JP4069430B2 - インクジェット記録方法およびそのためのインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびそのためのインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、普通紙およびインクジェット記録専用記録媒体のいずれに対しても高い品質の印刷画像が得られるインクジェット記録方法およびそれを実施するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
背景技術
インクジェット記録は、微細なノズルからインクを小滴として吐出して、文字や図形を被記録体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
【0003】
このようなインクジェット記録に用いられるインクには種々の特性が要求されている。例えば、印刷の乾燥性がよいこと、印刷のにじみがないこと、種々の記録馬体に均一に印字できること、多色印刷の場合色が混じり合わないこと、印刷物の耐水性および耐光性が良好なことなどが挙げられる。
【0004】
さらにインクジェット記録方法にあっては、種々の記録媒体において良好な画像が実現できることが重要である。特に、インクジェット記録方法に最適化させて製造されたインクジェット記録専用記録媒体においても、また安価で入手が容易な普通紙においても良好な画像が実現できることが望まれている。従来、普通紙において良好な品質の画像を実現するため、例えば特開平3−41171号公報には、記録媒体へ浸透し難いブラックインクと記録媒体へ浸透し易いカラーインクを用いることが提案されている。また、同様に普通紙において良好な品質の画像を実現するため、特開平6−128514号公報には、分子内にカルボキシル基若しくはその無水物またはスルホン基を1つ以上有する水溶性樹脂を含有する第一の液体を付着させた後、この液体の付着部分に染料を含むインクを含有させる記録方法が提案されている。
【0005】
また、着色剤として顔料を用いたインク組成物も種々提案されている。顔料を着色剤とすることによって、普通紙において良好な画像を実現しようとするものである。しかしながら、普通紙において高品質を求めると、インクジェット記録専用記録媒体において高品質の画像が実現し難くなることが観察された。
【0006】
【発明の概要】
そこで本発明は、普通紙とインクジェット記録専用記録媒体のいずれにも良好な画像が実現できるインクジェット記録方法およびそのためのインクジェット記録装置のを提供しようとするものである。
【0007】
本発明によるインクジェット記録方法は、
インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、
顔料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物と、
染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物とを用い、
前記記録媒体が光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体であるとき、染料を着色剤として含んでなるインク組成物のみを前記記録媒体に印刷し、
前記記録媒体が普通紙であるとき、インク組成物として顔料を着色剤として含んでなるインク組成物と染料を着色剤として含んでなるインク組成物とを重ねて印刷するものである。
【0008】
本発明によるインクジェット記録方法によれば、普通紙において黒の濃度をより高くでき、更にカラーインクとのブリード発生の無い高画質を与えることができ、かつ光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体において彩度の高い、再現範囲の良好な画質を与えることができる。
【0009】
【発明の具体的説明】
定義
本発明において「普通紙」とは、広範な市販の紙、とりわけ静電コピーに用いられる紙であって、インクジェット記録方法の用途に最適化された構造、組成、または特性を意図して製造されていない紙を意味する。このような記録媒体の例としては、上質紙、PPC用紙などが挙げられる。
【0010】
また、本発明において、「光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体」とは、基材上に、顔料および結着剤を主成分として形成された層を有し、この層が記録媒体に光沢を付与し、あるいはインク組成物を吸収し、定着させる機能を有するものを意味する。顔料の例としては、コロイダルシリカ、アモルファスシリカ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、アルミナ、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、ルチル、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ゼオライト、ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。またバインダーの例としては、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、無水マレイン酸樹脂、スチレンブタジエン樹脂、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体等の重合体または共重合体が挙げられる。顔料と結着剤とを混合し、この混合物を基材(例えば、紙、樹脂板など)に塗布し、乾燥させて層とする。さらに、光沢層の場合は、光沢感を出すためにカレンダー処理、キャスト法、湿油状態の加熱鏡面による圧接乾燥処理を行う。また、インク受容層上に光沢感のある樹脂を塗布することで光沢層を得てもよい。
【0011】
インク組成物
本発明によるインクジェット記録方法にあっては、少なくとも二種類のインク組成物を用いる。
【0012】
顔料を含むインク組成物
その第一のインク組成物は、顔料を着色剤として含むインク組成物である。顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0013】
本発明の好ましい態様によれば、これらの顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。
【0014】
本発明のさらに好ましい態様によれば、顔料として、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能なものを利用することが好ましい。この顔料は、その表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン基の少なくとも一種の官能基またはその塩が結合するような表面処理により、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能とされたものである。具体的には、真空プラズマなどの物理的処理や化学的処理(例えば、次亜塩素酸、スルホン酸などによる酸化処理)により、官能基または官能基を含んだ分子をカーボンブラックの表面にグラフトさせることによって得ることができる。本発明において、一つのカーボンブラック粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類およびその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、およびインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されていよい。
【0015】
本発明において、顔料が分散剤なしに水中に安定に存在している状態を「分散および/または溶解」と表現する。物質が溶解しているか、分散しているのかを明確に区別することが困難な場合も少なくない。本発明にあっては、分散剤なしに水中に安定に存在いうる顔料である限り、その状態が分散か、溶解かを問わず、そのような顔料を利用可能である。よって、本明細書において、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料を水溶性顔料ということがあるが、顔料が分散状態にあるものまでも排除することを意味するものではない。
【0016】
本発明において好ましく用いられる上記顔料は、例えば特開平8−3498号公報記載の方法によって得ることが得きる。この公報記載の方法によって処理されたカーボンブラックは、その表面活性水素含有量が1.5〜2.5mmol/gと高い値を示す。その結果、水に極めてよく分散する。また、上記顔料として市販品を利用することも可能であり、好ましい例としてはオリエント化学工業株式会社製のマイクロジェットCW1または2が挙げられる。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、平均粒径50〜200nmの顔料の利用が好ましい。
【0018】
顔料の添加量は十分な画像濃度が実現できる範囲で適宜決定されてよいが、0.5〜15重量%程度の範囲で添加されるのが好ましい。この範囲であれば、普通紙での印字濃度、耐擦性、指触性を充分満足し、長短期の目詰り性、保存性等をバランスよく満足できる。
【0019】
本発明の好ましい態様によれば、顔料を含むインク組成物は、グリセリンを含んでなるのが好ましい。グリセリンの添加は記録ヘッドのノズル前面でのインク組成物の乾燥を有効に防止し、ノズルの目詰まりを防ぐ。グリセリンの添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物の粘度を勘案して1重量%以上20重量%未満が好ましく、より好ましくは3〜15重量%程度である。
【0020】
また、本発明の別の好ましい態様によれば、顔料を含むインク組成物は、2−ピロリドンを含んでなるのが好ましい。2−ピロリドンの添加によって、印字のムラと長短期のノズルの目詰りを有効に防止できる。その添加量は適宜決定されてよいが、1重量%以上20重量%未満が好ましく、より好ましくは3〜10重量%である。
【0021】
さらに、本発明の好ましい態様によれば、顔料を含むインク組成物はノズル前面でインクが乾燥して詰まることを抑制するために多価アルコール類または糖類を含むことができる。多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、チオジグリコール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。また、糖類としては単糖類および多糖類が挙げられ、その具体例としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類を挙げることができる。多価アルコールおよび糖類の添加量はノズルの目詰まりが有効に防止できる範囲で適宜決定されてよいが、0.05重量%以上で10重量%以下程度が好ましい。更に本発明の好ましい態様によれば、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースは特に3〜10重量%程度の添加量であるのが好ましい。また、アルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類はその添加によってインク組成物の粘度が容易に高くなる傾向があることから、その添加量は過剰とならないように留意するのが好ましい。
【0022】
また、本発明の好ましい態様によれば、顔料を含むインク組成物は水溶性有機溶剤を含むことができる。その例としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、インク組成物中の他の成分のインク組成物への溶解性を向上させ、さらに被記録体たとえば紙に対する浸透性を向上させ、さらにはノズルの目詰まりを有効に防止できるので好ましい。これらの有機溶剤の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.1〜60重量%程度が好ましく、より好ましくは5〜15重量%程度である。
【0023】
本発明の好ましい態様によれば、顔料を含むインク組成物は、トリエタノールアミンを含んでなるのが好ましい。このトリエタノールアミンの添加によって、インク組成物を適正なアルカリ性にし、また保湿効果を与えノズルの目詰まりを有効に防止することができる。トリエタノールアミノの添加量は適宜決定されてよいが、0.5〜3重量%程度が好ましい。
【0024】
本発明による顔料を含むインク組成物は、そのpHを7〜11の範囲に制御されるのが好ましく、より好ましくは8〜10である。この範囲にpHがおかれることで、顔料、さらには後記する樹脂エマルジョンを安定にインク組成物中に存在させることが出来るので好ましい。pHの調整は上記のトリエタノールアミノの他、適当なアルカリ剤(例えば、アンモニア等の有機アルカリ、およびアルカリ金属塩)によって行うことが出来る。好ましいアルカリ剤としては水酸化カリウムが挙げられる。特に、トリエタノールアミンと水酸化カリウムとを組み合わせてpHの調整を行うことが好ましい。トリエタノールアミノと水酸化カリウムとを組み合わせた場合、水酸化カリウムの添加量は0.01〜0.2重量%程度が好ましい。
【0025】
本発明の好ましい態様によれば、本発明による顔料をインク組成物は水溶性エマルジョンを含んでなるのが好ましい。この水溶性エマルジョンの添加によって印字の定着性および耐擦性を改善することが出来る。この水溶性エマルジョンは、連続相が水であり、分散相がアクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂あるいはこれらの混合形であるものが好ましい。特に、分散相がアクリル酸および/またはメタクリル酸を主成分とする樹脂からなるのが好ましい。これら樹脂は、共重合の態様によっては制限されず、例えばブロックコポリマ、ランダムコポリマなどであることができる。さらに本発明によるインク組成物に用いられる水溶性エマルジョンは、膜形成能を有し、好ましくは室温以下の最低造膜温度を有するものであることが好ましく、より好ましくは0℃以上20℃以下の温度である。
【0026】
本発明の好ましい態様によれば、水溶性エマルジョンの樹脂成分は、コア部とそれを取り巻くシェル部からなるコアシェル型構造の樹脂粒子であるのが好ましい。例えば、コア部にインクの指触性や定着性を向上できる樹脂成分を導入し、シェル部に樹脂粒子をインク組成物中に安定に存在させる樹脂成分を導入するとの構成を採用することが出来る。本発明の好ましい態様によれば、コア部は架橋構造を有する樹脂からなるのが好ましい。
【0027】
コア部を形成する物質としては、スチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ブチルメタクリレート、(α、2、3または4)−アルキルスチレン、(α、2、3または4)−アルコキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイモルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールのエチルエステル、プロピルエステルまたはブチルエステルの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、含フッ素、含塩素、含硅素(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド等が挙げられる。
【0028】
また上記の(メタ)アクリル酸に加え,架橋構造を導入する場合、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
【0029】
また、シェル部の形成においても前述のコア部を形成する物質を用いることができる。
【0030】
このような高分子微粒子を形成するために用いる乳化剤としては、慣用されているラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリ、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および両性界面活性剤を用いることができる。
【0031】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸水素、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなとを用いることができる。
【0032】
重合のための連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、ジペンテン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテン等を用いることができる。
【0033】
また、本発明の好ましい態様によれば、コア部はエポキシ樹脂またはウレタン樹脂からなり、好ましくは架橋構造を有する樹脂からなる。さらに、本発明の別の好ましい態様によれば、コア部はアクリル酸樹脂および/またはメタクリル酸樹脂からなり、好ましくは架橋構造を有する樹脂からなる。また、シェル部はアクリロイル基および/またはメタクリロイル基のカルボキシル基を有する表面を有する構造であるのが好ましい。さらに、シェル部の表面の官能基は、樹脂粒子をインク組成物中で安定に存在させるため、アンモニウム塩、アミンおよび/またはアミド塩等の有機アルカリにより処理されてなるのが好ましい。
【0034】
本発明の好ましい態様によれば、水溶性エマルジョンの分子量は1000以上であるのが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000程度である。
【0035】
本発明において用いられる水溶性エマルジョンとして市販品を利用することも可能であり、例えば三井東圧社製のZ116を挙げることができる。
【0036】
この水溶性エマルジョンの添加量は適宜決定されてよいが、例えば0.5〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜5重量%程度である。
【0037】
本発明によるインク組成物は、上記成分に加えて他の成分を含むことができ、例えばノズルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを添加することができる。防腐剤・防かび剤として安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)を添加することができる。
【0038】
染料を含むインク組成物
本発明における第二のインク組成物は、染料を着色剤として含むインク組成物である。
【0039】
本発明において染料は特に限定されないが、例えばカラーインデックス(COLOR INDEX)に記載されている水溶性酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料を好ましく用いることができる。本発明においてこの第二のインク組成物はブラックインクであっても、またカラーインクであってもよく、更にブラックインクおよびカラーインクのいずれもがこの第二のインク組成物とされてよい。染料の添加量は特に限定されないが、インク組成物に対して0.1〜20重量%程度の範囲が好ましい。
【0040】
また、本発明の好ましい態様によれば、染料を含むインク組成物は、顔料を含むインク組成物を凝集または増粘させる成分を含んでなる。顔料を含むインク組成物を凝集または増粘させる成分の例としては、陽イオン性物質、有機塩、および無機塩が挙げられる。陽イオン性物質の具体例としては、第一級、第二級、第三級、および第四級のアミンまたはアンモニウム、リン、ホスホニウムを分子中に有する化合物が挙げられる。また、有機塩の具体例としては、ポリアリルアミン塩、ポリエチレンイミン塩が挙げられる。更に、無機塩の具体例としては、がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、鉄の金属イオンを陽イオン種とした塩が挙げられる。これら成分の添加量は適宜決定されてよいが、0.5〜5重量%程度の範囲が好ましくい。
【0041】
本発明の好ましい態様によれば、染料を着色剤として含むインク組成物は、グリコールエーテルを含んでなるのが好ましい。これらの添加によってインク組成物の記録媒体への浸透性が高くでき、種々の記録媒体においてにじみの少ない印字が期待できる。
【0042】
グリコールエーテルは、好ましくはジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる群から選択される一種またはそれ以上の混合物である。その添加量は適宜決定されてよいが、3〜30重量%程度が好ましく、5〜10重量%程度がより好ましい。また、本発明の好ましい態様によれば、これらのグリコールエーテル類の一部は水溶性が低いことから、他の水溶性の高いグリコールエーテル類やチオジグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコールなどのジオールおよびグリコール類、または界面活性剤の添加によって溶解性を向上させることができる。
【0043】
また、本発明の別の好ましい態様によれば、染料を着色剤として含むインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤を含んでなるのが好ましい。これらの添加によってインク組成物の記録媒体への浸透性が高くでき、種々の記録媒体においてにじみの少ない印字が期待できる。
【0044】
本発明において用いられるアセチレングリコール系界面活性剤の好ましい例としては、下記式(I)で表わされる化合物が挙げられる。
【0045】
【化1】
Figure 0004069430
(式中、0≦m+n≦50、R1、R2、R3、およびR4は独立してアルキル基である)
上記式(I)で表される化合物の中で特に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。上記式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフィノール104、82、465、485、またはTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(いずれも日信化学社より入手可能)が挙げられる。
【0046】
本発明の好ましい態様によれば、アセチレングリコール系界面活性剤の添加量はインク全量に対して0.3〜2重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.5%以上1.5以下である。アセチレングリコール系界面活性剤の添加量がこの範囲にあることで、よりにじみの少ない画像を実現することが出来る。
【0047】
なお、一部のアセチレングリコール系界面活性剤、例えば上記サーフィノール104やTGは、HLBが低いため水に対する溶解度が低い。この溶解度は、インク組成物にグリコールエーテル、グリコール類、界面活性剤などの成分を添加することで改善することができる。
【0048】
また、本発明の好ましい態様によれば、染料を含むインク組成物は、ノズルの目詰りを防止する為に多価アルコール類を含んでなることが好ましい。多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、チオジグリコール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。とりわけ、グリセリン、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、またはチオジグリコール、さらにそれらの混合物は、インク組成物の粘度を適正に制御でき、ノズルの目詰まりを有効に防止することができ、さらにインク組成物の曇り点を上昇させることができることから好ましい。更に、上記したアセチレングリコール系界面活性剤(特に、サーフィノール104、サーフィノールTG)のインク組成物への溶解性を向上させ、インク組成物が高温下におかれても相分離することがない、との利点も享受することができる。これらの多価アルコールの添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して1〜30重量%未満が好ましく、より好ましくは5〜15重量%程度である。
【0049】
また、本発明の好ましい態様によれば、染料を含むインク組成物は、糖類を含むことができる。糖類の添加によってノズル前面でインクが乾燥して詰まることを有効に防止することができる。糖類としては単糖類および多糖類が挙げられ、その具体例としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類が挙げられる。その添加量は適宜決定されてよいが、0.05重量%以上10重量%以下が好ましい。更に本発明の好ましい態様によれば、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースは特に3〜10重量%程度の添加量であるのが好ましい。また、アルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類はその添加によってインク組成物の粘度が容易に高くなる傾向があることから、その添加量は過剰とならないように留意するのが好ましい。
【0050】
更に、本発明による染料を含むインク組成物は、水溶性有機溶剤を含むことができる。水溶性有機溶剤の具体例としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、インク組成物中の他の成分のインク組成物への溶解性を向上させ、さらに被記録体たとえば紙に対する浸透性を向上させ、さらにはノズルの目詰まりを有効に防止できるので好ましい。これらの有機溶剤の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.1〜60重量%程度が好ましく、より好ましくは5〜15重量%程度である。
【0051】
また、本発明によるインク組成物は記録媒体への浸透性を制御するため、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤はインク組成物の他の成分と相溶性を有するものであることが好ましい。界面活性剤としては、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤があげられ、両性界面活性剤の例としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体が挙げられ、また非イオン界面活性剤の例しては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤が挙げられる。
【0052】
本発明によるインク組成物は、上記成分に加えて他の成分を含むことができ、例えばノズルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを添加することができる。防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などがあげれる。
【0053】
さらに、pH調整剤、溶解助剤、または酸化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げることができる。
【0054】
また、本発明によるインク組成物は酸化防止剤および紫外線吸収剤を含むことができ、その例としてはチバガイギーのTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024、ランタニドの酸化物が挙げられる。
【0055】
インクジェット記録方法および装置
本発明によるインクジェット記録方法においては、記録媒体が光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体であるとき、染料を着色剤として含んでなるインク組成物のみを前記記録媒体に印刷し、記録媒体が普通紙であるとき、顔料を着色剤として含んでなるインク組成物と染料を着色剤として含んでなるインク組成物とを重ねて印刷する。
【0056】
インクジェット記録専用記録媒体上では、染料を着色剤として含むインク組成物によって良好な画像が実現できる。更に、本発明においては、普通紙上におけるブラック画像の発色は、主に顔料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物によって実現される。よって、普通紙において染料を含んでなるブラックインク組成物の染料濃度を比較的低くてもよい。さらに、染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物は、染料濃度が低くても光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体上で良好なブラックの発色を与える。よって、染料を含んでなるブラックインク組成物中の染料濃度を下げることが可能であり、専用紙上で写真画質を実現するにあたって観察された粒状の点の発生を抑制することができ、極めてきれいな画質を実現できる。
【0057】
また、普通紙においては、顔料を含むインク組成物の記録媒体への印刷の前または後に、染料を含むインク組成物を印刷する。この二つのインク組成物は接触すると、顔料を含むインク組成物の凝集または増粘によってにじみ(単色にじみおよびカラーブリード)を抑制でき、良好な画像が実現できる。普通紙上においてこれら二つのインク組成物が重ねて印刷されることで、高い印字濃度を有するブラックが形成できる。本発明の好ましい態様によれば、染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物を先に印字し、顔料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物をその後に印字する態様が好ましい。更に、本発明の好ましい態様によれば、中間調のブラック画像が実現できる。すなわち、ブラック濃度が低い部分は染料を着色剤として含むブラックインク組成物のみを印字し、またブラック濃度が高い部分は二つのブラックインク組成物を重ねて印字することで、高い印字品質、とりわけ写真画質を実現することができる。このとき、カラーインクを別途用意し、カラー画像を普通紙上に形成してよいことは無論である。本発明の好ましい態様によれば、本発明による染料を含むインク組成物をブラックインクとし、他のインク組成物をカラーインク(例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク)とする組み合わせが好ましい。
【0058】
更に、本発明の別の態様によれば、カラーインクとして、顔料を含むインク組成物を凝集または増粘させる成分を含んでなるインク組成物を用意し用いてもよい。この態様にあっては、ブラックとカラーとの間のにじみの発生を有効に防止することが可能である。
【0059】
本発明によるインクジェット記録方法を実施するための装置を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の好ましい態様によるインクジェット記録装置の概略構成図である。プリンタ1は、記録媒体2を保持し、これを図中の矢印A方向に搬送する記録媒体搬送手段として、紙送りモータ11およびそれと連動されたプラテンローラ12とを有してなる。さらに、プリンタ1は、キャリッジ21に搭載された顔料を含むインク組成物タンク31と、このインク組成物を吐出する印刷手段である記録ヘッド32と、染料を含むインク組成物タンク33と、このインク組成物を吐出する印刷手段である記録ヘッド34と、イエローインク、マゼンタインク、およびシアンインクを収納するインクタンク40と、これらインク組成物をそれぞれ吐出するインク組成物印刷手段である記録ヘッド41、42、および43とを備えてなる。さらに、このキャリッジ21は、プラテンローラ12の軸と平行に設けられた摺動軸13上を摺動し、図中の矢印B方向に往復運動可能とされる。キャリッジ21はキャリッジベルト22に連結され、このキャリッジベルト22は、キャリッジモータ23とプーリ24とに架設され、モータ23の回転に従いキャリッジ21を往復運動させる。プリンタ1は、さらに記録媒体2が普通紙であるのか、光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体であるのかを検出するセンサ51を備えてなる。紙送りモータ11、キャリッジモータ23、および記録ヘッド32、34、41、42、および43、センサ51は、制御回路60に結合され、その動作を制御される。
【0060】
センサ51から、記録媒体1が光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体であるとの信号が制御回路60に入力された場合、印刷は染料を含むインク組成物を記録ヘッド34から吐出し、さらに適宜適宜、イエローインク、マゼンタインク、およびシアンインクをそれぞれ吐出するインク組成物印刷手段である記録ヘッド41、42、および43とを用いて印刷を行う。このとき、顔料を含むインク組成物を吐出する印刷手段である記録ヘッド32は動作しない。一方、センサ51から、記録媒体1が普通紙であるとの信号が制御回路60に入力された場合、印刷は染料を含むインク組成物を記録ヘッド34から吐出し、さらに顔料を含むインク組成物を記録ヘッド32から吐出し、二つのインク組成物を重ねて印字して印刷を行う。さらに適宜適宜、イエローインク、マゼンタインク、およびシアンインクをそれぞれ吐出するインク組成物印刷手段である記録ヘッド41、42、および43とを用いて印刷を行う。
【0061】
本発明によるインク組成物のように顔料を着色剤としる固形物の量が比較的多いインクでは、長時間吐出しないノズルはノズル前面でインクが乾燥して増粘し易く印字が乱れる現象がでやすい。そこで、インクをノズルの前面で吐出しない程度に微動させることによって、インクが攪袢されてインクの吐出を安定的に行なうことができる。微動方法としてはインクを吐出する加圧手段をインクが吐出しない程度に加圧制御することにより生成できる。この様な制御を行う場合、加圧手段として電歪素子を用いるのが、その制御の容易さゆえ好ましい。また、この機構を用いることで、インク中の顔料濃度を多くすることができるので、顔料インクで色濃度が高く、しかも安定的にインクを吐出することが可能になる。
【0062】
また、インクジェット記録装置においてノズル面において上記微動を行なう場合、顔料の含有量が5%〜15重量%程度のインク組成物に対して効果的であり、より好ましくは7%〜10重量%程度のインク組成物である。
【0063】
また、本発明によるインク組成物は、ポリウレタンフォームを充填し、インクとウレタンフォームが接する構造とされたインクタンクに充填されて利用に共されてよい。この場合、ウレタンフォームには本発明で用いるとよいとするグリコールエーテル類やアセチレングリコール系の界面活性剤が吸着される。したがって、その吸着される量を考慮して過剰に添加してくことがよい。また、ウレタンフォームは本発明によるインク組成物を用いることによって負圧を確保することができ、しかも、本発明で用いるインクの各成分によって分解されたり異物を発生させて目詰まりの要因となることが少ない。このウレタンフォームの硬化触媒には金属塩やカチオン系を含むものは用いず、トリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと平均分子量300から3000程度のポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオールなど複数のヒドロキシ基を有する物質からなるウレタンフォームを用いることがフォーム形状の安定性による負圧確保、および化学的安定性の観点から好ましい。
【0064】
【実施例】
インク組成物の調製
次の表に示される組成を有するインク組成物を常法に従い調製した。
【0065】
【表1】
Figure 0004069430
表中、全ての数値は重量%である。また表面処理顔料とは、マイクロジェットCW1(オリエント化学工業株式会社製)または市販されている顔料に特開平8−34981号公報に記載の方法を適用して得た水溶性顔料を意味する。また、水溶性顔料の平均粒径はカッコ内にnm単位で示される通りであった。
【0066】
印字評価試験
上記のインク組成物を、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタ−MJ−930Cに充填し、記録媒体上に画像を形成した。
【0067】
インク組成物の組み合わせは下記の通りとした。また、下記の表において下地処理とは、記録媒体が光沢紙A〜Cであるとき、顔料を含むブラックインク組成物の印刷の前に、表中のインク組成物を印刷したことを意味する。
【0068】
【表2】
Figure 0004069430
【0069】
用いた記録媒体は、Conqueror紙、Modo Copy紙、RapidCopy紙、Xerox 4024紙、Neenah Bond紙、Xerox P紙、Xerox R紙、ならびに光沢紙Aとしてポリエステルシート上にシリカゾルを塗布して得られた微細孔インク吸収型記録媒体、光沢紙Bとしてポリエステルシート上に樹脂を塗布したもので、インクを膨潤させる膨潤型記録媒体、光沢紙Cとして紙上に平均粒子径500nmのコロイダルシリカをラテックスをバインダーとして塗布したものである。
【0070】
得られた画像の速乾性、印字品質、耐擦性、および耐水性を次のように評価した。
A.速乾性
上記の7種の普通紙に、ブラックインク組成物によって50ポイントの文字を印字し、印字後、同じ種類の普通紙を重ね合わせ、重ねた紙に汚れが発生しなくなるまでの時間を5秒間隔で測定した。その測定値の平均値を算出し、それを次の基準により評価した。
評価A:10秒以下
評価B:10秒超過20秒以下
評価C:20秒超過30秒以下
評価D:30秒超過
【0071】
B.印字品質
上記の7種の普通紙および光沢紙A〜Cにブラックインク組成物によって50ポイントの文字を印刷し、またインクセットによってカラー画像を印刷した。乾燥後の印字物のにじみを次の評価基準で評価した。
評価A:にじみがほとんどなく、鮮やかなカラー画像が得られた。
評価B:にじみがやや観察され、カラー画像はややぼやけるが、実用上許容される範囲である。
評価C:にじみが観察され、カラー画像はぼやけ、実用上許容されないものである。
評価D:画像濃度が低く、カラー画像はかなりぼけたものとなり、画像の質感も極めて劣る。
【0072】
C.耐擦性
上記の7種の普通紙および光沢紙A〜Cにブラックインク組成物によって50ポイントの文字とカラー画像を印刷した。乾燥させた印字物を、イエロー水性螢光ペン(ゼブラ社製、ZEBRA PEN2)を用いて擦り、印字物の汚れ具合を調べた。
その結果を次の評価基準で判定した。後記する表には、普通紙および光沢紙中で最も悪い結果を示したものの評価を記載した。
評価A:複数回こすっても色が落ちない。
評価B:1回こすっても色が落ちない。
評価C:1回こすると少し色が落ちる。
評価D:1回こすると色が落ちる。
【0073】
D.耐水性
上記の7種の普通紙および光沢紙A〜Cにブラックインク組成物によって50ポイントの文字とカラー画像を印刷した。乾燥させた印字物に純水を垂らし、1分後の印字物の水滴の痕跡を調べた。
その結果を次の評価基準で判定した。後記する表には、普通紙および光沢紙中で最も悪い結果を示したものの評価を記載した。
評価A:全く跡が残らない。
評価B:ほとんど跡が残らない。
評価C:少し跡が残る。
評価D:かなり跡が残る。
以上の結果は次の表に記載されるとおりであった。
【0074】
【表3】
Figure 0004069430

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録方法を実施するためのインクジェット記録装置の図である。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 記録媒体
11 紙送りモータ
12 プラテンローラ12
32 顔料を含むインク組成物を吐出する記録ヘッド
34 染料を含むインク組成物を吐出する記録ヘッド
41、42、43 イエローインク、マゼンタインク、およびシアンインクをそれぞれ吐出する記録

Claims (3)

  1. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、
    顔料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物と、
    染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物とを用い、
    前記記録媒体が光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体であるとき、染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物のみを前記記録媒体に印刷し、
    前記記録媒体が普通紙であるとき、顔料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物と染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物とを重ねて印刷する、
    方法。
  2. 顔料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物と、染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物とを含んでなる、請求項1に記載のインクジェット記録方法に用いられるインクセット。
  3. 請求項1に記載のインクジェット記録方法を実施するためのインクジェット記録装置であって、
    インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させる印刷手段と、
    記録媒体を保持し、搬送する記録媒体搬送手段と、
    記録媒体が普通紙であるか、光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体であるかを判定する判定手段と、
    前記記録媒体が光沢層および/またはインク受容層を有する記録媒体であるとき、染料を着色剤として含んでなるインク組成物のみを前記記録媒体に印刷し、
    前記記録媒体が普通紙であるとき、インク組成物として顔料を着色剤として含んでなるインク組成物と染料を着色剤として含んでなるインク組成物とを印刷する機能と
    を備えてなる、インクジェット記録装置。
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