JP4971784B2 - インクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 - Google Patents

インクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 Download PDF

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本発明は、インク吸収性の低い記録用メディアにおいても彩度が高く、良好な色調の高品位画像を得ることができるインクメディアセット、並びに該インクメディアセットを用いたインクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物に関する。
インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコストといった利点から目覚しく普及し、普通紙に印字可能なカラープリンタも市場に盛んに投入されるようになっている。しかし、画像の色再現性、耐擦化性、耐光性、耐ガス性、耐水性、画像の乾燥性、文字にじみ(フェザリング)、色境界にじみ(カラーブリード)、ベタ部濃度ムラ(ビーディング)、両面印刷性、吐出安定性などの要求される全ての特性を満足することは非常に難しく、用途に応じて優先される特性から用いるインク組成物と記録用メディアが選択されている。
インクジェット記録に使用されるインク組成物は水を主成分とし、これに着色剤及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。着色剤としては、鮮やかな発色が得られる水溶性染料が主に用いられている。
しかし、染料は耐光性、耐ガス性、耐水性が悪く、普通紙においては許容できる品質には至らないという問題がある。この問題を解決するため、インク吸収層を有するインクジェット専用記録紙を改善することでこれらの耐久性を向上する試みがなされているものの、充分な品質まで至らないという問題がある。
そこで、着色剤としての優れた耐光性、耐ガス性、耐水性を有することから、近年、顔料が用いられるようになってきている。しかし、発色性に関しては染料と較べても見劣りがするという問題がある。これは、顔料内部で光の多重反射などによる異なった波長・位相の光が干渉し合うこと等により生じると考えられている。
したがって、インクジェット記録用のインク組成物の着色剤として顔料を用いる場合には、普通紙における彩度の低下、インクジェット専用記録紙における光沢度の低下などの問題がある。これらの問題を解決するため、顔料粒子の微細化による彩度向上させる試みがなされたり、顔料粒子のポリマー被覆による光沢度向上させる試みがなされているものの、依然として染料との発色性の差は存在する。
また、インクジェット記録に用いられる記録用メディアとしては、例えば、普通紙やインクジェット専用記録紙のように水の吸収性が高いものが用いられており、一般的に動的走査吸液計による測定で、接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が35ml/mを超える値であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が40ml/mを超える値である。
このように吸収性のよい普通紙は薄く、安価であるというメリットはあるが、インク組成物の着色成分が紙の内部に浸透し易く、表面に残る着色成分が少なくなることで発色性が悪く、沈んだ印象の画像となってしまうという問題がある。また、インクジェット専用記録紙は、表面に無機顔料や吸水性ポリマーの層を設けることで吸収性を付与しているため、表面付近に着色成分を残すことができ、高い発色が得られる。しかし、紙が厚くなることと、普通紙と比較にならないほど高価なものになってしまうという問題がある。
また、記録用メディアとして、表面に受容層を設けていないポリマーフィルム等が挙げられる。これらは、動的走査吸液計による測定で、接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3ml/m未満である。
このような記録用メディアは、水をほとんど吸収しないため、拍車によるオフセット汚れ及び白抜け(以下、「拍車汚れ」と称することもある)、ビーディング、スタック時の裏汚れ等の問題が多発し、実用に耐えるものではない。
また、記録用メディアとして、表面コート紙等が挙げられる。これらは、動的走査吸液計による測定で、接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mである。このような記録用メディアは、オフセット印刷、グラビア印刷等の用途で主に使われており、厚みが薄く、価格も普通紙と大差はない。このような記録用メディアに、水性インクジェットインクを用いて印写すると、着色剤が顔料の場合には、色材が表面に留まるため発色性に優れ、光沢度も高い高品位な画像を得ることができる。ところが、着色剤が水性染料の場合には、着色材が表面に留まらず、水分や水溶性溶剤とともに表面コート層の穴を通して基材(セルロース)側に移動してしまうため、低濃度でくすんだ発色となってしまうという問題がある。
また、顔料インクを用いると高発色な画像が得られるものの、インク組成物の乾燥が遅いため、拍車汚れや、ビーディング、あるいはスタック時の裏汚れ等が発生するという問題がある。
前記インク組成物の乾燥を解決するために、いくつかの方法が提案されている。例えば、強アルカリ性インクを用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案では、取扱上の危険があり、中性紙では定着性が大幅に低下する傾向がみられるという問題があり、裏抜けしやすく、両面記録が極めて困難であるという問題もある。
また、非水溶性の有機溶剤を液媒として使った油性のインク組成物を用いて記録を行う方法も提案されている。しかし、この提案では、定着性には優れるものの、有機溶剤の臭気、安全性に対する配慮が必要なため、工業的な用途にしか使われておらず、オフィス、一般家庭で使うような状況にはなっていないという問題がある。
また、界面活性剤を多量に含むインク組成物、低表面張力の界面活性剤を用いたインク組成物等を用いる方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案では、印字後のインク組成物の乾燥速度は従来のインク組成物に比べれば優れているものの、用紙によっては記録装置からでてきた印字物をすぐに手に取ると手がインク組成物で汚れることもあり、また、用紙によってはフェザリングが顕著となるという問題がある。
また、常温では固体のワックス状のインク組成物を加熱して溶融状態で吐出させることにより記録を行う方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この提案では、印字部分が盛り上がり、印字物を何枚も重ねて放置しておくと印字が転写することあり、紙同士がくっついた状態になってしまうという問題がある。また、インク組成物を加熱する手段が必要になるので装置が複雑になるという問題もある。
また、印字後の記録紙を加熱することで乾燥を促進する方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この提案では、加熱ローラや温風発生器などの装置が必要となるため、電力消費量が大きくなり、オフィスや一般家庭で使用するには至らないという問題がある。
前記染料を用いた着色剤は、前述の通り、前記顔料を用いた着色剤と比較して、発色性に優れているが、前述の通り、耐光性、耐ガス性、耐水性が悪く、普通紙においては許容できる品質には至らないという問題がある。
この耐水性、耐ガス性、耐光性を解決するために、ポリマー微粒子の中に染料を溶かし込む、あるいは包含する色材を用いる方法が提案されている(特許文献5から8参照)。これらの提案では、染料は主に水不溶性のものが用いられ、染料の高発色性を維持しながら、顔料と同等の耐水性、耐ガス性を得ることが可能となる。しかし、これらの提案では、普通紙、あるいはインクジェット専用記録紙への記録に限られており、吸収性の低い記録用メディア(具体的には、接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が4ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が5ml/m未満であるもの)に記録した場合、ビーディングの発生や乾燥性が不十分になるという問題がある。
また、前記染料を用いた着色剤を吸収性の低い記録用メディアに用いた場合に生じる乾燥性の問題を解決するために、前記染料をポリマーエマルジョンに包含した水系インク組成物の粘度を高くする方法が提案されている(特許文献9参照)。しかし、この提案では、粘度が高いほどインク組成物中の固形分は高くなり、乾燥は速くなるため、吸収性の高い記録紙には有効であるが、吸収性の低い記録用メディアに用いた場合には不十分であるという問題がある。
したがって、普通紙やインクジェット専用記録紙だけでなくインク吸収性の低い記録用メディアにおいても彩度が高く、良好な色調の高品位画像を得ることができるインクメディアセットの開発が望まれているのが現状である。
特開昭63−2996号公報 特開昭60−34992号公報 特開平2−18710号公報 特開2003−72059号公報 特開平7−268260号公報 特開平10−245511号公報 特開平10−251567号公報 特許第2977817号公報 特開2005−306899号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、普通紙やインクジェット専用記録紙だけでなくインク吸収性の低い記録用メディアにおいても彩度が高く、良好な色調の高品位画像が得られるインクメディアセット、並びに該インクメディアセットを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、特定のインク組成物と、特定の記録用メディアとを組み合わせて用いることにより、普通紙やインクジェット専用記録紙だけでなくインク吸収性の低い記録用メディアにおいても彩度が高く良好な色調の高品位画像が得られるという知見である。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> インク組成物と、記録用メディアとを有するインクメディアセットであって、
前記インク組成物が、染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子と、水溶性溶剤と、水とを含有してなり、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、
前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3ml/m以上40ml/m未満であることを特徴とするインクメディアセットである。
<2> インク組成物の25℃における粘度が、5〜50mPa・sである前記<1>に記載のインクメディアセットである。
<3> 染料が、油溶性染料、及び分散染料の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクメディアセットである。
<4> 無機顔料粒子が、二酸化チタン粒子、アルミナ粒子、及びシリカ粒子のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクメディアセットである。
<5> 染料及び無機顔料微粒子を包含するポリマー微粒子を構成するポリマーが、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、及びアクリル系樹脂の少なくともいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクメディアセットである。
<6> 染料及び無機顔料微粒子を包含するポリマー微粒子の体積平均粒径が、5〜200nmである前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクメディアセットである。
<7> 水溶性溶剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、及び3−メチル−1,3−ブタンジオールの少なくともいずれかである前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクメディアセットである。
<8> 炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物のいずれかを含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクメディアセットである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクメディアセットにおけるインク組成物を容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<10> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクメディアセットにおけるインク組成物に刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<11> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<10>に記載のインクジェット記録方法である。
<12> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクメディアセットにおけるインク組成物に刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<13> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<12>に記載のインクジェット記録装置である。
<14> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクメディアセットにおける記録用メディア上に、前記インクメディアセットにおけるインク組成物を用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
本発明のインクメディアセットは、インク組成物と、記録用メディアとを有するインクメディアセットであり、前記インク組成物が、染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子と、水溶性溶剤と、水とを含有してなり、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層とを有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3ml/m以上40ml/m未満である。
本発明のインクメディアセットにおいては、彩度が高く良好な色調の高品位画像が得られることができる。即ち、染料を用いることで、普通紙や専用記録紙において顔料に較べて発色性のよい鮮やかな画像を得ることができ、更に無機顔料粒子を包含することで、発色性が一段と向上した鮮やかな画像を得ることができ、染料及び無機顔料粒子をポリマーに包含することで耐ガス性も向上するだけではなく、接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3ml/m以上40ml/m未満であるようなインク吸収性の低い記録用メディアに画像を形成すると、水性染料インクのように画像の沈みこみがなく、顔料インクに較べても高発色な画像形成が可能なインクメディアセットを提供することができる。
更に、インク吸収性の低い記録用メディアに対する乾燥が遅く、着色剤のセッティングに時間がかかる点に対しても、インク組成物の25℃での表面張力を20〜35mN/mとすることで、ビーディングの発生が抑えられ、高精細で高品位な画像形成が可能なインクメディアセットを提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インクメディアセットにおけるインク組成物に刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物を、前記インクメディアセットにおける記録用メディアに付着させて印字を行うにより、彩度が高く良好な色調の高品位画像形成することが可能となるインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物に刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物を用いて、前記インクメディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する手段を有することにより、彩度が高く良好な色調の高品位画像を形成することが可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に、前記インクメディアセットにおけるインク組成物を用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
本発明のインク記録物は、本発明のインクメディアセットを用いて得られることにより、高彩度で高品位な記録物を提供することができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、普通紙やインクジェット専用記録紙だけでなくインク吸収性の低い記録用メディアにおいても彩度が高く、良好な色調の高品位画像が得られるインクメディアセット、並びに該インクメディアセットを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することができる。
(インクメディアセット)
本発明のインクメディアセットは、インク組成物と、記録用メディアとを有してなり、更に必要に応じて、その他の構成を有してなる。
前記インク組成物は、染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子と、水溶性溶剤と、水とを含有してなり、25℃における表面張力が20〜35mN/mである。
前記記録用メディアは、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3ml/m以上40ml/m未満である。
本発明のインクメディアセットは、前記インク組成物と、前記記録用メディアとを有してなることにより、普通紙やインクジェット専用記録紙だけでなくインク吸収性の低い記録用メディアにおいても彩度が高く良好な色調の高品位画像が得られることができる。
<インク組成物>
前記インク組成物は、染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子と、水溶性溶剤と、水とを少なくとも有してなり、浸透剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記インク組成物の表面張力は、25℃において20〜35mN/mであり、24〜30mN/mが好ましい。前記表面張力が20〜35mN/mの範囲内であると、ビーディングの発生が抑えられ、高精細で高品位な画像形成が可能なインクメディアセットを提供することができる。
前記ビーディングとは、インクジェット記録時にあるインク滴が記録用メディア表面に打たれてから、次のインク滴が打たれるまでの間に記録用メディア内部に吸収されきれずに、記録用メディアの表面に液体状態で残り、後から打たれたインク滴と混合することによりインク中の色材が部分的に塊となって濃度ムラができる現象をいう。この現象は最近の一般的なプリンタにおいては、前記接触時間が遅くとも100msまでの比較的短い時間までにおける記録用メディアへのインク組成物の吸収量と関係があり、例えば、グリーン画像部では、イエロー(Y)インク(あるいは、シアン(C)インク)が打たれてから、Cインク(あるいは、Yインク)が打たれるまでの間におけるYインク(あるいは、Cインク)の記録用メディアへの吸収量(転移量)により、ビーディングの程度が変化する。
前記表面張力の測定方法としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用いて、白金プレートを使用して25℃で測定する方法、などが挙げられる。
前記インク組成物の粘度は、25℃で、5〜50mPa・sが好ましい。前記粘度が5mPa・s未満であると、記録用メディア上でのインク滴が大きく広がりすぎるため、ビーディングが発生したり、カラーブリードが発生することがあり、50mPa・sを超えると、インク滴が小さくなり、インク滴が吐出しないノズルも発生するため、画像が乱れてしまうことがある。
−染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子−
前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子は、ポリマー微粒子中に染料と無機顔料粒子を封入したもの及び無機顔料粒子を封入したポリマー微粒子の表面に染料を吸着させたものの少なくともいずれかを示す。
前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の体積平均粒径としては、例えば、5〜200nmが好ましく、50〜150nmがより好ましい。前記体積平均粒径が5nm未満であると、分散状態を安定に保つのが困難になるため、粒子の凝集やそれに伴う粘度増加が発生することがあり、200nmを超えると、粒子が沈降してしまうことがある。
−−染料−−
前記染料は、前記ポリマー微粒子に封入又は吸着され得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記染料としては、より優れた封入性及び吸着性を有する点で、水不溶性である油溶性染料、分散染料が好ましい。
前記水不溶性とは、20℃において、水100質量部に対して、染料が10質量部以上溶解しないことを意味する。
前油溶性染料としては、例えば黄色油溶性染料、橙色油溶性染料、赤色油溶性染料、紫色油溶性染料、青色油溶性染料、緑色油溶性染料、黒色油溶性染料、などが挙げられる。
前記黄色油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー5、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー29、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー93、C.I.ソルベントイエロー114、C.I.ソルベントイエロー151、C.I.ソルベントイエロー157、などが挙げられる。
前記橙色油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントオレンジ2、C.I.ソルベントオレンジ7、C.I.ソルベントオレンジ55、C.I.ソルベントオレンジ60、などが挙げられる。
前記赤色油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド18、C.I.ソルベントレッド23、C.I.ソルベントレッド24、C.I.ソルベントレッド27、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド51、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド111、C.I.ソルベントレッド122、C.I.ソルベントレッド125、C.I.ソルベントレッド127、C.I.ソルベントレッド130、C.I.ソルベントレッド132、C.I.ソルベントレッド135、C.I.ソルベントレッド145、C.I.ソルベントレッド146、C.I.ソルベントレッド149、C.I.ソルベントレッド150、C.I.ソルベントレッド151、C.I.ソルベントレッド155、C.I.ソルベントレッド168、C.I.ソルベントレッド176、C.I.ソルベントレッド179、C.I.ソルベントレッド180、C.I.ソルベントレッド181、C.I.ソルベントレッド195、C.I.ソルベントレッド207、C.I.ソルベントレッド218、C.I.ソルベントレッド225、C.I.ソルベントレッド233、などが挙げられる。
前記紫色油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントバイオレット13、C.I.ソルベントバイオレット31、C.I.ソルベントバイオレット36、C.I.ソルベントバイオレット37、C.I.ソルベントバイオレット57、C.I.ソルベントバイオレット59、などが挙げられる。
前記青色油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー14、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー78、C.I.ソルベントブルー83、C.I.ソルベントブルー87、C.I.ソルベントブルー94、C.I.ソルベントブルー104、C.I.ソルベントブルー105、C.I.ソルベントブルー132、C.I.ソルベントブルー136、などが挙げられる。
前記緑色油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー3、C.I.ソルベントブルー5、C.I.ソルベントブルー7、C.I.ソルベントブルー20、C.I.ソルベントブルー28、などが挙げられる。
前記黒色油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントブラック−3、C.I.ソルベントブラック−27、などが挙げられる。
前油分散染料としては、例えば、黄色分散染料、橙色分散染料、赤色分散染料、紫色分散染料、青色分散染料、などが挙げられる。
前記黄色分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー54、C.I.ディスパースイエロー64、C.I.ディスパースイエロー114、C.I.ディスパースイエロー160、などが挙げられる。
前記橙色分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースオレンジ30、などが挙げられる。
前記赤色分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースレッド22、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースレッド73、C.I.ディスパースレッド177、C.I.ディスパースレッド356、などが挙げられる。
前記紫色分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースバイオレット57、などが挙げられる。
前記青色分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60、C.I.ディスパースブルー73、C.I.ディスパースブルー106、C.I.ディスパースブルー165、などが挙げられる。
前記染料としては、各種の水溶性染料を水不溶化処理したものを水不溶性染料として用いることもできる。
前記水溶性染料の不溶化の方法としては、例えば、アニオン性染料にカチオン性界面活性剤を結合させるなどのイオンコンプレックスを形成させる方法が好ましい。
−無機顔料粒子−
前記無機顔料粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば二酸化チタン粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子、酸化鉄粒子、水酸化鉄粒子、酸化スズ粒子などが挙げられる。これらの中でも、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子が特に好ましい。
前記無機顔料粒子の形状としては、アスペクト比が小さいものが好ましく、球形が特に好ましい。
前記無機顔料粒子の色としては、透明又は白色であることが好ましい。
前記無機顔料粒子の一次粒子径は、100nm以下が好ましく、5〜50nmがより好ましい。
−−ポリマー−−
前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子を構成するポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、水系分散媒の中でポリマー微粒子を安定に分散させることが容易である点から、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂であることが好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類からなるものが挙げられる。
前記多価カルボン酸類としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、などが挙げられる。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、などが挙げられる。
その他の多価カルボン酸類としては、例えば、芳香族オキシカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸、などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば脂肪族多価アルコール類、などが挙げられる。
前記脂肪族多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエルスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA、ラクトン系ポリエステルポリオール類、などが挙げられる。
その他の多価アルコール類としては、例えば、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類、などが挙げられる。
前記ポリウレタン系樹脂としては、例えば、イソシアネート類とイソシアネート類と反応し得る官能基を有する化合物とからなるものが挙げられる。
前記ポリウレタン系樹脂としては、前記イソシアネート類及びイソシアネート類と反応し得る官能基を有する化合物を単独あるいは二種類以上組み合わせて重合させた樹脂等が挙げられる。
前記イソシアネート類としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピレンフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、などが挙げられる。
その他のイソシアネート類としては、例えば、含硫脂肪族イソシアネート、脂肪族ジスルフィド系イソシアネート、芳香族スルホン系イソシアネート、スルホン酸エステル系イソシアネート、芳香族スルホン酸アミド、含硫複素環化合物、などが挙げられる。
前記イソシアネート類と反応し得る官能基を有する化合物としては、例えば、脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール、有機酸とポリオール(前記脂肪族ポリオール、及び芳香族ポリオールの少なくともいずれか)との縮合反応生成物、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグリコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグリペロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレンエーテルグリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、ポリラクトンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、ジシクロヘキサンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクチトール、などが挙げられる。
前記芳香族ポリオールとしては、例えば、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトレヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガオール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、などが挙げられる。
前記有機酸と前記ポリオールとの縮合反応生成物における有機酸としては、例えば、シュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、ピロメリット酸、などが挙げられる。
前記イソシアネート類と反応し得る官能基を有するその他の化合物としては、例えば、ハロゲン化ポリオール、前記ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとの付加反応生成物、アルキレンポリアミンとアルキレンオキシドとの付加反応生成物、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、又はこれらのカプロラクトン変性品、ポリアミノ化合物、ポリチオール化合物、α−アミノ酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系樹脂及びアクリル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、後述する重合性モノマーからなるものが挙げられる。
前記重合性モノマーとしては、例えば、ビニル系芳香族炭化水素、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和カルボン酸、などが挙げられる。
前記ビニル系芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシルアクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、などが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、などが挙げられる。
その他の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換マレイミド、無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、ビニルケトン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、などが挙げられる。
これらの重合性モノマーは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマー微粒子は、表面にイオン性基を含有することによって優れた水分散性を発現することができる。
前記イオン性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、及びホスフィン酸基、並びに、これらのアルカリ金属塩基、アンモニウム塩基、又は、第1級〜第3級アミン基、などが挙げられる。これらの中でも、カルボン酸アルカリ金属塩基、カルボン酸アンモニウム塩基、スルホン酸アルカリ金属塩基、スルホン酸アンモニウム塩基が好ましい。更に、これらの中でも、水分散安定性に優れる点で、スルホン酸アルカリ金属塩基、スルホン酸アンモニウム塩基がより好ましい。
前記イオン性基の導入としては、樹脂合成時に、イオン性基を有する単量体を添加することにより行われる。
前記イオン性基における塩としては、例えば、アンモニウム系イオン、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe、等が挙げられる。これらの中でも、ガスを発生しないこと、及び沈殿物を形成しにくいという点から、Li、K、Naがより好ましい。
前記染料及び無機顔料粒子をポリマーで被覆して微粒子を製造する方法としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、界面沈積法、界面重合法、などが挙げられる。
前記界面沈積法の中でも、特にインクジェットに用いられる方法としては、転相乳化法と酸析法が挙げられる。
前記転相乳化法は、水と相溶性が小さく、水より沸点の低い有機溶剤中に、ポリマーと水不溶性染料を分散し、ポリマーを親水化した後に水を加えて乳化させ、有機溶剤を留去することで水系に転相するという方法である。
前記酸析法は、水系にポリマーと水不溶性染料を分散し、酸を加えてポリマーを疎水化することで水不溶性染料粒子上にポリマーを強く吸着させ、水洗いの後に塩基を加えて再び親水化することで水系に分散させるという方法である。
前記酸析の具体的な方法としては、まず、塩基性化合物を加えてカルボキシル基等の酸性基を中和することで親水化したポリマーを水系媒体に溶解し、そこに顔料を加えて充分に湿潤させた後、ホモジナイザーによる高速撹拌、ビーズミルやボールミルのようなボールを用いた混練分散機、ロールミルのような剪断力を用いた混練分散機、超音波分散機等により、顔料粒子をポリマーにくるまれた状態で水系媒体中に分散させる。
前記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムのような無機塩、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン類が挙げられる。
前記分散補助剤としては、界面活性剤を加えることも可能であるが、印字品質や耐水性が低下しない範囲でできる限り少量に押さえることが必要である。
次に、得られた分散体に、酸を加えてカルボキシル基を酸化することで水に対して不溶化させ、ポリマーが顔料粒子上に析出することでより強く吸着させる。このとき顔料粒子は水系媒体の底にペースト状で沈降する。
前記酸としては、例えば、無機酸、有機酸、などが挙げられる。
前記無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、などが挙げられる。
前記有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、などが挙げられる。
前記酸析後のpHとしては、2〜6の範囲が好ましい。
前記酸は、該酸によりポリマーが変質しない範囲で添加することが好ましい。
前記ペーストを中性にし、前記ペーストと水を分離するために、吸引ろ過、加圧ろ過、遠心分離を用いる。
次いで、中性になった前記ペーストに塩基性物質を加えて、再び親水化し、水系媒体中に分散させる。
前記塩基性物質としては、前記無機塩や前記有機アミン類が挙げられる。
前記界面重合法の中でも乳化重合法を好適に用いることができ、重合開始剤の存在下、イオン交換水等の不活性溶媒中にて実施される。
前記重合開始剤としては、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過酸化物と還元剤とを併用するレドックス重合開始剤、などが挙げられる。
前記過硫酸塩としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、などが挙げられる。
前記過ホウ酸塩としては、例えば、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸アンモニウム、などが挙げられる。
前記レドックス重合開始剤における過酸化物としては、例えば、前記過硫酸塩、前記過ホウ酸塩、などが挙げられる。
前記レドックス重合開始剤における還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第1鉄、などが挙げられる。
前記乳化重合法における反応温度としては、反応物の種類、溶剤の種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、室温(20℃)〜100℃であることが好ましい。
前記乳化重合法における反応時間としては、反応物の種類、溶剤の種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、3時間〜20時間であることが好ましい。
前記乳化重合法における反応が終了した後、中和等の通常の手段により、乳化剤含有ポリマーエマルジョンが得られる。
前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子における染料の含有量としては、前記ポリマー微粒子全固形分量に対して、10〜80質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。前記含有量が10質量%未満になると、インク記録物の彩度や画像濃度が充分に得られないことがあり、前記含有量が80質量%を超えると、インクの保存安定性が悪くなることがある。また、前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子における無機顔料粒子の含有量としては、前期ポリマー微粒子全固形分量に対して、5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の固形分含有量としては、インク組成物全固形分に対して、2〜40質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
−水溶性溶剤−
前記水溶性溶剤は、水を液媒体として使用するインク組成物の乾燥を防止するためのものであり、また、分散安定性を向上するためのものである。
前記水溶性溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して、優れた効果が得られ、保存安定性、及び吐出安定性に優れる点で、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,3−ブタンジオールが好ましい。
前記水溶性溶剤としては、糖類を含有してなるのが好ましい。
前記糖類としては、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類が挙げられる。
前記糖類の具体例としては、例えば、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。
前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
前記糖類としては、前記糖類の誘導体も含まれる。
前記糖類の誘導体としては、例えば、前記糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸、チオ酸、などが挙げられる。
前記還元糖としては、例えば、糖アルコールが挙げられる。該糖アルコールとしては、下記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。前記糖アルコールの具体例としては、マルチトール、ソルビット、などが挙げられる。
HOCH(CHOH)nCHOH・・・・一般式(9)
ただし、一般式(9)中、nは、2〜5のいずれかの整数を表す。
前記酸化糖としては、例えば、アルドン酸、ウロン酸、などが挙げられる。
これらの中でも、糖アルコールが好ましい。
前記水溶性溶剤の含有量としては、前記インク組成物の全量に対して、10〜50質量%であることが好ましい。前記含有量が10質量%未満であると、ノズル内のインクが乾きやすいため、吐出したインク滴が真直ぐに飛翔しなかったり、増粘して吐出しなくなることがあり、50質量%を超えると。インクの保存安定性が悪くなることがある。
前記水溶性溶剤と前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の固形分比(前記水溶性溶剤の質量/前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の固形分質量)の値は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。
前記水溶性溶剤と前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の固形分比(前記水溶性溶剤の質量/前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の固形分質量)の値は、例えば、0.25〜25であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、2〜4であることが特に好ましい。前記水溶性溶剤と前記染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の固形分比の範囲内であると、前記インク組成物は、乾燥性、保存性、信頼性が非常に良好になる。
−浸透剤−
前記浸透剤をインク組成物に添加することで、表面張力が低下し、紙等の記録用メディアにインク滴が着弾した後の記録用メディア中への浸透が速くなるため、フェザリングやカラーブリードを軽減することができる。
前記浸透剤としては、前記インク組成物の表面張力が20〜35mN/mの範囲内であれば、特に制限はなく、染料の種類、水溶性溶剤、などの組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤が挙げられる。
前記浸透剤の種類としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコール、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系の界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系の界面活性剤としては、市販のものを用いることができる。前記市販のアセチレングリコール系の界面活性剤としては、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TG、などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質を示す点で、サーフィノール465、104、TGが好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエーテル化合物等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、市販のものを用いることができる。
前記市販のフッ素系界面活性剤としては、例えば、旭硝子株式会社製のサーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145;住友スリーエム株式会社製のフルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431;大日本インキ化学工業株式会社製のメガファックF−470、F−1405、F−474;DuPont社のZonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR;株式会社ネオス製のFT−110、250、251、400Sが挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記浸透剤の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数6〜14のアルキル基を表す。前記アルキル基は、分岐していてもよい。Mは、アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを表す。mは、3〜12のいずれかの整数を表す。
ただし、前記一般式(2)中、R3は、炭素数5〜16のアルキル基を表す。前記アルキル基は、分岐していてもよい。M3は、アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを表す。
ただし、前記一般式(3)中、Rは、炭素数6〜14の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、分岐していてもよい。kは、5〜20のいずれかの整数を表す。
ただし、前記一般式(4)中、R5は、炭素数6〜14の炭化水素基を表す。前記炭化水素基は、分岐していてもよい。lは、5〜20のいずれかの整数を表す。
ただし、前記一般式(5)及び(6)中、R‘は、互いに独立しており、炭素数6〜14の炭化水素基を表す。m及びnは、互いに独立しており、20以下の整数を表す。
ただし、前記一般式(7)中、p及びqは、互いに独立しており、0〜40のいずれかの整数を表す。
ただし、前記一般式(9)中、Rf1は、下記式(8)−1及び下記式(8)−2のいずれかを表す。
前記浸透剤としては、ポリオール化合物やグリコールエーテル化合物等の水溶性有機溶剤が用いられることが好ましい。これらの中でも、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物の少なくともいずれかを用いることがより好ましい。
前記ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインク組成物の広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好ましい。
前記グリコールエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記浸透剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、インク組成物全量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、コゲーション防止剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、などが挙げられる。
−pH調整剤−
前記pH調整剤は、インク組成物をアルカリ性に保つことで分散状態を安定化し、吐出を安定化することができるものである。
前記インク組成物は、pH11以上であると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や、漏洩、吐出不良等の問題が発生してしまうことがある。
前記pH調整剤を加える方法としては、混錬分散後、水溶性溶媒、浸透剤等の添加剤とともに加える方法よりも、染料を分散剤とともに水に混錬分散する際に加える方法が好ましい。この理由は、前記pH調整剤は、その種類によっては添加することで分散を破壊する場合があるためである。
前記pH調整剤としては、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール、などが挙げられる。
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などが挙げられる。
前記アンモニウム水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物、などが挙げられる。
前記アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、などが挙げられる。
−防腐防黴剤−
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
−キレート試薬−
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム、などが挙げられる。
−防錆剤−
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
−コゲーション防止剤−
前記コゲーション防止剤をインク組成物に含有させることにより、コゲーションを防止することができる。
前記コゲーションとは、ヒーターに電流を流してインク組成物を瞬間的に加熱し、インク組成物が発泡する力を利用してインク組成物を吐出するサーマル式ヘッドにおける不具合であり、インク組成物が熱せられる際にインク組成物の成分に変質が起こり、ヒーターに変質物が付着する現象を言う。前記コゲーションが生じると、ヒーターによる加熱が正常に行われなくなり、吐出力が弱くなったり、最悪の場合にはインク組成物が吐出しないことが生じてしまうことがある。
前記コゲーション防止剤としては、例えば、ポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩、アミノ基を有する酸及びその塩のいずれか、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩、などが挙げられる。
前記ポリリン酸類としては、例えば、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、などが挙げられる。
前記ポリアミノカルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸等のジカルボン酸類、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロトリ酢酸、などが挙げられる。
前記アルドン酸としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、グルコヘプトン酸が挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、マンデル酸、酒石酸、などが挙げられる。
前記ポリオールリン酸エステル類としては、例えば、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、などが挙げられる。
これらの中でも、水に対する溶解性が高い点で、クエン酸、グルコン酸(固体ではδ−グルコノラクトン及びγ−グルコノラクトンの型で存在するもの)、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が好ましい。更に、クエン酸、グルコン酸が特に好ましい。
これらの化合物は、酸型で使用してもよいし、塩型で使用してもよく、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、などが挙げられる。
前記有機アミン塩としては、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、などが挙げられる。
前記塩型を使用する場合には、塩型で市販されている化合物をそのまま使用してもよいし、アルカリ剤を添加して有機酸の塩型を調製して使用してもよい。
前記アルカリ剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(水酸化アンモニウム)、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド等)が挙げられる。
前記有機酸の塩としては、例えば、アンモニウム塩を用いることが好ましい。
前記コゲーション防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機酸又はその塩の含有量としては、前記インク組成物全量に対して、0.005〜20質量%が好ましく、0.05〜12質量%がより好ましい。前記含有量がこの範囲内であると、後述するアミノ基を有する酸及びその塩の少なくともいずれかと共存する場合において、優れたコゲーションの低減効果を有し、また、記録ヘッドのノズル詰まり等の生じにくいインク組成物を得ることができる。
前記アミノ基を有する酸又はその塩におけるアミノ基を有する酸としては、例えば、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)、カルバミン酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、トリプトファン、バリンメチオニン、リシン、などが挙げられる。
これらの中でも、水への溶解性が高く、前述したようにヘッド寿命を向上させる効果が高い点で、スルホン基を有する化合物が好ましい。
前記スルホン基を有する化合物の具体例としては、例えば、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が挙げられる。更に、これらの中でも、入手容易である点で、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が好ましい。
前記アミノ基を有する塩を使用する場合には、塩型で市販されている化合物を使用してもよいし、下記に挙げるようなアルカリ剤を添加して有機酸の塩型を調製して使用してもよい。
前記アルカリ剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(水酸化アンモニウム)、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド等)が挙げられる。
前記有機酸の塩型の具体例としては、例えば、アミノ基を有する有機酸のアンモニウム塩が好ましい。
前記アミノ基を有する酸又はその塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ基を有する酸又はその塩の含有量としては、例えば、前記インク組成物に対して、0.005〜20質量%が好ましく、0.05〜12質量%がより好ましい。前記含有量がこの範囲内であると、前記ポリリン酸、前記ポリアミノカルボン酸、前記アルドン酸、前記ヒドロキシカルボン酸、前記ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩と共存している状況において、優れたコゲーションの低減効果を有し、かつノズル詰まり等の生じにくいインク組成物を得ることができる。
前記コゲーション防止剤として用いられる前記ポリリン酸、前記ポリアミノカルボン酸、前記アルドン酸、前記ヒドロキシカルボン酸、前記ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩の含有量と、前記アミノ基を有する酸及びその塩の含有量との比(前記コゲーション防止剤として用いられる前記化合物の含有量/前記アミノ基を有する酸及びその塩の含有量)の値としては、20/1〜1/20が好ましい。前記比の値がこの範囲内であると、ヒーターへのコゲ付着低減効果が十分発揮され、またヒーターの最表面保護層の損傷も極めて有効に抑制することができる。
前記メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩としては、インク組成物の色調に視覚的に殆ど影響を与えないものであることが好ましい。即ち、前記メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸は、それ自身の水溶液が少なくとも視覚的には着色していないものであることが好ましい。
前記メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸としては、例えば、1分子中の炭素数が10以下で、1分子中の酸素数が3〜6であるものが好ましい。
前記メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、乳酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
前記メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩の含有量は、前記インク組成物全量に対して、0.005〜20質量%が好ましく、0.05〜15質量%がより好ましい。前記含有量がこの範囲内であると、コゲーションの十分な低減効果やインクジェット適性(インクジェット記録ヘッドの目詰まりのし難さなど)に優れたインク組成物を得ることができる。
前記インク組成物は、コゲーションを防止するためにインク組成物中のリン濃度を調整することができる。
前記リン濃度が500ppm以下である場合、インク組成物を長期保存した後においてもコゲーションの発生を効果的に抑制することができ、また、インク組成物が安定した吐出特性を示す結果、高品位な画像を安定して得ることが可能となる。
前記リン濃度が高い(500ppmを超える)場合に、ヒーター上のコゲーション形成を促進し、急速に吐出量を低下させるメカニズムは、以下のように考察できる。
前記インク組成物中の無機のリン化合物は、ノズルの中でヒーターにより加熱され、前記インク組成物中、又は、ノズルやタンク等のインク接液材料より溶出されるカルシウムと化合物をつくり、ヒーター上に付着する。前記リン化合物とカルシウムとの化合物(例えば、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト等)は非常に硬く、難溶性であり、再分解や剥離されることはなく、ヒーター上に一旦付着すると、これまでキャビテーションにより剥離又は再分散されていた顔料インクの焦げがヒーター上に付着し易くなる。これにより、リン化合物によるコゲーションが存在しない場合には起こらなかったカーボン焦げの堆積が加速度的に生じ、発泡が阻害され、吐出量の急速な減少が生じると考えられる。これは、少量のリン化合物とカルシウムの焦げによりカーボン焦げの付着が促進される理由については明らかではないが、リン化合物とカルシウムの焦げの付着によりヒーター上に微細な凹凸が生じ、そこにカーボン焦げが入り込むからと推定される。
<記録用メディア>
前記記録用メディアは、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記記録用メディアにおける動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量としては、2ml/m以上35ml/m未満であり、2.5〜15ml/mが好ましい。前記接触時間100msでの純水の転移量が2ml/m未満であると、ビーディングが発生しやすくなることがあり、4ml/m以上であると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりすぎることがある。
前記記録用メディアにおける動的走査吸液計で測定した接触時間400msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量としては、3ml/m以上40ml/m未満であり、3.5〜25ml/mがより好ましい。前記接触時間400msでの転移量が3ml/m未満であると、乾燥性が不十分であるため拍車痕が発生しやすくなることがあり、5ml/m以上であると、乾燥後の画像部の光沢が低くなりやすくなることがある。
ここで、前記動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。前記動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水の転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
−支持体−
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質、などが挙げられる。
前記紙としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。前記木材パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、NBSP、LBSP、GP、TMPなどが挙げられる。
前記古紙パルプの原料としては、例えば、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4つの工程の組合せから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合における古紙パルプの混合比率としては、全パルプの固形分全量に対して、40質量%以下であることが好ましい。前記混合比率が40質量%以下であると、記録後の記録用メディアのカールを抑制することができる。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。
前記白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。前記アルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙(メディア)表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
−塗工層−
前記塗工層は、顔料と、バインダーとを含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記顔料としては、例えば、無機顔料、無機顔料及び有機顔料を併用したものが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。
これらの中でも、光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から、カオリンが特に好ましい。
前記カオリンとしては、例えば、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン、などが挙げられる。
前記カオリンとしては、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンの含有量が、前記カオリン全固形分量に対して、50質量%以上であることが好ましい。
前記カオリンの含有量としては、前記バインダー100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましい。前記含有量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。
前記含有量の上限としては、特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下が好ましい。
前記有機顔料としては、例えばスチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機顔料の含有量としては、前記塗工層における全顔料100質量部に対して、2〜20質量部が好ましい。
前記有機顔料の効果としては、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ること、などが挙げられる。
前記有機顔料の含有量が2質量部未満であると、前記効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
前記有機顔料の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、密実型、中空型、ドーナツ型、などが挙げられる。これらの中でも、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスの点から、空隙率40%以上の中空型が好ましい。また、前記有機顔料の平均粒子径としては、例えば、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスの点から、0.2〜3.0μmが好ましい。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水性ポリマーが好ましい。
前記水性ポリマーとしては、例えば、水溶性ポリマー、水分散性ポリマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの変性物;ポリウレタン;ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共重合体等のポリビニルピロリドンの変性物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの変性物;ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、メラミン樹脂、又はこれらの変性物、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等の合成樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンの共重合体、などが好ましい。
前記水分散性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル、シリコーン−アクリル系共重合体、などが挙げられる。
前記水分散性ポリマーは、架橋剤を含有してもよいし、自己架橋性を持つ共重合体であってもよい。
前記架橋剤としては、例えば、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート、などが挙げられる。
前記自己架橋性を持つ共重合体としては、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体が挙げられる。
前記水性ポリマーの含有量としては、前記顔料100質量部に対して、2〜100質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましい。前記水性ポリマーの添加量は、記録用メディアの純水の転移量が所望の範囲に入るように決定される。
前記インク組成物に含まれる染料が水分散性の場合は、目的に応じて、カチオン性有機化合物を塗工層に配合することができる。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、水溶性インク中の直接染料や酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と反応して不溶な塩を形成する1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩のオリゴマー又はポリマーが好ましい。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、低分子量のカチオン性有機化合物と、その他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物とを組み合わせて使用することが好ましい。前記低分子量のカチオン性有機化合物と、その他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物とを組み合わせることにより、単独使用の場合よりも画像濃度を向上させ、フェザリングが更に低減されることがある。
前記低分子量のカチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアリルアミン塩酸塩、などが好ましい。
前記高分子量のカチオン性有機化合物としては、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、などが好ましい。
前記カチオン性有機化合物のコロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム、トルイジンブルー使用)によるカチオン当量としては、例えば、3〜8meq/gが好ましい。前記カチオン当量がこの範囲であれば、後述する乾燥付着量の範囲で良好な効果が得られる。
ここで、前記コロイド滴定法によるカチオン当量の測定としては、カチオン性有機化合物を固形分0.1質量%となるように蒸留水で希釈し、pH調整は行わないものとする。
前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量としては、例えば、0.3〜2.0g/mが好ましい。前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量が0.3g/mより低いと、充分な画像濃度向上やフェザリング低減の効果が得られないことがある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤は、前記塗工層に添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤が挙げられる。これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。
前記エチレンオキサイド付加物としては、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。
前記エチレンオキサイド付加物における前記アルキレンオキサイドの置換率としては、50%以下が好ましい。
前記非イオン活性剤のHLB(親水性/親油性比)としては、4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
前記界面活性剤の含有量としては、前記カチオン性有機化合物100質量部に対して、0〜10質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
前記塗工層には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては、アルミナ粉末、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
前記塗工層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記支持体上に塗工層液を含浸又は塗布する方法により行うことができる。
前記塗工層液の含浸又は塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレス、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工する方法、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げる方法、などが挙げられる。これらの中でも、オンマシンで仕上げる方法は、コストの点で優れている。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、固形分で、0.5〜20g/mが好ましく、1〜15g/mがより好ましい。
なお、前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよい。
前記乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
前記記録用メディアは、更に支持体の裏面にバック層、支持体と塗工層との間、また、支持体とバック層間にその他の層を形成してもよく、塗工層上に保護層を設けることもできる。これらの各層は単層であっても複数層であってもよい。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物を容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で
形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段などを有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含んでなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、前記本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物に、刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物に、刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズルなどが挙げられる。
本発明においては、該インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmが好ましい。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができる。
前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好ましい。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられる。
前記刺激発生手段の具体的としては、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インク組成物の飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インク組成物に対して、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インク組成物に気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インク組成物を液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インク組成物を液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インク組成物の液滴は、その大きさとしては、例えば、3〜40plが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上が好ましく、その解像度としては300dpi以上が好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明のインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置について、添付図面を参照して説明するが、以下は実施態様の一つに過ぎず、本発明に何ら限定を加えるものではない。
ここで、図1は、本発明のインク組成物を収容した記録液収容部を備えたインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板1,2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジユニット5を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジユニット5には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド6を、その吐出面〔ノズル面〕6aを下方に向けて搭載する。また、キャリッジユニット5のヘッド6の上側には4個のヘッド6に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ7y、7m、7c、7kを交換可能に搭載している。
そして、キャリッジユニット5は主走査モータ8で回転される駆動プーリ〔駆動タイミングプーリ〕9と従動プーリ〔アイドラプーリ〕10との間に張装したタイミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制御することによってキャリッジ5、即ち4個のヘッド6を主走査方向に移動するようにしている。
また、側板1,2をつなぐ底板12上にサブフレーム13,14を立設し、このサブフレーム13,14間に用紙16を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ15を回転自在に保持している。そして、サブフレーム14側方に副走査モータ17を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラ15に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定したギヤ18と搬送ローラ15の軸に固定したギヤ19とを備えている。
側板1とサブフレーム12との間には、ヘッド6の信頼性維持回復機構〔以下、「サブシステム」と称することもある〕21を配置している。サブシステム21は、各ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ23をリンク部材24で揺動可能に保持して、キャリッジユニット5の主走査方向の移動でホルダ23に設けた係合部25にキャリッジユニット5が当接することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトアップしてキャップ手段22でインクジェットヘッド6の吐出面6aをキャッピングし、キャリッジユニット5が印写領域側へ移動することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトダウンしてキャップ手段22がインクジェットヘッド6の吐出面6aから離れるようにしている。
なお、キャップ手段22は、それぞれ吸引チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ27は吸引した廃液を、ドレインチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出する。
ホルダ23の側方には、インクジェットヘッド6の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード28をブレードアーム29に取付け、このブレードアーム29は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
次に、インクカートリッジ7について、図2及び図3を参照して説明する。ここで、図2は記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図、図3はインクカートリッジの正断面図である。
インクカートリッジ7は、図3に示すように、カートリッジ本体41内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体42を収容してなる。カートリッジ本体41は、上部に広い開口を有するケース43の上部開口に上蓋部材44を接着又は溶着して形成したものであり、例えば樹脂成型品からなる。また、インク吸収体42は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体41内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
カートリッジ本体41のケース43底部には記録ヘッド6へインクを供給するためのインク供給口45を形成し、このインク供給口45内周面にはシールリング46を嵌着している。また、上蓋部材44には大気開放口47を形成している。
そして、カートリッジ本体41には、装填前の状態で、インク供給口45を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッジ取扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力でケース43が圧縮変形されて内部のインクが漏洩することを防止するため、キャップ部材50を装着している。
また、大気開放口47は、図2に示すように、酸素透過率が100ml/m以上のフィルム状シール部材55を上蓋部材44に貼着してシールしている。このシール部材55は大気開放口47と共にその周囲に形成した複数本の溝48をもシールする大きさにしている。このように大気開放口47を酸素透過率が100ml/m以上のシール部材55でシールすることで、インクカートリッジ7を透気性のないアルミラミネートフィルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、インク充填時やインク吸収体42とカートリッジ本体41との間に生じる空間A(図3参照)にある大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シール部材55を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本体41外の包装部材との間の空間に排出され、インクの脱気度が向上する。
また、図4には、本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物を収容した記録液収容部と、インク滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録カートリッジの構成例を示す。この記録ユニット30は、シリアルタイプのものであり、インクジェットヘッド6と、このインクジェットヘッド6に供給されるインク組成物を収容するインクタンク41と、このインクタンク41内を密閉する蓋部材とで主要部が構成される。インクジェットヘッド6には、インク組成物を吐出するための多数のノズル32が形成されている。インク組成物はインクタンク41から、図示しないインク供給管を介して、やはり図示しない共通液室へと導かれ、電極31より入力される記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル32より吐出される。このようなタイプの記録ユニットは、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。
本発明のインクメディアセットにおけるインク組成物は、バブルやサーマル方式等の記録方法において、熱素子への濡れ性が改良されるため、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
ここでは、前述のようなシリアル型インクジェット記録装置を説明したが、本発明のインク組成物は、ノズルを千鳥など任意の配列で、目的とする画像の解像度と同じか数分の1程度の密度に集積し、記録用メディアの幅以上に配列させた、いわゆるラインヘッドを有するインクジェット記録装置に適用することも可能である。
なお、前記インクジェット記録装置とは、PCやデジカメ用の出力プリンタのみならず、ファックスやスキャナ、電話などと組み合わせた複合的な機能を有する装置であってもよい。
<加熱ヒーター>
本発明のインクジェット記録装置は、インク組成物の定着を促進させるために加熱定着装置を搭載することができる。このような加熱定着装置について、ライン型のインクジェットヘッドを複数並べた構成のインクジェット記録装置に装着した場合を例に説明する。
加熱式定着装置76は、例えば図5に示されるように、搬送路における記録ヘッド70Bに対して、下流側とし、かつ、比較的近い位置に対応して設けられている。今、ここでは加熱式定着装置76として、ハロゲンヒータ84と、ハロゲンヒータ84からの熱線を反射させる反射板82とよりなる実施形態を示す。この実施形態のように本発明では、記録用メディア(用紙Pa)の被印写面側を非接触加熱している。つまり、印写部を表面から加熱するようにしているので、水等のインク中の揮発成分を効率的に乾燥させることができる。ここでは加熱式定着装置76として、加熱部としてのハロゲンヒータ84と、ハロゲンヒータ84からの熱線を反射させる反射板82と、ハロゲンヒータ84と搬送路との間を仕切る加熱部遮蔽部材86と、ハロゲンヒータ84からの熱の記録ヘッド70Bへの熱伝達を断つ断熱部としての断熱装置78とを含んで構成されているものを実施形態として挙げているが、以下に説明する。
ハロゲンヒータ84は、本実施例において、記録部26における用紙Paの搬送方向の最下流側の近傍に記録ヘッド70Bに隣接して配置されている。これは、画像記録終了後、直ちにハロゲンヒータ84によって加熱定着する必要があるからである。このハロゲンヒータ84は、その記録面を非接触加熱している。これにより、記録面が乾燥され、インクの乾燥が促進され、定着速度が大幅に向上することとなる。更に非接触であるため、用紙Pa記録面上のドット形状が崩れることを回避でき、画像品質を落とすことなく、乾燥できるという利点がある。ハロゲンヒータ84は、後述する制御ユニットにより、用紙Paの搬送及び記録部26の記録動作に応じた所定のタイミングで加熱動作が制御される。又はロゲンヒータ84には、ハロゲンヒータ84の温度を制御するサーモスタット(図示せず)が備えられている。サーモスタットにより設定される温度により、定着温度は、被記録部材の紙質、搬送スピード、画像濃度等の条件に合わせ適切に制御されている。なお、用紙Paのインクの付着している面(記録面)を加熱する加熱部としては、ハロゲンヒータ84に限られることなく、例えば、ハロゲンランプ、シーズヒータ、セラミックヒータ、サーミスタ等であってもよい。
また、加熱部遮蔽部材86は、用紙Paのジャム時の安全面を考慮して金網等で作られハロゲンヒータ84の表面を下方側から覆う位置に配されている。断熱装置80に一端が連結される反射板82は、例えば、光輝合金アルミニウム等で作られ、ハロゲンヒータ84を上方から覆うような湾曲部を有している。反射板82の湾曲部は、ハロゲンヒータ84からの熱線が、反射板82の湾曲部の内面により反射され、その熱線が記録面に最も効率よく到達するように設定されている。なお、このような反射板82以外に、例えば、レンズ系の光学系によってランプ光源の光を用紙Paのインクの付着している面(記録面)に集光するようにしてもよい。また、反射板とこのようなレンズ系光学系を組合せた光/熱集光光学系とすると、より効率よく乾燥させるようにすることができる。
断熱装置78は、図5に示されるように、ヘッドブロック72における記録ヘッド70Bとハロゲンヒータ84との間であって、記録ヘッド70Bに近接して連結されている。断熱装置78は、例えば、放熱性のよいアルミ合金製等からなる板状の部材あるいは耐熱性のプラスチック材料に、アルミシート等の放熱性のよい材料を貼り合せたもので作られている。断熱装置78は、略長方形の筒状断面形状を有している。即ち、断熱装置78には、その内部に記録ヘッド70Bの吐出口配列方向に沿って広がる空気層80が形成されている。また、断熱装置78の上下方向の両端部は、それぞれ、外部に対して開口している。従って、ハロゲンヒータ84からの熱の記録ヘッド70Bへの熱伝達が断たれ、高熱による記録ヘッド70C〜70Bの昇温が防止される。又はハロゲンヒータ84から発せられた熱は、反射板82を介して断熱装置78に伝導されるとともに放熱されることとなる。
次に、図6について説明する。図6は、図5に示した複数個のインク吐出口が記録用メディアの被印写幅をカバーするように長尺化されたマルチノズル型インクジェット記録装置の記録部26を矢印A方向から見た部分的模式図である。図6より明らかなように、本発明では、加熱式定着装置76からなる加熱手段は、記録用メディアPaの幅方向に長尺化されたマルチノズル型記録ヘッド70Y、70B等によって印写される被印写幅より大きい範囲をカバーするようにしていることが好ましい。つまり、このように加熱手段によって加熱される領域が、被印写幅より大きい範囲とすると、被印写幅のみ加熱するようにした場合に比べて加熱能力に余裕があるので、効率よくインク乾燥が行える。なお、より好適には、図6に示したようにこのような加熱手段によって加熱される領域を、記録用メディアPaの幅より大きい範囲とすると、更に効果的である。
また、加熱式定着装置76は、記録ヘッド70Bの後段に設けている(記録用メディアPaの搬送の最下流に設けている)が、このような加熱手段を複数個用意し、各記録ヘッド70C、70M、70Y、70Bに隣接し、それぞれの色のインクでの印写が終了すると同時にインク乾燥を行うようにするとより効果的であると同時に、各色のインクが乾燥する前に混色し、くすんだ色となって画像品質が低下するという不具合も解消することができる。更に、記録ヘッド70Cによる印写が始まる前の段階で事前に記録用メディアPaを加熱するように記録ヘッド70Cの上流側に加熱手段を配すると、より効果的なインク乾燥を行うことができる。
次に、その他の特徴について、図7を用いて説明する。図7は、記録用メディアPaを被印写面の裏面側からも加熱できるように裏面加熱手段87を設けた例である。この場合も裏面加熱手段87は、その加熱領域がマルチノズル列配列方向に伸びるとともに記録用メディアPaの被印写幅より大きい範囲をカバーし、効果的な加熱を行うようにしている。更に、より効果的な加熱、乾燥は、加熱される領域を記録用メディアPaの幅より大きい範囲とすることによって実現できる。
なお、この場合も加熱手段としては、ハロゲンヒータのようなランプ加熱によるもの、表面に発熱体を焼成したセラミックヒータ、マイクロ波照射等が好適に用いられるが、これらに限定されるものではない。内部にニクロム線を配した加熱ローラ、あるいは内部にランプ光源を配した円筒ガラス状の加熱ローラも好適に用いられる。更に表面に発熱体を焼成したセラミックヒータローラも効率のよい加熱手段として用いられる。
図8は、このような裏面加熱手段87を搬送ベルト40に接触させてより効果的に加熱、乾燥を行うようにしたものである。この場合は、記録用メディアPaを搬送する搬送ベルト40を介して加熱しているが、その他の搬送手段として搬送ベルト40に代えて、例えばドラム構造(又は、ローラ)の搬送手段とし、ドラム(ローラ)そのものを加熱ドラム(ローラ)として記録用メディアPaを直接加熱するようにすると更に効果的な加熱、乾燥が可能である。
なお、この場合も上記のような内部にニクロム線を配した加熱ローラや内部にランプ光源を配した円筒ガラス状の加熱ローラ、あるいは表面に発熱体を焼成したセラミックヒータローラなどが効率のよい加熱手段であり、かつ搬送手段も兼ねた加熱手段として好適に用いられる。このような搬送手段も兼ねたローラ加熱手段もその加熱領域を記録用メディアPaの幅より大きい範囲とし、余裕を持った加熱手段とすることはいうでもない。
図9は、更にその他の特徴を説明するための図である。この実施形態では、被印写面側を加熱ローラ88によって接触加熱、乾燥させるようにしたものである。この場合、加熱ローラ88の表面は、インクに対して濡れないような材料とする必要がある。本発明では、このような撥インク材料として、四フッ化エチレン等のフッ素系材料、シリコーンゴム等を用い、加熱ローラ表面を構成していることが好ましい。
本発明では、このように被印写面側を加熱ローラ88によって直接接触させて加熱、乾燥させるようにしたので、大変効率よくインクを乾燥させることができる。また、加熱ローラ表面はインクに対して濡れないような材料としているので、未乾燥のインクドット形状を崩すことを回避できる。よって、画像品質を落とすことなく、記録用メディアPa上のインクをより効果的に乾燥、定着させることが可能となる。
なお、このような被印写面側を加熱ローラ88によって接触加熱、乾燥させるようなものにおいても、前述の各種加熱手段と同様にその加熱領域はマルチノズル列配列方向に伸びるとともに記録用メディアPaの被印写幅より大きい範囲をカバーすることにより、効果的な加熱が実現できる。また、更により効果的な加熱、乾燥は、加熱される領域を記録用メディアPaの幅より大きい範囲とすることによって実現できる。
また、以上の実施形態においては、すべて印写後に加熱、乾燥させるように説明したが、前述の各種加熱手段を印写前の記録用メディアPaの搬送経路中に配し、記録用メディアPaをあらかじめ加熱した状態にしておいてから印写を行う方法も、効果的なインク乾燥を行う上でよい方法である。
(インク記録物)
本発明のインク記録物は、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録されたインク記録物である。
本発明のインク記録物は、本発明のインクメディアセットにおける記録用メディア上に前記インクメディアセットにおけるインク組成物を用いて形成された画像を有してなる。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記記録用メディアと同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク記録物は、前記インク組成物が、染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子と、水溶性溶剤と、水とを含有してなり、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層とを有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3ml/m以上40ml/m未満であることから、インク吸収性の低い記録用メディアにおいても彩度が高く良好な色調の高品位画像が得られることができる。また、カラー印字物においては、色の明るさ(明度)や鮮やかさ(彩度)を増大する効果がある。
本発明のインク記録物は、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<ポリマーの調製>
下記の3種類のポリマーを準備した。
−ポリマー1−
・スチレン−アクリル系ポリマー(製品名:ジョンクリル586、ジョンソンポリマー社製、質量平均分子量=4,600、ガラス転移温度(Tg)=60℃)
−ポリマー2−
脱水管、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置を備えた容量2リットルの四つ口フラスコ内に、下記処方の原料を入れ、脱水しながら3時間を掛けて180℃まで昇温させて脱水縮合反応を行い、ポリエステル樹脂を合成した。
<処方>
・カージュラ E−10P(物質名:デカン酸エポキシエステル、ジャパンエポキシレジン株式会社製)・・・10質量部
・アジピン酸・・・27質量部
・ヘキサヒドロ無水フタル酸・・・42質量部
・ネオペンチルグリコール・・・2質量部
・トリメチロールプロパン・・・26質量部
・ジブチル錫ジオキサイド・・・0.1質量部
−ポリマー3−
温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置、及び還流冷却管を備えた四つ口フラスコ内に、下記処方の原料を入れ、80℃で3時間反応させた後、ジブチル錫ジラウレート0.01質量部を加えて、更に同温度にて5時間反応させた。反応混合物を放冷した後、エチレンジアミン1質量部を加えて1時間反応させ、ポリウレタン樹脂を合成した。
<処方>
・メチルエチルケトン・・・90質量部
・2,2−ジメチロールプロピオン酸・・・13質量部
・ポリラクトンジオール・・・52質量部
・イソホロンジイソシアネート・・・35質量部
−ミルベースの調製−
<ミルベース処方(C−1)>
・ソルベント ブルー 44(シアン油溶性染料、クラリアントジャパン株式会社製、Savinyl Cyan GLS)・・・15質量部
・シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、Aerosil−RX200)・・・5質量部
・ポリマー1・・・15質量部
・イオン交換水・・・65質量部
ポリマー1に2−アミノ−2−メチル−1、3プロパンジオールを加えて水に溶解させ、上記油溶性染料ソルベントブルー44及びシリカ微粒子を混合して充分に湿潤したところで、混練装置としてダイノーミルKDL A型(WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填して、2,000rpmで40分間混練を行った。得られたミルベースに1規定の塩酸を3質量部加えて撹拌した後、イオン交換水400質量部を加えてよく撹拌し、遠心分離器を用いて顔料ペーストと水に分離し、上澄み液を除去する操作を数回繰り返した。ここに、塩基性化合物として2−アミノ−2−メチル−1,3プロパンジオールを1.0質量部加え、再びダイノーミルKDL A型で混練を行った。ミルベースを取り出して1μmのフィルターでろ過することで、染料濃度15質量%のミルベース(C−1)を作製した。
<ミルベース処方(Y−2)>
・ディスパースイエロー160(有本化学株式会社製、イエロー分散染料、Plast Yellow 8050)・・・15質量部
・アルミナ微粒子(住友化成株式会社製、APK−G008)・・・3質量部
・ポリマー2・・・15質量部
・イオン交換水・・・67質量部
上記ミルベース処方(Y−2)を用い、ミルベース(C−1)と同様の方法で調製した。ミルベース(Y−2)の染料濃度は15質量%であった。
<ミルベース処方(M−2)>
・ソルベントレッド218(田岡化学株式会社製、マゼンタ油溶性染料、Oleosol Fast Pink FB)・・・16質量部
・シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、Aerosil−RX200)・・・8質量部
・ポリマー2・・・16質量部
・イオン交換水・・・60質量部
上記ミルベース処方(M−2)を用い、ミルベース(C−1)と同様の方法で調製した。ミルベース(M−2)の染料濃度は15質量%であった。
<ミルベース処方(M−3)>
・ソルベントレッド218(田岡化学株式会社製、マゼンタ油溶性染料、Oleosol Fast Pink FB)・・・16質量部
・二酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、PT−401M)・・・4質量部
・ポリマー3・・・16質量部
・イオン交換水・・・64質量部
上記ミルベース処方(M−3)を用い、ミルベース(C−1)と同様の方法で調製した。ミルベース(M−3)の染料濃度は15質量%であった。
ミルベースの調製において、調製した染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の体積平均粒径を測定した。結果を表1に示す。測定はマイクロトラック社製のUPA150を用いて行った。
<インク組成物1の調製>
−インク組成物1の処方−
・ミルベース(C−1)・・・40質量部
・グリセリン・・・6質量部
・1,3−ブタンジオール・・・18質量部
・下記式(10)で表される界面活性剤・・・2質量部
1327−O−(CHCHO)−CHCOONa・・・式(10)
・3−メチル−2,4−ヘプタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・31.9質量部
グリセリン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−2,4−ヘプタンジオール、前記式(10)で表される界面活性剤、プロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを調製し、ミルベース(C−1)と混合した後、平均孔径1μmのフィルターでろ過して、インクジェット記録用シアンインク(インク組成物1)を作製した。
<インク組成物2の調製>
−インク組成物2の処方−
・ミルベース(M−2)・・・50質量部
・グリセリン・・・9質量部
・N−メチル−2−ピロリドン・・・18質量部
・FT−110(株式会社ネオス製、フッ素系界面活性剤)・・・1質量部
・3−メチル−2,4−ヘプタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・19.9質量部
上記インク処方を用い、前記インク組成物1の調製方法と同様にして、インクジェット記録用マゼンタインク(インク組成物2)を作製した。
<インク組成物3の調製>
−インク組成物3の処方−
・ミルベース(Y−2)・・・50質量部
・グリセリン・・・9質量部
・1,3−ブタンジオール・・・18質量部
・下記式(11)で表される界面活性剤・・・2質量部
1327−O−(CHCHO)−H・・・式(11)
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・18.9質量部
上記インク処方を用い、インク組成物1の調製方法と同様にして、インクジェット記録用イエローインク(インク組成物3)を作製した。
<インク組成物4の調製>
−インク組成物4の処方−
・ミルベース(M−3)・・・50質量部
・グリセリン・・・9質量部
・1,3−ブタンジオール・・・18質量部
・下記式(11)で表される界面活性剤・・・2質量部
1327−O−(CHCHO)−H・・・式(11)
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・18.9質量部
上記インク処方を用い、インク組成物1の調製方法と同様にして、インクジェット記録用マゼンタインク(インク組成物4)を作製した。
<インク組成物5の調製>
−インク組成物5の処方−
・ミルベース(C−1)・・・50質量部
・グリセリン・・・9質量部
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・18質量部
・FT−110(株式会社ネオス製、フッ素系界面活性剤)・・・1質量部
・3−メチル−2,4−ヘプタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・19.9質量部
上記インク処方を用い、インク組成物1の調製方法と同様にして、インクジェット記録用シアンインク(インク組成物5)を作製した。
<インク組成物6の調製>
−インク組成物6の処方−
・ミルベース(C−1)・・・50質量部
・グリセリン・・・9質量部
・1,6−ヘキサンジオール・・・18質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・22.9質量部
上記インク処方を用い、インク組成物1の調製方法と同様にして、インクジェット記録用シアンインク(インク組成物6)を作製した。
<インク組成物7の調製>
−インク組成物7の処方−
・Direct Blue199(チバスペシャルティケミカルズ社製、シアン染料、Irgasperse Jet Cyan RL)・・・9質量部
・グリセリン・・・9質量部
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・18質量部
・FT−110(株式会社ネオス製、フッ素系界面活性剤)・・・1質量部
・3−メチル−2,4−ヘプタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・60.9質量部
直接染料Direct Blue 199、グリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−2,4−ヘプタンジオール、FT−110、及びプロキセルLVをイオン交換水に溶解し、平均孔径0.5μmのフィルターでろ過して、インクジェット記録用シアンインク(インク組成物7)を作製した。
−ミルベース処方(M−4)−
・ソルベントレッド218(田岡化学株式会社製、マゼンタ油溶性染料、Oleosol Fast Pink FB)・・・14質量部
・下記式(12)で表される分散剤・・・4質量部
・イオン交換水・・・82質量部
前記分散剤をイオン交換水に溶解し、上記油溶性染料を混合して充分に湿潤したところで、混練装置としてダイノーミルKDL A型(WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間混練を行ってミルベース(M−4)を作製した。
<インク組成物8の調製>
−インク組成物8の処方−
・ミルベース(M−4)・・・50質量部
・グリセリン・・・9質量部
・1,3−ブタンジオール・・・18質量部
・下記式(11)で表される界面活性剤・・・2質量部
1327−O−(CHCHO)−H・・・式(11)
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・18.9質量部
上記インク処方を用い、インク組成物1の調製方法と同様にして、インクジェット記録用マゼンタインク(インク組成物8)を作製した。
−ミルベース処方(M−5)−
・Pigment Violet 19(チバスペシャルティケミカルズ社製、マゼンタ顔料、CROMOPHTAL Red 2020)・・・14質量部
・下記式(12)で表される分散剤・・・4質量部
・イオン交換水・・・82質量部
上記ミルベース処方を用いて、ミルベース(C−1)と同様の方法でミルベース(M−5)を調製した。
<インク組成物9の調製>
−インク組成物9の処方−
・ミルベース(M−5)・・・50質量部
・グリセリン・・・9質量部
・1,3−ブタンジオール・・・18質量部
・下記式(11)で表される界面活性剤・・・2質量部
1327−O−(CHCHO)−H・・・式(11)
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・18.9質量部
上記インク処方を用いて、インク組成物1の調製方法と同様にして、インクジェット記録用マゼンタインク(インク組成物9)を作製した。
<インク組成物10の調製>
−インク組成物10の処方−
下記のように、インク組成物4のグリセリンを9質量部から13質量部に、1,3−ブタンジオールを18質量部から26質量部に増量し、イオン交換水18.9質量部から6.9質量部に減量した以外は、インク組成物4の調製方法と同様にして、インクジェット記録用マゼンタインク(インク組成物10)を作製した。
・ミルベース(M−3)・・・50質量部
・グリセリン・・・13質量部
・1,3−ブタンジオール・・・26質量部
・下記式(11)で表される界面活性剤・・・2質量部
1327−O−(CHCHO)−H・・・式(11)
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・イオン交換水・・・6.9質量部
<インク組成物11の調製>
−インク組成物11の処方−
<ミルベース処方(M−6)>
・ソルベントレッド218(田岡化学株式会社製、マゼンタ油溶性染料、Oleosol Fast Pink FB)・・・16質量部
・二酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、PT-401M)・・・4質量部
・ポリマー3・・・16質量部
・イオン交換水・・・64質量部
上記ミルベース処方(M−6)を用い、混練装置の処理時間を20分間に変えた以外は、ミルベース(C−1)と同様の方法で調製した。ミルベース(M−6)の染料濃度は15質量%であった。
ミルベースの調製において、調製した染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子の体積平均粒径を測定した。結果を表1に示す。測定はマイクロトラック社製のUPA150を用いて行った。
次に、インク組成物4のミルベースを(M−6)に変えた以外は、インク組成物4の調製方法と同様にして、インクジェット記録用マゼンタインク(インク組成物11)を作製した。
<インク組成物12の調製>
−インク組成物12の処方−
インク組成物5において、3−メチル−1,3−ブタンジオールを、1,6−ヘキサンジオールに変えた以外は、インク組成物5の調製と同様にして、インク組成物12を調製した。
次に、調製したインク組成物1〜12について、以下のようにして粘度及び表面張力を測定した。結果を表2に示す。
<粘度>
東機産業株式会社製のRC−500を用い、25℃で測定を行った。
<表面張力>
協和界面科学株式会社製のCBVP−Z型を用い、25℃で測定を行った。
次に、評価に用いた下記4種の記録用メディアの純水転移量を測定した。結果を表3に示す。測定は、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて行った。
<記録用メディア>
・記録用メディアA:オーロラコート、坪量=104.7g/m(日本製紙株式会社製)
・記録用メディアB:PODグロスコート100g/m紙(王子製紙株式会社製)
・記録用メディアC:スーパーファイン専用紙(セイコーエプソン株式会社製)
・記録用メディアD:ルミラーU10(TORAY株式会社製)
・記録用メディアE:TJ85FC インクジェット用マットコート紙(日本製紙株式会社製)
(実施例1〜5及び比較例1〜13)
実施例1〜5及び比較例1〜13では、表4及び5に従い、前記インク組成物1〜9と、前記記録用メディアA〜Eとを用い、インクジェット記録装置(Ipsio G7570、株式会社リコー製)を用いてインク記録物を作製した。
次に、以下のようにして、ビーディング(濃度ムラ)の評価方法、拍車汚れの評価方法、及び彩度の評価方法に従い、画像品質を評価した。結果を表4及び表5に示す。
<ビーディング(濃度ムラ)>
各画像プリントのグリーンベタ画像部のビーディングの程度を目視で観察し、下記基準により評価した。なお、ビーディングのランク見本は図10(図では白黒表示になっているが、実際にはグリーン色である)に示す。
〔評価基準〕
ランク4:ビーディングの発生がなく均一な印刷である。
ランク3:かすかにビーディングの発生が認められる。
ランク2:明確にビーディングの発生が認められる。
ランク1:甚だしいビーディングの発生が認められる。
<拍車汚れ>
ベタ部から地肌部への拍車によるオフセット汚れの程度を目視で評価した。ランク評価は下記基準に従い評価した。許容レベルは3以上である。
ランク3:オフセット汚れは全く無し。
ランク2:オフセット汚れがかすかに見える。
ランク1:オフセット汚れがはっきり見える。
<彩度>
反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定した。測定した彩度の値と、標準色(Japan color ver.2)の彩度の値(イエロー:91.34、マゼンタ:74.55、シアン:62.82)との比率を算出し、下の評価基準にしたがって評価した結果を表4に示す。許容レベルは○以上である。
−評価基準−
◎:比率が、1.0以上である。
○:比率が、0.8以上、1.0未満である。
△:比率が、0.7以上、0.8未満である。
×:比率が、0.7未満である。
(実施例6〜8及び比較例14〜16)
実施例6〜8及び比較例14〜16では、表6及び表7に従い、前記インク組成物10〜12と、前記記録用メディアA〜Eとを用い、インクジェット記録装置(Ipsio G7570、株式会社リコー製)を用いてインク記録物を作製した。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜13と同様にして、ビーディング(濃度ムラ)の評価方法、拍車汚れの評価方法、及び彩度の評価方法に従い、画像品質を評価した。結果を表6及び表7に示す。
本発明のインクメディアセットは、所定の吸液性を有する記録用メディアと、所定の表面張力を有するインク組成物とを組み合わせることによって、高精細で高品位な画像が得られ、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録
方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、フ
ァクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適
用することができる。
図1は、本発明に用いられるインク組成物を収容するインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の構成例を示す概略正面図である。 図2は、本発明のインクジェット記録装置に装填する前のインクカートリッジの一例を示す外観斜視図である。 図3は、図2のインクカートリッジの正断面図である。 図4は、記録ヘッドと一体化された記録ユニットの一例を示す外観斜視図である。 図5は、加熱定着装置の概略正面図である。 図6は、加熱手段と被印写部との関係を説明するための図である。 図7は、裏面加熱手段を設けた加熱式定着装置の概略正面図である。 図8は、搬送ベルトに接触した裏面加熱手段を設けた加熱式定着装置の概略正面図である。 図9は、印写面接触加熱式定着装置の概略正面図である。 図10は、ビーディングの程度を表すランク見本である。
符号の説明
1 側板
2 側板
3 主支持ガイドロッド
4 従支持ガイドロッド
5 キャリッジユニット
6 ヘッド
6a 吐出面(ノズル面)
7 インクカートリッジ
7y インクカートリッジ
7m インクカートリッジ
7c インクカートリッジ
7k インクカートリッジ
8 主走査モータ
9 駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)
10 従動プーリ(アイドラプーリ)
11 タイミングベルト
12 底板
13 サブフレーム
14 サブフレーム
15 搬送ローラ
16 用紙
17 副走査モータ
18 ギヤ
19 ギヤ
21 サブシステム
22 キャップ手段
23 ホルダ
24 リンク部材
25 係合部
26 吸引チューブ
27 吸引ポンプ
28 ワイパブレード
29 ブレードアーム
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
33 インクタンク
41 カートリッジ本体
42 インク吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
45 インク供給口
46 シールリング
47 大気開放口
50 キャップ部材
55 シール部材
A 空間
26 記録部
72 ヘッドブロック
72Y イエローインク用ヘッドブロック
72M マゼンタインク用ヘッドブロック
72C シアンインク用ヘッドブロック
72B ブラックインク用ヘッドブロック
78 断熱装置
80 空気層
84 ハロゲンヒータ、

Claims (14)

  1. インク組成物と、記録用メディアとを有するインクメディアセットであって、
    前記インク組成物が、染料及び無機顔料粒子を包含するポリマー微粒子と、水溶性溶剤と、水とを含有してなり、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、
    前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m未満であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3ml/m以上40ml/m未満であることを特徴とするインクメディアセット。
  2. インク組成物の25℃における粘度が、5〜50mPa・sである請求項1に記載のインクメディアセット。
  3. 染料が、油溶性染料、及び分散染料の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のインクメディアセット。
  4. 無機顔料粒子が、二酸化チタン粒子、アルミナ粒子、及びシリカ粒子のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載のインクメディアセット。
  5. 染料及び無機顔料微粒子を包含するポリマー微粒子を構成するポリマーが、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、及びアクリル系樹脂の少なくともいずれかである請求項1から4のいずれかに記載のインクメディアセット。
  6. 染料及び無機顔料微粒子を包含するポリマー微粒子の体積平均粒径が、5〜200nmである請求項1から5のいずれかに記載のインクメディアセット。
  7. 水溶性溶剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、及び3−メチル−1,3−ブタンジオールの少なくともいずれかである請求項1から6のいずれかに記載のインクメディアセット。
  8. 炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物のいずれかを含む請求項1から7のいずれかに記載のインクメディアセット。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のインクメディアセットにおけるインク組成物を容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載のインクメディアセットにおけるインク組成物に刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 請求項1から8のいずれかに記載のインクメディアセットにおけるインク組成物に刺激を印加し、該インク組成物を飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項12に記載のインクジェット記録装置。
  14. 請求項1から8のいずれかに記載のインクメディアセットにおける記録用メディア上に、前記インクメディアセットにおけるインク組成物を用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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