JP4367925B2 - ブロックポリマー、それを用いた組成物、画像記録方法および画像記録装置 - Google Patents

ブロックポリマー、それを用いた組成物、画像記録方法および画像記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、各種機能性材料として有用な新規なブロックポリマー、それらを用いた組成物、前記組成物を用いた画像記録方法および画像記録装置に関する。特に好ましくは、それらの化合物を溶媒または分散媒、色材とともに用いたインク組成物、トナー組成物、またそれらの組成物を用いた画像記録方法および画像記録装置に関する。
機能性物質を含有する水性分散材料には、従来から機能性材料として、除草剤、殺虫剤等の農薬、抗がん剤、抗アレルギー剤、消炎剤等の医薬、また着色剤を有するインク、トナー等の色材が良く知られている。特に色材を溶解したり、分散したりしてインク組成物やトナー組成物が調整されている。これには各種高分子材料が好ましく用いられており、ビニル系、例えばスチリル、アクリル、メタクリル系の高分子化合物が用いられている(非特許文献1)。
溶剤や水を基材とする色材組成物においては、好ましくはイオン性官能基を有する高分子材料を利用することで顔料等の色材の分散性を向上するという試みも一般的に行なわれている。また、そのようなトナー組成物やインク組成物を用いて、近年デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術、インクジェット技術と言われるものがその代表例であるが、近年オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めてきている。
インクジェット技術はその中でも直接記録方法として、コンパクト、低消費電力という大きな特徴がある。また、ノズルの微細化等により急速に高画質化が進んでいる。インクジェット技術の一例は、インクタンクから供給されたインクをノズル中のヒーターで加熱することで蒸発発泡し、インクを吐出させて記録媒体に画像を形成させるという方法である。他の例はピエゾ素子を振動させることでノズルからインクを吐出させる方法である。
これらの方法に使用されるインクは通常染料水溶液が用いられるため、色の重ね合わせ時ににじみが生じたり、記録媒体上の記録箇所に紙の繊維方向にフェザリングと言われる現象が現れたりする場合があった。これらを改善する目的で顔料分散インクを使用することが検討されている(特許文献1参照)。しかしながら未だなお多くの改善が望まれている状況である。
米国特許第5085698号明細書 "ジャーナル オブ ポリマー サイエンス パートA ポリマーケミストリー"27巻、p.3303〜3314、1989年
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機能性物質の分散性を良好にする為に好適なブロックポリマーを用いた組成物、特にインク組成物、トナー組成物等の記録材料及びそれらを使用した画像記録方法および画像記録装置を提供するものである。
本発明者らは、前記従来技術および課題について鋭意検討した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
本発明は、親水セグメントと疎水セグメントを有する両親媒性ブロックポリマーであって、前記親水セグメントの繰り返し単位構造が下記(a)に示される繰り返し単位構造から選ばれ、前記疎水セグメントの繰り返し単位構造が下記(b)に示される繰り返し単位構造から選ばれることを特徴とするブロックポリマである。
(a)
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
(Phは、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表す。Pyは2,5−ピリミジレン、Pyrは2,5−ピリジレンを表す。Npは、2,6−ナフチレンまたは1,4−ナフチレンまたは1,5−ナフチレンを表す。Ph(F)という記載は、2−または3−モノフルオロ置換を表し、Ph(2F)という記載は、2,3−または2,6−または2,5―または3,5−ジフルオロ置換を表し、Ph(3F)という記載は、2,3,5−または2,3,6−トリフルオロ置換を表し、Ph(4F)という記載は、2,3,5,6−テトラフルオロ置換を表し、その他の芳香環構造の場合も同様にカッコ内のアラビア数字はフッ素の置換数を表し、いずれかの位置に置換していることを表す。)
(b)
Figure 0004367925
(Phはフェニレンまたはフェニル基を表す。)
また、本発明は、前記親水セグメントが、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチルから得られる繰り返し単位構造からなる親水セグメントであり、前記疎水セグメントが、イソブチルビニルエーテルとCH =CHOCH CH OPhPhから得られる繰り返し単位構造からなる疎水セグメントであるのが好ましい。
また、本発明は、前記親水セグメントが、2−メトキシエチルビニルエーテルから得られる繰り返し単位構造からなる親水セグメントと、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチルから得られる繰り返し単位構造からなる親水セグメントであり、前記疎水セグメントが、イソブチルビニルエーテルから得られる繰り返し単位構造からなる疎水セグメントであるのが好ましい。
また,本発明は、溶媒または分散媒、色材および上記のブロックポリマーを含有することを特徴とする組成物に関する。
また,本発明は、本発明の組成物を用意する工程と、前記組成物を媒体に記録する工程とを有することを特徴とする画像記録方法に関する。
また、本発明は、本発明の組成物を媒体に記録するための記録手段を備えていることを特徴とする画像記録装置に関する。
本発明において、画像記録方法および画像記録装置は、以降の説明において液体付与方法および液体付与装置とも表示する。
本発明の新規なアルケニルエーテル化合物を重合することにより、インク組成物やトナー組成物を色材や固形物の分散性を良好にして調整するのに好適な高分子化合物を提供することができる。
また、本発明の高分子化合物またはブロックポリマーは、溶媒または分散媒、色材とともに配合することにより、インク組成物、トナー組成物等の組成物および記録材料を提供することができる。
また、本発明は、上記の高分子化合物またはブロックポリマーを用いたインク組成物、トナー組成物を記録材料として使用した各種液体付与方法および液体付与装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一の発明の重合性化合物は、フッ素原子を有する芳香族性のカルボン酸、カルボン酸エステル選ばれる少なくとも1種を有するアルケニルエーテル化合物であり、好ましくは下記一般式(1)で表される化合物からなる。
Figure 0004367925
(式中、Xはアルケニル基を表す。Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは芳香環についた水素原子のうち少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換した芳香族環構造を表す。nは1から10までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよい芳香族環構造を表す。)
アルケニル基の好ましい例としては、エチニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等が挙げられる。
好ましくは以下の一般式(5)で表される化合物である。
Figure 0004367925
一般式(5)中、Aは炭素原子数1から15、好ましくは2から10までの置換されていてもよい直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。該アルキレン基の置換基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、フェニル等が挙げられる。
mは0から30まで、好ましくは1から10までの整数を表す。また、mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。
Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表し、アルキレン基としてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、へプチレン、オクチレン等が例として挙げられる。
Dは芳香環についた水素原子のうち少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換した芳香族環構造を表し、芳香環構造としては、例えば、フェニル、ピリジレン、ピリミジル、ナフチル、アントラニル、フェナントラニル、チオフェニル、フラニル等があり、モノフルオロ置換、ジフルオロ置換、トリフルオロ置換、テトラフルオロ置換、あるいはそれ以上、例えばフッ素が5置換、6置換、7置換、8置換したものが挙げられるが、一つの芳香族環に少なくとも2つ以上フッ素が置換していることが好ましい。
nは1から10まで、好ましくは1か5までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。
Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよい芳香族環構造を表す。アルキル基としては、炭素原子数1から10までのアルキル基が好ましい。芳香族環構造としては、例えばフェニル基、ピリジル基、ビフェニル基等が挙げられる。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
一般式(1)で表されるフッ素置換芳香族カルボン酸の酸性度は脂肪族カルボン酸の酸性度と異なるため、ビニルエーテル繰り返し単位構造を有する高分子化合物として酸性度の異なる、様々な機能性高分子材料を提供できる点で極めて有用である。酸性度を高めるためにもフッ素原子は一つの芳香族環に少なくとも2つ以上フッ素原子が置換していることが好ましく、ブロックポリマーの場合に、親フッ素性、疎フッ素性によるブロックセグメントごとの性質を制御する意味でもよりフッ素原子が多く置換していることが望ましい。
一般式(1)で表される重合性化合物の具体的例としては、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
(Phは、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表す。Pyは2,5−ピリミジレン、Pyrは2,5−ピリジレンを表す。Npは、2,6−ナフチレンまたは1,4−ナフチレンまたは1,5−ナフチレンを表す。Ph(F)という記載は、2−または3−モノフルオロ置換を表し、Ph(2F)という記載は、2,3−または2,6−または2,5―または3,5−ジフルオロ置換を表し、Ph(3F)という記載は、2,3,5−または2,3,6−トリフルオロ置換を表し、Ph(4F)という記載は、2,3,5,6−テトラフルオロ置換を表し、その他の芳香環構造の場合も同様にカッコ内のアラビア数字はフッ素の置換数を表し、いずれかの位置に置換していることを表す。)
一般式(1)で表される重合性化合物の合成方法の例としては、例えば下記の反応式(1)に示す様なエーテル化法によるものが挙げられる。
Figure 0004367925
(Xはハロゲンを表す。)
次に、本発明の第2は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物である。
Figure 0004367925
(式中、X’はポリアルケニル基を表す。Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは芳香環についた水素原子のうち少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換した芳香族環構造を表す。nは1から10までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよい芳香族環構造を表す。)
一般式(2)で表される繰り返し単位構造は、好ましくは下記一般式(6)で表される単位構造を挙げることができる。
Figure 0004367925
(式中、Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは芳香環についた水素原子のうち少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換した芳香族環構造を表す。nは1から10までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよい芳香族環構造を表す。)
なお、A,m、B、D、n、Rの好ましい範囲及び具体例は前記一般式(1)と同じである。
本発明の一般式(6)において、末端がフッ素置換芳香族カルボン酸誘導体であることが特徴である。フッ素置換芳香族カルボン酸の酸性度は脂肪族カルボン酸の酸性度と異なるため、ビニルエーテル繰り返し単位構造を有する高分子化合物として酸性度の異なる、様々な機能性高分子材料を提供できる点で極めて有用である。酸性度を高めるためにもフッ素原子は一つの芳香族環に少なくとも2つ以上フッ素原子が置換していることが好ましく、ブロックポリマーの場合に、親フッ素性、疎フッ素性によるブロックセグメントごとの性質を制御する意味でもよりフッ素原子が多く置換していることが望ましい。
一般式(2)で表される繰り返し単位構造の具体的例としては、以下に示す単位構造が挙げられる。
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
(Phは、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表す。Pyは2,5−ピリミジレン、Pyrは2,5−ピリジレンを表す。Npは、2,6−ナフチレンまたは1,4−ナフチレンまたは1,5−ナフチレンを表す。Ph(F)という記載は、2−または3−モノフルオロ置換を表し、Ph(2F)という記載は、2,3−または2,6−または2,5―または3,5−ジフルオロ置換を表し、Ph(3F)という記載は、2,3,5−または2,3,6−トリフルオロ置換を表し、Ph(4F)という記載は、2,3,5,6−テトラフルオロ置換を表し、その他の芳香環構造の場合も同様にカッコ内のアラビア数字はフッ素の置換数を表し、いずれかの位置に置換していることを表す。)
上記の一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物は、好ましく、前記一般式(1)で表される重合性化合物を重合することにより得ることができる。重合は主にカチオン重合で行なわれることが多い。開始剤としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等のプロトン酸や、BF3 、AlCl3 、TiCl4 、SnCl4 、FeCl3 、RAlCl2 、R1.5 AlCl1.5 (Rはアルキルを示す)等のルイス酸とカチオン源の組み合わせ(カチオン源としてはプロトン酸や水、アルコール、ビニルエーテルとカルボン酸の付加体などがあげられる。)が例として挙げられる。これらの開始剤を一般式(1)で表される重合性化合物(モノマー)と共存させることにより重合反応が進行し、高分子化合物を合成することができる。
本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物の数平均分子量は、200以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。10000000を越えると高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが多くなりすぎ、溶剤に分散しにくかったりする。200未満である場合、分子量が小さく高分子としての立体効果が出にくかったりする場合がある。また、本発明の高分子化合物は単一の繰り返し単位構造からなるホモポリマーであっても良いし、複数の繰り返し単位構造からなる共重合ポリマーであっても良い。好ましくは一般式(2)で表される繰り返し単位構造がポリマー中に10mol%以上含有されている方が良い。また、ポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造の含有割合についても好ましくは50mol%を超える程度、更に好ましくは80mol%を超えた方がよい。
さらに、本発明の第3は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物である。
Figure 0004367925
(式中、X’はポリアルケニル基を表す。Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは芳香環についた水素原子のうち少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換した芳香族環構造を表す。nは1から10までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。Mは一価または多価の金属カチオンを表す。)
ポリアルケニルの好ましい例としては、ポリエチニル、ポリプロペニル、ポリブテニル、ポリペンテニル、ポリヘキセニル等が挙げられる。
一般式(3)で表される繰り返し単位構造は、好ましくは下記一般式(7)で表される単位構造を挙げることができる。
Figure 0004367925
(式中、Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは芳香環についた水素原子のうち少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換した芳香族環構造を表す。nは1から10までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。Mは一価または多価の金属カチオンを表す。)
なお、A,m,B、D、nの好ましい範囲および具体例は前記一般式(1)と同じである。
Mは一価または多価の金属カチオンを表す。Mの具体例としては、例えば一価の金属カチオンとしてはナトリウム、カリウム、リチウム等が、多価の金属カチオンとしてはマグネシウム、カルシウム、ニッケル、鉄等が挙げられる。Mが多価の金属カチオンの場合には、MはアニオンのCOO- の2個以上と対イオンを形成している。
本発明の一般式(3)の繰り返し単位構造を有する高分子化合物は、相当する前記一般式(2)の繰り返し単位構造を有する高分子化合物の末端エステル部分をアルカリ加水分解、あるいはアルカリ中和することにより得ることができる。酸で加水分解したのちアルカリ処理をすることによって得ることもできるが、前者のほうが好ましい。
一般式(3)で表される繰り返し単位構造の具体的例としては、以下に示す単位構造が挙げられる。
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
Figure 0004367925
(Phは、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表す。Pyは2,5−ピリミジレン、Pyrは2,5−ピリジレンを表す。Npは、2,6−ナフチレンまたは1,4−ナフチレンまたは1,5−ナフチレンを表す。Ph(F)という記載は、2−または3−モノフルオロ置換を表し、Ph(2F)という記載は、2,3−または2,6−または2,5―または3,5−ジフルオロ置換を表し、Ph(3F)という記載は、2,3,5−または2,3,6−トリフルオロ置換を表し、Ph(4F)という記載は、2,3,5,6−テトラフルオロ置換を表し、その他の芳香環構造の場合も同様にカッコ内のアラビア数字はフッ素の置換数を表し、いずれかの位置に置換していることを表す。)
本発明の一般式(3)の繰り返し単位構造を有する高分子化合物の数平均分子量は200以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。10000000を越えると高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが多くなりすぎ、溶剤に分散しにくかったりする。200未満である場合、分子量が小さく高分子としての立体効果が出にくかったりする場合がある。本発明の高分子化合物は単一の繰り返し単位構造からなるホモポリマーであっても良いし、複数の繰り返し単位構造からなる共重合ポリマーであっても良い。好ましくは一般式(3)で表される繰り返し単位構造が10mol%以上含有されている方が良い。また、ポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造の含有割合についても好ましくは50mol%を超える程度、更に好ましくは80mol%を超えた方がよい。
次に、本発明の第4の発明は、少なくとも1つのブロックセグメント中に、側鎖にフッ素原子をもつ芳香族構造を有するポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造を有することを特徴とするブロックポリマーである。ブロックポリマーとは少なくとも2種の異なるポリマーセグメント構造が共有結合で結合された共重合体を示し、ブロックコポリマーあるいはブロック共重合体とも呼ばれる。
また本発明のブロックポリマーは好ましくは少なくとも1つのブロックセグメント中に、側鎖にフッ素原子を有する、カルボン酸、カルボン酸エステル及びカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種を有するポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造を有することを特徴とするブロックポリマーである。さらにフッ素置換芳香族カルボン酸構造である場合、前記カルボン酸のpKaが2.5以下であることが好ましい。pKaが2.5以下であるということはpHで3付近まで十分解離状態を取ることができるということであり、極めて安定なイオン性、親水性を示すことができる。なお、pKaとは、酸乖離指数であり、酸解離定数Kaの逆数の対数値を表し、ある酸(HA)の溶液中での解離していない濃度を[HA]、解離しているH+ とその対イオンの濃度をそれぞれ[H+ ]、[A- ]とすると、酸解離定数Kaは、Ka=[H+ ][A- ]/[HA]で表され、したがって、pKaは、pKa=−log[H+ ]−log([A- ]/[HA])=pH−log([A- ]/[HA])から求められる。なお本発明では、pKaはポリマーをモル数の単位とせず、カルボン酸繰り返し単位一つをモル数の単位とする。
また本発明のブロックポリマーは好ましくは下記一般式(4)で表される繰り返し単位構造を少なくとも一つのブロックセグメント中に有するブロックポリマーである。
Figure 0004367925
(式中、X’はポリアルケニル基を表す。Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは芳香環についた水素原子のうち少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換した芳香族環構造を表す。nは1から10までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。pは0または1を表す。EはCOOR’またはCOO-Mを表す。R’は水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよい芳香族環構造を表す。Mは一価または多価の金属カチオンを表す。)
一般式(4)で表される繰り返し単位構造の具体例としては、先にあげた一般式(2)及び一般式(3)の繰り返し単位構造の例を上げることができる。さらには当該例示構造のカルボン酸部分が水素原子あるいはフッ素原子に置換したものが例として挙げられる。
本発明のブロックポリマーに関しては、上記の一般式(4)で表される繰り返し単位構造を含むブロックセグメント以外に、少なくとも1種の他の繰り返し単位構造を含むブロックセグメントを有する。具体的な例として好ましく用いられるのが、下記の一般式(8)で表される繰り返し単位を含有するブロックセグメントである。
Figure 0004367925
(式中、R1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7 および−(CH2m −(O)n −R7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
5 、R6 はそれぞれ独立に水素原子もしくは−CH3 である。
7 は水素原子、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH2 CHO、−CO−CH=CH2 、−CO−C(CH3 )=CH2 、−CH2 COOR8 からなり、R7 が水素原子以外である場合、R7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R8 は水素原子または炭素数1から5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表す。)
一般式(8)で表される構造の具体例としては、以下に記載したものが挙げられる。
Figure 0004367925
(Phはフェニレンまたはフェニル基を表す。)
また、本発明のブロックポリマーの各ブロックセグメントは単一の繰り返し単位からなるものでもよく、複数の繰り返し単位構造からなるものでもよい。複数の繰り返し単位からなるブロックセグメントの例としては、ランダム共重合体や徐々に組成比が変化するグラデュエイション共重合体がある。また、本発明のブロックポリマーは、2つ以上のブロックセグメントを有するブロックポリマーであり、それらブロックポリマーが他のポリマーにグラフト結合したポリマーであっても良い。
本発明において、ブロックポリマー中に含有される一般式(4)で表される繰り返し単位構造の含有量は、ブロックポリマー全体に対して0.01〜99mol%、好ましくは1〜90mol%の範囲が望ましい。0.01〜99mol%の範囲であると、カルボン酸の働くべき相互作用が充分に働くことで機能を充分に発揮するため好ましい。またブロックセグメント中でいえば、5mol%以上、好ましくは20mol%以上、更に好ましくは50mol%以上、80mol%以上で、100mol%であってもよい。また本発明のブロックポリマーはポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造からなる割合としては、好ましくは50mol%以上、さらに好ましくは80mol%以上、両末端以外で見て100mol%であってもよい。
本発明のブロックポリマーの数平均分子量(Mn)は、200以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。200以上10000000以下であると、高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが少なく、溶剤に分散しやすく、高分子としての立体効果を充分に発揮することができる。
各ブロックセグメントの好ましい重合度は3以上10000以下である。さらに好ましくは5以上5000以下である。さらに好ましくは10以上4000以下である。
また、分散安定性向上、包接性(内包性)向上のためにはブロックポリマーの分子運動性がよりフレキシブルであることが機能性物質の表面と物理的に絡まり親和しやすい点を有しているため好ましい。さらに、被記録媒体上で被覆層を形成しやすい点でもフレキシブルであることが好ましい。このためにはブロックポリマーの主鎖のガラス転移温度Tgは、好ましくは20℃以下であり、より好ましくは0℃以下であり、さらに好ましくは−20℃以下である。この点でもポリビニルエーテル構造を有するポリマーは、一般にガラス転移点が低く、フレキシブルな特性を有するため、好ましく用いられる。上記した繰り返し単位構造例の場合、ほとんどそのガラス転移温度は−20℃くらいか、それ以下である。
本発明のブロックポリマーの好ましい一形態は両親媒性であるところの高分子化合物である。両親媒性であることでブロックポリマーがミセル構造をとりやすく、ミセルのコア部に機能性物質を内包あるいは疎水部に機能性物質を吸着することで良好な機能性物質の分散を行うことが可能となる。本発明のブロックポリマー中の少なくとも一つのブロックセグメントが疎媒性で、少なくとも一つのブロックセグメントが親媒性であることで両親媒性が発現する。疎媒性、親媒性の対象としては、水性溶媒が好ましい。言い換えれば本発明のブロックポリマーは疎水セグメントと親水セグメントをそれぞれ少なくとも一つ持つことが好ましい。例えば、疎水セグメントは一般式(8)のR1 で表される構造のうち、R1 がアルキル基やフェニル基であるものであり、親水セグメントは一般式(3)を有するものである。
また本発明のブロックポリマーにおいては、親水、疎水の両親媒性以外に、親フッ素性、疎フッ素性の性質に基づく両親媒性構造体を形成することも可能である。有機溶剤中に親フッ素セグメントをコアとし、疎フッ素性でかつ親有機溶媒性のセグメントを外側にしたミセル構造体を形成することが可能である。親フッ素性セグメント中に主たる繰り返し単位構造として用いられるのが、一般式(4)で表される繰り返し単位構造である。
本発明のブロックポリマーの重合は主にカチオン重合で行われることが多い。開始剤としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等のプロトン酸や、BF3 、AlCl3 、TiCl4 、SnCl4 、FeCl3 、RAlCl2 、R1.5 AlCl1.5 (Rはアルキルを示す)等のルイス酸とカチオン源の組み合わせ(カチオン源としてはプロトン酸や水、アルコール、ビニルエーテルとカルボン酸の付加体などがあげられる。)が例として挙げられる。これらの開始剤を重合性化合物(モノマー)と共存させることにより重合反応が進行し、ブロックポリマーを合成することができる。
本発明にさらに好ましく用いられる重合方法について説明する。ポリビニルエーテル構造を含むポリマーの合成法は多数報告されているが、青島らによるカチオンリビング重合による方法(ポリマーブレタン誌 15巻、1986年 417頁、特開平11−322942号公報、特開平11−322866号公報)が代表的である。カチオンリビング重合でポリマー合成を行うことにより、ホモポリマーや2成分以上のモノマーからなる共重合体、さらにはブロックポリマー、グラフトポリマー、グラジュエーションポリマー等の様々なポリマーを、長さ(分子量)を正確に揃えて合成することができる。また、他にHI/I2 系、HCl/SnCl4 系等でリビング重合を行うこともできる。
本発明の第5の発明について説明する。本発明の第5の発明は、少なくとも3つ以上のブロックセグメントを有するブロックポリマーであって、そのうちの2つのブロックセグメントが疎媒性と親媒性であり、もう一つのブロックセグメント中にフッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造を有するブロックポリマーである。本発明のブロックポリマーのフッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造を有するブロックセグメントは親媒性もしくは親フッ素性であることが好ましい。親フッ素性という意味は他のセグメントが疎フッ素性であることと極めて近似した意味をもつ。すなわち疎水性という性質がそれ同士の親和力でなく親水性基の親和力から排除される形で疎水性相互作用が働くのに相似といえ、ここでは親フッ素性を親フッ素性同士の親和力に基づくものでないにせよ、そのように呼ぶこととする。フッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造を有するブロックセグメントが親フッ素性である場合、親媒性、疎媒性、親フッ素性の3つの異なる性質を持つブロックセグメントを有するため、特異なミクロ相分離構造体を形成したり、特異なミセル構造を形成したりあるいは通常分散することが難しい親フッ素性機能性物質を内包したりすることが可能となる。このことは先にあげた本発明の第4の発明の高分子化合物においても同様に成立する。
また、本発明の第5の発明の今ひとつの好ましい例である、フッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造を有するブロックセグメントが親媒性であるところのブロックポリマーにおいては特にフッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造中にカルボン酸、カルボン酸エステル及びカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種を有することが好ましく、そのためにカルボン酸の解離性が非常に高まり、好ましく用いられる水系溶媒中において高い分散安定性を確保することができる。
以上の本発明の第5の発明のブロックポリマーはこれまでに述べてきた一連の発明と同様にポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造を含有していることが好ましく、より好ましくはポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造からなるものが好ましく、本発明においても具体的にポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造を含有するものを例示するが、本第6の発明においては、少なくとも3つ以上のブロックセグメントを有するブロックポリマーであって、そのうちの2つのブロックセグメントが疎媒性と親媒性であり、もう一つのブロックセグメント中にフッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造を有することにより、そのポリマー、ポリマー組成物あるいは記録材料として非常に良好な特性を発現することが可能となっている。例えば特に好ましい形態であるフッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造を有するブロックセグメントが親媒性であるブロックポリマーをインク組成物として用いると、以下にも記載するように極めて優れた耐候性、定着性を実現することが出来る。この特性を発現するのは好ましいには違いないが、ことさらポリアルケニルエーテル主鎖をもつことに限定されなくてもよい。本発明においては、文字通り少なくとも3つ以上のブロックセグメントを有するブロックポリマーであって、そのうちの2つのブロックセグメントが疎媒性と親媒性であり、もう一つのブロックセグメント中にフッ素を置換した芳香族構造をもつ繰り返し単位構造を有することが特徴となっているのである。従ってさらにポリマー主鎖構造の例を挙げれば、アクリル、メタクリル、スチリル、マレイル等が挙げられる。
また、好ましく用いられるフッ素を置換した芳香族構造をもつポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造としては一般式(4)で表されるものが具体例として挙げられ、具体的構造例も先にあげたものが挙げられる。
また、上記以外のブロックセグメントに用いられる、具体的な繰り返し単位構造例として好ましく用いられるのが、下記の一般式(9)で表される繰り返し単位を含有するところの化合物である。
Figure 0004367925
(式中、A’は置換されていても良いポリアルケニル基を表す。Gは−O−、−OCO−、−COO−、−CONR11−から選ばれる構造のうちのいずれかを表す。R11は水素原子、または炭素原子数1から3までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキル基を表す。また、lは0から1までの整数を表す。Jは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキル基またアルケニル基を表し、前記アルキルまたアルケニル基のメチレン基は酸素原子または芳香族環に置換されてもよく、それぞれの炭素原子に結合する水素原子は水酸基に置換されても良い。また、mは0から30までの整数を表し、mが複数の場合、それぞれのJは異なっていても良い。)
一般式(9)で表される繰り返し単位構造の具体例としては、以下に記載したものが挙げられる。
Figure 0004367925
Figure 0004367925
(Phはフェニレンまたはフェニル基を表す。)
また、本発明のブロックポリマーの各ブロックセグメントは単一の繰り返し単位からなるものでもよく、複数の繰り返し単位構造からなるものでもよい。複数の繰り返し単位からなるブロックセグメントの例としては、ランダム共重合体や徐々に組成比が変化するグラデュエイション共重合体がある。また、本発明のブロックポリマーは、2つ以上のブロックセグメントを有するブロックポリマーであり、それらブロックポリマーが他のポリマーにグラフト結合したポリマーであっても良い。
本発明において、ブロックポリマー中に含有される一般式(4)で表される繰り返し単位構造の含有量は、ブロックポリマー全体に対して0.01〜99mol%、好ましくは1〜90mol%の範囲が望ましい。0.01〜99mol%の範囲であると、カルボン酸の働くべき相互作用が充分に働くことで機能を充分に発揮するため好ましい。またブロックセグメント中でいえば、5mol%以上、好ましくは20mol%以上、更に好ましくは50mol%以上、80mol%以上で、100mol%であってもよい。また本発明のブロックポリマーはポリアルケニルエーテル繰り返し単位構造からなる割合としては、好ましくは50mol%以上、さらに好ましくは80mol%以上、両末端以外で見て100mol%であってもよい。
本発明のブロックポリマーの数平均分子量(Mn)は、200以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。200以上10000000以下であると、高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが少なく、溶剤に分散しやすく、高分子としての立体効果を充分に発揮することができる。
各ブロックセグメントの好ましい重合度は3以上10000以下である。さらに好ましくは5以上5000以下である。さらに好ましくは10以上4000以下である。
また、分散安定性向上、包接性(内包性)向上のためにはブロックポリマーの分子運動性がよりフレキシブルであることが機能性物質の表面と物理的に絡まり親和しやすい点を有しているため好ましい。さらに、被記録媒体上で被覆層を形成しやすい点でもフレキシブルであることが好ましい。このためにはブロックポリマーの主鎖のガラス転移温度Tgは、好ましくは20℃以下であり、より好ましくは0℃以下であり、さらに好ましくは−20℃以下である。この点でもポリビニルエーテル構造を有するポリマーは、一般にガラス転移点が低く、フレキシブルな特性を有するため、好ましく用いられる。上記した繰り返し単位構造例の場合、ほとんどそのガラス転移温度は−20℃くらいか、それ以下である。
本発明のブロックポリマーの好ましい一形態は両親媒性であるところの高分子化合物である。両親媒性であることでブロックポリマーがミセル構造をとりやすく、ミセルのコア部に機能性物質を内包あるいは疎水部に機能性物質を吸着することで良好な機能性物質の分散を行うことが可能となる。特に機能性物質を内包させることで機能性物質の耐環境性を飛躍的に向上させることが可能となり、かつその表面特性の組成物中での良くない影響を画期的に減じることも可能である。本発明のブロックポリマー中の少なくとも一つのブロックセグメントが疎媒性で、少なくとも一つのブロックセグメントが親媒性であることで両親媒性が発現する。疎媒性、親媒性の対象としては、水性溶媒が好ましい。言い換えれば本発明のブロックポリマーは疎水セグメントと親水セグメントをそれぞれ少なくとも一つ持つことが好ましい。例えば、疎水セグメントは一般式(6)のR1 で表される構造のうち、R1 がアルキル基やフェニル基であるものであり、親水セグメントは一般式(3)を有するものである。
また、本発明のブロックポリマー化合物中には、刺激に応答して、例えば、温度変化、電磁波への暴露、pHの変化、濃度の変化等の刺激により、親水性から疎水性へと、または疎水性から親水性へと、相変化を起こすセグメントを含むことも可能であり、好ましい。本発明のブロックポリマー化合物は、少なくとも3つ以上のブロックセグメントを有するブロックポリマーであり、該ブロックポリマーの少なくとも一つのセグメント中の側鎖に、カルボン酸、カルボン酸エステル及びカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種とフッ素原子を少なくとも1つ以上を有する、ブロックポリマー化合物であって、その一つのブロックセグメントに刺激応答性ブロックセグメントを含有してもよい。前記刺激は、温度変化、電磁波への暴露、pHの変化、濃度の変化のいずれかであることが好ましく、組み合わせて用いてもよい。刺激応答性を有する、本発明のブロックポリマー化合物の具体的な例として、最も疎媒性である繰り返し単位の例としては、疎水性を示す、
Figure 0004367925
をブロックセグメントAとして持ち、最も親媒性であり、かつイオン性官能基とフッ素原子とを有するCセグメントの繰り返し単位例として、カルボン酸基を有し親水性を示す、
Figure 0004367925
をCセグメントとして持ち、Bセグメントの繰り返し単位例として、温度の刺激に応答性を示し、かつ、例示したCセグメントの親水性よりも親水性度の小さい、非イオン性親水性セグメント、
Figure 0004367925
をBセグメントとして持つABCトリブロックポリマーが挙げられるが、これに限定されない。なお、前記親水性Bセグメントは、温度の刺激に応答性を示すブロックセグメントであり、約70℃以上で疎水性、それ以下で親水性へと相変化を起こすことが知られており、DSCからも確認されている。
また、本発明の第5の発明は、第4の発明も同様に言えることであるが、少なくとも1つのブロックセグメント中の側鎖に水素原子がフッ素原子に置換された芳香族構造、芳香族のカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種を有する、アルケニルエーテル構造を繰り返し単位とする、両親媒性のブロックを使用する。このため、高次で精緻な構造体を形成することも可能である。また、複数のブロックセグメントに似た性質を保持させることにより、その性質をより安定なものとすることも可能である。例えば、前述した両親媒性のブロックポリマーを使用して、色材と溶媒としても水を使用して分散液を作成すると、色材をブロックポリマーが形成するミセル中に内包させることが可能であり、そのように色材内包型のインク組成物を容易に形成することも可能となる。また、その分散組成物の粒子の粒径も非常に揃った均一なものとすることも可能である。さらにはその分散状態を極めて安定なものとすることも可能である。なお、内包を確認する手段の一つとしては、このインク組成物をクライオトランスファーによるEF−TEM観察を行い、球状ミセルを観察することができ、このサンプルをEELSで元素分析することで、内包されている事が確認できる。またミセル崩壊条件で機能性物質の放出が確認できれば、間接的に内包状態を確認することができる。
さらに、本発明の第6の発明は、前記した一連の高分子化合物またはブロックポリマーのいずれかを含有する組成物である。本発明の組成物は、好ましくは上記のいずれかの高分子化合物またはブロックポリマーと色材や有用な所定の機能を奏する機能性物質と溶媒または分散媒を含有する。該高分子化合物またはブロックポリマーは色材や機能性物質等を良好に分散するのに好適に用いることができる。顔料、金属、除草剤、殺虫剤、または生体材料、例えば薬等を用いることもできる。また、本発明の一連の高分子化合物またはブロックポリマーは良好な水溶性高分子化合物またはブロックポリマーとして使用することができ、接着剤や粘着剤等としても使用することができるため、機能性物質の存在が無くても良い。
本発明の組成中に用いられる機能性物質は、本発明の組成物の重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。また、溶解性の物質であってもよく、染料や分子性触媒等も用いることができる。
また、本発明の組成中に含有される高分子化合物またはブロックポリマーは、本発明の組成物の重量に対して、0.5〜98質量%が好ましい。
さらに、本発明の組成物の好ましい例として、溶媒または分散媒、色材および前記高分子化合物またはブロックポリマーを含有する記録材料が挙げられる。記録材料としては、具体的には、バインダー樹脂等の分散媒、色材および前記高分子化合物またはブロックポリマーを含有するトナー組成物が挙げられる。また、溶媒、色材および前記高分子化合物またはブロックポリマーを含有するインク組成物が挙げられる。
以下、本発明の好ましい一形態であるインク組成物について説明する。
本発明のインク組成物に含有される前記高分子化合物またはブロックポリマーの含有量は、0.1質量%以上90質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは1質量%以上80質量%以下である。インクジェットプリンター用としては、好ましくは1質量%以上30質量%以下で用いられる。
次に、本発明のインク組成物に含有さる高分子化合物またはブロックポリマー以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、有機溶剤、水、水性溶媒、色材、添加剤等が含まれる。
[有機溶剤]
炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等が挙げられる。
[水]
本発明に含まれる水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、純水、超純水が好ましい。
[水性溶媒]
水性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、水性分散物の記録媒体上での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
本発明のインク組成物において、上記、有機溶剤、水および水性溶媒の含有量は、インク組成物の全重量に対して、20〜95質量%の範囲で用いるのが好ましい。さらに好ましくは30〜90質量%の範囲である。
[色材]
本発明のインク組成物には、顔料および染料等の色材が含有され、好ましくは顔料が用いられる。
以下にインク組成物に使用する顔料および染料の具体例を示す。
顔料は、有機顔料および無機顔料のいずれでもよく、インクに用いられる顔料は、好ましくは黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いることができる。なお、上記に記した以外の色顔料や、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
黒色の顔料としては、Raven1060、(コロンビアン・カーボン社製)、MOGUL−L、(キャボット社製)、Color Black FW1(デグッサ社製)、MA100(三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、等が挙げられるが、これらに限定されない。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、等が挙げられるが、これらに限定されない。
イエローの顔料としては、、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明の組成物では、水に自己分散可能な顔料も使用できる。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがあり、市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上キャボット社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学社製)等が挙げられる。
本発明のインク組成物に用いられる顔料は、インク組成物の重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。顔料の量が、0.1質量%未満となると、十分な画像濃度が得られなくなり、50質量%を超えると画像の定着性が悪化する場合がある。さらに好ましい範囲としては0.5質量%から30質量%の範囲である。
また、本発明のインク組成物では染料も使用することができる。以下に述べるような直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食品用色素の水溶性染料、又は分散染料の不溶性色素、脂溶性染料を用いることができる。
例えば、水溶性染料としては、C.I.ダイレクトブラック,−17,−62,−154;C.I.ダイレクトイエロー,−12,−87,−142;C.I.ダイレクトレッド,−1,−62,−243;C.I.ダイレクトブルー,−6,−78,−199;C.I.ダイレクトオレンジ,−34,−60;C.I.ダイレクトバイオレット,−47,−48;C.I.ダイレクトブラウン,−109;C.I.ダイレクトグリーン,−59等の直接染料、
C.I.アシッドブラック,−2,−52,−208;C.I.アシッドイエロー,−11,−29,−71;C.I.アシッドレッド,−1,−52,−317;C.I.アシッドブルー,−9,−93,−254;C.I.アシッドオレンジ,−7,−19;C.I.アシッドバイオレット,−49等の酸性染料、 C.I.リアクティブブラック,−1,−23,−39;C.I.リアクティブイエロー,−2,−77,−163;C.I.リアクティブレッド,−3,−111,−221;C.I.リアクティブブルー,−2,−101,−217;C.I.リアクティブオレンジ,−5,−74,−99;C.I.リアクティブバイオレット,−1,−24,−38;C.I.リアクティブグリーン,−5,−15,−23;C.I.リアクティブブラウン,−2,−18,−33等の反応染料;
C.I.ベーシックブラック,−2;C.I.ベーシックレッド,−1,−12,−27;C.I.ベーシックブルー,−1,−24,;C.I.ベーシックバイオレット,−7,−14,−27;C.I.フードブラック,−1,−2等が挙げられる。
また、油溶性染料として、以下に、各色の市販品を例示する。
黒色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Black−3,−22:1,−50等が挙げられるが、これらに限定されない。
イエローの油溶性染料としては、C.I.Solvent Yellow−1,−25:1,−172等が挙げられるが、これらに限定されない。
オレンジの油溶性染料としては、C.I.Solvent Orange−1,−40:1,−99等が挙げられるが、これらに限定されない。
レッドの油溶性染料としては、C.I.Solvent Red−1,−111,−229等が挙げられるが、これらに限定されない。
バイオレットの油溶性染料としては、C.I.Solvent Violet−2,−11,−47等が挙げられるが、これらに限定されない。
ブルーの油溶性染料としては、C.I.Solvent Blue−2,−43,−134等が挙げられるが、これらに限定されない。
グリーンの油溶性染料としては、C.I.Solvent Green−1,−20,−33等が挙げられるが、これらに限定されない。
ブラウンの油溶性染料としては、C.I.Solvent Brown−1,−12,−58等が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、これら上記の色材の例は、本発明のインクに対して好ましいものであるが、本発明のインク組成物に使用する色材は上記色材に特に限定されるものではない。本発明のインク組成物に用いられる染料は、インクの重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。
[添加剤]
本発明の組成物には、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明の組成物は、ポリビニルエーテル構造を含むポリマーにより、顔料のような粒状固体を分散させる機能を有しているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。
他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等、疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
さらに、本発明の組成物には、必要に応じて水性溶剤を添加することができる。特にインクジェット用インクに用いる場合、水性溶剤は、インクのノズル部分での乾燥、インクの固化を防止するために用いられ、単独または混合して用いることができる。水性溶剤は、上述のものがそのまま当てはまる。その含有量としては、インクの場合、インクの全重量の0.1〜60質量%、好ましくは1〜40質量%の範囲である。
その他の添加剤としては、例えばインクとしての用途の場合、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤、記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤、インク内での黴の発生を防止する防黴剤、インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤、記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
本発明のインク組成物を調製するには、上記構成成分を混合し、均一に溶解又は分散することにより調製することができる。たとえば、構成成分の複数を混合し、サンドミルやボールミル、ホモジナイザー、ナノマーザー等により破砕、分散しインク母液を作成し、これに溶媒や添加剤を加え物性を調整することにより調整することができる。
次に、本発明のトナー組成物について説明する。トナー組成物は、具体的には、バインダー樹脂等の分散媒、色材および前記高分子化合物またはブロックポリマーを含有する。
本発明のトナー組成物に含有される前記高分子化合物またはブロックポリマーの含有量は、0.1質量%以上95質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは0.5質量%以上80質量%以下である。
また、本発明の高分子化合物またはブロックポリマーはバインダー樹脂そのものとしても使用可能であるし、スチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂等のバインダー樹脂とともに用いることも可能である。
次に、本発明のトナー組成物に含有さる高分子化合物またはブロックポリマー以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、バインダー樹脂、色材(顔料、染料)、帯電制御剤、離型剤、外添剤、磁性粒子等が含まれる。
(トナー組成物の他の成分の加入)
バインダー樹脂としては、スチレンアクリル共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート等が例として挙げられる。バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以上99質量%以下で用いられる。色材としては前記インク組成物の説明で記載した、顔料や染料が使用可能である。色材の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で用いられる。帯電制御剤としては、金属−アゾ錯体、トリフェニルメタン系染料、ニグロシン、アンモニウム塩等が例として挙げられる。帯電制御剤の含有量は0.1質量%以上30質量%以下で用いられる。他に離型剤としては、合成ワックス、天然ワックスが例として挙げられる。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機微粒子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂微粒子が例として挙げられる。磁性粒子としては例えばマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等が挙げられる。トナー組成物としては以上の成分を必ずしも全て含まなくても機能し得るし、また以上に記載されていない成分を含んでもよい。
本発明のトナー組成物を調製する方法としては、例えば、以上に述べた構成成分を混合、溶融混煉し均一に混合した後、スピードミルやジェットミルで破砕して作製し、分級して所望のサイズのトナーを得る。このトナーに外添剤を加えミキサーで混合することにより調製することができる。
次に、本発明の組成物を用いる液体付与方法および液体付与装置について説明する。
[液体付与方法および液体付与装置]
本発明の組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な液体付与方法および装置に使用でき、この装置を用いた液体付与方法により描画することができる。また、液体組成物を用いる場合、インクジェット法等では微細パターンを形成したり、薬物の投与を行なったりするための液体付与方法に使用することができる。
本発明の液体付与方法は、本発明の組成物により優れた画像形成を行なう方法である。本発明の液体付与方法は、好ましくは、インク吐出部から本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う液体付与方法である。画像形成はインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出するインクジェット法を用いる方法が好ましく用いられる。
本発明のインクジェット用インク組成物を用いるインクジェットプリンタとしては、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行うバブルジェット(登録商標)方式等、様々なインクジェット記録装置に適用できる。
以下このインクジェット記録装置について図1を参照して概略を説明する。但し、図1はあくまでも構成の一例であり、本願発明を限定するものではない。
図1は、インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
図1は、ヘッドを移動させて被記録媒体に記録をする場合を示した。図1において、製造装置の全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58が駆動され、ヘッド70の被記録媒体に対する位置が決定される。
図1に示されるように、ヘッド70には、X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58に加え、ヘッド駆動回路60が接続されており、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド70の駆動、即ちインクジェット用インクの吐出等を行う。さらに、CPU50には、ヘッドの位置を検出するためのXエンコーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラムメモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU50は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびYエンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移動させ、被記録媒体上の所望の位置にヘッドを配置してインクジェット用インクを吐出する。このようにして被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。また、複数のインクジェット用インクを装填可能な液体付与装置の場合、各インクジェット用インクに対して上記のような操作を所定回数行うことにより、被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。
また、インクジェット用インクを吐出した後、必要に応じて、ヘッド70を、ヘッドに付着した余剰のインクを除去するための除去手段(図示せず)の配置された位置に移動し、ヘッド70をワイピング等して清浄化することも可能である。清浄化の具体的方法は、従来の方法をそのまま使用することができる。
描画が終了したら、図示しない被記録媒体の搬送機構により、描画済みの被記録媒体を新たな被記録媒体に置き換える。
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能である。例えば、上記説明ではヘッド70をXY軸方向に移動させる例を示したが、ヘッド70は、X軸方向(またはY軸方向)のみに移動するようにし、被記録媒体をY軸方向(またはX軸方向)に移動させ、これらを連動させながら描画を行うものであってもよい。
本発明は、インクジェット用インクの吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギーによりインクジェット用インクを吐出させるヘッドが優れた効果をもたらす。かかる方式によれば描画の高精細化が達成できる。本発明のインクジェット用インク組成物を使用することにより、更に優れた描画を行うことができる。
上記の熱エネルギーを発生する手段を備えた装置の代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればインクジェット用インクの吐出を確実に効率よく行うことができる。
さらに、本発明の液体付与装置で被記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドとしては、複数のヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、シリアルタイプのものでも、装置本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプのヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
さらに、本発明の装置は、液滴除去手段を更に有していてもよい。このような手段を付与した場合、更に優れた吐出効果を実現できる。
また、本発明の装置の構成として、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定化できるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、または、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、インクの吐出とは別の、吐出を行なうための予備吐出手段などを挙げることができる。
本発明に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
本発明の装置では、インクジェット用インクの吐出ヘッドの各吐出口から吐出されるインクの量が、0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であることが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録方式等を用いた間接記録装置にも用いることができる。また、直接記録方式による中間転写体を利用した装置にも適用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
なお、以下の実施例1〜17において、実施例10〜17は本発明の実施例を示し、実施例1〜9は参考例を示す。
実施例1
<CH2 =CHOCH2 CH2 OPh(4F)COOC25の合成>
ペンタフルオロ安息香酸エチルエステル25質量部と、NaNO2 21.6質量部を、DMSO 200質量部に混合し、加熱した。50℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却し氷水520質量部を加えた。濃塩酸でpH2としたのち、100℃まで加熱し、30分攪拌した。室温まで冷却し、エーテルで抽出、水で有機層を洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、得られた残渣をヘキサンで洗浄し、4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチルエステルを得た。これの200質量部をDMF500質量部に溶解し、当量のNaHを徐々に添加し、一時間攪拌した。テトラブチルアンモニウムアイオダイド20質量部を加え、2−クロロエチルビニルエーテルを180質量部加え加熱し、100℃で10時間攪拌した。室温まで冷却し反応液を氷水4600質量部中に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトによって目的物のアルケニルエーテル化合物を得た。得られたアルケニルエーテル化合物のNMRを図2に示す。
実施例2
高分子化合物の合成
実施例1で得られた重合性化合物0.1モル、水0.001モル、エチルアルミニウムダイクロライド0.005モルを無水トルエン中でカチオン重合した。
20時間後反応を終了し、メチレンクロライドと水を加え、水洗、希塩酸で洗浄、アルカリ洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し高分子化合物(ポリマー)を得た。排除体積クロマトグラフィーによる数平均分子量は2500であった。
実施例3
<CH2 =CHO(CH2 CH2 O)2 Ph(4F)COOC25 の合成> 実施例1の2−クロロエチルビニルエーテルを、CH2 =CHOCH2 CH2 OCH2 CH2 OTs(Tsはトシル基を表す。)に変え同様に合成を行ない、目的物の重合性化合物を得た。
実施例4
実施例3で得られたそれぞれの重合性化合物を用いて、実施例2と同様に重合し、高分子化合物を得た。排除体積クロマトグラフィーによる数平均分子量はそれぞれ1800であった。
実施例5
実施例2で合成した高分子化合物(ポリマー)を5規定水酸化ナトリウム水溶液と共に40時間室温(23℃)で撹拌し、エステルを加水分解した。5規定塩酸で中和し、塩化メチレンで抽出、乾燥した後、溶媒を留去し、フリーのカルボン酸ポリマーを得た。等量の1規定水酸化ナトリウムで中和し、水を留去し、カルボン酸ナトリウム塩のポリマーを得た。
実施例6
顔料(商品名モーグルL、キャボット社製)2質量部、実施例5のカルボン酸ナトリウム塩型高分子化合物3質量部、およびジエチレングリコール25質量部をイオン交換水177質量部に加え、超音波ホモジナイザーを用いて分散した。1μmのフィルターを通して加圧濾過し、インク組成物を調製した。顔料の分散性は良好であった。
実施例7
<CH2 =CHOCH2 CH2 OPh(2F)COOC25 の合成、二つのフッ素原子は安息香酸の3,5位に置換されている。>
HOPh(2F)COOC25 を用いて実施例1と同様に目的化合物を合成した。これを用いて実施例2と同様にポリマーを合成した。
実施例8
実施例6で調製したインク組成物を用いて、インクジェット記録を行なった。キヤノン(株)製バブルジェット(登録商標)プリンタ(商品名 BJJ−800J)のインクタンクに実施例6のインク組成物を充填し、前記インクジェットプリンタを用いて普通紙に記録したところ、きれいに黒字の印字ができた。
実施例9
実施例5で得られたカルボン酸ナトリウムポリマーの前駆体であるフリーのカルボン酸ポリマーを使用して以下のようにトナー組成物を作成した。
ポリエステル樹脂(ビスフェノールA、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ジエチレングリコールをモル比で20:38:10:5:27で合成)100質量部、マグネタイト(Fe34 )70質量部、前述したフリーのカルボン酸ポリマー3質量部、トリフェニルメタン系染料2質量部、低分子量ポリプロピレン3質量部を予備混合した後、ルーダーで溶融混錬した。これを冷却後、スピードミルで粗砕後ジェットミルで微粉砕し、さらにジグザグ分級機を用いて分級し、体積平均径11μmのトナーを得た。
このトナー100質量部にアミノ変性シリコンオイル(25℃における粘度100cp、アミン当量800)で処理された正荷電性疎水性乾式シリカ0.4質量部および平均粒径0.2μmの球状PVDF粒子0.2質量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して正帯電性トナー組成物を得た。このトナー組成物を使用し、キヤノン社製複写機NP−3525で印刷を行なったところ、きれいに印字できた。
実施例10
<ブロックポリマーの合成>
イソブチルビニルエーテルとCH2=CHOCH2CH2OPhPh:(IBVE−r−VEEtPhPh:Aブロック)と、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチル(VEOEtPh(4F)COOEt:Bブロック)からなるジブロックポリマーの合成。
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、IBVE6mmol(ミリモル)、VEEtPhPhを6mmol、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.1mmol、及びトルエン11mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合の完了を確認した。
次いで、Bブロックモノマーを10mmol添加し、重合を続行した。24時間後、重合反応を停止した。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固し真空乾燥させたものを、セルロースの半透膜を用いてメタノール溶媒中透析を繰り返し行い、モノマー性化合物を除去し、目的物であるジブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。Mn=14600、Mw/Mn=1.32であった。重合比(=組成比)はA:B=100:10であった。Aブロック内の2種のモノマーの重合比は1:1であった。
さらにここで得られたブロックポリマーをジメチルフォルムアミドと水酸化ナトリウム水混合溶液中で加水分解し、Bブロック成分が加水分解され、ナトリウム塩化されたジブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。
さらに水分散液中で0.1Nの塩酸で中和してB成分がフリーのカルボン酸になったジブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。
[BブロックのpKa測定]
実施例10で得られたカルボン酸型のブロックポリマーをBブロック成分のモノマー単位で3.0ミリモル取り、それに蒸留水を加えて50gとした。得られた水溶液に、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて、電位差滴定により、pKaを求めたところ、pKa=2.2であった。滴定は、自動滴定装置「COM−555」(平沼産業社製)を用いて行った。
実施例11
実施例10で得たカルボン酸塩型のブロックポリマー15質量部と、オイルブルーN(C.I.Solvent Blue−14、アルドリッチ社製)7質量部をジメチルフォルムアミド150質量部に共溶解し、蒸留水400質量部を用いて水相へ変換しインク組成物を得た。10日間放置したが、オイルブルーは分離沈殿しなかった。
実施例12
インクジェットプリンタ(商品名BJF800、キヤノン社製)の印刷ヘッドに実施例11で作成したインクを充填し記録した。記録1分後に印刷部をラインマーカーで強く3回こすったが、青色の尾引きは全く無く、非常に定着性がよいことがわかった。
比較例1
黒色の自己分散顔料(商品名CAB−0−JET300、キャボット社製)2質量部、界面活性剤(ノニオンE−230、日本油脂社製)0.5質量部、エチレングリコール5質量部、及びイオン交換水92.5質量部を混合し、インク組成物を調製した。前記インク組成物を用いて、実施例12と同様に記録し、記録1分後に印刷部を強くラインマーカーで一回こすったところ、黒色の尾引きが観察された。
実施例13
<ブロックポリマーの合成>
イソブチルビニルエーテル(IBVE:Aブロック)と2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE:Bブロック)と4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチル(VEOEtPh(4F)COOEt:Cブロック)からなるトリブロックポリマーの合成。
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、IBVE12mmol(ミリモル)、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.05mmol、及びトルエン11mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合の完了を確認した。
次いで、BブロックのMOVEを12mmol添加し、重合を続行した。GPCを用いるモニタリングによって、Bブロックの重合の完了を確認した後、10mmolのCブロックモノマーを添加して、重合を続行した。24時間後、重合反応を停止した。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固したものを真空乾燥させたものを、セルロースの半透膜を用いてメタノール溶媒中透析を繰り返し行い、モノマー性化合物を除去し、目的物であるトリブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。Mn=40685、Mw/Mn=1.41であった。重合比はA:B:C=200:200:30であった。
さらにここで得られたブロックポリマーをジメチルフォルムアミドと水酸化ナトリウム水混合溶液中で加水分解し、Cブロック成分が加水分解され、ナトリウム塩化されたトリブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。
さらに水分散液中で0.1Nの塩酸で中和してC成分がフリーのカルボン酸になったトリブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。
実施例14
実施例13で得たカルボン酸塩型のブロックポリマー15質量部とオイルブルーN(C.I.Solvent Blue−14、アルドリッチ社製)7質量部をジメチルフォルムアミド150質量部に共溶解し、蒸留水400質量部を用いて水相へ変換しインク組成物を得た。10日間放置したが、オイルブルーは分離沈殿しなかった。
また、ブロックポリマーによる色材の内包は、前述したように、クライオトランスファーによるEF−TEM観察、EELSによる元素分析を利用して確認した。また、このインクを普通紙に塗布したサンプル5点を作成し、東洋精機製耐光性試験機サンテストCPS+で外光環境下2ヶ月相当の耐光性試験を行ったところ、いずれも光学濃度が90%以上保たれた。
比較例2
実施例14で用いたオイルブルーN(C.I.Solvent Blue−14、アルドリッチ社製)をTHFに溶解し、実施例14と同様に普通紙に塗布したサンプルを5点作成し、東洋精機製耐光性試験機サンテストCPS+で外光環境下2ヶ月相当の耐光性試験を行ったところ、いずれも光学濃度が75%未満であった。
実施例15
インクジェットプリンタ(商品名BJF800、キヤノン社製)の印刷ヘッドに実施例14で作成したインクを充填し記録した。記録1分後に印刷部をラインマーカーで強く3回こすったが、青色の尾引きは全く無く、非常に定着性がよいことがわかった。
実施例16
実施例13で得た、カルボン酸エステル型のトリブロックポリマー、カルボン酸塩型のトリブロックポリマーの15wt%水分散液を調整した。それぞれを偏光顕微鏡で観察したところ、全く異なるテクスチャーが観察され異なる構造体の形成が観察された。
実施例10で得られたカルボン酸エステル型のジブロックポリマーの15wt%水分散液をカルボン酸エステル型のトリブロックポリマの15wt%水分散液に1:2の重量比で混合しこれを偏光顕微鏡で観察したところ、カルボン酸エステル型のトリブロックポポリマーのみのときのテクスチャーと同様のテクスチャーが観測されたが透過光強度が減少した。基本的構造体の変化は無いと考えられるが、秩序度が減少した構造体を形成したと考えられる。
実施例17
また、実施例13のカルボン酸エステル型のトリブロックポリマーの4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチルのかわりに、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,4,5,6−ポリフルオロベンゼンを用いて同様にトリブロックポリマーを合成した。このポリマーの15wt%水分散液を調整し、偏光顕微鏡で観察したところ、実施例16のカルボン酸エステル型のトリブロックポリマーと同様のテクスチャーが観察され、類似の構造体の形成が観察された。
本発明のブロックポリマーは、溶媒または分散媒、色材とともに配合することにより、インク組成物、トナー組成物等の組成物および記録材料に利用することができる。
また、本発明のブロックポリマーを用いたインク組成物、トナー組成物等の記録材料は、各種画像記録方法および画像記録装置に利用することができる。
インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1のアルケニルエーテル化合物のNMRを示す図である。
符号の説明
20 インクジェット装置
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド

Claims (7)

  1. 親水セグメントと疎水セグメントを有する両親媒性ブロックポリマーであって、前記親水セグメントの繰り返し単位構造が下記(a)に示される繰り返し単位構造から選ばれ、前記疎水セグメントの繰り返し単位構造が下記(b)に示される繰り返し単位構造から選ばれることを特徴とするブロックポリマー。
    (a)
    Figure 0004367925
    Figure 0004367925
    Figure 0004367925
    Figure 0004367925
    Figure 0004367925
    Figure 0004367925
    Figure 0004367925
    (Phは、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表す。Pyは2,5−ピリミジレン、Pyrは2,5−ピリジレンを表す。Npは、2,6−ナフチレンまたは1,4−ナフチレンまたは1,5−ナフチレンを表す。Ph(F)という記載は、2−または3−モノフルオロ置換を表し、Ph(2F)という記載は、2,3−または2,6−または2,5―または3,5−ジフルオロ置換を表し、Ph(3F)という記載は、2,3,5−または2,3,6−トリフルオロ置換を表し、Ph(4F)という記載は、2,3,5,6−テトラフルオロ置換を表し、その他の芳香環構造の場合も同様にカッコ内のアラビア数字はフッ素の置換数を表し、いずれかの位置に置換していることを表す。)
    (b)
    Figure 0004367925
    (Phはフェニレンまたはフェニル基を表す。)
  2. 前記親水セグメントが、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチルから得られる繰り返し単位構造からなる親水セグメントであり、前記疎水セグメントが、イソブチルビニルエーテルとCH =CHOCH CH OPhPhから得られる繰り返し単位構造からなる疎水セグメントである請求項1に記載のブロックポリマー。
  3. 前記親水セグメントが、2−メトキシエチルビニルエーテルから得られる繰り返し単位構造からなる親水セグメントと、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸エチルから得られる繰り返し単位構造からなる親水セグメントであり、前記疎水セグメントが、イソブチルビニルエーテルから得られる繰り返し単位構造からなる疎水セグメントである請求項1に記載のブロックポリマー。
  4. 溶媒または分散媒、色材および請求項1乃至3のいずれかに記載のブロックポリマーを含有することを特徴とする組成物。
  5. 前記色材が前記ブロックポリマーに内包されていることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項4または5に記載の組成物を用意する工程と、前記組成物を媒体に記録する工程とを有することを特徴とする画像記録方法
  7. 請求項4または5に記載の組成物を媒体に記録するための記録手段を備えていることを特徴とする画像記録装置
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