JP2004263105A - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

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Abstract

【課題】水分が完全に蒸発した後に固化したり、析出が発生したりすることがなく、インクジェット印刷において、インクジェットヘッドのノズル先端部等で目詰まりが発生したり、不吐出が生じたりすることのないインクジェット記録用水性インクを提供する。
【解決手段】少なくとも水、水溶性有機溶剤、染料及び下記化学式(1)で表される非環状多糖類を含有し、前記非環状多糖類の配合量が0.1〜5重量%であるインクジェット記録用水性インク。
(C10 (1)
化学式(1)中、nは10以上の整数を表す。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用水性インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、例えば、静電吸引方式;圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式;インクを加熱することにより気泡を発生させ、その時に発生する圧力を利用する方式等の種々のインク吐出方式によりインク小滴を形成し、それらの一部又は全部を紙等の被記録材に付着させて記録を行うものである。
【0003】
これらのインク吐出方式のうち、圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式は、インクを加熱することにより気泡を発生させ、その時に発生する圧力を利用する方式と比較して消費電力が少ないというメリットがある。このような圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式を利用したインクジェットヘッドとしては、例えば、特許文献1にせん断モード型のインクジェットヘッド等が開示されている。
【0004】
このようなインクジェット記録方式に使用するインクジェット記録用水性インクとしては、各種の水溶性の染料又は顔料を、水又は水と水溶性有機溶剤とからなる液媒体に溶解又は分散させたものが知られており、かつ、使用されている。
このようなインクジェット記録用水性インクは、インクジェット記録方式を用いたインクジェット印刷において最適の性能特性を有することが要求される。具体的には、例えば、長期間使用されなくても沈澱や凝集が生じないこと;インクジェットプリンターのヘッドの先端部及びインク流路内で目詰まりしないこと;印字品質が良好なこと;耐候性が優れていること等が要求される。特に、インクジェット記録用水性インク中の水分が蒸発して一旦インクが固化してしまうと、インクジェットヘッドのノズル先端部等で目詰まりしやすく、不吐出の大きな原因となるため、インクジェットプリンターのヘッドの先端部及びインク流路内で目詰まりしないことは、インクジェット印刷において極めて重要な性能である。
【0005】
このようなインクジェット記録用水性インクの不吐出対策として、例えば、特許文献2には、インク中にイノシトールを添加することによりノズルの目詰まりを改善する方法が提案されている。また、ノズルの目詰まりを改善するために、インク中に単糖類、二糖類、三糖類又は環状多糖類を添加する方法も知られており、例えば、特許文献3には、インクの耐乾燥性を向上させるために、インク中にマルチトールを添加することが提案されている。
【0006】
しかしながら、このような方法により作製されたインクジェット記録用水性インクであっても、インク中の水分が完全蒸発した場合にはインクの一部が固化することがあり、また、インクジェットヘッドのノズル先端部で微量な析出物が発生することがある。ところが、特許文献1に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドでは、吐出力がかなり小さいため、インクジェットヘッドのノズル先端部で発生した析出物が微量な場合であっても排出されにくく、目詰まりの大きな原因となる。そのため、特許文献2や特許文献3で提案されている方法によるインクジェット記録用水性インクは、様々なインクジェットヘッドに対して充分な効果が得られるとは言い難いものであった。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6070310号明細書
【特許文献2】
特開平2−18472号公報
【特許文献3】
特開平2−214785号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、水分が完全に蒸発した後に固化したり、析出が発生したりすることがなく、インクジェット印刷において、インクジェットヘッドのノズル先端部等で目詰まりが発生したり、不吐出が生じたりすることのないインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも水、水溶性有機溶剤、染料及び下記化学式(1)で表される非環状多糖類を含有し、前記非環状多糖類の配合量が0.1〜5重量%であるインクジェット記録用水性インクである。
(C10 (1)
化学式(1)中、nは10以上の整数を表す。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明のインクジェット記録用水性インクは、上記化学式(1)で表される非環状多糖類を含有する。
【0011】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、インクジェット記録用水性インクが上記化学式(1)で表される非環状多糖類を所定の量含有すれば、インクジェット記録用水性インクから水分が完全に蒸発した場合であっても、染料や非環状多糖類が析出することがなく、インクジェットヘッドのノズル先端部等で目詰まりが発生したり、不吐出が生じたりすることなくインクジェット印刷できるということを見出した。
【0012】
なお、本明細書において、「非環状多糖類」とは、単糖類が直鎖状又は枝分れ状に結合した分子であって、分子の末端同士が結合した環状構造をとっていないものを意味する。このような非環状多糖類としては、例えば、D−グルコース(単糖類)がα−1,4結合のみで結合された直鎖状多糖類(アミロース)や、10個以上のD−グルコースがα−1,4結合を主体とするが所々にα−1,6結合をもって枝分れした側鎖を有する構造の枝分れ多糖類(アミロペクチン)等を挙げることができ、澱粉(アミロース、アミロペクチン)、デキストリン、セルロース、グリコーゲン、カロニン、ラミナラン、デキストラン等のグルカン;イヌリン、レバン等のフルクタン等を挙げることができる。
【0013】
上記化学式(1)で表される非環状多糖類において、nは10以上の整数を表す。nが10未満であると、インクジェットヘッドのノズル先端部等で目詰まりが発生したり、不吐出が生じたりする。
【0014】
このような効果が発揮される理由は、次のように推測される。
即ち、上記化学式(1)で表される非環状多糖類は、水酸基を多く保有していることにより親水性を有するとともに、分子鎖が長いため染料骨格との相互作用も強く、水分蒸発後に染料−非環状多糖類−水溶性有機溶剤という相互作用が発生して染料が水溶性有機溶剤に溶解し、染料が析出しないものと考えられる。
これに対して、単糖類や二糖類は、親水性は高いものの、非環状多糖類の分子鎖が短いため、染料骨格との相互作用が弱く、水分蒸発後の染料−非環状多糖類−水溶性有機溶剤という相互作用が充分に発生せず、染料が水溶性有機溶剤に溶解しきれなくなり析出するものと考えられる。また、環状多糖類は、環の内側に属する水酸基が糖類骨格の疎水性的性質に遮蔽されることにより、分子としてはかなり疎水性の強い状態であるため、水や水溶性有機溶剤に対する親和性が弱く、水分蒸発後に染料と環状多糖類とが水溶性有機溶剤に溶解しきれなくなり析出するものと考えられる。
【0015】
本発明のインクジェット記録用水性インクにおいて、上記化学式(1)で表される非環状多糖類の含有量は、下限が0.1重量%であり、上限が5重量%である。上記非環状多糖類の含有量が、0.1重量%未満であると、上述した効果を充分に得ることができず、5重量%を超えると、本発明のインクジェット記録用水性インクの粘度が高くなりすぎて不吐出の原因となる。
【0016】
本発明のインクジェット記録用水性インクは、染料を含有する。
上記染料としては特に限定されないが、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料等の水溶性染料を好適に用いることができる。
特にインクジェット記録方式のインクとして好適で、鮮明性、水溶性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たすものとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154、168;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106、199;C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83、227;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグリーン59;C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112、118;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229、234;C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、256、289、315、317;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、61、71;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.I.アシッドバイオレット49;C.I.ベーシックブラック2;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28、29;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、37;C.I.ベーシックバイオレット7、14、27;C.I.フードブラック1、2等を挙げることができる。これらの染料は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0017】
上記染料の本発明のインクジェット記録用水性インクにおける含有量は、本発明のインクジェット記録用水性インクの全量に対して下限が0.1重量%、上限が20重量%であることが好ましく、下限が0.3重量%、上限が15重量%であることがより好ましく、下限が0.5重量%、上限が10重量%であることが更に好ましい。
【0018】
本発明のインクジェット記録用水性インクは、水を含有する。
上記水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水(純水)を使用することが好ましい。
上記水の本発明のインクジェット記録用水性インクにおける含有量は、本発明のインクジェット記録用水性インクの組成、又は、所望されるインクジェット記録用水性インクの特性に依存して広い範囲で決定されるが、本発明のインクジェット記録用水性インクの全重量に対して下限が10重量%、上限が90重量%であることが好ましく、下限が15重量%、上限が80重量%であることがより好ましい。
【0019】
本発明のインクジェット記録用水性インクは、水溶性有機溶剤を含有する。
上記水溶性有機溶剤は、主として有する効果により、湿潤剤としてインクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥防止効果を有するもの、浸透剤として紙面上での乾燥速度を速くする効果を有するものに分類できる。
【0020】
上記インクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥防止効果を有する水溶性有機溶剤としては特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリプロピレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。なかでも、一般には多価アルコール類が使用されることが多く、グリセリン、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類が好ましい。
【0021】
また、上記紙面上での乾燥速度を速くする効果を有する水溶性有機溶剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコール系エーテル類等を挙げることができる。
これらの水溶性有機溶剤は、本発明のインクジェット記録用水性インクに要求される特性に応じて使用され、単独で用いられてもよく、2種以上を併用されてもよい。
【0022】
上記水溶性有機溶剤の本発明のインクジェット記録用水性インクにおける含有量としては、本発明のインクジェット記録用水性インクの全量に対して下限が5重量%、上限が40重量%であることが好ましい。5重量%未満であると、湿潤作用が不充分となり、析出、乾固等の問題を生じることがある。40重量%を超えると、インクが必要以上に増粘することで、吐出困難となったり、記録紙上での乾燥が極端に遅くなったりする等の問題を生じることがある。より好ましい下限は7重量%、更に好ましい下限は10重量%である。
【0023】
本発明のインクジェット記録用水性インクの基本組成は以上の通りであるが、必要に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴剤等の従来公知の各種添加剤を含有していてもよい。
上記粘度調整剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース類、水溶性樹脂等を挙げることができる。
【0024】
本発明のインクジェット記録用水性インクは、上記化学式(1)で表される非環状多糖類を含有するものであるので、インクジェット記録用水性インクから水分が完全に蒸発した場合であっても、染料や非環状多糖類が析出することないため、インクジェット印刷において、インクジェットヘッドのノズル先端部等で目詰まりが発生したり、不吐出が生じたりすることなく、長期にわたるノズル噴射安定性を得ることができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
市販のデキストリン(関東化学社製)をGPC(日本ウォーターズ社製、GPCアライアンスシステム、ウルトラハイドロジェル250カラム使用)により分画し、上記化学式(1)で表される非環状多糖類である分子量1700未満のデキストリン(フラクションA、n<10)と、上記化学式(1)で表される非環状多糖類である分子量1700以上16000未満のデキストリン(フラクションB、10<n<100)とを得た。以下、分子量分布はGPCにて測定した。
【0027】
Acid Red 82(水溶性赤色染料)2重量%、グリセリン(GL)20重量%、ジエチレングリコール(DEG)5重量%、ジプロピレングリコールプロピルエーテル(DPGPE)3重量%、フラクションBのデキストリン(10<n<100)4.5重量%、及び、純水65.5重量%を10分間攪拌混合した後、孔径0.1μmのメンブランフィルターにて濾過し、インクジェット記録用水性インク(赤色インクR1)を得た。
【0028】
(実施例2)
Acid Yellow 23(水溶性黄色染料)3重量%、ポリエチレングリコール#200(PEG)18重量%、トリエチレングリコール(TEG)8重量%、DPGPE3重量%、上記化学式(1)で表される非環状多糖類であるグリコーゲン(関東化学社製、6,000≦n≦30,000)0.8重量%、及び、純水67.2重量%を10分間攪拌混合した後、孔径0.1μmのメンブランフィルターにて濾過し、インクジェット記録用水性インク(黄色インクY1)を得た。
【0029】
(実施例3)
Direct Blue 199(水溶性青色染料)2.5重量%、GL21重量%、TEG4重量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE)5重量%、上記化学式(1)で表される非環状多糖類であるアミロース(関東化学社製、200≦n≦1,000)2.5重量%、及び、純水65重量%を10分間攪拌混合した後、孔径0.1μmのメンブランフィルターにて濾過し、インクジェット記録用水性インク(青色インクB1)を得た。
【0030】
(実施例4)
Food Black 2(水溶性黒色染料)5重量%、PEG15重量%、DEG8重量%、TEGBE6重量%、上記化学式(1)で表される非環状多糖類である馬鈴薯澱粉(200≦n≦300,000)0.2重量%、及び、純水65.8重量%を10分間攪拌混合した後、孔径0.1μmのメンブランフィルターにて濾過し、インクジェット記録用水性インク(黒色インクK1)を得た。
【0031】
(比較例1)
実施例1において、上記化学式(1)で表される非環状多糖類であるフラクションBのデキストリン(10<n<100)の配合量を5.2重量%、純水の配合量を64.8重量%とした以外は、同様にしてインクジェット記録用水性インク(赤色インクR2)を得た。
【0032】
(比較例2)
実施例4において、上記化学式(1)で表される非環状多糖類である馬鈴薯澱粉(200≦n≦300,000)の配合量を0.05重量%、純水の配合量を65.95重量%とした以外は、同様にしてインクジェット記録用水性インク(黒色インクK2)を得た。
【0033】
(比較例3)
実施例1において、フラクションBのデキストリンの代わりに、フラクションAのデキストリン(n<10)を使用した以外は、同様にしてインクジェット記録用水性インク(赤色インクR3)を得た。
【0034】
(比較例4)
実施例1において、フラクションBのデキストリンの代わりに、上記化学式(1)でn=1で表される単糖類であるフルクトース(関東化学社製)を使用した以外は、同様にしてインクジェット記録用水性インク(赤色インクR4)を得た。
【0035】
(比較例5)
実施例1において、フラクションBのデキストリンの代わりに、上記化学式(1)でn=2で表される二糖類であるスクロース(関東化学社製)を使用した以外は、同様にしてインクジェット記録用水性インク(赤色インクR5)を得た。
【0036】
(比較例6)
実施例1において、フラクションBのデキストリンの代わりに、上記化学式(1)で表される環状多糖類であるγ−シクロデキストリン(アルドリッチ社製、n=8)を使用した以外は、同様にしてインクジェット記録用水性インク(赤色インクR6)を得た。
【0037】
下記表1に、実施例1〜4及び比較例1〜6において得られたインクジェット記録用水性インクの組成を示す。
また、実施例1〜4及び比較例1〜6に係るインクジェット記録用水性インクを以下の評価方法によって評価した。
【0038】
(1)水分蒸発後の状態評価
各実施例及び比較例に係るインクジェット記録用水性インクをサンプル瓶(アズワン社製、No.2)に5g入れ、温度50℃、湿度30%の恒温槽内に1週間放置してインクジェット記録用水性インク中の水分を完全に蒸発させ、その状態を確認した。
結果を下記の表2に示した。なお、表2中インクが固化せず析出が生じていないものは○、微量の析出が見られたものは△、インクが固化したものや△よりも多く析出が見られたものは×と示した。
【0039】
(2)噴射評価
米国特許第6070310号明細書に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドを米国特許第6247782B1号明細書に開示されているインクジェットプリンターに搭載し、各実施例及び比較例に係るインクジェット記録用水性インクを1分間連続吐出した後、キャップをせず1週間放置し、再び吐出を行い、ピン抜け割合を測定した。
結果を下記の表2に示した。なお、表2中ピン抜けが1%未満の場合を○、1〜10%の場合を△、10%以上の場合を×と示した。
【0040】
【表1】
Figure 2004263105
【0041】
【表2】
Figure 2004263105
【0042】
表2に示した結果より明らかなように、上記化学式(1)で表される非環状多糖類(n≧10)を0.1〜5重量%含有する実施例1〜4に係るインクジェット記録用水性インクでは、インク中の水分が完全蒸発後に固化したり析出が発生したりすることが無いため、インクの目詰まりや不吐出が発生することなく噴射安定性に優れたものであった。
【0043】
これに対し、比較例1に係るインクジェット記録用水性インクは、上記化学式(1)で表される非環状多糖類のインクジェット記録用水性インクにおける含有量が5重量%を超えるものであったため、インク中の水分が完全蒸発後に固化することはなかったが、インクジェット記録用水性インクの粘度が高くなりすぎ、インクの不吐出が発生した。また、比較例2に係るインクジェット記録用水性インクは、上記化学式(1)で表される非環状多糖類のインクジェット記録用水性インクにおける含有量が0.1重量%未満であったため、非環状多糖類を含有させた効果がほとんど得られず、インク中の水分が完全蒸発後に固化したり、析出が生じたりし、目詰まりや不吐出が発生した。
また、上記化学式(1)で表される非環状多糖類のnが10未満である比較例3〜5及び環状多糖類を含有する比較例6に係るインクジェット記録用水性インクは、いずれもインク中の水分が完全蒸発後に固化したり、析出が生じたりし、目詰まりや不吐出が発生した。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成よりなるので、インクジェット記録装置の吐出ヘッドの先端部やインク流路内での目詰まりや、不吐出が生じることがなく、長期にわたるノズル噴射安定性を得ることができるインクジェット記録用水性インクを提供することができる。

Claims (1)

  1. 少なくとも水、水溶性有機溶剤、染料及び下記化学式(1)で表される非環状多糖類を含有し、前記非環状多糖類の配合量が0.1〜5重量%であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
    (C10 (1)
    化学式(1)中、nは10以上の整数を表す。
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