JP3428742B2 - 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及びブリーディングの緩和方法 - Google Patents

水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及びブリーディングの緩和方法

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JP3428742B2 JP24119494A JP24119494A JP3428742B2 JP 3428742 B2 JP3428742 B2 JP 3428742B2 JP 24119494 A JP24119494 A JP 24119494A JP 24119494 A JP24119494 A JP 24119494A JP 3428742 B2 JP3428742 B2 JP 3428742B2
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク、とりわけイン
クジェット用途に適した水性インクに関し、更には、こ
のインクを利用するインクジェット記録方法、インクカ
ートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及
びブリーディングの緩和方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録用インク
としては、安全性、臭気などの面から水性インクが主流
であり、各種の水溶性染料または顔料を水または水と水
溶性有機溶剤との混合溶媒に溶解または分散させ、必要
に応じて保湿剤、染料溶解助剤、防かび剤などを添加し
たインクが知られている。これらのインクジェット記録
はインクを毎秒数千滴以上吐出可能で高速記録が容易で
あること、騒音が少ないこと、カラー化が容易であるこ
と、高解像度化が可能であること、普通紙記録が可能で
あることなどの多くの長所を持っており、数年来普及が
目覚ましい。
【0003】さらに近年パソコンの低価格化、高性能
化、GUI環境の標準化により、プリンタなどの画像記
録も、高発色、高品位、堅牢性、高解像度記録、高速記
録の要求が高まり、耐水性のある色材成分をできるだけ
紙の表面へ残し、印字ドットのエッジを鮮明にし、滲み
(フェザリング)も少なくするという技術思想が提案さ
れつつある。
【0004】M.Croucherらは、従来の均一系
インクの問題点を指摘すると共に、将来のインクジェッ
ト用インクとして、ラテックスを利用した不均一系のイ
ンクを提案している(M.Croucher and
M.Hair;Ind.Eng.Chem.Res.1
989,28,1712−1718)。
【0005】又、米国特許明細書第4、246、154
号には、染料で着色したビニルポリマーの微粒子をアニ
オン的に安定化したインクが開示されている。米国特許
明細書第4、680、332号には、油溶性染料を含
み、非イオン性安定剤が結合した水不溶性ポリマーを、
液媒体に分散した不均一インクが開示されている。ま
た、米国特許明細書第5、100、471号には、溶剤
と、ポリマーコアと染料が共有結合したシリカシェルと
からなる着色粒子とからなる水性インクが提案され、紙
上でより鮮明な色が形成されること、温度に安定なこ
と、耐水性に優れるなどの特徴を有している。
【0006】一方、非水性インクとして特開平3−24
0586号公報には、分散媒に膨潤する樹脂により被覆
された着色粒子をケロシンなどに分散させたものが提案
されている。この提案では特に画像の滲み防止及び液滴
吐出用ノズルの目詰まり防止に効果があるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた従来例に
示すごとく、アニオン的に安定化したものでは、安定分
散するpH領域が狭く、染料の選択範囲が小さいという
問題がある。また印字ドットの紙上での広がりが小さ
く、必要な光学濃度(O.D.)が得にくいという欠点
がある。また、高速記録に必要な定着時間の短縮という
点では従来の画像形成手段と同様に定着が蒸発、浸透に
のみ依存しているため効果が少ないと考えられる。
【0008】油溶性染料を含み、非イオン性安定剤が結
合したポリマーの分散インクでは、染料の選択範囲が拡
大するものの、上記と同様に蒸発と浸透に依存した定着
機構であることから定着時間の短縮に効果が少ない。ま
た、異なるカラー間の混色(ブリード)についても隣接
ドット間で定着に時間がかかるため不利である。
【0009】さらに、ポリマーコア/シリカシェル構造
の分散インクでは、顔料の分散安定性という点では優れ
ているが、色材の紙表面での凝集に特別の手段を持たな
いため、O.D.は十分ではない。また、蒸発と浸透に
依存しているので定着時間の短縮に効果が少ないと考え
られ、ブリードが発生するという問題がある。
【0010】上記の従来例に共通している問題として
は、紙表面への色材粒子の付着について考慮されていな
いので記録画像の擦過性が悪いということが挙げられ
る。
【0011】また、上記従来例においては、分散媒にケ
ロシンを用いるので臭気、安全性などに問題がある。
【0012】水性インク、とりわけインクジェット用イ
ンクとして必要な物性は、表面張力が30mN・m-1
上、粘度が1〜20mN・s・m-2、pHが3〜10、
定着時間が20秒以下(できるだけ短いほうが良い)な
どである。
【0013】ここで、インクの紙への転移について考え
る。一般に、液体の紙への転移現象については、Luc
as−Washburnの式が知られており、液体の転
移量をV、紙の粗さ指数をVr、吸収係数をKa、転移
時間をT、ぬれ開始時間をTwとすると、液体が水の場
合、 V=Vr+Ka(T−Tw)1/2 (1) 式(1)で、Kaは紙とインクの両方の物性に関するも
ので次式(2)で表わされる。
【0014】 Ka=(r・γcosθ/2η)1/2 (2) 式(2)において、rは毛管半径、γは液体の表面張
力、θは接触角、ηは液体の粘度を表す。
【0015】式(1)から、色材を紙の表面へ残すに
は、できるだけ液体の浸透を遅くする、すなわちKaを
小さくすることが必要である(Kaを小さくすることで
蒸発の時間がかせげる)。そのためのインク物性として
は、表面張力を小さく、粘度を大きく、接触角を大きく
すれば良いことがわかる。しかしながら、先に述べたイ
ンクジェット用のインク物性には制約があるのでKaの
調節は容易ではない。
【0016】一方、液体が非水系の溶媒、たとえばエタ
ノールなどでは式(1)中、ぬれ時間Twを無視できる
ので定着を早くできるが、Kaも大きくなって浸透の効
果が大きいため、画像としては” フェザリング” が
多くなってしまう。さらに、式(2)中、cosθの項
は、インクと紙との組み合わせで決まるものであるから
用紙の種類によっては良かったり、悪かったりする。す
なわち、用紙選択性を満足できない。
【0017】以上述べた問題は、従来の色材分散インク
であっても、画像形成が浸透と蒸発に依存している限り
起こりえることと考えられる。
【0018】そこで本発明の目的は、上記従来例の欠点
を克服すべく、画像濃度が高く、紙上での定着性及び耐
擦過性に優れ、フェザリングを抑え且つ記録画像の耐水
性に優れた水性インク、それを用いたインクジェット記
録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインク
ジェット記録装置を提供することにある。また本発明
は、2つ以上の異色領域を含むインクジェットカラー画
像の、該異色領域の境界におけるブリーディングを緩和
し、高品位なインクジェットカラー画像を提供すること
を他の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明によって達成される。
【0020】即ち、本発明の第一は、微粒子又は無機コ
ロイド状物質に染料を吸着結合させた色材粒子を、水溶
性高分子の水溶液に分散した、その温度変化又はpH変
化により前記高分子の高分子鎖が、解離又は会合を起こ
す水性インクであって、前記水溶性高分子が、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸とポリエチレングリコール
との混合物、ポリメタクリル酸とポリエチレングリコー
ル−ポリプロピレングリコール共重合体との混合物、ポ
リアクリル酸とポリN−アルキル置換アクリルアミドと
の混合物、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオ
キサイド−ポリエチレンオキサイドのブロック共重合体
の何れか、又はそれらを複合したものであることを特徴
とする水性インクである。
【0021】又、本発明は、インクジェット方式により
形成したインク滴を被記録材に付着させて記録を行うイ
ンクジェット記録方法において、前記インクとして前記
水性インクを適用することを特徴とするインクジェット
記録方法である。
【0022】更に、本発明は、インクを収容したインク
収容部を有するインクカートリッジにおいて、前記イン
クとして前記水性インクを適用したことを特徴とするカ
ートリッジであり、又別に、インクを収容したインク収
容部と前記インクをインク滴として吐出させるためのヘ
ッド部とを共に有する記録ユニットにおいて、前記イン
クとして前記水性インクを適用したことを特徴とする記
録ユニットである。
【0023】加えて、本発明は、微粒子又は無機コロイ
ド状物質に染料を吸着結合させた色材粒子を、水溶性高
分子の水溶液に分散した、その温度変化又はpH変化に
より前記高分子の高分子鎖が、解離又は会合を起こすイ
ンクジェット記録用の水性インクであって、前記水溶性
高分子が、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸とポリ
エチレングリコールとの混合物、ポリメタクリル酸とポ
リエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重
合体との混合物、ポリアクリル酸とポリN−アルキル置
換アクリルアミドとの混合物、ポリエチレンオキサイド
−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド
のブロック共重合体の何れか、又はそれらを複合したも
のであるインクジェット記録用の水性インクと該水性イ
ンクをインクジェット方式により吐出させる記録ヘッド
とを具備していることを特徴とするインクジェット記録
装置である。また本発明は、微粒子に染料を吸着結合さ
せた色材または無機コロイド状物質に染料を吸着結合さ
せた色材が水性媒体に均一に分散されてなり、かつ水溶
性高分子を含んでいる水性インクであって、該水溶性高
分子は、インクのpH7〜10の範囲内でのpH変化
よび温度20〜50℃の範囲内での温度変化の少なくと
も一方によって凝集し、該インクは、該水溶性高分子の
凝集によって、該色材と該水性媒体とが分離するもので
あることを特徴とする水性インクである。また本発明
は、水不溶性無機微粒子の表面に染料を結合させたもの
及び無機コロイド状物質に染料を吸着結合させたものか
ら選ばれる少なくとも1つの水不溶性色材と水溶性高分
子とを含んでいる水性インクであって、該水溶性高分子
は、20〜50℃の範囲における温度変化またはpH7
〜10の範囲におけるpH変化によって会合または解離
を起こすものであり、該水溶性高分子は、該インクに対
し0.01〜10重量%を含み、更に該水溶性高分子
は、ポリメタクリル酸とポリエチレングリコールとの混
合物、ポリメタクリル酸とポリエチレングリコールーポ
リプロピレングリコール共重合体との混合物、ポリメタ
クリル酸とポリエチレンオキサイドーポリプロピレンオ
キサイド−ポリエチレンオキサイド共重合体との混合
物、ポリ(N−アルキルー置換アクリルアミド)とポリ
エチレンオキサイドーポリプロピレンオキサイドーポリ
エチレンオキサイド共重合体との混合物、スチレンマレ
イン酸共重合体とポリスチレンーポリアクリルアミド共
重合体との混合物及びポリメタクリル酸、ポリエチレン
グリコール及びポリエチレンオキサイドとの混合物から
選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする水性イ
ンクである。更に本発明は、微粒子に染料を吸着結合さ
せた色材または無機コロイド状物質に染料を吸着結合さ
せた色材が水性媒体に均一に分散されてなり、かつ水溶
性高分子を含み、該水溶性高分子は、インクのpH7〜
10の範囲内でのpH変化および温度20〜50℃の範
囲内での温度変化の少なくとも一方によって凝集し、該
水溶性高分子の凝集によって、該色材と該水性媒体とが
分離するものであるインクジェット記録用の水性イン
ク、若しくは水不溶性無機微粒子の表面に染料を結合さ
せたもの及び無機コロイド状物質に染料を吸着結合させ
たものから選ばれる少なくとも1つの水不溶性色材と水
溶性高分子とを含み、該水溶性高分子は、20〜50℃
の範囲における温度変化またはpH7〜10の範囲にお
けるpH変化によって会合または解離を起こすものであ
り、該水溶性高分子は、該インクに対し0.01〜10
重量%を含み、更に該水溶性高分子は、ポリメタクリル
酸とポリエチレングリコールとの混合物、ポリメタクリ
ル酸とポリエチレングリコールーポリプロピレングリコ
ール共重合体との混合物、ポリメタクリル酸とポリエチ
レンオキサイドーポリプロピレンオキサイド−ポリエチ
レンオキサイド共重合体との混合物、ポリ(N−アルキ
ルー置換アクリルアミド)とポリエチレンオキサイドー
ポリプロピレンオキサイドーポリエチレンオキサイド共
重合体との混合物、スチレンマレイン酸共重合体とポリ
スチレンーポリアクリルアミド共重合体との混合物及び
ポリメタクリル酸、ポリエチレングリコール及びポリエ
チレンオキサイドとの混合物から選ばれる少なくとも1
つであるインクジェット記録用の水性インクをインクジ
ェット法で滴として被記録材に付与する工程;及び被記
録材に滴として付与したインクのpH及び温度の少なく
とも一方を変化させて、該インク中の水溶性高分子を凝
集させる工程、を有することを特徴とするインクジェッ
ト記録方法である。更にまた本発明は、少なくとも2つ
の異なる色の水性インクを被記録材に付与して形成され
た、少なくとも2色の異色領域を含むインクジェットカ
ラー画像の、該異色領域の境界におけるブリーディング
を緩和する方法であって、該水性インクとして、微粒子
に染料を吸着結合させた色材または無機コロイド状物質
に染料を吸着結合させた色材が水性媒体に均一に分散さ
れてなり、かつ水溶性高分子を含み、該水溶性高分子
は、インクのpH7〜10の範囲内でのpH変化および
温度20〜50℃の範囲内での温度変化の少なくとも一
方によって凝集し、該水溶性高分子の凝集によって、該
色材と該水性媒体とが分離するものであるインクジェッ
ト記録用の水性インク、若しくは水不溶性無機微粒子の
表面に染料を結合させたもの及び無機コロイド状物質に
染料を吸着結合させたものから選ばれる少なくとも1つ
の水不溶性色材と水溶性高分子とを含み、該水溶性高分
子は、20〜50℃の範囲における温度変化またはpH
7〜10の範囲におけるpH変化によって会合または解
離を起こすものであり、該水溶性高分子は、該インクに
対し0.01〜10重量%を含み、更に該水溶性高分子
は、ポリメタクリル酸とポリエチレングリコールとの混
合物、ポリメタクリル酸とポリエチレングリコールーポ
リプロピレングリコール共重合体との混合物、ポリメタ
クリル酸とポリエチレンオキサイドーポリプロピレンオ
キサイド−ポリエチレンオキサイド共重合体との混合
物、ポリ(N−アルキルー置換アクリルアミド)とポリ
エチレンオキサイドーポリプロピレンオキサイドーポリ
エチレンオキサイド共重合体との混合物、スチレンマレ
イン酸共重合体とポリスチレンーポリアクリルアミド共
重合体との混合物及びポリメタクリル酸、ポリエチレン
グリコール及びポリエチレンオキサイドとの混合物から
選ばれる少なくとも1つであるインクジェット記録用の
水性インクを用いると共に、該被記録材上に付与した該
インクのpH及び温度の少なくとも一方を変化させて該
インク中の水溶性高分子を凝集させることを特徴とする
ブリーディングの緩和方法である。
【0024】
【本発明の好ましい態様】以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0025】本発明者は上述した制約はインクが色材と
溶媒とが均一な液体であることに基づくものであること
を見出し、色材と溶媒が紙などの被記録材の上では分離
して挙動するインクを知見した。
【0026】すなわち、インク状態では、均一な分散を
実現し、インク中での状態と紙上での状態が変化する機
構を取り入れたものである。その状態変化とは、温度の
低いインク状態では、分散解離している1種類以上の高
分子が、分散時より温度が上がった状態では会合(分子
間水素結合、疎水結合など)を起こし(メカニズム
1)、かつそれらの高分子が色材粒子に結合していれば
紙上での色材の凝集が達成されるというものである。こ
のような状態変化はまた、紙上とインク中でのわずかな
pH変化でも起こるという特徴を持たせてある。一方、
溶媒は、高分子が会合した時には、網の目状態の高分子
鎖の隙間を自由に移動できるので色材と溶媒の分離が実
現され、かつ紙への浸透速度が比較的速い溶媒を選択す
ることにより定着時間の短縮に効果がある。
【0027】以上の機構(メカニズム1)による色材−
溶媒分離は上記とは異なる方法でも実現可能であり、低
温で疎水性水和により溶解状態を保ち、高温で脱水和に
より高分子鎖が凝集する(メカニズム2)ような高分子
を選択すれば良い。
【0028】このようなメカニズムにより状態変化を起
こすインクを以後HES(異質形成分離インク;HE
eromorphiceparation)と呼ぶこ
とにする。
【0029】さらに本発明では、上記の機構(メカニズ
ム1、2)により色材−溶媒分離することに加えて、用
いる高分子自身が粘着性であるか、曳糸性の高分子を添
加することにより被記録材上での印字ドットのエッジを
シャープにし、かつ色材の紙への粘着を引き起こして擦
過性の問題を解決した。
【0030】次に本発明のHESに用いる色材粒子につ
いて述べる。
【0031】色材粒子は、いわゆるコア/シェル構造で
あり、コアに用いることのできる材料としては、水不溶
または難溶性の金属酸化物、金属リン酸塩、金属リン酸
水素塩、金属珪酸塩、チタン酸塩、タングステン酸塩、
ジルコン酸塩及びこれらを複合して含有する白色微粒子
(無機化合物)が挙げられる。
【0032】これらの微粒子の表面は吸着水、水酸基
(OH)などの活性点を持っている。なかでも特に表面
酸性を示すもの、あるいは、等電点がpH7以下である
無機粉体などが好適であり、たとえばSiO2、Al2
3、B23、ZrO2、TiO2、SiO2−Al23、B
PO4、AlPO4、Zr(HPO4)2H2O、Al(H
PO4)2H2O、Ti(HPO4)2H2O、Ti3(P
44、Zr(HPO4)2H2O、ゼオライト、タル
ク、カオリン、BaTiO3、MgTiO3、CaTiO
3、SrTiO3、CaWO4、BaWO4、BaZrO3
などが挙げられ、これらは、スルホン酸ナトリウム塩、
カルボン酸ナトリウム塩のようなアニオン骨格を持つ直
接染料を強く吸着し、実際上染料を水不溶化することが
できる。
【0033】一方、表面塩基性を有するMgO、γ−A
23、ZnOなどの無機微粒子の場合は上記無機化合
物より吸着性が低いことがあり、そのままでは染料の吸
着が弱い場合がある。このような粉体を色材コアとして
用いるには、染料固着剤(ジシアン系、ポリアミン系な
ど)を併用することが望ましい。
【0034】また、上記無機化合物は表面水酸基を持っ
ているので、クロルトリアジン系、ビニルスルホン系、
クロルピリミジン系などの反応染料の反応基と共有結合
することが可能で、染料の不溶化に好適である。さら
に、ベーマイト構造のアルミナゾルはカチオン性のコロ
イドで等電点が低いため、スルホン酸ナトリウム塩など
の直接染料はアルミナゾルと直接反応し凝集、不溶化す
る。同様にコロイド状シリカも等電点が低いため、直接
染料と反応し染料の不溶化を可能とする物質である。
【0035】本発明で使用できる染料としては、例えば
C.I.ダイレクトブラック17、19、62、15
4、C.I.フードブラック2、C.I.リアクティブ
ブラック5あるいは米国特許明細書第5、053、49
5号に記載された染料などのブラック染料、C.I.ダ
イレクトイエロー11、44、86、142、C.I.
リアクティブイエロー2などのイエロー染料、C.I.
ダイレクトレッド227、C.I.アシッドレッド5
2、C.I.45100などのマゼンタ染料、C.I.
ダイレクトブルー15、199、C.I.42090、
C.I.アシッドブルー9、C.I.リアクティブブル
ー5などのシアン染料を挙げることができる。
【0036】これらの染料以外でも、可溶化基を減らし
て耐水性を高めたもの、溶解度をpHに対して敏感にし
た特殊なグレードのものなど、いずれも使用可能であ
る。
【0037】以上のような染料を微粒子表面あるいは無
機コロイド状物質に吸着または結合させるには以下の方
法を用いることで可能である。
【0038】第1に微粒子が金属酸化物の場合、例え
ば、粒径0.1μ程度のシリカ微粒子粉体に染料水溶液
を添加混練し乾燥後、塊状の凝集体を再粉砕するか、ま
たは、染料水溶液に微粒子粉体を添加染色するような微
粒子の直接染色方法;アルミン酸ナトリウム水溶液に染
料水溶液を加えておき、二酸化炭素を通じて水酸化アル
ミニウムを晶出させ乾燥して色材粒子を得るような沈澱
形成による方法;加水分解性金属塩と染料の水溶液中に
金属酸化物微粒子を分散させておき塩類の加水分解又は
中和反応により微粒子表面に金属水酸化物と染料の複合
した被膜を得る、いわゆる表面核生成による方法;など
を挙げることができる。
【0039】更に、コア物質と染料等の色材を含む高分
子電解質水溶液をCa、Sr、Ba等の金属イオン水溶
液に滴下してコア物質の表面に不溶性壁膜を形成するよ
うな、液中硬化被膜法(ゲルカプセル法、アクアカプセ
ル法等)によっても本発明において色材微粒子として使
用できる。ここで高分子電解質としては、アルギン酸ナ
トリウム、ペクチン酸ナトリウムなどが好適である。
【0040】第2の微粒子が金属リン酸塩の場合、リン
酸アンモニウム水溶液に染料水溶液を加えておき、硝酸
カルシウム水溶液を加え、さらに酸を添加してリン酸カ
ルシウムを析出させるような沈澱形成による方法などが
ある。
【0041】以下、金属リン酸水素塩、金属珪酸塩、チ
タン酸塩、タングステン酸塩、ジルコン酸塩に対しても
上記と同様な方法で色材微粒子を得ることができる。
【0042】無機コロイド状物質に染料を吸着させる方
法としては、無機コロイド状物質の水溶液又は粉末に染
料水溶液を添加してゲル化させゲル状物質を乾燥後、再
粉砕する方法があるが、コロイド粒子をあらかじめ十分
小さくしておくなどゲル化による増粒を抑制しないと分
散が困難になる。そこで、アルミナゾルなどの水溶液に
数10%のエタノール等を混合しておき、染料水溶液を
添加し凝集させると反応速度が遅くなるので増粒抑制に
効果がある。さらには、ゾル水溶液にAl23などの金
属酸化物微粒子を分散させておきボールミルにより解砕
しながら染料水溶液を添加する方法もある。
【0043】本発明において、かかる色材粒子は、一般
に、インク全重量の0.01%〜0.8%、好ましく
は、0.05%〜5.0%の範囲でインク中に含有させ
る。
【0044】なお、これまで述べた色材微粒子はその粒
子表面が染料などを吸着結合できれば良いので、水不溶
性のポリアクリレート、ポリビニル化合物、ポリスチレ
ンなどの有機高分子微粒子表面であっても先述の無機化
合物で被覆すれば同様の効果が得られる。また、有機高
分子微粒子表面を無機コロイド状物質で被覆しても同じ
効果が得られることは言うまでもない。
【0045】次に第2成分としての水溶性高分子につい
て詳細に述べる。
【0046】ポリメタクリル酸(以下、PMAAとい
う)は、分子中に疎水基であるメチル基と、親水基であ
るカルボキシル基を持つ直鎖状の水溶性高分子である。
この高分子はそれ自身、あるいはポエチレングリコール
(以下、PEGという)及びPEG−PPG(ポリプロ
ピレングリコール)と高い温度においては水素結合によ
って会合収縮し、低い温度では分散解離することが知ら
れている( 長田義仁、斉藤裕、日本化学会誌、197
6、(1)、171、長田義仁、竹内洋介、小池正義、
日本化学会誌、(6)、1983、812)。これは、
PMAAのカルボキシル基とPEGのエーテル基との間
で可逆的にコンプレックス生成による会合、解離を行な
うことによる(先述の機構)。これらはまた、わずかな
pH変化によっても会合、解離を行なうことができる。
すなわち、pH10付近でカルボキシル基の解離が、p
H7付近で会合収縮が起こる。このことは、紙などの被
記録材表面がpH5〜9の範囲にあるので、本発明に用
いる高分子を含有してなるインクをあらかじめpH10
程度にしておけば、インクが紙に付着した瞬間、インク
のpHが低下し紙表面で凝集することになる。
【0047】一方、PMAA(及びその塩)は特に親水
性顔料粒子の分散剤としても作用するので、図9に示す
ごとく、このようなポリカルボン酸型高分子を用いるこ
とにより高分子鎖の一端は本発明で使用する色材微粒子
に吸着して他端は他の色材微粒子に結合した高分子鎖と
上記のような会合、解離を行なうことができる。すなわ
ち、会合状態では多数の色材微粒子同志が網目状に結合
することになる。会合状態では、高分子網目は疎水基を
外側にして収縮するので水分子は何等の作用を受けるこ
となく網目の隙間を通過移動できることになる。
【0048】以上のような可逆的な会合、解離は20℃
から50℃の範囲で観察され、インクジェット記録ヘッ
ドの動作温度(30℃〜60℃)に一致している。すな
わち、記録ヘッドの温度を50℃〜60℃に保つか、被
記録材上でのインク滴の温度をその範囲にすることによ
り網目状の状態でいることになる。色材微粒子が網目状
になっていると、紙などの被記録材上では色材が紙の繊
維にトラップされるから色材を表面に残すこと、つまり
発色を良くすることが実現される。
【0049】以上述べてきた状態変化は、インク状態で
は色材粒子の解離、紙上では会合を基本としているが、
高分子鎖がかなり長いような場合は一般に液粘度が高く
インク滴の吐出に不利であるから、逆に、インク状態で
会合、紙上で解離する現象を用いても同様の効果が発揮
され得る。
【0050】また、色材粒子の分散をより安定なものに
するためには、PMAA以外に通常の分散剤、たとえば
ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、ポリスチレ
ンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ジイソブチレン−
マレイン酸共重合物の塩、カルボキシルメチルセルロー
ス、ポリエチレンオキサイド(PEO)−ポリプロピレ
ンオキサイド(PPO)−ポリエチレンオキサイド(P
EO)のブロック共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体、ポリスチレン−ポリアクリルアミド共重合体、ス
チレン−アクリル酸共重合体などを適量使用しても良
い。
【0051】PEG以外の高分子、たとえばポリ−N−
ビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール
(PVA)、ポリビニルメチルエーテル(PMVE)な
どでは、PMAAとコンプレックスを形成するものの、
平衡がコンプレックス生成側に大きくシフトしているの
でPEGのような可逆的な変化は期待できない(長田義
仁、斉藤裕、日本化学会誌、1976、(5)、83
2、長田義仁、竹内洋介、小池正義、日本化学会誌、
(6)、1983、812)。
【0052】しかし、本発明者はこれらの高分子をPM
AA−PEG系に少量添加することにより、部分的に網
目構造を初めから有するような効果を見出だした。これ
は、異質形成を補助的に促進する場合に有効である。
【0053】前述したもう一方の機構(メカニズム2)
で可逆的に溶解、凝集する高分子としては、ポリアクリ
ル酸とポリN−アルキル置換アクリルアミドの組み合わ
せ、ポリ−N−アルキル置換アクリルアミドのようにカ
ルボキシル基とアミド基間あるいはアミド基間で、高温
では水素結合性コンプレックス形成による高分子鎖の凝
集、低温では疎水性水和により膨潤溶解するタイプのも
のが使用できる。
【0054】また、先述のPEO−PPO−PEOブロ
ックポリマーも特定の温度領域(曇点)で大きな非対称
ミセルを形成して会合するので(先述のメカニズム
1)、本発明に使用できる。このブロックポリマーは商
品名PLURONIC(Wyandotte Chem
ials社)として市販されている界面活性剤であり、
親水基部であるポリオキシエチレンの全重量に占める割
合を変えることで会合温度を調節できる(Prasa
d、K.N.、Luong、T.T.、Florenc
e、A.T.、Paris、J.、Vaution、
C.、Seiller、M.and Puisieu
x、F.、J.Colloid Interface
Sci.、69、225、1979)。
【0055】本発明において、上記した水溶性高分子
は、一般に、インク全重量の0.01%〜10.0%の
範囲で使用されるが、更に好ましくは、0.05%〜
8.0%の範囲でインク中に含有させる。
【0056】第2成分の高分子のうち、PEGは紙など
の表面へ粘着する効果を持つが、この粘着効果をさらに
強いものにすること、糸を引く性質により不均一な画像
形成を抑制することなどのために、第3成分である曳糸
性高分子を添加すると、さらに擦過性向上など望ましい
画像堅牢性を付加することができる。しかし、曳糸性高
分子であっても本来その効果が増粘を目的としているの
で、その使用する量にはおのずと制限があり、インクジ
ェット記録用インクの制約(1〜20mN・s・m-2
の範囲からはずれないような使用量が望ましい。好適な
使用量としては、インク重量の0.001%〜5%、よ
り好ましくは0.005%〜1%の範囲である。
【0057】曳糸性高分子としては、分子量10万以上
のポリエチレンオキサイド(10万未満では添加量に対
する曳糸性効果が少なく、増粘効果が出てしまう)、捺
染用デンプン系のり剤(小麦デンプン、ブリティッシュ
ガム、デキストリンなど)、繊維素誘導体のり剤(メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースなど)、海藻系のり剤(アルギン酸
ソーダ、寒天、カラギーナン、ふのり)、ガム系のり剤
(ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、
トラガントガム、カラヤガム、クリスタルガムなど)、
合成系のり剤(酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、
アクリル酸共重合体/PVAブロック共重合体など)な
どが使用できる。
【0058】さて、以上のような構成の本発明のインク
に、信頼性、保存安定性など、よりインクジェット適性
を付与するために、次に挙げるような保湿剤、溶解助剤
を含有しても良い。そのような材料として、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、チオジグリコール、1、2、6−ヘキサントリオ
ール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール
類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアルコールアミン類、メチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒、エチレング
リコールモノメチル(エチル)エーテル、ジエチレング
リコールモノメチル(エチル)エーテル、トリエチレン
グリコールモノメチル(エチル)エーテル等の多価アル
コールの低級アルキルエーテル類、グリセロール、ホル
ムアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、ソルビトール、ソルビットなどが挙げられる。これ
らのインク中の含有量は、インク全重量の1〜40%の
範囲が好ましい。
【0059】また、インクジェット記録に本発明のイン
クを使用する際に、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノールなどのアルキルアルコールを含有させ
ると吐出性が向上し、さらに効果的である。これらのア
ルコール類はインク全重量の1〜30%の範囲で含有す
ることが好ましい。
【0060】さらに必要に応じて、界面活性剤、防錆
剤、防かび剤、酸化防止剤などの添加剤を含有すること
も可能である。
【0061】以上のように本発明のインクは、インクジ
ェット記録で用いられる際、効果的である。インクジェ
ット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作
用させ液滴を吐出する記録方法および、インクに熱エネ
ルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録
方法があり、それらの記録方法に本発明のインクは特に
好適である。
【0062】インクジェット記録装置として、熱エネル
ギーを利用した装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。
【0063】ヘッド1はインクを通す流路(ノズル)2
を有するガラス、セラミック、シリコンまたはプラスチ
ック板等と発熱素子基板3とを接着して得られる。発熱
素子基板3は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコ
ン等で形成される保護層4、アルミニウム、金、アルミ
ニウム−銅合金等で形成される電極5、HfB2、Ta
N、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体
層6、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成され
る蓄熱層7、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウ
ム等の放熱性の良い材料で形成される基板8より成り立
っている。
【0064】上記ヘッドの電極5にパルス状の電気信号
が印加されると、発熱素子基板3のhで示される領域が
急速に発熱し、この表面に接しているインクに気泡が発
生し、その発生する圧力でメニスカス10が突出し、イ
ンクがヘッドのノズル2を通して吐出し、オリフィス1
1より記録小液滴12となり、被記録材13に向かって
飛翔する。図3には図1に示したヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。
【0065】なお、図1は、インク流路に沿ったヘッド
の断面図であり、図2は図1のX−Y線での断面図であ
る。
【0066】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持固定されており、カンチレ
バーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッドによる
記録領域に隣接した位置に配置され、記録ヘッドの移動
方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッ
ピングを行なう構成を備える。 さらに63はブレード
61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレー
ド61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態
で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収
体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード6
1及び吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等の除
去が行なわれる。
【0067】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを
吐出して記録を行なう記録ヘッド、66は記録ヘッド6
5を搭載して記録ヘッド65の移動を行なうためのキャ
リッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可
能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域およびそ
の隣接した領域の移動が可能となる。51は被記録材を
挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより
駆動される紙送りローラーである。これらの構成により
記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙
され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配し
た排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド
65が記録終了してホームポジションへ戻る際、ヘッド
回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路
から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出
している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピ
ングされる。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐
出面に当接してキャッピングを行なう場合、キャップ6
2は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動す
る。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位
置へ移動する場合、キャップ62およびブレード61は
上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。こ
の結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面
はワイピングされる。
【0068】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴なって上記ワイピングが行なわれる。図5は、
記録ヘッドにインク供給部材、例えばチューブを介して
供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例
を示す図である。ここで40は供給用インクを収納した
インク収容部、例えばインク袋であり、その先端にはゴ
ム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図
示)を挿入することにより、インク袋40中のインクを
ヘッドに供給可能にならしめる。
【0069】44は廃インクを受容するインク吸収体で
ある。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオ
レフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好
ましい。
【0070】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジ
とが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれ
らが一体になったものにも好適に用いられる。図6にお
いて、70は記録ユニットであり、この中にはインクを
収容したインク収容部、例えばインク吸収体が収納され
ており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィ
スを有するヘッド部71からインク滴として吐出される
構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウ
レタンを用いることが本発明にとって好ましい。また、
インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を
仕込んだインク袋であるような構造でも良い。72はカ
ートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口で
ある。この記録ユニット70は図3に示す記録ヘッドに
換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し
着脱自在になっている。
【0071】次に、第二のインクジェット記録装置の形
態として、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノ
ズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる
圧力発生素子と、前記圧力発生素子の周囲を満たすイン
クを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させイン
クの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインク
ジェット記録ヘッドを挙げることができる。
【0072】その記録装置の主要部分である記録ヘッド
の構成例を図7に示す。
【0073】ヘッドは、インク室(不図示)に連通した
インク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するた
めのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作
用させる振動板82と、その振動板82に接合され電気
信号により変位する圧電素子83と、電素子83、オリ
フィスプレート81、振動板等82を支持固定するため
の基体84とから構成されている。
【0074】図7において、インク流路80は、感光性
樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステン
レス、ニッケル等の金属を電鋳、プレス加工による穴あ
け等により吐出口85が形成され、振動板82は、ステ
ンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルムおよび高弾
性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン
酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
【0075】以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素
子83にパルス状の電圧を与え、ひずみ応力を発生さ
せ、そのエネルギーが圧電素子に接合された振動板を変
形させ、インク流路内のインクを垂直に加圧しインク滴
をオリフィスプレートの吐出口85より吐出、記録を行
なうように動作する。
【0076】かかる記録ヘッドは図4に示したものと同
様な記録装置に組み込んで使用される。記録装置の細部
の動作は先述と同様に行なうもので差しつかえない。
【0077】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。なお、文中、部とあるのは特に断わ
りがない限り重量%である。
【0078】はじめに本発明の各種インクの作成につい
て述べる。
【0079】実施例1(ブラックインク(K−1)) 超微粒子無水シリカ(商品名:日本アエロジルOX5
0)5gを200mlビーカーにとり、染料として、
C.I.ダイレクトブラック17の10%溶液を100
ml加え、マグネチックスターラーにて1000rpm
の回転速度で5時間撹拌する。次に、日本ミリポアリミ
テッド製メンブランフィルタ1.0μmでビーカー内の
液を濾過する。濾紙上に残った色材成分を、イオン交換
水で3回洗浄し、続いて0.1N−HClで2回洗浄
し、再びイオン交換水で3回洗浄した後、分散容器に入
れる。
【0080】更に、分子量60,000のPMAA5.
0gと分子量6,000のPEG0.5g、イオン交換
水を全重量が100gとなるように加える。次に、粉砕
メディアとして、ジルコニウムビーズ1mmφをその充
填率が50%となるように加え、五十嵐機械製サンドグ
ラインダーに装着し、5時間分散処理を行なう。
【0081】さらに、分散液を濾紙5Aで濾過(ジルコ
ニウムビーズの除去)した後、遠心分離機にて10,0
00rpm、30分間遠心分離処理を行ない粗大粒子の
除去を行ないブラックインク(K−1)を作成した。
【0082】実施例2(ブラックインク(K−2)) 染料としてC.I.フードブラック2の10%水溶液1
00mlを200mlビーカーにとり、マグネチックス
ターラーにて800rpmの回転数で撹拌しながら触媒
化成工業製カタロイドAP(アルミナゾル粉体)5gを
少量ずつ粗大塊が出来ないようにビーカーに添加し、8
時間撹拌を続ける。次に、メンブランフィルタ1.0μ
mで濾過し、色材成分をイオン交換水で3回、0.5N
酢酸で2回、再びイオン交換水で3回洗浄する。その色
材を分散容器に入れ、分子量60,000のPMAA
5.0gと分子量6,000のPEG0.5g及びPE
O−PPO−PEOブロック共重合体(商品名:三洋化
成工業製ニューポールPE−74)2.0gを加え、イ
オン交換水を全重量が100gとなるように加える。
【0083】次に、ジルコニウムビーズ1mmφをその
充填率が50%となるように加え、五十嵐機械製サンド
グラインダーに装着し5時間分散処理を行なう。
【0084】さらに、実施例1と同様に分散液を濾紙5
Aで濾過(ジルコニウムビーズの除去)した後、遠心分
離機にて10,000rpm、30分間遠心分離処理を
行ない粗大粒子の除去を行ないブラックインク(K−
2)を作成した。
【0085】実施例3(ブラックインク(K−3)) 和光純薬工業製アルミン酸ソーダ10gをイオン交換水
80mlに溶解し、C.I.ダイレクトブラック154
の10%水溶液を撹拌しながら20ml加え、炭酸ガス
を液中にバブリングさせ、溶液のpHが5以下になるよ
うにする。加水分解により染料で染着されたアルミナ微
粒子が沈澱するので液をメンブランフィルタ1.0μm
で濾過し、濾紙上の色材成分をイオン交換水で洗浄す
る。その色材を分散容器に入れ、分子量50,000の
ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド5.0g及びP
EO−PPO−PEOブロック共重合体(商品名:三洋
化成工業製ニューポールPE−74)2.0g、ジエチ
レングリコール5.0gを加え、イオン交換水を全重量
が100gとなるように加える。次に、ジルコニウムビ
ーズ2mmφをその充填率が50%となるように加え、
五十嵐機械製サンドグラインダーに装着し5時間分散処
理を行なう。
【0086】さらに、実施例1と同様に分散液を濾紙5
Aで濾過(ジルコニウムビーズの除去)した後、遠心分
離機にて10,000rpm、30分間遠心分離処理を
行ない粗大粒子の除去を行ない、さらに界面活性剤とし
てアセチレノールEH(川研ファインケミカル製)溶液
を0.1部添加しブラックインク(K−3)を作成し
た。
【0087】実施例4(ブラックインク(K−4)) 和光純薬工業製アルギン酸ナトリウム0.5%水溶液に
出光興産製酸化チタン(商品名:チタニアIT−S)5
部、C.I.ダイレクトブラック62を10部混合する
(溶液A)。別に和光純薬工業製塩化カルシウム5%水
溶液を作成する(溶液B)。次に、溶液Bをスターラー
で撹拌しつつ、溶液Aを滴下混合し不溶性色材を得る。
液をメンブランフィルタ0.45μmで濾過し、ろ紙上
の色材成分をイオン交換水で洗浄する。更にイオン交換
水に色材5部とスチレン−マレイン酸共重合体(酸価1
15、平均分子量3700)5部、ポリスチレン−ポリ
アクリルアミド共重合体(商品名:エマリストSD−5
5、三洋化成工業製)5部、ジエチレングリコール7部
を加え、液とジルコニウムビーズを五十嵐機械製サンド
グラインダ−に入れ5時間分散処理を行う。
【0088】さらに、分散液を濾紙5Aで濾過(ジルコ
ニウムビーズの除去)した後、遠心分離機にて10,0
00rpm、30分間遠心分離処理を行ない粗大粒子の
除去を行ないブラックインク(K−4)を作成した。
【0089】実施例5(イエローインク(Y−1)) 和光純薬工業製リン酸水素アンモニウム10%水溶液8
0mlにC.I.ダイレクトイエロー86の10%水溶
液を撹拌しながら20ml加え、和光純薬工業製硝酸カ
ルシウム10%水溶液を撹拌しつつ添加し、さらに0.
1NHNO3を滴下し、色材成分を完全に沈澱させる。
【0090】液をメンブランフィルタ1.0μmで濾過
し、濾紙上の色材成分をイオン交換水で洗浄する。その
色材を分散容器に入れ、分子量60,000のPMAA
5.0g及びPEG−PPG(モル比7:3)0.3
g、ジエチレングリコール5.0gを加え、イオン交換
水を全重量が100gとなるように加える。次に、ジル
コニウムビーズ1mmφをその充填率が50%となるよ
うに加え、五十嵐機械製サンドグラインダーに装着し5
時間分散処理を行なう。
【0091】さらに、実施例1と同様に分散液を濾紙5
Aで濾過(ジルコニウムビーズの除去)した後、遠心分
離機にて10,000rpm、30分間遠心分離処理を
行ない粗大粒子の除去を行ないイエローインク(Y−
1)を作成した。
【0092】実施例6(イエローインク(Y−2)) 綜研化学製ポリメチルメタクリレート(粒子径1.0μ
m)10gを日産化学製アルミナゾル−200の5%水
溶液に撹拌しながら添加する。3時間撹拌した後、液を
メンブランフィルタ0.45μmで濾過し、0.1Nの
酢酸で3回洗浄する。次に、C.I.ダイレクトイエロ
ー44の8%水溶液に先述のポリマー粒子を添加、撹拌
を3時間行ない、再度メンブランフィルタで濾過する。
濾紙上の色材成分をイオン交換水で洗浄し、その色材を
分散容器に入れ、分子量60,000のPMAA5.0
g及びPEG−PPG(モル比7:3)0.3g、ジエ
チレングリコール5.0gを加え、イオン交換水を全重
量が100gとなるように加える。次に、ジルコニウム
ビーズ1mmφをその充填率が50%となるように加
え、五十嵐機械製サンドグラインダーに装着し5時間分
散処理を行なう。
【0093】さらに、実施例1と同様に分散液を濾紙5
Aで濾過(ジルコニウムビーズの除去)した後、遠心分
離機にて10,000rpm、30分間遠心分離処理を
行ない粗大粒子の除去を行ないイエローインク(Y−
2)を作成した。
【0094】実施例7(マゼンタインク(M−1)) 実施例1と同様に、超微粒子無水シリカ(商品名:日本
アエロジルOX50)5gを200mlビーカーにと
り、C.I.ダイレクトレッド227の10%水溶液を
100ml加え、マグネチックスターラーにて1000
rpmの回転速度で5時間撹拌する。次に、日本ミリポ
アリミテッド製メンブランフィルタ1.0μmでビーカ
ー内の液を濾過する。濾紙上に残った色材成分を、イオ
ン交換水で3回洗浄し、続いて0.1NHClで2回洗
浄し、再びイオン交換水で3回洗浄した後、分散容器に
入れる。更に分子量60,000のPMAA5.0gと
分子量6,000のPEG0.5g、イオン交換水を全
量が100gとなるように加える。次に、粉砕メディア
として、ジルコニウムビーズ1mmφをその充填率50
%となるように加え、五十嵐機械製サンドグラインダー
に装着し、5時間分散処理を行う。更に、分散液を濾紙
5Aで濾過(ジルコニウムビーズの除去)した後、遠心
分離機にて10,000rpm、30分間遠心分離処理
を行い粗大粒子の除去を行いマゼンタインク(M−1)
を作成した。
【0095】実施例8(マゼンタインク(M−2)) 上記実施例7と同様な工程でインクを調製した後、分子
量160万のポリエチレンオキサイドを添加量が0.0
05%となるように加え、マゼンタインク(M−2)を
作成した。
【0096】実施例9(シアンインク(C−1)) 綜研化学製ポリメチルメタクリレート(粒子径1.0μ
m)10gを日産化学製アルミナゾル−200の5%水
溶液に撹拌しながら添加する。3時間撹拌した後、液を
メンブランフィルタ0.45μmで濾過し、0.1N酢
酸で3回洗浄する。次に、C.I.ダイレクトブルー1
99の8%水溶液に先述のポリマー粒子を添加、撹拌を
3時間行ない、再度メンブランフィルタで濾過する。紙
上の色材成分をイオン交換水で洗浄し、その色材を分散
容器に入れ、分子量60,000のPMAA5.0g及
びPEG−PPG(モル比7:3)0.3g、ジエチレ
ングリコール5.0gを加え、イオン交換水を全重量が
100gとなるように加える。次に、ジルコニウムビー
ズ1mmφをその充填率が50%となるように加え、五
十嵐機械製サンドグラインダーに装着し5時間分散処理
を行なう。
【0097】さらに、実施例1と同様に分散液を濾紙5
Aで濾過(ジルコニウムビーズの除去)した後、遠心分
離機にて10,000rpm、30分間遠心分離処理を
行ない粗大粒子の除去を行ないシアンインク(C−1)
を作成した。
【0098】実施例10(シアンインク(C−2)) γ−Al23超微粒子(商品名:Buehler社製マ
イクロポリッシュ、粒径0.05μm)5gを200m
lビーカーにとり、C.I.アシッドブル−9の8%水
溶液を100ml加え、マグネチックスターラーにて1
000rpmの回転速度で5時間撹拌する。次に、日本
ミリポアリミテッド製メンブランフィルタ1.0μでビ
ーカー内の液を濾過する。濾紙上に残った色材成分を、
イオン交換水で3回洗浄し、続いて0.1NHClで2
回洗浄し、再びイオン交換水で3回洗浄した後、さらに
染料固着剤として、イミダゾリン型界面活性剤(商品
名:三洋化成カチオンSF−75)5%水溶液で3回洗
浄し、次に、色材成分を分散剤(商品名:王デモール
N)15%水溶液10mlとともに、分散容器に入れ
る。さらに、分子量60,000のPMAA5.0gと
分子量6,000のPEG0.5g、イオン交換水を全
重量が100gとなるように加える。次に、粉砕メディ
アとして、ジルコニウムビーズ1mmφをその充填率が
50%となるように加え、五十嵐機械製サンドグライン
ダーに装着し、5時間分散処理を行なう。
【0099】さらに、分散液を濾紙5Aで濾過(ジルコ
ニウムビーズの除去)した後、遠心分離機にて10,0
00rpm、30分間遠心分離処理を行ない粗大粒子の
除去を行ないシアンインク(C−2)を作成した。
【0100】実施例11(シアンインク(C−3)) スチレン−アクリル酸共重合体(酸価115、平均分子
量3700)5部、イオン交換水50部、ジエチレング
リコール5部を混合し、ウォーターバスで70℃に加温
し、樹脂成分を完全に溶解させる。この溶液に群青(第
一化成工業製:粒子径0.5〜1.0μm)10部、エ
タノール5部、分子量60,000のPMAA5部と分
子量6,000のPEG1部及び和光純薬製ポリ−N−
ビニルピロリドン0.5部を加え、全体が100部とな
るようにイオン交換水で調節し、プリミキシングを30
分間行なう。次に粉砕メディアとして、ジルコニウムビ
ーズ1mmφをその充填率が50%となるように加え、
五十嵐機械製サンドグラインダーに装着し、5時間分散
処理を行なう。
【0101】さらに、分散液を濾紙5Aで濾過(ジルコ
ニウムビーズの除去)した後、遠心分離機にて10,0
00rpm、30分間遠心分離処理を行ない粗大粒子の
除去を行ない分散液とした。続いて上記分散液と他の成
分を以下に示したように混合しシアンインク(C−3)
を作成した。
【0102】 分散液 40部 チオジグリコール 10部 エタノール 5部 イオン交換水 45部
【0103】比較例1(ブラックインクKR−1) 比較例として従来の組成物である以下の材料を均一に撹
拌混合したインクを作成した。
【0104】 C.I.ダイレクトブラック17 3部 グリセリン 10部 2−プロパノール 5部 イオン交換水 82部
【0105】比較例2(ブラックインクKPR−1) 色材が顔料である従来タイプのインクKPR−1を以下
の手順で作成した。 顔料分散液の作成: スチレン−アクリル酸共重合体 5部 (酸価116、平均分子量3700) ジエチレングリコール 5部 イオン交換水 65部
【0106】上記成分を混合し、ウォーターバス上で7
0℃に加温し、樹脂成分を完全に溶解させる。この溶液
にカーボンブラック(MCF88:三菱化成製)15
部、2−プロパノール10部を加え、30分間プレミキ
シングを行なった後、下記の条件で分散処理を行なっ
た。
【0107】 粉砕メディア ジルコニウムビーズ1mmφ 粉砕メディアの充填率 50%(体積) 粉砕時間 3時間 さらに遠心分離処理(10,000rpm、20分間)
を行ない粗大粒子を除去して分散液とした。続いて以下
の組成で混合しブラックインクKPR−1とした。
【0108】 上記分散液 30部 チオジグリコール 20部 2−プロパノール 5部 イオン交換水 45部
【0109】比較例3(イエローインクYR−1) 比較例1と同様に従来のカラーインクの例として以下の
材料を均一に混合し、イエローインクYR−1を作成し
た。
【0110】 C.I.ダイレクトイエロー86 2部 トリエチレングリコール 6部 ヘキサントリオール 6部 2−プロパノール 2部 イオン交換水 84部
【0111】比較例4(マゼンタインクMR−1) 比較例1と同様に従来のカラーインクの例として以下の
材料を均一に混合し、マゼンタインクMR−1を作成し
た。
【0112】 C.I.ダイレクトレッド227 3部 トリエチレングリコール 6部 ヘキサントリオール 6部 2−プロパノール 2部 イオン交換水 83部
【0113】比較例5(シアンインクCR−1) 比較例1と同様に従来のカラーインクの例として以下の
材料を均一に混合し、シアンインクCR−1を作成し
た。
【0114】 C.I.ダイレクトブルー199 3部 トリエチレングリコール 6部 ヘキサントリオール 6部 2−プロパノール 2部 イオン交換水 83部
【0115】以上挙げた実施例1〜実施例11のインク
及び比較例1〜比較例5のインク各々について性能評価
を行なった。
【0116】性能評価項目は、1.光学濃度(OD
値)、2.定着時間、3.フェザリング、4.ブリーデ
ィング、5.耐水性の5項目とした。いずれの評価も温
度23℃湿度60%の恒温試験室で行なった。ここで、
各評価の方法を具体的に説明する。
【0117】1.光学濃度(OD値) A4サイズの用紙に5mm四方の正方形のベタ部が5箇
所あるパターンをプリントし、30分以上経過後のプリ
ントサンプルについて光学濃度の測定を行なう。プリン
ト画像内5箇所のベタ部の濃度をマクベス反射濃度計R
D914にて測定し、その平均値をOD値とした。 2.定着時間 A4サイズの用紙にアルファベット26文字、数字(0
〜9)を連続して1行36文字40列を1行1秒、ライ
ンフィード0.5秒の速度で記録し、プリンタから排紙
されてくると同時にシルボンC紙で包んだ重りを記録面
に40g/cm で押しつけ、画像がこすれて流れな
くなった時間を定着時間とした。 3.フェザリング A4サイズの用紙に記録ヘッドのノズルの1本置きに間
引いたドットを記録し、30分以上経過したプリントサ
ンプルのドットを拡大鏡で観察し真円のドットを5、円
周の1/4に滲みがみられるか変形しているものを4、
円周の1/2に滲みがみられるか変形しているものを
3、円周の3/4に滲みがみられるか変形しているもの
を2、円弧の部分がまったくないドットを1として5段
階評価した。 4.ブリーディング A4サイズの用紙に20mm四方の正方形のベタ部を記
録し、それに隣接するように先に記録したインクとは異
なる色のインクで同様に20mm四方の正方形のベタ部
を記録する。30分以上経過したプリントサンプルにつ
いて色の境界部分を拡大鏡で観察し、官能評価により色
境界線20mmの長さでまったく混色がないものを5、
混色している部分の幅がおよそ1ドット径(100μ
m)分のものを4、2ドット分を3、3ドット分を2、
4ドット分以上を1として5段階評価した。 5.耐水性 A4サイズの用紙に評価項目1と同じパターンを記録し
あらかじめOD値を測定しておく。1時間経過後のプリ
ントサンプルをイオン交換水を満たした40cm四方の
ステンレス製バット中に5秒浸漬する。次に用紙をバッ
トから取り出し、自然乾燥後、再びOD値を測定して
(測定OD値)/(初期OD値)の値を算出しその百分
率を耐水性の性能値とした。
【0118】(評価機)上記評価用の記録装置としてキ
ヤノン(株)製BJ10ex(商標名)及びキヤノン
(株)製BJ300(商標名)を使用した。インクの供
給はそれぞれの専用インク容器に目的のインクを充填す
る方法を用いた。なおBJ10exは駆動パルス幅変調
により記録中のヘッド温度を60℃となるように設定
し、BJ300は記録中に用紙を加熱する機構を組み込
んである。その概要を図8に示した。図8の記録装置は
図4の基本的な記録装置に加熱素子100を設置したも
のである。加熱素子100は日本陶器製P−8010サ
ーマルヘッド101をA4横幅に10個並べたもので印
加電圧19V、印加電力56W/mm2であり、駆動パ
ルス幅、駆動周波数を調節することにより紙表面温度を
室温+10℃から室温+80℃の範囲で加熱することが
可能である。
【0119】上記の評価項目1、2、3、5の評価用の
用紙としてNP−SK紙(商品名)、XX4024紙
(商品名)の2種を用いた。評価項目4についてはNP
−SK紙のみを使用した。
【0120】(評価結果)表1にBJ10exを用いて
本発明のインクおよび従来のインクの性能評価(評価項
目:1、2、3、5)した結果を示した。評価項目4に
ついては各色の組み合わせについて評価し、結果を表2
に示した。なお、従来インクのブリーディング評価結果
は表3に示した。
【0121】次に、BJ300を用いて上記と同様な性
能評価を行ない結果を表4、表5、表6にそれぞれ示し
た。プリント中は用紙表面が80℃となるように加熱素
子を調節して測定を行なった(加熱素子表面と用紙表面
との距離は0〜0.5mm)。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
【0128】表1の結果より、本発明のHESインクは
高いODを維持しつつ定着が速いこと、フェザリング、
耐水性に関しても従来インクより優れていることがわか
った。また、ブリーディングについては紙表面での状態
変化により混色防止効果が大きいといえる。
【0129】また、BJ300での評価結果によると、
HESインクは温度により状態変化が促進されるので表
4、表5の結果の通り、紙を加熱しない場合よりいずれ
の評価でも性能向上が認められた。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクは、
画像形成手段が蒸発と浸透のみに依存していないため、
高いODを得ながら定着が速い記録を実現できるもので
ある。さらに高品位記録に欠かすことのできない混色
(ブリーディング)の問題も同時に解決することができ
る。本発明のインクはまたインクジェット記録装置と組
み合わせて使用するとより効果が顕著に現われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。
【図3】インクジェット記録装置の複数のノズルを有す
るヘッドの一例を示す図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの一例を示す縦断面図。
【図6】インクジェット記録ヘッドとインクカートリッ
ジが一体である仕様の斜視図。
【図7】圧電素子を用いたインクジェット記録ヘッドの
縦断面図。
【図8】加熱素子を設けたインクジェット記録装置の一
例を示す斜視図。
【図9】本発明のインクの解離−会合の状態を摸式的に
示した概念図。
【符号の説明】
51 給紙部 52 紙送りローラー 53 排紙ローラー 61 ワイピング部材 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 インクジェット記録ヘッド 66 キャリッジ 67 キャリッジガイド軸 68 キャリッジ駆動部 69 駆動用ベルト部 100 加熱素子 101 サーマルヘッド a 解離状態の色材核 b 解離状態の色材殻 c 解離状態のポリマー d 会合状態のポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 B41J 2/01 - 2/21 B41M 5/00

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子又は無機コロイド状物質に染料を
    吸着結合させた色材粒子を、水溶性高分子の水溶液に分
    散した、その温度変化又はpH変化により前記高分子の
    高分子鎖が、解離又は会合を起こす水性インクであっ
    て、 前記水溶性高分子が、ポリメタクリル酸、ポリメタクリ
    ル酸とポリエチレングリコールとの混合物、ポリメタク
    リル酸とポリエチレングリコール−ポリプロピレングリ
    コール共重合体との混合物、ポリアクリル酸とポリN−
    アルキル置換アクリルアミドとの混合物、ポリエチレン
    オキサイド−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレン
    オキサイドのブロック共重合体の何れか、又はそれらを
    複合したものであることを特徴とする水性インク
  2. 【請求項2】 更に曳糸性の高分子を含む請求項1記載
    の水性インク
  3. 【請求項3】 前記色材粒子が水不溶性である請求項1
    又は2に記載の水性インク。
  4. 【請求項4】 前記色材粒子を、インク全重量の0.0
    1%〜8.0%の範囲で含む、請求項1又は2に記載の
    水性インク。
  5. 【請求項5】 前記水溶性高分子を、インク全重量の
    0.01%〜10.0%の範囲で含む請求項1又は2に
    記載の水性インク。
  6. 【請求項6】 前記曳糸性の高分子を、インク全重量の
    0.001%〜5%の範囲で含む、請求項1又は2に記
    載の水性インク。
  7. 【請求項7】 前記微粒子が、水不溶性の金属酸化物、
    金属リン酸塩、金属リン酸水素塩、金属ケイ酸塩、チタ
    ン酸塩、タングステン酸塩、ジルコン酸塩、又はそれら
    を複合して含有する白色無機化合物の何れかである請求
    項1又は2に記載の水性インク。
  8. 【請求項8】 前記微粒子が、有機高分子微粒子を水不
    溶性の金属酸化物、金属リン酸塩、金属リン酸水素塩、
    金属ケイ酸塩、チタン酸塩、タングステン酸塩、ジルコ
    ン酸塩、又はそれらを複合して含有する白色無機化合物
    の何れかで被覆されている請求項1又は2に記載の水性
    インク。
  9. 【請求項9】 前記曳糸性高分子が、分子量10万以上
    のポリエチレンオキサイド、デンプン系のり剤、メチル
    セルロース系繊維素誘導体のり剤、アルギン酸ソーダを
    含む海藻系のり剤、ローカストビーンガムを含むガム系
    のり剤、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体を含む合
    成系のり剤の何れかである請求項2に記載の水性イン
    ク。
  10. 【請求項10】 該水性インクがインクジェット記録用
    である請求項1〜の何れかに記載の水性インク。
  11. 【請求項11】 インクジェット方式により形成したイ
    ンク滴を被記録材に付着させて記録を行うインクジェッ
    ト記録方法において、前記インクとして前記請求項10
    に記載の水性インクを適用することを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 前記インクジェット方式が、インクに
    熱エネルギーを作用させる方式である請求項11に記載
    のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】 前記被記録材を加温して記録を行う請
    求項11に記載のインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜10の何れかに記載のイン
    クを収容しているインク収容部を有していることを特徴
    とするインクカートリッジ。
  15. 【請求項15】 インクを収容したインク収容部と前記
    インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部とを
    共に有する記録ユニットにおいて、前記インクとして前
    記請求項10に記載の水性インクを適用したことを特徴
    とする記録ユニット。
  16. 【請求項16】 前記ヘッド部において、前記インクに
    熱エネルギーを作用させてインク吐出を行う請求項15
    に記載の記録ユニット。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載の水性インクと該水
    性インクをインクジェット方式により吐出させる記録ヘ
    ッドとを具備していることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  18. 【請求項18】 前記被記録材を加温する手段を、更に
    備えた請求項17に記載のインクジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 微粒子に染料を吸着結合させた色材ま
    たは無機コロイド状物質に染料を吸着結合させた色材が
    水性媒体に均一に分散されてなり、かつ水溶性高分子を
    含んでいる水性インクであって、 該水溶性高分子は、インクのpH7〜10の範囲内での
    pH変化および温度20〜50℃の範囲内での温度変化
    の少なくとも一方によって凝集し、該インクは、該水溶
    性高分子の凝集によって、該色材と該水性媒体とが分離
    するものであることを特徴とする水性インク。
  20. 【請求項20】 該水溶性高分子が、ポリメタクリル酸
    とポリエチレングリコールとの混合物、ポリメタクリル
    酸とポリエチレングリコールーポリプロピレングリコー
    ル共重合体との混合物、ポリメタクリル酸とポリエチレ
    ンオキサイドーポリプロピレンオキサイド−ポリエチレ
    ンオキサイド共重合体との混合物、ポリ(N−アルキル
    ー置換アクリルアミド)とポリエチレンオキサイドーポ
    リプロピレンオキサイドーポリエチレンオキサイド共重
    合体との混合物、スチレンマレイン酸共重合体とポリス
    チレンーポリアクリルアミド共重合体との混合物及びポ
    リメタクリル酸、ポリエチレングリコール及びポリエチ
    レンオキサイドとの混合物から選ばれる少なくとも1つ
    である請求項19に記載の水性インク。
  21. 【請求項21】 該水性インクが、インクジェット記録
    用である請求項19又は20に記載の水性インク。
  22. 【請求項22】 水不溶性無機微粒子の表面に染料を結
    合させたもの及び無機コロイド状物質に染料を吸着結合
    させたものから選ばれる少なくとも1つの水不溶性色材
    と水溶性高分子とを含んでいる水性インクであって、 該水溶性高分子は、20〜50℃の範囲における温度変
    化またはpH7〜10の範囲におけるpH変化によって
    会合または解離を起こすものであり、 該水溶性高分子は、該インクに対し0.01〜10重量
    %を含み、更に該水溶性高分子は、ポリメタクリル酸と
    ポリエチレングリコールとの混合物、ポリメタクリル酸
    とポリエチレングリコールーポリプロピレングリコール
    共重合体との混合物、ポリメタクリル酸とポリエチレン
    オキサイドーポリプロピレンオキサイド−ポリエチレン
    オキサイド共重合体との混合物、ポリ(N−アルキルー
    置換アクリルアミド)とポリエチレンオキサイドーポリ
    プロピレンオキサイドーポリエチレンオキサイド共重合
    体との混合物、スチレンマレイン酸共重合体とポリスチ
    レンーポリアクリルアミド共重合体との混合物及びポリ
    メタクリル酸、ポリエチレングリコール及びポリエチレ
    ンオキサイドとの混合物から選ばれる少なくとも1つで
    あることを特徴とする水性インク。
  23. 【請求項23】 該水性インクがインクジェット記録用
    である請求項22に記載の水性インク。
  24. 【請求項24】 請求項21または23に記載の水性イ
    ンクをインクジェット法で滴として被記録材に付与する
    工程;及び被記録材に滴として付与したインクのpH
    及び温度の少なくとも一方を変化させて、該インク中の
    水溶性高分子を凝集させる工程、を有することを特徴と
    するインクジェット記録方法。
  25. 【請求項25】 該被記録材に該インクをインクジェッ
    ト法で滴として付与し、該被記録材表面にて生じる該イ
    ンクのpH変化によって該インク中の水溶性樹脂を凝集
    せしめ、該色材と該水性媒体とを分離する請求項24
    記載のインクジェット記録方法。
  26. 【請求項26】 該被記録材の表面pHが5〜9の範囲
    にあり、該インクのpHがそれよりも大きい請求項25
    に記載のインクジェット記録方法。
  27. 【請求項27】 被記録媒体表面に滴として付着された
    インク中の該水不溶性高分子が凝集し、それによって該
    インク中の色材と水性媒体とが分離するように、該イン
    クの付与に先立って該被記録媒体表面を加熱しておく工
    程を有する請求項24に記載のインクジェット記録方
    法。
  28. 【請求項28】 少なくとも2つの異なる色の水性イン
    クを被記録材に付与して形成された、少なくとも2色の
    異色領域を含むインクジェットカラー画像の、該異色領
    域の境界におけるブリーディングを緩和する方法であっ
    て、 該水性インクとして、請求項21若しくは請求項23に
    記載のインクを用いると共に、該被記録材上に付与した
    該インクのpH及び温度の少なくとも一方を変化させて
    該インク中の水溶性高分子を凝集させることを特徴とす
    ブリーディングの緩和方法。
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