JPH0531591B2 - - Google Patents

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JPH0531591B2
JPH0531591B2 JP12347584A JP12347584A JPH0531591B2 JP H0531591 B2 JPH0531591 B2 JP H0531591B2 JP 12347584 A JP12347584 A JP 12347584A JP 12347584 A JP12347584 A JP 12347584A JP H0531591 B2 JPH0531591 B2 JP H0531591B2
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Masatsune Kobayashi
Shoji Koike
Konoe Miura
Hiroshi Takimoto
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、ブラツク色のナフタレンジスアゾ系
染料を含有する記録液に関する。詳しくは、本発
明は、新規な記録液、特に記録ヘツドに設けられ
た微細な吐出口(吐出オリフイス)から吐出さ
せ、液滴として飛翔させて記録を行なう記録方式
に適した記録液に関する。 従来の技術 従来から紙等の被記録材に記録を行なう筆記具
(万年筆、フエルトペン等)には、インクとして
各種の染料を水またはその他の有機溶剤に溶解せ
しめたものが使用されている。 またビエゾ振動子による振動或いは高電圧印加
による静電引力等により、記録ヘツド内の液体
(インクと称される液滴(droplet))を吐出オリ
フイスから吐出飛翔させて記録を行なう所謂イン
クジエツト記録方法が知られているが、これに
も、各種染料を水又は有機溶剤等に溶解した記録
液が使用されている。しかし、一般の万年筆、フ
エルトペン等の文具用インクに比べるとインクジ
エツト用記録液は、多くの特性で一層厳密な条件
が要求される。 斯かる記録液は、記録剤(染料又は顔料が用い
られる)及びこれを溶解又は分散する液媒体(水
又は各種有機溶剤或いはこれらの混合物が用いら
れる)を基本的成分として、又必要に応じて各種
添加剤が添加されている。 この種の記録液の好ましい条件としては (1) 吐出条件(圧電素子の駆動電圧、駆動周波
数、オリフイスの形状と材質、オリフイス径
等)にマツチングした液物性(粘度、表面張
力、電導度等)を有していること、 (2) 長期保存に対して安定で目詰まりを起さない
こと、 (3) 被記録材(紙、フイルム等)に対して定着が
速くドツトの周辺が滑らかでにじみの小さいこ
と、 (4) 印字された画像の色調が鮮明で濃度が高いこ
と、 (5) 印字された画像の耐水性・耐光性が優れてい
ること、 (6) 記録液が周辺材料(容器、連結チユーブ、シ
ール材等)を侵さないこと、 (7) 臭気、毒性、引火性等の安全性に優れたもの
であること、 等が挙げられるが、これらの諸特性を同時に満足
させることは相当に困難である。 また、斯かる目的の記録に適用する記録液は基
本的に染料とその溶媒とから組成されるものであ
るので、上記の記録液特性は染料固有の性質に左
右されるところが大きい。従つて、記録液が上記
特性を具備するように染料を選択することは斯か
る技術分野に於てきわめて重要な技術である。 従来、この種の記録液として例えば特公昭50−
8361号、特公昭51−40484号、特公昭52−13126
号、特公昭52−13127号、特開昭50−95008号の各
公報に示される様に各種染料、顔料を水系又は非
水系溶媒に溶解或いは分散させたものが知られて
おり、ブラツク色の染料として下記(イ)〜(ニ)の染料
が用いられている。 〔C.I.ダイレクトブラツク−51(C.I.27720)〕 〔C.I.アシツドブラツク−2(C.I.50420)〕 〔C.I.アシツドブラツク−31(C.I.17580)〕 〔C.I.アシツドブラツク−52(C.I.15711)〕 また、ブラツク色のナフタレンジスアゾ系染料
としては、下記構造式 〔C.I.フードブラツク−2(C.I.27755)〕で示さ
れる染料が知られている。 発明の目的 本発明は、上記(1)〜(5)の特性を同時に満足する
ような記録液の提供をその目的とするものであ
る。特に本願発明は従来の記録液に比べて、ブラ
ツク色としての色調が優れ、更にインク中での染
料の析出などがほとんどなく、また記録画像とし
ては耐水性が優れた記録液を提供できるものであ
る。すなわち、使用する染料の性能としては、水
溶性でしかも耐水性という互いに相反する性能を
併せ持つ特定の染料を選択したことにより、上記
のような本願発明の目的が達成されたものであ
る。 発明の構成 即ち、本発明は、記録像を形成する成分である
記録剤及びこの記録剤を溶解又は分散する為の液
媒体を含む記録液に於いて、記録剤として下記一
般式〔〕 (式中、Xは塩素原子、水酸基、アミノ基、置
換していてもよい低級アルキルアミノ基を表わ
し、Yは水酸基、アミノ基、置換していてもよい
低級アルキルアミノ基、モルホリノ基を表わし、
かつX及びYの少なくとも一方がアミノ基、置換
していてもよい低級アルキルアミノ基又はモルホ
リノ基を表わし、Mはアルカリ金属、アンモニウ
ム又はアミン類を表わす)で示される染料を含有
することを特徴とするナフタレンジスアゾ染料含
有記録液をその要旨とするものである。 以下、本発明について詳しく説明する。 前記式〔〕中X及びYにおける置換していて
も良い低級アルキルアミノ基としては、ヒドロキ
シ低級アルキルアミノ基、低級アルコキシ低級ア
ルキルアミノ基等が挙げられ、例えば、モノ−β
−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ−β−ヒドロキ
シエチルアミノ基、モノ−γ−メトキシ−プロピ
ルアミノ基等が挙げられる。 Mにおけるアルカリ金属としては例えばリチウ
ム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、アミン類
としては例えばトリエタノールアミン等が挙げら
れる。 また式〔〕中XおよびYとしてアミノ基が好
ましくMとしてはアルカリ金属が好ましい。 本発明に係る染料の具体例としては以下第1表
に示すものを挙げる事ができる。
【表】
【表】
【表】
【表】 本発明の染料は例えば細田豊著「新染料化学」
(昭和48年12月21日発行)技報堂、第397頁第27行
〜第398頁第19行等の記載に準じて以下の方法で
製造することができる。 下記一般式〔〕 で表わされるアミン類を塩酸、硫酸等の鉱酸中で
亜硝酸ソーダ等を用いてジアゾ化した後、下記一
般式〔〕 で表わされるアミン類とカツプリングさせて下記
一般式〔〕 で表わされるモノアゾ化合物を得る。 このモノアゾ化合物を同様に塩酸、硫酸等の鉱
酸中で亜硝酸ソーダ等を用いてジアゾ化した後下
記一般式〔〕 (式中X、及びYは前記内容を表わす) で表わされるナフトール類とカツプリングする事
によつて容易に得られる。 又、式〔〕で表わされるモノアゾ化合物をジ
アゾ化した後、下記式〔〕 で表わされるナフトールとカツプリングして下記
式〔〕 で表わされるジスアゾ化合物を得る。 このジスアゾ化合物と塩化シアヌル(トリクロ
ルトリアジン) とを反応させて、下記式〔〕 で表わされるジスアゾ化合物とした後稀アルカリ
水、アンモニア、置換していても良い低級アルキ
ルアミンあるいはモルホリンと処理するか又は式
〔〕で表わされるジスアゾ化合物と、下記式
〔〕 〔式中X、Yは前記内容を表わす。〕 で表わされるトリアジン類とを反応させる事によ
つても式〔〕の染料を得る事ができる。 本発明の記録液中、染料の含有量は、液媒体成
分の種類、記録液に要求される特性等に依存して
決定されるが、一般には記録液全重量に対して、
重量パーセントで0.1〜20%、好ましくは0.5〜15
%、より好ましくは1〜10%の範囲とされる。該
染料はもちろん単独で若しくは2種以上を組合わ
せて、あるいは該染料を必須成分としてこの他に
他の直接染料、酸性染料などの各種染料を併用し
て使用することができる。 本発明の記録液を組成するための液媒体成分と
しては、水あるいは水と水溶性の各種有機溶剤と
の混合物が使用される。水溶性の有機溶剤として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルア
ルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコ
ール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等の含窒素複素環式ケトン
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコール類;エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,
2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含む
アルキレングリコール類;グリセリン;エチレン
グリコールメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が
あげられる。 記録液中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、一
般には記録液全重量に対して重量パーセントで5
〜95%、好ましくは10〜80%、より好ましくは20
〜50%の範囲とされる。 この時の水の含有量は、上記溶剤成分の種類、
その組成或いは所望される記録液の特性に依存し
て広い範囲で決定されるが、記録液全重量に対し
て一般に10〜90%、好ましくは10〜70%、より好
ましくは20〜70%の範囲内とされる。 本発明の記録液の製造法としては、特に困難な
処理を必要とせず、必要成分を通常の方法により
混合すればよい。 本発明の記録液は、それ自体で記録特性(信号
応答性、液滴形成の安定性、吐出安定性、長時間
の連続記録性、長期間の記録休止後の吐出安定
性)、保存安定性、被記録材への定着性、或いは
記録画像の耐光性、耐候性、耐水性等いずれもバ
ランスのとれた優れたものであるが、この様な特
性を更に改良する為に、従来から知られている各
種添加剤を更に添加含有せしめても良い。 例えば、ポリビニルアルコール、セルロース
類、水溶性樹脂等の粘度調整剤、カチオン系、ア
ニオン系或いはノニオン系の各種界面活性剤、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等の表
面張力調整剤、緩衝液によるPH調整剤、防カビ剤
等を挙げることができる。 又、記録液を帯電するタイプのインクジエツト
記録方法に使用される記録液を調合する為には塩
化リチウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム
等の無機塩類等の比抵抗調整剤が添加される。 尚、熱エネルギーの作用によつて記録液を吐出
させるタイプのインクジエツト方式に適用する場
合には、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係
数、熱伝導率等)が調整されることもある。 本発明によれば、粘度、表面張力等の物性値が
適正範囲内にあり、微細な吐出オリフイスを目づ
まりさせず、充分に高い濃度の記録画像を与え、
保存中に物性値変化あるいは固形分の析出を生じ
ることなく、被記録材の種類を制限せずに種々の
部材に記録が行え、定着速度が大きく、耐水性、
耐光性、耐摩耗性および解像度のすぐれた画像を
与える記録液が得られる。 以下、インクジエツト記録法について説明す
る。 インクジエツト記録法には、液滴の発生方法及
び液滴の飛翔方向の制御方法によつて、種々の方
式がある。その一例を第1図に示す。 即ち第1図の装置はピエゾ振動子を有する記録
ヘツド部に記録信号を与え、該信号に応じて記録
液の液滴を発生させて記録を行なうものである。
第1図において、1は記録ヘツドで、ピエゾ振動
子2a、振動板2b、記録液の流入口3、ヘツド
内の液室4及び吐出口(吐出オリフイス)5を有
している。液室4内には貯蔵タンク6に貯えられ
た記録液7が、供給管8によつて導入されてい
る。尚、供給管8の途中には場合によつて、ポン
プ或いはフイルター等の中間処理手段9が設けら
れることもある。そしてピエゾ振動子2aには、
信号処理手段(例えばパルス変換器)10によつ
て記録信号Sからパルスに変換された信号が印加
され、該信号に応じて液室4内の記録液に圧力変
化が生ずる。その結果、記録液7は吐出オリフイ
ス5から液滴11となつて吐出飛翔し、被記録材
12の表面に記録が行なわれる。 又、上記の装置以外にも種々のタイプの装置が
知られており、例えば、第2図に示すように、第
1図の変形例として液室4をノズル状にし、その
外周部に円筒状のピエゾ振動子を設置した装置が
ある(この装置に於ける液滴の発生の機構は、本
質的に第1図に示した装置と同じである)。又、
帯電した液滴を連続的に発生させ該液滴の一部を
記録に使用する装置、或いは又、記録ヘツドの室
内の記録液に記録信号に対応した熱エネルギーを
与え、該エネルギーにより液滴を発生させる装置
等も知られている。 その1例を第3−a図、第3−b図、第4図に
示す。 ヘツド13はインクを通す溝14を有するガラ
ス、セラミツクス、又はプラスチツク板等と、感
熱記録に用いられる発熱ヘツド15(図では薄膜
ヘツドが示されているが、これに限定されるもの
ではない)とを接着して得られる。発熱ヘツド1
5は酸化シリコン等で形成される保護膜16、ア
ルミニウム電極17−1,17−2,ニクロム等
で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、ア
ルミナ等の放熱性の良い基板20より成つてい
る。 インク21は吐出オリフイス22まで来てお
り、圧力Pによりメニスカス23を形成してい
る。 今、電極17−1,17−2に電気信号が加わ
ると、発熱ヘツド15のnで示される領域が急激
に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が
発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、イ
ンク21が吐出しオリフイス22より記録小滴2
4となり、被記録材25に向つて飛翔する。第4
図には第3−a図に示すヘツドを多数並べたマル
チヘツドの外観図を示す。該マルチヘツドはマル
チ溝26を有するガラス板27と、第3−a図に
説明したものと同様な発熱ヘツド28を接着して
つくられている。 なお、第3−a図は、インク流路に沿つたヘツ
ド13の断面図であり、第3−b図は第3−a図
のA−B線での切断面である。 以下、本発明を実施例で更に詳細に説明する
が、本発明は、以下の実施例に限定されるもので
はない。 実施例 実施例 1 ジエチレングリコール 25g 第1表No.1の染料 4gイオン交換水(以後水と略す) 残 量 計 100g 上記の各成分を容器の中で充分混合溶解し、孔
径1μのテフロンフイルターで加圧ロ過したのち、
真空ポンプを用いて脱気処理し記録液とした。得
られた記録液を用いて、ピエゾ振動子によつて記
録液を吐出させるオンデマンド型記録ヘツド(吐
出オリフイス径50μ、ピエゾ振動子駆動電圧60V、
周波数4KHz)を有する記録装置により、下記の
(T1)〜(T5)の検討を行なつたところ、いずれ
も良好な結果を得た。 (T1) 記録液の長期保存性:記録液をガラス
容器に密閉し、−30℃と60℃で6カ月間保存し
たのちでも不溶分の析出は認められず、液の物
性や色調にも変化がなかつた。 (T2) 吐出安定性:室温、5℃、40℃の雰囲
気中でそれぞれ24時間の連続吐出を行なつた
が、いずれの条件でも終始安定した高品質の記
録が行なえた。 (T3) 吐出応答性:2秒毎の間欠吐出と2カ
月間放置後の吐出について調べたが、いずれの
場合もオリフイス先端での目詰りがなく安定で
均一に記録された。 (T4) 記録画像の品質:記録された画像は濃
度が高く鮮明であつた。室内光に3カ月さらし
たのちの濃度の低下率は1%以下であり、ま
た、水中に1分間浸した場合、画像のにじみは
きわめてわずかであつた。 (T5) 各種被記録材に対する定着性:下表に
記載の被記録材で印字15秒後印字部を指でこす
り画像ずれ及びニジミの有無を判定したが、い
ずれも画像ずれ及びニジミ等がなく優れた定着
性を示した。
【表】 実施例 2 N−メチル−2−ピロリドン 15g ジエチレングリコール 19g 第1表No.2の染料 4g水 残 量 計 100g 実施例1と同様にして上記の組成の記録液を調
製し、記録ヘツド内の記録液に熱エネルギーを与
えて液滴を発生させ記録を行なうオンデマンドタ
イプのマルチヘツド(吐出オリフイス径35μ、発
熱抵抗体抵抗値150Ω、駆動電圧30V、周波数2K
Hz)を有する記録装置を用いて実施例1と同様に
(T1)〜(T5)の検討を行なつたが、全ての検討
実験に於て優れた結果を得た。 実施例 3 エチレングリコール 20g 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 30g 第1表No.9の染料 5g水 残 量 計 100g 実施例1と同様にして上記の組成の記録液を調
製し、記録ヘツド内の記録液に熱エネルギーを与
えて液滴を発生させ記録を行なうオンデマンドタ
イプのマルチヘツド(吐出オリフイス径35μ、発
熱抵抗体抵抗値150Ω、駆動電圧30V、周波数2K
Hz)を有する記録装置を用いて実施例1と同様に
(T1)〜(T5)の検討を行なつたが、全ての検討
実験に於て優れた結果を得た。 実施例 4 ジエチレングリコール 36g 第1表No.10の染料 4g水 残 量 計 100g 実施例1と同様にして上記の組成の記録液を調
製し、記録ヘツド内の記録液に熱エネルギーを与
えて液滴を発生させ記録を行なうオンデマンドタ
イプのマルチヘツド(吐出オリフイス径35μ、発
熱抵抗体抵抗値150Ω、駆動電圧30V、周波数2K
Hz)を有する記録装置を用いて実施例1と同様に
(T1)〜(T5)の検討を行なつたが、全ての検討
実験に於て優れた結果を得た。 実施例 5 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 30g 第1表No.7の染料 4g水 残 量 計 100g 実施例1と同様にして上記の組成の記録液を調
製し、記録ヘツド内の記録液に熱エネルギーを与
えて液滴を発生させ記録を行なうオンデマンドタ
イプのマルチヘツド(吐出オリフイス径35μ、発
熱抵抗体抵抗値150Ω、駆動電圧30V、周波数2K
Hz)を有する記録装置を用いて実施例1と同様に
(T1)〜(T5)の検討を行なつたが、全ての検討
実験に於て優れた結果を得た。 実施例 6〜10 下記第2表の実施例6〜10に示す組成の記録液
を実施例1と同様な方法で調合した。これ等の組
成物をフエルトペンに充填し、中質紙(白牡丹:
本州製紙)に筆記して耐水性及びキヤツプをはず
して24時間放置後の筆記性を調べた。 本実施例の記録液は耐水性及び放置後の筆記性
共に優れていた。
【表】
〔第1表No.1の染料の合成〕
(1) 第1ジアゾ液の製造 スルフアニル酸17.3gを3%塩酸346mlに加え
3時間撹拌して均一なスラリーとした。これに氷
200gを加えて3℃に冷却した。このスラリー中
に、水73mlに亜硝酸ソーダ7.3gを溶解した水溶
液を加えた。次いで3℃で1時間撹拌してジアゾ
化した後、スルフアミン酸3gを加えて残存する
亜硝酸ソーダを消去し第1ジアゾ液を得た。 (2) 第2ジアゾ液の製造 1,7クレーブ酸 22.3gを水450mlに加え2時間撹拌して均一な
スラリーとした。これに氷300g、前記(1)で得ら
れた第1ジアゾ液及び25%カ性ソーダ10mlを加
え、温度0〜3℃、PH2〜3にて15時間撹拌して
カツプリングを行つた後、食温200gを加えて塩
析を行つた。析出したモノアゾ化合物を過した
後、10%食塩水500mlで洗浄し、乾燥してモノア
ゾ化合物 34.6gを得た。得られたモノアゾ化合物22.6g
を5%塩酸450mlに加え5時間撹拌して均一なス
ラリーとした後、氷300gを加えて3℃に冷却し
た。このスラリー中に、水38mlに亜硝酸ソーダ
3.8gを溶解した水溶液を加えた。次いで3℃に
て4時間撹拌してジアゾ化した後スルフアミン酸
1gを加えて残存する亜硝酸ソーダを消去し第2
ジアゾ液を得た。 (3) カツプリング 1−ヒドロキシ−7−(3′,5′−ジアミノートリ
アジニル−)アミノ−ナフタリン−3,6−ジスル
ホン酸21.4gを水460mlに加えた後、これに氷800
g、前記(2)で得られた第2ジアゾ液及び25%カ性
ソーダ55mlを加えてPH8〜10、温度2〜5℃でカ
ツプリングを行つた。 同温度、同PHにて5時間撹拌した後食温250g
を加えて色素を塩析した。析出した色素を過し
た後10%食塩水300mlで洗浄しウエツトケーキ240
gを得た。このウエツトケーキを脱塩処理した後
乾燥して目的の染料 38.0gを得た。収率は81.3%であつた。 元素分析の結果は次のとおりであつた。
〔第1表No.5の染料の合成〕
(1) 第1ジアゾ液の製造 スルフアニル酸の代わりにアニリン−メタ−ス
ルホン酸15.0gを用いる以外は、参考例1の(1)の
方法に従つて第1ジアゾ液を得た。 (2) 第2ジアゾ液の製造 上記(1)で得られた第1ジアゾ液及び1,7−ク
レーブ酸の代りに1,6−クレーブ酸を用いる以
外は、参考例1の(2)の方法に従つて、下記モノア
ゾ化合物 のジアゾ液(第2)を得た。 (3) カツプリング 1−ヒドロキシ−7−(3′,5′−N′,N′−ビス
−β−ヒドロキシエチルアミノ−トリアジニル)
アミノ−ナフタリン−3,6−ジスルホン酸30.2
gを用いる以外は、参考例1の(3)の方法に従つ
て、目的の染料 44.6gを得た。収率は、81.0%であつた。 元素分析の結果は、次のとおりであつた。
【表】 実施例11、実施例12及び比較例1 記録液の組成 染料 3g ジエチレングリコール 15g イソプロピルアルコール 4g水 残 量 計 100g 下記の構造の各染料をそれぞれ使用し、上記の
ような組成物を容器の中で十分撹拌溶解した後、
孔径0.45μmのテフロン(商品名)フイルターで
加圧濾過し、記録液を調製した。得られた記録液
をキヤノン(株)製BC−01インクカートリツジに充
填し、キヤノン(株)製バブルジエツトプリンター
BJ−15V(商品名)を用い、Xerox社製電子写真
複写用普通紙(紙番号4024)を用い、縦3cm×横
10cmの範囲を塗り潰し、テストサンプルを作成し
た。得られたサンプルはいずれも黒色の印字物で
あつた。 耐水性テスト 上記のようにして形成されたテストサンプルを
一日放置乾燥した後、反射濃度計(マクベス
RD915)で印字濃度を測定する。測定値をD0と
する。次に上記のテストサンプルを2cm×3cmの
大きさに切り、約1リツトルの水道水に5分間浸
す。これを取り出し、乾燥した後、再び反射濃度
を測定し、測定値をD1とする。さらに(D1/
D0)×100を求め、耐水性の指標とした。その結
果、後記染料No.1を使用した記録液(実施例11)
の耐水性指標の値は66、後記染料No.1を使用した
記録液(実施例12)の値は65であつたのに対し、
比較例1の記録液の値は46と低く、本願発明の記
録液が耐水性の好ましいものであることが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は夫々、インクジエツト記録
装置の模式図である。第3−a図、第3−b図は
別の記録装置の要部縦断面図および同横断面図で
ある。第4図は第3−a図、第3−b図に図示し
たヘツドをマルチ化したヘツドの外観斜視図であ
る。 但し、図において、1……記録ヘツド、2a…
…ピエゾ振動子、2b……振動板、3……流入
口、4……液室、5……吐出オリフイス、6……
貯蔵タンク、7……記録液、8……供給管、9…
…中間処理手段、10……信号処理手段、11…
…液滴、12,25……被記録材、S……記録信
号、14……液室、15……発熱ヘツド、16…
…保護層、17……電極、18……発熱抵抗体
層、19……蓄熱層、20……基板、26……溝
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 記録像を形成する成分である記録剤及びこの
    記録剤を溶解又は分散する為の液媒体を含む記録
    液に於いて、記録剤として下記一般式〔〕 (式中、Xは塩素原子、水酸基、アミノ基、置
    換していてもよい低級アルキルアミノ基を表わ
    し、Yは水酸基、アミノ基、置換していてもよい
    低級アルキルアミノ基、モルホリノ基を表わし、
    かつX及びYの少なくとも一方がアミノ基、置換
    していてもよい低級アルキルアミノ基又はモルホ
    リノ基を表わし、Mはアルカリ金属、アンモニウ
    ム又はアミン類を表わす)で示される染料を含有
    することを特徴とするナフタレンジスアゾ染料含
    有記録液。 2 一般式〔〕で示されるナフタレンジスアゾ
    染料が、記録液全重量に対して0.1〜20重量パー
    セントの範囲で含有されている特許請求の範囲第
    1項記載のナフタレンジスアゾ染料含有記録液。
JP12347584A 1984-06-15 1984-06-15 ナフタレンジスアゾ染料含有記録液 Granted JPS612776A (ja)

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