JP2003514928A - イソブチレンコポリマーの製造 - Google Patents

イソブチレンコポリマーの製造

Info

Publication number
JP2003514928A
JP2003514928A JP2001538986A JP2001538986A JP2003514928A JP 2003514928 A JP2003514928 A JP 2003514928A JP 2001538986 A JP2001538986 A JP 2001538986A JP 2001538986 A JP2001538986 A JP 2001538986A JP 2003514928 A JP2003514928 A JP 2003514928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst system
reactor
polymerization
aluminum
aryl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001538986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003514928A5 (ja
Inventor
ウェブ、ロバート・エヌ
パワーズ、ケネス・ダブリュ
マクドナルド、マイケル・エフ
シャーツ、ラルフ・エイチ
Original Assignee
エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク filed Critical エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Publication of JP2003514928A publication Critical patent/JP2003514928A/ja
Publication of JP2003514928A5 publication Critical patent/JP2003514928A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/04Monomers containing three or four carbon atoms
    • C08F210/08Butenes
    • C08F210/10Isobutene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/005Friedel-Crafts catalysts in general
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/06Metallic compounds other than hydrides and other than metallo-organic compounds; Boron halide or aluminium halide complexes with organic compounds containing oxygen
    • C08F4/12Metallic compounds other than hydrides and other than metallo-organic compounds; Boron halide or aluminium halide complexes with organic compounds containing oxygen of boron, aluminium, gallium, indium, thallium or rare earths
    • C08F4/14Boron halides or aluminium halides; Complexes thereof with organic compounds containing oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/06Metallic compounds other than hydrides and other than metallo-organic compounds; Boron halide or aluminium halide complexes with organic compounds containing oxygen
    • C08F4/16Metallic compounds other than hydrides and other than metallo-organic compounds; Boron halide or aluminium halide complexes with organic compounds containing oxygen of silicon, germanium, tin, lead, titanium, zirconium or hafnium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/42Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors
    • C08F4/44Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides
    • C08F4/54Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides together with other compounds thereof

Abstract

(57)【要約】 本発明は、1種以上のイソオレフィンモノマー及び1種以上のp-アルキルスチレンモノマーのランダムコポリマーを製造するための新規な改良された触媒に関する。本発明は、また、改良された触媒系を使用するランダムコポリマーを製造するための改良された連続式スラリー重合方法に関する。この方法は、ルイス酸及び安定化開始剤と共に極性溶媒中のモノマーの混合物を含む無水重合系中において行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ゴム配合物中において有用なイソブチレンのコポリマーの改良され
た製造方法に関する。
【0002】 背景 イソブチレン−イソプレンポリマーは1930年代以来よく知られている。そ
れらは、良好な空気不透過性及び延伸されたか又は圧縮されたときの高水準の制
動を有する。これらのポリマーは、タイヤ及び製薬工業全体にわたって広く使用
されている。これらのコポリマーは、ルイス酸及び開始剤を含む触媒を使用して
約−95℃におけるカチオンスラリー重合法によって製造される。適するルイス
酸と開始剤は、Kennedy, J.P.及びMarechal, Eの“C
arbocationic Polymerization”, Kreige
r Publishing Company, 1991によって詳細に記載さ
れている。アルキルアルミニウム及び塩化アルミニウムのようなルイス酸は、実
験室の実験及び工業的規模の生産の両方において広く使用されている。水及び無
水のHClのような開始剤が広く使用されている。
【0003】 イソブチレン−p-メチルスチレン(IPMS)ポリマーもよく知られている
。それらは、同様な開始剤系を使用してイソブチレン−イソプレンポリマーと同
様な方法において製造され、そしてまたタイヤ及び製薬工業において使用される
。しかし、イソブチレン−イソプレンの共重合と比較して、IPMSの重合につ
いてはかなりの数の問題が存在し、そしてこれらの問題は、p-メチルスチレン
(PMS)コモノマーの濃度がより高いことにより悪化する。これらの問題は、
反応温度及びフラッシュガス(反応器液体組成)の不安定さ;ムーニー粘度制御
の不安定さ;モノマーの生成物への望ましい転化率よりも低い転化率;ゴムの付
着、特に反応器循環ポンプの周りのゴムの付着による、望ましいウォームアップ
速度よりも高いウォームアップ速度;スラリー濃度についての望ましい操作性限
度よりも低い操作性限度;同じ条件下でのより短い反応器ランレングス;同じ条
件下でのより高いスラリー粘度;及びパラメーターの制御に対する反応器のより
劣った及びより不安定な応答、が含まれる。これらの問題のために、歴史的に、
従来のイソブチレン−イソプレンコポリマーよりもIPMSコポリマーを製造す
ることのほうがずっとより難しく費用がかかっていた。現在、これらの望ましく
ないプロセスの特徴は、処理量、PMS含有率、又はこれら2つの組み合わせを
制限することによってなんとか取り扱われている。
【0004】 これらの複雑さの1つ以上の程度を低減し、それによって処理量及び/又はP
MS含有率に関する現在の制約を低減させる、IPMSコポリマーの製造方法を
有することは望ましい。
【0005】 発明の概要 本発明は、1種以上のイソオレフィンモノマー及び1種以上のp-アルキルス
チレンモノマーのランダムコポリマーを製造するための連続式スラリー重合法用
の新規な触媒系に関する。この方法は、ルイス酸及び安定化開始剤と共に極性溶
媒中にモノマーの混合物を含む無水重合系中において行われる。この重合系は、
安定化開始剤を使用する現場電子対供与体を形成することができる。本発明によ
る安定化開始剤は式:
【化3】 (式中、Rは、30個までの炭素原子を含むが、Rが少なくとも1つのオレ
フィン性不飽和を含む場合を除いて3個以上の炭素原子を含む、アルキル、アル
ケニル、アリール、アラルキル、又はアラルケニル基であり、 R及びRは、同じでも異なっていてもよく、30個までの炭素原子を含むア
ルキル、アリール、又はアラルキル基であり、 Xは、ハロゲン又はカルボキシル、ヒドロキシル、又はアルコキシル基であり、
好ましくはハロゲンであり、 nは正の自然数である)を有する。
【0006】 詳細な記載 本発明は、p-アルキルスチレンコモノマーを含むイソオレフィンコポリマー
の製造のための触媒系及び方法に関する。一般的にIPASコポリマー、そして
特にIPMSコポリマーの工業的スラリー重合のための多くの予測されない利点
をもたらす改良された触媒系と方法が見いだされた。本発明は、より高いPAS
含有率を有するイソオレフィン−p-アルキルスチレン(IPAS)コポリマー
、特に、より高いPMS含有率(例えば、10〜20重量%のPMS)を有する
イソブチレン−p-メチルスチレン(IPMS)コポリマー、の製造において特
に有用である。この新規な触媒系は、後でより詳細に説明される新規な安定化開
始剤と共にルイス酸を含む。
【0007】 以下の議論と例は広範な本発明の好ましい態様に焦点がおかれている。特に好
ましい態様において、製造されるコポリマーは、イソオレフィンとしてイソブチ
レン、そしてp−アルキルスチレンコモノマーとしてp−メチルスチレンを含む
。これらの好ましい態様の議論は、1種以上のイソオレフィン及び1種以上のp
-アルキルスチレン(PAS)モノマーのコポリマーに一般的に適用可能である
広範な本発明を限定するように解釈すべきではない。本明細書の記載が特定的で
あるのは、特定の好ましい態様を例示する目的のみのためであり、本発明をこれ
らの態様に限定するものとして解釈すべきではない。
【0008】 本発明によれば、本発明者らは、4乃至7個の炭素原子を有するイソモノオレ
フィン及びp-アルキルスチレンモノマーを共重合するための改良された重合系
を発見した。本発明の好ましい態様によれば、この方法は、約80乃至99.5
重量%のイソブチレンのようなイソオレフィン及び約0.5乃至20重量%のp
-メチルスチレンのようなp-アルキルスチレンを含むコポリマーを製造する。し
かし、ガラス状又はプラスチック物質が同様に製造されるもう1つの態様に従っ
て、コポリマーは、約10乃至99.5重量%のイソオレフィン、又はイソブチ
レン、及び約0.5乃至90重量%のp-アルキルスチレン、又はp-メチルスチ
レンを含む。
【0009】 本発明の重合系は、ルイス酸触媒、開始剤、及び極性溶媒の混合物を含有する
。共重合反応器は、触媒、開始剤、又はモノマーと錯体形成し得る不純物を実質
的に含まないように維持され、そして重合反応は、成長しているポリマー鎖の連
鎖移動及び停止を制限するか又は防ぐ条件下で行われる。無水条件が非常に好ま
しく、そして活性な水素原子を含む成分(水、アルコール等)のような反応性不
純物は、本技術分野において公知の技術によってモノマーと溶媒の両方から除去
されなければならない。
【0010】 重合反応温度は、目標のポリマー分子量及び重合されるべきモノマー、並びに
標準的なプロセスの変動要素及び経済的配慮、例えば、速度、温度制御、その他
、に基づいて簡便に選択される。重合のための温度は、ポリマー分子量に応じて
、−10℃と重合系の凍結点との間であり、好ましくは−25℃乃至−120℃
であり、より好ましくは−40℃乃至−100℃である。反応器圧力は、典型的
には約200kPa乃至約1600kPaであり、より典型的には約300kP
a乃至約1200kPaであり、そして好ましくは約400kPa乃至約100
0kPaである。水分の凝縮を防ぐために、反応は、乾燥不活性ガス雰囲気下、
好ましくは二酸化炭素又は窒素ガス下で、又は液体シールを用いて、行われなけ
ればならない。
【0011】 イソモノオレフィン及びPAS、特にイソブチレン及びPMSは、カチオン条
件下で容易に共重合される。共重合はルイス酸触媒によって行われる。本発明に
よる方法に適するルイス酸触媒(フリーデル・クラフツ触媒を含む)には、従っ
て、劣った特性を有するゲル含有ポリマーをもたらす枝分れ及び架橋の生成をも
たらし得るアルキル化移動及び副反応を促進する傾向が最小である、良好な重合
活性を示す触媒が含まれる。好ましい触媒は、硼素、アルミニウム、ガリウム、
インジウム、チタン、ジルコニウム、錫、バナジウム、砒素、アンチモン、及び
ビスマスを含む、元素の周期表の第IIIa、IV及びV族からの金属に基づく
ルイス酸である。好ましい金属はアルミニウム、硼素、及びチタンであり、アル
ミニウムが最も好ましい。本発明の方法の実施において、より弱い酸が好ましい
。なぜならば、それらはより少ないアルキル化と枝分れ及びより高いモノマー転
化速度をもたらすからである。
【0012】 第IIIa族ルイス酸は一般式RMX(式中、Mは第IIIa族金属であ
り、Rは、C乃至C12のアルキル、アリール、アルキルアリール、アリール
アルキル、及びシクロアルキル基から成る群から選択される1価の炭化水素基で
あり、m及びpは0乃至3の整数であり、Xは、弗素、塩素、臭素、及び沃素か
ら成る群から独立して選択されるハロゲンであり、好ましくは塩素であり、そし
てmとpの合計は3に等しい)を有する。非限定的な例は、塩化アルミニウム、
臭化アルミニウム、三弗化硼素、三塩化硼素、エチルアルミニウムジクロリド(
EtAlCl又はEADC)、ジエチルアルミニウムクロリド(EtAlC
l又はDEAC)、エチルアルミニウムセスキクロリド(Et1.5AlCl .5 又はEASC)、トリメチルアルミニウム、及びトリエチルアルミニウムを
含む。
【0013】 第IV族ルイス酸は一般式MX(式中、Mは第IV族金属であり、そしてX
は配位子であり、好ましくはハロゲンである)を有する。非限定的な例は、四塩
化チタン、四塩化ジルコニウム、又は四塩化錫を含む。
【0014】 第V族ルイス酸は一般式MX(式中、Mは第V族金属であり、Xは配位子で
あり、好ましくはハロゲンであり、そしてyは3乃至5の整数である)を有する
。非限定的な例は、四塩化バナジウム及び五弗化アンチモンを含む。
【0015】 特に好ましいルイス酸は、AlCl、EADC、EASC、DEAC、BF 、TiCl等を含む、イソブチレンコポリマーのカチオン重合において有用
なもののいずれかでよく、EASC及びEADCが特に好ましい。
【0016】 反応器中の触媒効率(ルイス酸に基づく)は、ルイス酸の、安定化開始剤に対
するモル比を制御することによって、10000ポンド ポリマー/ポンド 触
媒と300ポンド ポリマー/ポンド 触媒の間、そして好ましくは4000ポ
ンド ポリマー/ポンド 触媒乃至1000ポンド ポリマー/ポンド 触媒の
範囲内に維持される。
【0017】 本発明によれば、ルイス酸触媒は安定化開始剤と組み合わせて使用される。安
定化開始剤(その中で2−クロロ−2,4,4−トリメチル−ペンタン(TMP
Cl)は好ましい例である)は、低温の塩化メチル又はその他の適する溶媒中で
選択されたルイス酸と予備錯体形成して、反応器中において成長性のポリマー鎖
を直接的に形成するカルベニウムイオン対と平衡である安定な錯体を生じること
ができる開始剤である。これらの開始剤は、イソブチレンコポリマーの工業的カ
チオンスラリー重合において従来から使用されている触媒系の多くの極性錯体と
非成長性のイオン対特性を含む遅くて段階的な開始反応と対照的に、反応器中に
おいて重合の迅速で単純な開始反応を生じる。この重合系は、式: (式中、Rは、30個までの炭素原子を含むが、Rが少なくとも1つのオレ
フィン性不飽和を含む場合を除いて3個以上の炭素原子を含む、アルキル、アル
ケニル、アリール、アラルキル、又はアラルケニル基であり、 R及びRは、同じでも異なっていてもよく、30個までの炭素原子を含むア
ルキル、アリール、又はアラルキル基であり、 Xは、ハロゲン又はカルボキシル、ヒドロキシル、又はアルコキシル基であり、
好ましくは弗素、塩素、臭素、及び沃素から選択されるハロゲンであり、最も好
ましくは塩素であり、 nは正の自然数である)を有する安定化開始剤を使用して現場電子対供与体を形
成することができる。
【0018】 多官能性開始剤(n>2)は、枝分れコポリマーの製造が望ましい場合に使用
され、一方、単官能性及び二官能性開始剤は実質的に線状のコポリマーの製造に
好ましい。
【0019】 前に示したように、本発明に包含されるタイプの開始剤は、連続式スラリー重
合法においてモノマーの共重合を促進するためにルイス酸の添加時に現場電子対
供与体を製造する第三エステル又は第三エーテルでよい。適する開始剤は、炭化
水素酸のクミルエステル、及びアルキルクミルエーテルである。代表的開始剤は
、例えば、2−アセチル−2−フェニルプロパン、即ち、酢酸クミル;2−メト
キシ−2−フェニルプロパン、即ち、クミルメチル−エーテル;1,4−ジ(2
−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、即ち、ジ(クミルメチルエーテル);ク
ミルハロゲン化物、特に塩化物、即ち、2−クロロ−2−フェニルプロパン、即
ち、塩化クミル;1,4−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、即ち、ジ
(塩化クミル);1,3,5−トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、即
ち、トリ(塩化クミル);脂肪族ハロゲン化物、特に塩化物、即ち、2−クロロ
−2,4,4−トリメチルペンタン、2,6−ジクロロ−2,4,4,6−テト
ラメチルヘプタン;1,4−ジ((2−ヒドロキシル−2−プロピル)−ベンゼ
ン)及び2,6−ジヒドロキシル−2,4,4,6−テトラメチル−ヘプタンの
ようなクミル及び脂肪族のヒドロキシル、及び類似の化合物のような化合物を含
む。これらの安定化開始剤は、一般的に、第三又はアリルアルキル又はベンジル
ハロゲン化物であり、そして多官能性開始剤を含んでもよい。これらの安定化開
始剤の好ましい例は、TMPCl、TMPBr、塩化クミル、並びにジ−及びト
リ−の塩化クミル又は臭化クミルを含む。
【0020】 選択された溶媒又は溶媒混合物は、重合を適切な速度で進行させるために、あ
る程度の極性を有する溶媒媒体を提供しなければならない。この要件を満たすた
めに、非極性及び極性の溶媒の混合物を使用できるが、1つの極性溶媒又は極性
溶媒の混合物が好ましい。適する非極性溶媒成分には炭化水素が含まれ、そして
好ましくは芳香族又は環式炭化水素又はそれらの混合物を含む。そのような化合
物には、例えば、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、二硫化炭
素等が含まれる。適切な極性溶媒には、ハロゲン化炭化水素、ノルマル、枝分れ
鎖又は環式炭化水素が含まれる。具体的化合物には、塩化エチル、塩化メチレン
、塩化メチル、CHCl、CCl、塩化n−ブチル、クロロベンゼン、及び
その他の塩素化炭化水素のような好ましい液体溶媒が含まれる。塩化メチルは格
別の結果を生じ、従って特に好ましい。適切な極性と溶解度を達成するために、
溶媒又は希釈剤が混合される場合、混合物が体積基準で少なくとも70%の極性
溶媒を有するのが好ましいことが判明した。
【0021】 通常の場合、生成物の分子量は、反応時間、温度、濃度、反応体の性質、及び
類似の要因によって決定される。従って、異なる反応条件は異なる生成物を製造
する。従って、望ましい反応生成物の合成は、反応中に周期的に採取された試料
の検査、即ち、本技術分野において広く使用され実施例中に示されている技術に
よって、または連続式反応器の流出物のサンプリングによって、反応の経過をモ
ニタリングすることによって達成される。
【0022】 本発明の実施において使用できる反応器には、回分式反応器、撹拌タンク反応
器、流動床反応器、及び連続タンク又は管状反応器等のような従来の反応器及び
それらの同等物を含まれる。反応器は、望ましい特性を有する十分量のポリマー
が製造されるようにモノマー含有供給物流れの重合を触媒するのに有効な本発明
の触媒系の十分量を含む。反応条件は、反応媒体を液体状態に維持し、そして特
性を有する望ましいポリマーを製造するのに有効な、十分な温度、圧力、及び滞
留時間が維持されるような条件である。
【0023】 典型的には、使用される触媒(ルイス酸)のモノマーに対する比率は、カルボ
カチオン重合法に関して本技術分野における従来のものである。例えば、触媒対
モノマーのモル比は、典型的には、約1/60,000乃至約1/50であり、
より典型的には約1/10,000乃至約1/100であり、そして好ましくは
1/2000乃至約1/200である。このモル比は、ルイス酸触媒中のルイス
酸触媒部位の数を決定することによって計算される。これは、元素分析、核磁気
共鳴(NMR)分光分析(例えば、アルミニウムNMR)、及び吸収分光分析の
ような従来の分析試験技術を使用することによって行うことができる。触媒1単
位当たりのルイス酸部位の数が分かれば、モル比は従来の方法で計算される。
【0024】 ルイス酸対安定化開始剤の好ましいモル比は20/1乃至1/1の範囲内であ
り、より好ましくは10/1乃至2/1の範囲内である。
【0025】 モノマー供給物流れは、好ましくは実質的に無水であり、即ち、重量で、50
ppm未満、そしてより好ましくは約30ppm未満、そして最も好ましくは約
10ppm未満の水しか含まない。そのような低濃度の水は、供給物流れを、反
応器の前に、水吸収剤(NaH、CaCl、CaSO、モレキュラーシーブ
、アルミナ等のようなもの)と接触させることにより、又は蒸留乾燥の使用によ
って得ることができる。
【0026】 モノマー供給物流れは、典型的には、重合条件下において不利に触媒と反応性
である不純物を実質的に含まない。例えば、モノマー供給物は、好ましくは、塩
基(例えば、苛性アルカリ)、硫黄含有化合物(例えば、HS、COS、及び
有機メルカプタン、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン)、N含
有化合物、アルコール等のような酸素含有塩基を実質的に含むべきではない。
【0027】 モノマー供給物、触媒、助触媒(存在する場合)、及び溶媒の接触の順番は本
発明に対して重要ではない。好ましくは、安定化開始剤とルイス酸は、標準的方
法における触媒ノズルを通しての連続式反応器への注入の直前に、低温の塩化メ
チル又はその他の適する低温の極性溶媒中において一緒に混合することによって
予め錯体形成される。
【0028】 安定化開始剤及びルイス酸を、反応器への注入の前に、−50℃乃至−98℃
の温度において低温の塩化メチル中において、0.5秒乃至数時間、好ましくは
1秒乃至5分の接触時間で、一緒に混合することによって予め錯体形成する。
【0029】 反応器中の全体的滞留時間は、例えば、触媒の活性及び濃度、モノマー濃度、
反応温度、及び望ましい分子量に応じて変化させることができ、そして一般的に
は約1分乃至5時間、好ましくは約10分乃至60分である。滞留時間をコント
ロールする主要な変動要素はモノマー供給物希釈剤速度である。
【0030】 この新規な触媒系及び方法は、一般的にIPASコポリマー、そして特にIP
MSコポリマーの、工業的スラリー重合に対して多くの予測されない利点を提供
する。EASCのようなアルキルアルミニウム及びTMPCl開始剤を含有する
この新規な触媒系は、以前に使用された確立された商業的触媒系を使用してIP
MSエラストマーを製造するための以前の試みにおける上で列挙した問題を大幅
に軽減するか又は完全に克服することが予測外にも示された。この新規な触媒を
使用して得られる改良は、実験室のスラリー重合及び工業的プラント規模の試験
の両方において示された。
【0031】 イソブチレンとp−メチルスチレンのコポリマーが見出され(米国特許第5,
162,445号)、そして10年以上の間開発され続けている。これらの比較
的新しいイソブチレンに基づくコポリマーは、従来のブチルゴム(イソブチレン
/イソプレンのような、イソブチレン/ジエンコポリマー)より優れた多くの利
点を有し、このことはそれらを広範囲の用途において有用かつ望ましいものにし
ている。それらは従来のブチルゴムの低い透過性及び高い制動特性を保持してい
るが、ブチルゴム中に存在する主鎖の不飽和が存在していないため、IPMSエ
ラストマーは顕著な耐オゾン性を有する。鎖につながれた芳香族環の存在と結び
付けられた主鎖の不飽和の不存在は、また、大幅に改良された老化及び環境抵抗
を付与し、そのためそれらは、ほとんどのその他のエラストマーよりも、より極
端な条件下においてそしてより厳しい環境中において有用である。鎖につながれ
た芳香族環もまた、その他のイソブチレンに基づくエラストマーと比較して、紫
外線による劣化に対して大幅に改良された抵抗性を付与する。
【0032】 IPMSコポリマーは、多くの望ましい特性を有し、そして多くの用途におい
て有用にそして有利に使用できるかもしれないが、様々なIPMSコポリマーの
工業的製造は多くの難問を提示し、そのため従来はこれらのコポリマーは従来の
ブチルゴムの製造において使用される条件よりもはるかによりコストがかかりそ
して難しい条件下で製造されなければならなかった。問題は、重合反応器の制御
と汚れ、そしてコポリマー中の未転化のPMSの除去と処理に集中した。これら
の問題は、コポリマー中のPMS濃度が増加するにつれて大幅に悪化することが
判明した。例えば、10〜15重量%のPMSを含有するIPMSコポリマーは
タイヤのサイドウォールのような特定の大体積用途において改良された性能を与
えることが示されたとしても、これらのポリマーを商業的な量で生産する試みは
非実際的であるか又は非経済的であった。
【0033】 IPMSコポリマーを製造する反応器中の多量の汚れ(mass fouli
ng)は、特に反応器循環ポンプの周りにおいて、従来のブチルを製造する反応
器におけるよりもずっとより甚だしいことが判明した。この汚れの速度は、PM
S濃度が上昇するか及び/又は供給物中の炭化水素の濃度及び反応器中のスラリ
ー濃度(反応器中のポリマーの重量/反応器中の液体とポリマーの合計重量)が
上昇するにつれて、次第に悪くなる。汚れの速度は、又、生産速度及び反応器へ
の熱負荷が増えるにつれて、増加する。汚れが進行するにつれて、反応器の循環
そして従って反応器から熱を除去する能力が低減する。ある点において、熱を除
去する能力は、清掃のために使用からの反応器の取り外しが必要となるのに十分
な量まで減少してしまう。通常のプラントの操作において、生成物を製造する反
応器と清掃のために使用から取り外された反応器との間のローテーション順序が
存在する。従って、生産中の反応器中の汚れ速度は、それ以外の反応器を清掃す
るための時間を与えるのに十分な程度まで低減されなければならない。過度の汚
れ速度は、供給物中の炭化水素の濃度及びスラリー濃度及び/又は生産速度及び
熱負荷の低減のような非経済的段階によって相殺されなければならない。通常、
ブチルゴムは、許容可能な反応器のランレングスで、約28〜30%のスラリー
濃度及び6〜7klb./時以上の反応器生産速度で製造され得る。
【0034】 対照的に、5重量%未満のPMSを含有するIPMSコポリマーを製造する同
様な反応器及び触媒系は、許容可能な反応器ランレングスを達成するために、1
8%未満のスラリー濃度及び5klb./時未満の生産速度に制限された。許容
可能なスラリー濃度と生産速度は、PMS含有率が増加するにつれて、低減し続
け、最終的には、不可能な運転条件とまではいかなくても不適切な運転条件をも
たらす。
【0035】 さらに、従来のブチルプロセスは容易に安定化されるが、IPMSプロセスに
おける制御不能な反応器フラッシュガスの循環と反応器温度は、しばしば、望ま
しい仕様に適合せず、そしてより高い生産コストの製品をもたらす。
【0036】 触媒系をEASCのようなルイス酸と組み合わされたTMPClのような安定
化開始剤に変えることによって、(10〜20重量%のような、比較的高いPM
S含有率においてさえ)IPMSコポリマーの製造中の優れた安定な反応器制御
の達成が可能になり、そして許容可能なランレングスが、ずっとより高い供給物
炭化水素及びスラリー濃度及びより高い生産速度で、仕様をはずれた生産をほと
んどともなうことなく達成できるように多量の汚れの速度を低減させ、そのため
生産コストを大幅に低減させることができることが見出された。この新規な触媒
は又、より少ない量の未転化のPMSを伴って、より高い転化率での生産を可能
にし、そしてそのために未転化のPMSに関連する問題を緩和する。
【0037】 本発明の範囲を限定するものではないが、本発明の方法の利益の多くが安定化
開始剤の使用から得られると考えられる。これらの開始剤は、従来の開始剤が使
用されたときに形成される中間体の分極した錯体及び非成長性イオン対の全てと
はいかないまでもほとんどを排除することによってずっとより単純にそしてより
速い開始を促進すると考えられる。
【0038】 特に好ましい態様において、TMPClは、イソブチレン二量体を塩化メチル
中に溶解し、そしてその後無水HClを添加して塩化アルキルを形成することに
よって製造される。過剰のHClはその後窒素によってパージされ、そして塩化
メチル中のTMPClの得られた溶液は、IPMSポリマーを製造するための連
続式プラント中において開始剤流れとして使用される。工業的タイプのプロセス
において、TMPCl流れは低温の塩化メチル流れ及びアルキルアルミニウム流
れと混合されて触媒系を形成する。この流れはその後撹拌タンクブチル型反応器
に注入されて、以前に可能であったものよりもずっとより制御可能で経済的な条
件下でIPMSエラストマーの重合を開始する。
【0039】 EASCのようなルイス酸と組み合わされたTMPClのような安定化開始剤
を含む本発明の触媒系は、必要とされる複数の開始工程の連続及び中間体の会合
した極性錯体及び非成長性のイオン対の全てを除去して、荷電粒子によって生じ
る電気粘性効果を大幅に低減させ、そして開始プロセスを大幅にスピードアップ
する。TMPCl/EASC触媒系の場合、最終の開始錯体は反応器に直接供給
され、そして連鎖成長性のイオン対が直接的に形成する。従って、本発明の触媒
系は、観察されるより低いスラリー粘度をもたらし、そしてより高い供給物のH
C濃度及びスラリー濃度での反応器の運転を可能にする。
【0040】 ブチル型反応器は反応器滞留時間スケールにおいて十分に混合された撹拌タン
クとして考えられ得るが、それらはポンプで囲まれた熱交換器であり、供給物が
導入されるポンプの下及び触媒流れが注入されるノズルの周り(通常はボトムヘ
ッドの側部上)には均一な領域は存在しない。ポンプの下のモノマーに富んだ領
域は、反応器中の定常状態のモノマー濃度が1%未満であり得るのに対して供給
物は40%のような高いモノマー濃度で導入され得るので、特に面倒である。ブ
チル反応器中の高い循環速度及び良好な混合を達成するために行われるかなりの
努力にもかかわらず、入ってくる濃厚な供給物を反応器の定常状態条件まで希釈
するのにある程度の時間が依然としてかかり、そして全ての速度過程がこのモノ
マーに富んだ領域においてずっとより速い可能性がある。反応器全体にわたって
均一な錯体形成、開始速度及び重合速度を達成しそして維持するのが望ましく、
そして特に供給物入口の周りのモノマーに富んだ領域において過剰のそして速す
ぎる反応を防ぐのが望ましい。そのような領域における速すぎる反応は、多量の
汚れが生じ得る高温の領域を生じさせる。この状況は、ブチル反応器中において
は回避しそして制御するのがずっと簡単である。なぜならば、供給物が、供給物
に富んだ領域において開始速度及び重合反応速度を遅くしそして緩和する遅延剤
(イソプレン)を含んでいるからである。IPMSエラストマー反応器中におい
ては、供給物は緩和コモノマーではなくむしろ加速コモノマーを含んでいるので
、ポンプの周りの多量の汚れは回避したり制御するのがずっとより困難である。
通常の触媒系(HCl/AlCl、HCl/EADC等)を使用した場合、段
階的な開始反応の全てがこのモノマーに富んだ領域においてより速く起こり、そ
してそのため多くの開始反応が生じる領域になり、そしてまた分極した錯体及び
イオン対に富んだ領域であるため電気粘性効果が高い領域でもある。高い粘度と
高い速度のこの組み合わせは、この領域における迅速な多量の汚れをもたらし、
そして供給物の炭化水素濃度及びIPMS反応器中のスラリー濃度の低減を必要
にさせる。
【0041】 これらの問題は、PMSコモノマー濃度が増加するにつれて増幅される。なぜ
ならば、スチレン系モノマーは、オレフィン系モノマーよりも、ルイス酸とより
速くそしてより強く錯体形成するからである(それらはより良好な塩基、即ち、
電子供与体である)。PMSについての特別の問題は、それが本来少量のm−メ
チルスチレン(MMS)を不純物として含むことである。少量のMMSでさえ、
非成長性のインダニルイオン対の形成によって連鎖停止反応をもたらす。本発明
の方法及び触媒は、より高い重合効率において、より低いPMS濃度を可能にす
るので、より少ないMMSしか重合媒体に導入させないことによって、望ましく
ない連鎖停止反応の可能性を低減させる。
【0042】 新規なTMPCl/ルイス酸触媒系はこの問題を大幅に緩和し、そして開始反
応を供給物に富んだ領域から遠ざける。なぜならば、開始錯体(及びそれと平衡
状態にある連鎖成長性イオン対)が反応器中に直接、導入され、そして供給物に
富んだ領域において優先的に形成する必要がないからである。本発明による触媒
系はその後、反応器全体にわたり、より望ましい均一な開始反応及び重合反応を
もたらし、そしてポンプの周りの濃厚な供給物の領域における多量の汚れの速度
を大幅に緩和する。多量の汚れの速度のこの低減は、許容可能なランレングスを
依然として維持しながら供給物の炭化水素及びスラリーの濃度を上げることを可
能にし、従って、IPMS反応器を、より好ましいかつ経済的な条件下で運転で
きるようにする。
【0043】 本発明の触媒系は、また、変動する反応器フラッシュガス及び温度によって特
徴付けられる反応器制御の問題を大幅に改良する。過去においてこの不安定さは
、より高いPMS含有率を有するIPMSポリマーの製造を非常に難しくし、そ
して許容できないほど多量の、望ましい仕様からはずれた特性を有する生成物を
もたらしていた。
【0044】 本発明の範囲を限定するものではないが、この新規な触媒系は、従来の触媒系
では成長性のイオン対の形成の前に必要な連続的化学反応を省くことによって、
開始反応のプロセスを大幅に簡略化し、そして加速したと考えられる。開始反応
が本発明の触媒系によるため迅速でかつ単純であるとき、反応器の操作はより制
御可能である。TMPCl/ルイス酸触媒系が使用された場合、反応器は触媒割
合の変化に迅速に応答するので、標準的反応器コンピューター制御システムが、
フラッシュガスの移動を速やかに修正しそして安定な反応器制御を維持すること
ができる。
【0045】 さらに、従来の複雑な複数の開始工程の連続を使用した場合、含まれる錯体と
イオン対の平衡の全てが温度と、モノマーの比率(即ち、特に、PMSとその固
有の不純物であるm−メチルスチレン(MMS)の比率)の変化に対して感受性
を有するため、反応器温度又はフラッシュガスのあらゆる混乱は全てのこれらの
平衡に影響し、変化を増幅した。従って、触媒速度の変化に対する反応器の応答
は典型的には遅く、そして温度及び複数の開始段階における様々な中間平衡がど
のように影響されたかによって一貫せず、許容可能な水準のコンピューター制御
を達成するのに失敗した(即ち、触媒速度の変化に対する反応器の応答は、検出
も制御もできないプロセスの変動要素の結果として、時間によって異なった)。
【0046】 さらに、反応器の多量の汚れの迅速な速度のために、汚れた反応器をもう1つ
の汚れた反応器と交換するために生産へ戻さなければならなくなる前の利用可能
な時間内に清掃と補修を行えるようにするための必要なランレングスを達成する
ために、反応器を非常に低いスラリー濃度と熱負荷において運転しなければなら
なかった。反応器の熱負荷を、反応器の重合温度が、反応器の炭化水素濃度に依
存する凍結フィルム温度(frozen film temperature)
であったほど低くする必要があった。反応器重合温度が低い熱負荷において凍結
フィルム温度によって左右されるという事実は、従来の触媒系が上昇する温度に
よって強く活性化されたという事実と共に、典型的には反応器のフラッシュガス
と温度において制御不能なサイクルをもたらした。これらのサイクルは通常、不
可能とまではいかないとしても、不満足なコンピューター制御を有する、不安定
な変動をする態様でIPM反応器を操作させ、望ましい仕様を満たさない生成物
の製造をもたらした。
【0047】 本発明の触媒系はこの反応器の制御の不安定さを大幅に改良するか又は完全に
除去した。新規な本触媒系では反応器は触媒速度変化に迅速に応答するので、小
さい混乱が容易に修正される。さらに、低減された汚れ速度のために、反応器の
熱負荷を増加させることができる。この結果、反応器の温度は、反応器の炭化水
素濃度の関数として連続的に変化する凍結フィルム温度によって制御される代わ
りに、熱負荷と熱伝達係数(即ち、反応器の熱除去系と反応器の重合温度との間
の必要とされる温度差)によって制御される。従って、安定な反応器のフラッシ
ュガス及び温度、並びに望ましい仕様の範囲内の特性を有する均一なIPMSコ
ポリマーを、10〜20重量%のPMS含有率においてさえ、TMPCl/EA
SC触媒系を使用して生じさせることができる。
【0048】 従来の触媒系との比較において本発明の触媒系のもう1つの利点は、転化率の
かなりの上昇である。本発明の触媒系は、従来、可能であったものよりも、反応
器中においてより低い定常状態の炭化水素濃度において望ましい分子量のIPM
Sコポリマーの製造を可能にし、従って、ポリマー中に残存する未転化のPMS
モノマーに関連する問題を緩和する。
【0049】 本発明の触媒系によって転化率が改良される理由は明らかではないが、推測す
ることはできる。IPMS重合における最も重要な停止反応の1つが、非成長性
のインダニルカルベニウムイオンを形成する閉環を伴う新しいモノマー単位が成
長しているスチレニルカルベニウムイオン連鎖末端(p−メチルスチレニル又は
特にm−メチルスチレニルカルベニウムイオン)に付加するときの鎖につながれ
た芳香族環上における「後部つかみ(back bite)」傾向であることは
知られている。このインダニル環形成停止反応は、触媒のルイス酸度が低減され
るにつれて、有利でなくなる。従って、所定の組み合わせの条件下におけるコポ
リマーの分子量は、酸度、即ち、アルキル化触媒として作用する有効性、が下が
るにつれて上昇する傾向を有する。従って、低減された酸度は、望ましい分子量
を生じるためのより高い転化率における運転を可能にする。従来から使用されて
いたHCl/ルイス酸触媒系は、TMPCl/EASC触媒系よりも、より酸性
である。従って、本発明による触媒系は、より高い転化率での運転を可能にし、
未反応のPMSに関連する問題を緩和する。
【0050】 本発明による触媒を使用する改良された転化率についてのもう1つの理由は、
安定化開始剤が、IPMS重合において使用される従来の触媒系よりも、連鎖移
動活動をより少なくしか促進しないということである。全ての開始剤は連鎖移動
剤としても作用して、ポリマー分子量を低減させる傾向をある程度有する。強力
な(即ち、迅速な)開始剤であり、かつ劣った連鎖移動剤である開始剤は、より
高い分子量の生成物を製造する。従来の触媒系の場合に必要とされた段階的な開
始反応の連続は、反応器中に同時に存在する多くの移動剤(即ち、HCl、tB
uCl、TMPCl)をもたらした。従って、従来の方法は、典型的には、本発
明の方法よりも低い分子量の生成物を生成する。TMPCl/ルイス酸触媒系は
中間体移動剤を排除する。なぜならば、成長するイオン対が直接、形成され、そ
れがいずれかの組み合わせの条件下において、より高い分子量を生じさせ、従っ
てモノマーの生成物へのより高い転化率における、そしてより高い分子量の生成
物をともなう共重合法の望ましい運転を可能にするからである。
【0051】 本発明のスラリー触媒系はまさに本来、測定可能量の連鎖停止剤を含む。即ち
、本発明の触媒系は非リビング系である。しかし、プロセス及び触媒系が、使用
されている触媒と錯体形成し得るか又はモノマーそのものと共重合し得る不純物
を最小量でしか含まないか又は実質的に含まないのが好ましい。痕跡量で存在し
ていたとしても、ポリマーの分子量そのものを減少させるか、分子量分布を広く
するか、又は極端な場合にはさらに重合を完全に妨害することによってカチオン
重合に悪影響を与える多数の種がこのように存在する。これらの連鎖停止剤は当
業者にはよく知られており、そしてそれらはルイス酸重合触媒又は成長している
カルベニウムイオン連鎖キャリヤーと反応するか又は錯体形成することによって
機能する。従って、それらは漠然と「毒」と呼ばれ、そしてそれらには、水、ア
ルコール、エーテル、カルボニル基含有化合物、アミン、アミド、ニトリル等の
ような窒素含有化合物、及びメルカプタン、チオエーテル等のような硫黄含有化
合物のような多数のルイス塩基が含まれる。これらの不純物又は毒には、ブテン
、シクロペンタジエン、α-ジイソブチレン、m−メチルスチレン等のような、
カチオン重合において停止剤又は移動剤として作用する多くのオレフィン系化合
物、並びにアリルハロゲン、第三ハロゲン、又はベンジルハロゲンのようなカチ
オン的に活性なハロゲンを含む種、及び塩基性酸化物が含まれる。
【0052】 不純物又は「毒」のこのリストはかなり広いので、カチオン重合法による高分
子量のポリマーの製造を可能にするように十分に純粋な物質を得るためには、一
般的に注意深いそして精巧な精製プロセスを行う必要がある。従って、本発明の
、均一で狭い分子量分布のコポリマー及び高分子量のコポリマーの製造において
は、p-アルキルスチレンが少なくとも95.0重量%の純度、そしてより好ま
しくは97.5重量%の純度、最も好ましくは99.5重量%の純度であり、イ
ソオレフィンが少なくとも99.5重量%の純度、そしてより好ましくは少なく
とも99.8重量%の純度であり、そして使用される希釈剤が少なくとも99重
量%の純度、そして好ましくは少なくとも99.8重量%の純度であるのが好ま
しい。再び、しかし、これらの好ましい数字に言及された「純度」とは、上述の
不純物又は毒が存在しないものとして理解され、従って、ずっとより多量の不活
性物質がその中に存在してもよい。従って、イソブチレンは約0.5%より多く
はそのような不純物又は毒を含んではならないが、より多量の、ブタン又は塩化
メチルのような不活性物質を含んでもよい。
【0053】 本発明の触媒系がプロトン掃去剤を実質的に含まないように、プロセス中にお
いて全てのプロトン掃去剤の存在を最小化又は排除するのも好ましい。プロトン
掃去剤の性質はよく知られており、そしてJournal of Macrom
olecular Science Chemistry, vol. A 1
8, No.1, 1982, 1〜152頁、又はJoseph P. Ke
nnedy及びErnest MarechalによるCarbocation
ic Polymerizationの32、199、449、452、460
及び461頁中に記載されており、そして引用によって本明細書中に組み入れら
れる。
【0054】 実施例 以下の実施例は、IPMSコポリマーの製造における本発明の使用に関する。
それらは好ましい態様の例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべ
きではない。当業者は、イソモノオレフィン−p-アルキルスチレンコポリマー
の連続式スラリー重合のための本発明の改良された方法の本明細書中に開示され
たこれらの教示を実施する多くのその他の方法を開発するだろう。実施例1〜9
からのデーターを表1中にまとめる。実施例10〜17からのデーターを表2中
にまとめる。
【0055】 実施例1〜9 一連の回分式重合を、−98℃に設定された低温浴を備えた実験室ドライボッ
クス中で行った。重合に使用された供給物は、90%の塩化メチル希釈剤及び1
10%のモノマーであった。モノマーブレンドは、イソブチレン及び6モル%の
p−メチルスチレンを含有した。重合温度は−90乃至−95℃の範囲内であっ
た。ルイス酸と組み合わされた安定化開始剤を使用する本発明の改良された触媒
系の利点の多くは、回分式実験では観察されないか又は定量化されない。これら
の利点には、「多量の汚れ」の速度の低減及び反応器の「安定性」及び制御にお
ける改良が含まれ、これらは連続式プロセスにおいて、より関係がある。しかし
、連続式プロセスにおけるこれらの利点の多くは、改良された分子量及び開始反
応の速さと有効性に由来するものであり、それらを回分式実験において容易に分
離し研究することができる。従って、実施例1〜9は、連続式プロセスにおいて
予測される改良の良好な表示を提供する。
【0056】
【表1】
【0057】 実施例1〜4及び比較例5〜7は、コポリマーの分子量が、ルイス酸の開始剤
に対するモル比が増加するにつれて、増加することを示す。実施例2〜4は、T
MPClを使用する同等な触媒系が、開始剤としてHClを使用したポリマーよ
りも、ずっとより高い重量平均分子量(M)を有するポリマーを製造すること
を示す。実施例2は、比較例5のMよりもMにおいて175%の増加を示す
。実施例3は、比較例6のMよりもMにおいて97%の増加を示す。実施例
4は、比較例7のMよりもMにおいて124%の増加を示す。
【0058】 実施例8及び9は、実施例1〜7のルイス酸と異なるルイス酸の場合の、開始
剤としてのTMPClとHClとの比較を示す。比較例9は、実施例8のモル比
の2倍の、ルイス酸の開始剤に対するモル比を有する。通常、この比の増加は、
実施例1〜7によって前に示されたように、分子量の増加をもたらすことが予測
される。しかし、ルイス酸の、開始剤に対するより低い比率の場合でさえ、実施
例8は、TMPClを使用する系では42%のMの増加を示す。
【0059】 これらの実験において、分子量分布は、周囲温度で運転され、そしてポリイソ
ブチレン標準によって較正されたウォーターズ(Waters)ゲル透過クロマ
トグラフによって測定される。Mは重量平均分子量であり、Mはピーク分子
量であり、そしてMWDはMのM(数平均分子量)に対する比率である。表
1から分かるように、EASC/TMPCl触媒系は、EASC/HCl触媒を
使用して製造されたものよりも、より高い分子量(M及びM)を有するポリ
マーを製造する。また、それらの結果は、EASCを使用する触媒系は、EAD
Cを使用する触媒系よりも高い分子量を生じることを示す。これらの結果は、E
ASC/TMPCl触媒系が連続式プラントにおいてより高分子量のポリマーを
製造する傾向を有するだろうことを示唆する。連続式プラントの制御は、典型的
には、反応器中において製造されているポリマーの分子量、又はムーニー粘度、
に基づいているので、この安定化開始剤を使用することの正味の効果は、モノマ
ー転化率の増加であると予測される。これは、より低い定常状態モノマー濃度が
、望ましい分子量を生じるために反応器中において必要とされるからである。
【0060】 実施例10〜17 一連の連続式重合を商業的規模のプラントで行った。比較例10〜13は従来
の触媒系を使用する試みと連続的運転を示し、一方、実施例14〜17は本発明
の触媒系から得られる改良を示す。実施例10〜17は全て同じ装置で行われた
【0061】
【表2】
【0062】 比較例10は、従来の工業的規模の連続式ブチルゴムプロセスである。このプ
ロセスにおいては、塩化メチル、イソブチレン、及びイソプレンのブレンド供給
物は初めに反応器運転温度まで冷却される。その後、供給物は標準的工業的ブチ
ル反応器に注入される。使用される触媒系は、塩化メチルと十分に混合され、希
釈され、そして別個のノズルを通して反応器に注入される。反応器中において、
供給物ブレンドと触媒は、混合され、そして−135乃至−145°F(−92
.8乃至−98.3℃)の温度を維持する冷却機を通して循環される。このプロ
セスは、Kresge及びWangの“Elastomers, Synthe
tic (Butyl Rubber),” Kirk Othmer Enc
yclopedia of Chemical Technology, 第8
巻、第4版、934〜955頁(1993)中のプロセスに類似している。
【0063】 比較例11は、IPMSを製造する従来の工業的規模の連続式スラリープロセ
スを示す。IPMSポリマーのために使用されるプロセスは、使用されるコモノ
マーがイソプレンの代わりにPMSであることを除いて、実施例10に記載した
ものと同様である。
【0064】 比較例12及び13は、古い従来の触媒系を使用した場合、タイヤのサイドウ
ォールを含む多くの用途において望ましい、中程度に高いPMSグレードを有す
るIPMSコポリマーでさえ製造が非実際的であることを示す。コンピューター
制御を使用しても反応器の安定性を維持することができなかったために、経済的
に許容できない量の仕様をはずれた製品が製造される。これは、開始剤としてT
MPClを使用する本発明の例と比較してずっとより高い標準偏差によって示さ
れる。これらの標準偏差は、6秒間隔で集められた運転データーの1分間の平均
から得られた。いずれも非実用的であるか及び/又は非経済的である、12%よ
り低いスラリー濃度及び非常に低い熱負荷においてさえ、ランレングスは、通常
の連続式プラント運転を可能にするにははるかに短すぎる。これは、24時間よ
りもかなり短いランレングスによって示される。
【0065】 実施例14〜17は、安定化開始剤としてTMPClを使用して生じた、反応
器の操作性、安定性、及び生産速度におけるかなりの改良を示す。これは、より
高い転化率、より低いフラッシュガス標準偏差、及び低減されたウォームアップ
速度によって示される。これは、より高いPMS含有率を有するIPMSコポリ
マーの製造が今や実用的であることを示す。当然、より低いPMS含有率を有す
るIPMSポリマーの生産速度が、より高いモノマー転化率のためにより高い速
度で得られ、かつ依然として許容可能なランレングスを達成する。実施例14〜
17は、熱伝達にも、或いは清掃のために装置を運転からはずす必要性とも関係
のない操作上の要求のために停止された。対照的に、比較例11〜13は、装置
の停止と清掃を必要とする実施の終わりの状態のために停止された。
【0066】 追加のデータが実施例13及び14に関して「標準偏差温度(℃)」及び「ウ
ォームアップ」という題の欄中に提供される。標準偏差のより低い値は、新規な
触媒系の使用が反応器中においてより安定した温度プロファイルを生じることを
示す。ウォームアップのより低い値は、新規な触媒系が反応器中の汚れの速度を
低減させることを示す。
【0067】 本発明の特定の態様の例を示してきたが、より高いPAS含有率を有するイソ
オレフィン−p-アルキルスチレンコポリマーを経済的に製造するため、及びよ
り低いPAS含有率を有するそのようなポリマーを現在可能であるよりも高い生
産速度で製造するための広範囲の運転条件下で他のルイス酸と組み合わせて記載
された安定化開始剤の特別の種類のその他のものを使用することは、当業者には
明らかであろう。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年8月1日(2001.8.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、Rは、30個までの炭素原子を含むが、Rが少なくとも1つのオレ
フィン性不飽和を含む場合を除いて3個以上の炭素原子を含む、アルキル、アル
ケニル、アリール、アラルキル、又はアラルケニル基であり、R及びRは同
じでも異なっていてもよく、30個までの炭素原子を含むアルキル、アリール、
又はアラルキル基であり、Xは、ハロゲン又はカルボキシル、ヒドロキシル、又
はアルコキシル基であり、nは正の自然数である) を有する開始剤;及び (c)1種以上の溶媒であって、前記1種以上の溶媒の組成物が体積基準で少
なくとも70%の極性溶媒を含む、1種以上の溶媒、 を含む連続式スラリー触媒系。
【化2】 (式中、Rは、30個までの炭素原子を含むが、Rが少なくとも1つのオレ
フィン性不飽和を含む場合を除いて3個以上の炭素原子を含む、アルキル、アル
ケニル、アリール、アラルキル、又はアラルケニル基であり、R及びRは同
じでも異なっていてもよく、30個までの炭素原子を含むアルキル、アリール、
又はアラルキル基であり、Xは、ハロゲン又はカルボキシル、ヒドロキシル、又
はアルコキシル基であり、nは正の自然数である) を有する開始剤; (b)式: RAlX(3−n) (式中、nは1又は2に等しく、Rは同じか又は異なるC乃至C15の線状、
環式、又は枝分れ鎖のアルキル、アリール、又はアラルキル又は脂環式基であり
、Xは同じか又は異なるハロゲンである) によって表される金属ハリド;及び (c)1種以上の溶媒であって、前記1種以上の溶媒の組成物が体積基準で少な
くとも70%の極性溶媒を含む、1種以上の溶媒、 を含む前記のモノマーの無水重合系中において反応させることを含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】 本発明によれば、ルイス酸触媒は安定化開始剤と組み合わせて使用される。安
定化開始剤(その中で2−クロロ−2,4,4−トリメチル−ペンタン(TMP
Cl)は好ましい例である)は、低温の塩化メチル又はその他の適する溶媒中で
選択されたルイス酸と予備錯体形成して、反応器中において成長性のポリマー鎖
を直接的に形成するカルベニウムイオン対と平衡である安定な錯体を生じること
ができる開始剤である。これらの開始剤は、イソブチレンコポリマーの工業的カ
チオンスラリー重合において従来から使用されている触媒系の多くの極性錯体と
非成長性のイオン対特性を含む遅くて段階的な開始反応と対照的に、反応器中に
おいて重合の迅速で単純な開始反応を生じる。この重合系は、式:
【化4】 (式中、Rは、30個までの炭素原子を含むが、Rが少なくとも1つのオレ
フィン性不飽和を含む場合を除いて3個以上の炭素原子を含む、アルキル、アル
ケニル、アリール、アラルキル、又はアラルケニル基であり、 R及びRは、同じでも異なっていてもよく、30個までの炭素原子を含むア
ルキル、アリール、又はアラルキル基であり、 Xは、ハロゲン又はカルボキシル、ヒドロキシル、又はアルコキシル基であり、
好ましくは弗素、塩素、臭素、及び沃素から選択されるハロゲンであり、最も好
ましくは塩素であり、 nは正の自然数である)を有する安定化開始剤を使用して現場電子対供与体を形
成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,IN,J P,KR (72)発明者 パワーズ、ケネス・ダブリュ アメリカ合衆国、ニュージャージー州 07922、ベーカリー・ヘイツ、ロビンス・ アベニュー 145 (72)発明者 マクドナルド、マイケル・エフ アメリカ合衆国、テキサス州 77345、キ ングウッド、スプリング・ロッジ 5634 (72)発明者 シャーツ、ラルフ・エイチ アメリカ合衆国、コロラド州 80435、デ ィロン、キーストーン・ランチ 111 Fターム(参考) 4J015 DA04 DA05 DA07 DA10 DA33

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アリールアルミニウムハリド、アラルキルアルミニウ
    ムハリド、及びアルキルアルミニウムハリドから成る群から選択される、金属錫
    、チタン、アルミニウム、及び硼素から選択される金属に基づく金属ハリド; (b)式: 【化1】 (式中、Rは、30個までの炭素原子を含むが、Rが少なくとも1つのオレ
    フィン性不飽和を含む場合を除いて3個以上の炭素原子を含む、アルキル、アル
    ケニル、アリール、アラルキル、又はアラルケニル基であり、 R及びRは、同じでも異なっていてもよく、30個までの炭素原子を含むア
    ルキル、アリール、又はアラルキル基であり、 Xは、ハロゲン又はカルボキシル、ヒドロキシル、又はアルコキシル基であり、
    nは正の自然数である) を有する開始剤を含む連続式スラリー触媒系。
  2. 【請求項2】 成分(a)の前記金属ハリドが塩素のハリドである、請求項
    1の触媒系。
  3. 【請求項3】 金属ハリドが、ジアルキルアルミニウムハリド、モノアルキ
    ルアルミニウムジハリド、アルミニウムトリハリド、エチルアルミニウムセスキ
    クロリド、又はそれらの混合物から選択される、請求項1の触媒系。
  4. 【請求項4】 金属ハリドが、式、 RAlX(3−n) (式中、nは1又は2に等しく、Rは同じか又は異なるC乃至C15の線状、
    環式、又は枝分れ鎖のアルキル、アリール、又はアラルキル又は脂環式基であり
    、そしてXは同じか又は異なるハロゲンである)によって表わされる、請求項1
    の触媒系。
  5. 【請求項5】 nが2であり、そしてRが同じC乃至C15の線状、環式
    、又は枝分れ鎖のアルキル、アリール、アラルキル、又は脂環式基である、請求
    項4の触媒系。
  6. 【請求項6】 Xが塩素である、請求項5の触媒系。
  7. 【請求項7】 金属ハリドが、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアル
    ミニウムジクロリド、又はそれらの組み合わせである、請求項1の触媒系。
  8. 【請求項8】 1種以上の溶媒をさらに含み、前記1種以上の溶媒の組成物
    が体積基準で少なくとも70%の極性溶媒を含む、請求項1の触媒系。
  9. 【請求項9】 実質的にプロトン掃去剤を含まない、請求項1の触媒系。
  10. 【請求項10】 1種以上のイソオレフィンモノマー及び1種以上のp-ア
    ルキルスチレンモノマーのランダムコポリマーを製造するための連続式スラリー
    重合方法であって、前記モノマー、極性溶媒、ルイス酸、及び開始剤の無水重合
    系中において反応させることを含み、前記重合系が式、 【化2】 (式中、Rは、30個までの炭素原子を含むが、Rが少なくとも1つのオレ
    フィン性不飽和を含む場合を除いて3個以上の炭素原子を含む、アルキル、アル
    ケニル、アリール、アラルキル、又はアラルケニル基であり、 R及びRは、同じでも異なっていてもよく、30個までの炭素原子を含むア
    ルキル、アリール、又はアラルキル基であり、 Xは、ハロゲン又はカルボキシル、ヒドロキシル、又はアルコキシル基であり、
    nは正の自然数である)を有する現場電子対供与体開始剤を形成することができ
    る、方法。
  11. 【請求項11】 前記ルイス酸が、錫、チタン、アルミニウム、及び硼素か
    ら選択される金属に基づく金属ハリドである、請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 前記金属ハリドが、アリールアルミニウムハリド、アラル
    キルアルミニウムハリド、及びアルキルアルミニウムハリドから選択される、請
    求項11の方法。
  13. 【請求項13】 前記金属ハリドが、ジアルキルアルミニウムハリド、モノ
    アルキルアルミニウムジハリド、アルミニウムトリハリド、エチルアルミニウム
    セスキクロリド、又はそれらの混合物から選択される、請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 前記金属ハリドが、AlCl、EtAlCl、Et .5 AlCl1.5、及びEtAlClから選択される、請求項13の方法。
  15. 【請求項15】 前記重合が、−10℃から前記重合系の凍結点までの範囲
    内の温度で行われる、請求項10の方法。
  16. 【請求項16】 前記開始剤が、 2−クロロ−2−フェニルプロパン、 1,4−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、 1,3,5−トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、 3−tert−ブチル−1,5−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、 2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン、及び 2,6−ジクロロ−2,4,4,6−テトラメチルヘプタン、 から選択される、請求項10の方法。
  17. 【請求項17】 前記ルイス酸対前記開始剤の比が、モル基準で約1対1乃
    至約20対1である、請求項10の方法。
  18. 【請求項18】 前記極性溶媒が、CHCl、EtCl、CHCl 、CHCl、及びCClから選択される、請求項10の方法。
  19. 【請求項19】 前記p-アルキルスチレンモノマーがp-メチルスチレンで
    ある、請求項10の方法。
  20. 【請求項20】 前記イソオレフィンモノマーがイソブチレンである、請求
    項10の方法。
JP2001538986A 1999-11-15 2000-10-06 イソブチレンコポリマーの製造 Withdrawn JP2003514928A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16545399P 1999-11-15 1999-11-15
US16557399P 1999-11-15 1999-11-15
US60/165,573 1999-11-15
US60/165,453 1999-11-15
PCT/US2000/027807 WO2001036498A1 (en) 1999-11-15 2000-10-06 Production of isobutylene copolymers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003514928A true JP2003514928A (ja) 2003-04-22
JP2003514928A5 JP2003514928A5 (ja) 2007-11-15

Family

ID=26861402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001538986A Withdrawn JP2003514928A (ja) 1999-11-15 2000-10-06 イソブチレンコポリマーの製造

Country Status (7)

Country Link
US (2) US6444768B1 (ja)
EP (1) EP1237950B1 (ja)
JP (1) JP2003514928A (ja)
KR (1) KR20020054344A (ja)
CA (1) CA2390117A1 (ja)
DE (1) DE60019960T2 (ja)
WO (1) WO2001036498A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006109762A1 (ja) * 2005-04-11 2008-11-20 アステラス製薬株式会社 ラモセトロンまたはその塩の新規製造法
JP2020526647A (ja) * 2017-07-12 2020-08-31 アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 改善された開始剤系調剤を用いるイソオレフィンポリマーの製造方法

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6858690B2 (en) * 1999-11-15 2005-02-22 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Process for polymerizing cationically polymerizable monomers
EP1237950B1 (en) 1999-11-15 2005-05-04 ExxonMobil Chemical Patents Inc. Production of isobutylene copolymers
CN1225488C (zh) 2000-12-20 2005-11-02 埃克森美孚化学专利公司 阳离子聚合可聚合单体的方法
DE10140859A1 (de) * 2001-08-21 2003-03-06 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Isoolefincopolymeren
JP2005535746A (ja) * 2002-08-13 2005-11-24 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク カチオン重合化可能モノマーの重合化処理
ATE469178T1 (de) * 2002-12-20 2010-06-15 Exxonmobil Chem Patents Inc Polymere mit neuen sequenzverteilungen
US7723447B2 (en) 2002-12-20 2010-05-25 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Polymerization processes
TW200517469A (en) * 2003-10-30 2005-06-01 Nissan Chemical Ind Ltd Charge-transporting compound, charge-transporting material, charge-transporting varnish, charge-transporting thin film, and organic electroluminescent device
WO2006074211A1 (en) * 2005-01-05 2006-07-13 University Of Massachusetts Polymerization of olefins
US20060225158A1 (en) * 2005-03-30 2006-10-05 Sw Seed Ltd. Canola variety SW 013062
US20080259268A1 (en) * 2007-04-12 2008-10-23 Fujifilm Corporation Process of producing substrate for liquid crystal display device
WO2008156806A1 (en) * 2007-06-19 2008-12-24 The University Of Akron Singly-terminated polyisobutylenes and process for making same
US20100273964A1 (en) * 2009-04-22 2010-10-28 Stewart Lewis Heterogeneous lewis acid catalysts for cationic polymerizations
US8283427B2 (en) 2010-05-06 2012-10-09 Lewis Stewart P Heterogeneous perfluoroaryl substituted Lewis acid catalysts for cationic polymerizations
US9079990B2 (en) * 2010-06-01 2015-07-14 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Methods of production of alkylstyrene/isoolefin polymers
CA2838235A1 (en) * 2011-06-08 2012-12-13 Sohel K. Shaikh Production of highly reactive low molecular weight polyisobutylene oligomers
EP3305822B1 (en) 2015-05-26 2020-08-12 Kaneka Corporation Process for producing thermoplastic elastomer, and thermoplastic elastomer
WO2024059442A1 (en) * 2022-09-13 2024-03-21 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Controlled molecular weight distribution of isobutylene-co-paramethylstyrene elastomer compositions and methods related thereto

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3560458A (en) 1964-05-01 1971-02-02 Exxon Research Engineering Co Process for polymerization of cationically polymerizable monomers
DE3430518A1 (de) 1984-08-18 1986-02-27 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von polymeren mit reaktiven endgruppen
DE3542000A1 (de) 1985-11-28 1987-06-04 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von polymeren mit reaktiven endgruppen
JPH0651752B2 (ja) 1987-02-20 1994-07-06 鐘淵化学工業株式会社 官能性末端を有するイソブチレン系ポリマ−の製造法
US5162445A (en) 1988-05-27 1992-11-10 Exxon Chemical Patents Inc. Para-alkylstyrene/isoolefin copolymers and functionalized copolymers thereof
US5169914A (en) 1988-05-03 1992-12-08 Edison Polymer Innovation Corporation Uniform molecular weight polymers
US5247021A (en) * 1989-06-06 1993-09-21 Kanegafuchi Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Process for preparation of a polymer having reactive terminal group
DE69115719T2 (de) 1990-09-28 1996-05-02 Grace W R & Co Verschlussdichtungen für Behälter
GB9026053D0 (en) 1990-11-30 1991-01-16 Grace W R & Co Containers and compositions for sealing them
EP0503124B2 (de) 1991-03-15 2008-04-02 ACTEGA DS GmbH Gefässverschluss mit einem Dichtungselement aus einem Polymercompound
US5731053A (en) 1992-03-11 1998-03-24 Ds-Chemie Gmbh Potable liquid container
IT1254861B (it) 1992-04-15 1995-10-11 Processo di produzione di gomma butile
US5506316A (en) * 1993-02-19 1996-04-09 Exxon Chemical Patents Inc. Carbocationic catalysts and process for using said catalysts
US5403803A (en) 1993-09-28 1995-04-04 Exxon Chemical Patents Inc. Carbocationic catalyst and process for its use
US5376744A (en) 1993-11-10 1994-12-27 The University Of Akron Carbocationic polymerizations in supercritical CO2
US5458796A (en) 1994-03-31 1995-10-17 Shell Oil Company Synthesis of polyisobutylene star-branched polymers via living carbocationic polymerization
US6008307A (en) 1994-04-28 1999-12-28 Exxon Chemical Patents Inc Process for producing olefin polymers using cationic catalysts
EP0713883B2 (en) 1994-06-09 2008-10-29 Kanegafuchi Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Process for producing isobutene polymer
US6074978A (en) * 1994-09-15 2000-06-13 Exxon Chemical Patents Inc. Carbocationic catalysts and process for using said catalysts
US5580935A (en) 1995-01-13 1996-12-03 Exxon Chemical Patents Inc. Functionalized polymer and method to obtain functionalized polymer
JPH08253531A (ja) 1995-01-17 1996-10-01 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd イソブチレン系重合体の製造方法及びイソブチレン系重合体
US5733998A (en) 1996-03-26 1998-03-31 The University Of Akron Method, dispersing agent and initiator for the dispersion polymerization of isobutylene
CA2257701A1 (en) 1998-12-31 2000-06-30 Bayer Inc. Improved cationic polymerization process and catalyst system therefor
EP1237950B1 (en) 1999-11-15 2005-05-04 ExxonMobil Chemical Patents Inc. Production of isobutylene copolymers

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006109762A1 (ja) * 2005-04-11 2008-11-20 アステラス製薬株式会社 ラモセトロンまたはその塩の新規製造法
JP4640411B2 (ja) * 2005-04-11 2011-03-02 アステラス製薬株式会社 ラモセトロンまたはその塩の新規製造法
JP2020526647A (ja) * 2017-07-12 2020-08-31 アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 改善された開始剤系調剤を用いるイソオレフィンポリマーの製造方法
JP7158461B2 (ja) 2017-07-12 2022-10-21 アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 改善された開始剤系調剤を用いるイソオレフィンポリマーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1237950B1 (en) 2005-05-04
DE60019960T2 (de) 2006-02-23
WO2001036498A1 (en) 2001-05-25
KR20020054344A (ko) 2002-07-06
DE60019960D1 (de) 2005-06-09
US20020173612A1 (en) 2002-11-21
US6444768B1 (en) 2002-09-03
EP1237950A1 (en) 2002-09-11
US6620898B2 (en) 2003-09-16
CA2390117A1 (en) 2001-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003514928A (ja) イソブチレンコポリマーの製造
US7893176B2 (en) Polydispersity-controlled isoolefin polymerization with polymorphogenates
US7244870B2 (en) Method for producing polyisobutenes
JP5490760B2 (ja) 賦活したハロゲン化アルキルアルミニウムを使用するブチルゴムの改良された製造法
US3789036A (en) Process for preparing saturated and unsaturated elastomeric copolymers of ethylene and/or higher alpha-olefins
JP5328001B2 (ja) カチオン重合性モノマーの重合方法
US5418303A (en) Carbocationic catalysts and process for using said catalysts
US6858690B2 (en) Process for polymerizing cationically polymerizable monomers
CA2493729A1 (en) Process for polymerizing cationically polymerizable monomers
JP2019007003A (ja) 高反応性オレフィン機能性ポリマーを作製するための重合開始系および方法
RU2337111C2 (ru) Способ получения бутилкаучука
US3780002A (en) Broad molecular weight butyl rubber process
US3358055A (en) Alpha-olefin polymerization process
SU235662A1 (ja)
WO2002050129A1 (en) Process for polymerizing cationically polymerizable monomers
RU2497833C2 (ru) Способ катионной полимеризации изоолефинового мономера с использованием цинк-галогенидного инициатора

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070912

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070912

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090925