記無機酸化物が無水珪酸またはアルミナである、インクジェット記録方法。
  2. インク組成物が糖をさらに含有してなるものである、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク組成物が着色剤として顔料を含有してなるものである、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク組成物が無機酸化物コロイドとしてコロイダルシリカを含有してなるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インク組成物が、エポキシ基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化合物および/またはエポキシ基と反応可能な官能基を有しないエポキシ基含有化合物をさらに含んでなるものであり、
    前記エポキシ基含有化合物が、エポキシ基含有樹脂エマルジョン、および/または、下記の式で表される水溶性エポキシ化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
    Figure 0003693205
    (式中、nは4〜9の自然数を表わす)。
  6. 前記エポキシ基含有樹脂エマルジョンが、下記の式(I)および(II)で表される繰り返し単位を含んでなる共重合体を含んでなるものである、請求項5に記載のインクジェット記録方法。
    Figure 0003693205
    (式中、R1およびR3は独立してHまたはCH3を表し、R2はその構造中にアルキル基、水酸基、カルボキシル基、およびスルホン酸基から選ばれる一種以上の基を含んでなる基を表わす)。
  7. 前記インク組成物が、連続相が水であり、かつ分散相がエポキシ基を含まない樹脂成分である樹脂エマルジョンをさらに含有してなるものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記反応液が多価金属塩として硝酸塩またはカルボン酸塩を含んでなるものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記カルボン酸塩を構成するカルボン酸イオンが、炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸(このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよい)または炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである、請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記反応液がエポキシ硬化剤をさらに含んでなるものである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記エポキシ硬化剤が水溶性ポリアミンである、請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 反応液を記録媒体に付着させ、その後該記録媒体にインク組成物を印字する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  13. インク組成物を記録媒体に印字し、その後該記録媒体に反応液を付着させる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記反応液と前記インク組成物をインクジェット記録装置からの射出直前または射出直後に混合して記録媒体に印字する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 反応液が、イエロー染料、シアン染料、またはマゼンタ染料を含んでなるカラーインクである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法によって印字された、記録物。
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