JP2015518111A - 燃料噴射弁 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は燃料噴射弁（１）、特に燃焼室に燃料をダイレクトに噴射するための高圧噴射弁に関する。【解決手段】前記燃焼室側にハウジング端面（１２）を備えたハウジング（２）と、アクチュエータ（３）と、前記アクチュエータ（３）によって操作可能な弁閉鎖体（４）と、前記ハウジング端面（１２）に燃料用に設けた少なくとも１つの出口穴（５）であって、前記弁閉鎖体（４）が位置に応じて開閉する前記出口穴（５）と、前記燃焼室側に前記出口穴（５）を取り囲むように形成された、前記燃焼室側のハウジング端面（１２）上のリング（１５）とを含んでいる。【選択図】図１および図２

Description

本発明は燃料噴射弁に関し、特に燃焼室に燃料をダイレクトに噴射するための高圧噴射弁が提示される。

公知の高圧噴射弁の場合、特に複数の穴をコンディショニングするタイプの高圧噴射弁の場合、燃料は噴射穴とプレステージチャンバーとを通じて噴射される。この場合、プレステージチャンバーは噴射弁のハウジングの燃焼室側端面と面一になるように燃焼室側に終端を有している。この端面はインジェクタドームとも呼ばれる。噴射するたびに端面のプレステージ領域が湿るとともに、粒子放出が多くなる。その際に燃料残滓が重合反応し、燃焼室内で形成された煤粒子と結合して多孔層を形成する。この多孔層はその後の噴射過程の際に燃料のための「海綿」のように作用し、圧縮に続く負圧段階で蒸発および粒子生成を生じさせる。

請求項１の構成を備えた、本発明による燃料噴射弁は、プレステージチャンバーの燃焼室側にしてインジェクタドーム上にリングを設けられている。これによって燃料で湿らされる面が著しく減少し、リングのエッジを鋭利に実施することにより、噴射穴内またはプレステージチャンバー内に残っている燃料積層が「切り取られ」、出口穴の閉鎖過程の際に再び燃料噴射弁内部に引き戻される。これによって残塊が減少する。リングのリング端面上の堆積物は燃焼室の流動によって容易に吹き払われる。載置されるリングは比較的質量が小さく、従って強く加熱することができ、その結果堆積物中に残っている燃料残滓を迅速に蒸発させ、これによっても粒子形成が劇的に減少する。これらの利点はすべて本発明による燃料噴射弁によって得られる。特に、燃料噴射弁は燃料を燃焼室内へダイレクトに噴射するための高圧噴射弁である。噴射弁は（ｉ）燃焼室側にハウジング端面を備えたハウジングと、（ｉｉ）アクチュエータと、（ｉｉｉ）アクチュエータによって操作可能な弁閉鎖体と、（ｉｖ）ハウジング端面に燃料用に設けた少なくとも１つの出口穴とを含んでいる。アクチュエータにより、弁閉鎖体は、出口穴を選択的に開閉するように移動せしめられる。本発明によるリングは、燃焼室側に出口穴を取り囲むようにして燃焼室側のハウジング端面に形成されている。特に、このリングはハウジングの一体構成部材である。リングは隆起部、膨出部または鍔とも呼ぶことができる。リングまたは該リングの端面は、燃料を堆積させるための非常に小さな面であり、その結果冒頭で述べた問題は十分に回避される。

従属請求項は本発明の有利な更なる構成を示している。

出口穴が形成されている、燃焼室側の、または、燃焼室の方へ向いているハウジング端面は、特にドーム状に構成されている。その際、ドーム形状は燃焼室の方向に延在している。このドーム状構成の利点は、ドーム形状の上に複数の出口穴を分散して形成できることである。閉鎖体は、特に、位置に応じてすべての出口穴を同時に閉鎖させるか、或いは、すべての出口穴を同時に開放するように、構成されている。特に有利なのは、複数の出口穴のそれぞれに本発明によるリングが１つ配置されていることである。

有利な構成では、出口穴は、第１の径を備えた噴射穴と、燃焼室側でこの噴射穴に接続している、第２の径を備えたプレステージチャンバーとから構成される。この場合、第２の径は第１の径よりも大きい。すなわち、燃料は噴射穴を通じてプレステージチャンバー内へ噴射される。このプレステージチャンバーから燃料はさらに内燃機関の燃焼室内へ入る。公知の配置構成の場合、出口穴に噴射穴と下流側のプレステージチャンバーとを形成すると、燃料が燃焼室側のハウジング端面に堆積するという問題がある。それ故、本願では、プレステージチャンバーの燃焼室側に本発明によるリングが有利な態様で使用される。

リングの内径に対しては、２つの有利な実施態様がある。１つは、リングの内径は第２の径に等しくてよい。このケースでは、リングは段部のないプレステージチャンバーの延設部である。

これとは択一的に、リングの内径が第２の径よりも大きいことが可能である。このケースでは、プレステージチャンバーからリングの内部空間への移行部に段部または段差がある。

リングは、燃焼室側の、または、該燃焼室の方へ向いているリング端面を有している。このリング端面に燃料が堆積する。この堆積を十分に回避するため、リングの壁厚は可能な限り小さく選定される。さらに、堆積物を吹き飛ばすには、リング端面が傾斜していると有利である。燃焼室の方へ向いているハウジング端面が燃料噴射弁の長手軸線に対し垂直であれば、ハウジング端面に対するリング端面の傾斜を直接的に定義することができる。しかしながら、有利な構成では、ハウジング端面はドーム状に形成されている。ドーム状構成の場合、ハウジング端面の接平面がある。この接平面はドーム状ハウジング端面での接線群によって形成される。このようにして、接平面に対するリング端面の傾斜を定義することができる。

有利には、リング面全体はハウジング端面に対し、または、接平面に対し傾斜を有している。その傾斜角は好ましくは少なくとも５゜、特に好ましくは少なくとも１０゜である。特に、リング端面は外側へ傾斜している。これはリングが外側よりも内側で高くなっていることを意味している。

これとは択一的に、リング端面を、横断面で見て、切妻屋根状に構成することが可能である。このケースでは、リング端面は、互いに屈曲しあっている２つのリング状部分面に分割される。この場合も、有利には、個々の部分面の傾斜角を少なくとも５゜、好ましくは少なくとも１０゜に設定する。

さらに、堆積を回避するため、リングの壁厚は可能な限り薄くされる。特に、壁厚は０．１ｍｍと０．３ｍｍの間であるべきである。

リングの十分な高さは、燃料がリング端面上に堆積するものの、これを取り囲んでいるハウジング端面上に堆積しないよう保証するものでなければならない。このため、リングはハウジング端面から０．１ｍｍないし０．５ｍｍだけ突出しているべきである。

次に、添付の図面を参照して本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する。

すべての実施形態に関わる本発明による燃料噴射弁の断面図である。 第１の実施形態に関わる本発明による燃料噴射弁の詳細図である。 第２の実施形態に関わる本発明による燃料噴射弁の詳細図である。 第３の実施形態に関わる本発明による燃料噴射弁の詳細図である。 第３の実施形態に関わる本発明による燃料噴射弁の詳細図である。 第４の実施形態に関わる本発明による燃料噴射弁の詳細図である。 第４の実施形態に関わる本発明による燃料噴射弁の詳細図である。

図１は、本発明による燃料噴射弁１の断面図である。燃料噴射弁１は、燃料を燃焼室内へダイレクトに噴射するための高圧噴射弁として構成されている。図１はすべての実施形態に対する構成を示している。

燃料噴射弁１はハウジング２と、アクチュエータ３と、弁閉鎖体４と、複数の出口穴５とを含んでいる。ハウジング２は本体６と燃焼室側のインサート７とから構成されている。インサート７の燃焼室側をハウジング端面１２と記すことにする。このハウジング端面１２に複数の出口穴５が配置されている。

アクチュエータ３は、通電可能なコイル８と鉄心９とを含んでいる。コイル８を通電することによりアーマチュア９を介して弁閉鎖体４が移動する。弁閉鎖体４は、ニードル１０とボール１１とを含んでいる。ニードル１０が適当な位置にあるとき、ボール１１はすべての出口穴５を同時に閉鎖する。

図２ないし図７では、それぞれ１つの出口穴が一点鎖線で縁取られているが、この縁取られた出口穴は技術水準による比較例１４を示している。実際には、すべての出口穴５が本発明に従ってハウジング端面１２に形成されている。

すべての実施形態において、同一の部材または機能的に同一の部材には同じ参照符号が付してある。

図２は、第１実施形態による燃料噴射弁１の詳細図である。図示したのは燃焼室側のハウジング端面１２の一部分である。このハウジング端面１２はドーム状に構成されている。図示したのは複数の出口穴５のうちの１つである。燃焼室は上部領域にあり、従って燃料の噴射方向１３が記入されている。

出口穴５は、噴射穴１７とプレステージチャンバー１８とから構成されている。プレステージチャンバー１８は噴射穴１７の燃焼室側に配置されている。プレステージチャンバー１８の燃焼室側ではリング１５がハウジング端面１２上に着座している。リング１５はハウジング２の、特にインサート７の一体構成部材である。リング１５は燃焼室側にリング端面１６を有している。リング端面１６への移行部におけるエッジをエッジ２８と記す。このエッジ２８は、ここで流動剥離を達成するために可能な限り鋭利に形成されている。

噴射穴１７は第１の径１９を有している。プレステージチャンバー１８は第２の径２０を有している。噴射穴１７は第１の長さ２１にわたって延在している。プレステージチャンバー１８は第２の長さ２２にわたって延在している。リング１５の内部空間は第３の長さ２３にわたって延在している。リング１５は壁厚２４を有している。

第１実施形態では、第２の径２０はリング１５の内径に相当している。さらに、第２の径２０は第１の径１９よりもかなり大きく形成されている。

壁厚２４は、リング端面１６上での燃料の堆積を十分に回避するために、可能な限り小さくなり、好ましくは０．１ｍｍと０．３ｍｍの間で形成される。

第３の長さ２３は０．１ｍｍと０．５ｍｍの間にある。

図３は、燃料噴射弁１の第２実施形態の詳細図である。第１実施形態とは異なり、この第２実施形態でのリング端面１６はハウジング端面１２に対する接平面に対し角度αだけ傾斜している。角度αはここではほぼ１０゜である。リング端面１６は外側へ傾斜している。これによりリング端面１６上での堆積物の吹き払いが改善される。さらに、図３はリング１５からハウジング端面１２への移行部における半径１５を示している。

図４および図５は、第３実施形態による燃料噴射弁１の詳細図である。この第３実施形態では、第１実施形態とは異なり、リング端面１６はハウジング端面１２の接平面に対し平行に形成されていない。第３実施形態では、リング端面１６は横断面で見て切妻屋根状である。リング端面１６の２つの部分面は角度αだけ傾斜しており、その結果尖鋭部または切妻屋根形状が生じる。リング端面１６のこの構成は堆積物の吹き払いを促進する。

図６および図７は、第４実施形態による燃料噴射弁１を示している。この第４実施形態では、リング端面１６は第３実施形態の場合のように切妻屋根状に構成されている。さらに、この第４実施形態では、リング１５の内径２７が拡大される。従って、内径２７は第２の径２０よりも大きい。これにより、プレステージチャンバー１８からリング１５の内部空間への移行部に段部または段差が生じる。

このようにリング１５の内径とプレステージチャンバー１８の内径とを異なるように構成して、移行部にエッジを生じさせることは、すべての実施形態に有利に適用することができ、リング端面１６の切妻屋根状構成に依存するものではない。

１ 燃料噴射弁
２ ハウジング
３ アクチュエータ
４ 弁閉鎖体
５ 出口穴
１２ ハウジング端面
１５ リング
１６ リング端面
１７ 噴射穴
１８ プレステージチャンバー
１９ 第１の径
２０ 第２の径
２４ リングの壁厚
２７ リングの内径

Claims (12)

1. 燃料噴射弁（１）、特に燃焼室に燃料をダイレクトに噴射するための高圧噴射弁において、
   前記燃焼室側にハウジング端面（１２）を備えたハウジング（２）と、
   アクチュエータ（３）と、
   前記アクチュエータ（３）によって操作可能な弁閉鎖体（４）と、
   前記ハウジング端面（１２）に燃料用に設けた少なくとも１つの出口穴（５）であって、前記弁閉鎖体（４）が位置に応じて開閉する前記出口穴（５）と、
   前記燃焼室側に前記出口穴（５）を取り囲むように形成された、前記燃焼室側のハウジング端面（１２）上のリング（１５）と、
   を含んでいる燃料噴射弁。
2. 前記燃焼室側のハウジング端面（１２）がドーム状に形成されていることを特徴とする、請求項１に記載の燃料噴射弁。
3. 前記燃焼室側のハウジング端面（１２）に、それぞれ１つの前記リング（１５）を備えた複数の前記出口穴（５）が配置されていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
4. 前記出口穴（５）が、第１の径（１９）を備えた噴射穴（１７）と、前記燃焼室側で前記噴射穴（１７）に接続している、第２の径（２０）を備えたプレステージチャンバー（１８）とを含み、該第２の径（２０）が前記第１の径（１９）よりも大きいことを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
5. 前記リング（１５）の内径（２７）が前記第２の径（２０）に等しいことを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
6. 前記リング（１５）の前記内径（２７）が前記第２の径（２０）よりも大きいことを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
7. 前記リング（１５）の、燃焼室側のリング端面（１６）が、前記ハウジング端面（１２）に対し平行に、または、前記ハウジング端面（１２）の接平面に対し平行に配置されていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
8. 前記リング（１５）の前記燃焼室側のリング端面（１６）が、前記ハウジング端面（１２）に対し、または、前記ハウジング端面（１２）の接平面に対し傾斜していることを特徴とする、請求項１から６のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
9. 前記リング（１５）の前記燃焼室側のリング端面（１６）が、横断面で見て、切妻屋根状に形成されていることを特徴とする、請求項８に記載の燃料噴射弁。
10. 前記リング（１５）の前記燃焼室側のリング端面（１６）が、前記ハウジング端面（１２）に対し、または、前記ハウジング端面（１２）の接平面に対し、少なくとも５゜、好ましくは少なくとも１０゜だけ傾斜していることを特徴とする、請求項８または９に記載の燃料噴射弁。
11. 前記リング（１５）の壁厚（２４）が０．１ｍｍと０．３ｍｍの間であることを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
12. 前記リング（１５）が前記ハウジング端面（１２）から０．１ｍｍないし０．５ｍｍだけ突出していることを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。

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