JP2004197046A5 - - Google Patents

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Description

【書類名】 明細書
【発明の名称】 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブラックインクと、少なくともシアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを含むカラーインクとを記録信号に応じてオリフィスから吐出させてカラー画像の記録を行なうインクジェット記録方法であって、
前記ブラックインクが、カチオン性又はアニオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、
かつ、前記カラーインクが、前記自己分散カーボンブラックとは逆極性の物質を少なくとも含み、
更に、前記カラー画像の黒画像部を前記ブラックインクと前記カラーインクとで形成することを特徴とするインクジェット記録方法
【請求項2】 前記黒画像部を形成する際の前記ブラックインクと前記カラーインクとの印字時間差が20ms以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】 前記黒画像部を形成する際に吐出させるブラックインク1個のインク滴量は20ng以下、カラーインク1個のインク滴量は7ng以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】 前記黒画像部を形成する際に印字するカラーインクの質量はブラックインクの質量に対し10〜50%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】 少なくとも、ブラックインクを吐出させる印字カートリッジと、カラーインクを吐出させる印字カートリッジとを具備する、カラー画像を記録するインクジェット記録装置であって、
前記ブラックインクが、カチオン性又はアニオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、
かつ、前記カラーインクが、該自己分散カーボンブラックとは逆極性の物質を少なくとも含み、
更に、前記カラー画像の黒画像部を前記ブラックインクと前記カラーインクとで形成することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】 前記黒画像部を形成する際の前記ブラックインクと前記カラーインクとの印字時間差が20ms以下であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】 前記黒画像部を形成する際に吐出させるブラックインク1個のインク滴量は20ng以下、カラーインク1個のインク滴量は7ng以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】 前記黒画像部を形成する際に印字するカラーインクの質量はブラックインクの質量に対し10〜50%の範囲であることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式の記録装置(プリンタ、複写機、ファクシミリ、ワードプロセッサ等)に用いられるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式の原理は、ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から、液体あるいは溶融固体インクを吐出させ、紙、布、フィルム等の被記録材に記録を行うものである。インクを吐出する方法は、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわゆる電荷制御方式、圧電素子の振動圧力を利用してインクを吐出させる方式、熱により気泡を形成、成長させることにより生じる圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提案されており、これらの記録方式により、極めて高精細の画像を得ることができる。
また、インクジェット方式の記録装置は、小型で安価、静寂性等の利点を有することから精力的に検討が行われ、最近では、レポート用紙、コピー用紙等の、いわゆる普通紙上に良好な印字品質が得られる黒色の単色プリンタだけでなく、フルカラー記録が可能なカラープリンタも数多く市販されており、記録装置の分野で大きな位置を占めるようになっている。
【0003】
これらインクジェット記録装置に使用されるインクジェット記録用インクに関しては、
(1)紙上でにじみ、かぶりのない、高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、
(2)ノズル先端でのインク乾燥による目詰まりが発生せず、常に吐出応答性、吐出安定性が良好であること、
(3)紙上においてインクの乾燥性が良いこと、
(4)画像の堅牢性がよいこと、
(5)長期保存安定性がよいこと、
などの特性が要求される。
【0004】
特に、印字速度の高速化に伴い、コピー用紙等の普通紙に印字してもインクの乾燥が速く、かつ高画質であるインクが要求されている。また、オフィスでの使用の場合主として使用される普通紙は地域や入手性により様々な製品が使用され、特に多く使用される黒画像に関してこれら様々な用紙を使用しても画像濃度とインク乾燥が速いことが要求されている。
【0005】
従来、ブラックインクの浸透を界面活性剤等の浸透制御剤で調整しようとすると、画像濃度とインク乾燥は相反する効果を持つことから両立は困難であった。ブラックインクの浸透を抑えて画像濃度や印字品位を得た場合はカラーインクとの隣接部の滲みが発生する。この課題を解決するため、ブラックインクとカラーインク間の反応を利用する方法、具体的には、ブラックインクにカチオン性化合物と顔料とを含み、カラーインクにアニオン性染料またはアニオン性化合物と顔料とを含むインクセットで記録する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
顔料は本質的に水に不溶なため、インク中に安定に分散させる必要があるが分散剤として界面活性剤を用いると表面張力が必要以上に低下し、印字画質の悪化、泡による印字ぬけ等の問題が発生しやすく、高分子分散剤を用いた場合は、粘度が高くなり易くインクジェット特性と分散安定を両立させることは難しい。また分散剤を使用する方法共通の問題点として、インク特性を調整する為に加える溶媒や添加剤等と分散剤の相互作用により分散が不安定になり易いことが挙げられる。これらの理由によりより高精細な画像を記録するための20pl以下のインク滴を吐出するインクジェット記録においては吐出安定性に問題が生じやすい。
【0007】
そこで、顔料を親水化処理等により分散剤を使用しないで分散可能な顔料を使用する方法が検討されており、分散剤を使用しないでカーボンブラックを親水化処理する方法やインクが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
また、ブラックインクがカチオン性の自己分散カーボンブラックを含み、カラーインクがアニオン性染料と他のアニオン性物質を含むインクセットを用いて、境界領域のブリーディングを緩和する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、様々な普通紙を使用しても黒画像の高い濃度と速いインク乾燥の両立はいまだに解決できていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−25442号公報
【特許文献2】
特表平10−510862号公報
【特許文献3】
特開2001−164160号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、様々の普通紙において、高濃度のブラック画像が得られ、乾燥時間が短いインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、前記課題は下記の本発明により達成されることを見出した。
すなわち、本発明は
【0012】
ブラックインクと、少なくともシアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを含むカラーインクとを記録信号に応じてオリフィスから吐出させてカラー画像の記録を行なうインクジェット記録方法であって、前記ブラックインクが、カチオン性又はアニオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、かつ、前記カラーインクが、前記自己分散カーボンブラックとは逆極性の物質を少なくとも含み、更に、前記カラー画像の黒画像部を前記ブラックインクと前記カラーインクとで形成することを特徴とするインクジェット記録方法である。
<2> 前記黒画像部を形成する際の前記ブラックインクと前記カラーインクとの印字時間差が20ms以下であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3> 前記黒画像部を形成する際に吐出させるブラックインク1個のインク滴量は20ng以下、カラーインク1個のインク滴量は7ng以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法である。
<4> 前記黒画像部を形成する際に印字するカラーインクの質量はブラックインクの質量に対し10〜50%の範囲であることを特徴とする<1>〜<3>の何れか1つに記載のインクジェット記録方法である。
> 前記自己分散カーボンブラックがカチオン性であり、前記カラーインクがアニオン性の物質を少なくとも含むことを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載のインクジェット記録用方法である。
【0013】
少なくとも、ブラックインクを吐出させる印字カートリッジと、カラーインクを吐出させる印字カートリッジとを具備する、カラー画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記ブラックインクが、カチオン性又はアニオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、かつ、前記カラーインクが、該自己分散カーボンブラックとは逆極性の物質を少なくとも含み、更に、前記カラー画像の黒画像部を前記ブラックインクと前記カラーインクとで形成することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<7> 前記黒画像部を形成する際の前記ブラックインクと前記カラーインクとの印字時間差が20ms以下であることを特徴とする<6>に記載のインクジェット記録装置である。
<8> 前記黒画像部を形成する際に吐出させるブラックインク1個のインク滴量は20ng以下、カラーインク1個のインク滴量は7ng以下であることを特徴とする<6>又は<7>に記載のインクジェット記録装置である。
<9> 前記黒画像部を形成する際に印字するカラーインクの質量はブラックインクの質量に対し10〜50%の範囲であることを特徴とする<6>〜<8>の何れか1つに記載のインクジェット記録装置である。
10> 前記自己分散カーボンブラックがカチオン性であり、前記カラーインクがアニオン性の物質を少なくとも含むことを特徴とする<6>〜<9>の何れか1つに記載のインクジェット記録用装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
<インクジェット記録用インクセット>
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットは、カラー画像の黒画像部をブラックインク及びカラーインクで形成するためのインクジェット記録用インクセットであり、前記ブラックインクが、カチオン性又はアニオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、かつ、前記カラーインクが、前記自己分散カーボンブラックとは逆極性の物質を少なくとも含むことを特徴とする。
つまり、本発明に用いるインクジェット記録用インクセットは、前記ブラックインクがカチオン性の自己分散カーボンブラックを含む場合、前記カラーインクがアニオン性の物質を少なくとも含む。一方、前記ブラックインクがアニオン性の自己分散カーボンブラックを含む場合、前記カラーインクがカチオン性の物質を少なくとも含む。
【0015】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットとしては、前記自己分散カーボンブラックがカチオン性であり、前記カラーインクがアニオン性の物質を少なくとも含むことが好ましい。
先ず、本発明に用いるインクジェット記録用インクセットが、前記ブラックインクがカチオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、前記カラーインクが、アニオン性の物質を少なくとも含むインクジェット記録用インクセットである場合について説明する。
【0016】
(ブラックインク)
本発明におけるブラックインクが含む自己分散カーボンブラックとは、界面活性剤や高分子分散剤等の所謂分散剤を含まずに自身で溶媒中に分散可能なカーボンブラックを原料とした自己分散性黒色顔料のことを言う。一般に、自己分散性顔料は、表面に親水性官能基を有するものであり、カチオン性の自己分散カーボンブラックの場合はカチオン性の親水性官能基を有する。
【0017】
本発明において、顔料が「自己分散」であるか否かは、以下の自己分散性試験により確認される。
[自己分散性試験]
水中に測定対象となる顔料を添加し、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、ボールミル等を用いて分散剤無しで分散させ、初期の顔料濃度が約5%になるように水で希釈して分散体を調製する。更に、前記分散体100gを径40mmのガラスビンに入れて1日静置後、その上層部の顔料濃度を測定する。そして、初期の顔料濃度に対する1日静置後の顔料濃度の割合(以下、「自己分散性指標」と称する。)が98%以上である場合、「自己分散」であると評価した。
このとき、顔料濃度の測定方法は、特に限定されず、サンプルを乾燥させて固形分を測定する方法や、適当な濃度に希釈して透過率から求める方法等いずれでもよく、他に顔料濃度を正確に求める方法があれば、もちろんその方法によってもよい。
【0018】
前記自己分散カーボンブラックは、親水性官能基をカーボンブラックに導入することにより得られる。
前記親水性官能基が導入されるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックが挙げられる。具体的には、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000ULTRAII、Raven3500、Raven2500ULTRA、Raven2000、Raven1500、Raven1255、Raven1250、Raven1200、Raven1190ULTRAII、Raven1170、Raven1080ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven790ULTRA、Raven780ULTRA、Raven760ULTRA(以上コロンビアン・カーボン社製);Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Printex 140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black4(以上デグッサ社製);No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、新たに合成したカーボンブラックでもよい。
【0019】
前記カーボンブラックに対し、カーボンブラック表面にカチオン性の親水官能基を導入する方法としては、従来公知の方法を用いてもよい。例えば、カチオン性基をもつジアゾニウム塩化合物による処理等の公知の方法の他、新たに開発した方法も使用できる。
カチオン性基と塩を形成する物質としては、各種の酸性物質が使用できるが、好ましくは、硝酸、塩酸、燐酸、酢酸等の単独又は2種以上の組み合わせで使用される。
【0020】
前記自己分散カーボンブラックの含有量は、後述するカラーインクを含めた全インク量に対して、0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、1〜10質量%の範囲であることがより好ましく、3〜7質量%の範囲であることが更に好ましい。前記自己分散カーボンブラックの含有量が20質量%を超えると、ノズル先端で水が蒸発したときの目詰まり性が悪化する場合がある。一方、前記自己分散カーボンブラックの含有量が0.1質量%未満であると、十分な濃度が得られない場合がある。
【0021】
前記自己分散カーボンブラックは、その製造工程で混入した不純物、例えば残余の酸化剤等の不純物、その他の無機不純物や有機不純物を除去し、精製することが好ましい。特に、前記ブラックインク中のカルシウム、鉄、珪素をそれぞれ10ppm以下にすることが好ましく、5ppm以下にすることがより好ましい。前記無機不純物の含有量は、例えば高周波誘導結合プラズマ発光分析法により測定できる。
また、前記不純物の除去は、例えば、水洗浄や、逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換法等の方法、活性炭、ゼオライト等による吸着の方法、加熱処理による分解による方法を単独または組み合わせて行うことができる。
【0022】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおけるブラックインクに含まれる水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類;エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール等の低級アルコール類;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒;チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルオキシド等の含硫黄溶媒;グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、キシロース等の糖類、その誘導体等及び糖アルコール類;グリセリンのオキシエチレン付加物;ジグリセリンのオキシエチレン付加物:炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることが出来る。
前記水溶性有機溶剤は単独で用いても、2種以上混合してもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、ブラックインクの1〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
【0023】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおけるブラックインクに含まれる水は、特に不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが好ましい。
【0024】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおけるブラックインクには、浸透性の調整等の目的で必要に応じ界面活性剤を使用することができる。使用できる界面活性剤の種類としては、各種のノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくは、ノニオン性界面活性剤である。
【0025】
前記ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が好ましい。
【0026】
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント;等も使用できる。
【0027】
前記界面活性剤の中でも不飽和結合を有する界面活性剤と、2級又は3級のアルキル基を有する界面活性剤とがより好ましく使用される。
前記不飽和結合を有する界面活性剤としては、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、2−ヘプタデセン−1−オール、アセチレンアルコール等の不飽和アルコールのアルキルエーテル誘導体やラウロレイン酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドデシン酸、オクタデシン酸等の不飽和脂肪酸のアルキルエステル誘導体等が挙げられる。
【0028】
前記2級又は3級のアルキル基を有する界面活性剤としては、2−エチルヘキシルアルコール、2−オクタノール、2−ヘキサデカノール、2−オクタデカノール等の分岐アルコールのアルキルエーテル誘導体やメチルヘプタデカン酸、メチルペンタデカン酸、メチルオクタデカン酸等の分岐脂肪酸のアルキルエステル等を挙げることができる。
【0029】
これらの界面活性剤は、単独で使用しても混合して使用してもよい。また界面活性剤のHLBは、溶解安定性等を考慮すると3〜20の範囲であることが好ましい。
これらの界面活性剤の添加量は、カラーインクを含む全インク量に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%が特に好ましい。
【0030】
また、これらの界面活性剤は、更にポリマー特性の調整の為、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等の単量体やスルホン酸基、水酸基、ポリオキシエチレン等を有する単量体と共重合させてもよい。
【0031】
本発明におけるブラックインクは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリNビニルアセトアミド等のポリマーを含んでいてもよい。
前記ポリマーが水溶性ポリマーの場合、ポリマーの重量平均分子量は、1000〜30000の範囲が好ましく、3000〜15000の範囲がより好ましい。
また、前記ポリマーが水に分散するポリマーの場合、ポリマーの平均粒子径は0.5μm以下が好ましく、0.1〜0.3μmの範囲がより好ましい。
更に、前記ポリマーは、印字に影響しない範囲で造膜性を有するポリマーであることが好ましい。この場合、ポリマーの最低造膜温度は、印字後に印字物を加熱する方法を用いない場合は20℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましい。一方、印字物を加熱する方法を用いる場合は、ポリマーの最低造膜温度は印字物の到達温度以下であることが好ましい。
【0032】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおけるブラックインクには、浸透剤として、下記式(1)で示される化合物を使用してもよい。
R−O−XnH ・・・・・(1)
(式(1)中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、アルキルフェニル、アルケニルフェニル、およびシクロアルキル基から選ばれる官能基であり、かつ炭素数が4〜8である。また、Xは、オキシエチレンまたはオキシプロピレン基であり、nは1〜4の整数である。)
【0033】
前記式(1)で示される化合物としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエチルエーテル、ジオキシプロピレンオキシエチレンモノペンチルエーテルなどが挙げられ、この中でもジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【0034】
前記式(1)で示される化合物の含有量は、カラーインクを含む全インク量に対して、1〜20質量%の範囲であることが好ましく、1〜10質量%の範囲であることがより好ましい。前記式(1)で示される化合物の含有量が20質量%を超えると、にじみが悪化すると同時に吐出が不安定になる場合がある。一方、前記式(1)で示される化合物の含有量が1質量%よりも少なくなると、添加効果が得にくくなる場合がある。
【0035】
本発明におけるブラックインクには、インクのpHを調整するためにpH調整剤が必要に応じて用いられる。該pH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、乳酸等の酸や水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、アンモニア等の塩基、およびリン酸塩、シュウ酸塩、アミン塩やグッドバッファー等のpH緩衝剤が好ましいものとして例示される。
【0036】
本発明におけるブラックインクには、必要に応じて、その他の添加剤が含有される。具体的には、以下の通りである。
特性制御のためエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類およびその誘導体、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類等を用いることができる。その他必要に応じ、安息香酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸等の公知の防カビ剤、防腐剤や酸化防止剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、およびキレート化剤等も添加することができる。
【0037】
本発明におけるブラックインク中の分散粒子の体積平均粒子径が30〜120nmの範囲内であることが好ましく、40〜110nmの範囲内であることがより好ましい。前記体積平均粒子径が30nm未満であると、普通紙上の印字画像の濃度が低くなる場合があり、用紙による差も大きくる場合がある。一方、前記体積平均粒子径が120nmを超えると、インクの保存安定性が低下する場合がある。
本発明において分散粒子の粒子径は、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340(Leeds & Northrup社製)を用い、前記ブラックインクを希釈しないで測定した値と定義する。なお、測定時に入力するパラメーターとして、粘度には、被測定インクの粘度を、分散粒子の密度には、1.8を使用した。
【0038】
本発明におけるブラックインク中に含まれる分散粒子のうち粒子径0.5〜1.0μmの範囲の粒子の体積比率が、ブラックインクの体積に対し0.001〜0.03%であることが好ましく、0.005〜0.02%であることがより好ましく、0.007〜0.02%であることがさらに好ましい。前記体積比率が0.001%未満であると、画像濃度が低くなる場合がある。一方、前記体積比率が0.03%を超えると、長期間放置したときの印字の信頼性が低下する場合がある。
【0039】
本発明においては、0.5〜1.0μmの範囲の粒子の体積は、AccusizerTM 770 Optical Particle Sizer(Particle Sizing Systems社製)を測定装置として測定した。この装置は、測定部を通過する粒子を光学的手法を用いて検出するものである。
前記0.5〜1.0μmの範囲の粒子の体積の測定は、水性インクジェット記録液2μlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行い、所望の単位に換算することにより行った。ブラックインクに含まれる分散粒子のうち粒子径0.5〜1.0μmの範囲の粒子の体積を所望の範囲にするには、ブラックインクに使用する顔料分散体、もしくはブラックインクを遠心分離、濾過する方法や、顔料以外の分散粒子を添加する方法等により調整することができる。
【0040】
本発明に用いるインクジェット記録用インクは、ブラックインク中の自己分散カーボンブラックのゼータ電位の値が+5〜+35mVの範囲内であることが好ましい。ゼータ電位の値が+5mVよりも小さい場合には、記録液の長期保存安定性に劣る場合がある。インク中の自己分散カーボンブラックのゼータ電位の値は、分散している顔料表面のイオン性の官能基や、インク中の電解質量或いはpH等の影響を受けて決まる。よってインクを希釈したり、ブラックインクと異なる分散媒中で測定された顔料ゼータ電位とは異なる値となる。
【0041】
ここで、ゼータ電位の基本原理について以下に示す。一般に、固体が液体中に分散している系において、固相の表面に遊離電荷がある場合、固相界面付近の液相には反対電荷の荷電層が電気的中性を保つように現れる。これは、電気的二重層と呼ばれ、この電気的二重層による電位差のことをゼータ電位と呼んでいる。このゼータ電位の測定方法としてはいくつかの方法が知られているが、例えば、電気泳動法による測定、Electrokinetic Sonic Amplitude法(ESA法)、Ultrasonic Vibration Potential法(UPA法)等がある。本発明においては、水性インクジェット記録液のような濃厚溶液を希釈せずに測定出来るESA法を用いてゼータ電位を測定した。このESA法の測定原理は以下の様なものである。つまり、分散溶液に交流電場をかけた場合、その交流電場により分散質が電気泳動を行う。この電気泳動により発生する圧力を圧電素子を用いて測定することにより、以下の式(2)に従ってゼータ電位を求めることができる。
式(2)
ゼータ電位 = ESA・ η・ G(α)-1/ε・ c ・ Δρ・ V
【0042】
ここで、ESAは、測定によって求まる値で、単位電場当りの圧力を示す。ηは溶媒の粘度、G( α) -1は慣性力による作用の補正項、εは溶媒の誘電率、cは溶媒中の音速、Δρは溶媒と粒子の密度差、Vは粒子の体積分率を示す。
【0043】
前記各パラメーターに関する検討を行った結果、ηとしてインクの粘度を、εとして水の誘電率を、Δρとして色材と水との密度差を、Vとして色材の体積分率を用いることができると判断したため、本発明においてはこれらのパラメーターを用いてゼータ電位を求めることとした。なお、ゼータ電位は、測定装置として、ESA−8000( Matec Applied Science社製)を用い、測定は、水性インクジェット記録液50mlを100mlビーカーに入れ、測定用プローブを規定量浸漬させた状態で、所定の測定法に従って行った。
【0044】
(カラーインク)
本発明におけるカラーインクが含むアニオン性物質としては、アニオン性染料、アニオン性自己分散顔料、アニオン性ポリマー、アニオン性界面活性剤が挙げられる。つまり、本発明におけるカラーインクは前記アニオン性物質の何れか1つを含有していてもよいし、混合して含有していてもよい。
【0045】
本発明におけるカラーインクに含まれる着色剤としては、染料および顔料の何れも使用できるが、発色に優れたカラー画像を得やすい染料が好ましく使用される。染料の中では水溶性染料が好ましい。該水溶性染料は、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料等の何れでもよいが、より好ましくは、酸性染料、直接染料である。
【0046】
前記アニオン性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−112,−142,−165,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287、
C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−227、
C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−58,−86,−87,−88,−135,−142,−144、
C.I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−83,−90,−102,−104,−111,−185,−249,−254、
C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18−21,−26,−35,−37,−52,−110,−144.−180,−249,−257、
C.I.アシッドイエロー−1,−3,−4,−7,−11,−12,−13,−14,−18,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−78,−79,−122等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
本発明におけるカラーインク中のこれらのアニオン性染料の含有量は、ブラックインクを含む全インク量に対して、0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましく、1〜5質量%の範囲であることがさらに好ましい。前記アニオン性染料の含有量が20質量%を超えると、ノズル先端で水が蒸発した時の目詰まり性が悪化する場合がある。一方、前記アニオン性染料の含有量が0.1質量%未満であると、十分な濃度が得られない場合がある。
【0048】
前記アニオン性自己分散顔料としては、以下のものが挙げられる。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigmet Blue 3、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Pigment Blue 60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48、C.I.Pigment Red48:1、C.I.Pigment Red 57、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 168、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Violet 1960等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
イエロー色の顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 55、C.I.Pigment Yellow 73、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 75、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 95、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 98、C.I.Pigment Yellow 114、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 129、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 185等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、本発明のために、新たに合成した顔料でもよい。これらのカラー顔料は公知の分散剤で分散しても自己分散カーボンブラックで既述した方法で自己分散処理したものでも使用でき、自己分散型のカラー顔料が好ましい。
【0052】
前記アニオン性ポリマーとしては、重合反応により得られる重合体や天然由来の樹脂等公知の水溶性樹脂やポリマーエマルションが使用できる。前記アニオン性ポリマーは、水に溶解または分散するために親水性基を有することが好ましく、該親水性基としてはカルボキシル基やスルホン基およびその塩が好ましい。前記アニオン性ポリマーとしては、カルボキシル基を含む単量体を重合させたポリマーまたはその塩が好ましく使用される。
【0053】
前記カルボキシル基を含む単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル等が挙げられる。
これらの親水性基の他、酸価等のポリマー特性の調整の為、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等の単量体やスルホン酸基、水酸基、ポリオキシエチレン等を有する単量体を共重合させてもよい。
【0054】
また、酸性基をもつポリマーは、中和され、中和塩として使用されることが好ましい。中和は各種の塩基性物質によりなされるが、アルカリ金属の水酸化物を含む塩基性物質により中和されることが好ましい。前記アルカリ金属の水酸化物としては、NaOH、KOH、LiOHが挙げられ、中でもNaOHが好ましい。
【0055】
前記アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩およびスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が好ましい。
【0056】
本発明におけるカラーインクには、ノニオン性界面活性剤も含有することができる。該ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が好ましい。
【0057】
カラーインクに含まれる水溶性有機溶媒はブラックインクと共通であっても、異なるものでも使用できる。その他の構成も共通であっても、異なるものでも使用できる。
【0058】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおける各インクの表面張力は、25〜50mN/mであることが好ましい。また、ブラックインクについては30〜50であることがより好ましく、30〜40mN/mであることがさらに好ましい。一方、カラーインクについては25〜40mN/mであることがより好ましく、28〜37mN/mであることがさらに好ましい。前記インクの表面張力が50mN/mを超えると、インクの乾燥時間が長くなる場合がある。一方、前記インクの表面張力が25mN/m未満であると、記録紙上の光学濃度が低下したり、画質が劣化する場合がある。
【0059】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおける各インクの粘度は、1.5〜5.0mPa・sの範囲であるのが好ましく、1.8〜3.0mPa・sの範囲であるのがより好ましい。前記粘度が1.5mPa・s未満であると、インクの保存安定性が低下する場合がある。一方、前記粘度が5.0mPa・sを超えると、吐出力が低下し、目詰まりした場合に回復し難い場合がある。
【0060】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおける各インクの導電率は、インクに添加される物質により変動するため一概にはいえないが、0.05〜0.4S/mであるのが好ましく、0.07〜0.3S/mであるのがより好ましい。前記導電率が05〜0.4S/mを超えると、インクの保存安定性が劣化し易くなる場合がある。
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおける各インクのpHは、6.0〜11.0であるのが好ましく、7.5〜9.0であるのがより好ましい。前記pHが6.0未満であると、目詰まりや保存安定性の劣化が発生しやすくなる場合がある。一方、前記pHが11.0を超えると、ヘッド構成部材が腐食あるいは溶解し易くなる場合がある。
【0061】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおける各インクは、例えば次のような工程により調製することができる。自己分散性カーボンブラックを水分散液とし必要に応じ、遠心分離等で粗大粒子を除く。自己分散性カーボンブラックの分散液は公知の分散手段を用いて、分散操作を加えることもできる。また、これらの分散処理と遠心分離処理を組み合わせてもよい。このようにして得られた顔料分散液に所定の溶媒、界面活性剤、その他の添加剤等を加えて撹拌混合し、その後、濾過を行い、インクを得る。
【0062】
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、ブラックインクと、少なくともシアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを含むカラーインクとを記録信号に応じてオリフィスから吐出させてカラー画像の記録を行なうインクジェット記録方法であり、前記ブラックインクとして、既述の本発明におけるブラックインクを、前記カラーインクとして、既述の本発明におけるカラーインクを用いる記録方法である。
【0063】
本発明のインクジェット記録方法としては、前記自己分散カーボンブラックがカチオン性であり、前記カラーインクがアニオン性の物質を少なくとも含むことが好ましい。
【0064】
更に、本発明のインクジェット記録方法は、前記カラー画像の黒画像部を前記ブラックインクと前記カラーインクとで形成することを特徴とし、該ブラックインクと該カラーインクの印字時間差が20ms以下であることが好ましい
前記ブラックインクとカラーインクの印字時間差はブラックインクの吐出ヘッドと最も近いカラーインクの吐出ヘッドの距離とスキャン速度で決まり、20ms以下で印字されることによりカラーインクとブラックインクの打ち順がスキャンの往復で変わっても用紙上で浸透前に効果的に混ざり反応することでより高い画像濃度を得られる。
前記印字時間は、16ms以下であることが好ましく、10ms以下であることがより好ましい。
【0065】
本発明のインクジェット記録方法において、インクを吐出後、インクの普通紙上での乾燥時間が5s以下になるようにインク組成および紙上へのインクの吐出量を調整することが好ましい。
尚、本明細書において乾燥時間とは、印字後、印字画像に対して紙を重ね画像が転写されなくなるまでの時間をいう。乾燥時間が5sを超えると、不規則な滲みや色間の滲みが発生しやすく、また印字面に用紙が重なると用紙の裏面にインクが移るなどの不具合が生じる。
【0066】
本発明のインクジェット記録方法において、前記カラーインクの乾燥時間が前記ブラックインクの乾燥時間より速いことが好ましい。乾燥時間の調整は、前記のインクの表面張力、粘度等の物性制御や界面活性剤等の浸透剤およびポリマーの添加による調整の他、印字時のインク滴量や印字密度等の調整によっても可能であり、複数の方法を組み合わせてもよい。カラーインクの乾燥時間がブラックインクの乾燥時間より遅くなると記録媒体上で色間滲みの問題が発生しやすくなる場合がある。
【0067】
本発明のインクジェット記録方法において、吐出させるブラックインク1個のインク滴量は20ng以下、カラーインク1個のインク滴量は7ng以下が好ましい。本発明のインクジェット記録用インクはこれらの範囲で記録することでインクの乾燥性を損なわずに高濃度高画質の画像が得られる。インク量が多すぎると、インクの乾燥時間が長くなりやすく場合があり、画質の劣化も生じやすくなる場合がある。
【0068】
また、本発明のインクジェット記録方法は、黒画像部に印字するカラーインクの質量はブラックインクの質量に対し10〜50%の範囲が好ましい。カラーインクの比率はシアン、マゼンタ、および、イエローの3色を同量にするほか、黒画像の色目調整の目的で比率を変更することも可能である。
【0069】
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録装置は、少なくとも、ブラックインクを吐出させる印字カートリッジと、カラーインクを吐出させる印字カートリッジとを具備するカラー画像を記録するインクジェット記録装置であり、前記ブラックインクとして、既述の本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおけるブラックインクを、前記カラーインクとして、既述の本発明に用いるインクジェット記録用インクセットにおけるカラーインク液滴を用いる記録装置である。
【0070】
本発明のインクジェット記録装置としては、前記自己分散カーボンブラックがカチオン性であり、前記カラーインクがアニオン性の物質を少なくとも含むことが好ましい。
【0071】
更に、本発明のインクジェット記録装置は、前記カラー画像の黒画像部を前記ブラックインクと前記カラーインクとで形成することを特徴とし、該ブラックインクと該カラーインクの印字時間差が20ms以下であることが好ましい。
前記ブラックインクとカラーインクの印字時間差はブラックインクの吐出ヘッドと最も近いカラーインクの吐出ヘッドの距離とスキャン速度で決まり、20ms以下で印字されることによりカラーインクとブラックインクの打ち順がスキャンの往復で変わっても用紙上で浸透前に効果的に混ざり反応することでより高い画像濃度を得られる。
前記印字時間は、16ms以下であることが好ましく、10ms以下であることがより好ましい。
【0072】
カラーインクを吐出させる印字カートリッジは各々独立したカートリッジであっても3色が一体になったカートリッジでも使用できる。ブラックインクとカラーインクの印字時間差はブラックインクの吐出ヘッドと最も近いカラーインクの吐出ヘッドの距離とスキャン速度で決まり、20ms以下で印字されることによりカラーインクとブラックインクの打ち順がスキャンの往復で変わっても用紙上で浸透前に効果的に混ざり反応することで高い画像濃度を得られる。
【0073】
本発明に用いるインクジェット記録用インクセットは、通常の熱インクジェット記録装置には勿論、インクの紙への定着を補助するためのヒーター等を搭載した記録装置、中間転写機構を搭載し、中間体にインクを印字後、紙等の被記録体に転写する記録装置で用いることもできる。
【0074】
以上、本発明に用いるインクジェット記録用インクセットの好ましい態様である、前記ブラックインクがカチオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、前記カラーインクがアニオン性の物質を少なくとも含むインクジェット記録用インクセットである場合について説明したが、本発明に用いるインクジェット記録用インクセットが、前記ブラックインクがアニオン性の自己分散カーボンブラックを少なくとも含み、前記カラーインクが、カチオン性の物質を少なくとも含むインクジェット記録用インクセットである場合も同様の効果があげられる。
【0075】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
[ブラックインクの調製]
ブラックインク1の調製
下記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過しブラックインク1とした。このブラックインクのゼータ電位は+8mVであった。
・Cabot社より入手したカチオン性自己分散カーボン
ブラック(固形分15%) 33.33質量部
・ジエチレングリコール 20質量部
・2エチルヘキシルアルコールのポリオキシエチレン付加物 0.15質量部
・ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.07質量部
・水 46.45質量部
【0076】
ブラックインク2の調製
下記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過しブラックインク2とした。このブラックインクのゼータ電位は−32mVであった。
・CABOJET300(Cabot社製アニオン性自己分散
カーボンブラック固形分15%) 33.33質量部
・ジエチレングリコール 20質量部
・2エチルヘキシルアルコールのポリオキシエチレン
付加物 0.15質量部
・ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.07質量部
・水 46.45質量部
【0077】
[カラ−インクの調製]
シアンインク1の調製(アニオン性)
下記成分を混合撹拌後、1NのNaOH水溶液でpHを8に調整し、ポアサイズ0.45μmのメンブレンフィルターを用いて濾過しインクとした。
・C.I.ダイレクトブルー199 3質量部
・ジエチレングリコール 20質量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5質量部
・尿素 6質量部
・水 66質量部
【0078】
マゼンタインク1の調製(アニオン性)
C.I.ダイレクトブルー199をC.I.アシッドレッド52に代えた以外は、シアンインク1と同様にしてマゼンタインク1を得た。
【0079】
イエローインク1の調製(アニオン性)
C.I.ダイレクトブルー199をC.I.ダイレクトイエロー144に替えた以外は、シアンインク1と同様にしてイエローインク1を得た。
【0080】
[インクの物性評価]
これらのインクについて、以下の物性の測定を行い評価した。結果を下記表1に示す。
(インクの表面張力)
23℃、55%RHの環境において、ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、各インクの表面張力を測定した。
(インクの粘度)
レオマットRM260(METTLER製)を測定装置として用い、測定対象となる各インクを測定容器に入れ、前記測定装置における所定の方法で測定装置に装着し、インク粘度の測定を行った。このとき、測定条件としては、測定温度23℃、せん断速度は1400s-1とした。
【0081】
(インクの粒子径)
マイクロトラックUPA粒度分析計 9340(Leeds & Northrup社製)を用い、インクを希釈しないで測定した数平均粒子径をインクの粒子径とした。なお、測定時に入力するパラメーターとして、粘度には、被測定インクの粘度を、分散粒子の密度には、色材の密度を使用した。
【0082】
【表1】
Figure 2004197046
【0083】
(実施例1)
得られたブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク1、イエローインク1をサーマルインクジェット方式の試作プリントヘッド(ブラックインク1のインク滴量1個は15ng、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1のインク滴量1個は5ng、各色独立ヘッドで1回のスキャンで4色を同じ領域に印字可能、ブラックと最も近いカラー間の印字時間差は16ms)に詰め替え、ブラックインク1を100%、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1をそれぞれ30%の割合で往復2分割で印字して黒画像を得た。尚、用紙はFX−P紙(富士ゼロックス社製)、4024紙、4200紙(ゼロックス社製)を使用した。
【0084】
(比較例1)
得られたブラックインク1をサーマルインクジェット方式の試作プリントヘッド(ブラックインク1のインク滴量1個は15ng)に詰め替え、ブラックインク1を往復2分割で印字して黒画像を得た。尚、用紙はFX−P紙(富士ゼロックス社製)、4024紙、4200紙(ゼロックス社製)を使用した。
【0085】
(比較例2)
得られたブラックインク2、シアンインク1、マゼンタインク1、イエローインク1をサーマルインクジェット方式の試作プリントヘッド(ブラックインク2のインク滴量1個は15ng、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1のインク滴量1個は5ng、各色独立ヘッドで1回のスキャンで4色を同じ領域に印字可能、ブラックと最も近いカラー間の印字時間差は16ms)に詰め替え、ブラックインク2を100%、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1をそれぞれ30%の割合で往復2分割で印字して黒画像を得た。尚、用紙はFX−P紙(富士ゼロックス社製)、4024紙、4200紙(ゼロックス社製)を使用した。
【0086】
実施例2
得られたブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク1、イエローインク1をサーマルインクジェット方式の試作プリントヘッド(ブラックインク1のインク滴量1個は15ng、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1のインク滴量1個は5ng、各色独立ヘッドで1回のスキャンで4色を同じ領域に印字可能、ブラックと最も近いカラー間の印字時間差は32ms)に詰め替え、ブラックインク1を100%、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1をそれぞれ30%の割合で往復2分割で印字して黒画像を得た。尚、用紙はFX−P紙(富士ゼロックス社製)、4024紙、4200紙(ゼロックス社製)を使用した。
【0087】
実施例1、2及び比較例1、2で得られた黒画像について下記の評価を行なった。その結果を表2に示す。
(黒画像の濃度)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた黒画像の濃度を光学濃度計X−Rite MODEL404(X−Rite社製)を用いて測定した。以下の基準で評価した。
○・・・黒画像の濃度が1.4以上である。
△・・・黒画像の濃度が1.2以上1.4未満である。
×・・・黒画像の濃度が1.2未満である。
【0088】
(乾燥性評価)
実施例1、2及び比較例1、2に示すように黒画像を印字して、印字画像の上から同種の別の用紙を重ね、重ねた紙にインクが転写されなくなるまでの時間を測定し、以下の基準で評価した。
○・・・5秒以下である。
△・・・5秒を超え10秒未満である。
×・・・10秒以上である。
【0089】
(目詰まり回復性試験)
上記の印字装置を用いて、正常に印字できることを確認後7日間23℃、55%RHの環境にキャップした状態で放置し、噴射による回復操作を行い正常に印字できるまでの噴射回数を測定し、以下の基準で評価した。
○:10000回以内で回復した。
×:10000回でも回復しない。
【0090】
【表2】
Figure 2004197046
【0091】
表2の結果は、本発明におけるインクジェット記録用インクセットを用いた実施例1及び2は、黒画像の濃度、乾燥性、目詰まり回復性の何れも優れていることを示している。
【0092】
【発明の効果】
本発明は、様々の普通紙において、高濃度のブラック画像が得られ、乾燥時間が短いインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
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