JP2005343927A - 重合性化合物および高分子化合物 - Google Patents

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恵子 山岸
Koichi Sato
公一 佐藤
Ikuo Nakazawa
郁郎 中澤
Takashi Azuma
隆司 東
Sakae Suda
栄 須田
Masayuki Ikegami
正幸 池上
Keiichiro Tsubaki
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Abstract

【課題】 色材を良好に分散性する高分子化合物の製造に好適な、かさ高い保護基で側鎖末端を保護した、重合反応中に安定な重合性化合物を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される重合性化合物。
【化1】
Figure 2005343927

(式中、R1 は水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、FまたはCF3 を表す。R2 は単結合または置換されていてもよい炭素原子数1〜15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0〜10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Yは炭素原子数3〜10の直線状または分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基は芳香族環やハロゲンに置換されてもよい。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、安定で新規な重合性化合物、その高分子化合物およびその高分子化合物の製造方法に関する。
従来より、色材を溶解したり、分散したりしてインク組成物やトナー組成物が調整されている。これには各種高分子材料が好ましく用いられており、例えばスチリル、アクリル、メタクリル系の高分子化合物が用いられている。溶剤や水を基材とする色材組成物においては、好ましくはカルボン酸基やスルホン酸基を有する高分子材料を利用することで顔料等の色材の分散性を向上するという試みも一般的に行なわれている(特許文献1および特許文献2参照)。
特開平10−88044号公報 米国特許第5085698号明細書
本発明は、インク組成物やトナー組成物において色材や固形物の分散性を良好にする為に好適な高分子化合物を提供するものである。
また、本発明は、上記の高分子化合物を製造するに必要な、かさ高い保護基で側鎖末端を保護した、重合反応中に安定な重合性化合物を提供するものである。
本発明者らは、前記背景技術および課題について鋭意検討した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
本発明は、下記一般式(1)で表される重合性化合物である。
Figure 2005343927
(式中、R1 は水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF3 を表す。R2 は単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Yは炭素原子数3から10の直線状または分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基は芳香族環やハロゲンに置換されてもよい。)
また、本発明は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物である。
Figure 2005343927
(式中、R1 は水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF3 を表す。R2 は単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Yは炭素原子数3から10の直線状または分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基は芳香族環やハロゲンに置換されてもよい。)
また、本発明は、下記一般式(2)
Figure 2005343927
(式中、R1 は水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF3 を表す。R2 は単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10までの整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Yは炭素原子数3から10の直線状または分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基は芳香族環やハロゲンに置換されてもよい。)
で表される繰り返し単位構造を有する化合物を加水分解する工程を有することを特徴とする下記一般式(4)で表される高分子化合物の製造方法である。
Figure 2005343927
(式中、R1 は水素原子、炭素原子数1から3までのアルキル基、FまたはCF3 を表す。R2 は単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Mは一価または多価の金属カチオンを表す。)
本発明は、高分子化合物を製造するに必要な、かさ高い保護基で側鎖末端を保護した、重合反応中に安定な重合性化合物を提供することができる。
本発明の新規な重合性化合物を重合することにより、インク組成物やトナー組成物を色材や固形物の分散性を良好にして調整するのに好適な高分子化合物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一の発明は、上記一般式(1)で表される重合性化合物である。
Yの好ましい例としては、イソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2,2,2−トリクロロエチル基が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される重合性化合物においては、末端にYで表わされるバルキーな保護基を有することが特徴である。例えば、本発明の一般式(1)で表される重合性化合物からなるスルホン酸誘導体は、容易にスルホン酸、スルホン酸塩へと誘導でき、酸性度が高いため、ビニルエーテル繰り返し単位構造を有する高分子化合物として解離度の高いイオン性の、様々な機能性高分子材料を提供できる点で極めて有用である。また、スルホン酸エステル等の誘導体の形であっても高極性の化合物として非常に有用である。
一般式(1)で表される重合性化合物の具体的例としては、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 2005343927
Figure 2005343927
(Phはフェニレン基、Npはナフチレン基を表す)
一般式(1)で表される重合性化合物の合成方法の例としては、代表的には下記の反応式(2)に示すMitsunobu反応といわれる反応を用いて合成されるが、これに限定されない。
Figure 2005343927
(Rはイソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2,2,2−トリクロロエチル基を表わす。)
前記一般式(1)において、R1 が水素原子、R2 が−O(AO)m B−(Aは置換されていてもよい炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表し、mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。)であるのが好ましい。
また、一般式(1)において、R1 が水素原子、R2 が−OCH2 CH2 O−、Dがフェニル基、nが1、Yがイソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2,2,2−トリクロロエチル基のいずれかであるのが好ましい。
本発明の第二の発明は、前記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物である。
一般式(2)で表される高分子化合物の具体例としては、以下に示す繰り返し単位構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2005343927
(Phはフェニレン基、Npはナフチレン基を表す)
上記の一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物は、前記一般式(1)で表される重合性化合物を重合することにより得ることができる。
重合は主にカチオン重合で行なわれることが多い。開始剤としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等のプロトン酸や、BF3 、AlCl3 、TiCl4 、SnCl4 、FeCl3 、RAlCl2 、R1.5 AlCl1.5 (Rはアルキルを示す)等のルイス酸とカチオン源の組み合わせ(カチオン源としてはプロトン酸や水、アルコール、ビニルエーテルとカルボン酸の付加体などがあげられる。)が例として挙げられる。これらの開始剤を一般式(1)で表される重合性化合物(モノマー)と共存させることにより重合反応が進行し、高分子化合物を合成することができる。
本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物の数平均分子量は、200以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。10000000以下であれば高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが少なく、溶剤に分散しやすい。200以上であれば高分子としての好ましい立体効果が得られる。また、本発明の高分子化合物は単一の繰り返し単位構造からなるホモポリマーであっても良いし、複数の繰り返し単位構造からなる共重合ポリマーであっても良い。
本発明の第三の発明は、前記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する化合物を加水分解した後、中和することを特徴とする下記一般式(3)の高分子化合物の製造方法である。
Figure 2005343927
一般式(3)中、R1 は水素、CH3 、C25 、C37 、F、CF3 の中のいずれかであり、R2 は炭素原子数0から15までの直鎖状または分岐状の、置換されていてもよいアルキレン基を表す。アルキレン基内のメチレン基は酸素原子または芳香族環またはカルボニル基に置換されてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10までの整数を表す。nが複数のとき、それぞれのDは異なっていてもよい。
前記一般式(3)で表される高分子化合物の合成方法の例としては、代表的には前記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する化合物を水酸化ナトリウム水溶液中で加水分解した後、希塩酸水溶液で中和し、水洗してフリーのスルホン酸を得る方法が挙げられるが、これに限定されない。
さらに、本発明は、前記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する化合物を加水分解することを特徴とする下記一般式(4)の高分子化合物の製造方法である。
Figure 2005343927
一般式(4)中、R1 は水素、CH3 、C25 、C37 、F、CF3 の中のいずれかであり、R2 は炭素原子数0から15までの直鎖状または分岐状の、置換されていてもよいアルキレン基を表す。アルキレン基内のメチレン基は酸素原子または芳香族環またはカルボニル基に置換されてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10までの整数を表す。nが複数のとき、それぞれのDは異なっていてもよい。
Mは一価または多価の金属カチオンを表す。Mの具体例としては、例えば一価の金属カチオンとしてはナトリウム、カリウム、リチウム等が、多価の金属カチオンとしてはマグネシウム、カルシウム、ニッケル、鉄等が挙げられる。Mが多価の金属カチオンの場合には、MはアニオンのSO3 - の2個以上と対イオンを形成している。
一般式(4)で表される高分子化合物の合成方法の例としては、代表的には前記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する化合物を水酸化ナトリウム水溶液中で加水分解し、ナトリウム体を得る方法、または前記一般式(3)で表される化合物に水酸化カリウム水溶液中で加水分解してカリウム体を得る方法が挙げられるが、これに限定されない。
本発明において、高分子化合物は機能性物質を内包しているのが好ましい。具体的には、高分子化合物が機能性物質を内包しているとは、機能性材料分子または分子団の親油性部位と、高分子化合物の親油性部分がπ−πスタッキングなど非共有結合性相互作用により近接し、機能性材料分子または分子団の周囲を高分子化合物が取り囲んでいる状態である。
さらに、本発明の第四の発明は、前記高分子化合物を含有するポリマー含有組成物である。本発明の組成物は、好ましくは上記の高分子化合物と色材や有用な所定の機能を奏する機能性物質と溶媒または分散媒を含有する。該高分子化合物は色材や機能性物質等を良好に分散するのに好適に用いることができる。顔料、金属、除草剤、殺虫剤、または生体材料、例えば薬等を用いることもできる。また、本発明の高分子化合物は良好な水溶性高分子化合物として使用することができ、接着剤や粘着剤等としても使用することができるため、機能性物質の存在が無くても良い。
本発明の組成中に用いられる機能性物質は、本発明の組成物の重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。また、溶解性の物質であってもよく、染料や分子性触媒等も用いることができる。
また、本発明の組成中に含有される高分子化合物は、本発明の組成物の重量に対して、0.5〜98質量%が好ましい。
さらに、本発明の組成物の好ましい例として、溶媒または分散媒、色材および前記高分子化合物を含有する記録材料が挙げられる。記録材料としては、具体的には、バインダー樹脂等の分散媒、色材および前記高分子化合物を含有するトナー組成物が挙げられる。また、溶媒、色材および前記高分子化合物を含有するインク組成物が挙げられる。
以下、本発明の好ましい一形態であるインク組成物について説明する。
本発明のポリマーを用いて調製するインク組成物に含有される前記高分子化合物の含有量は、0.1質量%以上90質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは1質量%以上80質量%以下である。インクジェットプリンター用としては、好ましくは1質量%以上30質量%以下で用いられる。
次に、本発明のポリマーを用いて調製するインク組成物に含有される高分子化合物以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、有機溶剤、水、水性溶媒、色材、添加剤等が含まれる。
[有機溶剤]
炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等が挙げられる。
[水]
本発明に含まれる水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、純水、超純水が好ましい。
[水性溶媒]
水性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、水性分散物の記録媒体上での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
本発明のポリマーを用いて調製するインク組成物において、上記、有機溶剤、水および水性溶媒の含有量は、インク組成物の全重量に対して、20〜95質量%の範囲で用いるのが好ましい。さらに好ましくは30〜90質量%の範囲である。
[色材]
本発明のポリマーを用いて調製するインク組成物には、顔料および染料等の色材が含有され、好ましくは顔料が用いられる。
以下にインク組成物に使用する顔料および染料の具体例を示す。
顔料は、有機顔料および無機顔料のいずれでもよく、インクに用いられる顔料は、好ましくは黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いることができる。なお、上記に記した以外の色顔料や、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
黒色の顔料としては、Raven1060(商品名、コロンビアン・カーボン社製)、MOGUL−L(商品名、キャボット社製)、Color Black FW1(商品名、デグッサ社製)、MA100(商品名、三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、等が挙げられるが、これらに限定されない。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、等が挙げられるが、これらに限定されない。
イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明のポリマーを用いて調製する組成物では、水に自己分散可能な顔料も使用できる。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがあり、市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上商品名、キャボット社製)、Microjet Black CW−1(商品名、オリエント化学社製)等が挙げられる。
本発明のポリマーを用いて調製するインク組成物に用いられる顔料は、インク組成物の重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。顔料の量が、0.1質量%未満となると、十分な画像濃度が得られなくなり、50質量%を超えると画像の定着性が悪化する場合がある。さらに好ましい範囲としては0.5質量%から30質量%の範囲である。
また、本発明のポリマーを用いて調製するインク組成物では染料も使用することができる。以下に述べるような直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食品用色素の水溶性染料、又は分散染料の不溶性色素、脂溶性染料を用いることができる。
例えば、水溶性染料としては、C.I.ダイレクトブラック,−17,−62,−154;C.I.ダイレクトイエロー,−12,−87,−142;C.I.ダイレクトレッド,−1,−62,−243;C.I.ダイレクトブルー,−6,−78,−199;C.I.ダイレクトオレンジ,−34,−60;C.I.ダイレクトバイオレット,−47,−48;C.I.ダイレクトブラウン,−109;C.I.ダイレクトグリーン,−59等の直接染料、
C.I.アシッドブラック,−2,−52,−208;C.I.アシッドイエロー,−11,−29,−71;C.I.アシッドレッド,−1,−52,−317;C.I.アシッドブルー,−9,−93,−254;C.I.アシッドオレンジ,−7,−19;C.I.アシッドバイオレット,−49等の酸性染料、 C.I.リアクティブブラック,−1,−23,−39;C.I.リアクティブイエロー,−2,−77,−163;C.I.リアクティブレッド,−3,−111,−221;C.I.リアクティブブルー,−2,−101,−217;C.I.リアクティブオレンジ,−5,−74,−99;C.I.リアクティブバイオレット,−1,−24,−38;C.I.リアクティブグリーン,−5,−15,−23;C.I.リアクティブブラウン,−2,−18,−33等の反応染料;
C.I.ベーシックブラック,−2;C.I.ベーシックレッド,−1,−12,−27;C.I.ベーシックブルー,−1,−24,;C.I.ベーシックバイオレット,−7,−14,−27;C.I.フードブラック,−1,−2等が挙げられる。
また、油溶性染料として、以下に、各色の市販品を例示する。
黒色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Black−3,−22:1,−50等が挙げられるが、これらに限定されない。
イエローの油溶性染料としては、C.I.Solvent Yellow−1,−25:1,−172等が挙げられるが、これらに限定されない。
オレンジの油溶性染料としては、C.I.Solvent Orange−1,−40:1,−99等が挙げられるが、これらに限定されない。
レッドの油溶性染料としては、C.I.Solvent Red−1,−111,−229等が挙げられるが、これらに限定されない。
バイオレットの油溶性染料としては、C.I.Solvent Violet−2,−11,−47等が挙げられるが、これらに限定されない。
ブルーの油溶性染料としては、C.I.Solvent Blue−2,−43,−134等が挙げられるが、これらに限定されない。
グリーンの油溶性染料としては、C.I.Solvent Green−1,−20,−33等が挙げられるが、これらに限定されない。
ブラウンの油溶性染料としては、C.I.Solvent Brown−1,−12,−58等が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、これら上記の色材の例は、本発明のインクに対して好ましいものであるが、本発明のインク組成物に使用する色材は上記色材に特に限定されるものではない。本発明のインク組成物に用いられる染料は、インクの重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。
[添加剤]
本発明のポリマーから調製可能な組成物には、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明の組成物は、ポリビニルエーテル構造を含むポリマーにより、顔料のような粒状固体を分散させる機能を有しているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。
他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等、疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
さらに、本発明のポリマーから調製できる組成物には、必要に応じて水性溶剤を添加することができる。特にインクジェット用インクに用いる場合、水性溶剤は、インクのノズル部分での乾燥、インクの固化を防止するために用いられ、単独または混合して用いることができる。水性溶剤は、上述のものがそのまま当てはまる。その含有量としては、インクの場合、インクの全重量の0.1〜60質量%、好ましくは1〜40質量%の範囲である。
その他の添加剤としては、例えばインクとしての用途の場合、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤、記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤、インク内での黴の発生を防止する防黴剤、インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤、記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
本発明のポリマーを用いてインク組成物を調製するには、上記構成成分を混合し、均一に溶解又は分散することにより調製することができる。たとえば、構成成分の複数を混合し、サンドミルやボールミル、ホモジナイザー、ナノマーザー等により破砕、分散しインク母液を作成し、これに溶媒や添加剤を加え物性を調整することにより調整することができる。
次に、本発明のポリマーから調製できるトナー組成物について説明する。トナー組成物は、具体的には、バインダー樹脂等の分散媒、色材および前記高分子化合物を含有する。
本発明のトナー組成物に含有される前記高分子化合物の含有量は、0.1質量%以上95質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは0.5質量%以上80質量%以下である。
また、本発明の高分子化合物はバインダー樹脂そのものとしても使用可能であるし、スチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂等のバインダー樹脂とともに用いることも可能である。
次に、本発明のポリマーを用いて調製できるトナー組成物に含有さる高分子化合物以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、バインダー樹脂、色材(顔料、染料)、帯電制御剤、離型剤、外添剤、磁性粒子等が含まれる。
(トナー組成物の他の成分の加入)
バインダー樹脂としては、スチレンアクリル共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート等が例として挙げられる。バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以上99質量%以下で用いられる。色材としては前記インク組成物の説明で記載した、顔料や染料が使用可能である。色材の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で用いられる。帯電制御剤としては、金属−アゾ錯体、トリフェニルメタン系染料、ニグロシン、アンモニウム塩等が例として挙げられる。帯電制御剤の含有量は0.1質量%以上30質量%以下で用いられる。他に離型剤としては、合成ワックス、天然ワックスが例として挙げられる。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機微粒子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂微粒子が例として挙げられる。磁性粒子としては例えばマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等が挙げられる。トナー組成物としては以上の成分を必ずしも全て含まなくても機能し得るし、また以上に記載されていない成分を含んでもよい。
本発明のポリマーを用いてトナー組成物を調製する方法としては、例えば、以上に述べた構成成分を混合、溶融混煉し均一に混合した後、スピードミルやジェットミルで破砕して作製し、分級して所望のサイズのトナーを得る。このトナーに外添剤を加えミキサーで混合することにより調製することができる。
次に、本発明の組成物を用いる液体付与方法および液体付与装置について説明する。
[液体付与方法および液体付与装置]
本発明の組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な液体付与方法および装置に使用でき、この装置を用いた液体付与方法により描画することができる。また、液体組成物を用いる場合、インクジェット法等では微細パターンを形成したり、薬物の投与を行なったりするための液体付与方法に使用することができる。
本発明の液体付与方法は、本発明の組成物により優れた画像形成を行なう方法である。本発明の液体付与方法は、好ましくは、インク吐出部から本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う液体付与方法である。画像形成はインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出するインクジェット法を用いる方法が好ましく用いられる。
本発明のインクジェット用インク組成物を用いるインクジェットプリンタとしては、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーをインクに作用させて膜沸騰現象を生じせしめて記録を行うバブルジェット(登録商標)方式等、様々なインクジェット記録装置に適用できる。
以下このインクジェット記録装置について図1を参照して概略を説明する。但し、図1はあくまでも構成の一例であり、本願発明を限定するものではない。
図1は、インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
図1は、ヘッドを移動させて被記録媒体に記録をする場合を示した。図1において、製造装置の全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58が駆動され、ヘッド70の被記録媒体に対する位置が決定される。
図1に示されるように、ヘッド70には、X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58に加え、ヘッド駆動回路60が接続されており、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド70の駆動、即ちインクジェット用インクの吐出等を行う。さらに、CPU50には、ヘッドの位置を検出するためのXエンコーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラムメモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU50は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびYエンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移動させ、被記録媒体上の所望の位置にヘッドを配置してインクジェット用インクを吐出する。このようにして被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。また、複数のインクジェット用インクを装填可能な液体付与装置の場合、各インクジェット用インクに対して上記のような操作を所定回数行うことにより、被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。
また、インクジェット用インクを吐出した後、必要に応じて、ヘッド70を、ヘッドに付着した余剰のインクを除去するための除去手段(図示せず)の配置された位置に移動し、ヘッド70をワイピング等して清浄化することも可能である。清浄化の具体的方法は、従来の方法をそのまま使用することができる。
描画が終了したら、図示しない被記録媒体の搬送機構により、描画済みの被記録媒体を新たな被記録媒体に置き換える。
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能である。例えば、上記説明ではヘッド70をXY軸方向に移動させる例を示したが、ヘッド70は、X軸方向(またはY軸方向)のみに移動するようにし、被記録媒体をY軸方向(またはX軸方向)に移動させ、これらを連動させながら描画を行うものであってもよい。
本発明は、インクジェット用インクの吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギーによりインクジェット用インクを吐出させるヘッドが優れた効果をもたらす。かかる方式によれば描画の高精細化が達成できる。本発明のインクジェット用インク組成物を使用することにより、更に優れた描画を行うことができる。
上記の熱エネルギーを発生する手段を備えた装置の代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればインクジェット用インクの吐出を確実に効率よく行うことができる。
さらに、本発明の液体付与装置で被記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドとしては、複数のヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、シリアルタイプのものでも、装置本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプのヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
さらに、本発明の装置は、液滴除去手段を更に有していてもよい。このような手段を付与した場合、更に優れた吐出効果を実現できる。
また、本発明の装置の構成として、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定化できるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、または、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、インクの吐出とは別の、吐出を行なうための予備吐出手段などを挙げることができる。
本発明に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
本発明の装置では、インクジェット用インクの吐出ヘッドの各吐出口から吐出されるインクの量が、0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であることが好ましい。
また、本発明のポリマーから調製されるインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録方式等を用いた間接記録装置にも用いることができる。また、直接記録方式による中間転写体を利用した装置にも適用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
<モノマーの合成>
Figure 2005343927
上記のモノマーの4−(2−エテニルオキシ)エトキシベンゼンスルホン酸イソプロピルエステルの合成の反応式を下記に示す。
Figure 2005343927
(DMFはジメチルホルムアミド、iPrはイソプロピル基、Pyrはピリジン、TPPはトリフェニルホスフィン、DEADはアゾジカルボン酸ジエチルを表す)
窒素気流下、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム塩ニ水和物120g(0.517モル)に塩化チオニル240mLを加えて撹拌し、ジメチルホルムアミド3.6mLを添加した。60℃で7時間撹拌した。塩化チオニル24mLを加え、一晩撹拌したのち、得られた残さをトルエンに溶解し、減圧濃縮した。クロロホルムにて懸濁し、不溶物はろ過で除き、母液を濃縮し、クロライド体粗物121gを得た。
500mL三径フラスコにピリジン200mL、イソプロパノール34.3g(0.571モル)を加え、氷冷下撹拌した。クロライド体粗物110g(0.571モル)を少量ずつ添加した後、室温まで昇温した。室温にて16時間撹拌した。再び氷冷し、濃塩酸250mLを氷水800mLに混合した液に注いだ。エーテルで3回抽出し、得られた有機層を濃縮し、硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮乾固した。シリカゲルカラム精製し、イソプロピル体90.7g(0.420モル)を得た。
アルゴン気流下、イソプロピル体4.15g(19.2mmol)にエチレングリコールモノビニルエーテル1.41g(16.0mmol)、トリフェニルホスフィン5.04g(19.2mmol)、トリエチルアミン1.94g(19.2mmol)及び無水テトラヒドロフラン90mLを加え、0℃付近で40%アゾジカルボン酸ジエチル/トルエン溶液8.36g(19.2mmol)を約1時間で滴下した。0℃で約1時間撹拌した後、薄層クロマトグラフィーで目的化合物の生成を確認した。反応液に水1mLを添加した後、減圧濃縮し、ポリ{4−(2−エテニルオキシ)エトキシベンゼンスルホン酸イソプロピルエステル}の粗物4.9gを得た。
実施例2
<ポリ{4−(2−エテニルオキシ)エトキシベンゼンスルホン酸イソプロピルエステル}の高分子化合物の合成>
実施例1で得られた重合性化合物0.1モル、水0.002モル、エチルアルミニウムダイクロライド0.005モルを無水トルエン中でカチオン重合した。
20時間後反応を終了し、メチレンクロライドと水を加え、水洗、希塩酸で洗浄、アルカリ洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し高分子化合物(ポリマー)を得た。排除体積クロマトグラフィーによる数平均分子量(Mn)が約3000であり、重量平均分子量(Mw)が3750で、分子量比(Mw/Mn)が1.35の分子量分布の高分子化合物を得た。
実施例3
実施例1のエチレングリコールモノビニルエーテルを、CH2 =CHOCH2 CH2 OCH2 CH2 OHに変え同様に合成を行ない、CH2 =CHO(CH2 CH2 O)2 PhSO3 CH(CH32 を得た。
実施例4
実施例3で得られた重合性化合物を用いて、実施例2と同様に重合し、ポリ{4−(2−エテニルオキシ)エトキシエトキシベンゼンスルホン酸イソプロピルエステル}の高分子化合物を得た。排除体積クロマトグラフィーによる数平均分子量は1900であった。
実施例5
<ポリ{4−(2−エテニルオキシ)エトキシベンゼンスルホン酸イソプロピルエステル}のスルホン酸体の製造、または、ポリ{4−(2−エテニルオキシ)エトキシベンゼンスルホン酸の調製>
実施例2で合成した高分子化合物を、スルホン酸エステルに対して5当量の水酸化ナトリウムを溶かした水溶液中で、室温下5日間撹拌した。塩化メチレンと0.1N塩酸水溶液を加えて分液操作を行い、中性になるまで有機層を水洗したのち減圧濃縮乾固し、フリーのスルホン酸体を得た。構造は 1H NMRで確認した。
実施例6
<ポリ{4−(2−エテニルオキシ)エトキシベンゼンスルホン酸}のスルホン酸体カリウム体の調製、または、ポリ{4−(2−エテニルオキシ)エトキシベンゼンスルホン酸カリウム}の調製>
実施例2で合成したスルホン酸体をテトラヒドロフランに溶解し、スルホン酸基に対して1当量の水酸化カリウムを溶解した水溶液中で、室温下2日間撹拌したのち減圧濃縮乾固し、スルホン酸カリウム塩を得た。
比較例1
<メチル体の耐熱性試験>
下記重合性化合物を40℃で一晩加熱し、分解していることを 1H NMRで確認した。
Figure 2005343927
本発明の新規な重合性化合物を重合することにより、インク組成物やトナー組成物を色材や固形物の分散性を良好にして調整するのに好適な高分子化合物を提供することができる。
また、本発明の高分子化合物は、溶媒または分散媒、色材とともに配合することにより、インク組成物、トナー組成物等の組成物および記録材料に利用することができる。
また、本発明の高分子化合物を用いたインク組成物、トナー組成物等の記録材料は、各種液体付与方法および液体付与装置に利用することができる。
インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
20 インクジェット装置
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される重合性化合物。
    Figure 2005343927
    (式中、R1 は水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF3 を表す。R2 は単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Yは炭素原子数3から10の直線状または分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基は芳香族環やハロゲンに置換されてもよい。)
  2. 前記一般式(1)において、R1 が水素原子、R2 が−O(AO)m B−(Aは置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。mは0から30までの整数を表し、mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。)であることを特徴とする請求項1記載の重合性化合物。
  3. 一般式(1)において、R1 が水素原子、R2 が−OCH2 CH2 O−、Dがフェニル基、nが1、Yがイソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2,2,2−トリクロロエチル基のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の重合性化合物。
  4. 下記一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物。
    Figure 2005343927
    (式中、R1は水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF3 を表す。R2 は単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Yは炭素原子数3から10の直線状または分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基は芳香族環やハロゲンに置換されてもよい。)
  5. 下記一般式(2)
    Figure 2005343927
    (式中、Rは水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF を表す。Rは単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Yは炭素原子数3から10の直線状または分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基は芳香族環やハロゲンに置換されてもよい。)
    で表される繰り返し単位構造を有する化合物を加水分解する工程を有することを特徴とする下記一般式(4)で表される高分子化合物の製造方法。
    Figure 2005343927
    (式中、Rは水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF を表す。Rは単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。Mは一価または多価の金属カチオンを表す。)
  6. 前記加水分解工程後に、中和して下記一般式(3)で表される高分子化合物を得る工程を有することを特徴とする請求項5記載の高分子化合物の製造方法。
    Figure 2005343927
    (式中、Rは水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、FまたはCF を表す。Rは単結合または置換されていてもよい炭素原子数1から15の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は酸素原子、芳香族環またはカルボニル基で置換されていてもよい。Dは置換されてもよい芳香族環構造を表す。nは0から10の整数を表し、nが複数のときはそれぞれのDは異なっていてもよい。)
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