JPH11322942A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

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JPH11322942A
JPH11322942A JP12699998A JP12699998A JPH11322942A JP H11322942 A JPH11322942 A JP H11322942A JP 12699998 A JP12699998 A JP 12699998A JP 12699998 A JP12699998 A JP 12699998A JP H11322942 A JPH11322942 A JP H11322942A
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polymer
group
precursor
polymerization
precursor polymer
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JP12699998A
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English (en)
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Sadato Aoshima
貞人 青島
Hidekazu Kobayashi
英一 小林
Hiroyuki Oki
弘之 大木
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、少なくとも2種類以上の重
合体ユニットからなる重合体を効率的に製造することが
可能な製造方法を提供することにある。 【解決手段】 カチオン重合可能なモノマーをカチオン
重合して得られた末端に活性点を有する前駆重合体Aと
水酸基を含有する前駆重合体Bとを反応させることを特
徴とする前駆重合体Aに由来する重合体ユニットAおよ
び前駆重合体Bに由来する重合体ユニットBからなる重
合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2種類
以上の重合体ユニットからなる重合体の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、少なくとも2種類以上の重合体ユ
ニットからなるグラフトポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマーに有用な特性を付与するための
手段として、汎用ポリマーに改質処理を加えたり、機能
性基あるいは反応性基を付与したり、機能性基あるいは
反応性基を有するモノマーを重合あるいは共重合した
り、あるいはポリマー鎖に第2の成分である異種のポリ
マーをグラフト的あるいはブロック的に結合させるなど
の種々の方法が提案されている。これらのうち、ポリマ
ー鎖に第2の成分である異種のポリマーをグラフト的あ
るいはブロック的に結合させる方法が一般的であり、ブ
ロックポリマーあるいはグラフトポリマーの製造技術に
関する提案が数多くなされている。
【0003】例えば、ラジカル的にグラフトポリマーを
得るための方法としては、ポリマー上へのラジカル連鎖
移動反応によって幹ポリマーの側鎖にラジカルを生成さ
せ分岐させる方法、側鎖の酸化によってペルオキシ基を
導入する方法、側鎖のアミノ基をジアゾ化して重合開始
点とする方法、放射線照射、光化学反応、酸化反応等に
よって分岐重合の開始を行う方法、側鎖の活性基(水酸
基、アミノ基、カルボキシル基など)により重合を行う
方法、側鎖中にアゾ構造を有するモノマーを重合した
後、側鎖から第2モノマーを分岐重合させる方法などが
報告されており、最近ではリビングラジカル重合法が試
みられている。また、ラジカル的にブロックポリマーを
得るための方法としては、酸素を共重合して主鎖中にペ
ルオキシド結合を導入した後、次いでこの部位から第2
モノマーを重合させる方法、アゾ構造を有するモノマー
を重合開始剤として用いた後、次いで第2モノマーを重
合させる方法、リビングラジカル重合法を利用する方法
などが報告されている。
【0004】しかしながら、これらの方法には、下記の
ような各種の問題がある。すなわち、グラフトポリマー
を得る場合には、主鎖に反応点をつくる必要があるため
主鎖の種類が限定されるとか、活性点を生じるようなモ
ノマーを共重合する必要がある。また、ブロックポリマ
ーを得る場合には、両末端に反応点をもつようなモノマ
ーを使用する必要があるとか、その技術が特殊な系に限
定されたり、企業化が困難であることが多い。また、リ
ビングラジカル重合法の場合には、触媒系が非常に高価
であり、モノマーの種類がラジカル重合可能なものに限
定されるという制約がある。
【0005】ラジカル重合以外の代表的な重合体の製造
方法としては、カチオン重合法が知られている。最近で
は、リビングカチオン重合法が見出されており、温和な
条件下で、重合度の制御が容易で、且つ単分散に近い各
種ポリビニルエーテル系重合体、ポリスチレン系重合体
等が得られるようになってきている。リビングカチオン
重合法は、ブロックポリマーやグラフトポリマーの1成
分の製造方法として有用であるが、カチオン重合性を有
するモノマーに限定されることから、ポリマーの種類が
限定されるという問題がある。
【0006】一方、リビングカチオン重合法により、重
合体の末端に種々の官能基を効率よく導入できることを
利用し、重合体の末端に重合性官能基を導入したマクロ
モノマーを合成した後、このマクロモノマーとコモノマ
ーとの共重合を行うことによりグラフト重合体を得る方
法が報告されている。しかしながら、この方法では通常
マクロモノマーを一旦単離精製した後、次いでコモノマ
ーとの共重合を行う必要があり、工業的な製造を考えた
場合には、高コスト化の原因となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少な
くとも2種類以上の重合体ユニットからなる重合体を効
率的に製造することが可能な製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、カチオン重合可能なモノ
マーをカチオン重合して得られた末端に活性点を有する
前駆重合体Aと水酸基を含有する前駆重合体Bとを反応
させることを特徴とする前駆重合体Aに由来する重合体
ユニットAおよび前駆重合体Bに由来する重合体ユニッ
トBからなる重合体の製造方法を見出し、本発明を完成
するに到った。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、カチオン重合し
て得られた末端に活性点を有する重合体を前駆重合体A
という。また、前駆重合体Aに由来する重合体ユニット
を重合体ユニットAという。また、カチオン重合によっ
て得られた末端に活性点を有する前駆重合体Aの停止剤
として使用する水酸基を含有する重合体を前駆重合体B
という。また、前駆重合体Bに由来する重合体を重合体
ユニットBという。
【0010】最初に、前駆重合体Aの製造方法について
説明する。前駆重合体Aの構成単位であるモノマーは、
カチオン重合可能なモノマーであれば特に限定されな
い。具体的には、ビニルエーテル類、スチレン、スチレ
ン誘導体、ビニルナフタレン、ジエン類(ブタジエン、
イソプレン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ン、ノルボルナジエン)、ノルボルネン、環状化合物
(プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等)、イソ
ブテン、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0011】上記のモノマーの中でも、モノマーの工業
的汎用性、重合体の構造制御の容易性、得られるポリマ
ーの有用性等を考慮すると、カチオン重合性モノマーの
中でも、化1に示すビニルエーテル類、スチレン、化2
および化3に示すスチレン誘導体およびイソブテンが好
ましい。また、これらのモノマーは2種あるいはそれ以
上を同時に用いてもよい。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】化1はビニルエーテル類であり、化2およ
び化3はスチレン誘導体である。化1および化3中にお
いて、R1およびR3は炭素数1〜12の直鎖、分岐また
は環状のアルキル基を表し、酸素、窒素等のヘテロ原子
を含んでいてもよい。具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、tert−アミル基、ヘキシル基、シ
クロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキ
シル基、ノニル基、デシル基などのアルキル基、3―オ
キサブチル基、3−オキサペンチル基、3−オキサヘキ
シル基、3−オキサヘプチル基、3−オキサオクチル
基、3−オキサノニル基、3−オキサデシル基、3−オ
キサウンデシル基、4−オキサペンチル基、4−オキサ
ヘキシル基、4−オキサヘプチル基、4−オキサオクチ
ル基、4−オキサノニル基、4−オキサデシル基、4−
オキサウンデシル基、5−オキサヘキシル基、5−オキ
サヘプチル基、5−オキサオクチル基、5−オキサノニ
ル基、5−オキサデシル基、5−オキサウンデシル基、
6−オキサヘプチル基、6−オキサオクチル基、6−オ
キサノニル基、6−オキサデシル基、6−オキサウンデ
シル基、7−オキサオクチル基、7−オキサノニル基、
7−オキサデシル基、7−オキサウンデシル基、8−オ
キサノニル基、8−オキサデシル基、8−オキサウンデ
シル基、9−オキサデシル基、9−オキサウンデシル
基、10−オキサウンデシル基、3,6―ジオキサヘプ
チル基、3,6―ジオキサオクチル基、3,6―ジオキ
サノニル基、3,6―ジオキサデシル基、3,6―ジオ
キサウンデシル基、3,6―ジオキサドデシル基、3,
6,9―トリオキサデシル基、3,6,9―トリオキサ
ウンデシル基、3,6,9―トリオキサドデシル基、
3,6,9―トリオキサトリデシル基、3,6,9,1
2―テトラオキサトリデシル基、3,6,9,12―テ
トラオキサテトラデシル基などの酸素含有炭化水素基な
どが挙げられる。化2および化3中において、R2は水
素または炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基を
表し、酸素、窒素等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
3およびOR3のベンゼン環への結合位置はp位または
o位である。
【0016】本発明におけるカチオン重合開始剤は、モ
ノマーからカルボニウムイオンを生成し、カチオン重合
が可能なものであれば特に限定されない。具体的には、
プロトン酸(硫酸、リン酸、塩酸、臭酸、硝酸、弗化水
素、沃化水素、酢酸およびこの塩素化物、トリフルオロ
酢酸、p−トルエンスルホン酸、等)、金属酸化物およ
びその他の固体酸(酸化クロム、酸化リン、酸化チタ
ン、酸化アルミ、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モ
リブデン、シリカ−アルミナ、酸化バナジウム、硫酸ア
ルミ、硫酸鉄、硫酸クロム、等)、ハロゲン(沃素、臭
素、塩素、臭化沃素、塩化沃素、塩化臭素)、ハロゲン
化金属(ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、カドニウ
ム、水銀、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、チタン、
ジルコニウム、錫、リン、アンチモン、ニオブ、ビスマ
ス、タリウム、ウラン、レニウム、鉄、等の臭化物、塩
化物あるいは弗化物)、有機金属化合物(アルミニウム
あるいは亜鉛のアルキル化合物、グリニヤール試薬と呼
ばれるマグネシウムのアルキル化合物、等)、安定なカ
ルボニウムイオン(トリフェニルメチルカルボニウムイ
オン、トロピリウムイオン等の塩)などが挙げられる。
これらの開始剤のうち、金属を含有する開始剤には、必
要に応じてプロトンを生成する化合物(水、アルコール
などのヒドロキシ化合物、プロトン酸、等)、あるいは
カルボニウムイオンを生成する化合物(ハロゲン化アル
キル等)が共触媒として添加される。
【0017】前駆重合体Aを合成するカチオン重合法と
しては、前駆重合体Aの分子量や組成、構造の制御が容
易であり、分子量分布や組成分布が狭い均一なポリマー
が得易く、また、前駆重合体Bへの反応(グラフト化反
応あるいはブロック化反応)の効率が高い点で、リビン
グカチオン重合法が好ましい。
【0018】リビングカチオン重合開始剤は、カチオン
重合をリビング的に進行させるものであれば特に限定さ
れない。例えば、ビニルエーテル類のリビングカチオン
重合開始剤としては、特開昭60−228509号公報
において報告されているHI/I2系開始剤、特開昭6
1−103654号公報、62−257910号公報、
特開平1−108202号公報、特開平1−10820
3号公報および特開平4−318004号公報において
報告されている有機アルミニウム化合物とエーテルある
いはエステル等の添加剤とを組み合わせた開始剤、等が
好適に用いられる。
【0019】また、スチレンあるいはその誘導体のリビ
ングカチオン重合開始剤としては、特開平3−5650
3号公報において報告されているHI等のプロトン酸と
ZnCl2等のルイス酸とを組み併せた開始剤、特開平
3−247605号公報、特開平5−287022号公
報、特開平6−157627号公報において報告されて
いるプロトン酸/ルイス酸/4級アンモニウム塩を組み
合わせた開始剤、特開平5−310832号公報におい
て報告されている有機ハロゲン化合物とルイス酸性を有
するハロゲン化合物とを組み合わせた開始剤、等が好適
に用いられる。
【0020】また、イソブテンのリビングカチオン重合
開始剤としては、特開平2−73806号公報、特開平
8−507554号公報、特開平7−268047号公
報、特開平8−269118号公報において報告されて
いるハロゲン含有化合物とTiCl4あるいはアルキル
アルミニウム化合物等のルイス酸とを組み合わせた開始
剤、等が好適に用いられる。
【0021】カチオン重合反応は、溶媒の不在下で行う
ことも可能であるが、適当な有機溶媒の存在下で行うこ
とも可能である。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;プロパン、n−
ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、デカン、ヘ
キサデカン、イソペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭
化水素溶媒;塩化エチレン、塩化メチレン、四塩化炭素
等のハロゲン化炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン(T
HF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテ
ル類溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも、ト
ルエン、塩化メチレン、THFが好適に使用される。こ
れらの有機溶剤は、必要に応じて、単独または2種類以
上の組み合わせで用いられる。
【0022】重合温度は、重合開始剤、モノマーおよび
溶媒等の種類により異なるが、通常−80℃〜150℃
の範囲内が好ましく、−78℃〜80℃の範囲内がより
好ましい。重合時間は、重合開始剤、モノマー、溶媒、
反応温度等により異なるが、通常10分〜100時間の
範囲である。重合反応は、バッチ式または連続式のどち
らの方法でも行うことができる。
【0023】カチオン重合によって得られる前駆重合体
Aの分子量は、最終的に得られる重合体(ブロックポリ
マー、グラフトポリマーなど)の用途によって適宜選択
されるが、通常は数平均分子量で500〜100000
0程度であり、好ましくは1000〜500000の範
囲内である。また、前駆重合体Aのゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチ
レン検量線から求めた重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は通常1.0〜1
0.0の範囲であり、さらに好ましくは1.0〜5.0
の範囲である。
【0024】カチオン重合法の中でも特にリビングカチ
オン重合法を利用する場合には、得られる前駆重合体A
の分子量は、モノマーと重合開始剤とのモル比によって
ほぼ一義的に決まるため、モノマーと重合開始剤との使
用量の割合を変えることによって、重合体の分子量を広
い範囲にわたって制御可能である。リビングカチオン重
合によって得られる前駆重合体Aの分子量は、最終的に
得られる重合体の用途によって適宜選択されるが、通常
は数平均分子量で500〜1000000程度であり、
好ましくは1000〜500000の範囲である。ま
た、前駆重合体Aのゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)法により標準ポリスチレン検量線から
求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比(Mw/Mn)は通常1.0〜1.3の範囲であ
り、さらに好ましくは1.0〜1.25の範囲である。
【0025】次に、前駆重合体Bとして使用する水酸基
含有ポリマーについて説明する。前駆重合体Bとして
は、重合体の末端あるいは側鎖に、単数あるいは複数の
水酸基を含有するポリマーであれば特に限定されない。
前駆重合体Bのベースとなる重合体としては、エチレ
ン、プロピレン、スチレン、スチレン誘導体、メタクリ
レート類、アクリレート類、アクリロニトリル、ビニル
エステル類、ビニルエーテル類、ブタジエン、イソプレ
ン、イソブテン、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の重
合性モノマーの各種の重合体(単独重合体、2種以上の
モノマーからなるランダムコポリマー、ブロックポリマ
ー、グラフトポリマーなど)が挙げられる。また、ポリ
エステル、ポリウレタン、ポリアミド等も使用可能であ
る。
【0026】前駆重合体Bのベースとなる重合体の末端
に水酸基を導入する方法は、特に限定されないが、例え
ば以下の方法が用いられる。重合体の末端に水酸基を導
入する方法としては、目的とする導入率で水酸基を導入
できる点で、リビング重合が好ましい。例えば、トリメ
チルシリル基、t−ブチル基、ベンジル基等で保護した
水酸基を導入した重合開始剤を用いて、スチレン、スチ
レン誘導体、イソプレン、ブタジエン、アクリレート
類、メタクリレート類等をリビングアニオン重合するこ
とにより、これらのモノマーの重合体を得た後、開始剤
中の保護した水酸基を脱保護することにより、重合体の
片末端に精度よく水酸基を導入することができる。ま
た、リビングアニオン重合により、重合体を得た後、エ
チレンオキシド/水で重合を停止することでも、重合体
の片末端に精度よく水酸基を導入することができる。さ
らに、両者の方法を同時に行うことにより、重合体の両
末端に精度よく水酸基を導入することができる。
【0027】リビング重合の中でも特にリビングラジカ
ル重合を利用すれば、リビングアニオン重合のように重
合を進行させるために水酸基を保護する必要が無いた
め、さらに容易に重合体の片末端あるいは両末端に水酸
基を導入することができる。例えば、水酸基を導入した
重合開始剤を用いて、スチレン、スチレン誘導体、アク
リレート類、メタクリレート類、アクリロニトリル、ブ
タジエン、イソプレン等をリビングラジカル重合するこ
とにより、これらのモノマーの重合体の片末端に精度よ
く水酸基を導入することができる。また、これらのモノ
マーの重合体を得た後、例えばヒドロキシルエチルメタ
クリレートのように水酸基を含有するラジカル重合性の
モノマーを重合体の成長末端と当量程度添加することで
も、重合体の片末端に精度よく水酸基を導入することが
できる。さらに、両者の方法を同時に行うことにより、
重合体の両末端に精度よく水酸基を導入することができ
る。また、過酸化水素を連鎖移動剤に用いて、これらの
モノマーのラジカル重合を行うことによっても、重合体
の両末端に水酸基を導入することができる。さらに、ラ
ジカル連鎖移動反応が容易におこるメルカプト基のよう
な官能基と水酸基を含有する化合物を連鎖移動剤に用い
て、ラジカル重合を行うことにより、重合体の片末端に
精度良く水酸基を導入することができる。
【0028】エチレンオキシド、プロピレンオキシド等
の環状エーテル化合物の開環重合によっても、重合体の
片末端に水酸基を導入することができる。また、リビン
グアニオン重合を利用することにより、上記と同様の方
法で重合体の両末端に水酸基を導入することができる。
【0029】前駆重合体Bとしてポリエステルあるいは
ポリウレタンを選択する場合には、原料であるジオール
化合物を過剰に用いることにより、重合体の両末端に精
度良く水酸基を導入することができる。ポリエステルの
場合には、ジオール化合物とジカルボン酸化合物との比
率を制御することにより、重合体の片末端に水酸基を導
入することができる。また、ポリウレタンの場合には、
ジオール化合物とジカルボン酸化合物との比率を制御す
ることにより、重合体の片末端に水酸基を導入すること
ができる。
【0030】前駆重合体Bのベースポリマーの側鎖に単
数あるいは複数の水酸基を導入する方法は特に限定され
ないが、例えば以下の方法が用いられる。ベースポリマ
ーを合成する際に、水酸基を含有する重合性モノマーを
適当量共重合させることにより、重合体の側鎖に水酸基
を導入することができる。水酸基を含有する重合性モノ
マーとしては、例えばアリルアルコール、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−メチルプロパン−1−オール等が用いられ
る。また、リビングアニオン重合の場合のように、水酸
基含有モノマーの存在により重合が阻害される場合に
は、これらのモノマー中の水酸基をトリメチルシリル
基、t−ブチル基、ベンジル基等で保護したモノマー、
あるいはトリメチルシリルビニルエーテル、t−ブチル
ビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等を共重合し
た後、モノマー中の水酸基を脱保護することにより、重
合体の側鎖に水酸基を含有する前駆重合体Bが得られ
る。前駆重合体B中の水酸基の含有量は、最終的に得ら
れるグラフトポリマーなどの重合体が使用される用途に
よって適宜選ばれるが、通常0.0001〜50モル%
であり、0.005〜30モル%の範囲が好ましい。
【0031】前駆重合体Bの中でも、水酸基の導入の容
易性、ポリマーの工業的汎用性、最終的に得られる重合
体の工業的有用性等を考慮すると、ビニルエステル系重
合体のけん化物が特に好ましい。また、ビニルエステル
系重合体のけん化物として、エチレン/ビニルエステル
系共重合体のけん化物も同様に好ましく使用される。こ
の場合のエチレン含有率としては、通常15〜95モル
%であり、好ましくは20〜75モル%である。
【0032】本発明において前駆重合体Bとして使用さ
れるビニルエステル系重合体のけん化物は、通常酢酸ビ
ニルの単独重合体あるいは共重合体をけん化反応(アル
カリ存在下での側鎖の分解反応)することにより得られ
る。また、ビニルエステル系重合体のけん化物として
は、エチレン/ビニルエステル共重合体のけん化物でも
よい。また、ビニルエステル系重合体のけん化物は、ピ
バリン酸ビニル、蟻酸ビニルのような側鎖の嵩高いビニ
ルエステルまたは極性の高いビニルエステル系重合体を
けん化反応することによっても得られる。
【0033】ここで、ビニルエステル系重合体が共重合
体である場合には、コモノマー単位は、けん化や分解に
よってビニルアルコール単位を生成する単位とそれ以外
のコモノマー(以下、非加水分解性コモノマーと略記す
る。)単位に分けられる。
【0034】非加水分解性コモノマーとしては、たとえ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸
およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセ卜ンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよび
その塩と4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよび
その誘導体等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、ジアセ
卜ンメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスル
ホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチ
ルアミンおよびその塩と4級塩、N−メチロールメタク
リルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導
体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエー
テル、ベンジルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩
化アリル等のアリル化合物、マレイン酸およびその塩と
エステル、イタコン酸およびその塩とエステル、ビニル
トリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イソ
プロペニル等である。
【0035】これらのコモノマーの使用量は、本発明を
阻害しない範囲であれば特に限定されないが、通常0〜
15モル%であり、好ましくは0〜10モル%である。
【0036】ビニルエステル系重合体中の適当量のビニ
ルエステル単位をけん化することにより、重合体中に水
酸基を導入することができる。前駆重合体Bのけん化度
は、前駆重合体Aと前駆重合体Bとの反応比率などによ
って適宜選ばれるが、通常は0.1〜50モル%であ
り、好ましくは0.5〜40モル%の範囲である。ここ
で、けん化度はビニルエステル系重合体のけん化により
ビニルアルコール単位に変換され得る単位に対する、け
ん化後のビニルアルコール単位の割合を表したものであ
り、残基はビニルエステル単位である。なお、前駆重合
体Bとしてビニルエステル系重合体を使用する場合に
は、前駆重合体Aと前駆重合体Bとを反応させた後、必
要に応じて、さらにけん化反応を行うことにより、けん
化度を70モル%以上、好ましくは80モル%以上、さ
らに好ましくは90モル%以上に調整することもでき
る。
【0037】本発明で使用されるビニルエステル系重合
体のけん化物の数平均分子量は、最終的に得られる重合
体が使用される用途によって適宜選ばれるが、通常は数
平均分子量で100〜1000000以上、好ましくは
500〜500000の範囲である。該ビニルエステル
系重合体のけん化物の重合度は、最終的に得られる重合
体の用途によって適宜選ばれるが、300以上、好まし
くは500以上、さらに好ましくは1000以上であ
り、水溶液の粘度、成膜性や延伸等の加工特性の点から
は30000以下である。ここで、重合度はJIS K
−6726に基づき測定された粘度平均重合度である。
【0038】カチオン重合可能なモノマーをカチオン重
合して得られた末端に活性点を有する前駆重合体Aと水
酸基を含有する前駆重合体Bとを反応させる際に、末端
に活性点を有する前駆重合体Aに対して重合反応停止剤
として作用する水酸基を含有する前駆重合体Bを添加す
る方法としては、前駆重合体Aが前駆重合体Bに対して
効率よく反応(ブロック化反応、グラフト化反応など)
する条件であれば特に限定は無い。例えば、前駆重合体
Aの原料であるカチオン重合性のモノマーに前駆重合体
Bを溶解させるか、あるいは有機溶剤を用いてカチオン
重合を行う場合には該有機溶剤に前駆重合体Bを溶解さ
せた後、カチオン重合反応を行うことにより、前駆重合
体Aを合成するとほぼ同時に前駆重合体Bと反応させる
方法が挙げられる。また、バルク重合や有機溶剤を用い
たカチオン重合の重合反応途中あるいは重合反応終了後
に、有機溶剤に溶解した前駆重合体Bを添加する方法が
挙げられる。前駆重合体Bを添加する方法としては、前
駆重合体Aを得るためのカチオン重合の重合反応途中あ
るいは重合反応終了後に、フィルム、シート、繊維、チ
ューブ等の適当な形状を有する前駆重合体Bの成形品を
該重合反応系に添加することにより、前駆重合体Bの成
形品の表面に選択的に前駆重合体Aをブロック化あるい
はグラフト化することも可能である。
【0039】前駆重合体Bに対する前駆重合体Aの反応
効率を向上させ、かつ、最終的に得られる重合体中に未
反応の前駆重合体Bや前駆重合体Aの混入を避けるため
には、前駆重合体Aの重合を適当な有機溶剤中で行い、
所望の分子量や構造になるようにリビングカチオン重合
を行った後、有機溶剤に溶解した前駆重合体Bを停止剤
として添加する方法が好ましい。
【0040】前駆重合体Bを有機溶剤に溶解して添加す
る場合に使用される有機溶媒としては、前駆重合体Bを
効率よく溶解する溶剤であれば特に限定されない。例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
溶媒;プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソ
オクタン、デカン、ヘキサデカン、イソペンタン、n−
ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化エチレン、塩化
メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒;テ
トラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエ
ーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジエチ
ルエーテル等のエーテル類溶媒、あるいはジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、必要に応じ
て、単独または2種類以上の組み合わせで用いられる。
前駆重合体Aと前駆重合体Bとの反応効率を向上させる
ためには、前駆重合体Bを添加する際に反応系が不均一
にならないような有機溶剤の組み合わせを選択するのが
好ましい。さらに、前駆重合体Aを合成するカチオン重
合を行う際に使用する有機溶剤と同一の溶剤を用いるの
が特に好ましい。
【0041】前駆重合体Bを添加する温度としては、通
常0℃〜150℃の範囲内が好ましく、20℃〜80℃
の範囲内がより好ましい。前駆重合体Aと前駆重合体B
の反応時間は、前駆重合体Aの種類や分子量、前駆重合
体Bの種類や分子量、有機溶媒の種類、反応温度等によ
り異なるが、通常10分〜100時間の範囲である。
【0042】前駆重合体Bとして、けん化度の高いビニ
ルエステル系重合体のけん化物を使用する場合には、一
般に有機溶剤に溶解しにくいか、仮に溶解したとしても
溶液粘度が高くなるため、前駆重合体Aとの反応を効率
よく進めるのが困難な場合がある。このような場合に
は、有機溶剤への溶解性が十分でかつ水酸基の導入量が
十分な程度のけん化度までに、けん化反応を留めたもの
を前駆重合体Bとして用い、前駆重合体Aとの反応後、
必要に応じて再度けん化反応を行うことも可能である。
この時、前駆重合体Aと反応させる際の、前駆重合体B
のけん化度としては、通常は0.1〜50モル%であ
り、0.5〜40モル%が好ましく、1〜30モル%が
より好ましく、1〜25モル%が特に好ましい。最終的
に得られる重合体(ジブロックポリマー、トリブロック
ポリマーあるいはグラフトポリマー)中の重合体ユニッ
トBのけん化度は、ポリビニルアルコール系重合体の場
合には70モル%以上が好ましく、80モル%以上がよ
り好ましく、90モル%以上が特に好ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0044】実施例1 三方活栓を取り付けたガラス容器を窒素置換した後、窒
素ガス雰囲気下で加熱することにより、ガラス容器内の
吸着水を除去した。容器内に2−メトキシエチルビニル
エーテル0.38モル(以下、Mと略記する。)、酢酸
エチル1.0M、1−ブトキシエチルアセテート4.0
ミリモル(以下、mMと略記する。)及びトルエンを入
れ、系内温度が0℃に達したところで、Et1.5AlCl
1.5(20mM)のトルエン溶液を添加して重合を開始
した。1.8時間後、ポリ酢酸ビニルの部分けん化物
(重合度500、けん化度10モル%)の濃度10重量
%(以下、wt%と略記する。)のトルエン溶液を、ポ
リ酢酸ビニルの部分けん化物のOH基のモル数がEt1.5A
lCl1.5の2倍量(40mM)になるように添加して、重
合反応を停止した。重合反応停止剤として用いたポリ酢
酸ビニルの部分けん化物は、あらかじめ塩基等の不純物
を取り除いた後、ベンゼンを用いて凍結乾燥して脱水精
製したものを使用した。重合反応停止5分後にメタノー
ルを添加し、さらにジクロロメタンで溶液を希釈した
後、水洗して開始剤残渣を除去した。その後溶液を濃縮
し、減圧乾燥することにより生成したグラフトポリマー
を回収した。一方、グラフトポリマーの枝成分の分子量
を確認するため、ポリ酢酸ビニルの部分けん化物に代え
てメタノールを添加して重合反応を停止した。得られた
ポリ(2−メトキシエチルビニルエーテル)をGPC
(クロロホルム中、40℃で測定)測定したところ、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)は1.1であり、Mnは8000であっ
た。ポリ(2−メトキシエチルビニルエーテル)の生長
カチオンの重合反応停止剤へのグラフト化率は、グラフ
トポリマーのGPC測定結果及び抽出実験により調べ
た。その結果、上述の条件では、ポリ(2−メトキシエ
チルビニルエーテル)のホモポリマーは全く検出され
ず、定量的にグラフトポリマーが生成したことが確認さ
れた。また、グラフトポリマーの構造は、1H−NMR
により分析した。ポリ酢酸ビニルの部分けん化物の主鎖
メチレンに由来する1.6-1.9ppm、メチルに由来する2.1p
pm、主鎖メチンに由来する4.8-5.0ppmの吸収の他に、ポ
リ(2-メトキシエチルビニルエーテル)の主鎖メチレン
に由来する1.5-2.1ppm、メチルに由来する3.3ppm、側鎖
メチレンおよび主鎖メチンに由来する3.3-3.8ppmの吸収
があり、グラフトポリマーの構造が確認された。次に、
生成したグラフトポリマーのけん化反応を行い、幹ポリ
マーをポリビニルアルコールに変換させた。けん化反応
は、生成したグラフトポリマーを濃度10wt%になる
ようにメタノールに溶解させ、希水酸化ナトリウム水溶
液を少量滴下し、室温で一晩撹拌させた。生成物中の不
純物を過剰のメタノールに溶解させて除去した後、水に
溶解させた。その後、透析により水に溶解した不純物を
除去した。得られたグラフトポリマー中の幹成分である
ポリビニルアルコールユニットのけん化度を1H−NM
Rで測定したところ、98モル%であった。
【0045】実施例2 重合反応停止剤としてポリ酢酸ビニルの部分けん化物
(重合度190、けん化度10モル%)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にしてグラフトポリマーを合成し
た。枝成分であるポリ(2−メトキシエチルビニルエー
テル)をGPC測定したところ、Mw/Mnは1.1で
あり、Mnは8000であった。また、ポリ(2−メト
キシエチルビニルエーテル)の生長カチオンの重合反応
停止剤へのグラフト化率は、グラフトポリマーのGPC
測定結果及び抽出実験により調べた。その結果、上述の
条件では、ポリ(2-メトキシエチルビニルエーテル)の
ホモポリマーは全く検出されず、定量的にグラフトポリ
マーが生成したことが確認された。また、グラフトポリ
マーの構造も実施例1と同様にして確認した。次に、生
成したグラフトポリマーのけん化反応を実施例1と同様
に行い、幹ポリマーをポリビニルアルコールに変換させ
た。得られたグラフトポリマー中の幹成分であるポリビ
ニルアルコールユニットのけん化度を1H−NMRで測
定したところ、98モル%であった。
【0046】実施例3 重合反応停止剤としてポリ酢酸ビニルの部分けん化物
(重合度190、けん化度20モル%)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にしてグラフトポリマーを合成し
た。枝成分であるポリ(2−メトキシエチルビニルエー
テル)をGPC測定したところ、Mw/Mnは1.1で
あり、Mnは8000であった。また、ポリ(2−メト
キシエチルビニルエーテル)の生長カチオンの高分子停
止剤へのグラフト化率は、グラフトポリマーのGPC測
定結果及び抽出実験により調べた。その結果、上述の条
件では、ポリ(2-メトキシエチルビニルエーテル)のホ
モポリマーは全く検出されず、定量的にグラフトポリマ
ーが生成したことが確認された。また、グラフトポリマ
ーの構造も実施例1と同様にして確認した。次に、生成
したグラフトポリマーのけん化反応を実施例1と同様に
行い、幹ポリマーをポリビニルアルコールに変換させ
た。得られたグラフトポリマー中の幹成分であるポリビ
ニルアルコールユニットのけん化度を1H−NMRで測
定したところ、98モル%であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、少なくとも
2種類以上の重合体ユニットからなる重合体を効率的に
製造することが可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン重合可能なモノマーをカチオン
    重合して得られた末端に活性点を有する前駆重合体Aと
    水酸基を含有する前駆重合体Bとを反応させることを特
    徴とする前駆重合体Aに由来する重合体ユニットAおよ
    び前駆重合体Bに由来する重合体ユニットBからなる重
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前駆重合体Bが側鎖に水酸基を含有する
    前駆重合体であり、重合体ユニットAおよび重合体ユニ
    ットBからなる重合体が重合体ユニットBを幹成分と
    し、重合体ユニットAを枝成分とするグラフトポリマー
    であることを特徴とする請求項1記載の重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 重合体ユニットAの重量平均分子量(M
    w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が
    1.3以下であり、かつ数平均分子量(Mn)が500
    以上であることを特徴とする請求項1または2記載の重
    合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 カチオン重合可能なモノマーがビニルエ
    ーテルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前駆重合体Bがビニルエステル系重合体
    のけん化物であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ビニルエステル系重合体のけん化物がエ
    チレン/ビニルエステル共重合体のけん化物であること
    を特徴とする請求項5記載の重合体の製造方法。
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