JP2008239964A - インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブラックインク及び複数の異なる色のカラーインクを具備してなるインクジェット記録用インクセットであって、該ブラックインクが色材として顔料を含有し、該複数の異なる色のカラーインクのうち最も明度の高い色のカラーインクの表面張力が他のカラーインクの表面張力よりも高く、かつ該ブラックインクの表面張力と該最も明度の高い色のカラーインクの表面張力との差が2dyn/cm(mN/m)以下であることを特徴とするインクジェット記録用インクセット及びかかるインクセットを用いた記録方法。
【選択図】なし
Description
[ブラックインク中の色材]
まず、本発明を構成するブラックインクについて説明する。ブラックインク中の色材として、染料ではなく顔料を用いる。その理由を以下に示す。染料インクによる画像形成は、染料を記録媒体内部に侵入させることにより記録媒体自体を染色して画像を形成するもので、染料が記録媒体の表面に留まりにくい。これに対し、顔料インクによる画像形成は、染料よりはるかに大きな顔料粒子を記録媒体の表面に留め、該表面上にある顔料粒子自体の発色により画像を形成する。顔料インクは普通紙などの浸透性の比較的高い記録媒体表面に着弾後、溶媒が蒸発していく過程で分散不安定になり固液分離が促進されて顔料粒子が凝集体を形成すると考えられる。ブラックインクは前記のように高い表面張力で浸透性が低いので、ブラックインク単独で記録媒体上に付与した場合、記録媒体上方に定着する顔料濃度は高い。そのため、染料ブラックインクよりも高い光学濃度を示す。また、ブラックインクとカラーインクを記録媒体上に付与した場合、着弾後、前記のように固液分離が促進されて顔料粒子が凝集体を形成するので、カラーインクがブラックインクに侵入し難くなる。さらに、本発明者らの検討によれば、カラーインクとブラックインクの表面張力が揃っている場合は、記録媒体上でインクの移動が起こりにくいため、さらにカラーインクがブラックインクに侵入し難くなることが分わかった。
本発明において、顔料の凝集性を高めるために、ブラックインクが下記に挙げる中から選ばれる少なくとも一つの塩を含有してなるものであることが好ましい。すなわち、(M1)2SO4、CH3COO(M1)、Ph−(COO(M1))n、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M1)2SO3及び(M1)2CO3から選ばれる少なくとも一つを含有させることが好ましい。上記式中、M1は、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示し、Phはベンゼン環を示し、nは1又は2を示す。塩の含有量は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上が好ましい。また、10.0質量%以下であることが好ましい。含有量が0.05質量%を下回る場合、光学濃度が高い画像を得られない場合がある。また、10.0質量%を上回る場合、インクの保存安定性などが得られない場合がある。
本発明を構成するブラックインクは、先に挙げた色材などの溶媒又は分散媒として、例えば、水、或いは水と水溶性有機溶媒の混合媒体を用いて作製される。水溶性有機溶媒としては、具体的には、下記に挙げるようなものを使用できる。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。平均分子量が200乃至2,000程度のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアルキルエーテルアセテート。グリセリン。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどである。
ブラックインクは、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの保湿性固形分を含有してもよい。ブラックインク中の保湿性固形分の含有量(質量%)は、ブラックインク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下、さらには3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
[カラーインク中の色材]
次に、本発明を構成するカラーインクについて説明する。カラーインク中の色材としては、公知の染料や顔料を用いることができる。染料としては、例えば、酸性染料、直接染料などを用いることができる。例えば、アニオン性染料としては、既存のものでも、新規に合成したものでもよい。これらは、適度な色調と濃度を有するものであれば、たいていのものを用いることができる。また、これらのうちのいずれかを混合して用いることも可能である。以下に、アニオン性染料の具体例を、各色毎に挙げる。
(イエロー用の色材)
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132。C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99。C.I.リィアクティブイエロー:2、3、17、25、37、42。C.I.フードイエロー:3など。
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230。C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289。C.I.リィアクティブレッド:7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59。C.I.フードレッド:87、92、94など。
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226。C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161。C.I.リィアクティブブルー:4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100など。
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195。C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156。C.I.フードブラック:1、2など。
有機顔料としては、下記のものが挙げられる。トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料。リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、インジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料。ぺリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料。イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッドなどのイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料。チオインジゴ系顔料。縮合アゾ系顔料。ジケトピロロピロール系顔料。フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットなど。その他の顔料が例示できる。
本発明を構成するカラーインクは、先に挙げた色材などの溶媒又は分散媒として、例えば、水、或いは水と水溶性有機溶媒の混合媒体を用いて作製される。この際に使用する水溶性有機溶媒としては、前記ブラックインクにて記載したのと同様なものが挙げられる。カラーインク中の水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、カラーインク全質量に対して3質量%以上とすることが好ましく、50質量%以下とすることが好ましい。また、カラーインク中の水の含有量は、カラーインク全質量に対して、50質量%以上とすることが好ましく、95質量%以下とすることが好ましい。また、本発明を構成する各カラーインクは、インクジェット記録方式(例えば、バブルジェット(登録商標)法など)で、記録媒体に付与されるものである。したがって、本発明で規定する要件を満たすと同時に、優れたインクジェット吐出特性を有するように、インクの粘度や表面張力を調整したものであることが好ましい。カラーインクの表面張力の調整は、例えば、界面活性剤を添加するなどの方法で行うことができる。この際に使用する界面活性剤としては、特に制限はないが、より好ましくは下記のものが挙げられる。アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物などの非イオン性界面活性剤を用いることができる。
カラーインクには、上記成分の他に、前記ブラックインクにて記載したのと同様に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの保湿性固形分を含有してもよい。カラーインク中の保湿性固形分の含有量(質量%)は、カラーインク全質量を基準として、0.1質量%以上、さらには3.0質量%以上とすることが好ましい。また、20.0質量%以下、さらには10.0質量%以下とすることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、前記した本発明のインクジェット記録用インクセットを用いるインクジェット記録方法である。そして、記録媒体上でブラックインクと最も明度の高い色のカラーインクとを接触させるように、ブラックインク及び最も明度の高い色のカラーインクをそれぞれ吐出させて付与することを特徴とする。また、本発明のインクジェット記録方法においては、記録媒体上でブラックインクと最も明度の高い色のカラーインクとを接触させるときに、下記のように構成することが好ましい。ブラックインクと最も明度の高い色のカラーインクのうちの先に吐出された方のインクが記録媒体上に液状で残留するように構成する。このように構成とすることで、ブラックインクとカラーインクの境界での白モヤやブリードをより少なくすることができ、また、ブラックの光学濃度をより高くした画像が得られる。
まず、本発明のインクジェット記録方法において、好適に用いることのできる記録ヘッドの構成及び印字方法を、図2(a)〜(c)に示した模式図を参照して説明する。図2(a)は、プリンタに装着された状態の記録ヘッドを記録媒体側から見た図であり、各記録チップの配置を示した模式図である。同図に示すように、記録ヘッドは、カラーインク用チップ1100とブラックインク用チップ1200を基材1000に接続することにより形成される。カラーインク用チップ1100は、上記カラーインクを吐出するためのシアンインク吐出口列22、マゼンタインク吐出口列23、イエローインク吐出口列24を配列したものである。そして、ブラックインク用チップ1200は、上記ブラックインクを吐出するための吐出口列21を配列したものである。このチップ1200は、カラーインク用チップ1100より記録媒体の搬送方向(副走査方向)に長い、つまり、吐出口の配列範囲が長いチップであり、また、カラーインク用チップ1100の各インクの吐出口列と、所定量副走査方向にずれて設けられる。
(ブラック顔料インク:Bk1)
・ブラック自己分散顔料分散体(商品名:CABOJET300;
CABOT社製、顔料濃度15%) 50部
・硫酸アンモニウム 1部
・トリメチロールプロパン 5部
・グリセリン 5部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH 0.24部
・水 残部
(イエローインク1:Y1)
・アセチレノールEH 0.2部
・トリメチロールプロパン 5部
・グリセリン 5部
・2−ピロリドン 5部
・C.I.ダイレクトイエロー86 5部
・水 残部
・アセチレノールEH 0.5部
・トリメチロールプロパン 5部
・グリセリン 5部
・2−ピロリドン 5部
・C.I.アシッドレッド289 5部
・水 残部
・アセチレノールEH 0.3部
・トリメチロールプロパン 5部
・グリセリン 5部
・2−ピロリドン 5部
・C.I.アシッドブルー9 5部
・水 残部
・イエロー自己分散顔料分散体(商品名:CABOJET270;
CABOT社製、顔料濃度10%) 50部
・トリメチロールプロパン 5部
・グリセリン 5部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH 0.8部
・水 残部
・シアン自己分散顔料分散体(商品名:CABOJET250;
CABOT社製、顔料濃度10%) 50部
・トリメチロールプロパン 5部
・グリセリン 5部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH 1部
・水 残部
・マゼンタ自己分散顔料分散体(商品名:CABOJET260;
CABOT社製、顔料濃度10%) 50部
・トリメチロールプロパン 5部
・グリセリン 5部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH 1.2部
・水 残部
<インクセット1>
上記で調製したブラックインク及びカラーインクの表面張力γを、協和CBVP式表面張力計A−1型(協和科学社製)を使用して、それぞれ測定した。具体的には、測定対象のインク5ml〜6mlをシャーレに入れて、設定温度25±0.2℃の環境下で測定した。インクセット1を構成する4種類のインクについての結果は、下記の通りであった。
ブラックインク1(Bk1):40dyn/cm(mN/m)
イエローインク1(Y1):40dyn/cm(mN/m)
シアンインク1(C1):36dyn/cm(mN/m)
マゼンタインク1(MI):36dyn/cm(mN/m)
下記のインクを組み合わせてインクセット2とした。これらのブラックインク2(Bk2)、イエローインク2(Y2)とシアンインク2(C2)は、下記のようにして調製した。すなわち、インクセット1に用いるブラックインク1(Bk1)、イエローインク1(Y1)とシアンインク1(C1)の組成中のアセチレノールEHの量をそれぞれ変更して、各インクの表面張力が下記の数値となるように調整して作製した。
ブラックインク2(Bk2):39dyn/cm(mN/m)
イエローインク2(Y2):37dyn/cm(mN/m)
シアンインク2(C2):34dyn/cm(mN/m)
マゼンタインク2(M2):インクセット1のマゼンタインク1(M1)と同じ
下記のインクを組み合わせてインクセット3とした。
ブラックインク3(Bk3):35dyn/cm(mN/m)
イエローインク3(Y3):インクセット2のイエローインク2(Y2)と同じ
シアンインク3(C3):インクセット2のシアンインク2(C2)と同じ
マゼンタインク3(M3):34dyn/cm(mN/m)
なお、ブラックインク3は、前記のブラックインク1に含まれているアセチレノールEHの量を変更し、表面張力を上記値に調整して作製した。マゼンタインク3は、前記のマゼンタインク1に含まれているアセチレノールEHの量を変更し、表面張力を上記値に調整して作製した。
下記のインクを組み合わせてインクセット4とした。
ブラックインク4(Bk4):35dyn/cm(mN/m)
イエローインク4(Y4):33dyn/cm(mN/m)
シアンインク4(C4):30dyn/cm(mN/m)
マゼンタインク4(M4):30dyn/cm(mN/m)
なお、ブラックインク4は、ブラックインク1に含まれるアセチレノールEHの量を変更して上記表面張力になるように調整して作製した。また、イエローインク4、シアンインク4、マゼンタインク4は、それぞれ前記で調製した各色の顔料インク4である。
<インクセット5>
下記のインクを組み合わせてインクセット5とした。
ブラックインク5(Bk5):41dyn/cm(mN/m)
イエローインク5(Y5):36dyn/cm(mN/m)
シアンインク5(C5):インクセット1のシアンインク1(C1)と同じ
マゼンタインク5(M5):インクセット1のマゼンタインク1(M1)と同じ
なお、ブラックインク5は、ブラックインク1に含まれるアセチレノールEHの量を変更して上記表面張力になるように調整して作製した。イエローインク5はイエローインク1に含まれるアセチレノールEHの量を変更して上記表面張力になるように調整して作製した。
下記のインクを組み合わせてインクセット6とした。
ブラックインク6(Bk6):36dyn/cm(mN/m)
イエローインク6(Y6):39dyn/cm(mN/m)
シアンインク6(C6):インクセット2のシアンインク2(C2)と同じ
マゼンタインク6(M6):インクセット1のマゼンタインク1(M1)と同じ
なお、ブラックインク6は、ブラックインク1に含まれるアセチレノールEHの量を変更して上記表面張力になるように調整して作製した。イエローインク6はイエローインク1に含まれるアセチレノールEHの量を変更して上記表面張力になるように調整して作製した。
下記のインクを組み合わせてインクセット7とした。
ブラックインク7(Bk7):インクセット2のブラックインク2(Bk2)と同じ
イエローインク7(Y7):42dyn/cm(mN/m)
シアンインク7(C7):インクセット2のシアンインク2(C2)と同じ
マゼンタインク7(M7):インクセット2のマゼンタインク2(M2)と同じ
イエローインク7はイエローインク1に含まれるアセチレノールEHの量を変更して上記表面張力になるように調整して作製した。
上記で作製したインクセット1〜7を用いて、
1.ブラックインクの印字濃度、
2.ブラックインクとカラーインクでのブリード、白モヤ及び、
3.カラーインク間でのブリード、
の点について、以下の方法及び基準で評価を行った。
・印字濃度についての評価基準
前記インクジェット記録装置を用い、PPC用普通紙にベタ印字し、25℃で1時間乾燥させた後、この印字物をMacbeth社製のMacbeth RD918で印字濃度を測定し、以下の基準に基づいて印字濃度を評価した。
A:普通紙A、B、C、D及びEの印字濃度の5紙平均が1.4以上。
B:普通紙A、B、C、D及びEの印字濃度の5紙平均が1.4未満。
A:キヤノン(株)製、PPC用紙オフィスプランナー
B:キヤノン(株)製、PPC用紙GF−500
C:ゼロックス(株)製、PPC用紙4024
D:フォックスリバー(株)製、PPC用紙プローバーボンド
E:ノイジドラ(株)製、キヤノン用PPC用紙オフィス80
(ブリード及び白モヤ)
印字パターンとしては、図4のような、カラーとブラックの画像領域が隣接するものを印字し、境界部のブリードとブラック領域の白モヤの評価を目視で行った。記録媒体としては、キヤノン(株)製PPC用普通紙オフィスプランナーを用いた。
・ブリードについての評価基準
A:境界部の滲みがない。
B:境界部にやや滲みが目立つ。
C:境界部の滲みがかなり目立つ。
・白モヤについての評価基準
A:白モヤがない。
B:白モヤがやや目立つ。
C:全体的に白モヤが目立つ。
印字パターンとしては、図4において、ブラックインクの画像をシアンインクの画像に置き換えた、明度の高いイエローインクと明度の低いシアンインクとの画像領域が隣接するものを印字し、境界部のカラー間ブリードの評価を目視で行った。記録媒体としては、キヤノン(株)製PPC用普通紙オフィスプランナーを用いた。
・ブリードについての評価基準
A:境界部の滲みがない。
B:境界部にやや滲みが目立つ。
C:境界部の滲みがかなり目立つ
Claims (12)
- ブラックインク及び複数の異なる色のカラーインクを具備してなるインクジェット記録用インクセットであって、該ブラックインクが色材として顔料を含有し、該複数の異なる色のカラーインクのうち最も明度の高い色のカラーインクの表面張力が他のカラーインクの表面張力よりも高く、かつ該ブラックインクの表面張力と該最も明度の高い色のカラーインクの表面張力との差が2dyn/cm(mN/m)以下であることを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
- 前記最も明度の高い色のカラーインクが、イエローインクである請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記顔料が、自己分散型カーボンブラックである請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記ブラックインクが、(M1)2SO4、CH3COO(M1)、Ph−(COO(M1))n、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M1)2SO3及び(M1)2CO3から選ばれる少なくとも一つの塩(ただし、M1はアルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示し、Phはベンゼン環を示し、nは1又は2を示す)を含有してなる請求項3に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記最も明度の高い色のカラーインクの表面張力と最も表面張力の低い色のカラーインクの表面張力との差が、4dyn/cm(mN/m)以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記ブラックインクの表面張力が、39dyn/cm(mN/m)以上40dyn/cm(mN/m)以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記イエローインクの表面張力が、前記ブラックインクの表面張力よりも低い請求項2乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセットを用いるインクジェット記録方法であって、記録媒体上でブラックインクと最も明度の高い色のカラーインクとを接触させるように、前記ブラックインク及び前記最も明度の高い色のカラーインクをそれぞれ吐出させて記録媒体に付与することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体上でブラックインクと最も明度の高い色のカラーインクとを接触させるときに、該ブラックインクと該最も明度の高い色のカラーインクのうちの先に吐出された方のインクが記録媒体上に液状で残留している請求項8に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ブラックインク及び最も明度の高い色のカラーインクを1秒以内の間隔で吐出させて付与する請求項8又は9に記載のインクジェット記録方法。
- 記録ヘッドの1回の記録走査で、記録媒体上に前記ブラックインクと前記最も明度の高い色のカラーインクを吐出させて付与する請求項8乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ブラックインクを吐出させた際のインク滴1個が30ng以下である請求項8乃至11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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