JP2019129096A - 全固体電池及び全固体電池の製造方法 - Google Patents

全固体電池及び全固体電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初回クーロン効率が良好な全固体電池及び全固体電池の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、負極層と、固体電解質層と、正極層とを備え、上記負極層が、負極活物質と、0V(vs.Li/Li+)において還元されない第1固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する全固体電池である。【選択図】図1

Description

本発明は、全固体電池及び全固体電池の製造方法に関する。
リチウムイオン非水電解質二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、電気的に隔離された一対の電極を有する電極体、及び電極間に介在する非水電解質を備え、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。
近年、非水電解質二次電池の安全性の向上を目的として、非水電解質として有機溶媒等の液体の電解質に代えて固体電解質を使用する全固体電池が提案されている(特許文献1参照)。
特開2000−340257公報
しかしながら、ハイブリッド電気自動車(以下、「HEV」ともいう。)やハイブリッド式の産業機械(重機、建機等)に用いられる非水電解質二次電池等の蓄電素子においては、初回クーロン効率を高くすることが求められており、全固体電池の特性においてはさらなる向上が望まれる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、初回クーロン効率が良好な全固体電池及び全固体電池の製造方法の提供を目的とする。
非水電解質二次電池等の蓄電素子においては、初回充放電時に生じる不可逆容量が多いと、初回クーロン効率が低くなる。本発明者は、全固体電池の初回クーロン効率の向上を図る上で、固体電解質を含む負極の初回不可逆容量の低減が必要であると考え検討を行った。
硫化物系固体電解質として用いられている77.5LiS−22.5Pは、還元分解に起因する非常に大きな不可逆容量を示すことが報告されている(Journal of the electrochemical society,160,1,A77(2013))。また、硫化物系固体電解質が本質的に酸化および還元に弱いことが第一原理計算より明らかにされている(ACS Appl.Mater.Interfaces,7,23685(2015))。
一方、第一原理計算より、一般的な固体電解質は、0V(vs.Li/Li)において安定でないことに加えて、非常に大きな還元分解容量を示すことが知られている。
しかしながら、LiPは、第一原理計算より0.8V以下の領域で還元分解されず、安定に存在し、室温で10−4S/cm程度のイオン伝導度を示すことが報告されている(Chem.Mater,28.2011(2016).Solis State Ionics,70 137(1994))。
そこで、本発明者は、0V(vs.Li/Li)において還元されない固体電解質を全固体電池の負極に適用することにより固体電解質の還元分解に起因する不可逆容量が低減される結果、初回クーロン効率を向上できるのではないかと考え、本発明に至った。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、負極層と、固体電解質層と、正極層とを備え、上記負極層が、負極活物質と、0V(vs.Li/Li)において還元されない第1固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する全固体電池である。
本発明の他の一態様は、負極層と、固体電解質層と、正極層とを備え、上記負極層が、負極活物質と、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである第1固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する全固体電池である。
本発明の他の一態様は、負極活物質と、0V(vs.Li/Li)において還元されない固体電解質とを混合することを備える全固体電池の製造方法である。
本発明の他の一態様は、負極活物質と、固体電解質とを混合することを備え、上記固体電解質が、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである全固体電池の製造方法である。
本発明によれば、初回不可逆容量を低減し、初回クーロン効率が良好な全固体電池を得ることができる。また、本発明によれば、初回不可逆容量を低減し、初回クーロン効率が良好な全固体電池を製造することができる。
本発明の一実施形態における全固体電池を示す模式的断面図である。
本発明の一態様に係る全固体電池は、負極層と、固体電解質層と、正極層とを備え、上記負極層が、負極活物質と、0V(vs.Li/Li)において還元されない第1固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する全固体電池である。
当該全固体電池の負極層が、負極活物質と、0V(vs.Li/Li)において還元されない第1固体電解質を含む混合物又は複合体を含有することで、初回クーロン効率を向上できる。この理由については定かでは無いが、以下の理由が推測される。一般的な固体電解質は、還元分解されやすく、非常に大きな還元分解容量を示すことが知られているが、0V(vs.Li/Li)において還元されない固体電解質を全固体電池の負極に適用することにより、固体電解質の還元分解に起因する不可逆容量が低減される。その結果、全固体電池の初回クーロン効率を向上できる。また、負極活物質及び第1固体電解質が混合物又は複合体を構成することで、負極表面に固体電解質層を積層した場合と異なり、負極活物質と固体電解質の接触面積が大きくできることから、高容量化及び高出力化が可能となる。
ここで「0V(vs.Li/Li)において還元されない」とは、以下の方法によって測定される還元容量が、固体電解質の質量あたり120mAh/g以下であることをいう。
(1)第2固体電解質(固体電解質層用固体電解質)の合成
Aldrich製LiS粉末とAldrich製P粉末とをモル比で75:25となるように秤量及び混合したのちに、遊星型ボールミルをもちいて510rpm、24時間メカニカルミリングすることにより、第2固体電解質として構造がガラス系の硫化物系固体電解質である75LiS−25Pを得る。
(2)作用極の作製
還元容量を測定する固体電解質と、アセチレンブラック(AB)とを、質量比で固体電解質:AB=50:50となるように秤量したのちに、メノウ乳鉢で混合することにより固体電解質合材粉末を得る。
(3)評価用セルの作製
内径10mmのセラミクス製粉体成型器に、75LiS−25Pを100mg/cm、固体電解質合材粉末を2mg/cm(固体電解質あたり1mg/cm)を順に挿入したのちに、360MPaで加圧成型を行う。圧力解放後に、対極側に金属Li箔を貼り合わせて120MPaで加圧成型を行い、ペレットを形成する。このペレットを二次電池評価用のアルミラミネートセルに真空封入することにより、作用極が固体電解質合材、対極がLi箔の全固体電池セルを作製する。なお、このペレットは、圧迫治具により5MPa程度加圧された状態になっている。
(4)還元分解試験
作製した全固体電池セルに対して、電流密度0.1mA/cm(100mA/g:固体電解質基準)、終止電位10mV(vs.Li/Li)、温度50℃の環境下で通電を行い、終止電位に到達するまでの放電容量を還元容量として算出する。
本発明の他の一態様に係る全固体電池は、負極層と、固体電解質層と、正極層とを備え、上記負極層が、負極活物質と、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである第1固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する全固体電池である。
一般的な固体電解質は、還元分解されやすく、非常に大きな還元分解容量を示すことが知られているが、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである第1固体電解質は、0V(vs.Li/Li)において還元されない。従って、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである第1固体電解質を全固体電池の負極に適用することにより、固体電解質の還元分解に起因する不可逆容量が低減される。従って、初回クーロン効率が良好な全固体電池を得ることができる。
上記固体電解質層が第2固体電解質を含有し、上記第1固体電解質が、上記第2固体電解質よりも導電性が高いことが好ましい。負極層が含有する第1固体電解質が、固体電解質層が含有する第2固体電解質よりも導電性が高いことで、負極層内の導電性及びイオン伝導性を高めることができる。なお、本願発明における固体電解質の「導電性」は、JIS−K−0130(2008年)に準拠して測定される電気伝導度で表される。
上記第2固体電解質が、硫化物系固体電解質であることが好ましい。固体電解質層が含有する第2固体電解質が硫化物系固体電解質であることで、絶縁性を有し、イオン伝導性が良好な固体電解質層を形成できる。
本発明の他の一態様に係る全固体電池の製造方法は、負極活物質と、固体電解質とを混合することを備え、上記固体電解質が、0V(vs.Li/Li)において還元されない全固体電池の製造方法である。当該固体電解質電池の製造方法は、負極活物質と、0V(vs.Li/Li)において還元されない固体電解質とを混合することを備えるので、初回不可逆容量を低減し、初回クーロン効率が良好な全固体電池を製造することができる。
本発明の他の一態様に係る全固体電池の製造方法は、負極活物質と、固体電解質とを混合することを備え、上記固体電解質が、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである全固体電池の製造方法である。当該固体電解質電池の製造方法は、負極活物質と、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである固体電解質とを混合することを備えるので、初回不可逆容量を低減し、初回クーロン効率が良好な全固体電池を製造することができる。
以下、本発明に係る全固体電池及びその製造方法の実施形態について詳説する。
<全固体電池>
図1は、本発明の一実施形態における全固体電池10を示す模式的断面図である。二次電池である全固体電池10は、少なくとも負極層1と、正極層2とが固体電解質層3を介して配置される。負極層1は、負極基材層4及び負極合剤層5を有し、負極基材層4が負極層1の最外層となる。正極層2は、正極基材層7及び正極合剤層6を有し、正極基材層7が正極層2の最外層となる。図1に示す全固体電池10においては、正極基材層7上に、正極合剤層6、固体電解質層3、負極合剤層5及び負極基材層4がこの順で積層されている。
<負極層>
負極層1は、負極基材層4と、この負極基材層4の表面に積層される負極合剤層5とを備える。また、負極層1は負極基材層4と負極合剤層5との間に図示しない中間層を有していてもよい。以下、負極層1の各構成要素について詳細に説明する。
[負極基材層]
負極基材層4は導電性を有する層である。負極基材層4の材質としては、導電体であればどのようなものでもよく、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン、金、銀、鉄、白金、クロム、スズ、インジウム及びこれらの一種以上を含む合金並びにステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属を挙げることができる。
負極基材層4の平均厚さの下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましく、8μmがさらに好ましい。一方、負極基材層4の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、100μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。負極基材層4の平均厚さが前記下限以上とすることで、負極基材層4の強度を十分に高くできるため、負極層1を良好に形成できる。負極基材層4の平均厚さを前記上限以下とすることで、他の構成要素の体積を十分に確保できる。
[負極合剤層]
負極合剤層5は、負極活物質を含むいわゆる負極合剤から形成することができる。負極合剤は、負極活物質と、負極用固体電解質(以下、第1固体電解質ともいう。)とを含む混合物又は複合体を含有する。負極合剤は、必要に応じて導電剤、バインダー、フィラー等の任意成分を含む。
(負極活物質)
負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えば
Si、Sn等の金属又は半金属;
Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;
ポリリン酸化合物;
黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料;
チタン酸リチウム等のリチウム金属複合酸化物等が挙げられる。
負極合剤における負極活物質の含有量の下限としては、10質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。一方、負極活物質の含有量の上限としては、60質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましく、90質量%がよりさらに好ましく、95質量%であってもよい。負極活物質の含有量を前記範囲とすることで、当該全固体電池の電気容量を高めることができる。
(負極用固体電解質)
負極用固体電解質である第1固体電解質は、0V(vs.Li/Li)において還元されない化合物である。換言すれば、第1固体電解質は、0V(vs.Li/Li)において還元分解されず、安定に存在する。第1固体電解質としては、例えばLiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。第1固体電解質としては、LiP、LiSを含むことが好ましく、LiPを含むことがより好ましい。第1固体電解質中に含まれるLiPの含有量は、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。
負極合剤における第1固体電解質の含有量の下限は、5質量%であってもよく、10質量%が好ましい。負極合剤における第1固体電解質の含有量の上限は、90質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましく、75質量%がよりさらに好ましい。第1固体電解質の含有量を前記範囲とすることで、当該全固体電池の電気容量を高めることができる。
第1固体電解質の電気伝導度としては1×10−5Ω・cm以下1×10−8Ω・cm以上の範囲が好ましい。第1固体電解質の体積抵抗率が上記範囲であることで、活物質と第1固体電解質間の電子移動が可能となる。
第1固体電解質のイオン伝導度としては、1.0×10−8S/cm以上が好ましい。第1固体電解質として例示された化合物のイオン伝導度は、例えば、LiP9.2×10−4S/cm、LiN1.0×10−3S/cm、LiI5.5×10−7S/cmである。
(混合物又は複合体)
混合物とは、負極活物質及び第1固体電解質をメカニカルミリング等で混合することにより作製される混合物である。例えば、負極活物質と第1固体電解質との混合物は、粒子状の負極活物質及び粒子状の第1固体電解質を混合して得ることができる。
また、上記複合体としては、負極活物質及び第1固体電解質間で化学的又は物理的な結合を有する複合体、負極活物質及び第1固体電解質を機械的に複合化させた複合体等が挙げられる。上記複合体は、一粒子内に負極活物質及び第1固体電解質が存在しているものであり、例えば、負極活物質及び第1固体電解質が凝集状態を形成しているもの、負極活物質の表面の少なくとも一部に第1固体電解質含有皮膜が形成されているものなどが挙げられる。
負極合剤が含有する負極活物質及び第1固体電解質が、混合物又は複合体を構成することで、リチウムイオン伝導性が向上する結果、初回クーロン効率を向上することができる。
(その他の任意の成分)
上記導電剤としては、電池性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。上記負極活物質層における導電剤の含有量としては、例えば0.5質量%以上30質量%以下とすることができる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリル酸等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素などが挙げられる。
負極合剤層5の平均厚さの下限としては、30μmが好ましく、60μmがより好ましい。一方、負極合剤層5の平均厚さの上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。負極合剤層5の平均厚さが上記下限以上とすることで、高いエネルギー密度を有する全固体電池を得ることができる。一方、負極合剤層5の平均厚さを上記上限以下とすることで、高率放電性能に優れ、活物質利用率の高い負極を備える全固体電池を得ることができる。
[中間層]
上記中間層は、負極基材の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで負極基材と負極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダー及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。
<正極層>
正極層2は、正極基材層7と、この正極基材層7の表面に積層される正極合剤層6とを備える。また、正極層2は、負極層1と同様、正極基材層7と正極合剤層6との間に中間層を有していてもよい。この中間層は負極層1の中間層と同様の構成とすることができる。
[正極基材層]
正極基材層7は、負極基材層4と同様の構成とすることができる。正極基材層7の材質としては、導電体であればどのようなものでもよく、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン、金、銀、鉄、白金、クロム、スズ、インジウム及びこれらの一種以上を含む合金並びにステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属を挙げることができる。
正極基材層7の平均厚さの下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、正極基材層7の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、100μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。正極基材層7の平均厚さが上記下限以上とすることで、正極基材層7の強度を十分に高くできるため、正極層2を良好に形成できる。一方、正極基材層7の平均厚さを上記上限以下とすることで、他の構成要素の体積を十分に確保できる。
[正極合剤層]
正極合剤層6は、正極活物質を含むいわゆる正極合剤から形成することができる。また、正極合剤層6を形成する正極合剤は、負極合剤と同様、必要に応じて導電剤、バインダー、フィラー等の任意成分を含む。
正極合剤層6に含まれる正極活物質としては、全固体電池に通常用いられる公知のものが使用できる。上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα−NaFeO型結晶構造を有するLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiNiαCo(1−α),LiNiαMnβCo(1−α−β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn,LiNiαMn(2−α)等)、LiMe(AO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Aは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、正極活物質としては、Li−Al、Li−In、Li−Sn、Li−Pb、Li−Bi、Li−Ga、Li−Sr、Li−Si、Li−Zn、Li−Cd、Li−Ca、Li−Ba等のリチウム合金や前記一般式で表される化合物以外のMnO、FeO、TiO、V、V13、TiS等の反応電位が負極材料よりも貴な材料を用いることができる。
正極合剤層6の平均厚さの下限としては、30μmが好ましく、60μmがより好ましい。一方、正極合剤層6の平均厚さの上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。正極合剤層6の平均厚さが上記下限以上とすることで、高いエネルギー密度を有する全固体電池を得ることができる。一方、正極合剤層6の平均厚さを上記上限以下とすることで、高率放電性能に優れ、活物質利用率の高い負極を備える全固体電池を得ることができる。
<固体電解質層>
固体電解質層3は、固体電解質層用固体電解質(以下、第2固体電解質ともいう。)を含有する。第2固体電解質としては、例えば酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質、ドライポリマー電解質、ゲルポリマー電解質、疑似固体電解質などを挙げることができる。これらの中では、イオン伝導度が良好であり、界面形成が容易であるとなどの観点から硫化物系固体電解質が好ましい。第2固体電解質は、非晶質、ガラス、結晶等の構造を有する。また、固体電解質層用電解質には、LiPOやハロゲン、ハロゲン化合物等を添加してもよい。
硫化物系固体電解質としては、Liイオン伝導性が高いことが好ましく、例えばLiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiCl、LiS−P−LiBr、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−P−LiN、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−BS3−LiI、LiS−SiS−PS5−LiI、LiS−B、LiS−P−Z2n(ただし、m、nは正の数、Zは、Ge、Zn、Gaのいずれかである。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数、Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれかである。)、Li10GeP12等を挙げることができる。これらの中でも、リチウムイオン伝導性が良好な観点から、LiS−Pが好ましく、xLiS−(100−x)P(70≦x≦80)が好ましい。
第2固体電解質の電気伝導度としては1×10−9Ω・cm以下が好ましい。第2固体電解質の体積抵抗率が上記範囲であることで、固体電解質層3の機能として必要な絶縁性を担保できる。従って、第2固体電解質は、第1固体電解質よりも導電性が低い。
固体電解質層3の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。一方、固体電解質層3の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、20μmがより好ましい。固体電解質層3の平均厚さが上記下限以上とすることで、正極と負極とを確実に絶縁することが可能)となる。一方、固体電解質層3の平均厚さを上記上限以下とすることで、全固体電池のエネルギー密度を高めることが可能となる。
<全固体電池の製造方法>
当該全固体電池の製造方法は、負極活物質と、負極層用固体電解質(第1固体電解質)とを混合することを有する負極合剤作製工程と、固体電解質層用固体電解質(第2固体電解質)作製工程と、負極層、固体電解質層及び正極層を積層する積層工程とを主に備える。
[負極合剤作製工程]
本工程では、負極層を形成するための負極合剤が作製される。本工程は、例えばメカニカルミリング法等を用いて負極活物質と、上記第1固体電解質とを混合し、負極活物質と第1固体電解質との混合物又は複合体を作製することを備える。
[固体電解質層用固体電解質作製工程]
本工程では、固体電解質層を形成するための上記第2固体電解質が作製される。本工程では、第2固体電解質の所定の材料をメカニカルミリング法により処理して得ることができる。また、溶融急冷法により第2固体電解質の所定の材料を溶融温度以上に加熱して所定の比率で両者を溶融混合し、急冷することにより第2固体電解質を作製してもよい。さらに、その他の第2固体電解質の合成方法としては、例えば真空封入して焼成する固相法、溶解析出などの液相法、気相法(PLD)、メカニカルミリング後にアルゴン雰囲気下で焼成することなどが挙げられる。
[正極合剤作製工程]
本工程では、正極層を形成するための正極合剤が作製される。正極合剤の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極活物質の圧縮成形、正極合剤の所定の材料のメカニカルミリング処理、正極活物質のターゲット材料を用いたスパッタリング等が挙げられる。
[積層工程]
本工程は、負極層、固体電解質層及び正極層が積層される。本工程では、負極層、固体電解質層、及び正極層を順次形成してもよいし、この逆であってもよく、各層の形成の順序は特に問わない。
また、負極合剤、第2固体電解質及び正極合剤を一度に加圧成型することにより、負極層、固体電解質層及び正極層が積層されてもよい。また、正極層、負極層、又はこれらの層を予め成形し、固体電解質層と加圧成型して積層してもよい。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明に係る全固体電池の構成については特に限定されるものではなく、例えば中間層や接着層のように、負極層、正極層及び固体電解質層以外のその他の層を備えていてもよい。
<実施例>
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(第1固体電解質(負極層用固体電解質)の合成)
Aldrich製red P粉末を370rpm、2時間メカニカルミリングしたのちに、モル比でLi:P=3:1となるように金属Li箔を加えて370rpm、24時間メカニカルミリング混合することにより、第1固体電解質としてLiPを得た。
(負極合剤粉末の製作)
Si粉末(D50粒径100nm)およびアセチレンブラック(以下、ABともいう)と、LiPとを、質量比でSi:AB:LiP=15:15:70となるように秤量・混合したのちに、遊星型ボールミルをもちいて370rpm、2時間メカニカルミリングすることにより活物質合剤粉末を得た。
(第2固体電解質(固体電解質層用固体電解質)の合成)
Aldrich製LiS粉末とAldrich製P粉末とをモル比で75:25となるように秤量及び混合したのちに、遊星型ボールミルをもちいて510rpm、24時間メカニカルミリングすることにより、第2固体電解質として構造がガラス系の硫化物系固体電解質である75LiS−25Pを得た。
(全固体電池セルの作成)
内径10mmのポリカーボネート製チューブに、75LiS−25P120mg、負極合剤粉末2.5mg(Si基準で2.0mAh/cm相当)、負極基材層としてSUS粉末60mgを順に挿入したのちに、360MPaで加圧成型をおこなった。圧力解放後に、対極側に金属Li箔と金属In箔とを貼り合わせて120MPaで加圧成型を行い、ペレットを形成した。このペレットを二次電池評価用の宝泉社製HSセル内に挿入することにより、作用極がSi層、対極がLi−In箔の全固体電池セルを製作した。なお、このペレットは、HSセル内のバネにより5MPa程度加圧された状態になっている。
[実施例2、比較例1]
上記実施例1の第1固体電解質を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様の操作をして、実施例2及び比較例1の固体電解質電池を得た。
(還元容量の測定)
上述の方法に基づいて、LiP、LiS及び75LiS−25Pの還元容量を測定した。還元容量は、LiPが103mAh/g、LiSが26mAh/g、75LiS−25Pが939mAh/gであった。
(容量確認試験)
実施例1〜実施例2及び比較例1の全固体電池に対して、以下の条件にて初回容量確認試験を行った。温度50℃の環境下で、充電は、充電電流0.05C、充電終止電位−0.6V(vs.Li−In)の定電圧(CV)充電とし、総充電時間を20時間とした。放電は、放電電流0.05C、放電終止電位0.4V(vs.Li‐In)の定電流(CC)放電として1サイクルの初回充放電を行った。なお、実施例及び比較例の全固体電池の1Cは4200(mAh/g:Si基準)に相当する。
このときの放電容量を「初回放電容量(mAh/g:Si基準)」とし、初回充電電気量(mAh/g:Si基準)から初回放電容量(mAh/g:Si基準)を差し引いたものを「初回不可逆容量(mAh/g:Si基準)」とした。また、上記初回充電電気量に対する上記初回放電容量の百分率を「初回クーロン効率(%)」として求めた。
各実施例及び比較例の全固体電池の初回充電電気量、初回放電容量、初回不可逆容量及び初回クーロン効率を、以下の表1に示す。
Figure 2019129096
表1に示されるように、比較例1に比べ、実施例1〜実施例2は初回サイクルの不可逆容量が小さく、初回クーロン効率が優れていた。
以上のように、本発明に係る全固体電池は、初回不可逆容量が低減され、初回クーロン効率が良好であるので、例えばHEV用のリチウムイオン全固体電池として好適に用いられる。
1 負極層
2 正極層
3 固体電解質層
4 負極基材層
5 負極合剤層
6 正極合剤層
7 正極基材層
10 全固体電池

Claims (6)

  1. 負極層と、
    固体電解質層と、
    正極層と
    を備え、
    上記負極層が、負極活物質と、0V(vs.Li/Li)において還元されない第1固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する全固体電池。
  2. 負極層と、
    固体電解質層と、
    正極層と
    を備え、
    上記負極層が、負極活物質と、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである第1固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する全固体電池。
  3. 上記固体電解質層が第2固体電解質を含有し、
    上記第1固体電解質が、上記第2固体電解質よりも導電性が高い請求項1又は請求項2の全固体電池。
  4. 上記第2固体電解質が、硫化物系固体電解質である請求項3の全固体電池。
  5. 負極活物質と、0V(vs.Li/Li)において還元されない固体電解質とを混合することを備える全固体電池の製造方法。
  6. 負極活物質と、固体電解質とを混合することを備え、
    上記固体電解質が、LiP、LiS、LiO、LiN、LiX(Xは、ハロゲン元素である。)、又はこれらの組み合わせである全固体電池の製造方法。
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WO2021070298A1 (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 本田技研工業株式会社 フッ化物イオン二次電池用負極合材複合体、当該複合体を用いたフッ化物イオン二次電池用負極および二次電池、ならびに当該複合体の製造方法

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