JPH0341504B2 - - Google Patents

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JPH0341504B2
JPH0341504B2 JP57056954A JP5695482A JPH0341504B2 JP H0341504 B2 JPH0341504 B2 JP H0341504B2 JP 57056954 A JP57056954 A JP 57056954A JP 5695482 A JP5695482 A JP 5695482A JP H0341504 B2 JPH0341504 B2 JP H0341504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な記録液、特には記録ヘツドに設
けられた微細な吐出口(吐出オリフイス)から吐
出させ、その液滴によつて記録を行なうインクジ
エツト記録方式に適した記録液及びこれを用いた
インクジエツト記録方法に関する。 従来から紙等の被記録材に記録を行なう筆記具
(万年筆・フエルトペン等)には、インクとして
各種の染料を水またはその他の有機溶剤に溶解せ
しめたものが使用されている。 またピエゾ振動子による振動或は高電圧印加に
よる静電引力等により記録ヘツド内の液体を吐出
オリフイスから吐出させて記録を行なう所謂イン
クジエツト記録方式に於いても各種染料を水又は
有機溶剤等に溶解した組成物が使用されることが
知られている。しかし一般の万年筆、フエルトペ
ンの様な文具用インクに比べるとインクジエツト
用記録液は、多くの特性で一層厳密な条件が要求
される。 インクジエツト記録法は、騒音の発生がなく、
普通紙に特別の定着処理なしに高速記録或はカラ
ー記録が行なえるものであり、種々のタイプのも
のが活発に研究されている。 この様なインクジエツト記録法は、所謂インク
と称される記録液の液滴(droplet)を飛翔させ、
これを被記録材に付着させて記録を行なうもので
ある。斯かる記録液は、記録剤(染料又は顔料が
用いられる)及びこれを溶剤又は分散する液媒体
(水又は各種有機溶剤或はこれらの混合物が用い
られる)を基本的成分とし、又必要に応じて各種
添加剤が添加されている。 この様な記録法には、液滴の発生方法及び液滴
の飛翔方向の制御方法によつて、種々の方式があ
る。その一例を第1図に示す。 即ち第1図の装置はピエゾ振動子を有する記録
ヘツド部に記録信号を与え、該信号に応じて記録
液の液滴を発生させて記録を行なうものである。
第1図において、1は記録ヘツドで、ピエゾ振動
子2a、振動板2b、記録液の流入口3、ヘツド
内の液室4及び吐出口(吐出オリフイス)5を有
している。液室4内には貯蔵タンク6に蓄えられ
た記録液7が、供給管8によつて導入されてい
る。尚、供給管8の途中には場合によつて、ポン
プ或はフイルター等の中間処理手段9が設けられ
ることを有る。そしてピエゾ振動子2aには、信
号処理手段(例えばパルス変換器)10によつて
記録信号Sからパルスに変換された信号が印加さ
れ、該信号に応じて液室4内の記録液に圧力変化
が生ずる。その結果、記録液7は吐出オリフイス
5から液滴11となつて吐出し、被記録材12の
表面に記録が行なわれる。 又、上記の装置以外にも種々のタイプの装置が
知られており、例えば、第2図に示す様に、第1
図の変形例として液室4をノズル状にし、その外
周部に円筒状のピエゾ振動子を設置した装置があ
る(この装置に於ける液滴の発生の機構は、本質
的に第1図に示した装置と同じで有る)。又、帯
電した液滴を連続的に発生させ該液滴の一部を記
録に使用する装置、或は、又、記録ヘツドの室内
の記録液に記録信号に対応した熱エネルギーを与
え、該エネルギーにより液滴を発生させる装置等
も知られている。 その一例を第3−a図、第3−b図、第4図に
示す。 ヘツド13はインクを通す溝14を有するガラ
ス、セラミツクス、又はプラスチツク板等と、感
熱記録に用いられる発熱ヘツド15(図では薄膜
ヘツドが示されているが、これに限定されるもの
ではない)とを接着して得られる。発熱ヘツド1
5は酸化シリコン等で形成される保護膜16、ア
ルミニウム電極17−1,17−2、ニクロム等
で形成される発熱抵抗体層18、蓄積層19、ア
ルミナ等の放熱性の良い基板20より成つてい
る。 インク21は吐出オリフイス22まで来てお
り、圧力Pにおりメニスカス23を形成してい
る。 今、電極17−1,17−2に電気信号が加わ
ると、発熱ヘツド15のnで示される部分が急激
に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が
発生し、その圧力でメニスカス23が突出されイ
ンク21が吐出しオリフイス22より記録小滴2
4となり、被記録材25に向かつて飛翔する。第
4図には第3−a図に示すヘツドを多数並べたマ
ルチヘツドの外観図を示す。該マルチヘツドはマ
ルチ溝26を有するガラス板27と、第3−a図
に説明したものと同様な発熱ヘツド28を接着し
てつくられている。 特に、上記の熱エネルギーを利用した液体噴射
記録法に於いては高解像度、高品質の画像を更に
高速で長時間記録する場合、或は装置の使用寿命
を飛翔的に向上させるには、記録ヘツドの繰返し
使用寿命(耐久寿命)を向上させる必要がある。 上記の如き記録法に適用される記録ヘツドの使
用寿命を決定している要因としては、具備される
発熱ヘツドの寿命の他に、その表面への固形物の
沈積があげられる。この気泡の発生、消滅の繰返
しの際に記録液は、高温を受けるため、熱的に不
安定な記録液は、化学変化を起こすことが予想さ
れる。 実際、気泡の発生、消滅を長く継続させると、
その結果として発熱ヘツド表面近傍に於て、不溶
物の生成沈積が起きることでヘツドの吐出不能を
生じることが、多くの実験で経験され、且つ、観
察された。 本発明は、とりわけ上記の不都合を解消する為
に成されたものであつて、前記した公報に記載さ
れた記録法に適用される記録ヘツドの使用寿命を
格段に延ばすことができ、しかも、ヘツドの故障
率を著しく低下させ、その信頼性を高め得る記録
液及びこれを用いたインクジエツト記録方法を提
供することを目的とするものである。 そしてこの様な目的を達成する本発明の記録液
は下記一般式にて表わされる化合物(染料)を記
録剤として含有することを特徴とするものであ
る。 (但し、上式中、Q1、Q2は置換ナフチル基を表
わし、これ等の置換基は、−NH2、−OH、−
SO3M、−COOM′、−CH3、−C2H5、−NO2、−
NHCOCH3、ハロゲン原子の中から選ばれる少
なくとも一つである。又、R1はH、SO3M、
OCH3、CH3、ハロゲン原子の何れかを示し、R2
は、H、CH3、OCH3の何れかを示す。尚、上記
M、M′は夫々、Na、K、Li、アンモニウム類、
アミン類から選ばれる一種である。) 又、本発明は、記録液に熱エネルギーを作用さ
せてオリフイスから液滴として吐出し、記録を行
なうインクジエツト記録方法に於いて、記録液と
して上記の記録液を用いることを特徴とするもの
である。 上記した本発明の記録剤は特に、250℃以上に
加熱されたときに生じるアゾ結合(−N=N−)
の切断に際しても、その分解生成物が液媒体に充
分な溶解性を有するものである。そのため長時間
に亘る気泡の発生、消滅のくり返しに於いても発
熱ヘツド表面における不溶物の生成・沈積を生ぜ
ず、記録ヘツドの吐出不能を生じることはない。
又、本発明の記録剤として用いる染料は、その分
子構造から予測できるとおり、液媒体に対する溶
解性は、充分満足する性能を有しており、特に水
に対する溶解性が優れていることから、水性の記
録液を組成するときに非常に有効に用いることが
できる。 又、本発明の記録液は、記録剤である染料の他
に、水、有機溶剤などの適当な溶媒、さらに必要
に応じて表面張力調整剤、粘度調整剤等の添加物
を適宜添加調合することにより、いわゆるインク
と称される液体組成物として得られる。この記録
液を用いて、第1図に示されるような記録ヘツド
で記録を行なえば、従来通りの記録液を使用した
場合に比べて、記録ヘツドの使用寿命は以下の実
施例で示されるように飛躍的に向上しうる。 本発明に用いる記録剤としては、具体的に次の
ような化学構造の染料があげられる。 尚、本発明の記録液を組成するための液媒体成
分としては、水或は水と水溶性の各種有機溶剤と
の混合物が使用される。水溶性の有機溶剤として
は、例えば、メチル・アルコール、エチル・アル
コール、n−プロピル・アルコール、イソプロピ
ル・アルコール、n−ブチル・アルコール、sec
−ブチル・アルコール、tert−ブチル・アルコー
ル、イソブチル・アルコール等の炭素数1〜4の
アルキル・アルコール類;ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセト
ン、ジアセトン・アルコール等のケトン又はケト
ン・アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類;N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3ジメチル−2−イミダゾリジノン等の
含窒素複素環式ケトン類;ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレ
ングリコール類;エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,2,6ヘキサントリオール、
チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の
炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセ
リン;エチレングリコールメチルエーテル、ジエ
チレングリコールメチル(又はエチル)エーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキ
ルエーテル類が挙げられる。 これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、特に
多価アルコールのジエチレングリコール、多価ア
ルコールの低級アルキルエーテルのトリエチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等
は、好ましいものである。 記録液中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、一
般には記録液全重量に対して重量パーセントで5
〜95%、好ましくは10〜80%、より好ましくは20
〜50%の範囲内とされる。 この様な成分から調合される本発明の記録液
は、筆記具用のい記録液或は所謂インクジエツト
記録用の記録液としてそれ自体で記録特性(信号
応答性、液滴形成の安定性、吐出安定性、長時間
の連続記録性、長期間の記録休止後の吐出安定
性)保存安定性、記録剤の溶解安定性、被記録材
への定着性、或は記録画像の耐光性、耐候性、耐
水性、耐アルコール性等のいずれもバランスのと
れた優れたものである。そしてこの様な特性を更
に改良する為に、従来から知られている各種添加
剤を更に添加含有せしめても良い。 例えば、ポリビニルアルコール、セルロース
類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオン、アニ
オン或はノニオン系の各種界面活性剤、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等の表面張力
調整剤;緩衝剤によるPH調整剤等を挙げること
ができる。 記録液を帯電するタイプの記録方法に使用され
る記録液を調合する為には、塩化リチウム、塩化
アンモニウム、塩化ナトリウム等の無機塩類等の
比抵抗調整剤が使用される。また吐出オリフイス
先端での保水性向上剤として尿素、チオ尿素が好
適に使用される。尚、熱エネルギーの作用によつ
て記録液を吐出させるタイプの場合には、熱的な
物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率
等)が調整されることもある。 本発明の記録液を所謂筆記具用の記録液として
利用する際には、粘度、種々の材質の被記録材と
の親和性等を考慮して物性値を調整する必要があ
る。 本発明を以下の実施例で更に詳細に説明する。 実施例 1 アルミナ基板上にSiO2層(下部層)をスパツ
タリングにより5μm厚に形成、続いて発熱抵抗
層としてHfB2を1000Å厚に、アルミニウムを電
極として3000Å厚に積層した後、選択エツチング
によつて50μm×200μmの発熱抵抗体パターンを
形成した。次にSiO2層をスパツタリングにより
3500Å厚に保護層(上部層)として積層して基板
上に電気・熱変換体を形成した後、幅50μm×深
さ50μmの溝を刻んだガラス板を溝と発熱抵抗体
が合致するように接合した。引続いて発熱抵抗体
の先端とオリフイスの距離が250μmになるよう
オリフイス端面を研磨して記録ヘツドを作成し
た。この記録ヘツドを用いて、以下に示す液組成
のインク吐出させた。 構造式No.1の染料 5重量部 ジエチレングリコール 25重量部 N−メチル−2−ピロリドン 20重量部 水 50重量部 この場合、記録ヘツドの駆動を10μsec、40Vの
矩形電圧パルス印字信号を200μsecの周期で行な
つたところ、140時間の連続印字に充分耐える寿
命を有していた。 実施例 2 実施例1に於て用いた液組成のインクのうちの
構造式No.1の染料の代わりに、下表に列記した構
造式No.の各種染料を用いた場合の記録ヘツドの耐
久時間を表−1に示した。 尚、ヘツドの駆動は10μsec、50Vの矩形電圧パ
ルス印字信号を200μsecの周期で行なつた。
【表】
【表】 実施例 3 実施例1において用いたインク組成物のうちの
N−メチル−2−ピロリドンの代わりに、トリエ
タノールアミンを用いた場合も実施例1と同様な
結果を得た。 実施例 4 実施例2において用いた各インク組成物のうち
のジエチレン・グリコールの代わりにエチレン・
グリコールを用いた場合も、全て、実施例2と同
様な結果を得た。 比較実験 明細書例示No.1〜9の化合物と下記例示No.10〜
58の化合物を用いて実施例1の方法に従つて記録
液を作成した。 これらの記録液を用いて実施例1と同様の条件
にて4024紙(商品名、ゼロツクス製)に印字を行
なつた。 この印字物にスポイトで水滴を1滴付与し、30
秒放置後、ろ紙にて水滴をふきとつたところ、い
ずれの印字物とも滲み、ODの低下は認められな
かつた。 これとは別に印字物を静水に5分間浸漬し、そ
の後マイクロデンシトメーターにて浸漬前後の印
字濃度の変化を測定し、耐水性を評価した。 濃度の減少率が20%未満のものをA、21〜35%
のものをB、36%〜50%のものをC、50%を越え
るものをDとした。その結果を表−2に示す。
【表】
【表】
【表】
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は夫々、インクジエツト記録
装置の模式図である。第3−a図、第3−b図は
別の記録装置の要部縦断面図および同横断面図で
ある。第4図は第3−a図、第3−b図に図示し
たヘツドをマルチ化したヘツドの外観斜視図であ
る。 1……記録ヘツド、2a……ピエゾ振動子、2
b……振動板、3……流入口、4……液室、5…
…吐出オリフイス、6……貯蔵タンク、7……記
録液、8……供給管、9……中間処理手段、10
……信号処理手段、11……液滴、12,25…
…被記録材、S……記録信号、14……液室、1
5……発熱ヘツド、16……保護層、17……電
極、18……発熱抵抗体層、19……蓄熱層、2
0……基板、26……溝。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 記録像を形成する記録剤として、下記一般式
    で表される化合物を含むことを特徴とする記録
    液。 (但し、上式中、Q1、Q2は置換ナフチル基を表
    わし、これ等の置換基は、−NH2、−OH、−
    SO3M、−COOM′、−CH3、−C2H5、−NO2、−
    NHCOCH3、ハロゲン原子の中から選ばれる少
    なくとも一つである。又、R1はH、SO3M、
    OCH3、CH3、ハロゲン原子の何れかを示し、R2
    は、H、CH3、OCH3の何れかを示す。尚、上記
    M、M′は夫々、Na、K、Li、アンモニウム類、
    アミン類から選ばれる一種である。) 2 記録液に熱エネルギーを作用させてオリフイ
    スから液滴として吐出し、記録を行なうインクジ
    エツト記録方法に於いて、前記記録液が、下記一
    般式で表わされる化合物を含有することを特徴と
    するインクジエツト記録方法。 (但し、上式中、Q1、Q2は置換ナフチル基を表
    わし、これ等の置換基は、−NH2、−OH、−
    SO3M、−COOM′、−CH3、−C2H5、−NO2、−
    NHCOCH3、ハロゲン原子の中から選ばれる少
    なくとも一つである。又、R1はH、SO3M、
    OCH3、CH3、ハロゲン原子の何れかを示し、R2
    は、H、CH3、OCH3の何れかを示す。尚、上記
    M、M′は夫々、Na、K、Li、アンモニウム類、
    アミン類から選ばれる一種である。)
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