JP3283935B2

JP3283935B2 - インクセット、インクジェット記録方法および画像の品位を向上させる方法

Info

Publication number: JP3283935B2
Application number: JP33486992A
Authority: JP
Inventors: 真由美山本; 伸一栃原; 真一佐藤
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1992-09-17
Filing date: 1992-09-17
Publication date: 2002-05-20
Anticipated expiration: 2017-05-20
Also published as: EP0588241A3; JPH06100811A; EP0588241A2; DE69319047T2; ATE167223T1; EP0588241B1; DE69319047D1

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の着色インクを用
い、これら原色を組合わせることにより被記録材にカラ
ー画像を記録する方法に関し、とりわけ充分な画像濃度
を有し、鮮明で高品質な画像の得られるインクジェット
方式による記録方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット記録方式は、高電圧印加
による静電吸引方式、圧電素子を用いて着色インク（イ
ンク）に機械的振動又は変位を与える方式、インクを加
熱して発泡させる圧力を利用する方式等、種々のインク
吐出方式によりインクの小滴を発生させ、これを飛翔さ
せて紙等の被記録材に付着させ、インクドットを形成さ
せて記録を行うものであり、騒音の発生が少なく、高速
印字、多色印字の行える記録方式である。このインクジ
ェット記録方式を用いて、記録された印画物は、例え
ば、被記録材として紙や所謂インクジェット記録用紙等
を用いた表面画像観察用として、或いは、被記録材とし
て透光性を有する被記録材を用い、スライドやＯＨＰ
（オーバーヘッドプロジェクター）等の光学機器により
記録画像をスクリーン等へ投影して観察するのに用いる
ものや、カラー印刷のポジ版を作成する際の色分解版、
液晶等のカラーディスプレイに用いるＣＭＦ（カラーモ
ザイクフィルター）等として使用する等、種々の用途に
適用される。

【０００３】一方、この様なインクジェット記録法によ
りカラー画像を形成する場合には、減法混色法による記
録方法が代表的な方法として挙げられる。減法混色法に
よりカラー画像が形成される場合には、一般にシアン
（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）及びイエロー（Ｙ）の三原色が
使用されている。この三原色を同一画素に混合して（即
ち、異色のインク滴を、同一画素に重ねて付着させて記
録して）表現することのできる色は、基本的には次の四
色である。（１）Ｃ＋Ｍ→Ｂ（ブルー）（２）Ｃ＋Ｙ→Ｇ（グリーン）（３）Ｍ＋Ｙ→Ｒ（レッド）（４）Ｃ＋Ｍ＋Ｙ→Ｂｋ（ブラック）この様にＣ、Ｍ及びＹの三原色によって表される色は、
基本的には、Ｃ、Ｍ、Ｙ、Ｒ、Ｇ、Ｂ及びＢｋの七色で
あり、この七色で構成される多色画像はフォールスカラ
ー画像と称されている。従って、この様な記録法によっ
て記録を行う場合には、基本的にはＣ、Ｍ及びＹの三原
色用の３つのインクを用意しておけばよい。しかしなが
ら、Ｃ、Ｍ及びＹの３原色インクによってＢｋを表す場
合には、Ｃ、Ｍ及びＹの３原色のインク滴を重ねてＢｋ
が印字され、しかも各色について同程度のインク滴容量
を用いる為、被記録材上に３つのインク滴が重なって付
着し、それにより形成されたドットがＢｋ以外の色に記
録された部分と比較して必要以上に拡大し、線の太りを
生じ不自然な画像となったり、その部分のインク量が多
いため被記録材によるインク吸収不良を起こすという問
題がある。更に、記録が行われる際には一般に、Ｂｋに
よって記録される頻度が高い為、この問題は、重要であ
る。この為、一般的には、Ｂｋを表す場合には、Ｃ、Ｍ
及びＹの３原色インクに加えてＢｋインクが追加されて
使用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとしている問題点】ところが、Ｃ、
Ｍ、Ｙ及びＢｋの４色のインクを用いて記録を行うと、
先に述べた様に、Ｂ、Ｇ、及びＲの印字部において、異
色の２つのインク滴が重ね打ちされる際に、被記録材が
サイズ剤を含む上質紙である場合には増量したインク滴
を吸収するのにある程度の時間を要し、吸収する間に被
記録材の断面方向に限らずあらゆる方向の紙の繊維間の
空隙にインク滴が入り込み、その結果、不均一なドット
を形成し、不規則な線太り、所謂フェザリングを生じ、
記録画像のエッジのシャープさに欠け、不鮮明な画像と
なってしまうという問題がある。更に、異色の２つのイ
ンク滴を隣接させて打ち込んだ場合でも、その境界部に
おいてインクが未定着のまま部分的に混じり合い、その
結果、異色間の境界滲みが生じ、不鮮明な画像となる。
以上の様な問題を解決する１つの方法としては、インク
滴の被記録材への浸透速度を大きくすることが考えられ
る。この様にすれば、各色インクの表面張力が低下され
被記録材への濡れ性を向上させることが実現できる。し
かしながら、表面張力を低下させたインクでは、被記録
材上で必要以上にドットが拡大して線太りを生じたり、
また浸透が速くなることで色材の被記録材内部への沈み
込みが著しく、色濃度の低下が起こり得る。特にＢｋ
は、先に述べた様に文字としても使用頻度が高く、文字
にした際の色濃度が他色よりも高くて、しかも不自然な
線太りのないシャープなエッジを形成させた方が、画像
を見た目の印象としては好ましいものとなる。そこで、
Ｂｋのみをある程度高い表面張力のインクで記録し、被
記録材への浸透速度下げると確かに高い色濃度を有する
鮮明な黒色画像が得られるが、この場合は、Ｂｋと他色
インクが重ねられた際のフェザリングや、Ｂｋと隣接す
る他色画像との境界滲みの問題が解消されなくなってし
まうという問題がある。

【０００５】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決し、Ｂｋを含む３色以上のインクによって
カラー画像を記録するインクジェット記録方法におい
て、特に汎用性の高い、サイズ度の高い記録紙におい
て、高色濃度でシャープなエッジを有するＢｋ画像を形
成し得るインクジェット記録方法を提供することにあ
る。又、Ｂｋ画像と同時に異色の２つのインクを重ねて
印字した場合にも、不規則な線太りがなく、且つ異色の
２つのインクを隣接して印字した場合の境界滲みのな
い、鮮明なカラー画像を形成し得るインクジェット記録
方法を提供することにある。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】上記の目的は、以下の
本発明方法により達成することが出来る。即ち、本発明
の第一の発明は、黒色を含む３色以上のインクを用いて
カラー画像を被記録材にインクジェット記録方式で記録
するインクジェット記録方法において、黒色インクの色
成分にカチオン染料を用い、且つ黒色以外のインクの色
成分にアニオン染料を用い、更に用いられる黒色インク
の表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であり、且つ黒色
以外のインクの表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下であ
ることを特徴とするインクジェット記録方法であり、本
発明の第二の発明は、黒色を含む３色以上のインクを用
いてカラー画像を被記録材にインクジェット記録方式で
記録するインクジェット記録方法において、黒色インク
の色成分にアニオン染料を用い、且つ黒色以外のインク
の色成分にカチオン染料を用い、更に用いられる黒色イ
ンクの表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であり、且つ
黒色以外のインクの表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下
であることを特徴とするインクジェット記録方法であ
り、本発明の第三の発明は、黒色を含む３色以上のイン
クを用いてカラー画像を被記録材にインクジェット記録
方式で記録するインクジェット記録方法において、黒色
インクが色成分として水性染料を含んでいる水系インク
であり、且つ黒色以外のインクが色成分として油溶染料
を含んでいる非水系インクであり、更に該黒色インクの
表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であり、且つ該黒色
以外のインクの表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下であ
ることを特徴とするインクジェット記録方法である。

【０００７】

【作用】本発明の第一の発明であるインクジェット記録
方法によれば、Ｂｋインクの色成分にカチオン染料を用
い、且つＣ、Ｍ及びＹインクの色成分にアニオン染料を
用いることにより、Ｂｋ以外の色のインクをほぼ同時に
重ね打ちしたり、或いは、いずれかのインクが被記録材
上で乾燥状態になる前に、その色と異なる色のインクを
隣接させて打ち込んだ場合の混色を抑制することが出来
るので、不定形な線太りによるフェザリングや、隣接す
る異色間の境界滲みを軽減することが可能となる。本発
明の第二の発明であるインクジェット記録方法によれ
ば、Ｂｋインクの色成分にアニオン染料を用い、且つ
Ｃ、Ｍ及びＹインクの色成分にカチオン染料を用いるこ
とにより、Ｂｋ以外の色のインクをほぼ同時に重ね打ち
したり、或いは、いずれかのインクが被記録材上で乾燥
状態になる前に、その色と異なる色のインクを隣接させ
て打ち込んだ場合の混色を抑制することが出来るので、
不定形な線太りによるフェザリングや、隣接する異色間
の境界滲みを軽減することが可能となる。本発明の第三
の発明であるインクジェット記録方法によれば、Ｂｋイ
ンクの色成分に水性染料を用い、且つＣ、Ｍ及びＹイン
クの色成分に油溶染料を用いることにより、Ｂｋ以外の
色のインクをほぼ同時に重ね打ちしたり、或いは、いず
れかのインクが被記録材上で乾燥状態になる前に、その
色と異なる色のインクを隣接させて打ち込んだ場合の混
色を抑制することが出来るので、不定形な線太りによる
フェザリングや、隣接する異色間の境界滲みを軽減する
ことが可能となる。更に、いずれの発明においてもＢｋ
インクは、表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であるの
で、サイズ度の高い被記録材等において、インクの被記
録材内部への浸透速度が抑えられインクが沈みこむこと
なく、高い色濃度とシャープなエッジを有するＢｋ画像
が得られる。又、その一方では、本発明方法に使用され
るＢｋインク以外の、Ｃ、Ｍ及びＹインクは表面張力が
４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下であるので被記録材内部への浸
透が早く、重ね打ちした際のフェザリングや、隣接させ
て印字した場合における境界の滲みを回避することが出
来る。

【０００８】

【好ましい実施態様】（第一及び第二の発明）本発明の第一及び第二の発明のインクジェット記録方法
で使用されるインクは、染料化合物を適当な液媒体に溶
解して用いられる。インク中における液媒体の濃度は所
望に応じて適宜決定されるが、通常は０．１〜１５重量
％、好適には０．５〜１０重量％、最適には１〜５重量
％とするのが望ましい。本発明で用いられる液媒体とし
ては、所望に応じて適宜選択して、通常の有機溶剤が使
用される。具体的には、例えば、メチルアルコール、エ
チルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、ｉｓｏ−プ
ロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、ｓｅｃ−ブ
チルアルコール、ｔｅｒｔ−ブチルアルコール、ｉｓｏ
−ブチルアルコール等の炭素数１〜４のアルキルアルコ
ール類；アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又
はケトンアルコール類；モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン類；ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類；テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類；エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、チオジグリコール、ブチ
レングリコール、グリセリン等のアルキレン基が２〜６
個の炭素原子を含む多価アルコール類；エチレングリコ
ールモノメチル（又はエチル−或いはプロピル−）エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル（又はエチル−
或いはブチル−）エーテル、ジエチレングリコールジメ
チル（又はエチル）エーテル、ポリエチレングリコール
モノメチル（又はエチル−）エーテル等のアルキレング
リコールから誘導された低級アルキルモノ−又はジ−エ
ーテル類（全炭素数は３〜８個）；２−ピロリドン、Ｎ
−メチル−２−ピロリドン等の窒素含有５員環ケトン
類；α−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ブチル
ラクトン等のオキシカルボン酸の分子内エステル類；モ
ルホリン、ジメチルイミダゾリジンスルホラン等を挙げ
ることが出来る。

【０００９】この様な混合形態においては、極めて長期
間（例えば６ケ間或いは１年以上）に亘って、インクの
物性変化或いは化学的性質（例えばｐＨ値）の変化が抑
制されているという利点がある。又、使用される水溶性
有機溶剤のインク中の含有量は、一般には５〜９０％、
好ましくは１０〜８０％、より好ましくは１０〜５０％
であり、水の含有量は、一般には１０〜９０％、好まし
くは１０〜７０％、より好ましくは２０〜７０％の範囲
内とされていることが望ましい。

【００１０】（第一の発明）本発明の第一の発明方法においてＢｋ以外の他色のイン
クの色成分として、好適に用いられるアニオン染料とし
ては、既存のものでも、新規に合成したものでも、適度
な色調と濃度とを有するものであれば、直接染料、酸性
染料及び反応性染料等、大低のものを使用することが出
来る。又、これらのうちのいずれかを混合して用いるこ
ともできる。例えば、Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー８、１１、１２、２７、
２８、３３、３９、４４、５０、５８、８５、８６、８
７、８８、８９、９８、１００、１１０Ｃ．Ｉ．ダイレクトレッド２、４、９、１１、２０、
２３、２４、３１、３９、４６、６２、７５、７９、８
０、８３、８９、９５、１９７、２０１、２１８、２２
０、２２４、２２５、２２６、２２７、２２８、２３０Ｃ．Ｉ．ダイレクトブルー１、１５、２２、２５、４
１、７６、７７、８０、８６、９０、９８、１０６、１
０８、１２０、１５８、１６３、１６８、１９９、２２
６Ｃ．Ｉ．アシッドイエロー１、３、７、１１、１７、
２３、２５、２９、３６、３８、４０、４２、４４、７
６、９８、９９Ｃ．Ｉ．アシッドレッド６、８、９、１３、１４、１
８、２６、２７、３２、３５、４２、５１、５２、８
０、８３、８７、８９、９２、１０６、１１４、１１
５、１３３、１３４、１４５、１５８、１９８、２４
９、２６５、２８９Ｃ．Ｉ．アシッドブルー１、７、９、１５、２２、２
３、２５、２９、４０、４３、５９、６２、７４、７
８、８０、９０、１００、１０２、１０４、１１７、１
２７、１３８、１５８、１６１Ｃ．Ｉ．リィアクティブイエロー２、３、１７、２
５、３７、４２Ｃ．Ｉ．リィアクティブレッド７、１２、１３、１
５、１７、２０、２３、２４、３１、４２、４５、４
６、５９Ｃ．Ｉ．リィアクティブブルー４、５、７、１３、１
４、１５、１８、１９、２１、２６、２７、２９、３
２、３８、４０、４４、１００Ｃ．Ｉ．フードイエロー３Ｃ．Ｉ．フードレッド８７、９２、９４

【００１１】又、本発明の第一の発明方法において使用
される、Ｂｋインクの色成分に好適に用いられるカチオ
ン染料としては、例えば、下記に挙げるものがある。Ｃ．Ｉ．ベーシックブラック２、８ＡｉｚｅｎＣａｔｈｉｌｏｎＢｌａｃｋＳＢＨ、
ＢＸＨ、ＳＨ、ＡＣＨ、ＭＨ、ＴＨ（保土ケ谷化学製）ＳｕｍｉａｃｒｙｌＢｌａｃｋＢ、Ｒ、ＡＰ、Ｂ
Ｐ、ＣＰ、ＦＦＰ（住友化学製）ＤｉａｃｒｙｌＳｕｐｒａＢｌａｃｋＧＳＬ、Ｒ
ＳＬ、ＥＳＬ（三菱化成製）

【００１２】（第二の発明）本発明の第二の発明方法においてＢｋインクの色成分と
して、好適に用いられるアニオン染料としては、既存の
ものでも、新規に合成したものでも、適度な色調と濃度
とを有するものであれば、直接染料、酸性染料及び反応
性染料等、大低のものを使用することが出来る。又、こ
れらのうちのいずれかを混合して用いることもできる。
例えば、Ｃ．Ｉ．ダイレクトブラック１７、１９、２２、３
１、３２、５１、６２、７１、７４、１１２、１１３、
１５４、１６８Ｃ．Ｉ．アシッドブラック２、４８、５１、５２、１
１０、１１５、１５６Ｃ．Ｉ．リィアクティブブラック１、８、１２、１３Ｃ．Ｉ．フードブラック１、２

【００１３】又、本発明の第二の発明方法において使用
されるＢｋインク以外の他色成分に好適に用いられるカ
チオン染料としては、例えば、下記に挙げるものがあ
る。Ｃ．Ｉ．ベーシックイエロー１、１１、１３、１９、
２５、３３、３６Ｃ．Ｉ．ベーシックレッド１、２、９、１２、１３、
３８、３９、９２Ｃ．Ｉ．ベーシックブルー１、３、５、９、１９、２
４、２５、２６、２８、４５、５４、６５

【００１４】（第三の発明）本発明の第三の発明方法においてＢｋインクの色成分と
してに用いられる水性染料は、既存のものでも、新規に
合成したものでも、適度な色調と濃度とを有するもので
あれば、直接染料、酸性染料、塩基性染料及び反応性染
料等、大低のものを使用することが出来る。又、これら
のうちのいずれかを混合して用いることも出来る。例え
ば、Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー８、１１、１２、２７、
２８、３３、３９、４４、５０、５８、８５、８６、８
７、８８、８９、９８、１００、１１０Ｃ．Ｉ．ダイレクトレッド２、４、９、１１、２０、
２３、２４、３１、３９、４６、６２、７５、７９、８
０、８３、８９、９５、１９７、２０１、２１８、２２
０、２２４、２２５、２２６、２２７、２２８、２３０Ｃ．Ｉ．ダイレクトブルー１、１５、２２、２５、４
１、７６、７７、８０、８６、９０、９８、１０６、１
０８、１２０、１５８、１６３、１６８、１９９、２２
６Ｃ．Ｉ．ダイレクトブラック１７、１９、２２、３
１、３２、５１、６２、７１、７４、１１２、１１３、
１５４、１６８Ｃ．Ｉ．アシッドイエロー１、３、７、１１、１７、
２３、２５、２９、３６、３８、４０、４２、４４、７
６、９８、９９Ｃ．Ｉ．アシッドレッド６、８、９、１３、１４、１
８、２６、２７、３２、３５、４２、５１、５２、８
０、８３、８７、８９、９２、１０６、１１４、１１
５、１３３、１３４、１４５、１５８、１９８、２４
９、２６５、２８９Ｃ．Ｉ．アシッドブルー１、７、９、１５、２２、２
３、２５、２９、４０、４３、５９、６２、７４、７
８、８０、９０、１００、１０２、１０４、１１７、１
２７、１３８、１５８、１６１Ｃ．Ｉ．アシッドブラック２、４８、５１、５２、１
１０、１１５、１５６Ｃ．Ｉ．ベーシックイエロー１、１１、１３、１９、
２５、３３、３６Ｃ．Ｉ．ベーシックレッド１、２、９、１２、１３、
３８、３９、９２Ｃ．Ｉ．ベーシックブルー１、３、５、９、１９、２
４、２５、２６、２８、４５、５４、６５Ｃ．Ｉ．ベーシックブラック２、８ＡｉｚｅｎＣａｔｈｉｌｏｎＢｌａｃｋＳＢＨ、
ＢＸＨ、ＳＨ、ＡＣＨ、ＭＨ、ＴＨ（保土ケ谷化学製）ＳｕｍｉａｃｒｙｌＢｌａｃｋＢ、Ｒ、ＡＰ、Ｂ
Ｐ、ＣＰ、ＦＦＰ（住友化学製）ＤｉａｃｒｙｌＳｕｐｒａＢｌａｃｋＧＳＬ、Ｒ
ＳＬ、ＥＳＬ（三菱化成製）Ｃ．Ｉ．リィアクティブイエロー２、３、１７、２
５、３７、４２Ｃ．Ｉ．リィアクティブレッド７、１２、１３、１
５、１７、２０、２３、２４、３１、４２、４５、４
６、５９Ｃ．Ｉ．リィアクティブブルー４、５、７、１３、１
４、１５、１８、１９、２１、２６、２７、２９、３
２、３８、４０、４４、１００Ｃ．Ｉ．フードイエロー３Ｃ．Ｉ．フードレッド８７、９２、９４Ｃ．Ｉ．フードブラック１、２

【００１５】本発明の第三の発明のインクジェット記録
方法において、Ｂｋ以外の記録液の色成分に好適に使用
される油溶染料としては、既に市販されているもの、或
いは新規に合成したものでも適度な色調と濃度を有する
なら、大抵のものを使用することが出来るし、又、これ
らのいずれかを混色させて用いることも出来る。例え
ば、Ｃ．Ｉ．ソルベントブルー３３、３８、４２、４５、
５３、６５、６７、７０、１０４、１１４、１１５、１
３５、Ｃ．Ｉ．ソルベントレッド２５、３１、８６、９２、
９７、１１８、１３２、１６０、１８６、１８７、２１
９、Ｃ．Ｉ．ソルベントイエロー１、４９、６２、７４、
７９、８２、８３、８９、９０、１２０、１２１、１５
１、１５３、１５４等が挙げられる。

【００１６】本発明で使用される上記した様な油溶染料
は、適当な液媒体に溶解して用いられる。又、記録液中
における油溶染料の濃度は、所望に応じて適宜決定され
るが、通常は０．１〜１５重量％、好ましくは０．５〜
１０重量％、更に好ましくは１〜８重量％とするのが好
ましい。本発明で使用される液媒体は、通常の有機溶剤
が所望に応じて適宜選択して使用される。具体的には、
例えば、メタノール、エタノール及びプロパノール等の
１価アルコール；エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングル
コール、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価
アルコール；エチレングリコールモノメチル（又はエチ
ル）エーテル、ジエチレングリコールモノメチル（又は
エチル）エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル及びプロピレングリコールモノメチル（又はエチ
ル）エーテル等のヒドロキシエーテル；エチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート及びジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート等のヒドロキシエ
ーテルのエステル；アセトン及びメチルエチルケトン等
のケトン；酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチル等
のエステル；トルエン、キシレン、リグロイン、エチル
シクロヘキサン、石油ベンジン及びアイソバー等の炭化
水素；アセトニトリル；ホルムアミド；Ｎ，Ｎ−ジメチ
ルホルムアミド；ジメチルスルホキシド；スルホラン；
Ｎ−メチル−２−ピロリドン等が挙げられる。これらの
溶剤は単独で使用してもよいし、２種以上を混合しても
よい。

【００１７】（第一〜第三の発明）この様にして調合される本発明方法に使用される記録液
は、サイズ度の高い被記録材との親和性に優れ、高速記
録性、或いは記録画像の光学濃度、色調、耐水性、耐摩
擦性或いは耐光性に特に優れている。又、保存安定性、
信号応答性、液滴形成の安定性、吐出安定性或いは連続
記録性等に優れた実用的な記録液である。本発明方法で
使用されるインクには、上記の様な各種成分のほかに、
更にインクの物性値を改善する目的で種々の添加剤を使
用してもよい。例えば、ｐＨ調整剤、尿素の様な結晶性
有機化合物の乾燥防止剤、粘度調整剤、種々の界面活性
剤等の表面張力調整剤、防カビ或いは殺菌剤等、或いは
又、インクの液滴を帯電させ偏向することによって記録
を行う方式が採用される場合には、特に比抵抗調整剤を
挙げることが出来る。

【００１８】本発明方法は、以上の様にして、液媒体成
分或いは各種添加剤を適宜加え、所望の物性値に調合し
たインクを調製し、種々のインクジェット記録方式にこ
れを適用することにより、高濃度で高品位の画像が形成
される。本発明方法は、黒色を含む３色以上のインクを
使用し、インクジェット方式により画像を形成するもの
であるが、本発明方法に適用されるインクジェット方式
としては、従来公知の方式をいずれも使用することがで
きる。即ち、ピエゾ振動子の機械的振動を利用して液滴
を発生させるタイプの記録ヘッドを有する記録装置以外
の種々のインクジェット記録装置も好ましく用いられ
る。例えば、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーの形
で記録信号を与え、液滴を発生させて記録を行う装置等
に適用されてよい。尚、本発明方法で使用されるインク
は、サインペン、万年筆等の筆記具用のインクに使用さ
れてもよい。但し、筆記具用のインクとして使用される
場合には、粘度、表面張力等をはじめ種々の特性を調製
する必要がある。

【００１９】以下、上記した記録ヘッドの室内のインク
に記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギ
ーにより液滴を発生させて記録を行う本発明方法に適用
される記録装置について説明する。この様な装置の主要
部であるヘッド構成例を、図１、図２及び図３に示す。
ヘッド１３はインクを通す溝１４を有するガラス、セラ
ミックス又はプラスチック板等と、感熱記録に用いられ
る発熱ヘッド１５（図ではヘッドが示されているが、こ
れに限定されるものではない）とを接着して得られる。
発熱ヘッド１５は酸化シリコン等で形成される保護膜１
６、アルミニウム電極１７−１、１７−２、ニクロム等
で形成される発熱抵抗体層１８、蓄熱層１９、アルミナ
等の放熱性のよい基板２０よりなっている。インク２１
は吐出オリフィス（微細孔）２２まで来ており、圧力Ｐ
によりメニスカス２３を形成している。今、電極１７−
１、１７−２に電気信号が加わると、発熱ヘッド１５の
ｎで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているイ
ンク２１に気泡が発生し、その圧力でメニスカス２３が
突出し、インク２１が吐出し、オリフィス２２より記録
小滴２４となり、被記録材２５に向かって飛翔する。図
３には図１に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外
観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝２６を有するガ
ラス板２７と、図１に説明したものと同様な発熱ヘッド
２８を密着して製作されている。尚、図１は、インク流
路に沿ったヘッド１３の断面図であり、図２は図１のＡ
−Ｂ線での切断面である。

【００２０】図４に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。図４において、６１は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード６１は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。６２はキャップであり、ブレード６１に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に６３はブレード６１に隣接して
設けられる吸収体であり、ブレード６１と同様、記録ヘ
ッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブ
レード６１、キャップ６２、吸収体６３によって吐出回
復部６４が構成され、ブレード６１及び吸収体６３によ
ってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。

【００２１】６５は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、６６は記録ヘッド６５を
搭載して記録ヘッド６５の移動を行う為のキャリッジで
ある。キャリッジ６６はガイド軸６７と慴動可能に係合
し、キャリッジ６６の一部はモータ６８によって駆動さ
れるベルト６９と接続（不図示）している。これにより
キャリッジ６６はガイド軸６７に沿った移動が可能とな
り、記録ヘッド６５による記録領域及びその隣接した領
域の移動が可能となる。５１は被記録材を挿入する為の
給紙部、５２は不図示のモータにより駆動される布送り
ローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出
口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行
するにつれて排紙ローラ５３を配した排紙部へ排紙され
る。

【００２２】上記構成において記録ヘッド６５が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部６４の
キャップ６２は記録ヘッド６５の移動経路から退避して
いるが、ブレード６１は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド６５の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ６２が記録ヘッド６５の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ６２は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。記録ヘッド６
５がホームポジションから記録開始位置へ移動する場
合、キャップ６２及びブレード６１は上述したワイピン
グ時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動に
おいても記録ヘッド６５の吐出口面はワイピングされ
る。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、
記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記
録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域
に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴っ
て上記ワイピングが行われる。

【００２３】

【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明の
インクジェット記録方法を更に詳細に説明する。実施例
１〜実施例７及び比較例１〜比較例６は、本発明の第一
の発明に関するものであり、実施例８〜実施例１４及び
比較例７〜比較例１２は、本発明の第二の発明に関する
ものである。又、実施例１５〜実施例２１及び比較例１
３〜比較例１７は、本発明の第三の発明に関するもので
ある。

【００２４】（第一の発明）実施例１〜実施例７表１に、各実施例で使用したＢｋ、Ｃ、Ｍ及びＹの４原
色の各インクに用いられる夫々の成分及びその組成比を
示した。各々のインクは、これらの成分を容器の中で充
分に混合溶解し、孔径１μｍのテフロンフィルターで加
圧濾過した後、真空ポンプを用いて脱気処理し、インク
を調製した。

【００２５】

【表１】

【００２６】

【表２】

【００２７】

【化１】

【００２８】該インクを用いて、ピエゾ振動子によって
インクを吐出させるオンデマンド型記録ヘッド（吐出オ
リフィス径５０μｍ、ピエゾ振動子駆動電圧６０Ｖ、周
波数４ｋＨｚ）を有する記録装置により、以下に述べる
Ｔ₁〜Ｔ₁₀の検討を行ったところ、いずれも良好な結果
を得た。

【００２９】・Ｔ₁ インクの長期保存性；インクをガラス容器に密閉し、−３０℃と６０℃の条件
下で６カ月間保存した。この結果、６カ月後でも不溶分
の折出は認められず、又、インクの物性や色調にも変化
がなかった。

【００３０】・Ｔ₂ 吐出安定性；室温、５℃及び４０℃の雰囲気中で夫々２４時間の連続
吐出を行った。この結果、いずれの条件下でも終始安定
した高品質の記録が行えた。尚、５℃でのインクの粘度
は１３ｃｐｓであり、４０℃での粘度は５ｃｐｓであっ
た。

【００３１】・Ｔ₃ 吐出応答性；２秒毎の間欠吐出と、２カ月間放置後の吐出について調
べた。この結果、いずれの場合でもオリフィス先端での
目詰まりがなく安定で均一に記録された。

【００３２】・Ｔ₄ 記録装置の品質；表２に記載した夫々の被記録材を用い、画像の記録を行
った。記録された画像は濃度が高く鮮明であった。又、
得られた記録画像を室内光に３カ月さらした後の濃度の
低下率は、１％以下であった。

【００３３】・Ｔ₅ 各種被記録材に対するＣ、Ｍ及び
Ｙインクの定着性；表２に示した夫々の被記録材に印字した後、５秒後に印
字部を指で擦り画像すれ、滲みの有無を判定した。この
結果、いずれも画像ずれ、滲み等がなく優れた定着性を
示した。

【００３４】・Ｔ₆ 各種被記録材に対するＢｋインクの定着性；表２に記載した夫々の被記録材に印字した後、印字５秒
後と３０秒後を指で擦り、画像ずれ、滲みの有無を判定
した。いずれも５秒以下では画像ずれ、滲み等を起こし
たが、３０秒後では起こらなかった。

【００３５】・Ｔ₇ 各種被記録材に対するＢｋの単色印字品位；表２に示した被記録材に、Ｂｋインクを単独で印字し、
単色画像の印字品位を評価した。この結果、ドットのエ
ッジ部分がシャープであり、フェザリングを起こさず、
又、Ｂｋインクを単独で印字したドット径は、常にＣ、
Ｍ及びＹインクを単独で印字した場合と比較して小さか
った。

【００３６】・Ｔ₈ 各種被記録材に対する２色混色印字品位；表２に記載した被記録材に、Ｂｋ、Ｃ、Ｍ及びＹインク
のうちいずれか２色を同一点上に重ね打ちした場合の２
色混色画像の印字品位を評価した。この結果、ドットが
不規則な形状で拡がらなかった。

【００３７】・Ｔ₉ 各種被記録材に対するＢｋの色濃度；表２に記載した被記録材上に、Ｂｋインクをベタ印字し
た。この際の色濃度は、画像濃度（ＯＤ）にして１．２
以上であった。

【００３８】・Ｔ₁₀ 各種被記録材に対する異色ベタ印
字部間の境界滲み；表２に記載した被記録材に、いずれかのインクでベタ印
字した直後に、それと隣接する様に異なる色のインクで
ベタ印字した。この場合の境界滲みは殆ど目立たなかっ
た。

【００３９】

【表３】

【００４０】評価下記の表３に、本発明方法の実施例１〜実施例７で使用
したインクの表面張力、及び得られた画像の特徴につい
て上記に示したＴ₆〜Ｔ₁₀の評価結果を示した。

【００４１】

【表４】

【００４２】又、記録ヘッド内のインクに熱エネルギー
を与えて液滴を発生させ記録を行うオンデマンドタイプ
のマルチヘッド（吐出オリフィス径３５μ、発熱抵抗体
抵抗値１５０Ω、駆動電圧３０Ｖ、周波数２ｋＨｚ）を
有する記録装置を用いて同様の検討を行ったが、優れた
結果を得た。

【００４３】比較例１〜比較例６比較例として表４に示す夫々の成分及び組成比のインク
を、実施例と同様の方法で調製し、実施例と同様の検討
を行った。この結果、下記の表５に示す様に、いずれも
Ｔ₇〜Ｔ₁₀の夫々の検討項目を同時に満たすことはなか
った。

【００４４】

【表５】

【００４５】

【表６】

【００４６】

【表７】

【００４７】（第二の発明）実施例８〜実施例１４次に、本発明の第二の発明を実施例及び比較例に基づい
て説明する。表６に、各実施例で使用したＢｋ、Ｃ、Ｍ
及びＹの４原色の各インクに用いられる夫々の成分及び
その組成比を示した。各々のインクは、これらの成分を
容器の中で充分に混合溶解し、孔径１μｍのテフロンフ
ィルターで加圧濾過した後、真空ポンプを用いて脱気処
理し、インクを調製した。

【００４８】

【表８】

【００４９】

【表９】

【００５０】

【化２】

【００５１】

【化３】

【００５２】上記の実施例８〜実施例１４のインクを用
いて、ピエゾ振動子によってインクを吐出させるオンデ
マンド型記録ヘッド（吐出オリフィス径５０μｍ、ピエ
ゾ振動子駆動電圧６０Ｖ、周波数４ｋＨｚ）を有する記
録装置により、実施例１〜実施例７で述べたと同様にＴ
₁〜Ｔ₁₀の検討を行ったところ、実施例１〜実施例７と
同様にいずれも良好な結果を得た。表７に、本発明方法
の実施例８〜実施例１４で使用したインクの表面張力、
及び、得られた画像の特徴についてＴ₆〜Ｔ₁₀の評価結
果を示した。

【００５３】

【表１０】

【００５４】又、記録ヘッド内のインクに熱エネルギー
を与えて液滴を発生させ記録を行うオンデマンドタイプ
のマルチヘッド（吐出オリフィス径３５μ、発熱抵抗体
抵抗値１５０Ω、駆動電圧３０Ｖ、周波数２ｋＨｚ）を
有する記録装置を用いて同様の検討を行ったが、優れた
結果を得た。

【００５５】比較例７〜比較例１２比較例として表８に示す夫々の成分及び組成比のインク
を、実施例と同様の方法で調製し、実施例と同様の検討
を行った。この結果、下記の表９に示す様に、いずれも
Ｔ₁〜Ｔ₁₀の夫々の検討項目を同時に満たすことはなか
った。

【００５６】

【表１１】

【００５７】

【表１２】

【００５８】

【表１３】

【００５９】（第三の発明）実施例１５〜実施例２１次に、本発明の第三の発明を実施例及び比較例に基づい
て説明する。表１０に、各実施例で使用したＢｋ、Ｃ、
Ｍ及びＹの４原色の各インクに用いられる夫々の成分及
びその組成比を示した。各々のインクは、これらの成分
を容器の中で充分に混合溶解し、孔径１μｍのテフロン
フィルターで加圧濾過した後、真空ポンプを用いて脱気
処理し、インクを調製した。

【００６０】

【表１４】

【００６１】

【表１５】

【００６２】

【化４】

【００６３】

【化５】

【００６４】上記の実施例１５〜実施例２１のインクを
用いて、ピエゾ振動子によってインクを吐出させるオン
デマンド型記録ヘッド（吐出オリフィス径５０μｍ、ピ
エゾ振動子駆動電圧６０Ｖ、周波数４ｋＨｚ）を有する
記録装置により、実施例１〜実施例７で述べたと同様に
Ｔ₁〜Ｔ₁₀の検討を行ったところ、実施例１〜実施例７
と同様にいずれも良好な結果を得た。表１１に、本発明
方法の実施例１５〜実施例２１で使用したインクの表面
張力、及び、得られた画像の特徴についてＴ₆〜Ｔ₁₀の
評価結果を示した。

【００６５】

【表１６】

【００６６】又、記録ヘッド内のインクに熱エネルギー
を与えて液滴を発生させ記録を行うオンデマンドタイプ
のマルチヘッド（吐出オリフィス径３５μ、発熱抵抗体
抵抗値１５０Ω、駆動電圧３０Ｖ、周波数２ｋＨｚ）を
有する記録装置を用いて同様の検討を行ったが、優れた
結果を得た。

【００６７】比較例１３〜比較例１７比較例として表１２に示す夫々の成分及び組成比のイン
クを、実施例と同様の方法で調製し、実施例と同様の検
討を行った。この結果、下記の表１３に示す様に、いず
れもＴ₇〜Ｔ₁₀の夫々の検討項目を同時に満たすことは
なかった。

【００６８】

【表１７】

【００６９】

【表１８】

【００７０】

【表１９】

【００７１】

【発明の効果】以上、説明した様に、本発明のインクジ
ェット記録方法によれば、同一の被記録材に対して、
Ｃ、Ｍ及びＹインクの各色のインクの定着性がＢｋイン
クの定着性に比べて良好である為、特に汎用性の高い、
サイズ度の高い記録紙においても、高濃度でシャープな
エッジを有する高品位のＢｋ画像が得られる。更に、異
色の２つのインクを重ねて印字した場合に、得られる画
像が不規則な線太りがなく、且つ連続して異色の２つの
インクによる画像を隣接させて印字した場合の境界滲み
のない鮮明なカラー画像を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。

【図２】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。

【図３】図１に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図。

【図４】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。

【符号の説明】

６１：ワイピング部材６２：キャップ６３：インク吸収体６４：吐出回復部６５：記録ヘッド６６：キャリッジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平３−41171（ＪＰ，Ａ) 特開平６−57192（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−231284（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−299971（ＪＰ，Ａ) 特開平２−228380（ＪＰ，Ａ) 特開昭56−106867（ＪＰ，Ａ) 特開平６−24006（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−74973（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−64678（ＪＰ，Ａ) 特開昭55−50073（ＪＰ，Ａ) 特開平４−147866（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) C09D 11/00 - 11/20 B41J 2/00 - 2/21 B41M 5/00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】黒色を含む３色以上のインクを用いてカ
ラー画像を被記録材にインクジェット記録方式で記録す
るインクジェット記録方法において、黒色インクの色成
分にカチオン染料を用い、且つ黒色以外のインクの色成
分にアニオン染料を用い、更に用いられる黒色インクの
表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であり、且つ黒色以
外のインクの表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下である
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項２】黒色を含む３色以上のインクを用いてカ
ラー画像を被記録材にインクジェット記録方式で記録す
るインクジェット記録方法において、黒色インクの色成
分にアニオン染料を用い、且つ黒色以外のインクの色成
分にカチオン染料を用い、更に用いられる黒色インクの
表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であり、且つ黒色以
外のインクの表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下である
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項３】黒色を含む３色以上のインクを用いてカ
ラー画像を被記録材にインクジェット記録方式で記録す
るインクジェット記録方法において、黒色インクが色成
分として水性染料を含んでいる水系インクであり、且つ
黒色以外のインクが色成分として油溶染料を含んでいる
非水系インクであり、更に該黒色インクの表面張力が４
０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であり、且つ該黒色以外のインク
の表面張力が４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下であることを特徴
とするインクジェット記録方法。
【請求項４】同一の被記録材に対する黒色インクの印
字後の乾燥に要する時間が、黒色以外の色のインクの場
合よりも長い請求項１〜３の何れか１項に記載のインク
ジェット記録方法。
【請求項５】インクジェット方式が、熱エネルギーを
利用したインクジェット方式である請求項１〜３の何れ
か１項に記載のインクジェット記録方法。
【請求項６】記録媒体上に画像を形成するためのイン
クセットであって、黒色インクとカラーインクとからな
り、該黒色インクはアニオン性染料もしくはカチオン性
染料を含み、且つ、上記カラーインクは上記黒色インク
と混合されたときに該黒色インクとイオン反応するカチ
オン性染料もしくはアニオン性染料を含み、更に、上記カラーインクは、上記記録媒体が置かれてい
る温度下で４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下の表面張力を有し、
又、上記黒色インクは、上記カラーインクよりも大きな
表面張力を有することを特徴とするインクセット。
【請求項７】記録媒体上に黒色画像及び該黒色画像に
少なくとも一部が隣接しているカラー画像とを形成する
のに用いられるインクセットであって、黒色インクとカ
ラーインクとからなり、該黒色インクは水溶性染料を含
む水系インクであり、且つ、上記カラーインクは油溶性
染料及び有機溶媒を含む非水系インクであり、更に、該カラーインクは、上記記録媒体が置かれている
温度下で４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下の表面張力を有し、
又、上記黒色インクは、上記カラーインクよりも大きな表面
張力を有することを特徴とするインクセット。
【請求項８】記録媒体が、上質紙、中質紙或いはノン
サイズ紙である請求項６又は７に記載のインクセット。
【請求項９】カラーインクが、複数の異色のカラーイ
ンクからなる請求項６又は７に記載のインクセット。
【請求項１０】複数の異色のカラーインクが、イエロ
ーインク、マゼンタインク及びシアンインクを含む請求
項９に記載のインクセット。
【請求項１１】黒色インクの、記録媒体への定着時間
が、５秒以上３０秒以下である請求項６又は７に記載の
インクセット。
【請求項１２】黒色インク及びカラーインクの各々
が、水系インクである請求項６に記載のインクセット。
【請求項１３】黒色画像とカラー画像とを含み、該カ
ラー面像の一部は該黒色画像と隣接している画像を記録
媒体上に形成するためのインクジェット記録方法であっ
て、アニオン性染料もしくはカチオン性染料を含む黒色イン
クを、上記記録媒体に付与して黒色画像を形成する工
程、及び、上記黒色インクと混合されたときに上記黒色インク中の
アニオン性染料もしくはカチオン性染料とイオン反応す
るカチオン性染料もしくはアニオン性染料を含むカラー
インクを、上記記録媒体に付与してカラー面像を形成す
る工程を有し、更に、上記カラーインクは上記記録媒体が置かれている
温度下で４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下の表面張力を有し、
又、上記黒色インクは上記カラーインクよりも大きな表
面張力を有していることを特徴とするインクジェット記
録方法。
【請求項１４】黒色画像とカラー画像とを含み、該カ
ラー画像の一部が該黒色画像と隣接している画像を記録
媒体上に形成するためのインクジェット記録方法であっ
て、水溶性染料を含む水系の黒色インクを上記記録媒体に付
与して黒色画像を形成する工程；及び、油溶性染料と有機溶剤とを含む非水系のカラーインクを
上記記録媒体に付与し、カラー面像を形成する工程；と
を有し、更に、上記カラーインクは上記記録媒体が置かれている
温度下で４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下の表面張力を有し、
又、上記黒色インクは上記カラーインクよりも大きな表
面張力を有することを特徴とするインクジェット記録方
法。
【請求項１５】黒色インクの、記録媒体に対する定着
時間が、５秒以上３０秒以下である請求項１３又は１４
に記載のインクジェット記録方法。
【請求項１６】カラーインクが、複数の異色のカラー
インクとからなる請求項１３又は１４に記載のインクジ
ェット記録方法。
【請求項１７】複数の異色のカラーインクが、イエロ
ーインク、マゼンタインク及びシアンインクを含む請求
項１６に記載のインクジェット記録方法。
【請求項１８】記録媒体が、上質紙、中質紙或いはノ
ンサイズ紙である請求項１３又は１４に記載のインクジ
ェット記録方法。
【請求項１９】黒色インク及びカラーインクの各々
が、水系インクである請求項１３に記載のインクジェッ
ト記録方法。
【請求項２０】黒色画像とカラー画像とを含み、該カ
ラー画像の一部が該黒色画像と隣接している画像の品位
を向上させる方法であって、上記黒色画像は、黒色インクを上記記録媒体に付与する
ことによって形成されるものであり、又、上記カラー画
像は、カラーインクを上記記録媒体に付与することによ
って形成されるものであり、上記黒色インクは、アニオン性染料もしくはカチオン性
染料を含み、又、上記カラーインクは、該黒色インクと
混合されたときにイオン的に反応するカチオン性染料も
しくはアニオン性染料を含み、更に、上記カラーインクは、上記記録媒体が置かれてい
る温度下において４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下の表面張力を
有し、又、上記黒色インクは、上記カラーインクよりも大きな表面
張力を有することを特徴とする画像の品位を向上させる
方法。
【請求項２１】黒色画像とカラー画像とを含み、該カ
ラー面像の一部が該黒色画像と隣接している画像の品位
を向上させる方法であって、上記黒色画像は、黒色インクを記録媒体に付与すること
によって形成されるものであり、又、上記カラー画像は
カラーインクを記録媒体に付与することによって形成さ
れるものであり、上記黒色インクは、水溶性染料を含む水系インクであ
り、上記カラーインクの各々は油溶性染料及び有機溶媒
を含む非水系インクであり、更に、上記カラーインクは、上記記録媒体が置かれてい
る温度下で４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下の表面張力を有し、
又、上記黒色インクは、上記カラーインクよりも大きな表面
張力を有することを特徴とする画像の品位を向上させる
方法。
【請求項２２】カラーインクが、複数の異色のカラー
インクからなる請求項２０又は２１に記載の画像の品位
を向上させる方法。
【請求項２３】複数の異色のカラーインクが、イエロ
ーインク、マゼンタインク及びシアンインクを含む請求
項２２に記載の画像の品位を向上させる方法。
【請求項２４】記録媒体が、上質紙、中質紙或いはノ
ンサイズ紙である請求項２０又は２１に記載の画像の品
位を向上させる方法。
【請求項２５】黒色インクの、記録媒体への定着時間
が、５秒以上３０秒以下である請求項２０又は２１に記
載の画像の品位を向上させる方法。