JPH072924B2 - 記録液 - Google Patents

記録液

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JPH072924B2
JPH072924B2 JP61088170A JP8817086A JPH072924B2 JP H072924 B2 JPH072924 B2 JP H072924B2 JP 61088170 A JP61088170 A JP 61088170A JP 8817086 A JP8817086 A JP 8817086A JP H072924 B2 JPH072924 B2 JP H072924B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な記録液(以下インクという)に関し、特
にインクを記録ヘッドに設けられた微細な吐出口(吐出
オリフィス)から吐出させ、液滴として飛翔させて記録
を行う方式に適したインクに関する。
(従来の技術) 従来から紙等の被記録材に記録を行う筆記具(万年筆・
フエルトペン等)には、インクとして各種の染料を水又
はその他の有機溶剤に溶解せしめたものが使用されてい
る。
又、ピエゾ振動子による振動或は高電圧印加による静電
引力等により、記録ヘッド内のインクを吐出オリフィス
から吐出させて記録を行う所謂インクジェット方式にお
いても、各種染料を水又は有機溶剤等に溶解したインク
が使用されている。しかし、一般の万年筆・フェルトペ
ンのような文具用インクに比べるとインクジェット用イ
ンクは、多くの特性で一層厳密な条件が要求される。
この様なインクジェット方式は、所謂インクと称される
インクの液滴(droplet)を飛翔させ、これを被記録材
に付着させて記録を行うものである。かかるインクは、
記録剤(染料又は顔料が用いられる)及びこれを溶解又
は分散する液媒体(水又は各種有機溶剤或はこれらの混
合物が用いられる)を基本的成分とし、又、必要に応じ
て各種添加剤が添加されている。
(発明が解決しようとしている問題点) 従来、この種のインクとして、例えば、特公昭50-8361
号公報、特公昭51-40484号公報、特公昭52-13126号公
報、特公昭52-13127号公報、特開昭50-95008号公報に示
される様に、各種染料又は顔料を水系又は非水系溶媒に
溶解又は分散させたものが知られている。
この種のインクの好ましい条件としては、 (1) 吐出条件(圧電素子の駆動電圧、駆動周波数、
オリフィスの形状と材質、オリフィス径等)にマッチン
グした液物性(粘度、表面張力、電動度等)を有してい
ること、 (2) 長期保存に対して安定で、微細な吐出口や毛細
孔の目詰りを起こさないこと、 (3) 被記録材(紙、フィルム等)に対して定着が速
くドットの周辺が滑らかで滲みの小さいこと、 (4) 印字された画像の色調が鮮明で濃度が高いこ
と、 (5) 印字された画像の耐水性・耐光性等の堅牢度が
優れていること、 (6) インク周辺材料(容器、連結チューブ、シール
材等)を浸さないこと、 (7) 臭気、毒性、印加性等の安全性に優れたもので
あること、 (8) インクに熱エネルギーを与えて液滴を発生させ
る前述の装置に用いられるインクでは、熱的安定性の高
いこと、 等が挙げられる。
上記の様な諸特性を同時に満足させることは相当に困難
である。前記した従来技術は、この点で不満足なもので
あった。
かかる目的の記録に適用するインクは、基本的に染料と
その液媒体とから組成されるものであるので、上記のイ
ンク特性は染料固有の性質に左右されるところが大き
い。従って、インクが上記特性を具備するように染料を
選択することは、かかる技術分野において極めて重要な
技術である。
特に赤色乃至マゼンタ染料においては、耐水性の良好な
直接染料は色調が不鮮明であり、色調の鮮やかな酸性染
料は耐水性が劣るというように、耐水性と色調の両者を
満足する染料を選択することは極めて困難である。
かくして本発明は、鋭意検討に結果、かかる目的に用い
るインクに好適な染料を見出すことにより完成されたも
のである。
(発明の開示) 即ち、本発明は、記録像を形成する成分である記録剤及
びこの記録剤を溶解又は分散する為の液媒体を含むイン
クにおいて、記録剤として下記の一般式(A)、
(B)、(C)又は(D)で表される染料の少なくとも
1種が含有されていることを特徴とするインクである。
(但し上記式中のXは 又は‐CO(CH2)mCO‐のいずれかを示し、ここではmは2
〜6の整数を示し、Yは‐(CH2)n‐、‐NHCO-、−O−
又は‐SO2‐のいずれかを示し、ここでnは3〜6の整
数を示し、ZはCOCH3のいずれかを示し、ここでR12は水酸基、アミノ基、モ
ノエタノールアミノ基又はジエタノールアミノ基のいず
れかを示し、R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、水酸基、アセチルアミノ基、アミ
ド基、ニトロ基、カルボシキル基、スルホン酸基、スル
ホンアミド基、シアノ基、トリフルオロメチル基のいず
れかを示し、R5〜R10は水素原子又はスルホン酸基を示
し、R11は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、カルボキシル基又はスルホン酸基のいずれか
を示し、カルボキシル基とスルホン酸基とはアルカリ金
属、アンモニア又はアミンと造塩している。
次に本発明を更に詳細に説明すると、本発明者は、前述
の本発明の目的を達成すべく、インクの記録剤成分であ
る染料について詳細な研究を行ったところ、特定の構造
の染料がインクの記録剤、特にインクジェット方式で使
用するインクの記録剤として好適であり、この様な特定
の構造の染料をインクの記録剤として採用することによ
って、インクジェット方式で使用した場合において、吐
出条件にマッチングした液物性、長期保存安定性、被記
録材に対するインク定着性、画像の鮮明性、高濃度の画
像、画像の耐光性、耐水性及びその他の要求性能を満足
するインクが得られることを知見したものである。
本発明で使用し、主として本発明を特徴づける一般式
(A)、(B)、(C)又は(D)で表される染料とし
ては、上記一般式に包含される限り、いずれの染料でも
よいものであるが、好ましい例としては、例えば、下記
のものが挙げられる。
一般式(A)又は(B)で表される染料の好ましい例と
しては、 R1がカルボキシル基、アミド基、スルホン酸基、スルホ
ンアミド基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基の
いずれか、R2がハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アセチルアミノ基、アミド基又はシアノ基のいずれ
か、R3が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アミド
基又はスルホンアミド基のいずれか、R4が水素原子又は
ハロゲン原子である染料であり、特に好ましい例は、X
が‐CO(CH2)nCO-R2がアルキル基、アルコキシ基又はア
ミド基のいずれか、R5が水素原子、R6がR7がスルホン酸
基である染料である。
一般式(C)又は(D)で表わされる染料の好ましい例
としては、Yが‐(CH2)n‐、R3が水素原子R8とR10がス
ルホン酸基である染料であり、特に好ましい例は、R11
がスルホン酸基である染料である。
更に具体的には次の如き染料が挙げられる。
(1) 一般式(A)で表わされる染料化合物 (2) 一般式(B)で表わされる染料化合物 (3) 一般式(C)で表わされる染料化合物 (4) 一般式(D)で表わされる染料化合物 以上の如き、前記の一般式(A)〜(D)で表わされる
特定の染料をインクの記録剤として使用することによっ
て、粘度、表面張力等の物性値が適正範囲内にあり、微
細な吐出オリフィスを目詰りさせず、十分に高い濃度の
記録画像を与え、熱的安定性が高く、保存中に物性値変
化或は固形物の析出を生じることなく、被記録材の種類
を制限せずに種々の部材に記録が行え、定着速度が大き
く、耐水性、耐光性、耐摩耗性及び解像度の優れた画像
を与えるインクが得られる。
上記の染料の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要
求される特性等に依存して決定されるが、一般にはイン
ク全重量に対して、重量パーセントで0.1〜20%、好ま
しくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10%の範囲
とされる。該染料は勿論単独で若しくは2種以上を組み
合わせて、或は該染料を必須成分として、この外に他の
直接染料、酸性染料等の各種染料を併用して使用するこ
とが出来る。
本発明のインクに使用するのに好適な溶媒は、水又は水
と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なもの
は水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であって、水溶性有機
溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコー
ルを含有するものである。又、水としては、種々のイオ
ンを含有する一般の水でなく、脱イオン水を使用するの
が好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアル
キルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコ
ール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレング
リコール類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,
2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシ
レングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン
基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール
類;グリセリン;エチレングリコールメチル(又はエチ
ル)エーテル、ジエチレングリコルメチル(又はエチ
ル)エーテル、トリチレングリコールモノメチル(又は
エチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエ
ーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレング
リコール等の多価アルコール、トリエチレングリコール
モノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコール
の低級アルキルエーテルが好ましいものである。
インク中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはイ
ンクの全重量に対して重量%で5〜95重量%、好ましく
は10〜80重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲で
ある。
このときの水の含有量は、上記溶剤成分の種類、その組
成或は所望されるインクの特性に依存して広い範囲で決
定されるが、インク全重量中で一般に10〜90%、好まし
くは10〜70%、より好ましくは20〜70%を占める範囲内
とされる。
この様な成分から調合される本発明のインクは、それ自
体が記録特性(信号応答性、液滴形成の安定性、吐出安
定性、長時間の連続記録性、長時間の記録休止後の吐出
安定性)、保存安定性、被記録材への定着性、或は記録
画像の耐光性、耐候性、耐水性等、いずれもバランスの
とれた優れたものである。そしてこの様な特性を更に改
良する為に、従来から知られている各種添加剤を更に添
加含有せしめてもよい。
例えば、ポリビニルアルコール、セルロース類、水溶性
樹脂等の粘度調整剤;カチオン、アニオン或はノニオン
系の各種界面活性剤、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等の表面張力調整剤;緩衝液によるpH調整
剤、防カビ剤等を挙げることが出来る。
又、インクを帯電するタイプのインクジェット方式に使
用されるインクを調合する為には、塩化リチウム、塩化
アンモニウム、塩化ナトリウム等の無機塩類等の比抵抗
調整剤が添加される。
尚、熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるタ
イプのインクジェット方式に適用する場合には、熱的な
物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)か調
整されることもある。
以上の如き本発明のインクは、種々の筆記具、記録器具
等による記録用インクとして有用なものであり、特にイ
ンクジェット用のインクとして有用である。
好ましい1例としてのインクジェット方式の場合を説明
すると、このインクジェット方式は、インクをノズルよ
り効果的に離脱させて射程体である被記録材にインクを
付与し得る方式であればいかなる方式でもよく、それら
の方式の代表的なものは、例えば、アイイーイーイー
トランスアクションズ オンインダストリー アプリケ
ーションズ(IEEE Trans Actions on Indust-ry Applic
ations)Vol.JA-13、No.1(1977年2、3月号)、日経
エレクトロニクスの1976年4月19日号、1973年1月29日
号及び1974年5月6日号に記載されている。
これらに記載の方式は、本発明のインクの使用に好適な
ものであり、その幾つかを説明すると、先ず静電吸引方
式があり、この方式では、ノズルのノズルの数mm前方に
置いた加速電極との間に強電界を与えて、ノズルよりイ
ンクを粒子化して次々に引出し、引出したインクが偏向
電極間を飛翔する間に情報信号を偏向電極に与えて記録
する方式と、インク粒子を偏向することなく、情報信号
に対応してインク粒子を噴射する方式とがあり、いずれ
も本発明のインクに有効である。
第二の方式としては、小型ポンプでインクに高圧を加
え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることに
より、強制的に微小インク粒子を噴射する方式であり、
噴射されたインク粒子は噴射と同時に、情報信号に応じ
て帯電させる。帯電したインク粒子は偏向電極板間を通
過する際、帯電量に応じて偏向される。
この方式を利用した別の方式としてマイクロドットイン
クジェット方式と称される方式もあり、この方式では、
インク圧力及び励振条件をある範囲の適正値に保ち、ノ
ズル先端より大小二種類のインク液滴を発生し、この中
小径液滴のみを記録に利用するものである。この方式の
特徴は、従来並みの太いノズル口径でも微小液滴群を得
ることが出来る点である。
第三の方式としてはピエゾ素子方式があり、この方式で
は、インクに加える圧力手段として他方式の如くポンプ
の様な機械的手段でなく、ピエゾ素子を利用する。ピエ
ゾ素子に電気信号を与えて機械的変位を生じさせること
により、インクに圧力を加え、ノズルより噴射させる方
式である。
又、特開昭54-59936号公報に記載されている方法で、熱
エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生
じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズ
ルから吐出させるインクジェット方式も有効に使用する
ことが出来る。
以上の如き本発明のインクは、その記録剤として特定の
構造の染料を採用したことにより、一般的記録用のイン
クとして勿論、特にインクジェット方式に使用するイン
クとして、優れた長期保存安定性、吐出応答性等の記録
特性を有すると共に被記録材に付与されることによっ
て、優れたインク定着性を示し、特に耐光性、耐水性、
鮮明性、解像性等に優れた記録画像を与えるものであ
る。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断りのない限
り重量水準である。
実施例1 具体例(5)の染料 3部 ジエチレングリコール 35部 N−メチル−2−ピロリドン 10部 水 52部 上記組成物を容器の中で十分混合溶解し、孔径1μmの
テフロンフィルターで加圧濾過した後、真空ポンプを用
いて脱気処理し本発明のインクとした。得られたインク
を用いて、ピエゾ振動子によってインクを吐出させるオ
ンデマンド型記録ヘッド(吐出オリフィス系50μm・ピ
エゾ振動子駆動電圧60V、周波数4KHz)を有する記録装
置により、下記の(T1)〜(T5)の検討を行ったとこ
ろ、いずれも良好な結果を得た。
(T1)インクの長期保存性;インクをガラス容器に密閉
し、−30℃と60℃で6カ月間保存した後でも不溶分の析
出は認められず、液の物性や色調にも変化がなかった。
(T2)吐出安定性;室温、5℃、40℃の雰囲気中で夫々
24時間の連続吐出を行ったが、いずれの条件でも終始安
定した高品質の記録が行えた。
(T3)吐出応答性;2秒毎の間欠吐出と2カ月間放置後の
吐出について調べたが、いずれの場合もオリフィス先端
での目詰りがなく、安定で均一に記録された。
(T4)記録画像の品質;下記第1表の被記録材に記録さ
れた画像は濃度が高く鮮明であった。室内光に3カ月間
さらした後の濃度の低下率は1%以下であり、又、水中
に1日間浸した場合、画像の滲みは極めて僅かであっ
た。
(T5)各種被記録材に対する定着性;下第1表に記載の
被記録材に印字し15秒後の印字部を指でこすり、画像ず
れ・滲みの有無を判定した。いずれも画像ずれ・滲み等
がなく優れた定着性を示した。
実施例2 具体例(10)の染料 2.5部 ジエチレングリコール 30部 N−メチル−2−ピロリドン 15部 水 52.5部 実施例1と同様にして上記の組成の本発明のインクを調
製し、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液
滴を発生させ記録を行うオンデマンドタイプのマルチヘ
ッド(吐出オリフィス径35μm、発熱抵抗体抵抗値150
Ω、駆動電圧30V、周波数2KHz)を有する記録装置を用
いて実施例1と同様に(T1)〜(T5)の検討を行った
が、全ての検討実験において優れた結果を得た。
実施例3 具体例(13)の染料 2.5部 ジエチレングリコール 25部 N−メチル−2−ピロリドン 15部 ポリエチレングリコール(分子量300) 5部 水 52.5部 実施例1と同様にして上記の組成の本発明のインクを調
製し、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液
滴を発生させ記録を行うオンデマンドタイプのマルチヘ
ッド(吐出オリフィス径35μm、発熱抵抗体抵抗値150
Ω、駆動電圧30V、周波数2KHz)を有する記録装置を用
いて実施例1と同様に(T1)〜(T5)の検討を行った
が、すべての検討実験において優れた結果を得た。
実施例4 具体例(4)の染料 3部 ジエチレングリコール 30部 N−メチル−2−ピロリドン 10部 水 57部 実施例1と同様にして上記の組成の本発明のインクを調
製し、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液
滴を発生させ記録を行うオンデマンドタイプのマルチヘ
ッド(吐出オリフィス径35μm、発熱抵抗体抵抗値150
Ω、駆動電圧30V、周波数2KHz)を有する記録装置を用
いて実施例1と同様に(T1)〜(T5)の検討を行った
が、全ての検討実験において優れた結果を得た。
実施例5 具体例(9)の染料 3部 ジエチレングリコール 20部 N−メチル−2−ピロリドン 15部 水 62部 実施例1と同様にして上記の組成の本発明のインクを調
製し、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液
滴を発生させ記録を行うオンデマンドタイプのマルチヘ
ッド(吐出オリフィス径35μm、発熱抵抗体抵抗値150
Ω、駆動電圧30V、周波数2KHz)を有する記録装置を用
いて実施例1と同様に(T1)〜(T5)の検討を行った
が、全ての検討実験において優れた結果を得た。
実施例6 具体例(2)の染料 4部 ジエチレングリコール 35部 N−メチル−2−ピロリドン 10部 水 51部 実施例1と同様にして上記の組成の本発明のインクを調
製し、このインクをフエルトペンに充填し、中質紙(白
牡丹、本州製紙製)に筆記して耐水性及びキャップを外
して24時間放置後の筆記性を調べた。その結果、耐水性
及び放置後の筆記性共に優れていた。
比較例1〜6 尚、比較の為に実施例1〜6で使用した夫々の染料に代
え、夫々下記の染料を使用し、夫々対応する実施例と同
様の記録及び試験を行ったところ、いずれも1日間の水
中浸漬で画像の滲みやインクの流れ出しが著しかった。
比較例1(実施例1に対応) 比較例2(実施例2に対応) 比較例3(実施例3に対応) 比較例4(実施例4に対応) 比較例5(実施例5に対応) 比較例6(実施例6に対応) 実施例7〜15 実施例1と同様の方法により、下記第2表に記載の組成
の本発明のインクを調製し、又、実施例2と同様に(T
1)〜(T5)の検討を行った。これらのインクは、長期
保存性、記録性、記録画像の定着性、鮮明性等において
全て良好な結果を与えた。尚染料に付した数字は前記具
体例の番号を示す。
第2表 実施例7 染料No.7 3部 ジエチレングリコール 30部 N−メチル−2−ピロリドン 5部 水 62部 実施例8 染料No.11 3部 エチレングリコール 30部 ポリエチレングリコール(分子量200) 5部 水 62部 実施例9 染料No.15 3部 ジエチレングリコール 25部 N−メチル−2−ピロリドン 10部 水 62部 実施例10 染料No.1 2.5部 ジエチレングリコール 20部 N−メチル−2−ピロリドン 15部 ポリエチレングリコール(分子量200) 10部 水 52.5部 実施例11 染料No.16 2部 ジエチレングリコール 30部 トリエチレングリコールモノメチルエーテル 10部 水 58部 実施例12 染料No.4 3部 ジエチレングリコール 20部 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 15部 水 62部 実施例13 染料No.18 3部 エチレングリコール 20部 ポリエチレングリコール(分子量200) 13部 水 64部 実施例14 染料No.12 3部 ジエチレングリコール 25部 N−メチル−2−ピロリドン 10部 水 62部 実施例15 染料No.6 2部 ジエチレングリコール 35部 N−メチル−2−ピロリドン 10部 水 53部 実施例16〜25及び比較例7〜9 下記第3表に示した染料を用いて下記組成のインクを作
成した。
染料 5部 グリセリン 5部 N−メチル−2−ピロリドン 5部 イソプロピルアルコール 4部 水 81部 これらのインクを用いて、実施例2に示した記録装置で
240時間の連続記録を行ない、下記の基準で評価した。
結果を下記第3表に示す。
A:最後まで安定した記録が行えた。
B:途中から画像の濃度低下や画像品位の劣化が認めら れた。
C:途中で吐出が停止した。顕微鏡観察でヘッドのヒー ター部分に析出物の堆積が認められた。
比較例で使用した染料番号20〜22は前記一般式(C)及
び(D)における置換基等が下記で示される染料であ
る。
以上説明した通り、本発明のインクを用いることによ
り、 (1) 液の長期保存安定性、特に熱安定性が良好で、
吐出口の目詰りを起こしにくい。
(2) 温度や駆動条件の変動に対して、安定吐出のア
ローワンスが広い。
(3) 被記録材への定着が速く、画像は鮮明である。
(4) 印刷物の耐水性及び耐光性が良好である。
(5) インクの安全性が高く、周辺材料(容器シール
材等)を侵さない。
等の利点がある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録像を形成する成分である記録剤及びこ
    の記録剤を溶解又は分散する為の液媒体を含む記録液に
    おいて、記録剤として下記の一般式(A)、(B)、
    (C)又は(D)で表される染料の少なくとも1種が含
    有されていることを特徴とする記録液。 (但し上記式中のXは 又は‐CO(CH2)mCO-のいずれかを示し、ここでmは2〜
    6の整数を示し、Yは‐(CH2)n‐、‐NHCO-、−O−又
    は‐SO2‐のいずれかを示し、ここでnは3〜6の整数
    を示し、ZはCOCH3のいずれかを示し、(ここでR12は水酸基、アミノ基、
    モノエタノールアミノ基又はジエタノールアミノ基のい
    ずれかを示し、R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、アルコキシ基、水酸基、アセチルアミノ基、ア
    ミド基、ニトロ基、カルボシキル基、スルホン酸基、ス
    ルホンアミド基、シアノ基、トリフルオロメチル基のい
    ずれかを示し、R5〜R10は水素原子又はスルホン酸基を
    示し、R11は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、カルボキシル基又はスルホン酸基のいずれ
    かを示し、カルボキシル基とスルホン酸基とはアルカリ
    金属、アンモニア又はアミンと造塩している。)
  2. 【請求項2】一般式(A)又は(B)において、 R1がカルボキシル基、アミド基、スルホン酸基、スルホ
    ンアミド基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基に
    いずれか、R2がハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、アセチルアミノ基、アミド基又はシアノ基のいずれ
    か、R3が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アミド
    基又はスルホンアミド基のいずれか、R4が水素原子又は
    ハロゲン原子である特許請求の範囲第(1)項に記載の
    記録液。
  3. 【請求項3】一般式(C)又は(D)において、Yが‐
    (CH2)n‐(n=3〜6)、R9が水素原子、R8とR10がス
    ルホン酸基である特許請求の範囲第(1)項に記載の記
    録液。
  4. 【請求項4】一般式(A)又は(B)において、Xが‐
    CO(CH2)mCO‐(m=2〜6)、R2がアルキル基、アルコ
    キシ基又はアミド基のいずれか、R5が水素原子、R6とR7
    がスルホン酸基である特許請求の範囲第(2)項に記載
    の記録液。
  5. 【請求項5】一般式(C)又は(D)において、R11
    スルホン酸基である特許請求の範囲第(3)項に記載の
    記録液。
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