JPH08209046A - 記録液 - Google Patents

記録液

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JPH08209046A
JPH08209046A JP1357795A JP1357795A JPH08209046A JP H08209046 A JPH08209046 A JP H08209046A JP 1357795 A JP1357795 A JP 1357795A JP 1357795 A JP1357795 A JP 1357795A JP H08209046 A JPH08209046 A JP H08209046A
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recording liquid
water
pigment
recording
soluble organic
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JP1357795A
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Masanori Arai
真紀 新井
Mizue Fujimori
瑞▲恵▼ 藤森
Yuji Akao
赤尾  祐司
Takuya Matsuzoe
琢也 松添
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Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも水、顔料、顔料の分散剤、水溶性
有機溶剤から構成され、前記水溶性有機溶剤が保湿剤と
してポリエチレングリコールモノベンジルエーテルを含
有し、かつ、水溶性有機溶剤の含有量が記録液の8重量
%以上15重量%以下であることを特徴とするする記録
液。 【効果】 ポリエチレングリコールモノベンジルエーテ
ルは顔料の分散性を良くする効果を持つと同時に、保湿
能に優れており、必要な量が少ないので、粘度が低くて
吐出性の良い記録液を得ることができる。さらに、紙等
の被記録材に対する親和性が良いため、記録物が乾燥し
やすく、滲みのない高反射濃度の記録物を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録液に関するもので、
特にインクジェット記録に使用される記録液に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、低騒音で高速印
字が可能であり、更にカラー化に適した記録方法であ
り、最近急速に普及しつつある記録方法である。このよ
うなインクジェット記録は、電気信号を用いて加圧ある
いは加熱といった方法により記録液を小液滴として吐出
させ、これを紙等の被記録材に付着させて記録を行うも
のである。
【0003】記録液の液媒体としては、安全性や普通紙
上への滲みの面から考えると、非水性液媒体よりも水性
液媒体を用いる方が有利である。また、着色剤として
は、記録物の耐水・耐候性の面から考えると、染料より
も顔料を用いる方が有利である。
【0004】しかし、染料よりも顔料を用いたほうが耐
水・耐候性にすぐれているにもかかわらず、これまで、
一般に普及しているインクジェット記録用記録液は、殆
どが水性液媒体と染料を用いた記録液であった。これ
は、顔料を用いた場合は、顔料の分散を安定に保つこと
できるように構成材料を組み合わせることが難しく、記
録液を長期保存することが困難なためである。また、記
録ヘッドのノズル孔目詰まりが発生しやすいためであ
る。また、その原因となる顔料凝集を防止するために多
量の保湿剤を添加する手法も試みられているが、そのた
めに記録液の粘度が高くなり、吐出性が低下してしまう
という理由によるものである。
【0005】水性液媒体を用いた記録液における保湿剤
としては、これまでに様々な水溶性有機溶剤が知られて
いる。例えば特開平2−233781号公報に、水性液
媒体と染料を用いた記録液にジエチレングリコール、グ
リセリン、ポリエチレングリコールからなる水溶性有機
溶剤を4〜20重量%含有する記録液が示されている。
水性液媒体に可溶である染料を用いた記録液と異なり、
顔料を用いた記録液は、顔料が水性液媒体に不溶であ
り、固体状態であるため、前述したように、記録ヘッド
のノズル孔における目詰まりが発生しやすく、染料を用
いた記録液より、多量の保湿剤が必要であると考えられ
ていた。例えば特開平3−157464号公報には、顔
料を用いた記録液が示されているが、保湿剤は水100
部に対して30〜80部使用することが好ましいとされ
ていた。
【0006】また、記録液の保湿剤としてポリエチレン
グリコールモノベンジルエーテルを使用した例はこれま
でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、保湿剤の含有
量が多いと、前述のように記録液の粘度が高くなり、吐
出性の低下が問題となってくる。
【0008】そこで、本発明の目的は、水性液媒体と顔
料を用いた記録液において、顔料の分散が安定な記録液
を提供することであり、また、ノズル孔での目詰まりが
発生しにくく、長期保存が可能で、粘度が低く吐出性の
良い記録液を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の記録液は、少なくとも顔料、顔料の分散剤、
水、水溶性有機溶剤から構成され、前記水溶性有機溶剤
が保湿剤として少なくともポリエチレングリコールモノ
ベンジルエーテルを含有するものであり、かつ、水溶性
有機溶剤の含有量が記録液の8ないし15重量%である
ことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の記録液は、少なくとも顔
料、顔料の分散剤、水、水溶性有機溶剤から構成され、
前記水溶性有機溶剤が保湿剤として、少なくともポリエ
チレングリコールを含有するものであり、かつ、水溶性
有機溶剤の含有量が記録液の8ないし15重量%である
ことを特徴とするものである。
【0011】本発明の記録液に使用される顔料は、一般
に使用される顔料であり、アゾ系、フタロシアニン系、
キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、
インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、ペリノン
系、イソインドリノン系、キノフタロン系、酸化チタ
ン、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック等が挙
げられる。
【0012】本発明における分散剤は、水と水溶性有機
溶剤より本質的に構成される水性液媒体に、顔料を均一
に分散させるものであればよいが、少なくとも芳香族系
の官能基を与える単量体とカルボキシル基を与える単量
体とを重合して得られた高分子化合物と、該高分子化合
物と塩を形成する化合物より本質的になるものであるこ
とが好ましい。
【0013】本発明における芳香族系の官能基を与える
単量体は、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレ
ン、またはビニルナフタレン誘導体から選ばれる単量体
であることが好ましく、また、本発明におけるカルボキ
シル基を与える単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マ
レイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、または
フマル酸モノエステルから選ばれる単量体であることが
好ましい。
【0014】本発明で使用される前記高分子化合物とし
て、顔料の分散性を改良するために、前述した芳香族系
の官能基を与える単量体およびカルボキシル基を与える
単量体とともに、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、クロトン酸エステル、イタコン酸ジエステル、
マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、アクリル
ニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリルアミド、
またはメタクリルアミドから選ばれる単量体を重合して
得られるものも使用することができる。
【0015】本発明で使用される前記高分子化合物中の
カルボキシル基を与える単量体の重量比は高分子化合物
に対して10%以上40%以下であることが好ましく、
さらに好ましくは10%以上30%以下である。また、
高分子化合物の分子量は、5000より小さいと顔料の
分散性が悪くなり、100000より大きいと記録液の
粘度が高くなるので、5000以上100000以下で
あることが好ましい。本発明で使用される高分子化合物
は、前述した単量体の混合物を重合調節剤を用いて重合
し、所望の比率、分子量のものを得ることができる。
【0016】本発明の高分子化合物と反応して塩を形成
する化合物としては、ナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属の化合物類、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類、モノメタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等のアルコールアミン類等を使用することができる。
【0017】本発明における分散剤としては、前述の高
分子化合物以外の高分子化合物、天然樹脂、界面活性剤
等を使用することもできる。
【0018】本発明の記録液における水溶性有機溶剤
は、少なくともポリエチレングリコールモノベンジルエ
ーテル、あるいはポリエチレングリコール、あるいはそ
の両者を含むものであるが、それらの分子量は150〜
500であることが好ましい。本発明の水溶性有機溶剤
としては、ポリエチレングリコールモノベンジルエーテ
ル、もしくはポリエチレングリコール、あるいはその両
者とともに、そのほかの水溶性有機溶剤を併用すること
もできる。そのほかの水溶性有機溶剤としては、n−プ
ロピルアルコール、シクロヘキシルアルコール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジメチル
アセトアミド等のアミド類、ジオキサン等のエーテル
類、酢酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル
類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエ
ーテル類、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素環状
化合物等が挙げられる。
【0019】本発明の記録液に使用される水溶性有機溶
剤の含有量は、吐出性の良い記録液を得るためには、8
重量%以上15重量%以下であることが好ましい。水溶
性有機溶剤の含有量は、記録液に保湿性をもたせるため
に十分でなければならないが、15重量%より多くなる
と、記録液の粘度が上昇し、記録液の吐出性が悪くなる
とともに、紙等の被記録材への浸透性が低下して紙等の
被記録材上での乾燥性が悪くなってしまう。
【0020】本発明の記録液の表面張力は35dyne
/cm以上であることが望ましい。表面張力が35dy
ne/cmよりも小さいと、記録物の印字品質、とくに
再生紙上での印字品質が非常に悪くなってしまう。
【0021】本発明の記録液には水、顔料、顔料の分散
剤、水溶性有機溶剤のほかに、必要に応じて各種添加剤
等を加えても良い。そのような添加剤としては例えば、
表面張力調整剤、酸化防止剤、防黴剤、紫外線吸収剤、
安定剤等が挙げられる。ただし、これらの添加剤は極力
少ない種類で最小限に抑え、互いの親和性、安定性およ
び粘度等所望の特性を満足し得るように選択して使用さ
れることが好ましい。
【0022】以上に述べたような組成で調製する本発明
の記録液は、水性液媒体と顔料を用いた記録液におい
て、顔料の分散が安定な記録液であり、また、粘度が低
く吐出性の良い記録液である。さらに、本発明の記録液
はノズル孔での目詰まりが発生しにくく、長期保存が可
能であるとともに、紙等の被記録材上で速く乾燥し、滲
みのない記録物を得ることができる記録液である。しか
も、本発明の記録液は、顔料+水性液媒体系であるた
め、耐水性・耐候性に優れまた滲みの少ない記録物を与
える。
【0023】
【作用】種々の水溶性有機溶剤を用いて記録液を調製
し、ノーキャップで一定時間放置した後の吐出状態を調
べていく中で、ポリエチレングリコールもしくはポリエ
チレングリコールモノベンジルエーテルを含有した記録
液は、水溶性有機溶剤の含有量が少なくても目詰まりの
発生が起こらないことを見いだした。すなわち保湿剤と
してポリエチレングリコールもしくはポリエチレングリ
コールモノベンジルエーテルを含有する記録液は、一定
時間ノーキャップで放置しても目詰まりが発生しないた
めの保湿剤の含有量が少なくてすむので、粘度が低くな
ることにより吐出性の良い記録液となるのである。ま
た、本発明の記録液は、保湿剤の含有量が少なく粘度が
低いので、紙上での記録液の乾燥時間が短くなる。さら
にポリエチレングリコールやポリエチレングリコールモ
ノベンジルエーテルがある程度紙への親和性を持ってい
るため、指触乾燥剤のような紙への浸透性を増すための
添加剤を使用しなくてもよい。従って、滲みのない高反
射濃度の記録物を得ることができるのである。
【0024】さらに、種々の水溶性有機溶剤を用いて記
録液を調製し特性を調べていく中で、ポリエチレングリ
コールモノベンジルエーテルは保湿剤としての特性だけ
でなく、記録液の調製時に少量添加するだけで顔料の分
散をよくする効果ももちあわせていることを見いだし
た。これは、ポリエチレングリコールモノベンジルエー
テルが親水基と疎水基の両方をもっており、顔料の分散
にも寄与することができるためである。また、記録液中
のポリエチレングリコールモノベンジルエーテルの添加
量を制御することにより、記録液の表面張力をコントロ
ールすることができ、記録ヘッドに合わせた物性のイン
クを得ることができる。
【0025】以上示したように、水、顔料、顔料の分散
剤、水溶性有機溶剤から構成され、前記水溶性有機溶剤
に保湿剤としてポリエチレングリコールおよび/または
ポリエチレングリコールモノベンジルエーテルを含有す
る記録液は、粘度が低く吐出性の良い記録液となる。さ
らに、前記保湿剤として、ポリエチレングリコールモノ
ベンジルエーテルを含有する記録液は顔料の分散も非常
に安定な記録液となる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。
【0027】(実施例1)ペイントシェーカーを用いて
下記の各成分を20時間溶解分散した後、遠心分離機に
かけて沈降物を除去し、記録液を作製した。なお、下記
(20/35/45)は高分子化合物中の各単量体の重
量比を表し、以下の実施例および比較例においても同様
である。 水 79.5重量% カーボンブラック 5重量% メタクリル酸−スチレン−メチルメタクリレート 2重量% (20/35/45)共重合体(分子量約4万) トリエチルアミン 0.5重量% ポリエチレングリコール(分子量約300) 13重量%
【0028】(実施例2)ペイントシェーカーを用いて
下記の各成分を20時間溶解分散した後、遠心分離機に
かけて沈降物を除去し、記録液を作製した。 水 78.5重量% 銅フタロシアニン 5重量% アクリル酸−ビニルナフタレン−酢酸ビニル 2重量% (30/25/45)共重合体(分子量約2万) ジエタノールアミン 0.5重量% ポリエチレングリコールモノベンジルエーテル 5重量% (分子量約400) グリセリン 9重量%
【0029】(実施例3)ペイントシェーカーを用いて
下記の各成分を20時間溶解分散した後、遠心分離機に
かけて沈降物を除去し、記録液を作製した。 水 81.5重量% カーボンブラック 6重量% アクリル酸−スチレン−ドデシルメタクリレート 2重量% (30/50/20)共重合体(分子量約7万) ジメチルエタノールアミン 0.5重量% ポリエチレングリコール(分子量約200) 8重量% 2,4−ペンタンジオール 2重量%
【0030】(実施例4)ペイントシェーカーを用いて
下記の各成分を20時間溶解分散した後、遠心分離機に
かけて沈降物を除去し、記録液を作製した。 水 83重量% キナクリドン 4重量% アクリル酸−スチレン 1.5重量% (25/75)共重合体(分子量約1万) トリエチルアミン 0.5重量% ポリエチレングリコールモノベンジルエーテル 2重量% (分子量約300) ポリエチレングリコール(分子量約400) 9重量%
【0031】(比較例1〜4)実施例1〜4においてポ
リエチレングリコールモノベンジルエーテルおよびポリ
エチレングリコールをグリセリンに換えて、他は同様に
して比較例1〜4の記録液を調製した。
【0032】(比較例5〜8)実施例1〜4において、
実施例1、3、4ではポリエチレングリコール、実施例
2ではポリエチレングリコールモノベンジルエーテルの
添加量をそれぞれ6重量%増やし、その分、水を6重量
%減らして、他は同様にして比較例5〜8の記録液を調
製した。
【0033】(実施例5)実施例1〜4および比較例1
〜8で調製した記録液をそれぞれオンデマンド型圧電系
インクジェットプリンタヘッドに搭載し、数種の普通紙
上に印字を行った。各記録物のドット形状を検討したと
ころ、すべての紙に対して良好な円形が得られ、かつ高
反射濃度を示した。各記録物を流水中に5分間浸漬し、
記録状態を検討した結果、記録濃度の低下は起こらなか
った。また、各記録物をフェードメータに50時間曝
し、記録状態を検討した結果、記録濃度の低下は全く起
こらなかった。さらに、各記録物を印字数分後記録液が
乾燥してから濡れた手で擦ったところ汚れは全くみられ
なかった。
【0034】実施例2の記録液と比較例2の記録液にお
いて、ペイントシェーカーで分散後、遠心分離機にかけ
たところ、沈降物の量は実施例2の記録液の方が比較例
2の記録液よりも少なかった。実施例2の記録液は、ポ
リエチレングリコールモノベンジルエーテルを含有して
いるために、顔料の分散がより良い状態で行われたので
ある。
【0035】さらに各記録液について、以下のテストを
行った。 インクジェットプリンタヘッドをノーキャップで10
分間放置した後に印字。 インクジェットプリンタヘッドをノーキャップで6時
間放置した後に印字。 5℃環境下で印字。 印字30秒後に記録物を手でさわったときの汚れの観
察。
【0036】実施例1〜4は、問題なし、印字始め
の数文字にかすれがみられたのみでそれ以降は問題な
し、ドットが小さくなるが、良好に吐出可、汚れな
し、という結果であった。ポリエチレングリコールモノ
ベンジルエーテル、あるいはポリエチレングリコールの
作用で目詰まりが発生せず、また、水溶性有機溶剤の含
有量が少なく低粘度の記録液なので低温においても良好
な吐出が可能で、紙への親和性もあるので印字30秒後
には記録物が完全に乾燥する記録液であった。
【0037】比較例1〜4は、印字始めの数文字にか
すれがみられた、不吐出ノズル発生、ドットが小さ
くなるが、良好に吐出、汚れあり、という結果であっ
た。比較例1〜4の記録液は、ポリエチレングリコール
モノベンジルエーテル、あるいはポリエチレングリコー
ルを使用しない記録液であるため、水溶性有機溶剤の量
が15重量%以下では保湿効果が足りず、記録ヘッドの
ノズル孔において顔料の凝集が起こり、目詰まりを発生
してしまったものである。しかし、粘度は低いので低温
においても良好な吐出が可能な記録液であった。紙への
親和性は低く、印字後30秒では記録物は乾燥しなかっ
た。
【0038】比較例5〜8では、問題なし、印字始
めの数文字にかすれがみられたのみでそれ以降は問題な
し、不吐出ノズル発生および吐出方向のズレ発生、
汚れあり、という結果であった。しかし、〜のテス
トにおいて、連続して印字を行うと、徐々に吐出の勢い
が弱くなってしまい、美しい記録物が得られなくなって
しまった。比較例5〜8の記録液は、保湿剤の含有量が
十分であるので、ノズル孔での目詰まりは起こりにくい
が、粘度が高く、印字中に記録液の供給が間に合わず、
徐々に吐出の勢いが弱くなってしまったものである。さ
らに低温における吐出性は悪く、5℃環境下の印字で
は不吐出ノズルも発生してしまった。また、紙上での記
録物の乾燥性も悪かった。
【0039】すなわち、本発明により、顔料の分散が安
定で、ノズル孔での目詰まりが発生しにくく、長期保存
が可能であり、また、紙への親和性が良く紙上で記録物
が乾燥しやすく、粘度が低く低温でも吐出性の良い記録
液を得ることができた。しかも、本発明の記録液は、顔
料+水性液媒体系であるため、耐水性・耐候性に優れ、
また滲みの少ない記録物を与える記録液である。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、顔料、顔料の分散
剤、水、水溶性有機溶剤から構成される記録液におい
て、前記水溶性有機溶剤が保湿剤としてポリエチレング
リコールモノベンジルエーテルおよび/またはポリエチ
レングリコールを含有し、かつ、水溶性有機溶剤の含有
量が記録液の8重量%以上15重量%以下であることを
特徴とする本発明により、顔料の分散が安定で、ノズル
孔での目詰まりが発生しにくく、長期保存が可能であ
り、また、紙への親和性が良く紙上で記録物が乾燥しや
すく、粘度が低く低温でも吐出性の良い記録液を提供す
ることが可能となった。また、本発明の記録液中のポリ
エチレングリコールモノベンジルエーテルの添加量を制
御することにより、記録液の表面張力をコントロールす
ることができ、記録ヘッドに合わせた物性のインクを得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松添 琢也 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも顔料、分散剤、水、水溶性有
    機溶剤よりなる記録液において、前記水溶性有機溶剤
    が、保湿剤として少なくともポリエチレングリコールモ
    ノベンジルエーテルを含有し、かつ、水溶性有機溶剤の
    含有量が記録液の8重量%以上15重量%以下であるこ
    とを特徴とする記録液。
  2. 【請求項2】 少なくとも顔料、分散剤、水、水溶性有
    機溶剤よりなる記録液において、前記水溶性有機溶剤
    が、保湿剤として少なくともポリエチレングリコールを
    含有し、かつ、水溶性有機溶剤の含有量が記録液の8重
    量%以上15重量%以下であることを特徴とする記録
    液。
  3. 【請求項3】 分散剤が、少なくとも芳香族系の官能基
    を与える単量体とカルボキシル基を与える単量体とを重
    合して得られた高分子化合物と、前記高分子化合物と塩
    を形成する化合物より本質的になることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の記録液。
  4. 【請求項4】 前記芳香族系の官能基を与える単量体が
    スチレンもしくはスチレン誘導体、またはビニルナフタ
    レンもしくはビニルナフタレン誘導体であることを特徴
    とする請求項3記載の記録液。
  5. 【請求項5】 前記カルボキシル基を与える単量体がア
    クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イ
    タコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエ
    ステル、フマル酸またはフマル酸モノエステルであるこ
    とを特徴とする請求項3または請求項4記載の記録液。
JP1357795A 1995-01-31 1995-01-31 記録液 Pending JPH08209046A (ja)

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