JP6558974B2 - 水性インク、水性インクの製造方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク、水性インクの製造方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、水性インク、水性インクの製造方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法では、様々な記録媒体に記録することが可能である。そして、より良好な画像を記録すべく、例えば、光沢紙などに写真画質の画像を記録するのに適したインクや、普通紙などに文書を記録するのに適したインクなど、その目的に応じた種々のインクが提案されている。近年、記録媒体として普通紙などを用い、文字や図表などを含むビジネス文章などの印刷にもインクジェット記録方法が利用されており、このような用途への利用頻度が格段に増えてきている。このような用途では、記録される画像の光学濃度とインクの信頼性をより一層向上することが求められる。
画像の光学濃度を向上させる観点からは、自己分散顔料をインクの色材として用いることが有利である。インクの色材として自己分散顔料を用いる場合、インク中においては顔料の分散安定性を確保するとともに、インクが記録媒体に付与された後には、速やかに顔料を凝集させることが好ましい。さらに、インクが記録媒体に付与された後には、水などの液体成分を記録媒体に浸透させて、記録媒体の表面上に顔料をできるだけ多く存在させることが好ましい。このため、顔料の粒子表面にアニオン性基を多く導入した自己分散顔料を用いることが好ましい。このような自己分散顔料を用いることで、アニオン性基間の反発力によりインク中において顔料を安定して分散させることができる。また、記録媒体にインクが付与された後は水などの蒸発に起因して引き起こされる、アニオン性基間の反発力の消失により分散状態を不安定化させ、顔料を速やかに凝集させることができる。そして、インク中における分散安定性と、記録媒体における顔料の凝集促進による画像の光学濃度の向上との両立という観点からは、顔料の粒子表面に導入するアニオン性基としてカルボン酸基を選択することが好ましい。
カルボン酸基が導入された自己分散顔料としては様々なタイプのものが知られており、その製法に応じて酸化タイプと表面修飾タイプに大別される。酸化タイプの自己分散顔料としては、オゾンガスや次亜塩素酸などを用いて顔料を酸化処理して得られるものがある(特許文献1参照)。また、表面修飾タイプの自己分散顔料としては、ジアゾニウム塩又はヒドラジン化合物などのアニオン性基を有する化合物により顔料を化学的に処理して得られるものがある(特許文献2及び3参照)。さらに、顔料を酸化処理してカルボン酸基を結合させた後で、さらに、その末端にラクトン基が存在する官能基を結合させた自己分散顔料がある(特許文献4参照)。
特表2003−535949号公報 特表平10−510862号公報 特表2012−528917号公報 特許第5085868号公報
自己分散顔料を含有するインクにより記録される領域と、別のインクにより記録される領域とが互いに隣接する画像を記録する場合、一般に、以下のような記録制御によってブリーディングを緩和している。すなわち、記録媒体において自己分散顔料のアニオン性基間の反発力が消失して凝集し始めた後に、別のインクを付与することで、別のインクにより記録される領域に自己分散顔料が流れ込まないようにしている。しかし、自己分散顔料を含有するインクにより記録した領域に隣接して、多次色画像などのインクの付与量が多い領域を記録する場合には、ブリーディングとは別に、画像が白みがかって見える現象(白もや現象)が生ずる。この「白もや現象」は、上記2つの領域の境界部の近傍に存在する自己分散顔料が、記録媒体の内部にまで沈み込むことにより生ずる現象である。
特許文献1などに記載された酸化タイプの自己分散顔料は、顔料の粒子表面に導入される化学種をコントロールすることが難しい。このため、カルボン酸基だけでなく、ラクトン基などのノニオン性の親水性基が顔料の粒子表面に多く結合することになる。顔料の粒子表面にラクトン基が多く結合すると、アニオン性基間の反発力が消失した後であっても、ラクトン基の親水性によって顔料の凝集が緩やかになる。また、特許文献4に記載された自己分散顔料は、酸化処理によって顔料の粒子表面に生成したラクトン基だけでなく、その末端にラクトン基が存在する官能基を有するため、顔料の凝集が緩やかになる。
一方、特許文献2及び3などに記載された表面修飾タイプの自己分散顔料は、酸化タイプの自己分散顔料と比較すると、顔料の粒子表面に導入される化学種をコントロールすることは容易である。しかし、自己分散顔料の製法に関わらず、上記いずれのタイプの自己分散顔料であっても、処理前の顔料の粒子表面にはそもそもある程度の量のラクトン基が結合している。このため、このラクトン基の作用によって記録媒体における顔料の凝集が緩やかとなり、ブリーディングや白もやが発生しやすいといった課題が生じていた。
したがって、本発明の目的は、ブリーディング及び白もや現象の発生が抑制された画像を記録可能な水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクの製造方法、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して結合したカルボン酸基と、前記顔料の粒子表面に結合したラクトン基とを有する自己分散顔料を含有し、選択的中和法により求められる、前記カルボン酸基の導入量が0.60mmol/g以上であり、かつ、前記ラクトン基の導入量(mmol/g)が、前記カルボン酸基の導入量(mmol/g)に対する比率で、0.20倍以下であることを特徴とする水性インクが提供される。
本発明によれば、ブリーディング及び白もや現象の発生が抑制された画像を記録可能な水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクの製造方法、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明においては、アニオン性基が塩を形成している場合は、インク中ではイオンに解離して存在し得るが、便宜上、「アニオン性基」と表現する。また、自己分散顔料及び水性インクのことを、単に「顔料」、「インク」と記載することがある。本明細書における各種の物性値は、特に断りのない限り常温(25℃)における値である。
本発明者らは、ブリーディング及び白もや現象の発生が抑制された画像を記録することができるインクを提供すべく、画像が形成されていく過程のメカニズムを解析した。その結果、記録媒体における自己分散顔料の凝集挙動をコントロールすることが重要であるとの結論に至った。そして、自己分散顔料の凝集挙動は、従来さまざまな観点で検討されてきたインクの組成だけではなく、自己分散顔料の特性も支配的な要素となりうるということを見出した。
先ず、ブリーディングについて説明する。ブリーディングは、自己分散顔料を含有するインクにより記録される領域と、別のインクにより記録される領域とが互いに隣接した画像を記録する場合に、自己分散顔料が別のインクにより記録される領域に流れ込むことで生ずる現象である。インクが記録媒体に付与されると、水などの蒸発により、インク中のアニオン濃度が相対的に上昇する。すると、自己分散顔料を分散させているアニオン性基により形成されていた電気二重層が圧縮されてアニオン性基間の反発力が消失し、分散状態が不安定化して自己分散顔料が凝集する。このため、自己分散顔料が別のインクにより記録される領域に流れ込む程度は、自己分散顔料の凝集体の大きさ、つまり、凝集力に依存すると考えられる。
顔料の粒子表面に導入されたアニオン性基が多いほど、記録媒体において水などの蒸発に伴うインク中の電解質濃度の上昇速度が大きく、電気二重層の圧縮による顔料の分散状態の不安定化が速く起こり、自己分散顔料の凝集力も強くなる。そして、本発明者らの検討によれば、後述する方法により測定される、カルボン酸基の導入量を0.60mmol/g以上とした自己分散顔料を用いることで、凝集力が強くなり、耐ブリーディング性を向上できることがわかった。
次に、白もや現象について説明する。白もや現象は、自己分散顔料を含有するインクにより記録した領域に隣接して、多次色画像などのインクの付与量が多い領域を記録した場合に、境界部の近傍に存在する自己分散顔料が記録媒体に沈み込むことで生ずる現象である。
顔料の粒子表面にラクトン基が多く結合した自己分散顔料の場合、ラクトン基に水分子が水和するため、顔料の粒子表面に水和した水分子が多く存在している。インクが記録媒体に付与された後、アニオン性基間の反発力が消失することにより自己分散顔料は凝集する。ここで、自己分散顔料のうち大きな凝集体を形成しているものは流れ出さないので、ブリーディングへの影響は生じない。しかし、顔料の粒子表面に水和した状態の水分子が存在するため、別のインクが多量に付与されて新たに水が供給されると、供給された水によって自己分散顔料は容易に再分散する。このため、記録媒体にインクが付与された後、凝集する以前に記録媒体の表面近傍に少し沈み込んだ自己分散顔料は、別のインクが多量に付与され、新たに供給された水によって再分散することになる。また、自己分散顔料は、多量に付与される別のインクの浸透に引っ張られるようにして記録媒体の内部にまで沈み込むことになる。結果として、自己分散顔料を含有するインクにより記録した領域と、インクの付与量が多い領域との境界部の近傍では、記録媒体の表面上に存在する自己分散顔料が少なくなり、白もや現象が発生する。
一方、顔料の粒子表面に結合したラクトン基の量が少ない自己分散顔料の場合、顔料粒子の表面に水和して存在する水分子の量も少ない。このため、アニオン性基間の反発力が消失することにより凝集した自己分散顔料は、再分散しにくい。このため、自己分散顔料を含有するインクにより記録した領域と隣接して、インクの付与量が多い領域を記録した場合であっても、自己分散顔料は再分散しにくい。したがって、凝集する以前に記録媒体の表面近傍に少し沈み込んだ自己分散顔料であっても、別のインクが多量に付与され、新たに水が供給されても、記録媒体の内部にまで沈み込むことがなく、結果として白もや現象は発生しない。
本発明者らは、耐ブリーディング性を向上させるためのカルボン酸基の導入量を満たすとともに、白もや現象を抑制しうる自己分散顔料の特性について検討を行った。その結果、後述する選択的中和法により測定されるラクトン基の導入量が、選択的中和法により測定されるカルボン酸基の導入量に対する比率で0.20倍以下である自己分散顔料を用いることで、白もや現象を抑制できることを見出した。
これまでに述べてきたとおり、本発明においては、顔料の粒子表面に結合したカルボン酸基の導入量を多くすることで、記録媒体において顔料を速やかに凝集させることが重要である。さらに、本発明においては、カルボン酸基を多く導入しながら、それに対してラクトン基を少なくすることで、顔料の粒子表面に存在する水和水をできるだけ減らすことも重要である。これらの特性を満足する自己分散顔料を用いることによって、記録される画像の耐ブリーディング性を向上しながら、白もや現象の発生を抑制することができる。
特許文献4に記載された自己分散顔料は、顔料の粒子表面に結合しているラクトン基だけではなく、官能基の末端にもラクトン基が存在する。この場合、自己分散顔料の特性は官能基の末端に存在するラクトン基による作用が支配的となり、アニオン性基間の反発力が消失した後もラクトン基による分散能が維持される。このため、記録媒体における顔料の凝集が抑制され、耐ブリーディング性が劣るだけでなく、自己分散顔料を用いることのメリットである高い光学濃度も得られない。
<水性インク>
以下、本発明の水性インクを構成する各成分について詳細に説明する。
(自己分散顔料)
本発明のインクに含有させる自己分散顔料は、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して結合したカルボン酸基と、顔料の粒子表面に結合したラクトン基とを有する。さらに、選択的中和法により求められる、カルボン酸基の導入量が0.60mmol/g以上であり、かつ、ラクトン基の導入量(mmol/g)が、カルボン酸基の導入量(mmol/g)に対する比率で、0.20倍以下である。このような自己分散顔料を用いることにより、顔料をインク中に分散するための分散剤の添加が不要となる、又は分散剤の添加量を少量とすることができる。インク中の自己分散顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
カルボン酸基は、直接又は他の原子団(−R−)を介して顔料の粒子表面に結合している。カルボン酸基は、酸型(−COOH)であっても、塩型(−COOM)であってもよい。ここで、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;アンモニウム(NH4);メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの炭素数1以上4以下のアルカノールアミン類などの有機アンモニウム;などを挙げることができる。他の原子団(−R−)としては、炭素数1以上12以下の直鎖又は分岐のアルキレン基;フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基;アミド基;スルホニル基;イミノ基;アミノ基;カルボニル基;エステル基;エーテル基;及びこれらの基を組み合わせた基;などを挙げることができる。
自己分散顔料は、顔料の粒子表面に他の原子団を介して結合した2以上のカルボン酸基を有するもの、すなわち、顔料の粒子表面に一般式:−R−(COOM)nで表される官能基が結合したものであることが好ましい。ここで、Rの構造にもよるが、前記一般式中のnは、2以上5以下であることが好ましく、2以上3以下であることがさらに好ましく、2であることが特に好ましい。−R−はアリーレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがさらに好ましい。また、Mは、アルカリ金属、アンモニウム(NH4)、又は有機アンモニウムを表す。さらに、前記一般式:−R−(COOM)nで表される官能基は、フタル酸基であることが好ましい。顔料の粒子表面に結合している官能基がフタル酸基であるとともに、顔料種が、DBP吸油量が120mL/100g以上であるカーボンブラックである場合、特に高い光学濃度を得ることができる。
前記一般式:−R−(COOM)nで表される官能基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料は、カルボン酸基の導入量が多いとともに、官能基が立体的に嵩高い構造を有するので、官能基が存在せずに露出した顔料の粒子表面の面積が狭くなる。このため、このような官能基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料には水溶性有機溶剤が溶媒和しにくい。したがって、このような自己分散顔料を含有するインクが記録媒体に付与されると、インク中の水溶性有機溶剤と顔料が極めて速やかに固液分離する。さらに、水溶性有機溶剤が溶媒和しにくい自己分散顔料を含有するインクは、溶媒和による顔料の分散安定性が低く、記録媒体において顔料がより顕著に凝集するため、光学濃度の高い画像を記録することができる。
カルボン酸基の導入量は、前述の通り、ブリーディングを抑制する観点から0.60mmol/g以上とする。0.60mmol/g未満であると、耐ブリーディング性が得られず、光学濃度もやや低くなる傾向にある。カルボン酸基の導入量は1.50mmol/g以下であることが好ましい。
ラクトン基は、自己分散顔料を構成する顔料の粒子表面に直接結合している。白もや現象を抑制するためには、前述の通り、カルボン酸基の導入量に対するラクトン基の導入量の比率(ラクトン基の導入量/カルボン酸基の導入量)の比率を0.20倍以下にする必要がある。ラクトン基の導入量をある程度少なくすることで、より高いレベルの白もや現象の抑制効果を得ることができる。このため、ラクトン基の導入量は0.18mmol/g以下であることが好ましい。ラクトン基の導入量は0.00mmol/g超であることが好ましい。
(顔料種と物性値)
自己分散顔料を構成する顔料(顔料種)としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドンなどの有機顔料などを用いることができる。なかでも、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましく、特には、他の顔料と比して粒子表面の反応活性点がより多く、官能基の導入量を高めやすいため、顔料としてカーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどいずれのカーボンブラックも使用することができる。
カーボンブラックのDBP吸油量は、50mL/100g以上200mL/100g以下であることが好ましい。なかでも、120mL/100g以上170mL/100g以下であることがさらに好ましく、120mL/100g以上150mL/100g以下であることが特に好ましい。DBP吸油量は、JIS K6221やASTM D 2414に準拠した方法により測定することができる。これらの方法は、100gのカーボンブラックに撹拌下でフタル酸ジブチルを滴下し、トルクが最大となった時点でのフタル酸ジブチルの添加量を測定する方法である。本発明においては、凝集体が嵩高くなり、画像の光学濃度を向上させることができるため、カーボンブラックなどの顔料のDBP吸油量は、120mL/100g以上であることが好ましい。
BET法によるカーボンブラックの比表面積は、100m2/g以上600m2/g以下であることが好ましい。BET法による比表面積は、JIS K6217やASTM D6556などに準拠した方法により測定することができる。これらの方法は、脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬し、平衡に至った際のカーボンブラックの粒子表面に吸着している窒素量を測定する方法である。
カーボンブラックの一次粒子径は、10nm以上40nm以下であることが好ましい。カーボンブラックは、通常、複数の一次粒子がブドウの房のように立体的に連なった状態で存在する。一次粒子径とは、1つの顔料粒子を形成する最小単位のカーボンブラック(一次粒子)の粒子径を意味する。カーボンブラックの一次粒子径は、透過型又は走査型の電子顕微鏡により、顔料粒子を形成する最小単位のカーボンブラックの粒子径を100点程度観察して測定し、その算術平均値として求めることができる。
カーボンブラックの平均粒子径は、50nm以上200nm以下であることが好ましい。平均粒子径とは、通常存在する形態としてのカーボンブラックの粒子径を意味する。本発明においては、体積基準の粒子径分布の50%累積値[D50(nm)]として、動的光散乱方式の粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。
また、有機顔料の一次粒子径は、50nm以上150nm以下であることが好ましい。さらに、有機顔料の平均粒子径は、50nm以上250nm以下であることが好ましい。有機顔料の一次粒子径及び平均粒子径の定義は、いずれもカーボンブラックの一次粒子径及び平均粒子径の定義と同様である。
(官能基の導入量の測定方法:選択的中和法)
従来、自己分散顔料の官能基導入量の測定方法としては、アニオン性基のカウンターイオンの濃度を測定し、アニオン性基の導入量に換算する方法や、滴定法により分散状態の顔料の粒子表面のアニオン性基の導入量を測定する方法が利用されてきた。しかし、これらの方法では、顔料の粒子表面に結合したノニオン性の親水性基であるラクトン基の導入量を測定することはできない。
本発明においては、自己分散顔料におけるカルボン酸基とラクトン基の導入量は、選択的中和法により求める。選択的中和法は、アニオン性の官能基やノニオン性の官能基の解離定数がそれぞれ異なることを利用し、強度が異なる塩基性物質によって中和滴定を行い、顔料の粒子表面に導入されている官能基を定量する方法である。前述の通り、本発明のインクは自己分散顔料の表面特性による作用を利用しているため、従来の方法ではなく、選択的中和法によって求められる官能基の導入量により自己分散顔料の表面特性を規定することが適している。
以下、顔料分散液を試料とし、選択的中和法によって官能基導入量を測定する方法について説明する。インクから適切な方法により分取した自己分散顔料を水に分散させたものを試料として官能基導入量を測定することも勿論可能である。
(1)顔料分散液に酸を加えてpHを2以下とし、常温(25℃)で24時間撹拌して顔料を沈殿させる。
(2)遠心分離により上澄みの液体を除去して、顔料(固形分)を採取する。
(3)採取した顔料を十分に乾燥させた後、メノウ乳鉢を用いてすり潰して試料を調製する。
(4)秤量した試料に濃度既知の塩基性化合物の水溶液を所定量添加して24時間撹拌し、測定対象である官能基を中和する(選択的中和)。
(5)遠心分離により上澄みの液体を採取して、中和に使用されなかった塩基性化合物を、濃度既知の酸を用いて中和滴定して定量する。
(6)上記(4)の選択的中和に用いたものと同量の濃度既知の塩基性化合物の水溶液(ブランク)を、濃度既知の酸を用いて中和滴定して定量する。
(7)上記(6)と(5)の定量値の差分を選択的中和で使用した塩基性化合物量(mmol)とし、顔料1gの値に換算して、測定対象である官能基の導入量(mmol/g)を求める。
顔料の選択的中和法においては、塩基性化合物として炭酸水素ナトリウムを用いるとカルボン酸基を定量することができる。また、塩基性化合物として炭酸ナトリウムを用いると、カルボン酸基及びラクトン基の合計量を定量することができる。したがって、ラクトン基の定量値は、炭酸ナトリウムによる定量値(カルボン酸基+ラクトン基)から、炭酸水素ナトリウムによる定量値(カルボン酸基)を引いた値となる。
(自己分散顔料の製法)
本発明のインクに含有させる自己分散顔料は、カルボン酸基の導入量が0.60mmol/g以上であり、かつ、ラクトン基の導入量(mmol/g)が、カルボン酸基の導入量(mmol/g)に対する比率で、0.20倍以下であることを要する。これらの条件を満たす自己分散顔料であれば、その製法に限定はなく、どのような方法によって製造された自己分散顔料を用いても構わない。前述の通り、自己分散顔料は、その製法に応じて酸化タイプと表面修飾タイプに大別される。
酸化タイプの自己分散顔料の製法としては、次亜塩素酸などの酸化剤を用いて顔料を酸化する方法;水中でオゾンを用いて顔料を酸化する方法;及びオゾン処理の後に酸化剤により顔料を酸化する方法などを挙げることができる。但し、酸化によって自己分散顔料を製造する場合、顔料の粒子表面を酸化する過程で必然的にラクトン基が増加する。このため、ラクトン基の導入量とカルボン酸基の導入量の比率を適切に調整した自己分散顔料を製造することは困難である。
表面修飾タイプの自己分散顔料の製法としては、ジアゾニウム塩、ジアゼン化合物、又は置換トリアジン化合物などのアニオン性基を有する化合物を処理剤として用いて、顔料を化学的に処理する方法を挙げることができる。但し、酸化法と同様に、ジアゾニウム塩、置換トリアジン化合物などのアニオン性基を有する化合物を用いる方法も、ラクトン基の導入量とカルボン酸基の導入量の比率を適切に調整した自己分散顔料を製造することが困難な場合がある。
本発明のインクに用いる自己分散顔料としては、ジアゼン化合物(HN=N−R1)からの水素原子の引き抜きによる酸化的ラジカル付加反応工程を含む表面修飾方法によって得られる自己分散顔料が好ましい。この方法では、カルボン酸基を含む官能基(上記一般式中のR1で表される基)を結合させる過程で顔料の粒子表面が還元されるため、処理前の顔料の表面に存在していたラクトン基の量がさほど増えず、低減されることもある。したがって、この方法では、酸化タイプの製法と比して、カルボン酸基の導入量、及びラクトン基の導入量とカルボン酸基の導入量の比率が適切に制御された自己分散顔料を容易に得やすいためである。この方法で用いるジアゼン化合物を表す一般式:HN=N−R1中のR1は脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基にカルボン酸基が置換した基を表す。
ヒドラジン化合物を用いた自己分散顔料の製造方法について説明する。この製造方法では、下記一般式(1)で表される化合物からの水素原子の引き抜きによるラジカル付加反応によって、下記一般式(1)中のR1で表される基を顔料の粒子表面に結合させる工程を有する。
HN=N−R1 ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基にカルボン酸基が置換した基を表す)
上記一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物(ヒドラジン化合物)からの水素原子の引き抜きによって生成させることができる。すなわち、一般式(2)で表される化合物からの逐次的な水素原子の引き抜きによるラジカル付加反応によって、自己分散顔料を製造することもできる。
2N−NH−R1 ・・・(2)
(前記一般式(2)中、R1は、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基にカルボン酸基が置換した基を表す)
この製造方法で利用する反応の推定機構を以下に示す。以下、処理剤として一般式(2)で表される化合物、顔料としてカーボンブラック、及び酸化剤としてヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムを使用する場合を例に挙げて説明する。酸化剤として用いるヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムの酸化種をFe3+とし、その還元種をFe2+とする。
Figure 0006558974
まず、酸化剤(Fe3+)の作用により、ヒドラジン化合物である化合物A(一般式(2)で表される化合物)の水素原子が引き抜かれて化合物Aがラジカル的に酸化され、ヒドラジルラジカルBが生ずる。次いで、酸化剤(Fe3+)の作用により、ヒドラジルラジカルBの水素原子が引き抜かれ、ジアゼン化合物である化合物C(一般式(1)で表される化合物)が生ずる。さらに、酸化剤(Fe3+)の作用により、化合物Cの水素原子が引き抜かれてジアゼンラジカルDが生ずる。ジアゼンラジカルDは瞬時に窒素脱離を起こし、ラジカル種Eが生ずる。そして、ラジカル種Eがカーボンブラックの粒子表面の芳香族性の炭素原子にラジカル付加することによって、ラジカル中間体Fを経てカーボンブラックの粒子表面にR1が結合し、自己分散顔料Gが得られる。
本発明の製造方法においては、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムなどの価数が変化しやすい酸化剤を用いると、上記とは別の付加反応が並行して生ずる場合がある。すなわち、ラジカル種Eがカーボンブラックの粒子表面の芳香族性の炭素原子にラジカル付加して、ラジカル中間体Fが生じたのと同時に、ラジカルが酸素分子に捕捉されることによってラジカル中間体Hが生ずる。この場合、酸化剤の還元種(Fe2+)の作用によりラジカル中間体Hが還元された後、酸素ラジカル中間体Iを経て、アルコール体である自己分散顔料Jが得られる。
処理剤として用いる一般式(1)で表される化合物は、カルボン酸基が置換したジアゼン化合物である。一般式(1)で表される化合物は、例えば、一般式(2)で表される化合物からの水素原子の引き抜きによって得ることができる。すなわち、一般式(2)で表される化合物からの逐次的な水素原子の引き抜きによって、一般式(1)で表される化合物を経て、顔料の粒子表面にR1で表される基を結合させることができる。このため、本発明においては、一般式(2)で表される化合物も、顔料の処理に用いる処理剤に含める。一般式(2)で表される化合物は、ヒドラジノ基(−NH−NH2)及びカルボン酸基を有する化合物であり、ヒドラジン硫酸塩やヒドラジン塩酸塩などのヒドラジンの酸付加塩;水和物も含まれる。
HN=N−R1 ・・・(1)
2N−NH−R1 ・・・(2)
脂肪族基としては、アルキル基を挙げることができる。アルキル基は、直鎖、分岐鎖、及び環状のいずれであってもよい。直鎖及び分岐鎖のアルキル基は、炭素原子間に不飽和結合を有していてもよく、炭素数は1乃至12程度であることが好ましい。また、環状のアルキル基は、単環及び複合環のいずれであってもよく、環を構成する元素数は3乃至8程度であることが好ましい。また、芳香族基としては、アリール基、ヘテロアリール基を挙げることができる。アリール基やヘテロアリール基は、単環及び複合環のいずれであってもよく、環を構成する元素数は3乃至8程度であることが好ましい。また、脂肪族基及び芳香族基を有する基としては、上記で挙げたような各基が直接、又は、−O−、−NH−、−CO−、−COO−、−CONH−、−N=N−、−SO−、−SO2−などの一般的なリンカー構造を介して結合した基を挙げることができる。官能基の親水性を高めるためには、脂肪族基及び芳香族基を有する基に、リンカー構造を持たせることがさらに好ましい。
上述の製造方法では、反応速度を高めるために、酸化剤の存在下で水素原子の引き抜きを行って自己分散顔料を製造することができる。一般式(1)及び(2)で表される化合物が存在する場合、酸化剤は水素原子の引き抜きに選択的に消費されるため、顔料の酸化に消費されることはほとんどない。酸化剤としては、ハロゲン、オキソ酸化合物、金属酸化物、ハロゲン化金属化合物、金属ポルフィリン化合物、ヘキサシアノ金属酸化合物、金属硝酸化物、過酸化水素、硝酸などを挙げることができる。ただし、酸化剤、なかでもとくに価数が変化しやすい酸化剤を用いると、アルコール体である自己分散顔料Jが酸化されてラクトン基が生じ、顔料の粒子表面にラクトン基が増えるため、反応速度との兼ね合いで酸化剤の種類を選択することが好ましい。価数が変化しやすい酸化剤としては、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Mn、Cr、及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の、ハロゲン化金属化合物、金属ポルフィリン化合物、又はヘキサシアノ金属酸化合物などを挙げることができる。
また、上述の製造方法は水などの液媒体中で行うことが好ましい。反応系のpHや温度は特に限定されない。例えば、pHは1〜13であることが好ましく、2〜7であることがさらに好ましい。また、温度は−5〜100℃であることが好ましく、20〜80℃であることがさらに好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。本発明においては、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクとすることが好ましい。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましく、50.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。なかでも、25℃における蒸気圧が水よりも低い水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.00質量%以上90.00質量%以下、さらには10.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;尿素、エチレン尿素、ヒダントイン類などの尿素誘導体;糖類などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系化合物などのノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。なかでも、耐ブリーディング性に優れるため、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物などのアセチレングリコール系のノニオン性界面活性剤が好ましい。インク中のノニオン性界面活性剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上1.00質量%以下であることがさらに好ましい。
(インクの物性)
本発明のインクをインクジェット方式に適用する場合、その物性値を適切に制御することが好ましい。具体的には、インクの25℃における表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましい。なかでも、30mN/m以上50mN/m以下であることが好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。また、25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることがさらに好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることが特に好ましい。25℃におけるインクのpHは、5.0以上9.0以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<処理剤の準備>
処理剤としては、以下のものを用いた。
・4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩:ケムジェネシス製
・4−ヒドラジノ安息香酸:東京化成工業製
・4−ヒドラジノベンゼンスルホン酸:東京化成工業製
・P,P’−[[(4−ヒドラジノベンジル)アミノ]メチレン]ビスホスホン酸塩酸塩:住化テクノサービス製
<ラクトン基及びカルボン酸基の導入量の測定>
自己分散顔料のラクトン基及びカルボン酸基の導入量は、顔料分散液を用いて、以下の手順にしたがって測定した。先ず、カルボン酸基の導入量の測定方法について説明する。顔料分散液に1.0mol/L塩酸を加えてpHを2以下とし、25℃で24時間撹拌して顔料を沈殿させた。5,000rpmで30分間遠心分離を行った後、上澄みの液体を除去して顔料を採取した。採取した顔料を60℃のオーブンに入れて24時間乾燥させた後、メノウ乳鉢を用いてすり潰して試料を調製した。調製した試料(顔料)0.5gに0.1mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液30.0gを添加して24時間撹拌し、カルボン酸基の選択的中和を行った。80,000rpmで60分間遠心分離を行った後、上澄みの液体を採取した。採取した液体中に含まれる炭酸水素ナトリウム(中和に使用されなかったもの)を、0.1mol/L塩酸を用いて中和滴定して定量した(Aモルとする)。ブランクとして0.1mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液30.0gを用意し、このブランク中の炭酸水素ナトリウムを、0.1mol/Lの塩酸を用いて中和滴定して定量した(Bモルとする)。得られた上記の定量値A及びBの差分(A−B)を選択的中和で使用した炭酸水素ナトリウムの量とし、顔料1gの値に換算して、カルボン酸基の導入量C(mmol/g)を求めた。
次に、ラクトン基の導入量の測定方法について説明する。炭酸水素ナトリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いたこと以外は、上記のカルボン酸基の導入量の測定方法と同様の手順で、カルボン酸基及びラクトン基の合計の導入量T(mmol/g)を求めた。この合計の導入量T(mmol/g)から、カルボン酸基の導入量C(mmol/g)を引くことで、ラクトン基の導入量L(mmol/g)を求めた。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
カーボンブラック100.0g、イオン交換水800.0g、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩20.0g(顔料1g当たり0.86mmol)、フェロシアン化カリウム(K6[Fe(CN)4]・3H2O)4.0gを用意した。これらを2Lのポリ容器に入れて10分間撹拌し、混合物を得た。カーボンブラックとしては、比表面積が200m2/g及びDBP吸油量が135mL/100gであるもの(商品名「NIPEX170IQ」、オリオンエンジニアドカーボンズ製)を用いた。8mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて、混合物のpHを8に調整した。次いで、ホモジナイザー(商品名「クレアミックス W−モーション」、エムテクニック製)を使用し、ローター回転数15,000rpm、スクリーン回転数13,000rpm、温度25℃の条件でこの混合物を4時間撹拌して分散液を得た。得られた分散液800.0gをイオン交換水4,000.0gで希釈し、限外ろ過膜を用いて分散液が800.0gになるまで濃縮して不純物を除去して精製する、という操作を、ろ液の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで繰り返して分散液を精製した。限外ろ過膜としては、商品名「OS300C11」(分画分子量300K、日本ポール製)を用いた。精製した分散液を、遠心分離機(商品名:CR−21G、日立工機製)を使用して回転数5,000rpmで15分間遠心分離して粗大粒子を除去した後、イオン交換水で希釈して、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液1を得た。得られた顔料分散液1中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.13mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.75mmol/g、L/Cが0.17であった。
(顔料分散液2)
フェロシアン化カリウムを用いなかったこと以外は、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液2を得た。得られた顔料分散液2中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.12mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.78mmol/g、L/Cが0.15であった。
(顔料分散液3)
4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、4−ヒドラジノ安息香酸35.6g(顔料1g当たり2.34mmol)を用いたこと以外は、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液3を得た。得られた顔料分散液3中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.10mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.66mmol/g、L/Cが0.15であった。
(顔料分散液4)
4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩の量を15.5g(顔料1g当たり0.67mmol)としたこと以外は、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液4を得た。得られた顔料分散液4中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.10mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.60mmol/g、L/Cが0.17であった。
(顔料分散液5)
4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、4−ヒドラジノ安息香酸30.4g(顔料1g当たり2.00mmol)を用いたこと以外は、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液5を得た。得られた顔料分散液5中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.09mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.60mmol/g、L/Cが0.15であった。
(顔料分散液6)
ホモジナイザーを使用した処理時間を2時間としたこと以外は、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液6を得た。得られた顔料分散液6中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.13mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.64mmol/g、L/Cが0.20であった。
(顔料分散液7)
顔料分散液1の調製において、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて4−ヒドラジノ安息香酸35.6g(顔料1g当たり2.34mmol)を用いた。さらに、ホモジナイザーを使用した処理時間を2時間とした。これら以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液7を得た。得られた顔料分散液7中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.13mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.64mmol/g、L/Cが0.20であった。
(顔料分散液8)
顔料分散液1の調製において、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩の量を20.0g(顔料1g当たり0.86mmol)とした。さらに、カーボンブラックとして、比表面積が265m2/g及びDBP吸油量が120mL/100gであるもの(商品名「プリンテックスL6」、オリオンエンジニアドカーボンズ製)を用いた。これら以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液8を得た。得られた顔料分散液8中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.13mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.70mmol/g、L/Cが0.19であった。
(顔料分散液9)
顔料分散液1の調製において、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、4−ヒドラジノ安息香酸35.6g(顔料1g当たり2.34mmol)を用いた。さらに、カーボンブラックとして、比表面積が265m2/g及びDBP吸油量が120mL/100gであるもの(商品名「プリンテックスL6」、オリオンエンジニアドカーボンズ製)を用いた。これら以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液9を得た。得られた顔料分散液9中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.10mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.62mmol/g、L/Cが0.16であった。
(顔料分散液10)
顔料分散液1の調製において、カーボンブラックとして、比表面積が220m2/g及びDBP吸油量が105mL/100gであるもの(商品名「ブラックパールズ880」、キャボット製)を用いた。それ以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液10を得た。得られた顔料分散液10中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.11mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.61mmol/g、L/Cが0.18であった。
(顔料分散液11)
顔料分散液1の調製において、カーボンブラックとして、比表面積が220m2/g及びDBP吸油量が105mL/100gであるもの(商品名「ブラックパールズ880」、キャボット製)を用いた。また、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩の量を24.0g(顔料1g当たり1.03mmol)とした。さらに、ホモジナイザーを使用した処理時間を2時間とした。これら以外の条件については、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液11を得た。得られた顔料分散液11中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.18mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.88mmol/g、L/Cが0.20であった。
(顔料分散液12)
顔料分散液1の調製において、カーボンブラックとして、比表面積が343m2/g及びDBP吸油量が105mL/100gであるもの(商品名「ブラックパールズ1000」、キャボット製)を用いた。さらに、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、4−ヒドラジノ安息香酸35.6g(顔料1g当たり2.34mmol)を用いた。これら以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液12を得た。得られた顔料分散液12中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.13mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.67mmol/g、L/Cが0.19であった。
(顔料分散液13)
顔料分散液1の調製において、カーボンブラックとして、比表面積が220m2/g及びDBP吸油量が105mL/100gのもの(商品名「ブラックパールズ880」、キャボット製)を用いた。さらに、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、4−ヒドラジノ安息香酸35.6g(顔料1g当たり2.34mmol)を用いた。これら以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液13を得た。得られた顔料分散液13中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.09mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.50mmol/g、L/Cが0.18であった。
(顔料分散液14)
4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩の量を15.8g(顔料1g当たり0.68mmol)とし、ホモジナイザーを使用した処理時間を2時間とした。これら以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液14を得た。得られた顔料分散液14中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.11mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.58mmol/g、L/Cが0.19であった。
(顔料分散液15)
4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、4−ヒドラジノ安息香酸30.4g(顔料1g当たり2.00mmol)を用いたこと以外は、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液15を得た。得られた顔料分散液15中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.10mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.58mmol/g、L/Cが0.17であった。
(顔料分散液16)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かした溶液を5℃に冷却し、4−アミノフタル酸1.5gを加えた。この溶液が入った容器をアイスバスに入れて溶液を撹拌し、液温を10℃以下に保った状態で、5℃の水9.0gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かして得た亜硝酸ナトリウム水溶液を加えた。さらに15分撹拌後、比表面積が220m2/g及びDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック(商品名「ブラックパールズ880、キャボット製)6.0gを撹拌下で加えた。さらに15分撹拌して得たスラリーをろ紙(商品名「標準用ろ紙No.2」、アドバンテック製)でろ過して粒子を得た。得られた粒子を十分に水洗した後、110℃のオーブンで乾燥させて自己分散型のカーボンブラックを得た。得られた自己分散型のカーボンブラックをイオン交換水で希釈して、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液16を得た。得られた顔料分散液16中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.26mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.71mmol/g、L/Cが0.37であった。
(顔料分散液17)
カーボンブラック100.0g、p−アミノ安息香酸34.1g、及び水720.0gを混合した後、硝酸16.2gを滴下し、70℃で10分間撹拌した。カーボンブラックとしては、比表面積が220m2/g及びDBP吸油量が105mL/100gであるもの(商品名「ブラックパールズ880」、キャボット製)を用いた。その後、水50.0gに亜硝酸ナトリウム10.7gを溶かして得た亜硝酸ナトリウム水溶液を加え、さらに1時間撹拌して得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用ろ紙No.2」、アドバンテック製)でろ過しして粒子を得た。得られた粒子を十分に水洗した後、90℃のオーブンで乾燥させた。乾燥させた粒子をイオン交換水で希釈した後、アンモニア水でpHを7.5に調整し、さらにプレフィルタ及びポアサイズ1μmのフィルタを併用してろ過し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液17を得た。得られた顔料分散液17中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.10mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.34mmol/g、L/Cが0.29であった。
(顔料分散液18)
4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、4−ヒドラジノベンゼンスルホン酸22.0g(顔料1g当たり1.17mmol)を用いたこと以外は、前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液18を得た。得られた顔料分散液18中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.12mmol/gであった。
(顔料分散液19)
顔料分散液1の調製において、4−ヒドラジノフタル酸塩酸塩に代えて、P,P’−[[(4−ヒドラジノベンジル)アミノ]メチレン]ビスホスホン酸塩酸塩42.3g(顔料1g当たり1.17mmol)を用いた。それ以外の条件については前述の顔料分散液1を調製した場合と同様にして、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液19を得た。得られた顔料分散液19中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.16mmol/gであった。
(顔料分散液20)
カーボンブラック500.0g及びイオン交換水3,750gを混合し、撹拌下で50℃まで昇温させて混合物を得た。カーボンブラックとしては、比表面積が200m2/g及びDBP吸油量が135mL/100gであるもの(商品名「NIPEX170IQ」、オリオンエンジニアドカーボンズ製)を用いた。0.5mmのジルコニアビーズを用いたビーズミルで混合物にシェアをかけながら50℃に保ち、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度12%)4,500gを3時間かけて滴下した。さらに30分間シェアをかけて、自己分散型のカーボンブラックを含む分散液を得た。得られた分散液をろ過して分取したカーボンブラックをアンモニア水で中和した後、限外ろ過装置を用いて電導度が1.5mS/cmになるまで脱塩した。顔料の含有量が10.0%となるように調整した後、プレフィルタ及びポアサイズ1μmのフィルタを併用してろ過し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液20を得た。得られた顔料分散液20中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.22mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.62mmol/g、L/Cが0.35であった。
(顔料分散液21)
特許文献3の「実施例31」の記載を参照し、使用されている試薬を4−ヒドラジノ安息香酸に代えたこと以外は、特許文献3の「実施例31」に記載された手順にしたがって自己分散顔料を調製した。使用したカーボンブラックは、比表面積が200m2/g及びDBP吸油量が117mL/100gであるもの(商品名「ブラックパールズ880」、キャボット製)である。調製した自己分散顔料をイオン交換水で希釈して、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液21を得た。得られた顔料分散液21中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.15mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.48mmol/g、L/Cが0.31であった。
(顔料分散液22)
前述の「顔料分散液20」にピリジンを添加して塩基性とした後、自己分散顔料と塩化チオニルとを反応させ、顔料の粒子表面に−C(=O)Cl基を結合させた。その後、−C(=O)Cl基と2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸−γ−ラクトンを反応させて、顔料の粒子の表面に−C(=O)O−を介してラクトン基が結合した自己分散顔料を含む分散液を得た。顔料分散液1を調製した場合と同様の手順で得られた分散液を精製した後、顔料の含有量が10.0%となるように調整した。プレフィルタ及びポアサイズ1μmのフィルタを併用してろ過をし、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液22を得た。得られた顔料分散液22中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.33mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.51mmol/g、L/Cが0.65であった。
(顔料分散液23)
自己分散顔料(商品名「Cab−O−Jet300」、キャボット製)に適量のイオン交換水を添加して、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液23を得た。得られた顔料分散液23中の自己分散顔料は、ラクトン基の導入量Lが0.07mmol/g、カルボン酸基の導入量Cが0.22mmol/g、L/Cが0.32であった。
<インクの調製>
以下に示す各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのメンブレンフィルター(商品名「HDCIIフィルタ」、ポール製)にて加圧ろ過して各インクを調製した。「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)である。各インクの調製に用いた顔料分散液の種類、顔料のDBP吸油量(mL/100g)、自己分散顔料のカルボン酸基の導入量C(mmol/g)、ラクトン基の導入量L(mmol/g)、及びL/Cの値を表1に示す。
・表1に示す種類の顔料分散液:40.00%
・グリセリン:7.00%
・2−ピロリドン:7.00%
・トリエチレングリコール:7.00%
・アセチレノールE100:0.12%
・イオン交換水:38.88%
Figure 0006558974
<評価>
調製したインクをインクカートリッジにそれぞれ充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP3100」、キヤノン製)のブラックインクのポジションに搭載した。また、カラーインクとしては、商品名「BCI−7e」(キヤノン製)のマゼンタインク及びイエローインクを用い、上記記録装置の対応する色のポジションに搭載した。本実施例においては、ブラックインクの場合、1/600インチ×1/600インチの単位領域に1滴当たりの質量が30ng±10%であるインク滴を1滴付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。また、カラーインクの場合、1/600インチ×1/600インチの単位領域に1滴当たりの質量が5ng±10%であるインク滴を2滴付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。記録条件は、用紙の種類:普通紙、印刷品質:標準、とした。記録媒体としては、以下商品名で、PB Paper、Canon Office、SW−101(以上、キヤノン製);Classic White(STEINBEIS製)の4種の普通紙を用いた。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表2に示す。
(耐ブリーディング性)
カラーインクのベタ画像を背景とし、その中にブラックインクの文字を記録して記録物を作製した。カラーインクのベタ画像は、1次色の場合にはイエローインク、2次色の場合にはイエローインク及びマゼンタインク(1:1の付与量比のレッド画像)でそれぞれ記録した。作製した記録物のパターンを目視で観察して、以下に示す評価基準にしたがって耐ブリーディング性を評価した。
A:4種の記録媒体の全てにおいて、1次色、2次色共にブリーディングが目立っていなかった。
B:4種のうち一部の記録媒体において、2次色でブリーディングが目立っていたが、1次色ではブリーディングが目立っていなかった。
C:4種のうち一部の記録媒体において、1次色、2次色共にブリーディングが目立っていた。
(耐白もや性)
ブラックインクのベタ画像を背景とし、その中にカラーインクでMSゴシック体の24ポイントの文字を記録して記録物を作製した。カラーインクの文字は、1次色の場合にはイエローインク、2次色の場合にはイエローインク及びマゼンタインク(1:1の付与量比のレッド画像)でそれぞれ記録した。作製した記録物のパターンを目視で観察して、以下に示す評価基準にしたがって耐白もや性を評価した。
A:4種の記録媒体の全てにおいて、1次色、2次色共に白もや現象が目立っていなかった。
B:4種のうち一部の記録媒体において、2次色で白もや現象が目立っていたが、1次色では白もや現象が目立っていなかった。
C:4種のうち一部の記録媒体において、1次色、2次色共に白もや現象が目立っていた。
(光学濃度)
ブラックインクを用いて、10mm×15mmのベタ画像を記録して記録物を作製した。記録の1日後に、ベタ画像の光学濃度を、反射濃度計(商品名:マクベスRD−918:マクベス製)を用いて測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:4種の記録媒体の全てにおいて、光学濃度が1.5以上であった。
B:4種の記録媒体の全てにおいて、光学濃度が1.4以上1.5未満であった。
C:4種の記録媒体における光学濃度の平均値が1.4未満であった。
Figure 0006558974

Claims (15)

  1. 顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して結合したカルボン酸基と、前記顔料の粒子表面に結合したラクトン基とを有する自己分散顔料を含有し、
    選択的中和法により求められる、前記カルボン酸基の導入量が0.60mmol/g以上であり、かつ、前記ラクトン基の導入量(mmol/g)が、前記カルボン酸基の導入量(mmol/g)に対する比率で、0.20倍以下であることを特徴とする水性インク。
  2. 前記顔料のDBP吸油量が、120mL/100g以上である請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記顔料のDBP吸油量が、170mL/100g以下である請求項1又は2に記載の水性インク。
  4. 前記カルボン酸基の導入量が、1.50mmol/g以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
  5. 前記ラクトン基の導入量が、0.18mmol/g以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
  6. 前記自己分散顔料が、前記顔料の粒子表面に他の原子団を介して結合した2以上のカルボン酸基を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インク。
  7. 前記他の原子団が、アリーレン基である請求項1乃至のいずれか1項に記載の水性インク。
  8. 前記顔料が、カーボンブラックである請求項1乃至のいずれか1項に記載の水性インク。
  9. 自己分散顔料を含有する水性インクの製造方法であって、
    前記自己分散顔料が、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して結合したカルボン酸基と、前記顔料の粒子表面に結合したラクトン基とを有するとともに、選択的中和法により求められる、前記カルボン酸基の導入量が0.60mmol/g以上であり、かつ、前記ラクトン基の導入量(mmol/g)が、前記カルボン酸基の導入量(mmol/g)に対する比率で、0.20倍以下であり、
    前記自己分散顔料、下記一般式(1)で表される化合物からの水素原子の引き抜きによるラジカル付加反応によって、下記一般式(1)中のR1で表される基を顔料の粒子表面に結合させる工程を有する方法によって製造することを特徴とする水性インクの製造方法
    HN=N−R1 ・・・(1)
    (前記一般式(1)中、R1は、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基にカルボン酸基が置換した基を表す)
  10. 前記工程を、液媒体中で行う請求項9に記載の水性インクの製造方法。
  11. 前記工程を、pH1以上13以下の条件下で行う請求項9又は10に記載の水性インクの製造方法。
  12. 前記工程を、酸化剤の存在下で行う請求項9乃至11のいずれか1項に記載の水性インクの製造方法。
  13. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  14. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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