この発明は、画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法に関し、例えば、長尺の媒体に画像形成及び切断を行うプリンタに適用し得る。
従来、ロールされた用紙等の長尺の媒体(以下、「長尺媒体」とも呼ぶ)に画像形成する画像形成装置では、印刷だけでなく媒体をカットする処理も行う。そして、従来の長尺媒体に対応する画像形成装置では、カット位置や印刷開始位置を検出する為に、長尺媒体に表示された黒色のマーク(以下、「ブラックマーク」とも呼ぶ)や、長尺媒体上に形成されたラベルの端部等の位置合わせの基準が定められている。従来の長尺媒体に対応する画像形成装置では、上述のような位置合わせの基準の位置を、光学的なセンサ(例えば、反射型センサや透過型センサ等)を用いて検出している。
従来の長尺媒体に対応した画像形成装置としては、例えば、特許文献1に記載の装置がある。特許文献1に記載された画像形成装置では、長尺状の台紙にラベルが仮着された長尺媒体を使用時に、透過型センサを使用してラベルの外形を検出する。また、特許文献1に記載の画像形成装置では、ブラックマークが一定間隔で印刷された長尺媒体を使用時には、反射型センサを使用してブラックマークを検出している。
しかしながら、従来の電子写真式の画像形成装置では、媒体に現像剤像を転写した後、当該媒体に現像剤像を熱及び圧力により定着させる定着処理が必要となる。そのため、長尺媒体に対応する電子写真式の画像形成装置では、定着処理の熱で媒体が熱収縮し寸法が変化する場合がある。従来の電子写真式の画像形成装置では、印刷工程よりも上流側で長尺媒体をカットする際、熱収縮による媒体の寸法変化の影響は考慮されていない。定着器を有する電子写真式の画像形成装置では、長尺媒体をカット後に画像形成と定着の工程を経て印刷が完了となるため、印刷完了後に長尺媒体をカットするサーマルプリンタやインクジェットプリンタと異なる。
また、従来の長尺媒体に対応する画像形成装置では、ブラックマークをカットした後のブラックマークの寸法変化による書出し位置への影響については考慮されていない。例えば、従来の画像形成装置で、長尺状の台紙にラベルが仮着された媒体をカットする場合、ラベル間、又はブラックマークを基準にカットする。
従来の画像形成装置では、カット位置は、ラベルとラベルの中間位置とすることが一般的である。これは、カット位置が多少ずれた場合に誤ってラベルを切断することを防ぐ事を目的としている。
従来の画像形成装置において、ブラックマークがラベル間に配置された媒体に画像形成を行う場合、ブラックマークの中心部分を切断することになる。サーマルプリンタやインクジェットプリンタは印刷後にカットするため、カット後にブラックマークは使用されない。しかし、従来の電子写真式の画像形成装置では、通常カッタよりも下流側に、ブラックマークを用いて位置決めを行う画像形成部が配置されている。よって、従来の画像形成装置では、画像形成を行う際、本来のブラックマークの長さが短くなる。これにより、従来の電子写真式の画像形成装置では、センサでの検出誤差が大きくなってしまい、印刷開始位置がずれてしまう場合がある。また、従来の電子写真式の画像形成装置では、媒体をカットしたときに、ブラックマークの長さが短くなりすぎると、カット後のブラックマークをセンサで検出できない恐れがある。
従来の電子写真式の画像形成装置では、長尺状の台紙にラベルが仮着された媒体に画像形成を行う場合、ラベル間の台紙部分をカットし、ラベルの端部からカットされた台紙の端部までの寸法が数mm程度となるようにする。これは、ラベルの裏面の粘着部分が搬送路に触れて、ジャム発生原因とならないようにするためである。例えば、台紙からラベルが剥がれてしまうと、画像形成装置内の搬送路に当該粘着部分が貼り付くことでジャムの発生原因となる。さらに、従来の電子写真式の画像形成装置では、熱収縮により台紙部分の先端からラベル部分がはみ出す場合がある。この場合、台紙からラベルの粘着材が露出してはがれやすくなるため、画像形成装置内の搬送路や定着器に貼り付く原因となる。
以上のような問題に鑑みて、長尺の媒体を切断して画像形成を行う際に、印刷位置ズレやジャム発生のリスクを低減し安定的に媒体に媒体の搬送や画像形成を行うことができる画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法が望まれている。
第1の本発明は、画像形成装置において(1)長尺の台紙上に所定の間隔で媒体片が付けられた長尺媒体の各媒体片に画像形成を行う画像形成部と、(2)前記画像形成部に前記長尺媒体を搬送する搬送部と、(3)前記搬送部で搬送している前記長尺媒体を切断する切断部と、(4)前記切断部で前記長尺媒体を切断する切断位置を決定する切断位置決定部とを備え、(5)前記切断位置決定部は、前記長尺媒体の構成に応じて、切断位置を変更することを特徴とする。
第2の本発明は、画像形成装置の制御方法において、(1)画像形成部、搬送部、切断部、切断位置決定部を備え、(2)前記画像形成部は、長尺の台紙上に所定の間隔で媒体片が付けられた長尺媒体の各媒体片に画像形成を行い、(3)前記搬送部は、前記画像形成部に前記長尺媒体を搬送し、(4)前記切断部は、前記搬送部で搬送している前記長尺媒体を切断し、(5)前記切断位置決定部は、前記切断部で前記長尺媒体を切断する切断位置を決定し、(6)前記切断位置決定部は、前記長尺媒体の構成に応じて、切断位置を変更することを特徴とする。
本発明によれば、長尺の媒体を切断して画像形成を行う際に、印刷位置ズレやジャム発生のリスクを低減し安定的に媒体に媒体の搬送や画像形成を行うことができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成について示したブロック図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置で用いられる媒体の構成について示した図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置で用いられる媒体が切断された状態について示した説明図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置に記憶される媒体設定情報の構成例について示した説明図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置に記憶される媒体種類情報の構成例について示した説明図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置の動作について示したフローチャート(その1)である。
第1の実施形態に係る画像形成装置の動作について示したフローチャート(その2)である。
第2の実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成について示したブロック図である。
第2の実施形態に係る媒体がカットされた後のブラックマークの状態(ブラックマーク長)について示した説明図である。
第2の実施形態に係る画像形成装置に記憶される媒体設定情報の構成例について示した説明図である。
第2の実施形態に係る画像形成装置の動作について示したフローチャートである。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置100の概略断面図である。
画像形成装置100は、画像形成部101、及びフィーダ部102を有している。また、画像形成部101には、定着部111が配置されている。
フィーダ部102はロール状に巻かれた長尺媒体としての媒体103を収容し、画像形成部101に供給する。画像形成部101は、画像データに基づいた画像のトナー像(現像剤像)を形成し、フィーダ部102から供給された媒体103に転写する。定着部111は、画像形成部101によりトナー像が転写された媒体103(トナー像が転写された媒体103)に熱及び圧力を加えて、当該媒体103にトナー像を定着させる処理を行う。
図2に示すように、画像形成装置100の内部では、媒体搬送路400に沿って、媒体103が搬送される。以下では、媒体搬送路400に沿った方向を「媒体搬送方向」とも呼ぶものとする。また、以下では、媒体搬送路400で媒体103が搬送される方向(図2の矢印Xの方向)の側「下流側」とも呼ぶものとする。さらに、以下では、媒体搬送路400で媒体103が搬送される方向と逆の方向(図2の矢印Xと逆の方向)の側を「上流側」とも呼ぶものとする。媒体搬送路400上には、上流側から順に、搬送ローラ105a、105b、105c、画像形成部搬送ローラ110、排出ローラ117が配置されている。媒体搬送路400上では、上述の各ローラを用いて媒体103が搬送される。画像形成装置100では、媒体搬送路400上の各ローラ及び各ローラを駆動するモータにより媒体103を搬送する搬送部が構成されている。
また、以下では、媒体103に係る媒体搬送方向の寸法を「長さ」と呼び、媒体103に係る媒体搬送方向と直交する方向の寸法を「幅」と呼ぶものとする。
次に、媒体103の構成について図3を用いて説明する。
図3に示すように、媒体103は、長尺の台紙202と、長尺の台紙202に所定の間隔(ギャップ)で仮着された複数枚の媒体片としてのラベル201とを有している。また、以下では、媒体103及び台紙202で、ラベル201が仮着される方の面を「表面」と呼び、ラベルが仮着されない方の面を「裏面」と呼ぶものとする。
図3(a)は、媒体103の側面図である。また、図3(b)は、媒体103を表面の方から見た場合の図(平面図)である。さらに、図3(c)は、媒体103を裏面の方から見た場合の図(底面図)である。
図3に示すように、媒体103は、長尺の台紙202と、長尺の台紙202に所定の間隔(ギャップ)を空けて仮着された複数枚のラベル201とを有している。フィーダ部102では、図3に示す長尺の媒体103がロール状に巻かれた状態で収容されている。
図3(a)、(b)では、ラベル201の長さ(以下、「ラベル長」と呼ぶ)をL1と図示している。以下では、媒体搬送方向に隣接するラベル201間の領域(台紙202部分)をギャップ部204と呼ぶものとする。図3では、ギャップ部204の長さ(以下、「ギャップ長」と呼ぶ)をL2と図示している。図3では、ラベル201の幅(以下、「ラベル幅」と呼ぶ)をW1と図示している。
また、図3(c)に示すように、台紙202の裏面には、カットや画像形成の際の位置決めの基準とすることができるマークとしてのブラックマーク203が設けられている。ブラックマーク203は黒色のベタ塗で印刷された帯状のマークである。図3(a)では、ブラックマーク203の長さ(以下、「ブラックマーク長」と呼ぶ)をL3と図示している。
なお、図3に示す媒体103では、ギャップ長L2とブラックマーク長L3は同じ長さ(L2=L3)であるものとする。さらに、この実施形態では、図3に示すように、媒体搬送方向で、各ブラックマーク203の位置と各ギャップ部204の位置は同じであるものとする。
次に、図2に示すように、フィーダ部102の内部構成について説明する。
フィーダ部102では、媒体搬送路400に沿って上流側から順に、給紙ローラ104、搬送ローラ105a、搬送ローラ105b、カッ夕INセンサ107、オートカッタ106、及び搬送ローラ105cが配置されている。
給紙ローラ104は、ロール状媒体103を媒体搬送路400上に繰り出すローラである。
搬送ローラ105a、105b、105cは、給紙ローラ104により媒体搬送路400に繰出されたロール状媒体103を、媒体搬送路400の下流側(図2の矢印Xの方向)に搬送する。フィーダ部102では、給紙ローラ104と搬送ローラ105a、105b、105cの回転により、下流側に(画像形成部101側)媒体103を搬送(供給)する。
切断部としてのオートカッタ106は、媒体103をカット(切断)するものである。
カッ夕INセンサ107は、オートカッタ106の上流側で、媒体搬送路400上を通過する媒体103のラベル201、台紙202のギャップ部204、及び台紙202のブラックマーク203を識別(通過タイミングを識別)する。
カッ夕INセンサ107は、透過型センサ108及び反射センサ109を有している。
透過型センサ108は、媒体搬送路400上を通過する媒体103の光の透過率を検査し、その検査結果(透過率)に応じて、ラベル201(台紙202でラベル201が仮着された領域)の位置と、ギャップ部204(台紙202でラベル201が仮着されていない領域)の位置とを識別する。透過型センサ108は、その光の透過率の差を利用して、ラベル201の位置と、ギャップ部204の位置を検知する。
反射センサ109は、媒体搬送路400上を通過する媒体103の裏面(台紙202の裏面)の光の反射率を検査して、その検査結果(反射率)に応じて、ブラックマーク203が設けられている位置と、ブラックマーク203が設けられていない位置を識別する。反射センサ109は、その光の反射率の差を利用して、ブラックマーク203が設けられている位置と、ブラックマーク203が設けられていない位置とを検知する。
オートカッタ106は、後述する制御部300の制御に応じたタイミングで、媒体搬送路400上を通過する媒体103をカットする。オートカッタ106によりカットされた媒体103(切り離された媒体103の一部)は、搬送ローラ105cにより、画像形成部101に供給される。
図4は、媒体103がオートカッタ106によりカットされた状態について示した説明図である。
図4(a)は、媒体103がオートカッタ106によりカットされる前の状態について示した説明図である。図4(a)では、オートカッタ106によりカットされる位置(媒体搬送方向の位置)をP1と図示している。
図4(b)は、媒体103の一部がカット(媒体搬送方向に直行する方向にカット)され、切り離された状態について示した説明図である。図4(b)では、カットした後の上流側(位置P1の上流側)の媒体103を、媒体103−1と図示している。また、図4(b)では、カットした後の下流側(位置P1の下流側)の媒体103(切り離された方の媒体103)を媒体103−2と図示している。図4(b)に示すようにカットした後の下流側の媒体103−2には、1又は複数のラベル201が含まれている。
図4(b)では、上流側の媒体103−1において、台紙202の先端(位置P1)からラベル201の端部(媒体搬送方向の下流側の端部)までの寸法(以下、「台紙先端長」とも呼ぶ)をL4と図示している。カットされた後の上流側の媒体103−1において、台紙先端長L4は、カットされる際のカット位置P1やギャップ長L2によって異なる。
媒体103は、搬送ローラ105cによりフィーダ部102から排出される。そして、フィーダ部102から排出された媒体103は、画像形成部搬送ローラ110により下流側に搬送され、画像形成部101に供給される。
図2に示すように、画像形成部101は、媒体103を検出する書込センサとしてのWRセンサ112、及び画像信号に基づくトナー像を形成して媒体103に転写する画像形成ユニット116を有している。画像形成部101では、WRセンサ112により、媒体103が検出されると、画像形成ユニット116が、当該媒体103への画像形成(トナー像の転写)を行う。画像形成部101は、トナー像を形成した媒体103を下流側に排出する。画像形成部101から排出された媒体103は、定着部111に供給される。
定着部111は、ヒートローラ113及び加圧ローラ114を有している。
ヒートローラ113は、ヒータ113aにより加熱されるローラである。加圧ローラ114は、ヒートローラ113に圧接している。定着部111は、加圧ローラ114と排出ローラ115との間で媒体103を挟み込みながら下流側に搬送することにより、媒体103に対して熱及び圧力を加える定着処理を行う。これにより、定着部111を通過した媒体103のトナー像が定着することになる。
定着部111から排出された媒体103は、排出ローラ117によりさらに下流側に搬送され、画像形成装置100の外部に排出されることになる。
次に、画像形成装置100における制御系の構成について図1を用いて説明する。
画像形成装置100は、制御系の構成要素として、上述の図2の構成要素に加えて、制御部300、ヒートローラモータ301、給紙モータ302、第1の搬送モータ303、第2の搬送モータ304、排出モータ305、カッタモータ312、及び操作パネル118を有している。
ヒートローラモータ301は、定着部111のヒートローラ113を回転駆動させるためのモータである。給紙モータ302は、給紙ローラ104を回転駆動させるためのモータである。第1の搬送モータ303は、搬送ローラ105a〜105cを回転駆動させるためのモータである。第2の搬送モータ304は、画像形成部搬送ローラ110を回転駆動させるためのモータである。排出モータ305は、排出ローラ117を回転駆動させるためのモータである。カッタモータ312は、オートカッタ106を駆動し、媒体103をカットさせるためのモータ(駆動源)である。
制御部300は、画像形成装置100の全体の制御を行うものである。制御部300は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータに各種プログラム(実施形態に係る画像形成プログラム)をインストールすることにより構成するようにしてもよい。また、制御部300の一部又は全部についてハードウェア(例えば、専用の半導体チップ等)を用いて構築するようにしてもよい。制御部300は、機能的には、図1に示すように、ヒータ制御部306、モータ制御部307、オートカッタ制御部308、画像形成制御部309、設定情報記憶部310、及びI/F311を有している。
ヒータ制御部306は、定着部111のヒータ113aを制御し、ヒートローラ113の温度を制御するものである。
モータ制御部307は、各ローラの各モータ(ヒートローラモータ301、給紙モータ302、第1の搬送モータ303、第2の搬送モータ304、及び排出モータ305)の駆動制御を行うものである。モータ制御部307は、各モータを制御して媒体103を搬送すると共に、カッ夕INセンサ107及びWRセンサ112を用いて、媒体103の搬送状態を監視する。モータ制御部307は、ヒートローラ113の温度が適切な値へ到達後に媒体103の搬送を開始する。
切断位置決定部としてのオートカッタ制御部308は、オートカッタ106(カッタモータ312)の駆動制御を行うものである。オートカッタ制御部308は、カッタINセンサ107の検出結果を監視し、予め設定されたカット位置に媒体103が到達した時点でカッタモータ312を駆動してオートカッタ106で媒体103をカットする。具体的には、オートカッタ制御部308は、カッタINセンサ107の検出値に基づいて、台紙202のギャップ部204、又は、ブラックマーク203を検出する。その後、オートカッタ制御部308は、予め設定されたカット位置がオートカッタ106に到達したタイミングで、カッタモータ312を駆動し、媒体103をカットする。
画像形成制御部309は、主として画像形成部101による画像形成処理の制御を行うものである。画像形成制御部309は、上位装置2からI/F311を介して印刷データを受信し、受信した印刷データを画像データ(画像形成部101での印刷処理に対応するデータ)に変換する。画像形成制御部309は、WRセンサ112が媒体103を検出すると、画像データを画像形成部101へ転送する。そして、画像形成制御部309は、画像形成部101を制御して、媒体103上にトナー像を形成させる。
操作パネル118は、ユーザからの操作受付や情報出力を行うユーザインタフェースの機能を担っている。操作パネル118は、例えば、図示しないディスプレイやハードボタン等を用いて構成することができる。
I/F311は、外部の上位装置2と接続(通信)するためのインタフェースである。
設定情報記憶部310は、制御部300内の各部の制御で用いられる設定情報(パラメータ)を記憶する記憶部である。この実施形態の設定情報記憶部310は、少なくとも、媒体設定情報310a、及び媒体種類情報310bを記憶しているものとする。
媒体設定情報310aは、画像形成装置100で用いる媒体103(フィーダ部102に収納される媒体103)に関する情報である。媒体設定情報310aとしては、例えば、媒体103の種類やサイズ(各寸法)に関する情報が含まれる。
この実施形態では、媒体設定情報310aの内容は、例えば図5に示すような内容であるものとして説明する。
図5に示すように、この実施形態の媒体設定情報310aでは、媒体103のサイズに関する情報として、ラベル長、ラベル幅、ギャップ長及びカット位置の項目が登録されているものとする。媒体設定情報310aにおけるカット位置の項目は、媒体103をカットしたときの台紙先端長で示されるものとする。
また、図5では、媒体設定情報310aに媒体103の種類(材質)に関する情報も登録されている。図5に示す媒体設定情報310aでは、媒体103の種類(材質)として合成紙が設定されている。
図6は、媒体種類情報310bの構成例について示した説明図である。
媒体種類情報310bには、画像形成装置100で対応する媒体103の種類ごとに、当該媒体の特性(熱収縮の特性)に応じたカット位置の基準値が登録されている。
図6に示す媒体種類情報310bでは、媒体の種類ごとに、当該媒体の熱収縮の特性(熱収縮の度合)を示す「熱収縮」、及び当該媒体の熱収縮特性を考慮したカット位置(台紙先端長)を示す「基準値」の項目が登録されている。
「媒体の種類」の項目は、当該媒体の種類の名称が登録されている。図5では、普通紙、PET、ウレタン、合成紙の情報が登録されている。
「熱収縮」の項目は、当該媒体が定着部111で加熱される際の熱収縮の度合を示している。この実施形態では、熱収縮の項目は、カット位置の変更が必要となる「大」、又はカット位置の変更の必要がない「小」のいずれかが設定されるものとして説明する。図6では、普通紙の熱収縮のみが「小」に設定され、その他の種類の媒体(PER、ウレタン、合成紙)の熱収縮が「大」に設定されている。
「基準値」の項目は、熱収縮が「大」の媒体について、当該媒体の熱収縮特性を考慮して必要となるカット位置の基準値(台紙先端長)が登録されている。図6では、熱収縮の項目が「大」となるPET、ウレタン、及び合成紙についてそれぞれ基準値が設定されている。媒体種類情報310bでは、熱収縮の度合いが大きい種類の媒体ほど、大きい値の基準値(基準となる台紙先端長)が設定されることになる。
図1に示すように、制御部300において、設定情報記憶部310(媒体設定情報310a、媒体種類情報310b)へのデータ設定の方式については限定されないものである。例えば、制御部300は、ユーザからの操作(操作パネル118に対する操作)に応じて、設定情報記憶部310の内容変更を受付けるようにしてもよい。また、例えば、制御部300は、通信により外部装置(例えば、上位装置2)からの指示を受付けて、設定情報記憶部310の内容変更を受付けるようにしてもよい。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の画像形成装置100の動作を説明する。
図7、図8は、画像形成装置100(制御部300)の動作について示したフローチャートである。
制御部300は、待機中にユーザからの設定変更の操作(操作パネル118に対する操作)を受付けると、その操作に応じた設定情報を記憶する(S102、S103)。制御部300は、例えば、ユーザの操作により、設定情報記憶部310の媒体設定情報310aに登録する情報を受付けるようにしてもよい。
また、制御部300は、待機中に上位装置2からの印刷データを受信すると、画像形成の準備(例えば、画像形成制御部309が当該印刷データに基づく印刷を行うための画像データを作成する処理等)を行い(S101、S104)、後述するステップS105以後の動作で画像形成を行う。
画像形成を開始すると、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体種類情報310bを参照し、媒体設定情報310aに設定された媒体103の種類が、熱収縮率の高い種類の媒体であるか否か(熱収縮の項目が大であるか否か)を確認する(S105)。
制御部300は、媒体設定情報310aに設定された媒体103が熱収縮率の高い媒体であると判断した場合(熱収縮の項目が大である場合)、後述するステップS110の処理に移行し、媒体設定情報310aに設定された媒体103が熱収縮率の高い媒体でないと判断した場合(熱収縮の項目が小である場合)には、後述するステップS106に移行する。
上述のステップS105で、媒体設定情報310aに設定された媒体103の種類が、熱収縮率の高い種類の媒体であると判定された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体設定情報310aに設定されたカット位置(媒体103をカットした場合の台紙先端長)が、媒体種類情報310bに設定された基準値(媒体設定情報310aに設定された媒体の種類に対応する基準値)以上であるか否かを確認する(S110)。
制御部300は、設定されたカット位置(台紙先端長)が基準値以上である場合には後述するステップS106の処理に移行し、そうでない場合は後述するステップS111から動作する。
上述のステップS110で、設定されたカット位置(台紙先端長)が基準値より短いと判断された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、カット位置を基準値に変更可能か否かを判断する(S111)。制御部300(オートカッタ制御部308)は、設定されたカット位置(台紙先端長)が基準値以上の場合には後述するステップS113から動作し、そうでない場合には後述するステップS112から動作する。例えば、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体設定情報310aに設定されたギャップ長が基準値より長い場合等に、カット位置を基準値に変更可能と判断し、そうでない場合には、カット位置を基準値に変更不可と判断する。
そして、上述のステップS111で、カット位置を基準値に変更可能と判断された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体103をカットする際のカット位置を基準値に変更し(S113)、後述のステップS106に移行する。
一方、上述のステップS111で、カット位置を基準値に変更できないと判定された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、カット位置を所定の位置(例えば、台紙先端長が0.5mm程度となるカット位置)に変更し(S112)、後述のステップS106に移行する。ステップS112における所定のカット位置(0.5mm)は一例であり、画像形成装置100のカット位置精度によって決定される。カット精度が高い画像形成装置100であれば、上述の所定のカット位置に係る台紙先端長を短くし、カット後の台紙先端長を確保する事が可能となる。
制御部300は、媒体103のカット位置の設定を完了すると、モータ制御部307を用いて各ローラを駆動制御し、媒体103の搬送を開始させる(S106)。
次に、制御部300(画像形成制御部309)は、画像形成ユニット116を制御し、媒体103に対する画像形成処理(印刷処理)を実行させる(S107)。
次に、制御部300(オートカッタ制御部308)が、設定されたカット位置(上述のステップS110〜S113でカット位置が変更されていれば、その変更後のカット位置)で、媒体103をカットする(S108)。
次に、制御部300(モータ制御部307)は、排出ローラ115を回転駆動させて、カットされた後の下流側の媒体103を外部に排出させる(S109)。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態の画像形成装置100(制御部300)は、媒体103の構成(例えば、媒体103の材料の熱収縮)に応じて、媒体103のカット位置(カット後の台紙先端長)を変更している。これにより、第1の実施形態の画像形成装置100では、媒体103が熱収縮の大きい材料を用いて構成されていても、予め、熱収縮(定着処理による熱収縮)を考慮したカット位置(台紙先端長)で媒体103をカットする。具体的には、画像形成装置100は、予め媒体設定情報310aに設定された台紙先端長が、定着部111通過時の熱収縮を考慮した場合でも問題が無いか否かを判断する。そして、画像形成装置100は、熱収縮により予め設定された基準値よりカット後の台紙先端長が短いと判断した場合には、カット位置を自動で変更する(カット位置を下流側に変更する)。これにより、第1の実施形態の画像形成装置100では、カット後の台紙先端長が短いことを原因とする媒体103の搬送異常(例えば、ラベル201が剥がれること等に起因するジャム)の発生を抑制することができる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図9は、この実施形態の画像形成装置100Aの全体構成を示すブロック図であり、上述の図1と同一部分又は対応部分には、同一符号又は対応符号を付している。第2の実施形態の画像形成装置100Aに係るハードウェア構成についても上述の図2で示すことができる。以下では、第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を説明する。
第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、制御部300にブラックマーク長判定部313が追加されている点で第1の実施形態と異なっている。
第1の実施形態では、媒体103の種類に応じて、媒体103をカットした後の台紙先端長を変更(オフセット)することで、ラベル201のはがれやジャムの発生を抑制しているが、ブラックマーク203の領域をカットした際の影響については考慮されていない。例えば、台紙202が透過率の低い材質であったり、ラベル201が透明な材質であった場合(すなわち、台紙202部とラベル201部分の透過率に差が少ない場合)、透過型センサ108ではラベル201を検出する事が困難となる。上述のような種類(材料)の媒体103を使用する場合には、台紙202にブラックマーク203が予め印刷されたものを使用する必要がある。例えば、媒体103において、ブラックマーク203がラベル201間(ギャップ部204)に配置されている場合、オートカッタ制御部308は、ブラックマーク203の中心部分を切断することになる。しかし、この場合、ブラックマーク203を切断したことで、本来のブラックマークの幅211に比べて短くなることになる。特に、切断後の媒体103においてブラックマーク長が短くなりすぎた場合には、切断後のブラックマーク203を、媒体搬送路400上の各センサ(光学的に媒体103を検知する各センサ)で検出できなかったり、検出誤差が大きくなる恐れがある。この場合、画像形成装置100では、印刷開始位置がずれる等の問題が発生する恐れがある。
そこで、第2の実施形態では、ブラックマーク長判定部313が、ブラックマーク203を検出する反射センサ109の検知状態に基づいて、ブラックマーク203の長さ(ブラックマーク長)を把握する。ブラックマーク長判定部313は、例えば、反射センサ109がブラックマーク203を検出した状態から未検出の状態に移行するまでの媒体搬送距離に基づいて、ブラックマーク203の長さ(ブラックマーク長)を取得する。そして、ブラックマーク長判定部313は、取得したブラックマーク長に対して、設定されたカット位置でカットした後のブラックマーク長を算出し、カット位置の変更(オフセット)が必要かを判断する。
そして、オートカッタ制御部308は、媒体103をカット後のブラックマーク長が予め設定された基準値より短くなると判断した場合には、カット後のブラックマーク長が長くなるようにカット位置を変更(オフセット)することを決定する。
第2の実施形態のオートカッタ制御部308は、媒体103をカットする際に、ブラックマーク203を基準としてカット位置を決定するものとする。第2の実施形態の例では、オートカッタ制御部308は、デフォルト設定として、ブラックマークの中心位置(媒体搬送方向の中心位置)をカット位置に決定するものとして説明する。
図10は、媒体103がオートカッタ106によりカットされた後のブラックマーク203の状態(ブラックマーク長)について示した説明図である。
図10では、媒体103をカットする前のブラックマーク長をL3、媒体103をカットした後の上流側の端部(上流側の媒体103の端部)のブラックマーク長をL5と図示している。また、図10では、ブラックマーク203の中心位置(媒体搬送方向の中心位置)をP2と図示している。
図10(a)では、カット前のブラックマーク長L3がギャップ長L2と一致した長さである場合の例について示している。また、図10(b)では、カット前のブラックマーク長L3がギャップ長L2よりも短い場合(カット前のブラックマーク長L3が図10(a)の場合よりも短い場合)の例について示している。
図10(a)の例では、媒体103ブラックマーク203の中心位置P2でカットされている。すなわち、図10(a)では、オートカッタ制御部308がカット位置の変更(オフセット)を行わなかった例について示している。
図10(b)の例では、カット前のブラックマーク長L3が短い(細い)ため、ブラックマーク203の中心位置P2ではなく、位置P2よりも下流側のP3の位置にカット位置が変更された例について示している。すなわち、図10(b)では、オートカッタ制御部308がカット位置の変更(オフセット)を行った例について示している。
ブラックマーク長判定部313に、ブラックマーク長の基準値を設定する方法については限定されないものであるが、この実施形態では、媒体設定情報310aに設定されているものとして説明する。
図11は、第2の実施形態の媒体設定情報310aの内容について示した説明図である。
第2の実施形態の媒体設定情報310aでは、図11に示すように、ブラックマーク長基準値の項目が追加設定されている点で第1の実施形態と異なる。
媒体設定情報310aに設定するブラックマーク長基準値は、例えば、画像形成部101においてWRセンサ112を用いた位置決めの性能に応じて設定するようにしてもよい。例えば、画像形成部101において、WRセンサ112を用いた位置決めを行う際に、最低限必要となるブラックマーク長がわかっていれば、そのブラックマーク長よりも長い値を、媒体設定情報310aに設定(ユーザの操作により設定)するようにしてもよい。
また、第2の実施形態の媒体設定情報310aでは、カット位置の項目として、ブラックマーク203の中心位置に設定される旨が設定されているものとする。
また、第2の実施形態の媒体設定情報310aでは、媒体の種類としてPETが設定されているものとする。媒体103の材料が透明なPETである場合、透過型センサ108を用いて媒体103の位置を検出(例えば、ギャップ部204の検出)はできない。画像形成装置100Aは、媒体の種類としてPETが設定されている場合、反射センサ109を用いてブラックマーク203を検出することで、カット位置を判断するようにしてもよい。
なお、第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、媒体のカット位置を判断する際センサとして反射センサ109を用いるものとして説明するが、設定やユーザ操作に応じて用いるセンサを切替可能とするようにしてもよい。なお、画像形成装置100Aにおいて、媒体のカット位置を判断する際センサとして透過型センサ108を適用する場合、媒体設定情報310aの内容を、透過型センサ108用の内容(例えば、上述の図5の内容)に置き換え、第1の実施形態と同様の動作を行うようにしてもよい。また、例えば、第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、媒体103の種類に応じて、媒体103のカット位置を判断する際のセンサを切替えるようにしてもよい。
(B−2)第2の実施形態の動作
以下では、第2の実施形態の画像形成装置100A(制御部300)の動作について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図12は、第2の実施形態の画像形成装置100A(制御部300)の動作について示したフローチャートである。
画像形成装置100A(制御部300)が、画像形成の準備処理を行うまでの動作(ステップS201〜S204の動作)は第1の実施形態(上述のステップS101〜S104)と同様であるので詳しい説明については省略する。
そして、画像形成の準備処理が完了すると、制御部300(モータ制御部307)は、各ローラを駆動制御し、媒体103の搬送を開始させる(S205)。
次に、制御部300(画像形成制御部309)は、画像形成ユニット116を制御し、媒体103に印刷処理を実行させる(S206)。
制御部300(ブラックマーク長判定部313)は、媒体103の搬送時に、カッ夕INセンサ107(反射センサ109)でブラックマーク203を検出し、ブラックマーク長を取得する処理も行う(S207)。
ブラックマーク長を取得後、制御部300(オートカッタ制御部308)は、取得したブラックマーク長と、カット位置の設定値から、カット後のブラックマーク長が基準値(媒体設定情報310aに設定されたブラックマーク長基準値)以上となるか否かを判断する(S208)。制御部300は、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値より短い場合は後述するステップS209から動作し、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値以上となる場合は後述するステップS212から動作する。
ここでは、図11に示すように、オートカッタ制御部308に、ブラックマーク203の中心位置(媒体搬送方向の中心位置)で媒体103をカットする設定(デフォルト設定)がなされていた場合を想定する。この場合、ブラックマーク長判定部313は、取得したブラックマーク長の半分の寸法を、カット後のブラックマーク長と認識し、ブラックマーク長基準値と比較する処理を行う。例えば、取得したブラックマーク長をブラックマーク長L3とした場合、カットした後のブラックマーク長はL3/2となる。したがって、ブラックマーク長判定部313は、L3/2と、ブラックマーク長基準値とを比較する処理を行うことになる。
上述のステップS208で、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値より短いと判断された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが可能か否かを判断する(S209)。
この場合、カット後に確保可能なブラックマーク長の最大値は、ブラックマーク長判定部313が、上述のステップS207で取得したブラックマーク長となる。したがって、オートカッタ制御部308は、取得したブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値以上の場合、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが可能と判断することになる。
上述のステップS209で、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが不可と判断された場合、オートカッタ制御部308は、ブラックマーク203の下流側の先端部分の位置にカット位置を変更するように、カット位置を変更する(S210)。カット後に確保可能なブラックマーク長の最大値は、ブラックマーク長判定部313が、上述のステップS207で取得したブラックマーク長である。したがって、この場合、オートカッタ制御部308は、ブラックマーク203の下流側の先端部分の位置にカット位置にセットすることにより、カット後のブラックマーク長を可能な限り長くすることができる。
一方、上述のステップS209で、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが可能と判断された場合、オートカッタ制御部308は、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値を満たすようにカット位置を変更する(S211)。
その後、制御部300(オートカッタ制御部308)は、設定されたカット位置(上述のステップS209〜S211でカット位置が変更されていれば、その変更後のカット位置)で、媒体103をカットする(S212)。
次に、制御部300(モータ制御部307)は、カットされた後の下流側の媒体103を外部に排出させる(S213)。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、媒体103Aをカットした後のブラックマーク長が予め設定された基準値(媒体設定情報310aに設定されたブラックマーク長)より短くなると判断した場合に、カット位置を変更(カット位置を下流側に変更)している。これにより、第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、ブラックマーク長が短い事に起因する媒体103の検出失敗や印刷開始位置の位置ずれ等を抑制することができる。
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(C−1)上記の実施形態では、本発明の画像形成装置を、プリンタに適用する例について説明したが、本発明の画像形成装置は、その他の種々の画像形成装置(例えば、プリンタ機能以外の機能にも対応した複合機等)にも適用することができる。
(C−2)第1の実施形態では、カッ夕INセンサ107に反射センサ109を搭載しているが、ブラックマーク203を用いた位置判定を行う必要が無い場合は、省略するようにしてもよい。また、第1の実施形態で用いる媒体103についてもブラックマーク203を省略した構成とするようにしてもよい。
同様に、第2の実施形態では、カッ夕INセンサ107に透過型センサ108を搭載しているが、ブラックマーク203のみで媒体103に係る位置を検出する場合には、透過型センサ108は省略するようにしてもよい。また、第2の実施形態において、媒体種類情報310bについては省略するようにしてもよい。
100…画像形成装置、400…媒体搬送路、101…画像形成部、102…フィーダ部、103…媒体、104…給紙ローラ、105a、105b、105c…搬送ローラ、106…オートカッタ、107…カッ夕INセンサ、108…透過型センサ、109…反射センサ、110…画像形成部搬送ローラ、111…定着部、112…WRセンサ、113…ヒートローラ、113a…ヒータ、114…加圧ローラ、115…排出ローラ、116…画像形成ユニット、117…排出ローラ、118…操作パネル、201…ラベル、202…台紙、203…ブラックマーク、204…ギャップ部、300…制御部、301…ヒートローラモータ、302…給紙モータ、303…第1の搬送モータ、304…第2の搬送モータ、305…排出モータ、306…ヒータ制御部、307…モータ制御部、308…オートカッタ制御部、309…画像形成制御部、310…設定情報記憶部、310a…媒体設定情報、310b…媒体種類情報。
この発明は、画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法に関し、例えば、長尺の媒体に画像形成及び切断を行うプリンタに適用し得る。
従来、ロールされた用紙等の長尺の媒体(以下、「長尺媒体」とも呼ぶ)に画像形成する画像形成装置では、印刷だけでなく媒体をカットする処理も行う。そして、従来の長尺媒体に対応する画像形成装置では、カット位置や印刷開始位置を検出する為に、長尺媒体に表示された黒色のマーク(以下、「ブラックマーク」とも呼ぶ)や、長尺媒体上に形成されたラベルの端部等の位置合わせの基準が定められている。従来の長尺媒体に対応する画像形成装置では、上述のような位置合わせの基準の位置を、光学的なセンサ(例えば、反射型センサや透過型センサ等)を用いて検出している。
従来の長尺媒体に対応した画像形成装置としては、例えば、特許文献1に記載の装置がある。特許文献1に記載された画像形成装置では、長尺状の台紙にラベルが仮着された長尺媒体を使用時に、透過型センサを使用してラベルの外形を検出する。また、特許文献1に記載の画像形成装置では、ブラックマークが一定間隔で印刷された長尺媒体を使用時には、反射型センサを使用してブラックマークを検出している。
しかしながら、従来の電子写真式の画像形成装置では、媒体に現像剤像を転写した後、当該媒体に現像剤像を熱及び圧力により定着させる定着処理が必要となる。そのため、長尺媒体に対応する電子写真式の画像形成装置では、定着処理の熱で媒体が熱収縮し寸法が変化する場合がある。従来の電子写真式の画像形成装置では、印刷工程よりも上流側で長尺媒体をカットする際、熱収縮による媒体の寸法変化の影響は考慮されていない。定着器を有する電子写真式の画像形成装置では、長尺媒体をカット後に画像形成と定着の工程を経て印刷が完了となるため、印刷完了後に長尺媒体をカットするサーマルプリンタやインクジェットプリンタと異なる。
また、従来の長尺媒体に対応する画像形成装置では、ブラックマークをカットした後のブラックマークの寸法変化による書出し位置への影響については考慮されていない。例えば、従来の画像形成装置で、長尺状の台紙にラベルが仮着された媒体をカットする場合、ラベル間、又はブラックマークを基準にカットする。
従来の画像形成装置では、カット位置は、ラベルとラベルの中間位置とすることが一般的である。これは、カット位置が多少ずれた場合に誤ってラベルを切断することを防ぐ事を目的としている。
従来の画像形成装置において、ブラックマークがラベル間に配置された媒体に画像形成を行う場合、ブラックマークの中心部分を切断することになる。サーマルプリンタやインクジェットプリンタは印刷後にカットするため、カット後にブラックマークは使用されない。しかし、従来の電子写真式の画像形成装置では、通常カッタよりも下流側に、ブラックマークを用いて位置決めを行う画像形成部が配置されている。よって、従来の画像形成装置では、画像形成を行う際、本来のブラックマークの長さが短くなる。これにより、従来の電子写真式の画像形成装置では、センサでの検出誤差が大きくなってしまい、印刷開始位置がずれてしまう場合がある。また、従来の電子写真式の画像形成装置では、媒体をカットしたときに、ブラックマークの長さが短くなりすぎると、カット後のブラックマークをセンサで検出できない恐れがある。
従来の電子写真式の画像形成装置では、長尺状の台紙にラベルが仮着された媒体に画像形成を行う場合、ラベル間の台紙部分をカットし、ラベルの端部からカットされた台紙の端部までの寸法が数mm程度となるようにする。これは、ラベルの裏面の粘着部分が搬送路に触れて、ジャム発生原因とならないようにするためである。例えば、台紙からラベルが剥がれてしまうと、画像形成装置内の搬送路に当該粘着部分が貼り付くことでジャムの発生原因となる。さらに、従来の電子写真式の画像形成装置では、熱収縮により台紙部分の先端からラベル部分がはみ出す場合がある。この場合、台紙からラベルの粘着材が露出してはがれやすくなるため、画像形成装置内の搬送路や定着器に貼り付く原因となる。
以上のような問題に鑑みて、長尺の媒体を切断して画像形成を行う際に、印刷位置ズレやジャム発生のリスクを低減し安定的に媒体に媒体の搬送や画像形成を行うことができる画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法が望まれている。
第1の本発明は、画像形成装置において(1)長尺の台紙上に所定の間隔で媒体片が付けられた長尺媒体の各媒体片に画像形成を行う画像形成部と、(2)前記画像形成部に前記長尺媒体を搬送する搬送部と、(3)前記搬送部で搬送している前記長尺媒体を切断する切断部と、(4)前記切断部で前記長尺媒体を切断する切断位置を決定する切断位置決定部とを備え、(5)前記切断位置決定部は、前記長尺媒体の構成に応じて、切断位置を変更することを特徴とする。
第2の本発明は、画像形成装置の制御方法において、(1)画像形成部、搬送部、切断部、切断位置決定部を備え、(2)前記画像形成部は、長尺の台紙上に所定の間隔で媒体片が付けられた長尺媒体の各媒体片に画像形成を行い、(3)前記搬送部は、前記画像形成部に前記長尺媒体を搬送し、(4)前記切断部は、前記搬送部で搬送している前記長尺媒体を切断し、(5)前記切断位置決定部は、前記切断部で前記長尺媒体を切断する切断位置を決定し、(6)前記切断位置決定部は、前記長尺媒体の構成に応じて、切断位置を変更することを特徴とする。
本発明によれば、長尺の媒体を切断して画像形成を行う際に、印刷位置ズレやジャム発生のリスクを低減し安定的に媒体に媒体の搬送や画像形成を行うことができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成について示したブロック図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置で用いられる媒体の構成について示した図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置で用いられる媒体が切断された状態について示した説明図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置の動作について示したフローチャート(その1)である。
第1の実施形態に係る画像形成装置の動作について示したフローチャート(その2)である。
第1の実施形態に係る画像形成装置に記憶される媒体設定情報の構成例について示した説明図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置に記憶される媒体種類情報の構成例について示した説明図である。
第2の実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成について示したブロック図である。
第2の実施形態に係る媒体がカットされた後のブラックマークの状態(ブラックマーク長)について示した説明図である。
第2の実施形態に係る画像形成装置に記憶される媒体設定情報の構成例について示した説明図である。
第2の実施形態に係る画像形成装置の動作について示したフローチャートである。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置100の概略断面図である。
画像形成装置100は、画像形成部101、及びフィーダ部102を有している。また、画像形成部101には、定着部111が配置されている。
フィーダ部102はロール状に巻かれた長尺媒体としての媒体103を収容し、画像形成部101に供給する。画像形成部101は、画像データに基づいた画像のトナー像(現像剤像)を形成し、フィーダ部102から供給された媒体103に転写する。定着部111は、画像形成部101によりトナー像が転写された媒体103(トナー像が転写された媒体103)に熱及び圧力を加えて、当該媒体103にトナー像を定着させる処理を行う。
図2に示すように、画像形成装置100の内部では、媒体搬送路400に沿って、媒体103が搬送される。以下では、媒体搬送路400に沿った方向を「媒体搬送方向」とも呼ぶものとする。また、以下では、媒体搬送路400で媒体103が搬送される方向(図2の矢印Xの方向)の側「下流側」とも呼ぶものとする。さらに、以下では、媒体搬送路400で媒体103が搬送される方向と逆の方向(図2の矢印Xと逆の方向)の側を「上流側」とも呼ぶものとする。媒体搬送路400上には、上流側から順に、搬送ローラ105a、105b、105c、画像形成部搬送ローラ110、排出ローラ117が配置されている。媒体搬送路400上では、上述の各ローラを用いて媒体103が搬送される。画像形成装置100では、媒体搬送路400上の各ローラ及び各ローラを駆動するモータにより媒体103を搬送する搬送部が構成されている。
また、以下では、媒体103に係る媒体搬送方向の寸法を「長さ」と呼び、媒体103に係る媒体搬送方向と直交する方向の寸法を「幅」と呼ぶものとする。
次に、媒体103の構成について図3を用いて説明する。
図3に示すように、媒体103は、長尺の台紙202と、長尺の台紙202に所定の間隔(ギャップ)で仮着された複数枚の媒体片としてのラベル201とを有している。また、以下では、媒体103及び台紙202で、ラベル201が仮着される方の面を「表面」と呼び、ラベルが仮着されない方の面を「裏面」と呼ぶものとする。
図3(a)は、媒体103の側面図である。また、図3(b)は、媒体103を表面の方から見た場合の図(平面図)である。さらに、図3(c)は、媒体103を裏面の方から見た場合の図(底面図)である。
図3に示すように、媒体103は、長尺の台紙202と、長尺の台紙202に所定の間隔(ギャップ)を空けて仮着された複数枚のラベル201とを有している。フィーダ部102では、図3に示す長尺の媒体103がロール状に巻かれた状態で収容されている。
図3(a)、(b)では、ラベル201の長さ(以下、「ラベル長」と呼ぶ)をL1と図示している。以下では、媒体搬送方向に隣接するラベル201間の領域(台紙202部分)をギャップ部204と呼ぶものとする。図3では、ギャップ部204の長さ(以下、「ギャップ長」と呼ぶ)をL2と図示している。図3では、ラベル201の幅(以下、「ラベル幅」と呼ぶ)をW1と図示している。
また、図3(c)に示すように、台紙202の裏面には、カットや画像形成の際の位置決めの基準とすることができるマークとしてのブラックマーク203が設けられている。ブラックマーク203は黒色のベタ塗で印刷された帯状のマークである。図3(a)では、ブラックマーク203の長さ(以下、「ブラックマーク長」と呼ぶ)をL3と図示している。
なお、図3に示す媒体103では、ギャップ長L2とブラックマーク長L3は同じ長さ(L2=L3)であるものとする。さらに、この実施形態では、図3に示すように、媒体搬送方向で、各ブラックマーク203の位置と各ギャップ部204の位置は同じであるものとする。
次に、図2に示すように、フィーダ部102の内部構成について説明する。
フィーダ部102では、媒体搬送路400に沿って上流側から順に、給紙ローラ104、搬送ローラ105a、搬送ローラ105b、カッ夕INセンサ107、オートカッタ106、及び搬送ローラ105cが配置されている。
給紙ローラ104は、ロール状媒体103を媒体搬送路400上に繰り出すローラである。
搬送ローラ105a、105b、105cは、給紙ローラ104により媒体搬送路400に繰出されたロール状媒体103を、媒体搬送路400の下流側(図2の矢印Xの方向)に搬送する。フィーダ部102では、給紙ローラ104と搬送ローラ105a、105b、105cの回転により、下流側に(画像形成部101側)媒体103を搬送(供給)する。
切断部としてのオートカッタ106は、媒体103をカット(切断)するものである。
カッ夕INセンサ107は、オートカッタ106の上流側で、媒体搬送路400上を通過する媒体103のラベル201、台紙202のギャップ部204、及び台紙202のブラックマーク203を識別(通過タイミングを識別)する。
カッ夕INセンサ107は、透過型センサ108及び反射センサ109を有している。
透過型センサ108は、媒体搬送路400上を通過する媒体103の光の透過率を検査し、その検査結果(透過率)に応じて、ラベル201(台紙202でラベル201が仮着された領域)の位置と、ギャップ部204(台紙202でラベル201が仮着されていない領域)の位置とを識別する。透過型センサ108は、その光の透過率の差を利用して、ラベル201の位置と、ギャップ部204の位置を検知する。
反射センサ109は、媒体搬送路400上を通過する媒体103の裏面(台紙202の裏面)の光の反射率を検査して、その検査結果(反射率)に応じて、ブラックマーク203が設けられている位置と、ブラックマーク203が設けられていない位置を識別する。反射センサ109は、その光の反射率の差を利用して、ブラックマーク203が設けられている位置と、ブラックマーク203が設けられていない位置とを検知する。
オートカッタ106は、後述する制御部300の制御に応じたタイミングで、媒体搬送路400上を通過する媒体103をカットする。オートカッタ106によりカットされた媒体103(切り離された媒体103の一部)は、搬送ローラ105cにより、画像形成部101に供給される。
図4は、媒体103がオートカッタ106によりカットされた状態について示した説明図である。
図4(a)は、媒体103がオートカッタ106によりカットされる前の状態について示した説明図である。図4(a)では、オートカッタ106によりカットされる位置(媒体搬送方向の位置)をP1と図示している。
図4(b)は、媒体103の一部がカット(媒体搬送方向に直行する方向にカット)され、切り離された状態について示した説明図である。図4(b)では、カットした後の上流側(位置P1の上流側)の媒体103を、媒体103−1と図示している。また、図4(b)では、カットした後の下流側(位置P1の下流側)の媒体103(切り離された方の媒体103)を媒体103−2と図示している。図4(b)に示すようにカットした後の下流側の媒体103−2には、1又は複数のラベル201が含まれている。
図4(b)では、上流側の媒体103−1において、台紙202の先端(位置P1)からラベル201の端部(媒体搬送方向の下流側の端部)までの寸法(以下、「台紙先端長」とも呼ぶ)をL4と図示している。カットされた後の上流側の媒体103−1において、台紙先端長L4は、カットされる際のカット位置P1やギャップ長L2によって異なる。
媒体103は、搬送ローラ105cによりフィーダ部102から排出される。そして、フィーダ部102から排出された媒体103は、画像形成部搬送ローラ110により下流側に搬送され、画像形成部101に供給される。
図2に示すように、画像形成部101は、媒体103を検出する書込センサとしてのWRセンサ112、及び画像信号に基づくトナー像を形成して媒体103に転写する画像形成ユニット116を有している。画像形成部101では、WRセンサ112により、媒体103が検出されると、画像形成ユニット116が、当該媒体103への画像形成(トナー像の転写)を行う。画像形成部101は、トナー像を形成した媒体103を下流側に排出する。画像形成部101から排出された媒体103は、定着部111に供給される。
定着部111は、ヒートローラ113及び加圧ローラ114を有している。
ヒートローラ113は、ヒータ113aにより加熱されるローラである。加圧ローラ114は、ヒートローラ113に圧接している。定着部111は、加圧ローラ114と排出ローラ115との間で媒体103を挟み込みながら下流側に搬送することにより、媒体103に対して熱及び圧力を加える定着処理を行う。これにより、定着部111を通過した媒体103のトナー像が定着することになる。
定着部111から排出された媒体103は、排出ローラ117によりさらに下流側に搬送され、画像形成装置100の外部に排出されることになる。
次に、画像形成装置100における制御系の構成について図1を用いて説明する。
画像形成装置100は、制御系の構成要素として、上述の図2の構成要素に加えて、制御部300、ヒートローラモータ301、給紙モータ302、第1の搬送モータ303、第2の搬送モータ304、排出モータ305、カッタモータ312、及び操作パネル118を有している。
ヒートローラモータ301は、定着部111のヒートローラ113を回転駆動させるためのモータである。給紙モータ302は、給紙ローラ104を回転駆動させるためのモータである。第1の搬送モータ303は、搬送ローラ105a〜105cを回転駆動させるためのモータである。第2の搬送モータ304は、画像形成部搬送ローラ110を回転駆動させるためのモータである。排出モータ305は、排出ローラ117を回転駆動させるためのモータである。カッタモータ312は、オートカッタ106を駆動し、媒体103をカットさせるためのモータ(駆動源)である。
制御部300は、画像形成装置100の全体の制御を行うものである。制御部300は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータに各種プログラム(実施形態に係る画像形成プログラム)をインストールすることにより構成するようにしてもよい。また、制御部300の一部又は全部についてハードウェア(例えば、専用の半導体チップ等)を用いて構築するようにしてもよい。制御部300は、機能的には、図1に示すように、ヒータ制御部306、モータ制御部307、オートカッタ制御部308、画像形成制御部309、設定情報記憶部310、及びI/F311を有している。
ヒータ制御部306は、定着部111のヒータ113aを制御し、ヒートローラ113の温度を制御するものである。
モータ制御部307は、各ローラの各モータ(ヒートローラモータ301、給紙モータ302、第1の搬送モータ303、第2の搬送モータ304、及び排出モータ305)の駆動制御を行うものである。モータ制御部307は、各モータを制御して媒体103を搬送すると共に、カッ夕INセンサ107及びWRセンサ112を用いて、媒体103の搬送状態を監視する。モータ制御部307は、ヒートローラ113の温度が適切な値へ到達後に媒体103の搬送を開始する。
切断位置決定部としてのオートカッタ制御部308は、オートカッタ106(カッタモータ312)の駆動制御を行うものである。オートカッタ制御部308は、カッタINセンサ107の検出結果を監視し、予め設定されたカット位置に媒体103が到達した時点でカッタモータ312を駆動してオートカッタ106で媒体103をカットする。具体的には、オートカッタ制御部308は、カッタINセンサ107の検出値に基づいて、台紙202のギャップ部204、又は、ブラックマーク203を検出する。その後、オートカッタ制御部308は、予め設定されたカット位置がオートカッタ106に到達したタイミングで、カッタモータ312を駆動し、媒体103をカットする。
画像形成制御部309は、主として画像形成部101による画像形成処理の制御を行うものである。画像形成制御部309は、上位装置2からI/F311を介して印刷データを受信し、受信した印刷データを画像データ(画像形成部101での印刷処理に対応するデータ)に変換する。画像形成制御部309は、WRセンサ112が媒体103を検出すると、画像データを画像形成部101へ転送する。そして、画像形成制御部309は、画像形成部101を制御して、媒体103上にトナー像を形成させる。
操作パネル118は、ユーザからの操作受付や情報出力を行うユーザインタフェースの機能を担っている。操作パネル118は、例えば、図示しないディスプレイやハードボタン等を用いて構成することができる。
I/F311は、外部の上位装置2と接続(通信)するためのインタフェースである。
設定情報記憶部310は、制御部300内の各部の制御で用いられる設定情報(パラメータ)を記憶する記憶部である。この実施形態の設定情報記憶部310は、少なくとも、媒体設定情報310a、及び媒体種類情報310bを記憶しているものとする。
媒体設定情報310aは、画像形成装置100で用いる媒体103(フィーダ部102に収納される媒体103)に関する情報である。媒体設定情報310aとしては、例えば、媒体103の種類やサイズ(各寸法)に関する情報が含まれる。
この実施形態では、媒体設定情報310aの内容は、例えば図7に示すような内容であるものとして説明する。
図7に示すように、この実施形態の媒体設定情報310aでは、媒体103のサイズに関する情報として、ラベル長、ラベル幅、ギャップ長及びカット位置の項目が登録されているものとする。媒体設定情報310aにおけるカット位置の項目は、媒体103をカットしたときの台紙先端長で示されるものとする。
また、図7では、媒体設定情報310aに媒体103の種類(材質)に関する情報も登録されている。図7に示す媒体設定情報310aでは、媒体103の種類(材質)として合成紙が設定されている。
図8は、媒体種類情報310bの構成例について示した説明図である。
媒体種類情報310bには、画像形成装置100で対応する媒体103の種類ごとに、当該媒体の特性(熱収縮の特性)に応じたカット位置の基準値が登録されている。
図8に示す媒体種類情報310bでは、媒体の種類ごとに、当該媒体の熱収縮の特性(熱収縮の度合)を示す「熱収縮」、及び当該媒体の熱収縮特性を考慮したカット位置(台紙先端長)を示す「基準値」の項目が登録されている。
「媒体の種類」の項目は、当該媒体の種類の名称が登録されている。図8では、普通紙、PET、ウレタン、合成紙の情報が登録されている。
「熱収縮」の項目は、当該媒体が定着部111で加熱される際の熱収縮の度合を示している。この実施形態では、熱収縮の項目は、カット位置の変更が必要となる「大」、又はカット位置の変更の必要がない「小」のいずれかが設定されるものとして説明する。図8では、普通紙の熱収縮のみが「小」に設定され、その他の種類の媒体(PER、ウレタン、合成紙)の熱収縮が「大」に設定されている。
「基準値」の項目は、熱収縮が「大」の媒体について、当該媒体の熱収縮特性を考慮して必要となるカット位置の基準値(台紙先端長)が登録されている。図8では、熱収縮の項目が「大」となるPET、ウレタン、及び合成紙についてそれぞれ基準値が設定されている。媒体種類情報310bでは、熱収縮の度合いが大きい種類の媒体ほど、大きい値の基準値(基準となる台紙先端長)が設定されることになる。
図1に示すように、制御部300において、設定情報記憶部310(媒体設定情報310a、媒体種類情報310b)へのデータ設定の方式については限定されないものである。例えば、制御部300は、ユーザからの操作(操作パネル118に対する操作)に応じて、設定情報記憶部310の内容変更を受付けるようにしてもよい。また、例えば、制御部300は、通信により外部装置(例えば、上位装置2)からの指示を受付けて、設定情報記憶部310の内容変更を受付けるようにしてもよい。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の画像形成装置100の動作を説明する。
図5、図6は、画像形成装置100(制御部300)の動作について示したフローチャートである。
制御部300は、待機中にユーザからの設定変更の操作(操作パネル118に対する操
作)を受付けると、その操作に応じた設定情報を記憶する(S102、S103)。制御部300は、例えば、ユーザの操作により、設定情報記憶部310の媒体設定情報310aに登録する情報を受付けるようにしてもよい。
また、制御部300は、待機中に上位装置2からの印刷データを受信すると、画像形成の準備(例えば、画像形成制御部309が当該印刷データに基づく印刷を行うための画像データを作成する処理等)を行い(S101、S104)、後述するステップS105以後の動作で画像形成を行う。
画像形成を開始すると、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体種類情報310bを参照し、媒体設定情報310aに設定された媒体103の種類が、熱収縮率の高い種類の媒体であるか否か(熱収縮の項目が大であるか否か)を確認する(S105)。
制御部300は、媒体設定情報310aに設定された媒体103が熱収縮率の高い媒体であると判断した場合(熱収縮の項目が大である場合)、後述するステップS110の処理に移行し、媒体設定情報310aに設定された媒体103が熱収縮率の高い媒体でないと判断した場合(熱収縮の項目が小である場合)には、後述するステップS106に移行する。
上述のステップS105で、媒体設定情報310aに設定された媒体103の種類が、熱収縮率の高い種類の媒体であると判定された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体設定情報310aに設定されたカット位置(媒体103をカットした場合の台紙先端長)が、媒体種類情報310bに設定された基準値(媒体設定情報310aに設定された媒体の種類に対応する基準値)以上であるか否かを確認する(S110)。
制御部300は、設定されたカット位置(台紙先端長)が基準値以上である場合には後述するステップS106の処理に移行し、そうでない場合は後述するステップS111から動作する。
上述のステップS110で、設定されたカット位置(台紙先端長)が基準値より短いと判断された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、カット位置を基準値に変更可能か否かを判断する(S111)。制御部300(オートカッタ制御部308)は、設定されたカット位置(台紙先端長)が基準値以上の場合には後述するステップS113から動作し、そうでない場合には後述するステップS112から動作する。例えば、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体設定情報310aに設定されたギャップ長が基準値より長い場合等に、カット位置を基準値に変更可能と判断し、そうでない場合には、カット位置を基準値に変更不可と判断する。
そして、上述のステップS111で、カット位置を基準値に変更可能と判断された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、媒体103をカットする際のカット位置を基準値に変更し(S113)、後述のステップS106に移行する。
一方、上述のステップS111で、カット位置を基準値に変更できないと判定された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、カット位置を所定の位置(例えば、台紙先端長が0.5mm程度となるカット位置)に変更し(S112)、後述のステップS106に移行する。ステップS112における所定のカット位置(0.5mm)は一例であり、画像形成装置100のカット位置精度によって決定される。カット精度が高い画像形成装置100であれば、上述の所定のカット位置に係る台紙先端長を短くし、カット後の台紙先端長を確保する事が可能となる。
制御部300は、媒体103のカット位置の設定を完了すると、モータ制御部307を用いて各ローラを駆動制御し、媒体103の搬送を開始させる(S106)。
次に、制御部300(画像形成制御部309)は、画像形成ユニット116を制御し、媒体103に対する画像形成処理(印刷処理)を実行させる(S107)。
次に、制御部300(オートカッタ制御部308)が、設定されたカット位置(上述のステップS110〜S113でカット位置が変更されていれば、その変更後のカット位置)で、媒体103をカットする(S108)。
次に、制御部300(モータ制御部307)は、排出ローラ115を回転駆動させて、カットされた後の下流側の媒体103を外部に排出させる(S109)。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態の画像形成装置100(制御部300)は、媒体103の構成(例えば、媒体103の材料の熱収縮)に応じて、媒体103のカット位置(カット後の台紙先端長)を変更している。これにより、第1の実施形態の画像形成装置100では、媒体103が熱収縮の大きい材料を用いて構成されていても、予め、熱収縮(定着処理による熱収縮)を考慮したカット位置(台紙先端長)で媒体103をカットする。具体的には、画像形成装置100は、予め媒体設定情報310aに設定された台紙先端長が、定着部111通過時の熱収縮を考慮した場合でも問題が無いか否かを判断する。そして、画像形成装置100は、熱収縮により予め設定された基準値よりカット後の台紙先端長が短いと判断した場合には、カット位置を自動で変更する(カット位置を下流側に変更する)。これにより、第1の実施形態の画像形成装置100では、カット後の台紙先端長が短いことを原因とする媒体103の搬送異常(例えば、ラベル201が剥がれること等に起因するジャム)の発生を抑制することができる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図9は、この実施形態の画像形成装置100Aの全体構成を示すブロック図であり、上述の図1と同一部分又は対応部分には、同一符号又は対応符号を付している。第2の実施形態の画像形成装置100Aに係るハードウェア構成についても上述の図2で示すことができる。以下では、第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を説明する。
第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、制御部300にブラックマーク長判定部313が追加されている点で第1の実施形態と異なっている。
第1の実施形態では、媒体103の種類に応じて、媒体103をカットした後の台紙先端長を変更(オフセット)することで、ラベル201のはがれやジャムの発生を抑制しているが、ブラックマーク203の領域をカットした際の影響については考慮されていない。例えば、台紙202が透過率の低い材質であったり、ラベル201が透明な材質であった場合(すなわち、台紙202部とラベル201部分の透過率に差が少ない場合)、透過型センサ108ではラベル201を検出する事が困難となる。上述のような種類(材料)の媒体103を使用する場合には、台紙202にブラックマーク203が予め印刷されたものを使用する必要がある。例えば、媒体103において、ブラックマーク203がラベル201間(ギャップ部204)に配置されている場合、オートカッタ制御部308は、ブラックマーク203の中心部分を切断することになる。しかし、この場合、ブラックマーク203を切断したことで、本来のブラックマークの幅211に比べて短くなることになる。特に、切断後の媒体103においてブラックマーク長が短くなりすぎた場合には、切断後のブラックマーク203を、媒体搬送路400上の各センサ(光学的に媒体103を検知する各センサ)で検出できなかったり、検出誤差が大きくなる恐れがある。この場合、画像形成装置100では、印刷開始位置がずれる等の問題が発生する恐れがある。
そこで、第2の実施形態では、ブラックマーク長判定部313が、ブラックマーク203を検出する反射センサ109の検知状態に基づいて、ブラックマーク203の長さ(ブラックマーク長)を把握する。ブラックマーク長判定部313は、例えば、反射センサ109がブラックマーク203を検出した状態から未検出の状態に移行するまでの媒体搬送距離に基づいて、ブラックマーク203の長さ(ブラックマーク長)を取得する。そして、ブラックマーク長判定部313は、取得したブラックマーク長に対して、設定されたカット位置でカットした後のブラックマーク長を算出し、カット位置の変更(オフセット)が必要かを判断する。
そして、オートカッタ制御部308は、媒体103をカット後のブラックマーク長が予め設定された基準値より短くなると判断した場合には、カット後のブラックマーク長が長くなるようにカット位置を変更(オフセット)することを決定する。
第2の実施形態のオートカッタ制御部308は、媒体103をカットする際に、ブラックマーク203を基準としてカット位置を決定するものとする。第2の実施形態の例では、オートカッタ制御部308は、デフォルト設定として、ブラックマークの中心位置(媒体搬送方向の中心位置)をカット位置に決定するものとして説明する。
図10は、媒体103がオートカッタ106によりカットされた後のブラックマーク203の状態(ブラックマーク長)について示した説明図である。
図10では、媒体103をカットする前のブラックマーク長をL3、媒体103をカットした後の上流側の端部(上流側の媒体103の端部)のブラックマーク長をL5と図示している。また、図10では、ブラックマーク203の中心位置(媒体搬送方向の中心位置)をP2と図示している。
図10(a)では、カット前のブラックマーク長L3がギャップ長L2と一致した長さである場合の例について示している。また、図10(b)では、カット前のブラックマーク長L3がギャップ長L2よりも短い場合(カット前のブラックマーク長L3が図10(a)の場合よりも短い場合)の例について示している。
図10(a)の例では、媒体103ブラックマーク203の中心位置P2でカットされている。すなわち、図10(a)では、オートカッタ制御部308がカット位置の変更(オフセット)を行わなかった例について示している。
図10(b)の例では、カット前のブラックマーク長L3が短い(細い)ため、ブラックマーク203の中心位置P2ではなく、位置P2よりも下流側のP3の位置にカット位置が変更された例について示している。すなわち、図10(b)では、オートカッタ制御部308がカット位置の変更(オフセット)を行った例について示している。
ブラックマーク長判定部313に、ブラックマーク長の基準値を設定する方法については限定されないものであるが、この実施形態では、媒体設定情報310aに設定されているものとして説明する。
図11は、第2の実施形態の媒体設定情報310aの内容について示した説明図である。
第2の実施形態の媒体設定情報310aでは、図11に示すように、ブラックマーク長基準値の項目が追加設定されている点で第1の実施形態と異なる。
媒体設定情報310aに設定するブラックマーク長基準値は、例えば、画像形成部101においてWRセンサ112を用いた位置決めの性能に応じて設定するようにしてもよい。例えば、画像形成部101において、WRセンサ112を用いた位置決めを行う際に、最低限必要となるブラックマーク長がわかっていれば、そのブラックマーク長よりも長い値を、媒体設定情報310aに設定(ユーザの操作により設定)するようにしてもよい。
また、第2の実施形態の媒体設定情報310aでは、カット位置の項目として、ブラックマーク203の中心位置に設定される旨が設定されているものとする。
また、第2の実施形態の媒体設定情報310aでは、媒体の種類としてPETが設定されているものとする。媒体103の材料が透明なPETである場合、透過型センサ108を用いて媒体103の位置を検出(例えば、ギャップ部204の検出)はできない。画像形成装置100Aは、媒体の種類としてPETが設定されている場合、反射センサ109を用いてブラックマーク203を検出することで、カット位置を判断するようにしてもよい。
なお、第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、媒体のカット位置を判断する際センサとして反射センサ109を用いるものとして説明するが、設定やユーザ操作に応じて用いるセンサを切替可能とするようにしてもよい。なお、画像形成装置100Aにおいて、媒体のカット位置を判断する際センサとして透過型センサ108を適用する場合、媒体設定情報310aの内容を、透過型センサ108用の内容(例えば、上述の図7の内容)に置き換え、第1の実施形態と同様の動作を行うようにしてもよい。また、例えば、第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、媒体103の種類に応じて、媒体103のカット位置を判断する際のセンサを切替えるようにしてもよい。
(B−2)第2の実施形態の動作
以下では、第2の実施形態の画像形成装置100A(制御部300)の動作について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図12は、第2の実施形態の画像形成装置100A(制御部300)の動作について示したフローチャートである。
画像形成装置100A(制御部300)が、画像形成の準備処理を行うまでの動作(ステップS201〜S204の動作)は第1の実施形態(上述のステップS101〜S104)と同様であるので詳しい説明については省略する。
そして、画像形成の準備処理が完了すると、制御部300(モータ制御部307)は、各ローラを駆動制御し、媒体103の搬送を開始させる(S205)。
次に、制御部300(画像形成制御部309)は、画像形成ユニット116を制御し、媒体103に印刷処理を実行させる(S206)。
制御部300(ブラックマーク長判定部313)は、媒体103の搬送時に、カッ夕INセンサ107(反射センサ109)でブラックマーク203を検出し、ブラックマーク長を取得する処理も行う(S207)。
ブラックマーク長を取得後、制御部300(オートカッタ制御部308)は、取得したブラックマーク長と、カット位置の設定値から、カット後のブラックマーク長が基準値(媒体設定情報310aに設定されたブラックマーク長基準値)以上となるか否かを判断する(S208)。制御部300は、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値より短い場合は後述するステップS209から動作し、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値以上となる場合は後述するステップS212から動作する。
ここでは、図11に示すように、オートカッタ制御部308に、ブラックマーク203の中心位置(媒体搬送方向の中心位置)で媒体103をカットする設定(デフォルト設定)がなされていた場合を想定する。この場合、ブラックマーク長判定部313は、取得したブラックマーク長の半分の寸法を、カット後のブラックマーク長と認識し、ブラックマーク長基準値と比較する処理を行う。例えば、取得したブラックマーク長をブラックマーク長L3とした場合、カットした後のブラックマーク長はL3/2となる。したがって、ブラックマーク長判定部313は、L3/2と、ブラックマーク長基準値とを比較する処理を行うことになる。
上述のステップS208で、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値より短いと判断された場合、制御部300(オートカッタ制御部308)は、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが可能か否かを判断する(S209)。
この場合、カット後に確保可能なブラックマーク長の最大値は、ブラックマーク長判定部313が、上述のステップS207で取得したブラックマーク長となる。したがって、オートカッタ制御部308は、取得したブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値以上の場合、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが可能と判断することになる。
上述のステップS209で、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが不可と判断された場合、オートカッタ制御部308は、ブラックマーク203の下流側の先端部分の位置にカット位置を変更するように、カット位置を変更する(S210)。カット後に確保可能なブラックマーク長の最大値は、ブラックマーク長判定部313が、上述のステップS207で取得したブラックマーク長である。したがって、この場合、オートカッタ制御部308は、ブラックマーク203の下流側の先端部分の位置にカット位置にセットすることにより、カット後のブラックマーク長を可能な限り長くすることができる。
一方、上述のステップS209で、ブラックマーク長基準値を満たすカット位置でのカットが可能と判断された場合、オートカッタ制御部308は、カット後のブラックマーク長が、ブラックマーク長基準値を満たすようにカット位置を変更する(S211)。
その後、制御部300(オートカッタ制御部308)は、設定されたカット位置(上述のステップS209〜S211でカット位置が変更されていれば、その変更後のカット位置)で、媒体103をカットする(S212)。
次に、制御部300(モータ制御部307)は、カットされた後の下流側の媒体103を外部に排出させる(S213)。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、媒体103Aをカットした後のブラックマーク長が予め設定された基準値(媒体設定情報310aに設定されたブラックマーク長)より短くなると判断した場合に、カット位置を変更(カット位置を下流側に変更)している。これにより、第2の実施形態の画像形成装置100Aでは、ブラックマーク長が短い事に起因する媒体103の検出失敗や印刷開始位置の位置ずれ等を抑制することができる。
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(C−1)上記の実施形態では、本発明の画像形成装置を、プリンタに適用する例について説明したが、本発明の画像形成装置は、その他の種々の画像形成装置(例えば、プリンタ機能以外の機能にも対応した複合機等)にも適用することができる。
(C−2)第1の実施形態では、カッ夕INセンサ107に反射センサ109を搭載しているが、ブラックマーク203を用いた位置判定を行う必要が無い場合は、省略するようにしてもよい。また、第1の実施形態で用いる媒体103についてもブラックマーク203を省略した構成とするようにしてもよい。
同様に、第2の実施形態では、カッ夕INセンサ107に透過型センサ108を搭載しているが、ブラックマーク203のみで媒体103に係る位置を検出する場合には、透過型センサ108は省略するようにしてもよい。また、第2の実施形態において、媒体種類情報310bについては省略するようにしてもよい。
100…画像形成装置、400…媒体搬送路、101…画像形成部、102…フィーダ部、103…媒体、104…給紙ローラ、105a、105b、105c…搬送ローラ、106…オートカッタ、107…カッ夕INセンサ、108…透過型センサ、109…反射センサ、110…画像形成部搬送ローラ、111…定着部、112…WRセンサ、113…ヒートローラ、113a…ヒータ、114…加圧ローラ、115…排出ローラ、116…画像形成ユニット、117…排出ローラ、118…操作パネル、201…ラベル、202…台紙、203…ブラックマーク、204…ギャップ部、300…制御部、301…ヒートローラモータ、302…給紙モータ、303…第1の搬送モータ、304…第2の搬送モータ、305…排出モータ、306…ヒータ制御部、307…モータ制御部、308…オートカッタ制御部、309…画像形成制御部、310…設定情報記憶部、310a…媒体設定情報、310b…媒体種類情報。