JP5504811B2 - インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インク記録物。 - Google Patents
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Description
しかし、従来の制御方法には、高寿命領域における動的表面張力の挙動に対する言及が無く、インク浸透性の悪い紙面におけるブリードの抑制には繋がっていないという問題があった。
特許文献1には、インク間のカラーブリードを低減する目的で、表面寿命30〜1000msの範囲内におけるインク間の動的表面張力の大小関係と動的表面張力差を制御したインクセットが開示されている。しかし、このインクセットは、動的表面張力の制御によりブリードを抑制するという点で本発明と似ているものの、インク吸収性が普通紙より更に劣る印刷用塗工紙のような、色境界におけるブリードが特に顕著に見られる記録媒体に対する対策がなされていない。このため、インク浸透性の悪い紙において激しいカラーブリードが発生するという問題を解消できていない。
1) 水、水溶性有機溶剤、顔料、及び界面活性剤を含有する複数の水性インクのセットであって、少なくともブラックインクとシアン、マゼンタ、イエローの各カラーインクからなり、前記水溶性有機溶剤が、グリセリンと多価アルコールの混合物であり、前記界面活性剤が、(a)疎水鎖の末端に親水基が結合した構造を持つ界面活性剤及び(b)疎水性の主鎖に親水性の側鎖が結合したオリゴマー型界面活性剤の少なくとも一つを含み、かつ、次の(1)(2)の要件を満たすことを特徴とするインクセット。
(1)着弾後100ms未満の表面寿命領域で、各カラーインクの動的表面張力がブラックインクの動的表面張力以上である。
(2)着弾後100〜3000msの表面寿命領域に、ブラックインクの動的表面張力と各カラーインクの動的表面張力とが等しくなる点があり、その点以降の表面寿命領域でブラックインクの動的表面張力が各カラーインクの動的表面張力よりも大きい。
2) 1)に記載のインクセットを容器に収容したインクカートリッジ。
3) 2)に記載のインクカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。
4) 1)に記載のインクセットを用いて印字されたインク記録物。
本発明では、ブラックインクとシアン、マゼンタ、イエロー等のカラーインクからなるインクセットにおいて、次の(1)(2)の要件を満たすようにする。即ち、従来言及されていなかった表面寿命領域を含めた広範囲の表面寿命領域に対して、ブラックインクとカラーインクの動的表面張力を規定する。
(1)着弾後100ms未満の表面寿命領域で、各カラーインクの動的表面張力がブラックインクの動的表面張力以上である。
(2)着弾後100〜3000msの表面寿命領域に、ブラックインクの動的表面張力と各カラーインクの動的表面張力とが等しくなる点があり、その点以降の表面寿命領域でブラックインクの動的表面張力が各カラーインクの動的表面張力よりも大きい。
上記要件を満たすことにより、ブラックインクと各カラーインクの動的表面張力について、着弾後100ms未満の表面寿命領域(低寿命領域)では各カラーインクの方がブラックインク以上になり、高寿命領域(3000ms以上)では逆にブラックインクの方が各カラーインクよりも大きくなる。
なお、後述する実施例4の図4に示すような、低寿命領域でブラックインクと各カラーインクの動的表面張力が重なってしまう場合には、上記(2)の「等しくなる点」とは、ブラックインクと各カラーインクの動的表面張力が分岐する点を意味するものとする。
この表面寿命段階において、各カラーインクの動的表面張力がブラックインクの動的表面張力以上であれば、ブラックインクの浸透速度が各カラーインクの浸透速度と同等か、それ以上となる。すると、各カラーインクがブラックインクの浸透に引っ張られることになるため、ブラックインクが各カラーインク側へ浸入するのを防止できる。
しかし、時間の経過と共に(表面寿命が長くなると共に)記録媒体への浸透速度は遅くなるため、徐々に異なる色相のインクに対する拡張仕事(拡張ぬれ)が支配的となる。
そこで、この表面寿命段階では、ブラックインクの動的表面張力を各カラーインクの動的表面張力より大きくすることにより、インク同士が接触した時にブラックインクが各カラーインクを引き込む力の方が強くなり、ブラックインクが各カラーインク側へ浸入するのを防止できる。
<界面活性剤>
界面活性剤は、インクの表面張力を下げ、記録媒体へ浸透しやすくさせるため、及び、ブラックインクとカラーインクの動的表面張力の挙動を制御するために用いる。
界面活性剤の添加量は、インク総量に対し、0.5〜5.0重量%が好ましい。0.5重量%以上であれば記録媒体に対する十分な浸透性を確保でき、画像濃度が低下するようなことはない。また、5.0重量%以下であれば粘度が高くなりすぎて吐出安定性に悪影響を及ぼすようなことはない。
(a)疎水鎖の末端に親水基が結合した構造を持つ界面活性剤
(b)疎水性の主鎖に親水性の側鎖が結合したオリゴマー型界面活性剤
(a)の例としては、下記構造式(I)や(II)で表されるものが挙げられる。また(b)の例としては、下記構造式(III)や(IV)で表されるものが挙げられる。
また、(a)と(b)の組合せにより動的表面張力が制御できる理由は以下のように考えられる。
(a)と(b)は溶液中でのミセルの形成形態が異なり、(a)は比較的小さいミセルを形成するが、(b)は大きなミセルを形成する。従って、界面活性剤自身の分子量に依らず、(a)は比較的早く界面に移動してきて低寿命領域の表面張力の低下に寄与するのに対し、(b)は移動が遅いために高寿命領域の表面張力の低下に寄与する。
水溶性有機溶剤は、保湿効果の付与による吐出安定性向上のために用いる。
その添加量は、インク総量に対して30〜40重量%が好ましい。添加量がこの範囲内であれば、インクジェット記録装置内での水分蒸発によるインク増粘が抑制され、また記録媒体に着弾時には水分蒸発によるインク増粘で画像にじみが抑制され高画質な記録物を得ることができる。添加量が40重量%より多いと、インクを所望の粘度にするために顔料や樹脂等の固形分の減量が必要なことがあり、その場合、記録物の画像濃度が低下することがある。さらに、インクジェット記録装置内での増粘インク詰まりは発生しにくくなるが、一方で記録媒体への着弾時にもインク増粘しにくくなりブリードが発生することがる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチルグリコール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
顔料はインクを着色し、画像濃度を向上させるために用いるものであり、公知の顔料の中から目的に応じて適宜選択して用いることができる。
顔料の含有量は、インク総量に対して、0.1〜50.0重量%が好ましく、0.1〜20.0重量%がより好ましい。
顔料の50%平均粒径(D50)は、150nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。なお、ここでいう「D50」の値は、23℃、55%RHの環境下において日機装社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよく、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましく、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。
染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が15〜40nm、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9のものが好ましい。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)、などが挙げられる。
また、上記市販品以外に、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
なお、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料としてピグメントブルー15:3を用いると、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
浸透剤は、浸透性向上によるブリード低減、画像濃度向上のために用いる。
その添加量は、インク総量に対して0.2〜4.5重量%が好ましい。0.2重量以上であれば、高い浸透性が得られる。また、4.5重量%以下であれば、保存安定性が低下するようなことはない。
好ましい浸透剤としては、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールが挙げられる。
容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
図1に、上記インクカートリッジの一例を示す。この図は、インク袋241をカートリッジケース244内に収容したインクカートリッジ200を示す概略図である。
まず、インク注入口242からインクをインク袋241内に充填し、インク袋241中に残った空気を排気した後、インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成する。そして、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容し、インクカートリッジ200として各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いる。
インクジェット記録装置1は、各色のインクを吐出する4個のインクジェットヘッド11と、これらのヘッドを搭載したキャリッジ12と、図示しない駆動系によりキャリッジ12が主走査方向(図の左右方向)に移動するのをガイドするガイドロッド13と、印刷用紙Pを副走査方向(図の上下方向)に搬送する用紙搬送機構14とを備えている。用紙搬送機構14は、図示しない駆動系により回転する搬送ローラ15、テンションローラ16、及び、これらの間に掛け渡された搬送ベルト17を有している。
各インクジェットヘッド11は、圧電素子からなる圧電アクチュエータを備えている。もちろん、インクを吐出するための他のアクチュエータ、例えば、サーマルアクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータ又は静電アクチュエータを備えたものでもよい。
さらに、インクジェット記録装置1は、各色のインクを収容した4個のインクカートリッジ18と、キャリッジ12に搭載され、各インクジェットヘッド11に連なる4個のサブタンク19と、各インクカートリッジ18と各サブタンク19とを連通するインク供給チューブ(図示省略)とを備えており、各インクカートリッジ18に収容された各色のインクが、各サブタンク19を介して各インクジェットヘッド11に供給されるようになっている。つまり、インク供給チューブ、サブタンク19及びインクジェットヘッド11のヘッド内流路により、インクジェットプリンタ1の液体流路が構成されている。なお、インク供給チューブには、インクカートリッジ18内のインクをサブタンク19へ供給するための供給ポンプ(図示省略)が付設されている。
(ポリマー分散液の調製)
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成社製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。次いで、65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
前記ポリマー溶液28g、カーボンブラック顔料(デグッサ社製、Printex35)26g、1mol/Lの水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、イオン交換水30gを十分に攪拌した後、三本ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、ブラック色の顔料分散体1を得た。
上記顔料分散体1のカーボンブラック顔料をピグメントイエロー74に変更したほかは顔料分散体1と同様にして、イエロー色のポリマー微粒子分散体=顔料分散体2を得た。
上記顔料分散体1のカーボンブラック顔料をピグメントレッド122に変更したほかは顔料分散体1と同様にして、マゼンタ色のポリマー微粒子分散体=顔料分散体3を得た。
上記顔料分散体1のカーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3に変更したほかは顔料分散体1と同様にして、シアン色のポリマー微粒子分散体=顔料分散体4を得た。
下記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型、メディア:直径0.3mmのジルコニアボール使用)で循環分散して、ブラック色の顔料分散体5を得た。
・カーボンブラック顔料(キャボット社製、Regal400R)・・・15重量%
・分散剤・・・3重量%
・純水・・・残量
上記顔料分散体5のカーボンブラック顔料をピグメントイエロー74に変更したほかは顔料分散体5と同様にして、イエロー色の顔料分散体6を得た。
上記顔料分散体5のカーボンブラック顔料をピグメントレッド122に変更したほかは顔料分散体5と同様にして、マゼンタ色の顔料分散体7を得た。
上記顔料分散体5のカーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3に変更したほかは顔料分散体5と同様にして、シアン色の顔料分散体8を得た。
水溶性有機溶剤→界面活性剤→浸透剤→イオン交換水の順で材料を調合して30分撹拌した後、上記顔料分散体1〜8を添加して1時間撹拌し、次いで、孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過してインクを得た。
なお、表中の数字は「重量%」であり、界面活性剤は以下のとおりである。
・界面活性剤A
構造式(I)において、R3、R4がn−ブチル基、r=5、s=4のもの
・界面活性剤B
構造式(I)において、R3がn−ノニル基、R4が水素、t=2、u=7のもの
・界面活性剤C
構造式(II)において、m=3、n=13のもの
・界面活性剤D
構造式(III)において、m=10、n=4、R1=CH2、R2=H、a=6、b=2のもの
・界面活性剤E
構造式(IV)において、R5がCH3、R6がn−ヘプチル基、R7が炭素数3のパーフルオロアルキル基、R8が炭素数12のポリエチレンオキシド基、x=15,y=6,z=6のもの
上記インクを表5〜表12に示すように組み合わせて、実施例及び比較例のインクセットを作製した。表中の「Bk」はブラックの略である。
実施例及び比較例で用いたインクの動的表面張力と表面寿命の関係を図3〜図11に示す。動的表面張力は動的表面張力計SITA DynoTester(SITA Messtechnik社製)を用い、最大泡圧法により測定した値である。実施例及び比較例と各図の対応関係は次のとおりである。
図3=実施例1、図4=実施例4、図5=比較例1、図6=比較例2、図7=比較例3、図8=比較例4、図9=比較例5、図10=比較例6、図11=比較例7
なお、実施例2、3、5、6、7は表5〜表8の結果から分かるように、実施例1とほぼ類型のため図を省略した。また、表9〜表11の結果から分かるように、3種のカラーインクはほぼ同じ値をとるため、図3〜図10ではイエローインクのみを示した。また、表7の結果から分かるように、マゼンタインクとシアンインクはほぼ同じ値をとるため、図11ではマゼンタインクのみを示した。また、図4〜図6の線が一本の部分は、ブラックインクとイエローインクの線が重なっている部分である。
図3、図4から分かるように、実施例のインクセットは本発明で規定する前記要件(1)(2)を満たしている。
これに対し、比較例1〜7のインクセットは、それぞれ以下の点で前記要件を満たしていない。
比較例1=図5:高寿命領域で両者の動的表面張力が等しい。
比較例2=図6:高寿命領域でカラーインクの動的表面張力の方が高い。
比較例3=図7:全領域にわたってカラーインクの動的表面張力の方が大きい。
比較例4=図8:全領域にわたってブラックインクの動的表面張力の方が大きい。
比較例5=図9:全領域にわたってブラックインクの動的表面張力の方が大きい。
比較例6=図10:全領域にわたってカラーインクの動的表面張力の方が大きい。
比較例7=図11:1種類のカラーインクは要件を満たすが、他は要件を満たさない。
実施例及び比較例のインクセットを、リコー社製IPSiO GX5000に充填し、普通紙としてMyPaper、塗工紙としてリコービジネスコートグロス100を用いて画像を印字し、得られた画像のブラックインクとカラーインクの境界部分のブリードを、下記の基準で目視評価した。結果を表5〜表12に示す。
[評価基準]
◎:境界部分で滲みが無いか、殆ど目立たず、高品位な画像である。
○:境界部分で若干の滲みが見られるが、問題ない品質の画像である。
△:境界部分で明らかな滲みがみられ、品質の劣った画像である。
×:境界部分で極度の滲みがみられ、非常に品質の悪い画像である。
11 インクジェットヘッド
12 インクジェットヘッド11を搭載したキャリッジ
13 ガイドロッド
14 用紙搬送機構
15 搬送ローラ
16 テンションローラ
17 搬送ベルト
18 インクカートリッジ
19 サブタンク
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
P 印刷用紙
Claims (4)
- 水、水溶性有機溶剤、顔料、及び界面活性剤を含有する複数の水性インクのセットであって、少なくともブラックインクとシアン、マゼンタ、イエローの各カラーインクからなり、前記水溶性有機溶剤が、グリセリンと多価アルコールの混合物であり、前記界面活性剤が、(a)疎水鎖の末端に親水基が結合した構造を持つ界面活性剤及び(b)疎水性の主鎖に親水性の側鎖が結合したオリゴマー型界面活性剤の少なくとも一つを含み、かつ、次の(1)(2)の要件を満たすことを特徴とするインクセット。
(1)着弾後100ms未満の表面寿命領域で、各カラーインクの動的表面張力がブラックインクの動的表面張力以上である。
(2)着弾後100〜3000msの表面寿命領域に、ブラックインクの動的表面張力と各カラーインクの動的表面張力とが等しくなる点があり、その点以降の表面寿命領域でブラックインクの動的表面張力が各カラーインクの動的表面張力よりも大きい。 - 請求項1に記載のインクセットを容器に収容したインクカートリッジ。
- 請求項2に記載のインクカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。
- 請求項1に記載のインクセットを用いて印字されたインク記録物。
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