JPH09151347A - インクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法

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JPH09151347A
JPH09151347A JP33436395A JP33436395A JPH09151347A JP H09151347 A JPH09151347 A JP H09151347A JP 33436395 A JP33436395 A JP 33436395A JP 33436395 A JP33436395 A JP 33436395A JP H09151347 A JPH09151347 A JP H09151347A
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color
dye
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jet recording
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Mayumi Yamamoto
真由美 山本
Yoshihisa Takizawa
吉久 滝沢
Mikio Sanada
幹雄 真田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットでカラー画像を記録した場合
に、サイズ度の高い記録紙を用いた場合にも高い色濃度
でシャープなエッジを有し、且つ画像に不規則な線太り
がなく、更に色の異なるインクを隣接して印字した場合
にも画像の境界滲みを発生せずに、鮮明なカラー画像を
形成し得るインクセットの提供。 【解決手段】 異なる2色以上のインクを組み合わせた
インクセットであって、各インクが染料及び液媒体を必
須成分とし、少なくとも1色のインク中に高分子物質が
含まれ、且つ該インクと異なる色のインク中に水溶性染
料と両性イオン化合物とが含まれていることを特徴とす
るインクセット、及び該インクセットを用いたインクジ
ェット記録方法等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2色以
上の複数の色のインクを用い、これらの原色インクを組
合わせて被記録材上にカラー画像を記録する際に使用す
るインクセット及びインクジェット記録方法に関し、と
りわけ、インクジェット方式による画像記録において充
分な画像濃度を有し、鮮明で高品質な画像の得られるイ
ンクセット及びこれを用いるインクジェット記録方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、高電圧印加
による静電吸引方式、圧電素子を用いてインク(着色イ
ンク)に機械的振動または変位を与える方式、インクを
加熱した際にインクが発泡する圧力を利用する方式等、
種々のインク吐出方式によりインクの小滴を発生させ、
これを飛翔させて紙等の被記録材にインクを付着し、イ
ンクドットを形成させて記録を行うものであり、騒音の
発生が少なく、高速印字、多色印字の行える記録方式で
ある。
【0003】上記の様なインクジェット記録方式を用い
て記録された記録画像は、例えば、被記録材として、普
通紙や所謂インクジェット記録用紙等を用いて記録がさ
れた場合には表面画像観察用として、或いは被記録材と
して透光性を有する被記録材を用いて記録がされた場合
には、スライドやOHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)等の光学機器によりスクリーン等へ投影して観察す
る際に用いられるものとして、更に、カラー印刷のポジ
版を作製する際の色分解版として、又、液晶等のカラー
ディスプレイに用いるCMF(カラーモザイクフィルタ
ー)として使用する等、種々の用途に適用される。
【0004】一方、インクジェット記録法によりカラー
画像を形成する場合には、減法混色法による記録方法が
代表的な方法として挙げられる。減法混色法によりカラ
ー画像が形成される場合には、一般にシアン(C)、マ
ゼンタ(M)及びイエロー(Y)の3原色が使用されて
いる。
【0005】この3原色を同一画素に混合して(即ち、
異色のインク滴を、同一画素に重ねて付着させて記録し
て)表現することのできる色は、基本的には次の四色で
あり、C、M及びYの3原色によって表される色は、基
本的には、C、M、Y、R、G、B及びBkの七色とな
る。これらの七色で構成される多色画像はフォールスカ
ラー画像と称されている。 (1)C+M→B(ブルー) (2)C+Y→G(グリーン) (3)M+Y→R(レッド) (4)C+M+Y→Bk(ブラック) 即ち、この様な記録方法によって記録を行う場合には、
基本的にはC、M及びYの3原色用の3つの色の異なる
インクを用意しておけばよいことになる。
【0006】しかしながら、C、M及びYの3原色イン
クによってBkを表す場合には、C、M及びYの3原色
のインク滴を重ねてBkが印字され、しかも各色のイン
クについて同程度の容量のインク滴が用いられる為、3
つのインク滴が重なって付着して被記録材上に形成され
たBkドットが、Bk以外の色に記録された部分のドッ
トと比較して必要以上に拡大し、その部分に線の太りを
生じ不自然な画像となったり、その部分のインク量が多
い為に被記録材によるインク吸収不良を起こすという問
題がある。更に、記録が行われる場合、一般にBkによ
って記録される頻度が高い為、この問題は重要である。
【0007】この為、Bkを表す場合には、一般的に
は、C、M及びYの3原色インクに加えてBkインクが
追加されて4色のインクが使用されている。ところが、
上記した様に、C、M、Y及びBkの4色のインクを用
いて記録を行う場合に、B、G、及びRの印字部分にお
いては、色の異なる2種類のインク滴が重ね打ちされ
る。この際、特に被記録材がサイズ剤を含む上質紙であ
る場合には、増量したインク滴を吸収するのにある程度
の時間を要する為、吸収する間に被記録材の断面方向に
限らず、紙の繊維間のあらゆる方向の空隙にインク滴が
入り込むことが生じる。この結果、不均一なドットを形
成し、不規則な線太り、所謂フェザリングを生じ、記録
画像のエッジ部がシャープさに欠けた不鮮明画像となっ
てしまうという問題がある。更に、色の異なる2種類の
インク滴を隣接させて打ち込んだ場合にも、これらの色
の境界部においてインクが未定着のまま部分的に混じり
合う結果、異色間の境界滲みが生じ、不鮮明な画像とな
るという問題がある。
【0008】以上の様な問題を解決する1つの方法とし
て、被記録材へのインク滴の浸透速度を速くすることが
考えられる。この様にすれば、各色インクの表面張力が
低下され、被記録材への濡れ性を向上させることが実現
できる。しかしながら、表面張力を低下させたインクで
は、被記録材上で必要以上にドットが拡大して線太りを
生じたり、又、浸透速度が速くなることで色材の被記録
材内部への沈み込みが著しくなって、色濃度の低下が起
こり得る。
【0009】特にBkインクは、先に述べた様に画像の
場合にもよく使われるが、文字を記録する場合には更に
使用頻度が高い。そこで、文字にした際のBkインクの
色濃度を他色よりも高くし、しかも不自然な線太りのな
いシャープなエッジを形成させた方が、見た目の印象が
より好ましい画像となる。そこで、例えば、多色インク
のうちのBkのみをある程度高い表面張力のインクで記
録して被記録材への浸透速度を下げると、確かに高い色
濃度を有する鮮明な黒色画像が得られる。しかしながら
この様にした場合には、Bkインクと他色インクが重ね
られた場合に生じるフェザリングの問題や、Bk画像と
隣接する他色画像との境界滲みの問題が解消されなくな
ってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来技術の問題点を解決し、2色以上のインク
によってカラー画像を記録するインクジェット記録方法
において、特に汎用性の高いサイズ度の高い記録紙を用
いた場合にも、高い色濃度でシャープなエッジを有する
カラー画像を形成し得るインクジェット記録方法及びそ
の様なインクセットを提供することにある。又、2以上
の色の異なるインクを同時に重ねて印字した場合にも、
画像に不規則な線太りがなく、且つ色の異なる2つのイ
ンクを用いて隣接して印字を行った場合にも画像の境界
滲みを発生することのない、鮮明なカラー画像を形成し
得るインクジェット記録方法及びその様なインクセット
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明によって達成することが出来る。即ち、本発明は、
異なる2色以上のインクを組み合わせたインクセットを
用い被記録材上にインクジェット記録方式でカラー画像
を記録するインクジェット記録方法において使用され
る、インクが染料及び液媒体を必須成分とし、少なくと
も1色のインク中に高分子物質が含まれ、且つ該インク
と異なる色のインク中に水溶性染料と両性イオン化合物
とが含まれていることを特徴とするインクセット、及び
該インクセットを用いたインクジェット記録方法であ
る。
【0012】より具体的には、例えば、インクセットの
構成を、少なくとも1色のインクに含まれる染料がアニ
オン染料であり、同じく該インク中に含まれる高分子物
質が、アニオン性ポリマー又はノニオン性ポリマーを含
む水溶性の非カチオン性高分子物質であり、更に、その
他の色のインクに含まれる染料がカチオン染料であり、
且つ同時に該インク中に両性イオン化合物を含むものと
するか、或いは、少なくとも1色のインクに含まれる染
料がアニオン染料であり、同じく該インクに含まれる高
分子物質が、カチオン性ポリマー又はノニオン性ポリマ
ーを含む水溶性の非アニオン性高分子物質であり、更
に、その他の色のインクに含まれる染料がアニオン染料
であり、且つ同時に該インク中に両性イオン化合物を含
むものとする。尚、これらの場合に、高分子物質及び両
性イオン化合物が1つのインク中に同時に存在しても勿
論よい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて本発明を更に詳細に説明する。先ず、本発明のイン
クセットの作用について説明する。例えば、本発明のイ
ンクセットの好ましい態様を例にとって説明すると、イ
ンクセットを構成している少なくとも1色のインクの構
成成分に、アニオン染料と、アニオン性ポリマー又はノ
ニオン性ポリマーを含む水溶性の非カチオン性高分子物
質とを用い、更に、該インクの色とは異なる他の色のイ
ンクの構成成分に、カチオン染料と、両性イオン化合物
とを併用することによって、異なる2色以上のインク
を、ほぼ同時に重ね打ちしたり、或いはいずれかのイン
クが被記録材上で乾燥状態になる以前にその色と異なる
色のインクを隣接させて打ち込んだりした場合に、イン
クの混色を抑制することが出来る。この結果、得られる
カラー画像の不定形な線太りによるフェザリングや、隣
接する異色間の境界滲みを軽減することが可能となる。
即ち、上記した用な構成成分を有する異なる2色のイン
クを隣接させて打ち込んだ場合、各々のインクを構成し
ている色素であるアニオン性染料とカチオン性染料の染
料同士が、接触した時点で反応して不溶性の塩を形成す
る為に、急激な液体間の混色を抑制することが出来る。
しかし、これだけでは、反応不溶化の速度よりも、2色
のインクの液体間での拡散速度が上回っているので混色
抑制効果は不充分である。
【0014】従って、この効果をより充分なものにする
為に、前述した液体間の拡散速度を更に抑える必要があ
る。それには、先ず、一方のインク中に含まれる両性イ
オン化合物が有するところのアニオン性基が、該インク
中のカチオン性染料が有するところのカチオン性基のい
ずれかと会合して、インクの液媒体中での染料の見かけ
上の分子量を増大させる。そして、そのインクとは異な
る色のインクに含まれている高分子物質により、分子量
の増大した一方のインクの染料分子が絡めとられる格好
となって、両インクの拡散が妨げられることで実現し得
る。このとき、高分子物質が非ノニオン性であれば、イ
オン性を有する他方のインクの染料、又は染料と両性イ
オン化合物との会合体と更に会合し得るので、2色のイ
ンクの定着時での境界滲みはより効果的に防止される。
【0015】又、以上の場合とは逆に、少なくとも1色
のインクの構成成分に、カチオン性染料とカチオン性ポ
リマー又はノニオン性ポリマーを含む水溶性の非アニオ
ン性高分子物質とを用い、更に、その他の色のインク
に、アニオン染料と両性イオン化合物とを用いる場合で
も全く同様の作用がある。尚、いずれの場合にも高分子
物質や両性イオン化合物は、1色のインク中に共存して
いてもよい。更に、本発明においては、両性イオン化合
物と染料分子を会合させて分子量を増大させたり、高分
子物質をインク中に含有させている為、インク定着時の
乾燥による増粘速度が上昇し、同時に被記録材の表面下
への浸透性が抑えられドット径の拡大と不均一な線太り
が抑えられる。この為、記録画像のエッジがシャープに
なりしかも高い色濃度を得ることが出来る。
【0016】上記した構成を有する本発明のインクセッ
トは、インクジェット記録方式に好ましく用いられる
が、更に、異なる2色の色のインクの液体間の拡散をよ
り効果的に抑制し、又、液体間の境界面での混色をより
効果的に抑制する為には、カラー画像を被記録材上に印
字した直後に該印字物が乾燥される様にして記録するの
が好ましい。この為には、印字した直後の印字物を強制
的に加熱乾燥する機構が設けられているインクジェット
記録装置を用いて記録を行い、インクの即乾性を高める
様にするのが好ましい。この際に使用するインクを強制
的に加熱乾燥する方法としては、いずれの方法でもよい
が、例えば、加熱ロール、赤外線ヒーター等を用いる方
法が好ましく使用される。
【0017】次に、本発明のインクセットを構成する成
分について説明する。本発明のインクセットにおいて
は、少なくとも1色のインク中に高分子物質が含まれ、
且つ該インクと異なる別の色のインク中に水溶性染料と
両性イオン化合物とが含まれている。又、本発明の好ま
しいインクセットの態様としては、例えば、第1のイン
クを、ある色のアニオン性染料と、水溶性のアニオン性
ポリマー又はノニオン性ポリマーとから構成し、更に、
第2のインクを、第1のインクと異なる色のカチオン性
染料と、両性イオン化合物とを同時に含むもので構成
し、これらの第1及び第2のインクを組み合わせてイン
クセットとしたもの、或いはこれとは逆に、第1のイン
クを、ある色のカチオン性染料と、水溶性のアニオン性
ポリマー又はノニオン性ポリマーとから構成し、第2の
インクを、第1のインクとは異なる色のアニオン性染料
と、両性イオン化合物とを同時に含むもので構成し、こ
れらを組み合わせてインクセットとしたものが挙げられ
る。
【0018】先ず、上記に例示した様な構成を有する本
発明のインクセットについて説明する。本発明のインク
セットを構成する第1のインクは、水溶性染料と水溶性
高分子物質を適当な液媒体に溶解して得られる水溶性イ
ンクである。この様な水溶性インク中における水溶性染
料としては、下記に示す様なアニオン性染料及びカチオ
ン性染料が用いられ。又、インク中における染料の濃度
は所望に応じて適宜決定されるが、通常は、0.1〜1
5重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好まし
くは1〜5重量%の範囲とするのが望ましい。
【0019】先ず、アニオン染料としては、既存のもの
でも新規に合成したものでも、適度な色調と濃度とを有
するものであれば、直接染料、酸性染料及び反応性染料
等、大抵のものを使用することが出来る。又、これらの
うちのいずれかを混合して用いることも出来る。アニオ
ン染料の具体的なものとしては、例えば、下記の様なも
のが挙げられる。 C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、3
1、32、51、62、71、74、112、113、
154、168、 C.I.ダイレクトイエロー 8、11、12、27、
28、33、39、44、50、58、85、86、8
7、88、89、98、100、110、 C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、
23、24、31、39、46、62、75、79、8
0、83、89、95、197、201、218、22
0、224、225、226、227、228、23
0、 C.I.ダイレクトブルー 1、15、22、25、4
1、76、77、80、86、90、98、106、1
08、120、158、163、168、199、22
6、 C.I.アシッドブラック 2、48、51、52、1
10、115、156、 C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、
23、25、29、36、38、40、42、44、7
6、98、99、 C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、1
8、26、27、32、35、42、51、52、8
0、83、87、89、92、106、114、11
5、133、134、145、158、198、24
9、265、289、 C.I.アシッドブルー 1、7、9、15、22、2
3、25、29、40、43、59、62、74、7
8、80、90、100、102、104、117、1
27、138、158、161、 C.I.リィアクティブブラック 1、8、12、1
3、 C.I.リィアクティブイエロー 2、3、17、2
5、37、42、 C.I.リィアクティブレッド 7、12、13、1
5、17、20、23、24、31、42、45、4
6、59、 C.I.リィアクティブブルー 4、5、7、13、1
4、15、18、19、21、26、27、29、3
2、38、40、44、100、 C.I.フードブラック1、2、 C.I.フードイエロー 3、 C.I.フードレッド 87、92、94、
【0020】又、カチオン染料としては、例えば、下記
の様なものが挙げられる。 C.I.ベーシックブラック 2、8、 Aizen Cathilon Black SBH、
BXH、SH、ACH、MH、TH(保土ケ谷化学製) Sumiacryl Black B、R、AP、B
P、CP、FFP(住友化学製) Diacryl Supra Black GSL、R
SL、ESL(三菱化成製) C.I.ベーシックイエロー 1、11、13、19、
25、33、36、 C.I.ベーシックレッド 1、2、9、12、13、
38、39、92、 C.I.ベーシックブルー 1、3、5、9、19、2
4、25、26、28、45、54、65、
【0021】本発明のインクセットを構成する第1のイ
ンクにおいて、上記した様な水溶性染料と共に用いられ
る水溶性高分子物質としては、染料がアニオン性染料の
場合には、水溶性のアニオン性ポリマー又はノニオン性
ポリマーを用い、染料がカチオン性染料の場合には、水
溶性のカチオン性ポリマー又はノニオン性ポリマーが用
いられる。この様な水溶性高分子物質としては、既存の
ものでも、又、新規に合成したものでも、インクに必要
な適度な物性と、本発明の目的を達成し得る性能が得ら
れるものであれば、大抵のものを好適に使用することが
出来る。
【0022】先ず、アニオン性ポリマーとしては、例え
ば、ポリアクリル酸又はそのアルカリ塩類、ポリメタク
リル酸又はそのアルカリ塩類、スチレン−アクリル酸共
重合体又はそのアルカリ塩類、スチレン−アクリル酸−
アクリル酸アルキルエステル共重合体又はそのアルカリ
塩類、スチレン−マレイン酸共重合体又はそのアルカリ
塩類、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエス
テル共重合体又はそのアルカリ塩類、スチレン−メタク
リル酸共重合体又はそのアルカリ塩類、スチレン−メタ
クリル酸−アクリル酸アルキルエステル酸共重合体又は
そのアルカリ塩類、スチレン−マレイン酸ハーフエステ
ル共重合体又はそのアルカリ塩類、ビニルナフタレン−
マレイン酸共重合体又はそのアルカリ塩類、アルギン酸
又はそのアルカリ塩類、カルボキシメチルセルロース等
の多糖類又はそのアルカリ塩類、硫酸ポリビニル又はそ
のアルカリ塩等が挙げられる。尚、前記アルカリ塩類と
は、ナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属
塩の他、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルカノ
ールアミン塩等が挙げられ、これらを単独ないし数種類
を適宜組み合わせて使用することが出来る。
【0023】ノニオン性ポリマーとしては、例えば、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエ
チルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のポリ
ビニルエーテル誘導体、セルロース、メチルセルロー
ス、エチルオキシエチルセルロース等の多糖類、アルギ
ン酸多価アルコールエステル、水溶性尿素樹脂、デキス
トリン誘導体、カゼイン、ポリビニルエーテル化合物、
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド又
は両者の共重合体を含むポリアルキレンオキサイド等が
挙げられ、これらを単独ないしは数種類を適宜組み合わ
せて使用することが出来る。
【0024】カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポ
リエチレンイミン、ポリイソプロピレンイミン等を含む
ポリアルキレンイミン類、ポリアルキレンポリアミン、
ポリアミドポリアミンエピクロールヒドリンを含むポリ
アミン類、水溶性アニリン樹脂及びその塩類、ポリチオ
尿素及びその塩類、水溶性カチオン化アミノ樹脂、ポリ
ビニルピリジン及びその塩類、ポリアクリルアミドカチ
オン変性物等が挙げられ、これらを単独ないし数種類を
適宜組み合わせて使用することが出来る。
【0025】又、これらの水溶性高分子物質のインク中
における分子量は、重量平均分子量で、3,000〜1
00,000、好ましくは3,000〜50,000、
より好ましくは3,000〜20,000の範囲のもの
を使用するのが望ましい。子量が3,000よりも小
さいものを使用すると、添加の効果が得られず適当でな
く、又、分子量が100,000よりも大きいと、イン
クの粘度が大きくなりすぎる為、好ましくない。又、こ
の様な水溶性高分子物質のインク中における濃度は、所
望に応じて適宜決定されるが、通常は0.001〜20
重量%、好ましくは0.01〜15重量%、より好まし
くは0.01〜10重量%の範囲とするのが好ましい。
【0026】次に、本発明のインクセットを構成する第
2のインクを構成する構成材料について説明する。第2
のインクには、前記した様に水溶性染料と両性イオン化
合物とが含まれ、これらを適当な液媒体に溶解しするこ
とによって得られる。この際に使用される水溶性染料の
種類や含有量は、上記した第1のインクの場合と同様で
ある。
【0027】又、本発明のインクセットを構成する第2
のインクの構成成分として用いられる両性イオン化合物
としては、既存のものでも、又、新規に合成したもので
も、インクに要求される適度な物性と、本発明の目的を
達成し得る性能が得られれば大抵のものを好適に使用す
ることが出来る。両性イオン化合物には、両性界面活性
剤が含まれるが、これらは本発明において好適に用いら
れる。両性界面活性剤としては、具体的には例えば、疎
水基原料が炭素総数8〜18の直鎖及び分岐アルキルア
ミン、不飽和アルキルアミン、アルキル脂肪酸、アルキ
ルハライド等であり、親水基原料がポリアミン類、モノ
クロ酢酸塩、アクリル酸、カプロラクタム、マレイン
酸、クロルアルキルスルホン酸塩、アミノスルホン酸
塩、エチレンオキサイド、アミノエチルエタノールアミ
ン、硫酸化剤等から合成されるものであり、ベタイン型
化合物、アミノ酸誘導体、イミダゾリン誘導体等が挙げ
られ、これらを単独ないしは数種類を適宜組み合わせて
使用することが出来る。
【0028】更に、本発明において用いられる両性イオ
ン化合物としては、上記した様な両性界面活性剤の他、
下記一般式(I)で示される化合物も好適に使用するこ
とが出来る。 (式中、R1 は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
子を表し、R2 は(CH2 )a−X1 又は水素原子を表
し、aは1〜4のいずれかの整数とする。R3 は(CH
2 )b−X2 又はR4−Y又は水素原子を表し、bは1〜
4のいずれかの整数とする。R4 は炭素数1〜48のア
ルキル基又は水素原子を表す。Zは(NR5l2l)
c(NHCn2n)d を表し、l及びnは2〜4のいずれ
かの整数、c+dは0〜50のいずれかの整数とする。
Yは(NR6m2m)e(NHCp2P)fを表し、m及びp
は2〜4のいずれかの整数、e+fは0〜50のいずれ
かの整数とする。R5 は(CH2 )g−X3 を表し、gは
1〜4のいずれかの整数とする。R6 は(CH2 )h−X
4 を表し、hは1〜4のいずれかの整数とする。X1
2 、X3 及びX4 は、夫々、カルボキシル基、カルボ
キシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩又は水素原
子からなる群から選ばれる。又、R2 及びR3 が夫々水
素原子である時、c及びeが共に0になることはなく、
又、X1 、X2 、X3 及びX4 が全て水素原子になるこ
ともない。)
【0029】上記した様な両性イオン化合物の分子量
は、100〜3,000の範囲とするのが好ましく、更
に好ましくは、200〜2,500の範囲のものを用い
る。分子量が100よりも小さいと、所望の効果の程度
が少なく好ましくない。一方、分子量が3,000以上
であると、インク粘度が高くなりすぎ好ましくない。
【0030】更に、上記した様な本発明のインクセット
を構成する第1及び第2のインクは、上記した染料等が
液媒体に溶解されて構成されるが、この際に用いられる
液媒体としては、水と有機溶剤との混合物を用いるのが
好ましい。液媒体を混合形態とすると、極めて長期間
(例えば、6ケ月或いは1年以上)に亘ってインクの物
性変化或いは化学的性質(例えば、pH値)の変化が抑
制されているという利点がある。
【0031】又、用いられる有機溶剤としては、下記に
挙げる様な水溶性有機溶剤の中から所望に応じて適宜に
選択されて使用される。具体的には、例えば、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、iso−ブチルアルコール、アミルアルコー
ル、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等の炭素数
1〜7のアルキルアルコール類;アセトン、ジアセトン
アルコール等のケトン又はケトンアルコール類;モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノール
アミン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
チオジグリコール、ブチレングリコール、グリセリン等
のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含む多価アルコ
ール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル或
いはプロピル)エーテル、ジエチレングリコールモノメ
チル(又はエチル或いはブチル)エーテル、ジエチレン
グリコールジメチル(又はエチル)エーテル、ポリエチ
レングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の
アルキレングリコールから誘導された低級アルキルモノ
又はジエーテル類(全炭素数は3〜8個);2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素含有5員環
ケトン類;α−バレロ−ラクトン、ε−カプロラクト
ン、ブチルラクトン等のオキシカルボン酸の分子内エス
テル類;モルホリン、ジメチルイミダゾリジンスルホラ
ン等を挙げることが出来る。
【0032】上記した様な水溶性有機溶剤のインク中に
おける含有量は、一般には5〜90%、好ましくは10
〜80%、より好ましくは10〜50%の範囲であり、
水の含有量は、一般には10〜90%、好ましくは10
〜70%、より好ましくは20〜70%の範囲内とされ
ていることが望ましい。
【0033】以上の様にして調合される本発明で使用さ
れる各種のインクは、特に、サイズ度の高い被記録材と
の親和性に優れ、高速記録性、記録画像の光学濃度、色
調、耐水性、耐摩擦性或いは耐光性に特に優れている。
又、保存安定性、信号応答性、液滴形成の安定性、吐出
安定性或いは連続記録性等に優れた実用的なインクであ
る。
【0034】本発明で使用される各種インクには、上記
した様な各種成分の他に、更に、インクの物性値を改善
する目的で種々の添加剤を使用してもよい。例えば、p
H調整剤、尿素の様な結晶性有機化合物の乾燥防止剤、
粘度調整剤、種々の界面活性剤等の表面張力調整剤、防
カビ或いは殺菌剤等が挙げられる。或いは又、インクの
液滴を帯電させ偏向することによって記録を行う方式が
採用される場合には、添加剤として特に比抵抗調整剤を
挙げることが出来る。
【0035】本発明は、以上の様な優れた特性を有する
所望の物性値に調合した各色インクを調製し、少なくと
も異なる2色以上のインクを組み合わせたインクセット
とし、種々のインクジェット記録方式にこれを適用する
ことによって、高濃度で高品位の画像が形成される。即
ち、本発明では、上記で述べた物性を有する2色以上の
インクを使用し、インクジェット方式により画像を形成
することによって、所期の目的を達成する。本発明のイ
ンクジェット記録方法に適用されるインクジェット方式
としては、従来公知の方式を何れも使用することが出来
る。即ち、ピエゾ振動子の機械的振動を利用して液滴を
発生させるタイプの記録ヘッドを有する記録装置以外の
種々のインクジェット記録装置も好ましく用いられる。
例えば、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーの形で記
録信号を与え、液滴を発生させて記録を行う装置等にも
好適に用いられる。尚、本発明に用いる黒色インク又は
カラーのインクは、サインペン、万年筆等の筆記具用の
インクに使用されてもよい。但し、筆記具用のインクと
して使用する場合には、粘度、表面張力等をはじめ、種
々の特性を筆記具用に調整する必要がある。
【0036】以下、上記した記録ヘッドの室内のインク
に記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギ
ーにより液滴を発生させて記録を行う本発明に適用され
る記録装置について説明する。その装置の主要部である
ヘッド構成例を、図1、図2及び図3に示す。
【0037】ヘッド13は、インクを通す溝14を有す
るガラス、セラミック又はプラスチック板等と、感熱記
録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示
されているが、これに限定されるものではない。)とを
接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等
で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及
び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層1
8、蓄熱層19、及びアルミナ等の放熱性の良い基板2
0より成っている。
【0038】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。今、アルミニウム電極17−1及び17−2に
電気信号情報が加わると、発熱ヘッド15のnで示され
る領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に
気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、イ
ンク21が吐出しインク小滴24となり、吐出オリフィ
ス22より被記録材25に向って飛翔する。
【0039】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1で説明したものと同
様の発熱ヘッド28を密着して作製されている。尚、図
1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、
図2は図1のA−B線での断面図である。
【0040】図4に、上記ヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチ
レバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65に
よる記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場
合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動し
て、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成
を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けら
れるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘ
ッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0041】上記ブレード61、キャップ62及びイン
ク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレ
ード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面
の水分、塵挨等の除去が行われる。65は吐出エネルギ
ー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する
被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、6
6は記録ヘッド65を搭載してその移動を行う為のキャ
リッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可
能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその
隣接した領域の移動が可能となる。
【0042】51は被記録材を挿入する為の給紙部、5
2は不図示のモーターにより駆動する紙送りローラーで
ある。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面
と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行する
につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。
【0043】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキ
ャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接して
キャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの
移動経路中に突出する様に移動する。
【0044】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッド65のホ
ームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ば
かりでなく、記録ヘッド65が記録の為に記録領域を移
動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジ
ションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行
われる。
【0045】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
を、更に詳細に説明する。実施例1〜6及び比較例1の
インクはいずれも、表1及び表2に記載した夫々のイン
ク成分を容器の中で充分に撹拌した後、孔径1μmのテ
フロンフィルターで加圧濾過して調製した。尚、表1中
の構造式A及びBの化合物は、以下に示されるものであ
る。
【0046】構造式Aの化合物
【0047】構造式Bの化合物
【0048】表1−1:インク組成(実施例1〜4)
【0049】表1−2:インク組成(実施例5〜6)
【0050】表2:インク組成(比較例1)
【0051】[評価]本発明の実施例及び比較例のイン
クを用い、ピエゾ振動子によってインクを吐出させるオ
ンデマンド型記録ヘッド(吐出オリフィス径50μm、
ピエゾ振動子駆動電圧60V、周波数4kHz)を有す
る記録装置によって、表3に示した被記録材にインクジ
ェット記録を行い、以下に述べる評価項目T1〜T3につ
いての検討を行った。
【0052】1:各種被記録材に対する単色印字品位 被記録材に、インクを単独で印字し、単色画像の印字品
位を評価した。この場合、ドットのエッジ部分のシャー
プさ又はフェザリングの程度に特に注目した。表4に、
得られた評価結果を下記の評価基準で示した。 (評価判定基準) A:ほぼ完璧 B:若干気になるが実用上問題がない程度 C:顕かに問題がある程度 D:所望の画像としての痕跡も見られない程度
【0053】2:各種被記録材に対する2色混色印字
品位 被記録材に、Bk、C、M及びYインクのうちいずれか
2色を同一点上に重ね打ちした場合の2色混色画像の印
字品位を評価した。この場合、ドットの形状や滲みの程
度に特に注目した。表4に、得られた評価結果を下記の
評価基準で示した。 (評価判定基準) A:ほぼ完璧 B:若干気になるが実用上問題がない程度 C:顕かに問題がある程度 D:所望の画像としての痕跡も見られない程度
【0054】3:各種被記録材に対する異色ベタの境
界滲み 被記録材に、いずれかのインクで印字した直後に、それ
と隣接する様に異なる色のインクでベタ印字した。この
場合の境界滲みに特に注目した。表4に、得られた評価
結果を下記の評価基準で示した。 (評価判定基準) A:ほぼ完璧 B:若干気になるが実用上問題がない程度 C:顕かに問題がある程度 D:所望の画像としての痕跡も見られない程度
【0055】表3:被記録材の種類
【0056】(評価結果)下記の表4に、実施例1〜6
及び比較例1で使用したインク及び得られた画像の特徴
について、上記に示したT1、T2、T3の各評価項目に
ついての評価結果を示した。
【0057】表4:実施例及び比較例における評価結果
(T1、T2、T3
【0058】表4に示した様に、実施例1〜6のインク
セットを用いて得られたカラー画像は、いずれの評価
(T1、T2及びT3)においても良好な結果が得られ
た。これに対し、比較例1のインクセットを用いて得ら
れたカラー画像は、全ての評価項目を同時に満たすこと
はなかった。又、実施例1〜6のインクセットを用い、
記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発
生させ記録を行うオンデマンドタイプのマルチヘッド
(吐出オリフィス径35μm、発熱抵抗体抵抗値150
Ω、駆動電圧30V、周波数2kHz)を有するインク
ジェット記録装置を用いて同様の検討を行ったところ、
実施例1〜6インクセットを用いたものはいずれも優れ
た結果が得られた。
【0059】
【発明の効果】以上、説明した様に、本発明によれば、
同一の被記録材に対して、特に汎用性の高いサイズ度の
高い記録紙においても、高濃度でシャープなエッジを有
する高品位の画像が得られる。更に、本発明によれば、
異色の2つのインクを重ねて印字した場合に、得られる
画像に不規則な線太りがなく、且つ連続して異色の2つ
のインクによる画像を隣接させて印字した場合の境界滲
みのない鮮明なカラー画像を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図で
ある。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図で
ある。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:被記録材 26:マルチ溝 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる2色以上のインクを組み合わせた
    インクセットを用いて被記録材上にインクジェット記録
    方式でカラー画像を記録する際に用いられるインクセッ
    トにおいて、インクが染料及び液媒体を必須成分とし、
    少なくとも1色のインク中に高分子物質が含まれ、且つ
    該インクと異なる色のインク中に水溶性染料と両性イオ
    ン化合物とが含まれていることを特徴とするインクセッ
    ト。
  2. 【請求項2】 少なくとも1色のインクを構成する染料
    がアニオン性染料であって、且つ該インク中に含まれる
    高分子物質が水溶性のアニオン性ポリマー又はノニオン
    性ポリマーであり、該インクと異なる色のインクを構成
    する染料がカチオン性染料であって、且つ該インク中に
    両性イオン化合物が同時に含まれている請求項1に記載
    のインクセット。
  3. 【請求項3】 少なくとも1色のインクを構成する染料
    がカチオン性染料であって、且つ該インク中の高分子物
    質が水溶性のカチオン性ポリマー又はノニオン性ポリマ
    ーであり、該インクと異なる色のインクを構成する染料
    がアニオン性染料であって、且つ該インク中に両性イオ
    ン化合物が同時に含まれている請求項1に記載のインク
    セット。
  4. 【請求項4】 両性イオン化合物が、両性界面活性剤或
    いは下記一般式(I)で示される化合物である請求項1
    に記載のインクセット。 (式中、R1は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
    子を表し、R2は(CH2)a−X1又は水素原子を表し、
    aは1〜4のいずれかの整数とする。R3は(CH2)b
    2又はR4−Y又は水素原子を表し、bは1〜4のいず
    れかの整数とする。R4は炭素数1〜48のアルキル基
    又は水素原子を表す。Zは(NR5l2l)c(NHCn
    2n)dを表し、l及びnは2〜4のいずれかの整数、c+
    dは0〜50のいずれかの整数とする。Yは(NR6m
    2m)e(NHCp2P)fを表し、m及びpは2〜4のいず
    れかの整数、e+fは0〜50のいずれかの整数とす
    る。R5は(CH2)g−X3を表し、gは1〜4のいずれ
    かの整数とする。R6は(CH2)h−X4を表し、hは1
    〜4のいずれかの整数とする。X1、X2、X3及びX
    4は、夫々、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、ス
    ルホン基、スルホン基の塩又は水素原子からなる群から
    選ばれる。又、R2及びR3 が夫々水素原子である時、
    c及びeが共に0になることはなく、又、X1、X2、X
    3及びX4が全て水素原子になることもない)
  5. 【請求項5】 高分子物質の重量平均分子量が3,00
    0〜100,000の範囲である請求項1に記載のイン
    クセット。
  6. 【請求項6】 両性イオン化合物の分子量が100〜
    3,000の範囲である請求項1に記載のインクセッ
    ト。
  7. 【請求項7】 2色以上のインクを組み合わせてインク
    ジェット記録方式で被記録材上にカラー画像を記録する
    インクジェット記録方法において、請求項1〜請求項6
    に記載のインクセットを用いることを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 カラー画像を被記録材上に印字した直後
    に該印字物を加熱乾燥せしめる機構が設けられたインク
    ジェット記録装置により記録を行う請求項7に記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  9. 【請求項9】 インクジェット記録装置の記録方式が、
    熱エネルギーを利用したインクジェット記録方式である
    請求項7に記載のインクジェット記録方法。
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