JP2014069378A - 画像形成装置、画像形成方法および画像形成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制する。
【解決手段】インクジェットプリンタ1では、基材9の搬送方向に並ぶ2つの任意のインク吐出部(ヘッドアッセンブリ42)において、当該搬送方向の上流側および下流側のものをそれぞれ第1インク吐出部および第2インク吐出部とすると、第1インク吐出部により、基材9に付着した液滴の表面張力が経時的に低下する第1インクが吐出される。また、第2インク吐出部により、基材9に付着した際における液滴の表面張力が、当該液滴に隣接する位置に付着している第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しい第2インクが吐出される。これにより、互いに隣接する位置に付着する第1インクの液滴および第2インクの液滴の表面張力をおよそ揃えて、基材9上の第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材上に画像を形成する技術、および、画像形成物に関する。
従来より、印刷用紙をヘッドユニットに対して相対的に移動しつつ、ヘッドユニットの複数の吐出口からインクの微小液滴を印刷用紙に向けて吐出することにより画像を印刷するインクジェットプリンタが用いられている。また、近年では、シールラベルの印刷にもインクジェットプリンタが採用されつつある。シールラベルの印刷では、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂シートやコート紙等のインクが染み込みにくい基材に印刷が行われるため、例えば、紫外線硬化性を有するインクを使用し、紫外線の照射により基材上のインクを硬化(定着)する。
なお、特許文献1では、着弾後100ms未満の表面寿命領域で、各カラーインクの動的表面張力がブラックインクの動的表面張力以上であり、着弾後100〜3000msの表面寿命領域に、ブラックインクの動的表面張力と各カラーインクの動的表面張力とが等しくなる点があり、その点以降の表面寿命領域でブラックインクの動的表面張力が各カラーインクの動的表面張力よりも大きいインクセットが開示されている。特許文献1のインクセットでは、普通紙のみならずインク浸透性の悪い紙においても、ブリード(滲み)を低減させることが可能となる。
特開2011−79952号公報
ところで、複数色のインクを基材上に吐出する場合、一の色の第1インクを吐出する第1インク吐出部および他の色の第2インクを吐出する第2インク吐出部が、基材のヘッドユニットに対する相対的な搬送方向において配列される。したがって、第1インクの液滴が基材上に付着(着弾)した時刻から、一定時間経過後に、当該液滴に隣接する位置に、第2インクの液滴が付着する。特許文献1の手法では、このような時間差が考慮されていないため、基材上の第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制することができない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基材上の第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、画像形成装置であって、基材に向けてインクの液滴を吐出するヘッドユニットと、前記基材を前記ヘッドユニットに対して相対的に移動する移動機構とを備え、前記ヘッドユニットが、前記基材に付着した液滴の表面張力が経時的に低下する第1インクを吐出する第1インク吐出部と、前記基材の前記ヘッドユニットに対する相対的な搬送方向において前記第1インク吐出部の下流側に配置され、第2インクを吐出する第2インク吐出部とを備え、前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力と、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力と、前記基材に付着した際における前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値よりも小さい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置であって、放射線の照射により前記基材上の前記第1インクおよび前記第2インクを硬化する硬化部をさらに備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記ヘッドユニットにおいて、前記搬送方向における前記第1インク吐出部と前記第2インク吐出部との間の距離が変更可能である。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しくなるように、前記移動機構による前記基材の前記ヘッドユニットに対する相対的な移動速度を調整する制御部をさらに備える。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のそれぞれにおいて、前記搬送方向に直交する前記基材の画像形成領域の幅の全体に亘って吐出口が配列される。
請求項7に記載の発明は、画像形成方法であって、a)基材を第1インク吐出部および第2インク吐出部に対して相対的に移動する工程と、b)前記a)工程に並行して、前記基材に付着した液滴の表面張力が経時的に低下する第1インクを、前記第1インク吐出部から吐出する工程と、c)前記a)工程に並行して、前記基材の前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部に対する相対的な搬送方向において前記第1インク吐出部の下流側に配置された前記第2インク吐出部から、第2インクを吐出する工程とを備え、前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力と、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力と、前記基材に付着した際における前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値よりも小さい。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成方法であって、前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しい。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の画像形成方法であって、硬化部からの放射線の照射により前記基材上の前記第1インクおよび前記第2インクを硬化する工程をさらに備える。
請求項10に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の画像形成方法であって、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のそれぞれにおいて、前記搬送方向に直交する前記基材の画像形成領域の幅の全体に亘って吐出口が配列される。
請求項11に記載の発明は、画像形成物であって、請求項7ないし10のいずれかに記載の画像形成方法により形成されたものである。
本発明によれば、基材上の第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制することができる。
インクジェットプリンタの構成を示す図である。 ヘッドアッセンブリを示す平面図である。 ヘッドアッセンブリを示す正面図である。 ベースを示す平面図である。 ベースを示す正面図である。 基材上に画像を形成する処理の流れを示す図である。 インクの表面張力の変化を示す図である。 基材上に形成される画像を示す図である。
図1は本発明の一の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の構成を示す図である。インクジェットプリンタ1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂シートや長尺のコート紙等である連続シート状の基材9に向けてインクの液滴(微小液滴)を吐出することにより基材9上に画像を形成する画像形成装置である。図1では、互いに垂直な2つの水平方向をX方向およびY方向として示し、X方向およびY方向に垂直な鉛直方向をZ方向として示している。図1中のX方向およびY方向は必ずしも水平方向である必要はなく、同様に、Z方向も必ずしも鉛直方向である必要はない。
図1のインクジェットプリンタ1は本体11および制御部10を備え、本体11はシート状の基材9を移動する移動機構2、および、移動機構2による移動途上の基材9に向けて紫外線硬化性インクの液滴を吐出するヘッドユニット4を備える。移動機構2は、それぞれが図1中のX方向に長い複数のローラ21を有する。最も(−Y)側に配置されたローラ21の近傍にはロール状の基材9(供給ロール)を保持する供給部31が設けられ、最も(+Y)側に配置されたローラ21の近傍にはロール状の基材9(巻取ロール)を保持する巻取部32が設けられる。インクジェットプリンタ1では、移動機構2の複数のローラ21の一部が、X方向に平行な軸を中心として一定の回転速度にて回転することにより、供給部31から巻取部32に至る所定の移動経路に沿って基材9が一定速度にて移動する。
基材9の移動経路においてヘッドユニット4に対向する位置には、基材案内部34が設けられる。基材案内部34は、ヘッドユニット4の真下((−Z)側)に配置されるX方向に平行な仮想軸を中心とする円筒面の一部である曲面341(以下、「案内面341」という。)を有し、ヘッドユニット4の下方において、円滑な案内面341に沿って基材9が移動する。ヘッドユニット4に対向する位置において、基材9は図1中にて符号D1を付す矢印にて示す方向(Y方向に平行な方向)におよそ沿って移動するため、以下の説明では、当該方向D1を搬送方向という。
また、基材9の移動経路において供給部31と基材案内部34との間には、基材9の蛇行を補正する蛇行補正部33が設けられ、基材案内部34と巻取部32との間には、インク硬化用の紫外線を基材9上に照射する硬化部35が設けられる。なお、インクジェットプリンタ1では、基材9に所定の前処理を行う前処理部等が設けられてもよい。
ヘッドユニット4は、ヘッド421を有する複数のヘッドアッセンブリ42、および、複数のヘッドアッセンブリ42を支持するベース41を備える。インク吐出部である各ヘッドアッセンブリ42はX方向に長く、複数のヘッドアッセンブリ42がおよそY方向に沿って(正確には、案内面341に沿って)配列される。ヘッドユニット4には、4個のヘッドアッセンブリ42が配置され、4個のヘッドアッセンブリ42は(−Y)側から(+Y)方向に向かって順にK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のインクをそれぞれ吐出する。ヘッドユニット4では、クリアインク等の他の種類のインクが吐出されてもよい。
図2はヘッドアッセンブリ42を示す平面図であり、図3はヘッドアッセンブリ42を示す正面図である。以下、一の色のインクを吐出するヘッドアッセンブリ42に着目するが、他のヘッドアッセンブリ42も同様の構成を有する。後述するように、図2および図3に示すヘッドアッセンブリ42は、その長手方向に平行な軸を中心として僅かな回転角だけ傾斜した姿勢にてベース41に固定されるため、厳密には図2の横方向は図1の横方向とは一致せず、図3の縦方向および横方向も図1の縦方向および横方向とは一致しない。
ヘッドアッセンブリ42は一の方向に長い直方体であるヘッド固定ブロック422、および、ヘッド固定ブロック422の長手方向と同じ方向に長い複数の(本実施の形態では4個の)ヘッド421を有する。各ヘッド421では、その長手方向(以下、「配列方向」という。)に沿って複数の吐出口が配列形成される。ヘッド固定ブロック422には、複数の貫通孔が長手方向に沿って千鳥状に配列形成されており、複数のヘッド421は複数の貫通孔にそれぞれ挿入されて固定される。ヘッドアッセンブリ42では、長手方向に関して、ヘッド固定ブロック422の一端近傍から他端近傍に至る範囲の全体に亘って多数の吐出口がおよそ一定のピッチにて配列される。長手方向におけるヘッド固定ブロック422の各端面(長手方向に直交する端面)には、2個のねじ穴423が形成される。ヘッド固定ブロック422は、例えば、ステンレス鋼等の金属にて形成される。ヘッドアッセンブリ42において、ヘッド固定ブロック422の一端近傍から他端近傍に至る長さの1つのヘッド421のみが取り付けられてもよい。すなわち、ヘッド固定ブロック422には少なくとも1つのヘッド421が取り付けられる。
図4はベース41を示す平面図であり、図5はベース41を示す正面図である。ベース41は、図4中のY方向に長い2個の固定板411を有し、X方向において2個の固定板411は互いに離間する。図5中のY方向における固定板411の各端部には、およそ(+Z)方向に向かって屈曲した部位412(以下、「接続部412」という。)が設けられる。図4に示すように、2個の固定板411の互いに対応する接続部412(すなわち、(+Y)側または(−Y)側の2個の接続部412)は、X方向に長い連結板413に共に固定される。ベース41では、2個の固定板411および2個の連結板413により囲まれる1個の開口部419が形成される。各連結板413の(+Z)側の端部にはY方向における外側(開口部419とは反対側)に向かって屈曲した部位414(以下、「取付部414」」という。)が設けられる。図1のインクジェットプリンタ1では、取付部414が図示省略の支持部に取り付けられることにより、ヘッドユニット4が支持される。固定板411および連結板413は、例えば、ステンレス鋼等の金属にて形成される。
図5の各固定板411には、ベース41の真下((−Z)側)に配置されるX方向に平行な仮想軸を中心とする円弧(図5では、符号A1を付す二点鎖線にて示している。)に沿って複数の(図5では、8個の)位置決め部415が等間隔にて設けられる。各位置決め部415は、3個の位置決めピン415a,415b,415cを有する。後述するように、各位置決め部415に対して1個のヘッドアッセンブリ42のヘッド固定ブロック422が固定可能であるため、各位置決め部415の位置はヘッド固定ブロック422の固定位置と捉えることができ、ベース41は複数の(本実施の形態では、8個の)固定位置を円弧A1に沿って一定の間隔(以下、「固定位置間隔」という。)にて有する。また、固定板411において(−Z)側のエッジ(ただし、Y方向の両端部を除く。)は円弧A1に沿う円弧状である。すなわち、ベース41の底面は(+Z)側に向かって凹状に湾曲する。固定板411には、円弧A1に沿って複数の貫通孔416がさらに設けられる。
図1に示すヘッドユニット4を組み立てる際には、使用する複数のヘッドアッセンブリ42のそれぞれの固定位置が決定され、各ヘッドアッセンブリ42が対応する固定位置に配置される。このとき、各ヘッドアッセンブリ42におけるヘッド固定ブロック422の底面(図3にて下方を向く面)が2個の位置決めピン415a,415bに当接し、ヘッド固定ブロック422の長手方向に沿う一の側面(図3にて左を向く面)が1個の位置決めピン415cに当接することにより、ヘッドアッセンブリ42の位置および姿勢が調整される。これにより、ヘッドアッセンブリ42に取り付けられた各ヘッド421において、複数の吐出口の配列方向が上記仮想軸に平行となり、複数の吐出口が配置される吐出面が、2個の固定板411上の円弧A1を含む円筒面に対しておよそ平行となる。なお、位置決め部415の上記構成は一例に過ぎず、例えば、ヘッド固定ブロック422に形成される所定形状の切欠き部と係合する部材等が位置決め部415に含められてもよい。
実際には、各ヘッドアッセンブリ42の位置および姿勢が調整された状態にて、ねじを、固定板411の貫通孔416(図5参照)を介して、当該ヘッドアッセンブリ42のねじ穴423(図3参照)に締結することにより、ヘッドアッセンブリ42が固定板411に対して固定される。なお、貫通孔416の直径は、ねじの直径よりも大きい。本実施の形態では、Kのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42、Cのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42、Mのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42、Yのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42が、連続する4個の固定位置に配置され、案内面341(または、円弧A1)に沿って固定位置間隔にて配列される。
ヘッドユニット4が組み立てられると、ヘッドユニット4は、図1の基材案内部34の案内面341に対向する位置に配置されて、支持部に取り付けられる。このとき、固定板411上の円弧A1の仮想軸と、基材案内部34の案内面341の仮想軸とが一致することにより、各ヘッドアッセンブリ42におけるヘッド421の吐出面が案内面341に略平行となり、かつ、ヘッド421における吐出口の配列方向が基材9の搬送方向に垂直(仮想軸と平行)となる。
したがって、ヘッドユニット4による画像形成では、各ヘッドアッセンブリ42におけるヘッド421の吐出面が、案内面341上の基材9の主面に略平行となり(すなわち、各ヘッド421が基材9に対して直立し)、各吐出口から当該主面に向かって、およそ垂直にインクの液滴が吐出される。実際には、ヘッドユニット4における基材9に対向する端面(すなわち、固定板411の(−Z)側の端面)が案内面341に倣った形状を有するため、当該端面が基材9の主面に近接するようにヘッドユニット4が配置可能であり、ヘッド421の吐出面が基材9の主面に近接する。
図6は、インクジェットプリンタ1が基材9上に画像を形成する処理の流れを示す図である。図6のステップS12〜S16では、基材9上の1つの部位に着目した処理の流れを示しているが、実際には、基材9の複数の部位に対してステップS12〜S16の処理が並行して行われる。
インクジェットプリンタ1における画像形成処理では、基材9の移動が開始されることにより(ステップS11)、図1の供給部31から基材9の連続する部位が順次引き出され、各部位(以下、「対象部位」という。)は蛇行補正部33を経由して基材案内部34へと到達する。基材案内部34において、対象部位は案内面341に接触しつつ搬送方向に移動する。そして、基材9の移動に並行して、基材案内部34に対向するヘッドユニット4により対象部位に対して画像が形成される。
具体的には、対象部位がKのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42に対向する位置へと到達した際に、Kのインクの液滴が対象部位に向けて吐出されてKの画像が形成される(ステップS12)。連続的に移動する対象部位は、Kのインクの付着(着弾)から一定時間経過後、Cのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42に対向する位置へと到達し、Cのインクの液滴が対象部位に向けて吐出されてCの画像が形成される(ステップS13)。同様に、Cのインクの付着から一定時間経過後、対象部位がMのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42に対向する位置へと到達し、Mのインクの液滴が対象部位に向けて吐出されてMの画像が形成される(ステップS14)。さらに、Mのインクの付着から一定時間経過後、対象部位がYのインクを吐出するヘッドアッセンブリ42に対向する位置へと到達し、Yのインクの液滴が対象部位に向けて吐出されてYの画像が形成される(ステップS15)。
このようにして、いわゆる、ウエットオンウエット印刷が行われ、表面のK、C、M、Yのインクがほぼ液層の状態のままで、対象部位が硬化部35へと移動する。そして、対象部位への紫外線の照射によりK、C、M、Yのインクの硬化が一括して行われ(ステップS16)、対象部位は巻取部32にて巻き取られる。全ての画像が基材9上に形成されると、基材9の移動が停止され、画像形成処理が終了する(ステップS17)。
既述のように、各ヘッドアッセンブリ42では、搬送方向に直交する基材9の画像形成領域の幅の全体に亘って吐出口が配列される。これにより、基材9がヘッドユニット4の下方を一回通過するのみで画像形成が完了する、いわゆるワンパス(シングルパス)印刷が実現され、短時間にて画像形成が完了する。画像が形成された基材9は、各種印刷物(画像形成物)として利用される。
ここで、インクジェットプリンタ1にて用いられるK、C、M、Yのインクの液滴の表面張力の変化について説明する。図7は、基材9上に付着した後のK、C、M、Yのインクの液滴の表面張力の変化(すなわち、動的表面張力特性)を示す図である。図7では、K、C、M、Yのインクの表面張力の変化を符号L1,L2,L3,L4を付す線にて示している。図7に示す表面張力の変化を有するK、C、M、Yのインクは、平衡状態における表面張力(以下、「静的表面張力」という。)がおよそ等しいK、C、M、Yのインクを準備し、アクリル系表面調整剤等の表面調整剤の各インクに対する添加量(例えば、数%)を調整することにより作製される。本実施の形態における紫外線硬化性を有するK、C、M、Yのインクは、表面調整剤以外に、例えば、単官能モノマー、多官能モノマー、顔料分散体(顔料)、顔料分散剤、光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤等を含む。通常、これらの成分の種類や配合比により動的表面張力特性は様々に変化するが、表面調整剤の添加により、ある程度の範囲内で動的表面張力特性を調整することが可能である。
図7に示すように、Kのインクの液滴の表面張力は、基材9に付着した際における表面張力Kk(以下、「初期表面張力Kk」という。以下同様。)から平衡状態における静的表面張力K0まで経時的に低下し、Cのインクの液滴の表面張力は、基材9に付着した際おける初期表面張力Ccから平衡状態における静的表面張力C0まで経時的に低下する。また、Mのインクの液滴の表面張力は、基材9に付着した際における初期表面張力Mmから平衡状態における静的表面張力M0まで経時的に低下し、Yのインクの液滴の表面張力は、基材9に付着した際における初期表面張力Yyから平衡状態における静的表面張力Y0まで経時的に低下する。なお、図7では、白い点に付す符号により、当該点の表面張力の値を示している。
本実施の形態におけるインクジェットプリンタ1では、K、C、M、Yのインクを吐出する4個のヘッドアッセンブリ42が案内面341に沿って同じ固定位置間隔にて配列される。したがって、Kのインクの液滴が対象部位に付着してからCのインクの液滴が対象部位に付着するまでの時間(すなわち、KのインクとCのインクとの吐出時間差)、Cのインクの液滴が対象部位に付着してからMのインクの液滴が対象部位に付着するまでの時間、および、Mのインクの液滴が対象部位に付着してからYのインクの液滴が対象部位に付着するまでの時間がいずれも同じTである。
インクジェットプリンタ1では、Cのインクの初期表面張力Ccが、Kのインクの初期表面張力Kkと静的表面張力K0との間の値となる。そして、Cのインクの初期表面張力Ccと、対象部位への付着から時間Tの経過後におけるKのインクの液滴の表面張力Kcとの差の絶対値、すなわち、対象部位に付着した際におけるCのインクの液滴の表面張力Cc(初期表面張力Cc)と、Cのインクの液滴が対象部位に付着した際に当該液滴に隣接する位置に付着しているKのインクの液滴の表面張力Kcとの差の絶対値(以下、「隣接インク間表面張力差」ともいう。)が小さくなるように、これらのインクの動的表面張力特性が調整されている。本実施の形態では、対象部位への付着から時間Tの経過後におけるKのインクの液滴の表面張力KcはCのインクの初期表面張力Ccにおよそ等しい。隣接インク間表面張力差は、好ましくはCのインクの初期表面張力Ccの10%以下であり、より好ましくは、5%以下である。
Mのインクの初期表面張力MmおよびYのインクの初期表面張力Yyも、Kのインクの初期表面張力Kkと静的表面張力K0との間の値となる。そして、対象部位への付着から時間2Tの経過後のKのインクの液滴の表面張力Km、すなわち、Mのインクの液滴が対象部位に付着した際における対象部位上のKのインクの液滴の表面張力Kmは、Mのインクの初期表面張力Mmにおよそ等しい。また、対象部位への付着から時間3Tの経過後のKのインクの液滴の表面張力Ky、すなわち、Yのインクの液滴が対象部位に付着した際における対象部位上のKのインクの液滴の表面張力Kyは、Yのインクの初期表面張力Yyにおよそ等しい。
同様に、Cのインクの初期表面張力Ccと静的表面張力C0との間に、Mのインクの初期表面張力MmおよびYのインクの初期表面張力Yyが含まれ、対象部位への付着から時間Tの経過後におけるCのインクの液滴の表面張力CmはMのインクの初期表面張力Mmにおよそ等しく、対象部位への付着から時間2Tの経過後におけるCのインクの液滴の表面張力CyはYのインクの初期表面張力Yyにおよそ等しい。また、Mのインクの初期表面張力Mmと静的表面張力M0との間に、Yのインクの初期表面張力Yyが含まれ、対象部位への付着から時間Tの経過後におけるMのインクの液滴の表面張力MyはYのインクの初期表面張力Yyにおよそ等しい。
このように、基材9の対象部位に付着した際における各色のインクの液滴の表面張力が、対象部位に向けて既に吐出されて当該液滴に隣接する位置に付着している他の色のインクの液滴の表面張力とおよそ等しくなるように、対象部位におけるインク間の吐出時間差に合わせて、インクの動的表面張力特性(表面張力の変化)が調整されている。なお、インク間の吐出時間差は、ヘッドアッセンブリ42間の間隔および移動機構2による基材9の移動速度に依存する。もちろん、Kのヘッドアッセンブリ42とCのヘッドアッセンブリ42との間の間隔、Cのヘッドアッセンブリ42とMのヘッドアッセンブリ42との間の間隔、Mのヘッドアッセンブリ42とYのヘッドアッセンブリ42との間の間隔は互いに相違していてもよく、K、C、M、Yのインクの動的表面張力特性に合わせて、互いに隣接する位置に付着する異なる色のインクの表面張力がおよそ等しくなる吐出時間差となるように、ヘッドアッセンブリ42間の間隔の変更や、制御部10による基材9の移動速度の調整が行われてよい。
図8は基材9上に形成される画像の一部を示す図である。図8の上段、中段および下段の画像は、一の色のインクにて帯状のスペースを有するパターンを形成し、続いて、他の色のインクにて当該スペース上に帯状のパターンを形成したものである。具体的には、1mm(ミリメートル)幅の帯状のスペースを形成するように当該スペースの両側の領域に100%の濃度(いわゆる、ベタ濃度)にてMのインクを付与し、Mのインクの付与から設定時間の経過後に、1mm幅の帯状のパターンを形成するように当該スペース上に100%の濃度にてYのインクを付与することにより、図8の上段、中段および下段の画像が形成される。
図8の中段の画像の形成時における設定時間は図7に示す時間Tよりも長く、基材9に付着した際におけるYのインクの液滴の表面張力が、当該液滴に隣接する位置に付着しているMのインクの液滴の表面張力よりも高い。この場合、表面張力が相対的に低いMのインクが、表面張力が相対的に高いYのインクの領域に侵食する。これにより、図8の中段の画像では、基材9上のMのインクの領域とYのインクの領域との境界に大きな滲みが発生するとともに、境界位置が帯状のパターンの中心に向かって移動し、Yのインクにて形成されるパターンの幅が1mmよりも小さくなる。図8の上段の画像の形成時における設定時間は図8の中段の画像の形成時の設定時間よりもさらに長く、基材9に付着した際におけるYのインクの液滴の表面張力と、当該液滴に隣接する位置に付着しているMのインクの液滴の表面張力との差が、図8の中段の場合よりも大きくなる。これにより、図8の上段の画像では、図8の中段の画像に比べて、Mのインクの領域とYのインクの領域との境界における滲みがさらに大きくなり、また、Yのインクにて形成されるパターンの幅がさらに小さくなる。
一方、図8の下段の画像の形成時における設定時間は図7に示す時間Tに等しく、基材9に付着した際におけるYのインクの液滴の表面張力が、当該液滴に隣接する位置に付着しているMのインクの液滴の表面張力とおよそ等しい。図8の下段の画像では、図8の上段および中段の画像に比べて、Mのインクの領域とYのインクの領域との境界における滲みが抑制されるとともに、境界位置の変動も抑制され、Yのインクにて形成されるパターンの幅がほぼ1mmとなる。
ここで、比較例のインクジェットプリンタについて述べる。比較例のインクジェットプリンタでは、搬送方向における各ヘッドアッセンブリの下流側近傍に(隣接する2つのヘッドアッセンブリ間に)、紫外線を基材に照射する紫外線照射部が設けられる。また、K、C、M、Yのインクは一般的なものが用いられ、互いに隣接する位置に付着する異なる色のインクの液滴の表面張力が大きく相違する。他の構成は図1のインクジェットプリンタ1と同様である。
比較例のインクジェットプリンタでは、各ヘッドアッセンブリから基材上に吐出されたインクは、当該ヘッドアッセンブリよりも下流側に配置されるヘッドアッセンブリからインクが吐出される前に、紫外線照射部からの紫外線により硬化する。したがって、互いに隣接する位置に付着するインク間の表面張力の相違に起因する境界位置の変動等の問題が生じない。一方、ワンパス印刷を行うインクジェットプリンタでは、基材の搬送精度に一定の限界があるため、蛇行や斜行が生じやすく、基材上の画像に色ズレやスジムラが発生してしまう。基材の蛇行や斜行に起因する色ズレやスジムラの発生を抑制するために、ヘッドユニットにおいてヘッドアッセンブリ間の距離を小さくする場合、比較例のインクジェットプリンタでは、ヘッドアッセンブリ間に紫外線照射部設けることができなくなる。したがって、比較例のインクジェットプリンタにおいて、異なる色のインク間の境界位置の変動等を抑制しつつ、色ズレやスジムラの発生を抑制することは極めて困難である。
これに対し、インクジェットプリンタ1では、基材9のヘッドユニット4に対する相対的な搬送方向に並ぶ2つの任意のインク吐出部(ヘッドアッセンブリ42)において、当該搬送方向の上流側および下流側のものをそれぞれ第1インク吐出部および第2インク吐出部とすると、第1インク吐出部により、基材9に付着した液滴の表面張力が平衡状態となるまで経時的に低下する第1インクが吐出される。また、第2インク吐出部により、基材9に付着した際における液滴の表面張力が、当該液滴に隣接する位置に付着している第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しい第2インクが吐出される。これにより、互いに隣接する位置に付着する第1インクの液滴および第2インクの液滴の表面張力をおよそ揃えて、基材9上の第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制することができる。その結果、ヘッドユニット4においてインク吐出部間の距離をできるだけ小さくして、色ズレやスジムラの発生も抑制することができ、インクジェットプリンタ1にて作成される画像形成物(印刷物)の品質を向上することができる。
本実施の形態におけるインクジェットプリンタ1では、K、C、M、Yのインクをそれぞれ吐出する4個のインク吐出部が基材9の搬送方向に配列して設けられる。そして、4個のインク吐出部に含まれる2つのインク吐出部の各組合せにおいて、搬送方向の下流側のインク吐出部から吐出されて基材9に付着した際におけるインクの液滴の表面張力が、搬送方向の上流側のインク吐出部から先行して吐出されて当該液滴に隣接する位置に付着しているインクの液滴の表面張力とおよそ等しい。これにより、基材9上のK、C、M、Yのインクの領域の相互の境界における滲みや境界位置の変動を抑制することができる。もちろん、インクジェットプリンタ1では、2色、3色または5色以上のインクが用いられてもよい。
ヘッドユニット4では、インク吐出部(ヘッドアッセンブリ42)が、ベース41の複数の固定位置のいずれにも固定可能であり、搬送方向(正確には、案内面341に沿う方向)における任意の2つのインク吐出部の間の距離を変更することが可能である。したがって、例えば、基材9の搬送速度を2倍にして画像形成の高速化を図る場合には、ヘッドユニット4において、互いに隣接する2つのインク吐出部の間の距離を2倍にすることにより、異なる色のインク間の境界における滲みや境界位置の変動を抑制した印刷が、インクを変更することなく実現可能である。この場合に、ヘッド421の駆動周波数が変更されてもよい。また、インクを変更した際に、当該インクの動的表面張力特性に合わせて、互いに隣接する2つのインク吐出部の間の距離が変更されてもよい。このように、インクジェットプリンタ1では、基材9の搬送速度や、各色のインクの動的表面張力特性に合わせて、2つのインク吐出部の間の距離を適切に変更することにより、互いに隣接する位置に付着する第1インクの液滴および第2インクの液滴の表面張力をおよそ揃えることが容易に実現可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
既述のように、第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制するという観点では、基材9に付着した際における第2インクの液滴の表面張力と、第2インクの液滴が基材9に付着した際に当該液滴に隣接する位置に付着している第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値である隣接インク間表面張力差を、可能な範囲で小さくすることが重要である。この場合に、第1インクと第2インクとの吐出時間差における第1インクの液滴の表面張力の低下量、すなわち、基材9に付着した際における第1インクの液滴の表面張力と、第2インクの液滴が基材9に付着した際に当該液滴に隣接する位置に付着している第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値よりも、隣接インク間表面張力差が小さいことにより、基材9上の第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動をある程度抑制することが可能となる。隣接インク間表面張力差は、好ましくは上記表面張力の低下量の1/2以下であり、より好ましくは上記表面張力の低下量の1/3以下である。
上記実施の形態におけるヘッドユニット4は一例に過ぎず、基材9の搬送方向における2つのインク吐出部の間の距離が変更可能なヘッドユニット4は他の構成にて実現されてよい。
インクジェットプリンタ1の設計によっては、ヘッドユニット4を搬送方向に移動する移動機構が設けられてもよい。すなわち、インクジェットプリンタ1における移動機構は、基材9を所定の搬送方向にヘッドユニット4に対して相対的に移動するものであればよい。
インクジェットプリンタは、枚葉の基材に画像を形成するものであってもよい。例えば、ステージ上に基材を保持するインクジェットプリンタでは、ヘッドユニットがインクを吐出しつつステージに平行な搬送方向に相対移動(主走査)し、基材の端部へと到達した後に、ステージに平行かつ搬送方向に垂直な幅方向に所定距離だけ相対移動(副走査)し、その後、ヘッドユニットがインクを吐出しつつ搬送方向の直前の主走査とは逆向きに相対移動する。このように、上記インクジェットプリンタ(いわゆる、シャトル方式のプリンタ)では、ヘッドユニットが基材に対して搬送方向(真っ直ぐな搬送方向)に主走査するとともに、主走査が完了する毎に、幅方向に間欠的に副走査することにより、基材の全体に画像が形成される。
インクジェットプリンタ1では、例えば、水性のインクが用いられてもよい。また、紫外線以外の放射線(例えば、赤外線や電子線)の照射により硬化するインクが用いられてもよく、この場合、当該インクの硬化用の放射線を基材9上に照射する硬化部が用いられる。
インクジェットプリンタ1における画像形成の対象物は、紙や樹脂以外の材料にて形成される板状またはシート状の基材であってもよい。ところで、表面張力の相違によるインク間の境界位置の変動等は、インクが染み込みにくい基材(インクに対する非浸透性を有する基材)において特に生じやすい。したがって、第1インクの領域と第2インクの領域との境界における滲みや境界位置の変動を抑制することが可能なインクジェットプリンタ1は、インクが染み込みにくい基材に対する画像形成に特に適している。このような基材として、PET等のプラスチックや、ガラスあるいは金属にて形成される基材、インクに対する非浸透性を有する表面層が形成された基材(コート紙等)を例示することができる。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 インクジェットプリンタ
2 移動機構
4 ヘッドユニット
9 基材
10 制御部
35 硬化部
42 ヘッドアッセンブリ
S11〜S17 ステップ

Claims (11)

  1. 画像形成装置であって、
    基材に向けてインクの液滴を吐出するヘッドユニットと、
    前記基材を前記ヘッドユニットに対して相対的に移動する移動機構と、
    を備え、
    前記ヘッドユニットが、
    前記基材に付着した液滴の表面張力が経時的に低下する第1インクを吐出する第1インク吐出部と、
    前記基材の前記ヘッドユニットに対する相対的な搬送方向において前記第1インク吐出部の下流側に配置され、第2インクを吐出する第2インク吐出部と、
    を備え、
    前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力と、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力と、前記基材に付着した際における前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しいことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
    放射線の照射により前記基材上の前記第1インクおよび前記第2インクを硬化する硬化部をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記ヘッドユニットにおいて、前記搬送方向における前記第1インク吐出部と前記第2インク吐出部との間の距離が変更可能であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しくなるように、前記移動機構による前記基材の前記ヘッドユニットに対する相対的な移動速度を調整する制御部をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のそれぞれにおいて、前記搬送方向に直交する前記基材の画像形成領域の幅の全体に亘って吐出口が配列されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 画像形成方法であって、
    a)基材を第1インク吐出部および第2インク吐出部に対して相対的に移動する工程と、
    b)前記a)工程に並行して、前記基材に付着した液滴の表面張力が経時的に低下する第1インクを、前記第1インク吐出部から吐出する工程と、
    c)前記a)工程に並行して、前記基材の前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部に対する相対的な搬送方向において前記第1インク吐出部の下流側に配置された前記第2インク吐出部から、第2インクを吐出する工程と、
    を備え、
    前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力と、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力と、前記基材に付着した際における前記第1インクの液滴の表面張力との差の絶対値よりも小さいことを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項7に記載の画像形成方法であって、
    前記基材に付着した際における前記第2インクの液滴の表面張力が、前記第2インクの液滴が前記基材に付着した際に前記液滴に隣接する位置に付着している前記第1インクの液滴の表面張力とおよそ等しいことを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項7または8に記載の画像形成方法であって、
    硬化部からの放射線の照射により前記基材上の前記第1インクおよび前記第2インクを硬化する工程をさらに備えることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の画像形成方法であって、
    前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のそれぞれにおいて、前記搬送方向に直交する前記基材の画像形成領域の幅の全体に亘って吐出口が配列されることを特徴とする画像形成方法。
  11. 画像形成物であって、
    請求項7ないし10のいずれかに記載の画像形成方法により形成されたことを特徴とする画像形成物。
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