JP5223947B2 - 水性インク - Google Patents
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Description
そこで本発者らは、上記の課題を解決するため、具体的には、普通紙上ではにじみが少なく高発色であり、専用紙上では十分な発色に加えて定着性を有する水性インクを作成可能であり、水性インクジェット記録にあってはさらに吐出安定性が優れる水性インクを作成可能とする分散体を含む水性インクを提供することを目的とし、芳香環の量が20〜70重量のポリマーで着色剤を包含して水に分散可能にした分散体を含む水性インクを開示した(例えば、特許文献11参照。)。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、高い印字品質が得られ、且つ定着性および吐出安定性に優れる水性インクを提供しようとするものである。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(2)前記式で表される化合物における、EOとSiのモル%比(EO/Si)が0.8〜1.5であることを特徴とする、前記(1)の水性インク。
本発明の水性インクは、着色剤をポリマーで包含して水に分散可能にした分散体を含むものであって、該ポリマー中の芳香環の量が該ポリマーの20重量%以上70重量%以下であり、さらに下記式で表される化合物を消泡剤として含有することを特徴とするものである。
−Si(CH3)2−O−成分および側鎖基(PO)b−(EO)a−R−を有するシロキサン成分は、上記式で表される化合物(以下、単に変性シリコーン又は消泡剤とも称する)の分子中において、存在の順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。
また、上記側鎖基において、EOおよびPOは、存在の順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。
また、上記変性シリコーンにおいて、EOとSiのモル%比(EO/Si)は、特に限定されないが、0.1〜5.0が好ましく、より好ましくは0.8〜1.5であり、さらに好ましくは0.9〜1.4である。上記の範囲にあれば、本発明の水性インクの吐出安定性がさらに向上する。
また、上記変性シリコーンのHLB値としては、特に限定されないが、13以下が好ましく、より好ましくは10以下であり、さらに好ましくは3〜8である。
これらの消泡剤は、インクジェット用インク組成物として、信頼性(目詰まりや吐出安定性等)をより有効に得る観点から0.0001〜0.1重量%の範囲で本発明のインク組成物中に含有されることが好ましく、より好ましくは0.0004〜0.05重量%の範囲である。
該分散体において、着色剤を包含するポリマーとしては、該ポリマー中の芳香環の量がそのポリマーの20%以上70%以下であることを特徴とする。
芳香環の量がポリマーの20%以上であることで、そのポリマーは疎水性表面の着色剤に好適に吸着することが可能となる。また、その吸着したポリマーは本発明で好適に用いる添加剤を添加しても安定なものとなる。また、芳香環の量が70%を超えると分散が難しくなり、逆に安定性が得られなくなる。より好ましくは25%以上50%以下である。
顔料として用いることのできる無機顔料または有機顔料として、以下に例示する。
ブラック用の無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、若しくはチャネルブラック等のカーボンブラック(C.l.ピグメントブラック7)類を挙げることができる。
有機顔料としては、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ペリレン顔料等を使用することができる。
又、ブラック用の有機顔料としては、アニリンブラック(C.l.ピグメントブラック1)等の黒色有機顔料を用いることができる。
本発明で用いる水性インクにおいては、前記の顔料を1種で又は2種以上を混合して使用することもできる。
顔料を粉砕処理により微粒化する場合、少なからず粉砕メディア(ビーズ)の成分が顔料中に混入することが考えられる。具体的には、粉砕メディアにガラスビーズを使用すれば顔料中にSiの混入が、ジルコニアビーズの場合はZrの混入が考えられる。更に、粉砕装置の部材からの混入も考えられ、ステンレス部材から構成される粉砕装置を使用した場合には、Fe、Cr、Ni等の混入が考えられる。従って、粉砕処理後は顔料の洗浄、限外ろ過等により粉砕メディアや粉砕装置から発生するコンタミ成分を除去することが望ましい。
分散方法は超音波分散、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ジェットミルその他の公知の分散方法を用いることができる。
水性インク中でも水性インクジェットに用いる場合これらの顔料としての添加量は、0.5〜30%が好ましいが、1.0〜12%がさらに好ましい。これ以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、またこれ以上の添加量では、水性インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、水性インクジェットヘッドからの水性インクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
また、顔料の粒経は5μm以下が好ましく、より好ましくは0.3μm以下の粒子からなる顔料を、さらに好ましくは0.01〜0.15μmの粒子からなる顔料が好ましい。
本発明の水性インクに使用する分散ポリマーは、前記顔料を包含してそれを水中に分散可能とし、かつ分散ポリマー中の芳香環の量がその分散ポリマーの20%以上70%以下である。分散ポリマーを形成する物質の疎水基が少なくともアルキル基、シクロアルキル基または芳香環から選ばれた1種以上であることが好ましいが、芳香環の量を上記の範囲にすることが好ましい。アルキル基、シクロアルキル基においては炭素数が4以上のアルキル基が好ましい。芳香環を分散ポリマー中に含ませる場合は、アリール基(具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基等)及び/またはそれらの誘導体、その他の芳香環、ヘテロ環及び/またはそれらの誘導体の形態で含ませることができる。また、前記分散ポリマーを形成する物質中に親水性官能基を有しているのが好ましく、その親水性官能基は少なくともカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基及びそれらの塩基であることが好ましい。それら分散ポリマーを形成する物質の具体例として2重結合を有するアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基あるいはアリル基を有するモノマーやオリゴマー類を用いることができる。
重合開始剤は過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムの他に、過硫酸水素やアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなどラジカル重合に用いられる一般的な開始剤を用いることができる。
本発明の水性インクに使用する、分散ポリマーは、乳化重合で調製することもでき、その際には連鎖移動剤を用いることもできる。例えば、t−ドデシルメルカプタンの他にn−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、あるいはジペンテン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテンなどが挙げられる。
前述の顔料をポリマーで包含した分散体は、重合性基を有する分散剤で該顔料を分散させた後、該分散剤と共重合可能なモノマーと重合開始剤を用いて水中で乳化重合されたものであることが好ましい。
また、本発明の水性インクは、水性インクの記録媒体である紙等の記録メディアに対する浸透性を高める目的で浸透剤を添加する場合があり、更にその放置安定性の確保、水性インク吐出ヘッドからの安定吐出達成等をさらに向上させる目的で保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤(浸透剤)、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート等種々の添加剤を添加する場合がある。
浸透剤はその添加により印字物の乾燥性が向上し、連続して印刷しても前の印字部分が次の媒体の裏面に転写されることがなくなるため、特に印字記録の高速化を可能とする。更に水性インクジェットプリンタ用水性インクとして使用する場合、泡立ちが少ないこと、水性インクジェットヘッドのノズル内で乾燥し難い特性を有するものが特に好適である。
このような浸透剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、グリコールエーテル類、アルキレングリコール類から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。これらの浸透剤を用いることで普通紙上のにじみを低減でき、光沢メディア上での線幅を適当な程度に調整することができる。
本発明の水性インクにおいては、浸透剤として前述のアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、グリコールエーテル類、アルキレングリコール類を、単独又は併用して使うことができ、水性インクに対する添加量は、0.01〜30重量%が好ましいが、0.1〜10重量%がより好ましい。添加量が0.01%未満では印字品質向上の効果が低くなり、30重量%を越えると水性インク吐出ヘッドのノズル周りを不均一に濡らし、安定吐出が困難になる。
その他、本発明の水性インクの浸透剤としては、同様に、前述のアルコール類、ノニオン性界面活性剤、水溶性有機溶剤、その他の界面活性剤を使用することができる。
特に、前述のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが繰り返し単位10以下のアルキレングリコールであって、炭素数3〜10のアルキルエーテルであることが好ましい。その中でも、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエ−テル、及び/又は(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルであることが好まく、前述の1,2−アルキレングリコールが1,2−ヘキサンジオール、及び/又は1,2−ペンタンジオールであることが好ましい。
また、前述のジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質の添加量が0.5%以上30%以下であることが好ましい。より好ましくは1%以上15%以下である。
そして、前述のアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤から選ばれた1種以上が0.01〜1.0%で、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上が1%以上であることが好ましい。アセチレンアルコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤から選ばれた1種以上は少量で浸透性を向上させる効果がある。従って、1.0%以下の添加量であっても、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上は1%以上添加されていることで印字品質がさらに向上する。
又、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルとはジエチレングリコールモノブチルエーテルおよび/またはトリエチレングリコールモノブチルエーテルを示すが、印字品質改良のための浸透性の必要レベルとして、20%以下の添加が好ましい。より好ましくは0.5〜10%である。
前述のアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤と(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルの比が1:0〜1:10であることが好ましい。(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルがアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤の10倍を超えると印字品質の向上効果が頭打ちでありそれ以上添加しても効果が低く、逆に粘度上昇の弊害を生じる。
ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルとはジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGmBE)および/またはトリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)を示すが、印字品質改良のための浸透性の必要レベルとして、20%以下の添加が好ましい。20%を超えると印字品質向上の効果が頭打ちであり、逆に粘度上昇の弊害が生じる。より好ましくは0.5〜10%である。
水性インクジェットのノズル面やペン先で乾燥を抑えるために水溶性のあるグリコール類としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、チオジグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、及び、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンチオール等がある。
本発明における水性インクジェット記録用水性インクは、その放置安定性の確保、水性インク吐出ヘッドからの安定吐出達成等の目的で保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート等種々の添加剤を添加する場合がある。以下、それらを例示する。
また、本発明においてはノズル前面で水性インクが乾燥して詰まることを抑制するために、多くの種類の糖類を用いることもできる。単糖類および多糖類があり、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類を用いることができる。そしてその添加量は0.05%以上で30%以下がよい。0.05%未満では水性インクがヘッドの先端で乾燥して詰まる目詰まり現象を回復させる効果は少なく、30%を超えると水性インクの粘度が上昇して適切な印字ができなくなる。一般的な糖類である単糖類および多糖類のグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等のより好ましい添加量は3〜20%である。アルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類は水性インクにしたときの粘度が高くなり過ぎない程度の添加量にする必要がある。
pH調整剤は、ヘッド部材の耐久性と水性インクの安定性の観点から、水性インクのpH値が約7〜10になる量であることが好ましい。
本発明の水性インクの諸物性は適宜制御することができるが、好ましい態様によれば、水性インクの粘度は10mPa・秒以下であるのが好ましく、より好ましくは5mPa・秒以下(20℃)である。この粘度範囲の水性インクは、水性インク吐出ヘッドから安定に吐出される。また、水性インクの表面張力も適宜制御することができるが、25〜50mN/m(20℃)であるのが好ましく、より好ましくは30〜40mN/m(20℃)である。
本発明の水性インクに前述の界面活性剤や水溶性有機溶剤を添加した場合、添加後の各物性値が安定化する迄に時間を要する場合がある。このような場合、必要に応じてインクに加熱等のエージング処理を実施しても良い。
このようなエージング処理を実施する場合の加熱温度は室温(25℃)以上で100℃以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは40℃以上80℃以下である。エージング処理を実施する時間は数分程度から数日程度の範囲であることが好ましく、より好ましくは数時間以上24時間以下の範囲である。但し、このようなエージングの処理条件は使用する顔料や樹脂の種類によっても異なる為、必要な効果が得られれば、エージング処理条件は特に限定はしない。
例えば、加熱温度を70℃、処理時間を12〜24時間程度のエージング処理を実施することで、インク各物性を安定化することができる。
本実施例で得られた各測定値(芳香環量、顔料:ポリマー比、平均粒径、表面張力)は、以下の方法で測定した。
各実施例、又は比較例で得た分散ポリマー溶液の一部を取り出し、溶媒成分を留去してポリマー成分のみを取り出し、DMSO−d6に溶解させ、13C−NMR及び1H−NMR(ブルカー社(ドイツ)製AMX400)を使用して、ポリマー中の芳香環量を測定した。
「顔料:ポリマー比の測定」
各実施例、又は比較例で得た分散液の一部を取り出し、0.1mol/l濃度HClを添加して分散体のみを酸析後、乾燥重量を測定した。次に、アセトンを用いたソックスレー抽出法で分散ポリマーのみを取り出し、乾燥重量を測定することで、顔料:ポリマーの重量比を算出した。
各実施例、又は比較例で得た水性インクの分散体濃度が0.001〜0.01重量%に(インクにより測定時の最適濃度が若干異なる為)なるようにイオン交換水で希釈し、その分散粒子の20℃における平均粒径を粒度分布計(大塚電子社製DLS−800)で測定した。
(1)分散液の製造:分散液1
本実施例1に用いる分散液1の製造には無機顔料であるカーボンブラック顔料のカラーブラックS170(デグサ・ヒュルス社製)を用いた。
まず、攪拌機、温度計、還流管および滴下ロートをそなえた反応容器を窒素置換した後、スチレン22部、α−メチルスチレン5部、ブチルメタクリレート15部、ラウリルメタクリレート10部、アクリル酸2.5部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したスチレン150部、アクリル酸15部、ブチルメタクリレート50部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部およびアゾビスイソブチロニトリル3部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作成した。
この分散ポリマー溶液の一部と取り出し、溶媒成分を留去後、全重量に対する芳香環の割合を前述の「芳香環量の測定」に記載の方法で測定したところ、分散ポリマー全重量に対する芳香環量は58%であった。
分散液1における顔料:ポリマー比は、前記「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、80:20であった。
本実施例1では、前記実施例1(1)で得た分散液1、EO変性シリコーンであるSH−3771M(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;HLB値=13)、アセチレングリコール系界面活性剤であるオルフィンE1010(日信化学工業株式会社製)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルであるジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ペンタンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体1の平均粒径(単位:nm)を示す。
また、下記本実施例1のインク組成中の「残量」として添加されるイオン交換水には、インクの腐食防止のためプロキセルXL−2(アビシア社製)、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾール、及びインク系中の金属イオンの影響を低減するためにEDTA・2Na塩を、それぞれインク全重量に対して0.05%、0.02%、0.04%となるように添加したものを用いた。
SH−3771M 0.01 %
オルフィンE1010 0.6 %
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0 %
1,2−ペンタンジオール 2.5 %
ジエチレングリコール 3.0 %
グリセリン 10.0 %
トリメチロールプロパン 6.0 %
トリプロパノールアミン 0.3 %
イオン交換水 残量
印字品質評価には圧電素子(ピエゾ素子)を使用したインクジェットヘッドによりインクを吐出するインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例1(2)で調整したインクの印字評価を実施した。
評価紙として、ヨーロッパ、アメリカおよび日本の市販されている普通の紙を使用した。具体的には(a)Conqueror紙、(b)Reymat紙、(c)Mode Copy紙、(d)Rapid Copy紙、(e)Xerox P紙、(f)Xerox 4024紙、(g)Xerox 10紙、(h)Neenha Bond紙、(i)Ricopy 6200紙、及び(j)Hammer mill Copy Plus紙を使用した。
なお、評価は目視により行い、以下の評価基準に基づいて行った。印字品質評価の結果を表2に示す。
B:5ポイント以下の文字で、わずかににじみが認められる。
C:にじみのため、5ポイント以下の文字が太く見える。
D:にじみが著しく、5ポイント以下の文字が判別できない。
前記実施例1(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、光沢メディアへに対する定着性の評価を実施した。
評価用の光沢メディアとして、ヨーロッパ、アメリカ及び日本の市販されている光沢メディアを使用した。具体的には、1)フォトプリント紙2、2)MC写真用紙( 1)、2)とも商品名、セイコーエプソン株式会社製)、3)Ink Jet Paper Photo Glossy Paper Super Photo Grade、4)Ink Jet Paper Photo Paper High Grade( 3)、4)とも商品名、富士写真フィルム株式会社製)、5)Ink Jet Photographic Quality Paper Photo Weight(商品名、コダック社製)、6)Photo like QP QP20A4GH(商品名、コニカ株式会社製)を使用した。
評価は、印刷後30分間20〜25℃/40〜60%RH下で乾燥させた印刷物を用い、指で擦った後の文字のずれ・かすれ状態を目視で観察する事により行なった。以下に評価判断基準を示す。定着性評価の結果を表3に示す。
B:わずかにずれが認められるが、実用上問題ないレベル。
C:ずれ、あるいはかすれが認められる。
D:ずれ、かすれが甚だしく、文字が判読し難い。
前記実施例1(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、35℃/20%の環境下でA4版Xerox P紙に100ページ連続印字して、印刷の乱れ具合を観察することで吐出安定性を評価した。
なお、評価は目視により行い、以下の評価基準に基づいて行った。吐出安定性評価の結果を表4に示す。
B:印刷乱れが見られたが10箇所未満である。
C:10箇所以上100箇所未満の範囲で印刷乱れがある。
D:100箇所以上印刷乱れが発生した。
前記実施例1(2)で調整したインクをガラス瓶に入れ密閉後、それぞれ60℃/1週間、−20℃/1週間放置して、放置前後におけるインクの発生異物と物性値変動(粘度)について評価した。
なお、評価は以下の評価基準に基づいて行った。保存安定性評価結果を表4に示す。
B:比が0.95〜0.99、あるいは1.01〜1.05の範囲内である(実用レベル)。
C:比が0.90〜0.95、あるいは1.05〜1.10の範囲内である。
D:比が0.90未満、あるいは1.10より大きい。
(1)分散液の製造:分散液2
本実施例2に用いる分散液2の製造には、有機顔料である不溶性モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)を用いた。それ以外は、前記実施例1(1)に記載と同様であるが、ポリマーの合成条件等を若干変更した方法により、分散体2(不溶性モノアゾイエロー顔料を芳香環量が25%であるポリマーにより包含した分散体)を20%含有する分散液2を得た。
分散液2における顔料:ポリマー比は、実施例1(1)と同様に、前述の「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、75:25であった。
本実施例2では、前記実施例2(1)で得た分散液2、EO変性シリコーンであるSH−3772M(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;HLB値=6)、アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(エアープロダクツ株式会社製)とオルフィンSTG(日信化学工業株式会社製)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルであるトリエチレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ヘキサンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
また、下記本実施例2のインク組成中において「残量」として添加されるイオン交換水には、実施例1(2)と同様に、インク全重量に対してプロキセルXL−2(アビシア社製)を0.05%、ベンゾトリアゾールを0.02%、及びEDTA・2Na塩を0.04%となるように添加したものを用いた。
SH−3772M 0.005%
サーフィノール440 0.4 %
オルフィンSTG 0.1 %
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0 %
1,2−ヘキサンジオール 2.0 %
2−ピロリドン 3.0 %
グリセリン 10.0 %
トリメチロールエタン 3.0 %
トリプロパノールアミン 0.1 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例2(2)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(4)定着性評価
前記実施例2(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記実施例2(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(6)保存安定性評価
前記実施例2(2)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(1)分散液の製造:分散液3
本実施例3に用いる分散液3の製造には、有機顔料であるキナクリドンマゼンタ顔料(C.I.ピグメントマゼンタ122)を用いた。それ以外は、前記実施例1(1)に記載と同様であるが、ポリマーの合成条件等を若干変更した方法により、分散体3(キナクリドンマゼンタ顔料を芳香環量が25%であるポリマーにより包含した分散体)を20%含有する分散液3を得た。
分散液3における顔料:ポリマー比は、実施例1(1)と同様に、前述の「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、75:25であった。
本実施例3では、前記実施例3(1)で得た分散液3、EO変性シリコーンであるSH−3773M(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;HLB値=8)、アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール104(エアープロダクツ株式会社製)、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ヘキサンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体3の平均粒径(単位:nm)を示す。
また、下記本実施例3のインク組成中において「残量」として添加されるイオン交換水には、実施例1(2)と同様に、インク全重量に対してプロキセルXL−2(アビシア社製)を0.05%、ベンゾトリアゾールを0.02%、及びEDTA・2Na塩を0.04%となるように添加したものを用いた。
SH−3773M 0.005%
サーフィノール104 0.16 %
1,2−ヘキサンジオール 3.5 %
2−ピロリドン 2.0 %
グリセリン 13.0 %
トリメチロールプロパン 8.0 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例3(2)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(4)定着性評価
前記実施例3(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記実施例3(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(6)保存安定性評価
前記実施例3(2)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(1)分散液の製造:分散液4
本実施例4に用いる分散液4の製造には、有機顔料であるフタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:4)を用いた。それ以外は、前記実施例1(1)に記載と同様であるが、ポリマーの合成条件等を若干変更した方法により、分散体4(フタロシアニンブルー顔料を芳香環量が25%であるポリマーにより包含した分散体)を20%含有する分散液4を得た。
分散液4における顔料:ポリマー比は、実施例1(1)と同様に、前述の「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、50:50であった。
本実施例4では、前記実施例4(1)で得た分散液4、EO変性シリコーンであるSH−3775M(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;HLB値=5)、アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール104(エアープロダクツ株式会社製)、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ペンタンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体4の平均粒径(単位:nm)を示す。
また、下記本実施例4のインク組成中において「残量」として添加されるイオン交換水には、実施例1(2)と同様に、インク全重量に対してプロキセルXL−2(アビシア社製)を0.05%、ベンゾトリアゾールを0.02%、及びEDTA・2Na塩を0.04%となるように添加したものを用いた。
SH−3775M 0.001%
サーフィノール104 0.16 %
1,2−ペンタンジオール 3.5 %
2−ピロリドン 2.0 %
グリセリン 13.0 %
トリメチロールプロパン 6.0 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例4(2)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(4)定着性評価
前記実施例4(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記実施例4(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(6)保存安定性評価
前記実施例4(2)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(1)分散液の製造:分散液5
本実施例5に用いる分散液5の製造には、有機顔料であるペリノンオレンジ顔料(C.I.ピグメントオレンジ43)を用いた。それ以外は、前記実施例1(1)に記載と同様であるが、ポリマーの合成条件等を若干変更した方法により、分散体5(ペリノンオレンジ顔料を芳香環量が25%であるポリマーにより包含した分散体)を20%含有する分散液5を得た。
分散液5における顔料:ポリマー比は、実施例1(1)と同様に、前述の「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、75:25であった。
本実施例5では、前記実施例5(1)で得た分散液5、EO変性シリコーンであるKF−6017(信越化学工業株式会社製;HLB値=4.5)、アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール420(エアープロダクツ株式会社製)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルであるトリエチレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ヘキサンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体5の平均粒径(単位:nm)を示す。
また、下記本実施例5のインク組成中において「残量」として添加されるイオン交換水には、実施例1(2)と同様に、インク全重量に対してプロキセルXL−2(アビシア社製)を0.05%、ベンゾトリアゾールを0.02%、及びEDTA・2Na塩を0.04%となるように添加したものを用いた。
KF−6017 0.001%
サーフィノール420 0.14 %
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0 %
1,2−ヘキサンジオール 2.5 %
2−ピロリドン 2.0 %
グリセリン 13.0 %
トリメチロールプロパン 3.0 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例5(2)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(4)定着性評価
前記実施例5(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記実施例5(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(6)保存安定性評価
前記実施例5(2)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(1)分散液の製造:分散液6
本実施例6に用いる分散液6の製造には、有機顔料であるフタロシアニングリーン顔料(C.I.ピグメントグリーン7)を用いた。それ以外は、前記実施例1(1)に記載と同様であるが、ポリマーの合成条件等を若干変更した方法により、分散体6(フタロシアニングリーン顔料を芳香環量が25%であるポリマーにより包含した分散体)を20%含有する分散液6を得た。
分散液6における顔料:ポリマー比は、実施例1(1)と同様に、前述の「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、60:40であった。
本実施例6では、前記実施例6(1)で得た分散液6、EO変性シリコーンであるKF−352A(信越化学工業株式会社製;HLB値=7)、アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノールTG(エアープロダクツ株式会社製)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルであるトリエチレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ペンタンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体6の平均粒径(単位:nm)を示す。
また、下記本実施例6のインク組成中において「残量」として添加されるイオン交換水には、実施例1(2)と同様に、インク全重量に対してプロキセルXL−2(アビシア社製)を0.05%、ベンゾトリアゾールを0.02%、及びEDTA・2Na塩を0.04%となるように添加したものを用いた。
KF−352A 0.05 %
サーフィノールTG 0.15 %
1,2−ペンタンジオール 3.0 %
2−ピロリドン 3.0 %
グリセリン 15.0 %
トリメチロールエタン 3.0 %
トリエタノールアミン 0.1 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例6(2)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(4)定着性評価
前記実施例6(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記実施例6(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(6)保存安定性評価
前記実施例6(2)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(1)分散液の製造:分散液7
本実施例7に用いる分散液7の製造には、有機顔料であるベンズイミダゾロンブラウン顔料(C.I.ピグメントブラウン32)を用いた。それ以外は、前記実施例1(1)に記載と同様であるが、ポリマーの合成条件等を若干変更した方法により、分散体7(ベンズイミダゾロンブラウン顔料を芳香環量が25%であるポリマーにより包含した分散体)を20%含有する分散液7を得た。
分散液7における顔料:ポリマー比は、実施例1(1)と同様に、前述の「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、75:25であった。
本実施例7では、前記実施例7(1)で得た分散液7、EO変性シリコーンであるSH−3773MおよびKF−3017、アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール420(エアープロダクツ株式会社製)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルであるトリエチレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ヘキサンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体7の平均粒径(単位:nm)を示す。
また、下記本実施例7のインク組成中において「残量」として添加されるイオン交換水には、実施例1(2)と同様に、インク全重量に対してプロキセルXL−2(アビシア社製)を0.05%、ベンゾトリアゾールを0.02%、及びEDTA・2Na塩を0.04%となるように添加したものを用いた。
SH−3773M 0.003%
KF−3017 0.002%
サーフィノール420 0.14 %
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 1.0 %
1,2−ヘキサンジオール 2.5 %
2−ピロリドン 2.0 %
グリセリン 8.0 %
トリメチロールプロパン 10.0 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例7(2)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(4)定着性評価
前記実施例7(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記実施例7(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(6)保存安定性評価
前記実施例7(2)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(1)分散液の製造:分散液8
本実施例8に用いる分散液8の製造には、有機顔料であるキナクリドンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット19)を用いた。それ以外は、前記実施例1(1)に記載と同様であるが、ポリマーの合成条件等を若干変更した方法により、分散体8(キナクリドンバイオレット顔料を芳香環量が25%であるポリマーにより包含した分散体)を20%含有する分散液8を得た。
分散液8における顔料:ポリマー比は、実施例1(1)と同様に、前述の「顔料:ポリマー比の測定」に記載の方法で測定した結果、80:20であった。
本実施例8では、前記実施例8(1)で得た分散液8、EO変性シリコーンを約8%含有するFormBan MS−575(Ultra Addives Inc.製;含有EO変性シリコーンのHLB値=5)、アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール104(エアープロダクツ株式会社製)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルであるトリエチレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−アルキレングリコールである1,2−ヘキサンジオールを使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体8の平均粒径(単位:nm)を示す。
また、下記本実施例8のインク組成中において「残量」として添加されるイオン交換水には、実施例1(2)と同様に、インク全重量に対してプロキセルXL−2(アビシア社製)を0.05%、ベンゾトリアゾールを0.02%、及びEDTA・2Na塩を0.04%となるように添加したものを用いた。
FormBan MS−575 0.005%
サーフィノール104 0.16 %
1,2−ヘキサンジオール 3.0 %
2−ピロリドン 2.0 %
グリセリン 15.0 %
トリメチロールプロパン 5.0 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記実施例8(2)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(4)定着性評価
前記実施例8(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記実施例8(4)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(6)保存安定性評価
前記実施例8(2)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(1)インクの調整
本比較例1では、EO変性シリコーンであるSH−3771Mを除いた以外は、実施例1と同様の成分を使用した。具体的な組成を以下に示す。
なお、<>内の値は前記「平均粒径の測定」に記載の方法により測定した分散体1の平均粒径(単位:nm)を示す。
オルフィンE1010 0.6 %
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0 %
1,2−ペンタンジオール 2.5 %
ジエチレングリコール 3.0 %
グリセリン 10.0 %
トリメチロールプロパン 6.0 %
トリプロパノールアミン 0.3 %
イオン交換水 残量
前記実施例1(3)と同様にインクジェットプリンタPX−V700(セイコーエプソン株式会社製)を使用して、前記比較例1(1)で調整したインクについて、前記実施例1(3)と同様の評価紙を用いて、前記実施例1(3)と同様の評価基準により印字品質評価を行った。なお、評価の結果は表2に示す。
(3)定着性評価
前記比較例1(2)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(4)と同様の光沢メディアを用いて、前記実施例1(4)と同様の評価基準により定着性評価を行った。なお、評価の結果は表3に示す。
前記比較例1(3)と同様のプリンタ、及びインクを使用して、前記実施例1(5)と同様の評価方法で、前記実施例1(5)と同様の評価基準により吐出安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
(5)保存安定性評価
前記比較例1(1)で調整したインクについて、前記実施例1(6)と同様の評価方法で、前記実施例1(6)と同様の評価基準により保存安定性評価を行った。なお、評価の結果は表4に示す。
Claims (2)
- 着色剤をポリマーで包含して水に分散可能にした分散体を含む水性インクであって、該ポリマー中の芳香環の量が該ポリマーの20重量%以上70重量%以下であり、
さらに下記式の骨格を有しEOとSiのモル%比(EO/Si)が0.8〜1.5である化合物を含有し、
アセチレングリコール系界面活性剤を含むことを特徴とする、水性インク(但し、前記化合物を0.0004〜0.05重量%含有する場合を除く)。
- 請求項1に記載の水性インクを備えることを特徴とする記録装置。
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