JP2005336496A - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】 色濃度が高く、再生紙に対しても滲みが少ない印字が可能なインクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 水溶性色材、水溶性有機溶剤、水、および下記式(II)で表される化合物を少なくとも含んでなる、インクジェット記録用インク。
【化1】
Figure 2005336496

(上記式中、
21およびR22のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであり、R23およびR24のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであるが、
但しR21、R22、R23、およびR24は同時にすべてがHを表すことはなく、
21およびR22のいずれか一方がHであるときR23およびR24はともにHであり、
21およびR22がともにHであるときR23およびR24の少なくとも1つはCHであり、
25はC4-10アルキル基を表し、
mとnは2≦m+n≦6を満足する)
【選択図】 なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、種々の記録媒体、例えば、普通紙、再生紙、あるいはコート紙に対して高い印字品質が得られるインクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法に関するものである。
背景従来
インクジェット記録は、微細なノズルからインク組成物を小滴として吐出して、文字や図形を記録媒体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を断続的に吐出して記録体媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法などが開発、実用化されている。
このようなインクジェット記録に用いられるインク組成物には、印字の乾燥性が良いこと、印字の滲みが少ないこと、種々の記録媒体に良好な印字が行えること、多色印字の場合に色が混じり合わないこと、などの特性が要求される。
とりわけ、滲みを抑制することが高品質の画像を実現するために重要である。紙は種々の浸透性の異なる繊維からなるため滲みやすい。特に、再生紙は種々の種類の繊維からなるため、その繊維の浸透性は種々異なる。よって、滲みを抑制するためにインク組成物の記録媒体への浸透性を抑制するあるいは乾燥性を良好にするため種々の提案がなされている。
例えば、特公平2−2907号公報記載のように湿潤剤としてグリコールエーテルを用いること、特公平1−15542号公報記載のように水溶性有機溶剤を用いること、および特公平2−3837号公報記載のように染料の溶解促進剤としてグリコールエーテルを用いること、が開示されている。
また、インクジェット記録用インクの浸透性を向上させるため、米国特許第5156675号明細書記載のようにジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加すること、米国特許第5183502号明細書記載のようにアセチレングリコール系の界面活性剤であるサーフィノール465(日信化学製)を添加すること、あるいは米国特許第5196056号明細書記載のようにジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルとサーフィノール465の両方を添加すること、さらには米国特許第2083372号明細書の記載ではジエチレングリコールのエーテル類をインク組成物として用いること、などが検討、教示されている。なお、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルは当業者にはブチルカルビトールという名称で呼ばれており、例えば米国特許第3291580号明細書にその内容が記載されている。
インク組成物として顔料を用いた場合に、インク組成物の浸透性を制御する手法として、特開昭56−147861号公報記載のように顔料にトリエチレングリコールモノメチルエーテルを用いることや、特開平9−111165号公報記載のように顔料にエチレングリコール、ジエチレングリコール、あるいはトリエチレングリコールのエーテル類を用いること等、が開示されている。
一方、加熱された記録媒体にインク組成物を印字して、溶媒成分を急速に蒸発させ、速やかにインク組成物を定着させる方法も提案されている、しかしながら、加熱により記録媒体、特に紙、に悪影響を与えるおそれがある。また、この方法は加熱による消費電力の増大という不利益も伴うものである。
発明の概要
本発明者等は、今般、特定構造の化合物を含んだインク組成物がインクジェット記録方法により種々の記録媒体、とりわけ再生紙において、乾燥性がよく、また滲みの少ない良好な画像を実現できるという、知見を得た。
よって、本発明は種々の記録媒体、とりわけ普通紙において良好な画像を実現できるインク組成物の提供を、その目的としている。
そして、本発明によるインクジェット記録用インクは、水溶性色材、水溶性有機溶剤、水、および下記式(II)で表される化合物を少なくとも含んでなるものである。
Figure 2005336496
(上記式中、R21およびR22のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであり、R23およびR24のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであるが、但しR21、R22、R23、およびR24は同時にすべてがHを表すことはなく、R21およびR22のいずれか一方がHであるときR23およびR24はともにHであり、R21およびR22がともにHであるときR23およびR24の少なくとも1つはCHであり、R25はC4-10アルキル基を表し、mとnは2≦m+n≦6を満足する)
発明の具体的な説明
インクジェット記録用インク
本発明におけるインクジェット記録用インクとは、モノクロ印字を行う場合にはブラックインクを意味し、さらにカラー印字を行う場合にはカラーインク、具体的にはイエローインク、マゼンタインク、およびシアンインク、更に場合によってブラックインクを意味するものとする。
本発明において用いられるインクジェット用インクは、水溶性色材、水溶性有機溶媒、水、および式(II)で表される化合物を含んでなるものである。
式(II)の化合物
上記式(II)の化合物を含んでなる本発明によるインク組成物によれば、種々の記録媒体、とりわけ普通紙、特に再生紙、においても乾燥性がよく、滲みの少ない良好な品質の画像を実現することができる。上記式(II)の化合物は、インク組成物において界面活性剤として機能しているものと思われる。そしてこれら化合物の添加によって、インク組成物の記録媒体への浸透性を、良好な乾燥性を与え、滲みを抑制するのに適切な範囲におくことができるものと考えられる。更に、上記化合物の添加によって、安定なインクジェット記録が行えるとの利点をも得ることができる。
式(II)中、R21およびR22のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであり、R23およびR24のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであるが、但しR21、R22、R23、およびR24は同時にすべてがHを表すことはなく、R21およびR22のいずれか一方がHであるときR23およびR24はともにHであり、R21およびR22がともにHであるときR23およびR24の少なくとも1つはCHであり、R25はC4-10アルキル基を表し、直鎖状または分枝鎖状のいずれであってもよく、好ましくは分枝鎖状のものである。
mとnは2≦m+n≦6を満足し、インクの低粘度性を図るため好ましくは2≦m+n≦3を満足する。
式(II)で表される化合物として好ましい例としては、R21がHを表し、R22がメチルを表し、R23がHを表し、R24がメチルを表し、R25がブチルを表し、m+nが3である化合物、R21がHを表し、R22がメチルを表し、R23がメチルを表し、R24がHを表し、R25がブチルを表し、m+nが2である化合物、R21がメチルを表し、R22がHを表し、R23がメチルを表し、R24がHを表し、R25がブチルを表し、m+nが6である化合物、等が、挙げられる。
また、式(II)で表される化合物の利用により、インク組成物の粘度を低く保つことができるとの利点が得られる。インク組成物を低粘度におくことができる結果、インク組成物中の色材の添加量を増加させることができる。これによってより印字濃度の高い画像を得ることができる。
本発明におけるインクジェット記録用インクにおいては、式(II)の化合物の添加量は0.5〜30重量%の範囲が好ましい。
水溶性色材
本発明におけるインクに含まれる水溶性色剤は、染料、顔料のいずれであってもよい。
染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、などインクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
本発明において好ましく用いられる顔料とは、その表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン基の少なくとも一種の官能基またはその塩が結合するような表面処理により、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能とされたものである。具体的には、真空プラズマなどの物理的処理や化学的処理により、官能基または官能基を含んだ分子をカーボンブラックに表面にグラフトさせることによって得ることができる。本発明において、一つのカーボンブラック粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類およびその程度は、インク組成物中の分散安定性、色濃度、およびインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。
本発明において、顔料が分散剤なしに水中に安定に存在している状態を「分散剤および/または溶解」と表現する。物質が溶解しているか、分散しているのかを明確に区別することが困難な場合も少なくない。本発明にあっては、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料である限り、その状態が分散か、溶解かを問わず、そのような顔料を利用することが可能である。よって、本明細書において、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料を水溶性顔料ということがあるが、顔料が分散状態にあるものまでも排除することを意味するものではない。
本発明の好ましい態様によれば、平均粒径50〜200nmで分散度10以下を有する顔料分散液として利用されるのが好ましい。
本発明において好ましく用いられる上記顔料は、例えば特開平8−3498号公報記載の方法によって得ることができる。また、上記顔料として市販品を利用することも可能であり、好ましい例としてはオリエント化学工業株式会社製のマイクロジェットCW1が挙げられる。
インク組成物への顔料の添加量は、3〜30重量%が好ましく、より好ましくは5〜17重量%程度である。
水溶性有機溶媒
本発明によるインク組成物に含まれる水溶性有機溶媒の例としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどが挙げられる。
インク組成物への水性有機溶剤の添加量は、1〜30重量%が好ましく、より好ましくは3〜15重量%程度である。
水およびその他の成分
本発明によるインク組成物において、水は主溶媒である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本発明における好ましい態様によれば、インクには水溶性のグリコール類を添加することが好ましい。水溶性のグリコール類の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどがある。水溶性のグリコール類は、インクのノズル前面での乾燥を抑える効果がある。
インク組成物へのグリコール類の添加量は、1〜30重量%が好ましく、より好ましくは3〜15重量%程度である。
本発明における好ましい態様によれば、インクには多くの種類の糖類を用いることもできる。用いる糖類の好ましい例は、単糖類および多糖類があり、より具体的にはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類などがある。この糖類のインクへの添加量は0.05%〜30%程度が好ましい。
糖類を添加することでインクがヘッドの先端で乾燥して詰まるという目詰まり現象を回避することができる。なお。上記例の中で一般的な糖類である単糖類および多糖類のインクへの添加量は3〜20%程度が好ましい。また上記例の中でアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類のインクへの添加量は、インクの低粘度性を保持し適切な印字ができる程度の添加量にする必要がある。
また、本発明における好ましい態様によれば、インク組成物は界面活性剤を含んでなることができる。界面活性剤はインク組成物の他の成分との相溶性のよいものが好ましく、界面活性剤のなかでも浸透性が高く安定なものがよい。その好ましい例としては、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などが挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などが挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤などが挙げられる。また、アセチレングリコール系の界面活性剤の利用も可能であり、例えばサーフィノール465、TG、104(エアープロダクツ社)およびそれらの変成物を添加することができる。界面活性剤の添加により、インク組成物の浸透性をさらに効率よく制御することができ、また上記式式(II)の化合物の水溶性を向上させることができるとの利点が得られる。
インク組成物への界面活性剤の添加量は、0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%程度である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による水溶性色材が顔料の場合、さらにインクにエマルジョンを含んでなるのが好ましい。このエマルジョンの添加によって印字の定着性および耐擦性を改善することが出来る。このエマルジョンは、連続相が水であり、分散相がアクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂あるいはこれらの混合形であるものが好ましい。特に、分散相がアクリル酸および/またはメタクリル酸を主成分とする樹脂からなるのが好ましい。これら樹脂は、共重合の態様によっては制限されず、例えばブロックコポリマ、ランダムコポリマなどであることができる。さらに本発明によるインクに用いられるエマルジョンは、膜形成能を有し、好ましくは室温以下の最低造膜温度を有するものであることが好ましく、より好ましくは0℃以上20℃以下の温度である。
本発明の好ましい態様によれば、エマルジョンの樹脂成分は、コア部とそれを取り巻くシェル部からなるコアシェル型構造の樹脂粒子であるのが好ましい。例えば、コア部にインクの指触性や定着性を向上できる樹脂成分を導入し、シェル部に樹脂粒子をインク中に安定に存在させる樹脂成分を導入するとの構成を採用することが出来る。本発明の好ましい態様によれば、シェル部は架橋構造またはコア部よりベンゼン核の多い構造を有する樹脂からなるのが好ましい。
シェル部を形成する物質としては、スチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ブチルメタクリレート、(α、2、3または4)−アルキルスチレン、(α、2、3または4)−アルコキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイモルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールのエチルエステル、プロピルエステルまたはブチルエステルの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、含フッ素、含塩素、含硅素(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド等が挙げられる。
また上記の(メタ)アクリル酸に加え,架橋構造を導入する場合、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
また、コア部の形成においても前述のシェル部を形成する物質を用いることができる。
このような高分子微粒子を形成するために用いる乳化剤としては、慣用されているラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリ、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および両性界面活性剤を用いることができる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸水素、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなとを用いることができる。
重合のための連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、ジペンテン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテン等を用いることができる。
本発明の好ましい態様によれば、エマルジョンの分子量は1000以上であるのが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000程度である。
本発明において用いられるエマルジョンとして市販品を利用することも可能であり、例えば三井東圧社製のZ116を挙げることができる。
このエマルジョンの添加量は適宜決定されてよいが、例えば0.5〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜5重量%程度である。
本発明によるインク組成物は、上記以外の成分として、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤、ノズルの目詰まり防止剤等をさらに含んでなることができる。
また、本発明においては、インクに防腐剤または防かび剤として安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンゾチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などを用いることができる。
インクにpH調整剤、溶解助剤、または酸化防止剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩などを用いることができる。酸化防止剤および紫外線吸収剤の例としてはチバガイギーのTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024など、あるいはランタニドの酸化物などが挙げられる。粘度調整剤として、ロジン類、アルギン酸類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、アラビアゴムスターチなどを用いることができる。
インクジェット記録方法およびその装置
本発明によるインク組成物が用いられるインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、この液滴を記録媒体に付着させて印字を行う記録方法を意味する。このようなインクジェット記録方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録体媒体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、電歪素子を用いたインクジェット記録方法に好ましく用いられる。ヘッド部を加熱する方法ではインクに含まれる色剤やその他の成分が分解されてヘッドが詰まりやすくなってしまうおそれがあるからである。
本発明によるインクのように顔料を着色剤としうる固形物の量が比較的多いインクでは、長時間吐出しないノズルはノズル前面でインクが乾燥して増粘し易く印字が乱れる現象がでやすい。そこで、インクをノズルの前面で吐出しない程度に微動させることによって、インクが攪袢されてインクの吐出を安定的に行なうことができる。微動方法としてはインクを吐出する加圧手段をインクが吐出しない程度に加圧制御することにより生成できる。この様な制御を行う場合、加圧手段として電歪素子を用いるのが、その制御の容易さゆえ好ましい。また、この機構を用いることで、インク中の顔料濃度を多くすることができるので、顔料インクで色濃度が高く、しかも安定的にインクを吐出することが可能になる。
また、インクジェット記録装置においてノズル面において上記微動を行なう場合、顔料の含有量が5%〜15重量%程度のインク組成物に対して効果的であり、より好ましくは7%〜10重量%程度のインク組成物である。
また、本発明によるインク組成物は、ポリウレタンフォームを充填し、インクとウレタンフォームが接する構造とされたインクタンクに充填されて利用に共されてよい。この場合、ウレタンフォームには本発明で用いるとよいとするグリコールエーテル類やアセチレングリコール系の界面活性剤が吸着される。したがって、その吸着される量を考慮して過剰に添加してくことがよい。また、ウレタンフォームは本発明によるインク組成物を用いることによって負圧を確保することができ、しかも、本発明で用いるインクの各成分によって分解されたり異物を発生させて目詰まりの要因となることが少ない。このウレタンフォームの硬化触媒には金属塩やカチオン系を含むものは用いず、トリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと平均分子量300から3000程度のポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオールなど複数のヒドロキシ基を有する物質からなるウレタンフォームを用いることがフォーム形状の安定性による負圧確保、および化学的安定性の観点から好ましい。
なお、アセチレングリコール系界面活性剤を利用する際、ポリウレタンフォームはアセチレングリコール系界面活性剤の一部を吸着する。従って、アセチレングリコール系界面活性剤をインク組成物に添加する場合には、ウレタンフォームに吸着される量を考慮してインク組成物の組成を決定する必要がある点で留意が必要である。
さらに本発明の好ましい態様によれば、インク液滴を吐出するノズルとして、撥水性表面の先端を有するノズルを用いて、本発明によるインク組成物が印刷されることが好ましい。より具体的には、ノズルの先端が、ステンレス材を基材とし、その上にテトラフルオロエチレンとニッケルとの共析メッキを施し熱処理を行って撥水層を形成させた構造とされたものが好ましい。また、ニッケルに代えて、クロム、チタン、金、白金、銀、イリジウムなどの耐酸化性の高い金属との共析メッキの利用も好ましい。本発明によるインク組成物と、このようなノズルを組み合わせることで長期間安定した連続印字を実現することができる。
本発明のより好ましい態様によれば、インク組成物のノズルの先端の撥水性表面に対する接触角が、通常のプリンタの運転温度(例えば、15℃から60℃)において、50°以上であることが好ましい。この態様によれば、印字品質の向上とさらに連続印字が可能となる。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
インク組成物の調製
以下の実施例おける水溶性顔料1〜4は、粒径10〜300nmで分散度10以下のカーボンブラックに、特開平8−34981号公報に記載の方法を適用して得た、その表面に末端がカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン基などを有する基を有した水溶性顔料を意味する。また、水溶性顔料の平均粒径はカッコ内にnm単位で示される通りであった。
また、以下の実施例における式(IV)で示される水溶性染料および式(V)で示される水溶性染料とは、下記の式(IV)または式(V)で示されるものである。
Figure 2005336496
(上記式中、
DはPO(OM)またはCOOMを表し、
XまたはYは、独立して、それぞれアルコキシ基またはアルキル基を表し、
Mはアルカリ金属、H、NH4、または有機アミンを表す)
Figure 2005336496
(上記式中、
Mはアルカリ金属、H、NH4、または有機アミンを表し、
mは1または2の整数であり、
nは0または1の整数である)
以下の記載において、下記の略号を使用する。
DEGmBE:ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
DMI:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
PGmBE:プロピレングルコールモノ−n−ブチルエーテル
MPD:2−メチル−2,4−ペンタンジオール
DPGmBE:ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
TEGmBE:トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
また、以下の記載において、エマルジョンとは、高分子微粒子に水を分散させた樹脂エマルジョンのことであり、以下のようにして作成する。
滴下装置、温度計、水冷却式還流コンデンサー、および攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、撹拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加した。イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、スチレン10部、テトラヒドロフルフリルアクリレート2部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカブタン0.02部を入れたモノマー溶液を調製し、この溶液を反応容器に70℃で滴下させて1次物質を作成した。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル10部、ラウリル硫酸カリ0.2部、スチレン30部、ブチルメタクリレート15部、ブチルアクリレート16部、アクリル酸3部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート1部、t−ドデシルメルカブタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた。その後、アンモニアで中和し、pH8〜8.5とし、0.3μmのフィルターでろ過して、高分子微粒子水溶液をエマルジョンとして得た。
また、以下の全てのインク組成物には、インクの腐食防止のためプロキセルXL−2を0.1から1%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.001から0.05%添加した。
実施例B
実施例B1 添加量(重量%)
水溶性顔料1(105) 5.0
式(II)の化合物1 8.0
エマルジョン 3.0
グリセリン 6.0
1,5−ペンタンジオール 5.0
トリエタノールアミン 0.8
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物1は、R21およびR22が共にHであり、R23およびR24の一方がメチル基であり他方がHであり、R25がブチル基であり、m+nが2である化合物である。
実施例B2 添加量(重量%)
水溶性顔料2(85) 4.5
式(II)の化合物2 10.0
エマルジョン 3.0
ジプロピレングリコール 5.0
サーフィノール465 1.2
トリエタノールアミン 0.1
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物2は、R21およびR22の一方がメチル基であり他方がHであり、R23およびR24が共にHであり、R25がブチル基であり、m+nが2である化合物である。
実施例B3 添加量(重量%)
水溶性顔料3(90) 5.5
式(II)の化合物3 10.0
エマルジョン 10.0
プロピレングリコール 7.0
トリエチレングリコール 3.0
1,6−ヘキサンジオール 5.0
水酸化カリウム 0.1
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物3は、R21およびR22が共にHであり、R23およびR24のうち1つがメチル基で他方がHであり、R25がブチル基である化合物と、R21およびR22の一方がメチル基であり他方がHであり、R23およびR24がHであり、R25がブチル基である化合物との混合物であり、m+nの平均値が2であるものである。
実施例B4 添加量(重量%)
水溶性顔料4(80) 5.0
水溶性染料B1 1.0
式(II)の化合物4 8.0
エマルジョン 1.0
トリプロピレングリコール 2.0
ジメチル−2−イミダゾリジノン 2.0
安息香酸ナトリウム 0.1
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物4は、R21およびR22が共にHであり、R23およびR24の一方がメチル基であり他方がHであり、R25がブチル基である化合物と、R21およびR22の一方がメチル基であり他方がHであり、R23およびR24がともにHであり、R25がブチル基である化合物との混合物であり、m+nの平均値が3であるものである。また、水溶性染料B1は、式(IV)で表される化合物であって、AがCOOKであり、XおよびYがメチル基であり、Mがカリウムである化合物である。
実施例B5 添加量(重量%)
水溶性顔料1(105) 3.0
水溶性染料B2 1.0
式(II)の化合物5 7.0
エマルジョン 1.0
トリエタノールアミン 0.9
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物5は、R21およびR22が共にHであり、R23およびR24の一方がメチル基であり他方がHであり、R25がブチル基である化合物と、R21およびR22の一方がメチル基であり他方がHであり、R23およびR24が共にHであり、R25がブチル基である化合物との混合物であり、m+nの平均値が4であるものである。また、水溶性染料B2は、式(IV)で表される化合物であって、AがCOONaであり、XおよびYがメチル基であり、Mがナトリウムである化合物である。
実施例B6 添加量(重量%)
水溶性染料2 5.0
式(II)の化合物6 6.0
グリセリン 15.0
トリエタノールアミン 0.9
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物6は、R21およびR22が共にHであり、R23およびR24の一方がメチル基であり他方がHであり、R25がブチル基である化合物と、R21およびR22の一方がメチル基であり他方がHであり、R23およびR24が共にHであり、R25がブチル基である化合物との混合物であり、m+nの平均値が2.5であるものである。また、水溶性染料2は式(V)で表される化合物であって、mが1であり、nが1であり、Mがカリウムである化合物である。
実施例B7 添加量(重量%)
ダイレクトブルー86 5.0
式(II)の化合物7 10.0
グリセリン 5.0
トリメチロールプロパン 5.0
トリメチロールエタン 5.0
サーフィノール465 1.0
トリエタノールアミン 0.1
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物7は、R21およびR22が共にHであり、R23およびR24の一方がメチル基であり他方がHであり、R25がブチル基である化合物と、R21およびR22の一方がメチル基であり他方がHであり、R23およびR24が共にHであり、R25がブチル基である化合物の混合物であり、m+nの平均値が6であるものである。
実施例B8 添加量(重量%)
アシッドレッド52 5.5
式(II)の化合物8 6.0
ジエチレングリコール 5.0
テトラプロピレングリコール 5.0
イオン交換水 残量
上記式(II)の化合物8は、R21およびR22が共にHであり、R23およびR24の一方がメチル基であり他方がHであり、R25がブチル基であり、m+nが3である化合物である。
比較例B
以下の比較例において、顔料分散液とは、ランダム共重合型スチレンアクリル酸を分散剤として用いて分散させたカーボンブラックを意味し、その平均粒径はかっこ中にnm単位で示される通りであった。
比較例B1 添加量(重量%)
顔料分散液(90) 5.0
グリセリン 10.0
分散剤 3.0
非イオン系界面活性剤 1.0
イオン交換水 残量
比較例B2 添加量(重量%)
フードブラック2 5.5
DEGmME 7.0
ジエチレングリコール 10.0
2−ピロリドン 5.0
イオン交換水 残量
比較例B3 添加量(重量%)
水溶性顔料11(110) 5.5
フードブラック2 2.5
ジエチレングリコール 10.0
非イオン系界面活性剤 1.0
イオン交換水 残量
印字評価試験
上記の実施例B1〜8および比較例B1〜3のインク組成物について、実施例A1〜8および比較例B1〜3と同様にして得られた印刷物のにじみを評価した。その結果は下記の表に示されるとおりであった。
Figure 2005336496

Claims (14)

  1. 水溶性色材、水溶性有機溶剤、水、および下記式(II)で表される化合物を少なくとも含んでなる、インクジェット記録用インク。
    Figure 2005336496
    (上記式中、
    21およびR22のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであり、R23およびR24のいずれか一方がHであり他方がCHまたはHであるが、
    但しR21、R22、R23、およびR24は同時にすべてがHを表すことはなく、
    21およびR22のいずれか一方がHであるときR23およびR24はともにHであり、
    21およびR22がともにHであるときR23およびR24の少なくとも1つはCHであり、
    25はC4-10アルキル基を表し、
    mとnは2≦m+n≦6を満足する)
  2. 式(II)で表される化合物の添加量が0.5〜30重量%である、請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 水溶性色材が水溶性染料および/または水に分散可能な水溶性顔料である、請求項1または2に記載のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 水溶性色材が水溶性顔料の場合に、さらにエマルジョンを含んでなる、請求項3に記載のインクジェット記録用インク。
  5. エマルジョンの添加量が1〜10重量%である、請求項4に記載のインクジェット記録用インク。
  6. エマルジョンがコア部とそれを取り巻くシェル部からなるコアシェル型構造を有し、かつシェル部が架橋した樹脂からなるものである、請求項4または5に記載のインクジェット記録用インク。
  7. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜6記載のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
  8. インク組成物の液滴を、撥水性表面を有するノズルの先端から吐出する、請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 撥水性表面を有するノズルの先端がテトラフルオロエチレンと耐酸化性金属との共析メッキ表面を有するものである、請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. ノズルの先端の撥水性表面に対して接触角が50°以上であるインクジェット記録用インクを用いる、請求項8または9に記載のインクジェット記録方法。
  11. インク組成物の液滴の吐出が電歪素子によって行われ、かつインク組成物を吐出しないとき、前記電歪素子がノズルからインク組成物の液滴を吐出しない程度に微動させる、請求項7〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 水溶性色材の添加量を3〜15重量%の範囲で含んでなるインク組成物を用いる、請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. ポリウレタンフォームが充填されたインクカートリッジに収納されたインクを組成物用いる、請求項7〜12のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 請求項7〜13のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法によって記録が行われた、記録物。
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