JP2012193268A - インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリントスピードを高速化しても優れた吐出安定性を維持でき、高画質な画像が得られるインク組成物を提供する。
【解決手段】(a)顔料、(b)水溶性溶剤、(c)界面活性剤、(d)下記一般式(I)で表される化合物又は特定の化学式で表されるシリコーン、及び(e)水を含んでなるインク組成物であって、インク組成物中の該一般式(I)で表される化合物又は前記特定シリコーンの含有量が0.15質量%以下であることを特徴とするインク組成物。
Figure 2012193268

(一般式(I)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式に用いるインク組成物とこれを用いた画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、高速記録が可能で騒音が少ないこと、カラー化が容易であること、高解像度化が可能であること、普通紙記録が可能であること等の多くの利点を持っている。これらの利点から、当該記録方式を利用した機器や設備は目覚ましく普及している。近年では、インクジェット記録技術の進歩により、これまで主に写真やオフセット印刷により行われてきた高精細画像の形成にも、インクジェット記録方式が用いられるようになってきている。また、少量多品種の印刷物を高速で廉価に印刷する用途にもインクジェット記録方式が採用されるようになってきている。
インクジェット記録方式の適用範囲の多様化にともなって、さらなる高画質化及び印刷スピードの高速化が求められるようになっている。高画質化を実現するために、種々のインクが提案されている。これらのインクは、通常の印刷速度であれば高精細な画像を形成しうるものの、印刷速度を高速化すると画質が劣化するのが問題であった。そのため、高速印画に対応でき、かつ高画質な画像を形成できるインクの開発が望まれている。
印刷スピードの高速化のために、プリンターのシングルパス方式の採用、インクジェットヘッドの駆動周波数を上げてインク吐出速度を向上させること等が試みられている。しかし、シングルパス方式では、1ノズルの吐出不良によって画質へ与える影響が大きい。また、インクジェットヘッドの駆動周波数を上げると、インクの打滴速度の維持や、ノズルでのインクメニスカスの安定等が困難となり、結果、インクの連続吐出安定性が悪くなってしまう。このため、実際には駆動周波数をある程度抑えることで、良好なインク吐出性を実現している。例えば、特許文献1には、特定の界面活性剤を添加することでインクの吐出安定性を向上することが提案されている。しかしながら、当該インクであっても、近年要求されるレベルの高速印刷には十分に対応しきれず、また、画質の点でも十分とはいい難い。
特開2006−282759号公報
本発明は、高速印画時においてインクの吐出安定性が良好で、高画質な画像が得られるインクジェット用インク組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、当該インク組成物を用いた画像形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討を行った。その結果、インク組成物中に下記一般式(I)又は(II)で表される化合物を特定量含有させることで、インクジェットヘッドの駆動周波数を上げ高速でインクを吐出しても、優れた吐出安定性が得られることを見出した。本発明は、この知見により完成されたものである。
上記の課題は下記の手段により解決された。
<1> (a)顔料、(b)水溶性溶剤、(c)界面活性剤、(d)下記一般式(I)又は(II)で表される化合物、及び(e)水を含んでなるインク組成物であって、インク組成物中の該一般式(I)又は(II)で表される化合物の含有量が0.15質量%以下であることを特徴とするインク組成物。
Figure 2012193268
(一般式(I)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
Figure 2012193268
(一般式(II)中、R、R、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、x+y=100であり、zは5以上の整数を表す。)
<2> インク組成物中における前記(c)界面活性剤の質量(W)と(d)前記一般式(I)又は(II)で表される化合物の質量(W)との質量比(W/W)が、5以上200以下であることを特徴とする前記<1>項記載のインク組成物。
<3> 前記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする前記<1>又は<2>項記載のインク組成物。
<4> 前記(a)顔料が、水溶性分散剤を用いて顔料分散した後に架橋剤により架橋する工程を経て得られた、ポリマーで被覆された顔料であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<5> 前記(b)水溶性溶剤が、Sp値27.5以下の水溶性溶剤を65質量%以上含むことを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<6> インク組成物に対する前記(b)水溶性溶剤の含有量が、30質量%を超え55質量%以下であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<7> 前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインク組成物と、該インク組成物の凝集を促進させる凝集促進剤及び水溶性溶剤を含む無色インク組成物、とを含むインクセット。
<8> 前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインク組成物を用いた画像形成方法。
<9> 前記インク組成物をインクジェットで打滴して記録媒体へ付与することを特徴とする前記<8>項記載の画像形成方法。
<10> 前記インク組成物を、35kHz以上の駆動周波数を有するインクジェットヘッドを用いて吐出することを特徴とする前記<8>又は<9>項記載の画像形成方法。
<11> 前記記録媒体が、非加工紙であることを特徴とする前記<8>〜<10>のいずれか1項に記載の画像形成方法。
<12> さらに、請求項7記載の無色インク組成物を用いることを特徴とする前記<8>〜<11>のいずれか1項に記載の画像形成方法。
<13> 前記無色インク組成物を、記録媒体に付与する第1の工程と、前記無色インク組成物が付与された記録媒体に前記インク組成物を付与する第2の工程とを含むことを特徴とする前記<12>項記載の画像形成方法。
本発明のインク組成物は、プリントスピードを高速化しても良好な吐出安定性が得られる。また、本発明のインク組成物を用いた画像形成方法は、高速で印画を行っても、文字の識別性等が良好な高画質の画像を形成することができるという優れた効果を奏する。
[インク組成物]
本発明のインク組成物は、(a)顔料、(b)水溶性溶剤、(c)界面活性剤、(d)下記一般式(I)又は(II)で表される化合物、及び(e)水を含有する。本発明のインク組成物はインクジェット記録方式に好適に用いられる。
(a)顔料
本発明のインク組成物は、色材として顔料を含む。用いられる顔料としては、特に制限はなく、インク等に通常用いられる顔料から目的に応じて適宜選択することができる。また、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、カーボンブラックは、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものを用いることができる。
以上の顔料を、以下に色別に例示する。
黒色系のものとしては、カーボンブラックの具体例は、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060,Raven700(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.45,No.47,No.52,No.900,No.2200B,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
イエローインクの顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155、180等が挙げられる。
マゼンタインクの顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219、269等、およびC.I.ピグメントバイオレット19が挙げられ、特に、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
シアンインクの顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー4、60、63等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
本発明のインク組成物中の顔料の含有量は特に限定されないが、インク組成物の全質量に対し、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上7質量%以下であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物に用いる顔料は、上記顔料を水溶性分散剤を用いて分散した後、架橋剤により架橋する工程を経て得られたポリマーで被覆された顔料(以下、「水分散性顔料」ともいう。)であることが好ましい。
当該顔料を製造するために用いる水溶性分散剤としては、ポリビニル類、ポリウレタン類、ポリエステル類等が挙げられるが、その中でもポリビニル類が好ましい。
水溶性分散剤は、分子内に、架橋剤により架橋する基を有することが好ましい。該架橋する基としては、特に限定されず、カルボキシル基又はその塩、イソシアナート基、エポキシ基等が挙げられる。なかでも、分散性向上の観点からカルボキシル基又はその塩を有していることが好ましい。このような水溶性分散剤は、共重合成分としてカルボキシル基含有モノマーを用いて合成することができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、メタクリル酸、b−カルボキシエチルアクリレート、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられる。なかでも、架橋性および分散安定性の観点から、メタクリル酸やb−カルボキシエチルアクリレートが好ましい。
上記の他、親水性モノマーや疎水性モノマーを共重合成分として使用することもできる。親水性モノマーはイオン性でもノニオン性でもよい。疎水性モノマーとしては、特に限定されないが、炭素数1〜20のアルキルメタクリレート又は炭素数1〜20のアルキルアクリレートが好ましい。
水溶性分散剤として用いるポリマーは、ランダムポリマーでもよく、ブロック又はグラフトポリマーでもよい。当該ポリマーの合成方法は特に限定されないが、ビニルモノマー等のランダム重合が分散安定性の点で好ましい。
水溶性分散剤の酸価(水溶性分散剤1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、顔料の分散性、分散安定性の観点から、135〜250mgKOH/gであることが好ましく、135〜200mgKOH/gであることがより好ましく、135〜180mgKOH/gであることが特に好ましい。
水溶性分散剤の使用量は、顔料100質量部に対して、10質量部〜200質量部が好ましく、20質量部〜150質量部がより好ましく、30質量部〜100質量部が特に好ましい。
架橋剤は、上記水溶性分散剤と反応する部位を2つ以上有している化合物であれば、特に限定されない。中でも、カルボキシル基との反応性に優れている点から、2つ以上のエポキシ基を有している化合物(2官能以上のエポキシ化合物)が好ましい。
具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられ、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
架橋剤の架橋部位と分散剤の被架橋部位のモル比は、架橋反応の速度、架橋後の分散液の安定性の観点から、1:1.1〜1:10が好ましく、1:1.1〜1:5がより好ましく、1:1.1〜1:3が特に好ましい。
水分散性顔料の調製方法は、前記顔料が水溶性分散剤を用いて顔料分散し、その後、架橋剤により架橋する工程を経てポリマーで被覆された顔料を得られるものであれば特に限定されない。以下に、水分散性顔料の調整方法の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(i)顔料分散工程
顔料及び水溶性分散剤を、水又は極性溶媒の水溶液中に分散して顔料分散液を得る。
(ii)架橋反応工程
(i)で得られた分散液に架橋剤を加えて加熱し、架橋反応させてポリマーで被覆された顔料(水分散性顔料)を得る。
(iii)顔料精製工程
(ii)で得られた架橋後の水分散性顔料を精製する。
上記(i)〜(iii)の工程には、その他の通常の工程を必要に応じて適宜付加してもよい。上記工程で用いる極性溶媒等は通常のものを用いることができる。
(b)水溶性溶剤
本発明のインク組成物は、水溶性溶剤を含有する。本発明で用いる水溶性溶剤は、水溶性有機溶剤が好ましい。本発明のインク組成物は、特にインクジェット記録方式に好適に用いられるものであるが、当該記録方式ではノズルのインク噴射口においてインクが乾燥することが目詰まりの原因となる。そのため、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤を用いることで乾燥防止し、湿潤性を高めることが好ましい。
インク組成物に用いる(b)水溶性溶剤は、Sp値27.5以下の水溶性溶剤を65質量%以上含有することが好ましい。本発明においてSp値は、溶媒の溶解度パラメーター(Solubility Parameter)を意味し、分子凝集エネルギーの平方根で表される値である。Sp値については、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができる。本発明で用いる水溶性溶剤のSp値は、当該方法により算出された値を採用する。
インク組成物に用いるSP値が27.5以下の水溶性溶剤は、SP値が27.5以下であれば特に制限はないが、インクの保存安定性、吐出安定性、画質の鼎立の観点から、そのSP値が20〜27であることが好ましく、23〜26.7であることがより好ましい。
以下にSP値が27.5以下の水溶性溶剤の具体例をSP値とともに示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、EO、POはそれぞれエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基を表す。

ヘプタオキシプロピレングリコール(SP値21.2、例えば、PP−400(商品名、三洋化成工業(株)製))、
ペンタオキシエチレンペンタオキシプロピレンブチルエーテル(SP値18.8、例えば、50HB−100(商品名、三洋化成工業(株)製))、
デカオキシエチレンヘプタオキシプロピレンブチルエーテル(SP値18.8、例えば、50HB−260(商品名、三洋化成工業(株)製))、
ドデカオキシエチレンドデカオキシプロピレンブチルエーテル(SP値18.8、例えば、50HB−400(商品名、三洋化成工業(株)製))、
デカオキシエチレントリアコンタオキシプロピレンブチルエーテル(SP値18.7、例えば、PE−62(商品名、三洋化成工業(株)製))、
ペンタコサオキシエチレントリアコンタオキシプロピレンブチルエーテル(SP値18.8、例えば、PE−64(商品名、三洋化成工業(株)製))。
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEGmEE)(SP値22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGmBE)(SP値21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGdEE)(SP値16.8)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)(SP値21.1)
プロピレングリコールモノエチルエーテール(PGmEE)(SP値22.3)
ジプロピレングリコール(DPG)(SP値27.1)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGmME)(SP値21.3)
トリプロピレングリコール(TPG)(SP値24.7、例えばPP−200(商品名、三洋化成工業(株)製))
1,2−ヘキサンジオール(SP値27.4)
トリオキシプロピレングリセリルエーテル(SP値26.4、例えばGP−250(商品名、三洋化成工業(株)製))
ジオキシエチレンジオキシプロピレンブチルエーテル(SP値20.1、例えば50HB−55(商品名、三洋化成工業(株)製))
POP(4)ジグリセリルエーテル(SP値26.1、例えばSC−P400(商品名、阪本薬品工業(株)製))、
POP(9)ジグリセリルエーテル(SP値22.7、例えばSC−P750(商品名、阪本薬品工業(株)製))、
POE(20)ジグリセリルエーテル(SP値22.4、例えばSC−E1000(商品名、阪本薬品工業(株)製))、
POE(40)ジグリセリルエーテル(SP値21.0、例えばSC−E2000(商品名、阪本薬品工業(株)製))。
nCO(AO)−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1)(SP値:20.1)
nCO(AO)10−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1)(SP値:18.8)
HO(A’O)40−H(A’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:3)(SP値:18.7)
HO(A’’O)55−H(A’’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=5:6)(SP値:18.8)
HO(PO)−H(SP値:24.7)
HO(PO)−H(SP値:21.2)
本発明におけるSP値が27.5以下の水溶性溶剤は、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物であることもまた好ましく、下記一般式(1)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2012193268
一般式(1)中、l、m、及びnは、それぞれ独立に1以上の整数を表し、且つl+m+n=3〜15である。l+m+nは、3〜12であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。
AOはエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基を表し、複数のAOは互いに同じであっても異なってもよい。AOは、プロピレンオキシ基であることが好ましい。
Figure 2012193268
一般式(2)中、p、q、r及びsは、それぞれ独立に1以上の整数を表し、且つp+q+r+s=4〜40である。p+q+r+sは、4〜20であることが好ましく、4〜16であることがより好ましく、4〜12であることが特に好ましい。
AOは前記一般式(1)と同義であり、好ましくはプロピレンオキシ基である。
以下に、前記一般式(1)で表される化合物の具体例を、SP値(カッコ内)と共に示す。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012193268
前記一般式(2)の具体例として下記が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
SC−E450(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値26.6、p+q+r+s=6、AO=エチレンオキシ基)、
SC−P400(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値26.1、p+q+r+s=4、AO=プロピレンオキシ基)、
SC−E750(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値23.7、p+q+r+s=13、AO=エチレンオキシ基)、
SC−P750(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値22.7、p+q+r+s=9、AO=プロピレンオキシ基)、
SC−E1000(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値22.4、p+q+r+s=20、AO=エチレンオキシ基)、
SC−E1500(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値21.5、p+q+r+s=30、AO=エチレンオキシ基)、
SC−P1000(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値21.3、p+q+r+s=14、AO=プロピレンオキシ基)、
SC−E2000(商品名、阪本薬品工業(株)製、SP値21.3、p+q+r+s=40、AO=エチレンオキシ基)、
ユニルーブDGP−700(商品名、日油社製、SP値22.7、p+q+r+s=9、AO=プロピレンオキシ基)、
ユニルーブDGP−950(商品名、日油社製、SP値21.3、p+q+r+s=14、AO=プロピレンオキシ基)
本発明のインク組成物には、このようなSP値27.5以下の水溶性溶剤を単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
(b)水溶性溶剤中に、前記一般式(1)で表される化合物が、10質量%以上含まれることが好ましく、30質量%以上含まれることがより好ましく、50質量%以上含まれることがさらに好ましい。また、前記一般式(2)で表される化合物が10質量%以上含まれることが好ましく、30質量%以上含まれることがより好ましく、50質量%以上含まれることがさらに好ましい。
本発明の(b)水溶性溶剤には、SP値27.5以下の水溶性溶剤に加え、他の水溶性溶剤を併用してもよい。他の溶剤は、(b)水溶性溶剤中のSP値27.5以下の溶剤比率が65質量%未満にならない範囲で使用することが好ましい。併用しうる水溶性溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましい。
併用できる水溶性有機溶媒の具体例としては、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ヒアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
乾燥防止や湿潤性の観点からは,多価アルコール類が好ましく、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
浸透性を高める観点からは、ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
インク組成物中の(b)水溶性溶剤の含有量は、インク組成物の全質量に対し、30質量%を超え55質量%以下であることが好ましく、33質量%以上50質量%以下がより好ましく、35質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。
(c)界面活性剤
本発明のインク組成物は、界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物等のアセチレンジオール誘導体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
これらの界面活性剤のなかでも、安定性の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アセチレンジオール誘導体がより好ましい。
インク組成物中の界面活性剤の量は特に限定されないが、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜3質量%である。
(d)一般式(I)又は(II)で表される化合物
本発明のインク組成物は、(d)下記一般式(I)又は(II)で表される化合物を含有する。
Figure 2012193268
一般式(I)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。
及びRの脂肪族基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、直鎖、分枝または環状のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、−(R11)n−OH、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。R11はエポキシ基又はアルキレンオキシ基を表し、nは2〜20の整数を表す。
アルキル基として好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基として好ましくは、炭素数2〜12のハロゲン化アルキル基であり、アルキル基部分としては上述のアルキル基が挙げられる。また、好ましいハロゲン種としては、フッ素、塩素が挙げられる。
アルケニル基として好ましくは、炭素数1〜12のアルケニル基であり、具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基を挙げることができる。
11のアルキレンオキシ基として好ましくは、炭素数2〜3のアルキレンオキシ基が好ましく、具体的には、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が挙げられる。
及びRの芳香族基としては、アリール基、芳香族へテロ環基、これらの縮合環基が挙げられる。
アリール基として好ましくは、炭素数6〜12のアリール基であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
芳香族へテロ環基として好ましくは、炭素数5〜12の芳香族へテロ環基であり、具体的なヘテロ環としては、イミダゾリン環、ピラゾール環、オキサゾリン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられる。
及びRはさらに置換されてもよい。置換基としては、上述のアルキル基、アルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アリール基、芳香族へテロ環基が挙げられる。
Figure 2012193268
一般式(II)中、R、R、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、x+y=100であり、zは5以上の整数を表す。
及びRの脂肪族基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、直鎖、分枝または環状のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、−(R11)n−OH、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。R11はエポキシ基又はアルキレンオキシ基を表し、nは2〜20の整数を表す。
アルキル基として好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基として好ましくは、炭素数2〜12のハロゲン化アルキル基であり、アルキル基部分としては上述のアルキル基が挙げられる。また、好ましいハロゲン種としては、フッ素、塩素が挙げられる。
アルケニル基として好ましくは、炭素数1〜12のアルケニル基であり、具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基が挙げられる。
11のアルキレンオキシ基として好ましくは、炭素数2〜3のアルキレンオキシ基が好ましく、具体的には、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が挙げられる。
及びRの芳香族基としては、アリール基、芳香族へテロ環基、これらの縮合環基が挙げられる。
アリール基として好ましくは、炭素数6〜12のアリール基であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
芳香族へテロ環基として好ましくは、炭素数5〜12の芳香族へテロ環基であり、具体的なヘテロ環としては、イミダゾリン環、ピラゾール環、オキサゾリン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられる。
及びRはさらに置換されてもよい。置換基としては、上述のアルキル基、アルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アリール基、芳香族へテロ環基が挙げられる。
zは、10以上の整数であることが好ましく、20以上の整数であることがより好ましい。
一般式(I)及び(II)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012193268
前記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、オルフィンSPC、オルフィンAF−103、オルフィンAF−104、オルフィンAK−02、オルフィンSK−14(いずれも日信化学工業社製)、サーフィノールDF−110D、サーフィノールDF−37、サーフィノールDF−58、サーフィノールDF−75、サーフィノールDF−210、サーフィノールMD−20、エンバイロジェムAD01(いずれもエアープロダクツ社製)が挙げられる。
前記一般式(II)で表される化合物としては、例えば、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−080A、BYK−093、BYK−094、BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1660、BYK−1730、BYK−1770(いずれもBYKケミー社製)、8590ADDITIVE、SH200、SC5540COMPOUND、DK Q1−071、DK Q1−1247、FS1265、FSアンチフォーム92、FSアンチフォーム1277、FSアンチフォーム013A(いずれも東レダウコーニング社製)が挙げられる。
本発明のインク組成物は、前記一般式(I)で表される化合物を含有することが好ましい。
インク組成物中の前記一般式(I)又は(II)で表される化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.15質量%以下であり、好ましくは0.005質量%以上0.1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。
また、吐出安定性を向上させるためには、インク組成物中に含まれる前記一般式(I)又は(II)で表される化合物の量が、前記(c)界面活性剤の含有量に比べて微量であることが好ましい。具体的には、インク組成物中に含まれる前記(c)界面活性剤の質量(W)と、(d)前記一般式(I)又は(II)で表される化合物の質量(W)との質量比(W/W)が、5以上200以下であることが好ましく、10以上150以下であることがより好ましく、33以上100以下であることがさらに好ましい。
(e)水
本発明のインク組成物は、水を含有する水性インクであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、インク組成物の全質量に対し、30質量%以上70質量%未満であり、より好ましくは50質量%以上65質量%以下、さらに好ましくは53質量%以上60質量%以下である。
(他の成分)
本発明のインク組成物には、上記(a)〜(e)の成分以外に各種の添加剤を含有してもよい。他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等が挙げられ、これらは通常用いられるものから適宜選択して使用できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
[インクセット]
本発明のインク組成物は、該インク組成物の凝集を促進させる凝集促進剤及び水溶性溶剤を含む無色インク組成物とともにインクセットとして用いることもできる。当該インクセットは、一般の筆記具用、記録計用、ペンプロッター用等に適用しうるものであり、特にインクジェット記録方式に好適に用いることができる。
[無色インク組成物]
本発明のインクセットに用いる無色インク組成物は、前記インク組成物の凝集を促進させる凝集促進剤及び水溶性溶剤を含有する。
(凝集促進剤)
無色インク組成物の凝集促進剤には、酸を用いることが好ましい。酸としては、無機酸、有機酸のいずれであってもよい。具体的には、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を選んで用いることが好ましい。
無色インク組成物中の凝集促進剤の含有量は特に限定されないが、凝集速度制御等の観点から、無色インク組成物の全質量に対し、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜15質量%がさらに好ましい。
(水溶性溶剤)
無色インク組成物の水溶性溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましい。具体的には、上記インク組成物の(b)水溶性溶剤として挙げたものから適宜選択して使用することができる。なかでも、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の前記Sp値が比較的高い(好ましくは27.5以上の)水溶性有機溶剤が好ましい。
無色インク組成物中の水溶性溶剤の含有量は特に限定されないが、無色インク組成物の全質量に対し、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましく、30質量%以上50質量%以下が特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインクセットに用いる無色インク組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、上記インク組成物の(c)界面活性剤と同様のものが挙げられる。なかでも、凝集促進効果を高めるためには、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アセチレンジオール誘導体がより好ましい。
無色インク組成物中の界面活性剤の含有量は特に限定されないが、無色インク組成物の全質量に対し、0.02質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%、更に好ましくは0.3〜2質量%である。
(他の成分)
本発明において用いる無色インク組成物の好ましい一例として、インク組成物のpHを変化させることにより凝集物を生じさせる無色インク組成物を挙げることができる。このとき、無色インク組成物のpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることがさらに好ましい。前記pHは上記酸又はその他の公知のpH調製剤を用いて調整することができる。
また、プリント性を向上させるために、無色インク組成物に多価金属塩又はポリアリルアミンを添加することが好ましい。
多価金属塩として周期表の2A属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウムとカルシウム);周期表の3B属の遷移金属(例えば、ランタン);周期表の3A属からのカチオン(例えば、アルミニウム);ランタニド類(例えば、ネオジム);及びポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体、を挙げることができる。好ましい例として、カルシウムとマグネシウムを挙げることができる。
カルシウム又はマグネシウムの対塩として好ましく採用されるアニオンは、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩を挙げることができる。
無色インク組成物への添加量として、当該塩は約1〜約10質量%、好ましくは約1.5〜約7質量%、より好ましくは約2〜約6質量%の範囲の量で処理液中に存在させることができる。
[インク組成物の物性]
前記インク組成物の表面張力は、インクジェット記録方法に用いられた場合、吐出安定性の点で、20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、28mN以上38mN/m以下であり、更に好ましくは、32mN/m以上37mN/m以下である。
前記インク組成物の25℃での粘度は、3mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは4mPa・s以上8.5mPa・s未満、更に好ましくは5mPa・s以上7.5mPa・s未満である。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、上述した本発明のインク組成物を用いて画像形成を行うものである。画像形成は、前記インク組成物をインクジェットで打滴して記録媒体へ付与するインクジェット記録方式で行うことが好ましい。
インクジェットで打滴する方法は、インク組成物にエネルギーを供与してインクジェットヘッドからインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付与することにより行われる。具体的には特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が参照でき、本発明においても好ましく用いられる。
本発明の画像形成方法に用いるインクジェット記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。なかでも、インク吐出量の制御が比較的容易であり、幅広いインクに対応可能であるという観点からピエゾ方式であることが好ましい。
特に、本発明の画像形成方法では、前記インク組成物を、35kHz以上の駆動周波数を有するインクジェットヘッドを用いて吐出することが好ましい。前述のように、インクジェットヘッド駆動周波数を上げると、プリントスピードの高速化が実現できる一方、インクの吐出安定性が悪くなるという問題があった。本発明のインク組成物を用いると、35kHz以上という高駆動周波数であってもインクの吐出安定性が良好に保たれ、高精細な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法では、インク組成物とともに上述した無色インク組成物を用いることもでき、好ましい。無色インク組成物を用いた画像形成方法は、前記無色インク組成物を記録媒体に付与する第一工程と、前記無色インク組成物が付与された記録媒体に前記インク組成物を付与する第二工程とを含む。記録媒体上に予め無色インク組成物を付与しておくことで、後から付与するインク組成物の顔料定着性が良好となる。
なた、上記2つの工程に加え、乾燥工程、定着工程等の通常行われる工程を目的に応じて適宜追加してもよい。
無色インク組成物を記録媒体に付与する方法としては、インクジェットで打滴する方法、塗布装置を用いて塗布する方法が好ましい。
インクジェットで打滴する方法は、前述したインク組成物をインクジェットで打滴する方法と同様に行うことができる。
塗布装置を用いて塗布する方法は、通常用いられる塗布装置を用いて、記録媒体に無色インク組成物を付与することにより行われる。塗布装置としては、例えば、スリットコーター、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機が挙げられる。
[記録媒体]
本発明のインク組成物を用いうる記録媒体(受像材料)としては、印字するインクの吸収性、保持性を有していれば特に制限はなく、コート紙、アート紙、写真用紙等の原紙の表面にコーティング等の処理を施した塗工紙、原紙や塗工紙上にインク受容層等の機能性層を設けた各種専用紙、普通紙、上質紙、再生紙等の非加工紙、など通常の印刷用紙を用いることができる。
なかでも、記録媒体として普通紙、上質紙、再生紙等の非加工紙を用いることが好ましい。本発明のインク組成物は高速印刷に適しており、少量多品種の印刷物を高速で廉価に印刷する用途にも好適に用いることができる。このような用途では、コストの点から、記録媒体として受像層を設けた写真用紙や、アート紙、コート紙などオフセット用紙よりも、上質紙、普通紙、再生紙等の表面に塗工処理や機能性層を設けていない非加工紙が用いられることが多い。本発明のインク組成物は、普通紙等の非加工紙に対して高速印画を行った時に、高画質な画像を得ることができ、かつ乾燥性に優れ裏移りしにくいものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
参考例
1.水溶性樹脂分散剤P−1の調製
イソプロパノール(187.5部)を窒素雰囲気下、80℃に加温した中に、メタクリル酸メチル(478部)/メタクリル酸(172部)/2―エチルヘキシルメタクリレート(350部)/2,2’―アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(22.05部)の混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間、80℃に保った後に、25℃まで冷却した。溶媒を減圧除去することにより、平均重量分子量約30000、酸価 154mgKOH/gの水溶性樹脂分散剤P−1(水溶性分散剤)を得た。
2.顔料分散物の調製
水溶性樹脂分散剤P−1(150部)を水に溶かして水酸化カリウム水溶液を用いて中和後のpHが10.1、水溶性樹脂分散剤濃度が30.6%となるように水溶性樹脂分散剤水溶液を調製した。この水溶性樹脂分散剤水溶液147部に対し、ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製 フタロシアニンブル−A220) 90部と水362部をを混合し、ビーズミル(0.1mmΦジルコニアビーズ)を使い、3時間分散し、顔料濃度15%の未架橋の顔料含有樹脂粒子の分散物N1を得た。
未架橋の顔料含有樹脂粒子の分散物N1 70部に対し、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル0.35部を添加し、50℃にて6時間半反応後、25℃に冷却することにより、顔料濃度15質量%の架橋された顔料含有樹脂粒子の分散物(水性顔料分散物)を得た。
実施例
1.インク組成物の調製
(1)インク組成物A1
上記で得られた水性顔料分散物及び下記の成分を、下記の組成にて混合し、その後5μmメンブランフィルタでろ過してインク組成物A1を調製した。

(インク組成物A1の組成)
水性顔料分散物 20質量%
プロピレングリコール(Sp値:32.6) 10質量%
SC-E450(阪本薬品工業社製:エチレングリコール変性ジグリセリン)
(Sp値:26.6) 22質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.5質量%
オルフィンAF−103 0.05質量%
イオン交換水 残部
(2)インク組成物A2〜A6
組成を表1に示すものに変更した以外はインク組成物A1と同様にして、インク組成物A2〜A6を調製した。
(3)比較用インク組成物B1〜B4
組成を表1に示すものに変更した以外はインク組成物A1と同様にして、比較用インク組成物B1〜B4を調製した。
Figure 2012193268
2.無色インク組成物の調製
(1)無色インク組成物C1
下記の組成にて混合し、無色のインク組成物C1を調製した。

(無色インク組成物C1の組成)
クエン酸 4質量%
グリセリン 12質量%
プロピレングリコール 6質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1質量%
クエン酸3Na 10質量%
イオン交換水 残部
(2)無色インク組成物C2
組成を表2に示すものに変更した以外は無色インク組成物C1と同様にして、無色インク組成物C2を調製した。
Figure 2012193268
表1及び2に示した、溶剤及び界面活性剤の詳細は、以下のとおりである。
SC-E450:前記一般式(2)においてp+q+r+s=6、AO=エチレンオキシ基であるエチレングリコール変性ジグリセリン、阪本薬品工業社製
サンニックスGP-250:前記一般式(1)においてl+m+n=3、AO=プロピレンオキシ基であるプロピレングリコール変性グリセリン 三洋化成製
SC-P400:前記一般式(2)においてp+q+r+s=4、AO=プロピレンオキシ基であるプロピレングリコール変性ジグリセリン 阪本薬品工業社製
SC-P750:前記一般式(2)においてp+q+r+s=9、AO=プロピレンオキシ基であるプロピレングリコール変性ジグリセリン 阪本薬品工業社製
オルフィンE1010:日信化学社製
サーフィノール485:エアープロダクツ社製
オルフィンAF-103:前記一般式(I)で表される化合物、日信化学社製
BYK-094:前記一般式(II)で表される化合物、ビックケミー社製
3.画像形成
上記で調製したインク組成物及び無色インク組成物を用いて、下記の記録媒体上に、下記画像形成方法1〜3に示す手順で画像を形成した。
[画像形成方法1]
記録媒体上に、富士フイルムDimatix社製のダイマティクス・マテリアル・プリンター DMP−3000(カートリッジは10pl吐出用(DMC−11610)を外部から液供給出来るように改造、また、波形を調整し、駆動周波数を40kHzで打滴を行えるように改造)を用いて、インク組成物A1〜B4を打滴し、画像を形成した。
[画像形成方法2]
記録媒体上に、無色インク組成物を5g/mとなるように、ダイマティクス・マテリアル・プリンター DMP−3000を用いて打滴した。1分後、無色インク組成物を打滴した記録媒体上に、富士フイルムDimatix社製のダイマティクス・マテリアル・プリンター DMP−3000(カートリッジは10pl吐出用(DMC−11610)を外部から液供給出来るように改造、また、波形を調整し、駆動周波数を40kHzで打滴を行えるように改造)を用いてインク組成物を打滴し、画像を形成した。
[画像形成方法3]
記録媒体上に、無色インク組成物を5g/mとなるようにバー塗布をした。1分後、無色インク組成物を塗布した記録媒体上に、富士フイルムDimatix社製のダイマティクス・マテリアル・プリンター DMP−3000(カートリッジは10pl吐出用(DMC−11610)を外部から液供給出来るように改造、また、波形を調整し、駆動周波数を40kHzで打滴を行えるように改造)を用いてインク組成物を打滴し、画像を形成した。
[使用した記録媒体]
NpiフォームNEXT−IJ<70>:日本製紙社製(坪量:81.4−1,+5 g/m
Npiフォーム<55>:日本製紙社製(坪量:64−1,+5 g/m
4.評価
上記で形成された各画像を下記の項目により評価した。結果を表3に示す。
<連続吐出安定性>
上記条件で画像を形成し、下記の基準により吐出安定性を評価した。画像ムラは目視観察した。
(1)60分連続吐出試験後の吐出率が90%以上。
(2)1分間吐出後、30分休止した後の吐出率が90%以上。
(3)画像ムラが見られない。
−評価基準−
○:3項目とも合格の場合
△:2項目が合格の場合
×:2項目以上が不合格
なお、通常使用には△以上の評価が求められる。
<光学濃度(OD)測定>
上記条件で1200dpiの解像度で描画率100%のベタ画像を形成し、紙面表からX−Rite530を用いて画像の光学濃度を測定した。
−評価基準−
○:ODが0.8以上の場合
△:ODが0.6以上0.8未満の場合
×:ODが0.6未満の場合
<裏面光学濃度測定>
上記条件で1200dpiの解像度で描画率100%のベタ画像を形成し、紙面表からX−Rite530を用いて画像の光学濃度を測定した。
−評価基準−
○:ODが0.15以下の場合
△:ODが0.15より大きく0.2以下の場合
×:ODが0.2より大きいの場合
<文字可読性>
4ptの「轟」の文字を印字し、10人の試験官の目視によって○(可読)と×(判読不可)評価を行い、下記の様に分類した。
−評価基準−
○:10人中9〜10人が○の評価の場合
△:10人中6〜8人が○の評価の場合
×:10人中5人以上が×の評価の場合
<印刷物乾燥性>
上記条件で1200dpiの解像度で描画率100%のベタ画像を形成し、1分間放置後、同じ評価用記録媒体を張り合わせ、500g/cmの荷重を1分間かけ、張り合わせた記録媒体への色材の転写を目視観察した。
−評価基準−
○:色材の転写が全く観察されない場合
△:色材の転写が僅かに(全面積に対して5%未満)観察された場合
×:色材の転写が観察された場合(全面積に対して5%以上)
Figure 2012193268
表3から明らかなように、インク組成物A1〜A6を単独で用いた実施例1〜6はいずれも、高速印画時において優れた連続吐出安定性を示した。また、光学濃度、裏面光学濃度、文字可読性、印刷物乾燥性といった形成画像の画質評価においても、良好な結果が得られた。さらに、当該インク組成物A1〜A6に、無色インク組成物C1又はC2を組み合わせて用いた実施例7〜10では、優れた連続吐出安定性に加え、さらなる高画質化が実現できた。
これに対し、比較用インク組成物B1〜B4を用いた比較例1〜6はいずれも、連続吐出安定性に劣った。しかも、画像の画質評価においても、複数の項目で劣る結果となった。さらに、当該比較用インク組成物は、無色インク組成物と組み合わせて用いても、吐出安定性と高画質化とを両立することができなかった。

Claims (13)

  1. (a)顔料、(b)水溶性溶剤、(c)界面活性剤、(d)下記一般式(I)又は(II)で表される化合物、及び(e)水を含んでなるインク組成物であって、インク組成物中の該一般式(I)又は(II)で表される化合物の含有量が0.15質量%以下であることを特徴とするインク組成物。
    Figure 2012193268
    (一般式(I)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
    Figure 2012193268
    (一般式(II)中、R、R、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、x+y=100であり、zは5以上の整数を表す。)
  2. インク組成物中における前記(c)界面活性剤の質量(W)と(d)前記一般式(I)又は(II)で表される化合物の質量(W)との質量比(W/W)が、5以上200以下であることを特徴とする請求項1記載のインク組成物。
  3. 前記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のインク組成物。
  4. 前記(a)顔料が、水溶性分散剤を用いて顔料分散した後に架橋剤により架橋する工程を経て得られた、ポリマーで被覆された顔料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記(b)水溶性溶剤が、Sp値27.5以下の水溶性溶剤を65質量%以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. インク組成物に対する前記(b)水溶性溶剤の含有量が、30質量%を超え55質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物と、該インク組成物の凝集を促進させる凝集促進剤及び水溶性溶剤を含む無色インク組成物、とを含むインクセット。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物を用いた画像形成方法。
  9. 前記インク組成物をインクジェットで打滴して記録媒体へ付与することを特徴とする請求項8記載の画像形成方法。
  10. 前記インク組成物を、35kHz以上の駆動周波数を有するインクジェットヘッドを用いて吐出することを特徴とする請求項8又は9記載の画像形成方法。
  11. 前記記録媒体が、非加工紙であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. さらに、請求項7記載の無色インク組成物を用いることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  13. 前記無色インク組成物を、記録媒体に付与する第1の工程と、前記無色インク組成物が付与された記録媒体に前記インク組成物を付与する第2の工程とを含むことを特徴とする請求項12記載の画像形成方法。
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