JP2016164888A - バイポーラ電池、電池パック及び車 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能に優れた電気化学セルと、これを用いた電池パック及び車と、電気化学セルの製造方法とを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、正極と、負極と、硫化物系固体電解質層と、酸化物系固体電解質層とを含む電気化学セルが提供される。正極は、3V(リチウム電位基準)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子を含む。硫化物系固体電解質層は、負極に接合される。酸化物系固体電解質層は、正極活物質粒子の表面を被覆し、厚さが0.5μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電気化学セル、電気化学セルの製造方法、電池パック及び車に関する。
リチウム金属、リチウム合金、リチウム化合物または炭素質物を負極に用いた非水電解質電池は、高エネルギー密度電池として期待され、盛んに研究開発が進められている。これまでに、活物質としてLiCoO、LiMn4、LiFePO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3などを含む正極と、リチウムを吸蔵・放出する炭素質物を含む負極と具備したリチウムイオン電池が、携帯機器用電源として広く実用化されている。
自動車、バス、電車などの車に搭載する場合、高温環境下(60℃以上)での貯蔵性能、サイクル性能、高出力の長期信頼性のため、正極及び負極の構成材料には、化学的安定性、電気化学的安定性、強度、耐腐食性の優れた材料が求められる。さらに、寒冷地で高い性能を実現するためには、低温環境下(−40℃)での高出力性能及び長寿命性能が要求される。一方、非水電解質として、漏液、ガス発生の問題解消及び安全性能向上の観点から不揮発性、不燃性である固体電解質の開発が進められている。しかしながら、固体電解質は、イオン伝導性が低く、電極と固体電解質間の界面抵抗が大きいため、電池の出入力性能及び低温性能に劣る。さらに、固体電解質を用いた電池は、高温下での貯蔵あるいは充放電サイクルにおいて、電極と固体電解質間の界面抵抗が上昇することにより寿命が短くなるため、いまだ実用化されていない。
固体電解質を用いた非水電解質電池を車などに搭載するためには、出力性能、低温性能、高温下の寿命性能が大きな課題となっている。さらに、この非水電解質電池は、鉛蓄電池の代替として自動車のエンジンルームに搭載して使用することが困難である。
Journal of Power Sources 196(2011)6488-6492, Yoshikatsu Seino et al., High rate capabilities of all-solid-state lithium secondary batteries using Li4Ti5O12-coated LiNi0.8Co0.15Al0.05O2 and a sulfide-based solid electrolyte
実施形態は、放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能に優れた電気化学セルと、これを用いた電池パック及び車と、電気化学セルの製造方法とを提供する。
実施形態によれば、正極と、負極と、硫化物系固体電解質層と、酸化物系固体電解質層とを含む電気化学セルが提供される。正極は、3V(リチウム電位基準)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子を含む正極材料層を含有する。負極は、負極活物質を含む負極材料層を含有する。硫化物系固体電解質層は、正極材料層と負極材料層の間に配置されて負極材料層に接合される。酸化物系固体電解質層は、正極活物質粒子の表面を被覆し、厚さが0.001μm以上0.5μm以下である。酸化物系固体電解質層は、ペロブスカイト型の酸化物系固体電解質、ガーネット型の酸化物系固体電解質、Li14ZnGe16、LiPO4−x(0≦x≦0.5)、Li1+xAl2−x(PO(MはTiか、Geか、TiとGe、0≦x≦0.5)及びチタン酸化物系固体電解質よりなる群から選択される少なくとも1種類を含む。
図1は、実施形態に係る固体電解質二次電池を示す断面図である。 図2は、実施形態に係るバイポーラ電池を示す断面図である。 図3は、実施形態に係る車の模式図である。
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によれば、正極と、負極活物質を含む負極と、硫化物系固体電解質層と、酸化物系固体電解質層とを含む電気化学セルが提供される。負極に硫化物系固体電解質層を接合することにより、負極と硫化物系固体電解質層間のイオン伝導を高めることができるため、負極と硫化物系固体電解質層間の界面抵抗を小さくすることができる。一方、正極は、3V(リチウム電位基準。以下、(vs.Li/Li)と表記する。)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子を含むため、硫化物系固体電解質層と接すると、硫化物系固体電解質層中のリチウムが正極に引き抜かれる反応が進行する。硫化物系固体電解質層のリチウム濃度が低下すると、硫化物系固体電解質層のイオン伝導度が低下する。固体電解質層のイオン伝導度の低下は、放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能の低下を招く。正極活物質粒子の表面を厚さが0.5μm以下の酸化物系固体電解質層で被覆することにより、正極活物質のリチウムイオンの吸蔵放出を阻害することなく、正極活物質による硫化物系固体電解質からのリチウム引き抜き反応を抑制することができるため、硫化物系固体電解質層の特長である高いイオン伝導度を実現することができる。また、酸化物系固体電解質は、電気化学的及び化学的に安定なため、高電位な正極活物質との反応性が低く、正極の寿命性能を向上することができる。その結果、高電位(3V(vs.Li/Li)以上)な正極活物質を用いた電気化学セルにおいて、正負極と電解質との界面抵抗と、電解質抵抗の両方を低減することができるため、放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能に優れた電気化学セルを提供することができる。
以下、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質、正極、負極について説明する。
1)酸化物系固体電解質
正極活物質と接合する固体電解質は、酸化物系固体電解質である。酸化物系固体電解質には、ペロブスカイト型、ガーネット型、LISICON,LIPON,NASICON、チタン系の酸化物が含まれる。ペロブスカイト型の酸化物系固体電解質は、La3xLi2/3−xTiO(0≦x≦2/3)であることが好ましい。Li0.35La0.55TiOは、高いイオン伝導性を示すため、より好ましいものである。ガーネット型の酸化物系固体電解質は、LiLaM12(Mは、Taか、Nbか、TaとNb)であることが好ましい。LISICONと呼ばれる酸化物系固体電解質は、Li14ZnGe16であることが好ましい。LIPONと呼ばれる酸化物系固体電解質は、LiPO4−x(0≦x≦0.5)であることが好ましい。NASICOと呼ばれる酸化物系固体電解質は、Li1+xAl2−x(PO(MはTiか、Geか、TiとGe、0≦x≦0.5)であることが好ましい。チタン酸化物系固体電解質は、スピネル構造のLiTi12やLiTi,アナターゼ構造LiTiO(0≦x≦1)、単斜晶構造LiTiO(B)(0≦x≦1)、ラムステライド構造LiTiO(0≦x≦1)、ホランダイト構造LiTiO(0≦x≦1)が好ましい。上記種類の酸化物系固体電解質は、電気化学的及び化学的に安定なため、高電位な正極活物質との反応性が低く、正極の寿命性能を向上することができる。酸化物系固体電解質の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
2)硫化物系固体電解質
負極活物質と接合する固体電解質は、硫化物系固体電解質である。硫化物系固体電解質には、チオシリコン系化合物、硫化物ガラス・セラミックス系化合物が含まれる。チオシリコン系化合物は、Li4−x1−y(AはSiか、Geか、SiとGe、BはP、Al、Zn及びGaよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素、0≦x≦1、0≦y≦1)で表される硫化物であると、イオン伝導性が高く、好ましい。より好ましい組成は、Li10/3Ge1/32/3である。硫化物ガラス・セラミックス系化合物は、LiS−P、LiS−Si、LiS−P−LiSiO,LiS−Ga−GeS,LiS−Sb−GeSなどのガラス状硫化物であることが好ましい。以上の硫化物系固体電解質は、酸化物系固体電解質よりイオン伝導性が高いため、セルの出力性能を向上することができる。硫化物系固体電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
硫化物系固体電解質層中にアルミナ(Al),酸化ケイ素(SiO),酸化ジルコニム(ZrO)などの金属酸化物粒子を分散させるか、硫化物系固体電解質に金属酸化物粒子を複合化することにより、硫化物系固体電解質層の強度を上げることができる。これにより、短絡の防止と、電解質層の厚さを薄くすることができる。Al粒子は、電気化学的及び化学的な安定性が高いため、好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径(直径)は、0.01〜5μmの範囲が好ましい。金属酸化物の種類は1種類または2種類以上にすることができる。
硫化物系固体電解質層の厚さは5μm以上であることが望ましく、より好ましい範囲は10〜100μmである。硫化物系固体電解質層の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって測定される。
3)正極
この正極は、正極集電体と、正極集電体の片面もしくは両面に担持され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極材料層とを有する。
リチウム電位基準で3V(vs.Li/Li)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質は、金属酸化物であることが好ましい。例えば、コバルト、ニッケル及びマンガンよりなる群から選択される少なくとも一種類の金属元素を含有するリチウム金属酸化物は、4V(vs.Li/Li)以上の電位を示すことが可能である。
3V(vs.Li/Li)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質には、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMnまたはLiMnO)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−yCo)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnCo1−y)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiMn2−yNi、0≦x≦1、0.4≦y≦1)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLiFePO、LiFe1−yMnPO、LiVPOF、LiCoPOなど)、鉄硫酸化合物のLiFeSOF、FeSOなど、層状結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などが含まれる。なお、x,yは、特に記載がない限り、0〜1の範囲であることが好ましい。
高電圧で出力性能に優れた電気化学セルを得るためには、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、リチウムリン酸鉄、層状結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などを使用することが望ましい。
スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2−yNi、0≦x≦1、0.4≦y≦1)のLiMn1.5Ni0.5は、平均電位4.7V(vs.Li/Li)の高電位を示すため、LiTi12を含む負極と組み合わせることにより、エネルギー密度を向上することができる。
層状結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の組成は、LiNiCoMn(但し、モル比a,b,c及びdは0≦a≦1.1、b+c+d=1)で表されることが好ましい。モル比a,b,c及びdのより好ましい範囲は、0≦a≦1.1、0.3≦b≦0.9、0.1≦c≦0.5、0.1≦d≦0.5である。この範囲であると高容量を得ることができる。
酸化物系固体電解質層の厚さは、0.5μm以下であることが望ましい。酸化物系固体電解質層の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって測定され、酸化物系固体電解質層の最も厚みが薄いところが0.5μm以下である場合に、酸化物系固体電解質層の厚さが0.5μm以下であるとする。酸化物系固体電解質層の最も厚みが薄いところが0.5μm以下であるものは、正極活物質へのリチウム吸蔵放出が妨げられず、抵抗を大幅に低減することができるからである。酸化物系固体電解質層の厚さのより好ましい範囲は0.02μm以下、さらに好ましい範囲は0.001〜0.01μm、さらにより好ましい範囲は0.001〜0.005μmの範囲である。これにより、正極活物質と酸化物系固体電解質層の接合を十分なものとすることができるため、界面抵抗を小さくすることができる。酸化物系固体電解質層は、例えば、以下の方法で作製される。酸化物系固体電解質のナノサイズ(例えば0.01μm以下)の粒子又はその前駆体(プリカーサ)と正極活物質粒子との複合粒子を生成後、熱処理(例えば500〜1000℃)を施すことにより、正極活物質と酸化物系固体電解質の複合化が可能となる。また、酸化物系固体電解質層は、正極活物質粒子の表面に存在すると共に、正極と硫化物系固体電解質層の間に介在されていることが望ましい。
正極材料層の厚さは、集電体の片面で1μm以上、150μm以下にすることが望ましい。より好ましい範囲は集電体の片面で5μm以上、100μm以下である。
導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、ポリイミドなどが挙げられる。さらに、ポリエチレンオキシド(PEO)などの高分子固体電解質を用いることができる。
酸化物系固体電解質が被覆により接合された正極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、正極活物質80〜95質量%、導電剤3〜19質量%、結着剤1〜7質量%の範囲にすることが好ましい。さらに、20〜70体積%の多孔質部に酸化物系固体電解質または硫化物系固体電解質の粉末を充填する構成となる。
正極は、例えば、表面に酸化物系固体電解質層が接合された正極活物質粒子、導電剤、酸化物系固体電解質及び結着剤を適当な溶媒に懸濁することによりスラリーを調製した後、得られたスラリーを正極集電体に塗布し、乾燥し、加温プレスを施すことにより作製される。正極材料層中の酸化物系固体電解質の比率(集電体を除く)は20〜70体積%が好ましい。溶媒には、n−メチルピロリドン(NMP)のような非水溶媒が使用される。
正極集電体には、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス箔、ニッケル箔を用いることができる。正極集電体の厚さは、20μm以下であることが好ましい。
正極集電体と正極材料層の間にカーボン層を配置することができる。これにより、正極集電体と正極材料層との密着性を向上することができるため、正極の抵抗を低減することができる。
4)負極
負極は、負極集電体と、負極集電体の片面もしくは両面に担持され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極材料層とを有する。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出するものである。負極活物質には、リチウム合金、炭素材料、金属化合物などが含まれる。より好ましい負極活物質には、リチウムチタン酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物、シリコン酸化物、シリコン、シリコン合金、鉄酸化物(例えばFe、Fe、FeO)、マンガン酸化物(例えばMnO)、亜鉛酸化物(例えばZnO)、金属硫化物が含まれる。これらの負極活物質を用いることで硫化物系固体電解質の還元分解が抑制されるため、寿命性能を向上することができる。負極活物質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
リチウム合金は、Si,Al、Zn、Sn及びInよりなる群から選択される少なくとも1種類の金属元素を含むことが好ましい。リチウムチタン酸化物には、例えば、スピネル構造のLi4+xTi12(−1≦x≦3)、ラムスデライド構造のLi2+xTi(0≦x≦1)Li1+xTi(0≦x≦1)、Li1.1+xTi1.8(0≦x≦1)、Li1.07+xTi1.86(0≦x≦1)、LiTiO(0≦x≦1)などを用いることができる。上記種類のリチウムチタン酸化物は、リチウム吸蔵放出の際の体積変化が小さい。チタン酸化物には、例えば、アナターゼ構造TiO、単斜晶系TiO(B)が挙げられる。ニオブ酸化物には、例えば、Nb、TiNbなどが挙げられる。シリコン酸化物には、例えば、SiO、Si−SiO複合物などが挙げられる。シリコン合金には、例えば、Si−Sn,Si−Liなどが挙げられる。金属硫化物には、例えば、TiS,FeS,FeS,NiS、MoSなどが挙げられる。
負極活物質粒子の平均粒径を0.01〜10μmの範囲にするのが好ましい。また粒子形状は、粒状、繊維状のいずれの形態でも良好な性能が得られる。繊維状の場合は、繊維径が0.1μm以下であることが好ましい。
負極活物質は、N吸着によるBET法での比表面積が0.5〜100m/gの範囲であることが望ましい。これにより、硫化物系固体電解質との親和性をさらに高くすることができる。
負極材料層中の硫化物系固体電解質の比率は、20〜70体積%の範囲にすることが望ましい。これにより、負極と非水電解質との親和性に優れ、かつ高密度な負極を得ることができる。より好ましい範囲は、25〜50体積%である。
負極集電体は、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、または銅箔であることが望ましい。アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99.99質量%以上が好ましい。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛及びケイ素よりなる群から選択される1種類以上の元素を含むことが好ましい。鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は100質量ppm以下にすることが好ましい。
負極集電体と負極材料層の間にカーボン層を配置することができる。これにより、負極集電体と負極材料層との密着性を向上することができるため、負極抵抗を低減することができる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛、金属化合物粉末、金属粉末等を挙げることができる。より好ましくは、熱処理温度が800℃〜2000℃の平均粒子径10μm以下のコークス、黒鉛、TiO、TiC、TiN、Al,Ni,Cu、Feなどの金属粉末が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴム、コアシェルバインダー、ポリイミドなどが挙げられる。さらに、ポリエチレンオキシド(PEO)などの高分子固体電解質を用いることができる。
負極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、負極活物質80〜95質量%、導電剤1〜18質量%、結着剤2〜7質量%の範囲にすることが好ましい。負極は、20〜70体積%の多孔質部に硫化物系固体電解質が充填されていることが望ましい。
負極は、例えば、負極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁させ、さらに硫化物系固体電解質粉末を加え、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥し、加温プレスを施すことにより作製される。
以上の酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質、正極及び負極は、容器内に収納される。容器には、金属製容器や、ラミネートフィルム製容器を使用することができる。
金属製容器としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどからなる金属缶で角形、円筒形の形状のものが使用できる。また、容器の板厚は、0.5mm以下にすることが望ましく、さらに好ましい範囲は0.3mm以下である。
ラミネートフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔を樹脂フィルムで被覆した多層フィルムなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。また、ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下にすることが好ましい。アルミニウム箔の純度は99.5質量%以上が好ましい。
アルミニウム合金からなる金属缶は、マンガン、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含むアルミニウム純度99.8質量%以下の合金が好ましい。アルミニウム合金からなる金属缶の強度が飛躍的に増大することにより缶の肉厚を薄くすることができる。その結果、薄型で軽量かつ高出力で放熱性に優れた電気化学セルを実現することができる。
電気化学セルには、固体電解質二次電池、バイポーラ電池等が含まれる。固体電解質二次電池の基本構造は、正極と負極の間に固体電解質層を介在したものからなる単位セルである。一方、バイポーラ電池の基本構造は、固体電解質二次電池の単位セルを複数含み、隣り合う一方の単位セルの正極集電体と他方の単位セルの負極集電体が電気的に接続されているものである。正極集電体と負極集電体は、その間にカーボン層を配置することにより電気的に接続されていることが好ましい。これにより、正極集電体と負極集電体を低抵抗で容易に接合することができる。また、このカーボン層は、充放電時にジュール熱による発熱体となるため、電池出入力性能を改善することができる。
実施形態に係る薄型の固体電解質二次電池の一例を図1に示す。さらに薄型の固体電解質二次電池からなるバイポーラ電池の一例を図2に示す。
図1に示すように、固体電解質二次電池は、金属製の容器1と、容器1内に収納される電極群2とを含む。電極群2は、正極材料層3と、負極材料層4と、硫化物系固体電解質層5と、酸化物系固体電解質層6と、カーボン層7と、正極集電体8と、負極集電体9とを含む。硫化物系固体電解質層5は、正極材料層3及び負極材料層4の間に配置され、負極材料層4に接合されている。酸化物系固体電解質層6は、正極材料層3と硫化物系固体電解質層5との間に介在されている。カーボン層7は、正極材料層3に接合され、正極集電体8はカーボン層7に接合されている。負極集電体9は、負極材料層4に接合されている。正極端子10は、容器1に絶縁部材(図示しない)を介して固定され、正極集電体8と電気的に接続されている。負極端子11は、容器1に絶縁部材(図示しない)を介して固定され、負極集電体9と電気的に接続されている。正極と負極は、容器1から電気的に絶縁されている。
図2に示すように、バイポーラ電池は、固体電解質二次電池に用いられる電極群2を単位セルとして複数含む。隣り合う単位セルにおいて、一方の単位セルの正極集電体8が、他方の単位セルの負極集電体9と対向している。カーボン層12は、一方の単位セルの正極集電体8と他方の単位セルの負極集電体9との間に介在され、これらを電気的に接続している。複数の単位セルは、正極集電体8と負極集電体9との間に介在されたカーボン層12によって直列接続されている。
固体電解質電池及びバイポーラ電池は、それぞれ、充放電回路等の部材を接続した後、これらを筐体に収めることによって電池パックとして使用することができる。電池パックは、固体電解質電池又はバイポーラ電池を加温するためのヒータを備えることができる。例えば、図1に示す固体電解質電池及び図2に示すバイポーラ電池の場合、正極端子10及び負極端子11が設けられていない容器1の面と対向する位置にヒータ13を配置することができる。低温時に、ヒータ13で固体電解質電池及びバイポーラ電池を加温することによって、電池の低温性能を向上することができる。その結果、高温から低温の環境下において優れた放電性能を発揮することができる。ヒータの電源は、固体電解質電池又はバイポーラ電池を使用しても、外部電源を使用しても良い。
電気化学セル、このセルを用いた電池パックの用途は、特に限定されるものではないが、例えば、自動車(自動二輪車を含む)、自転車、バス、電車などの車を挙げることができる。図3は、第1の実施形態に係る電池を含む電池パックを搭載した自動車の一例を示す。電池パック20は、第1の実施形態に係る電池21を複数含むものである。例えば図3に示すようなセダンタイプの自動車22では、後部座席23後方のトランクルーム24内などに配置することができる。電池パック20の配置は、これに限らず、例えば、座席23の下や後ろ、床下などに電池パック20を配置することができる。
以上説明した第1の実施形態によれば、3V(vs.Li/Li)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子の表面を酸化物系固体電解質層で被覆すると共に、負極に硫化物系固体電解質層を接合することによって、正極と固体電解質層の界面抵抗並びに負極と固体電解質層の界面抵抗を小さくすることができ、充放電サイクルによる抵抗上昇を抑制することができる。その結果、放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能に優れた電気化学セルと、この電気化学セルを用いた電池パックと、この電池パックを用いた車とを提供することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によれば、電気化学セルの製造方法が提供される。この製造方法は、正極作製工程と、負極作製工程と、熱圧着工程とを含む。正極作製工程と負極作製工程は、どちらを先に行っても良いし、同時に行うことも可能である。
正極作製工程は、酸化物系固体電解質層で被覆され、3V(vs.Li/Li)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子と、酸化物系固体電解質とを含む非水スラリーを用いて正極集電体の表面に正極材料層を形成することにより正極を作製するものである。正極作製工程は、第1の実施形態で説明した方法によって行うことができる。ここで、溶媒にn−メチルピロリドン(NMP)のような非水溶媒を使用するのは、製造中の安全性を確保するためである。すなわち、正極スラリー中に水が含まれていると、この水が負極側の硫化物系固体電解質層と反応し、硫化水素等を発生する恐れがある。
負極作製工程は、負極活物質と硫化物系固体電解質と溶媒(例えばNMP)とを含むスラリーを用いて負極集電体の表面に負極材料層を形成することにより負極を作製するものである。負極作製工程は、第1の実施形態で説明した方法によって行うことができる。
熱圧着工程は、正極と負極を交互に配置し、正極の正極材料層と負極の負極材料との間に硫化物系固体電解質層を配置すると共に、正極集電体と負極集電体との間にカーボン層を配置し、得られた積層物を熱圧着により一体化するものである。なお、正極材料層と硫化物系固体電解質層との間に酸化物系固体電解質層を配置することができる。熱圧着工程により得られたバイポーラ単位セルを容器内に収納し、バイポーラ単位セルの正負極と正負極端子を電気的に接続することによって、バイポーラ電池が得られる。
カーボン層は、例えば、以下の方法で形成される。炭素材料及びバインダーを溶媒の存在下で混練することによりカーボンペーストを調製する。得られたカーボンペーストを一方の集電体(例えば正極集電体)に塗布した後、このカーボンペースト上に他方の集電体(例えば負極集電体)を重ねることにより、正極集電体と負極集電体との間にカーボン層を配置することができる。これにより、正極集電体と負極集電体を容易に接合することができると共に、正極集電体と負極集電体間の抵抗を小さくすることができる。なお、第1の実施形態で用いるカーボン層は、第2の実施形態と同様な方法で形成することができる。
第2の実施形態では、一つの集電体の一方の面に正極材料層を形成し、かつ他方の面に負極材料層を形成するのではなく、正極材料層が形成される集電体と負極材料層が形成される集電体が異なっている。負極材料層は水の存在下で作製することが可能であるが、正極材料層を水の存在下で作製すると、硫化水素等が生成する恐れがある。これを避けるため、正極材料層が形成される集電体と負極材料層が形成される集電体を別々にする。第2の実施形態によれば、正極集電体と負極集電体の間にカーボン層を介在させることにより正極集電体と負極集電体を電気的に接続するため、正極集電体と負極集電体を容易に接合することができると共に、正極集電体と負極集電体間の抵抗を小さくすることができる。また、このカーボン層は、充放電時にジュール熱による発熱体となるため、電池出入力性能を改善することができる。その結果、放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能に優れたバイポーラ電池を提供することができる。
以下、実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
正極活物質粒子として、平均粒子径3μmのLiNi0.5Mn1.5粒子を用意した。LiNi0.5Mn1.5粒子の表面に、酸化物系固体電解質として平均粒子径0.01μmのLi1.5Al0.5Ti1.5(PO4)粒子を付着量が0.1質量%となるように付着させることにより、LiNi0.5Mn1.5粒子の表面を厚さ0.05μmの酸化物系固体電解質層で被覆した。酸化物系固体電解質層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって測定されたものである。
この正極活物質粒子に、導電剤として正極全体に対してアセチレンブラックを3質量%及び黒鉛粉末を5質量%、結着剤として正極全体に対して5質量%のPVdFをそれぞれ配合した。これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させることにより、スラリーを調製した。次いで、平均粒子径1μmのLi1.5Al0.5Ti1.5(PO粒子を20質量%添加し、再分散を行い、最終スラリーを作製した。これを厚さ15μmのアルミニウム合金箔(純度99質量%)の両面に塗布し、乾燥し、プレス工程を経て、正極材料層の片面当りの厚さが43μm、電極密度2.2g/cmの正極を作製した。正極の平均電位は4.7V(vs.Li/Li)であった。
負極活物質として、一次粒子の平均粒子径が0.3μm、BET比表面積が15m/g、Li吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li)のスピネル型のチタン酸リチウム(LiTi12)粉末を用意した。
負極活物質と、導電剤としてアセチレンブラックと、結着剤としてPVdFとを質量比で95:3:2となるように配合してn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させた後、Li10/3Ge1/32/3の硫化物系固体電解質粒子(平均粒子径1μm)を20質量%添加し、ボールミルを用いて再分散を行い、得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム合金箔(純度99.3質量%)の両面に塗布し、乾燥し、加熱プレス工程を経ることにより、負極材料層の片面当りの厚さが59μmの負極を作製した。
平均粒子径10μmのLi10/3Ge1/32/3の硫化物系固体電解質粒子と、平均粒子径0.1μmのアルミナ粒子とが1:1の体積比で混合された複合体を加温プレス成型することにより、厚さ30μmの硫化物系固体電解質層を作製した。硫化物系固体電解質層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって測定されたものである。
正極の正極材料層と負極の負極材料層との間に硫化物系固体電解質層を配置し、これらを加温プレス成型することにより一体化し、電極群を作製した。電極群をラミネートフィルム製容器内に収納し、真空封入することにより、厚さ1mm、幅40mm、高さ60mmの薄型の固体電解質二次電池を作製した。
(実施例2〜10および比較例1〜3)
正極活物質、負極活物質、酸化物系固体電解質の種類及び層厚さ、硫化物系固体電解質の種類及び層厚さを下記表1に示すように変更すること以外は、実施例1で説明したのと同様にして薄型の二次電池を作製した。なお、実施例9,10の正極の平均電位は3.8V(vs.Li/Li)であった。
(比較例4)
固体電解質の代りに、プロピレンカーボネート(PC)に1MのLiPFを溶解した非水電解液を用いた。正負極の材料層に固体電解質を含有させなかった。また、正負極の材料層の間にポリエチレン多孔質膜(厚さ30μm)のセパレータを固体電解質層の代わりに介在させた。これら以外は、実施例1と同様にして薄型の二次電池を作製した。
(25℃放電容量)
実施例1〜8及び比較例1〜4の二次電池には、25℃で、100mA(0.5C)の定電流で3.3Vまで5時間で充電した後、2Vまで100mAで放電した時の放電容量を測定した。実施例9、10には、25℃で、100mA(0.5C)の定電流で2.8Vまで5時間で充電した後、1.5Vまで100mAで放電した時の放電容量を測定した。
(0℃容量維持率)
実施例1〜8及び比較例1〜4の二次電池には、0℃において、100mA(0.5C)の定電流で3.3Vまで5時間で充電した後、2Vまで100mAで放電した時の放電容量を測定した。また、実施例9、10には、0℃において、100mA(0.5C)の定電流で2.8Vまで5時間で充電した後、1.5Vまで100mAで放電した時の放電容量を測定した。得られた放電容量を、25℃放電容量を100%として表した値を0℃容量維持率として下記表1に示す。
(3Cレート容量維持率)
実施例1〜8及び比較例1〜4の二次電池には、25℃において、100mA(0.5C)の定電流で3.3Vまで5時間で充電した後、2Vまで600mA(3C)で放電した時の放電容量を測定した。また、実施例9、10には、25℃において、100mA(0.5C)の定電流で2.8Vまで5時間で充電した後、1.5Vまで600mA(3C)で放電した時の放電容量を測定した。得られた放電容量を、25℃放電容量を100%として表した値を3Cレート容量維持率として下記表1に示す。
(60℃サイクル寿命)
60℃環境下で上記充放電サイクル繰り返し、容量が80%に到達した時点を寿命とした。実施例1〜8と比較例1〜4の電池は、50%放電時に3Vの開回路電位を示した。実施例9、10は50%放電時に2,3Vの開回路電位を示した。
これらの測定結果を下記表2に示す。
表1及び表2から明らかなように、実施例1〜10の固体電解質二次電池は、比較例1〜4に比べ、3Cハイレートと0℃低温環境下での放電容量維持率に優れる。さらに60℃の高温環境下でのサイクル寿命性能においても実施例1〜10は優れる。よって、実施例1〜10の固体電解質二次電池は、放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能に優れたものである。
(実施例11)
さらに、実施例1の固体電解質二次電池の電極群をカーボン層によって4直列にすることによって、図2に示す構造の実施例11のバイポーラ電池を作製した。まず、カーボン層は、炭素材料(例えば、黒鉛質材料、炭素質材料)及びバインダー(例えば、ゴム系材料、フッ系樹脂)を溶媒(例えばNMP)の存在下で混練することによりカーボンペーストを調製した。得られたカーボンペーストを一つ目の電極群の正極集電体に塗布した後、このカーボンペースト上に二つ目の電極群の負極集電体を重ねた。二つ目の電極群の正極集電体にカーボンペーストを塗布した後、このカーボンペースト上に三つ目の電極群の負極集電体を重ねた。三つ目の電極群の正極集電体にカーボンペーストを塗布した後、このカーボンペースト上に四つ目の電極群の負極集電体を重ねた。得られた積層体に80℃以上で加温プレスを施すことにより、バイポーラ単位セルを得た。得られたバイポーラ単位セルを用いて図2に示す構造の実施例11のバイポーラ電池を作製した。
(比較例5)
比較例3の固体電解質二次電池を4個用意し、電池間を端子の溶接によって4直列に接続することにより、比較例5の組電池を作製した。
実施例11のバイポーラ電池と比較例5の組電池に、14Vのフロート充電を80℃で3カ月間行った。その後、0.5Cで放電すると、実施例11の平均電圧は12Vで、残存容量が90%であった。これに対し、比較例5では平均電圧は9V、残存容量は20%となった。実施例11のバイポーラ電池は、高温環境下でのフロート充電が施された後も優れた放電性能が得られ、鉛蓄電池(12V)との互換性に優れていた。
(実施例12及び比較例6)
実施例11のバイポーラ電池と比較例5の組電池それぞれの周囲に、電池自らの給電(放電)により発熱するヒータを設置し、実施例12と比較例6の電池パックを作製した。これら電池パックの−30℃低温下で3時間放置後の放電容量(0.2C放電)を測定した。その結果、実施例12は140mAhの放電容量が得られた。一方、比較例6の放電容量は0であった。実施例12の電池パックは、優れた低温放電性能が得られるため、鉛蓄電池の代りに車のスタータ用電源や駆動用大型電源として使用することが可能である。
以上述べた少なくとも一つの実施形態及び実施例の電気化学セルによれば、3V(リチウム電位基準)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子の表面を厚さ0.5μm以下の酸化物系固体電解質層で被覆すると共に、負極に硫化物系固体電解質層を接合することによって、放電性能、低温性能、サイクル寿命性能及び高温貯蔵性能に優れた電気化学セルを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 3V(リチウム電位基準)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記負極に接合される硫化物系固体電解質層と、前記正極活物質粒子の表面を被覆する厚さ0.5μm以下の酸化物系固体電解質層とを含むことを特徴とする電気化学セル。
[2] 前記正極と前記負極の間に配置されるカーボン層を含むことを特徴とする[1]記載の電気化学セル。
[3] 前記硫化物系固体電解質層が金属酸化物粒子を含むことを特徴する[1]〜[2]いずれか記載の電気化学セル。
[4] 前記負極活物質は、リチウムチタン酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物、シリコン酸化物、シリコン、シリコン合金及び金属硫化物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴する[1]〜[3]いずれか記載の電気化学セル。
[5] [1]〜[4]いずれか記載の電気化学セルを含むことを特徴とする電池パック。
[6] 前記電気化学セルを加温するためのヒータを含むことを特徴とする[5]記載の電池パック。
[7] [5]及び[6]のいずれか記載の電池パックを含むことを特徴とする車。
[8] 酸化物系固体電解質層で被覆され、3V(リチウム電位基準)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子と、酸化物系固体電解質とを含む非水スラリーを用いて正極集電体の表面に正極材料層を形成することにより正極を作製する工程と、
負極活物質と硫化物系固体電解質とを含むスラリーを用いて負極集電体の表面に負極材料層を形成することにより負極を作製する工程と、
前記正極と前記負極を交互に配置し、前記正極の前記正極材料層と前記負極の前記負極材料との間に硫化物系固体電解質層を配置すると共に、前記正極集電体と前記負極集電体との間にカーボン層を配置し、得られた積層物を熱圧着により一体化する工程とを含むことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
1…容器、2…電極群、3…正極材料層、4…負極材料層、5…硫化物系固体電解質層、6…酸化物系固体電解質層、7,12…カーボン層、8…正極集電体、9…負極集電体、10…正極端子、11…負極端子、13…ヒータ、20…電池パック、21…電池、22…自動車。

Claims (10)

  1. 3V(リチウム電位基準)以上の電位でリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質粒子を含む正極材料層を含有する正極と、
    負極活物質を含む負極材料層を含有する負極と、
    前記正極材料層と前記負極材料層の間に配置され、前記負極材料層に接合される硫化物系固体電解質層とを含み、
    前記正極材料層が、前記正極活物質粒子の表面を被覆する厚さ0.001μm以上0.5μm以下の酸化物系固体電解質層を含み、
    前記酸化物系固体電解質層は、ペロブスカイト型の酸化物系固体電解質、ガーネット型の酸化物系固体電解質、Li14ZnGe16、LiPO4−x(0≦x≦0.5)、Li1+xAl2−x(PO(MはTiか、Geか、TiとGe、0≦x≦0.5)及びチタン酸化物系固体電解質よりなる群から選択される少なくとも1種類を含む、バイポーラ電池。
  2. 前記正極が、正極集電体と、前記正極集電体の片面もしくは両面に担持された前記正極材料層とを含み、前記正極材料層と前記正極集電体の間に配置されるカーボン層を含む、請求項1記載のバイポーラ電池。
  3. 前記負極が、負極集電体と、前記負極集電体の片面もしくは両面に担持された前記負極材料層とを含み、前記負極材料層と前記負極集電体の間に配置されるカーボン層を含む、請求項1〜2いずれか1項記載のバイポーラ電池。
  4. 前記硫化物系固体電解質層が金属酸化物粒子を含む、請求項1〜3いずれか1項記載のバイポーラ電池。
  5. 前記負極活物質は、リチウムチタン酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物、シリコン酸化物、シリコン、シリコン合金及び金属硫化物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4いずれか1項記載のバイポーラ電池。
  6. 前記硫化物系固体電解質層は、チオシリコン系化合物及び硫化物ガラス・セラミックス系化合物のうちの少なくとも一方を含む、請求項1〜5いずれか1項記載のバイポーラ電池。
  7. 請求項1〜6いずれか1項記載のバイポーラ電池を含む電池パック。
  8. 前記バイポーラ電池を加温するためのヒータを含む請求項7記載の電池パック。
  9. 前記バイポーラ電池が、前記正極、前記負極、前記硫化物系固体電解質層及び前記酸化物系固体電解質層を含む単位セルを複数備え、前記単位セルそれぞれの前記正極が正極集電体を含み、かつ前記負極が負極集電体を含み、隣り合う一方の単位セルの前記正極集電体と他方の単位セルの前記負極集電体の間にカーボン層が配置されている、請求項7〜8いずれか1項に記載の電池パック。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項記載の電池パックを含む車。
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