JP3505718B2 - 耐擦性に優れた画像を形成可能な顔料系インク組成物 - Google Patents
耐擦性に優れた画像を形成可能な顔料系インク組成物Info
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Description
じみの少ない高品質の印字が得られるインクジェット記
録用インクに関する。
滴として吐出して、文字や図形を被記録体表面に記録す
る方法である。インクジェット記録方式としては電歪素
子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッ
ド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面
に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯え
たインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を
発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出し
て、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実
用化されている。
は、印字の乾燥性がよいこと、印字のにじみがないこ
と、種々の被記録体表面に均一に印字できること、多色
の場合色が混じり合わないこと、耐水性、耐刷性に優れ
ることなどの特性が要求されている。
提案されている。
コールエーテルの利用を、特公平1−15542号公報では
水溶性有機溶剤の利用を、さらに特公平2−3837号公報
では染色溶解促進剤の利用を提案している。
上させるためジエチレングリコールモノブチルエーテル
の添加が、米国特許第5183502号明細書にはアセチレン
グリコール系の界面活性剤であるサーフィノール465の
添加が、さらには米国特許第5196056号明細書にはジエ
チレングリコールモノブチルエーテルとサーフィノール
465の両方の添加が提案されている。ここで、ジエチレ
ングリコールモノ−n−ブチルエーテルはブチルカルビ
トールとも呼ばれ、例えば米国特許第3291580号明細書
に記載されている。あるいは米国特許第2083372号明細
書ではジエチレングリコールエーテルの利用が検討され
ている。さらに、特開昭56−147861号公報では、顔料と
トリエチレングリコールモノメチルエーテルとの併用を
提案している。
を抑制して、記録媒体表面におけるインクの浸透を抑
え、印字品質を確保する試みがなされている。しかしな
がら、インク組成物がある程度記録媒体中に浸透しない
と、顔料が記録媒体表面に残り、耐擦性を悪化させるこ
とがある。さらに、最近、その表面に光沢層を有し、記
録画像に光沢を与え、画像に付加価値を与える記録媒体
が利用されている。このような記録媒体上において良好
な耐擦性を有する画像を実現できる顔料系インクが望ま
れている。
と、水溶性エマルジョンとを組み合わせて含むインク組
成物が、にじみを有効に抑制し、耐水性、耐擦性に優れ
た高い品質の画像を実現できるとの知見を得た。本発明
はかかる知見に基づくものである。
面に光沢層を有する記録媒体においてもにじみの少な
い、耐水性、耐擦性に優れた画像を実現可能なインク組
成物の提供をその目的としている。
コールエーテル類と、水溶性エマルジョンと、水とを少
なくとも含んでなり、前記顔料が分散剤なしに水に分散
および/または溶解が可能な顔料であり、かつ前記グリ
コールエーテル類がジエチレングリコールモノ−n−ブ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテル、およびジプロピレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテルからなる群から選ばれる一種または二種以上
の混合物である。
れる。インク組成物を用いた記録方式とは、例えば、イ
ンクジェット記録方式、ペン等による筆記具による記録
方式、その他各種の印字方式が挙げられる。特に本発明
によるインク組成物は、インクジェット記録方法に好ま
しく用いられる。
ーテル類と、水溶性エマルジョンと、水とを少なくとも
含んでなり、前記顔料が分散剤なしに水に分散および/
または溶解が可能な顔料である。本発明によるインク組
成物によれば、にじみの少ない、耐水性、印字物の耐擦
性の良好な画像が実現できる。
面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、またはスルホン基の少なくとの一種の官能基または
その塩が結合するような表面処理により、分散剤なしに
水に分散および/または溶解が可能とされたものであ
る。具体的には、真空プラズマなどの物理的処理や化学
的処理により、官能基または官能基を含んだ分子をカー
ボンブラックの表面にグラフトさせることによって得る
ことができる。本発明において、一つのカーボンブラッ
ク粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であっ
てもよい。グラフトされる官能基の種類およびその程度
は、インク中での分散安定性、色濃度、およびインクジ
ェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定
されていてよい。
在している状態を「分散および/または溶解」と表現す
る。物質が溶解しているか、分散しているのかを明確に
区別することが困難な場合も少なくない。本発明にあっ
ては、分散剤なしに水中に安定に存在いうる顔料である
限り、その状態が分散か、溶解かを問わず、そのような
顔料を利用可能である。よって、本明細書において、分
散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料を水溶性顔料と
いうことがあるが、顔料が分散状態にあるものまでも排
除することを意味するものではない。
で分散度10以下を有する顔料分散液として利用されるの
が好ましい。
ば特開平8−3498号公報記載の方法によって得ることが
得きる。また、上記顔料として市販品を利用することも
可能であり、好ましい例としてはオリエント化学工業株
式会社製のマイクロジェットCW1または2が挙げられ
る。
ましく、より好ましくは4〜10重量%程度である。
ましくはジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
およびジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ルからなる群から選ばれる一種または二種以上の混合物
を意味する。
よって分散されてなる。本発明者等の実験によれば、こ
れら分散剤を用いた顔料系インクにインクの浸透性を向
上させるためグリコールエーテル類を添加すると、安定
な分散が破壊され、凝集または増粘してしまう現象が観
察された。
の添加量は、3〜30重量%程度が好ましく、5〜10重量
%程度がより好ましい。
含んでなる。この水溶性エマルジョンは、連続相が水で
あり、分散相がアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレ
ン樹脂、ウレタン樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ
樹脂あるいはこれらの混合形であるものが好ましい。こ
れら樹脂は、共重合の態様によっては制限されず、例え
ばブロックコポリマ、ランダムコポリマなどであること
ができる。さらに本発明によるインク組成物に用いられ
る水溶性エマルジョンは、膜形成能を有し、好ましくは
室温以下の最低造膜温度を有するものであることが好ま
しい。また、本発明の好ましい態様によれば、水溶性エ
マルジョンは、顔料表面の極性と同一であることが好ま
しい。すなち、顔料表面がアニオン型である場合には水
溶性エマルジョンもアニオン型であることが好ましく、
一方、顔料表面がカチオン型になっている場合は、カチ
オン型の水溶性エマルジョンを用いることが好ましい。
また、水溶性エマルジョンは、コア部およびそれを取り
巻くシェル部からなることができ、このコアシェル型の
分散形態になっているものはインク中における安定性の
観点から好ましい。
市販品を利用することも可能であり、例えば三井東圧社
製のZ116、EPG1001、EPG1002、およびEPG1006を挙げる
ことができる。
いが、例えば0.5〜5重量%程度が好ましく、より好ま
しくは10〜30重量%程度である。
成分を含むことができ、例えばノズルの目詰まり防止
剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘
度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを添加する
ことができる。
おけるインク組成物の乾燥を抑えるために、水溶性のあ
るグリコール類を添加することができ、その例としては
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコー
ル、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレング
リコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジ
オール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジ
オール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソ
エリスリトール、ペンタエリスリトールなどが挙げられ
る。
組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤を含有し
てなるのが好ましい。アセチレングリコール系界面活性
剤の例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン
−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6
−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール
などのアセチレングリコール系界面活性剤、例えば日信
化学(株)製、サーフィノール104、82、465、485ある
いはTGなどを用いることができる。特にサーフィノール
104やTGを用いると良好な記録品質を示す。
は、インク組成物の0.1〜5重量%程度が好ましく、よ
り好ましくは0.5〜1.5重量%程度である。上記範囲のア
セチレングリコールは、にじみをより低減させる。
えば上記サーフィノール104やTGは、HLBが低いため水に
対する溶解度が低い。この溶解度は、インク組成物にグ
リコールエーテル、グリコール類、界面活性剤などの成
分を添加することで改善することができる。
おいてインクが乾燥することを抑制するために、糖類を
添加することができる。そのような糖類として、単糖類
および多糖類があり、例えばグルコース、マンノース、
フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、
ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトー
ス、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロ
ース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその
塩、シクロデキストリン類、セルロース類を挙げること
ができる。その添加量は0.05重量%〜30重量%程度がこ
のましい。とりわけ、グルコース、マンノース、フルク
トース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクト
ース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マル
トース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マ
ルトトリオース等のより好ましい添加量は3重量%〜20
重量%である。アルギン酸およびその塩、シクロデキス
トリン類、セルロース類の添加量によっては、粘度が高
くなる傾向があることから、その添加量を小さくするこ
とが好ましい。
を有し、インクに含まれる水との溶解性の低いグリコー
ルエーテル類やインク成分の溶解性を向上させ、さらに
被記録体たとえば紙に対する浸透性を向上させ、あるい
はノズルの目詰まりを防止するために用いることのでき
るものとして、エタノール、メタノール、ブタノール、
プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4
のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロ
ピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエー
テル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−
メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエー
テル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエー
テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリ
コールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメ
チルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチ
ン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどを添加
することが好ましい。これらの好ましい添加量は、イン
ク組成物全量に対して5重量%〜60重量%程度が好まし
い。
るため、他の界面活性剤を添加することも可能である。
添加する界面活性剤はインク組成物中の他の成分と相溶
性のより界面活性剤が好ましく、界面活性剤のなかでも
浸透性が高く安定なものが好ましい。その例としては、
両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などが挙げられ
る。両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢
酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油
脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポ
リオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリ
ン誘導体などがある。非イオン界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー
テル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレン
オレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、
ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタ
ンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタ
ンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオ
キシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステ
アレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエス
テル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ
素系界面活性剤などがある。
トリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピ
リジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン
酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベン
ジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プ
ロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロ
キセルTN)などが挙げられる。
エタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノー
ルアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変
成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、4級アンモ
ニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸
塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロ
リドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素
類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネ
ート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチ
ルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビ
ン酸およびその塩などが挙げられる。また、市販の酸化
防止剤、紫外線吸収剤なども用いることがで、その例と
してはチバガイギーのTinuvin328、900、1130、384、29
2、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irgan
ox1010、1076、1035、MD1024などが挙げられる。さらに
ランタニドの酸化物を用いることも可能である。
類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポ
リビニルピロリドン、アラビアゴムスターチなどが挙げ
られる。
ト記録方法によって画像を形成されてよい。
など従来比較的ににじみが生じやすいとされていた記録
媒体においても良好な画像を形成できる。さらに、本発
明によるインク組成物は、いわゆる光沢層をその表面に
有する記録媒体においても耐擦性に優れた画像を実現す
ることができる。
ば、白色顔料をバインダーを用いて基材上に固定した記
録媒体を意味する。具体例としては、コロイダルシリ
カ、アモルファスシリカ、コロイダルアルミナ、ベーマ
イト、擬ベーマイト、アルミナ、水酸化アルミニウム、
軽質炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、ルチル、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、ケイソウ
土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ゼオライト、
ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム
などのセラミックス微粒子、コロイド粒子を、キャスト
コート紙、紙上に特殊な方法で塗布してできるピクトリ
コ型記録媒体が挙げられる。また、澱粉誘導体、カルボ
キシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセル
ロース(HEC)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、メラミン樹脂、尿素樹
脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、無水マレ
イン酸樹脂、スチレンブタジエン樹脂、アクリル酸誘導
体、メタクリル酸誘導体等の重合体または共重合体等か
らなる樹脂層を基材上に塗布して形成された記録媒体で
あって、インクによって膨潤する膨潤型の記録媒体が挙
げられる。また、光沢を生じさせる方法としては、カレ
ンダー処理、キャスト法、湿油状態での加熱鏡面による
圧接乾燥、光沢感のある樹脂を塗布することが挙げられ
る。これらの光沢層を有する記録媒体にあっては、その
表面の空隙の大きさによって顔料の定着性が悪化するこ
とがある。本発明によるインク組成物によれば、そのよ
うな記録媒体表面の状態によらず、耐擦性に優れた画像
が実現できる。
み合わせてカラー画像を形成するのに用いられてよい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組
成物をブラックインクとし、他のインク組成物をカラー
インク(例えば、イエローインク、マゼンタインク、シ
アンインク)とする組み合わせが好ましい。特に、他の
インク組成物にも同様の水溶性エマルジョンを添加する
ことで、耐擦性に優れた画像が実現できる。さらに、イ
エローインク、マゼンタインク、およびシアンインクを
重ねて印字してブラック画像を形成し、本発明によるブ
ラックインクと組み合わせて印字することも可能であ
る。その際の印字方法としては、両者を重ねる方法、交
互に両者の画像を形成する方法(ある幅の両画像領域を
交互に並べる方法、および両インク組成物により線を形
成し、それを並べる方法のいずれも含む)が挙げられ
る。
量が比較的多いインクでは、長時間吐出しないノズルは
ノズル前面でインクが乾燥して増粘し易く印字が乱れる
現象がでやすい。そこで、インクをノズルの前面で吐出
しない程度に微動させることによって、インクが攪拌さ
れてインクの吐出を安定的に行なうことができる。微動
方法としてはインクを吐出する加圧手段をインクが吐出
しない程度に加圧制御することにより生成できる。この
様な制御を行う場合、加圧手段として電歪素子を用いる
のが、その制御の容易さゆえ好ましい。また、この機構
を用いることで、インク中の顔料濃度を多くすることが
できるので、顔料インクで色濃度が高く、しかも安定的
にインクを吐出することが可能になる。
いて上記微動を行なう場合、顔料の含有量が5%〜15重
量%程度のインク組成物に対して効果的であり、より好
ましくは7%〜10重量%程度のインク組成物である。
ォームを充填し、インクとウレタンフォームが接する構
造とされたインクタンクに充填されて利用に共されてよ
い。この場合、ウレタンフォームには本発明で用いると
よいとするグリコールエーテル類やアセチレングリコー
ル系の界面活性剤が吸着される。したがって、その吸着
される量を考慮して過剰に添加してくことがよい。ま
た、ウレタンフォームは本発明によるインク組成物を用
いることによって負圧を確保することができ、しかも、
本発明で用いるインクの各成分によって分解されたり異
物を発生させて目詰まりの要因となることが少ない。こ
のウレタンフォームの硬化触媒には金属塩やカチオン系
を含むものは用いず、トリレンジイソシアネート、メタ
キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネート
と平均分子量300から3000程度のポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、
1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、
1、5−ペンタンジオールなど複数のヒドロキシ基を有
する物質からなるウレタンフォームを用いることがフォ
ーム形状の安定性による負圧確保、および化学的安定性
の観点から好ましい。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
マイクロジェットCW2であり、5〜8はオリエント化学
工業のCW1である。
均粒径の異なる水溶性顔料を用い、()中にその平均粒
径をnm単位で示す。
ル DEGmBE:ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエー
テル DPGmBE:ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテル、 TEGmBE:トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテル、 PGmME:プロピレングリコールモノメチルエーテル DMI:1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン DPGmME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル MPD:2−メチル−2,4−ペンタンジオール DEGmtBE:ジエチレングリコール−モノ−t−ブチルエ
ーテル TEGmME:トリエチレングリコールモノメチルエーテル また、残量の水の中にはインクの腐食防止のためプロ
キセルXL−2を0.1〜1%、インクジェットヘッド部材
の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.001〜0.05%
添加した。
ダム共重合型スチレンアクリル酸系分散剤を用いて分散
させる平均粒径90〜110ミクロンのカーボンブラック分
散液を用いた。顔料の平均粒径は()中に示されるとお
りであった。
インクジェットプリンタ−MJ−930Cに充填し、記録媒体
上に画像を形成した。用いた記録媒体は、Conqueror
紙、Favorit紙、Modo Copy紙、Rapid Copy紙、EPSON
EPP紙、Xerox 402紙、Xerox 10紙、Neenha Bond
紙、Ricopy 6200紙、やまゆり紙、Xerox R紙、なら
びに光沢紙1としてポリエステルジート上にシリカゾル
を塗布されたプクトリコ型記録媒体、光沢紙Bとしてポ
リエステルシート上に樹脂を塗布したもので、インクを
膨潤させる膨潤型記録媒体、光沢紙Cとして紙上に平均
粒子径500nmのコロイダルシリカをラテックスをバイン
ダーとして塗布したものである。
した。
社製、ZEBRA PEN2)を用いて擦り、印字物の汚れ具合
を調べた。
跡を調べた。
Claims (13)
- 【請求項1】顔料と、グリコールエーテル類と、水溶性
エマルジョンと、水とを少なくとも含んでなり、前記顔
料が分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能な
顔料であり、かつ前記グリコールエーテル類がジエチレ
ングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル、およびジプロピレン
グリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる群から選
ばれる一種または二種以上の混合物である、インク組成
物。 - 【請求項2】前記水溶性エマルジョンを0.5〜10重量%
含んでなる、請求項1に記載のインク組成物。 - 【請求項3】前記顔料が、その表面に、カルボニル基、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン基の
少なくとの一種の官能基またはその塩が結合するよう表
面処理によって、分散剤なしに水に分散および/または
溶解が可能なものとされたものである、請求項1〜3の
いずれか一項に記載のインク組成物。 - 【請求項4】顔料を2〜15重量%含有してなる、請求項
1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 【請求項5】前記グリコールエーテル類を3〜30重量%
含有してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイ
ンク組成物。 - 【請求項6】アセチレングリコール系界面活性剤を更に
含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のイン
ク組成物。 - 【請求項7】前記アセチレングリコール系界面活性剤を
0.1〜5重量%含有してなる、請求項6記載のインク組
成物。 - 【請求項8】グリコール類を更に含んでなる、請求項1
〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 【請求項9】前記グリコール類を3〜25重量%含有して
なる、請求項8に記載のインク組成物。 - 【請求項10】インク組成物を付着させて記録媒体に印
字を行う記録方法であって、インク組成物として請求項
1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、
方法。 - 【請求項11】インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を
記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方
法であって、インク組成物として請求項1〜9のいずれ
か一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット
記録方法。 - 【請求項12】前記記録媒体が、普通紙、再生紙、また
は光沢層をその表面に有する記録媒体である、請求項10
または12に記載の方法。 - 【請求項13】請求項10〜12のいずれか一項に記載の方
法によって記録が行われた、記録物。
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