JP2014077385A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部への応力集中を緩和できる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】弁孔21を形成した弁ボディ2と、弁孔21を開閉するよう弁ボディ2の内部に設けたニードル3と、弁ボディ2の外側に設けられて弁孔21を覆う噴孔プレート5とを備え、弁ボディ2と噴孔プレート5の間には、弁孔21に連通する燃料通路51が形成され、噴孔プレート5には、燃料通路51に連通する噴孔52が形成され、噴孔プレート5が、弁ボディ2の端部に溶接部53を介して接合され、溶接部53は、弁孔21を周方向に取り囲むよう形成された燃料噴射弁であって、噴孔プレート5における溶接部53と噴孔52の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部54を形成している。
【選択図】図2
【解決手段】弁孔21を形成した弁ボディ2と、弁孔21を開閉するよう弁ボディ2の内部に設けたニードル3と、弁ボディ2の外側に設けられて弁孔21を覆う噴孔プレート5とを備え、弁ボディ2と噴孔プレート5の間には、弁孔21に連通する燃料通路51が形成され、噴孔プレート5には、燃料通路51に連通する噴孔52が形成され、噴孔プレート5が、弁ボディ2の端部に溶接部53を介して接合され、溶接部53は、弁孔21を周方向に取り囲むよう形成された燃料噴射弁であって、噴孔プレート5における溶接部53と噴孔52の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部54を形成している。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料噴射弁に関する。
従来、弁孔を形成した弁座部材(以下、弁ボディと呼称する)と、弁孔を開閉するよう弁ボディの内部に設けた弁体(以下、ニードルと呼称する)と、弁孔を覆うインジェクタプレート(以下、噴孔プレートと呼称する)とを備え、弁ボディと噴孔プレートの間に、弁孔に連通する燃料通路を形成するとともに、噴孔プレートに、燃料通路に連通する噴孔を形成し、噴孔プレートを、弁ボディの端部に溶接部を介して接合した燃料噴射弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
弁ボディの内部には、燃料ポンプから加圧された燃料が送給されるようになっている。この燃料は、ニードルが弁孔を開放したときに、燃料通路および噴孔を経て、内燃機関の吸気ポート、あるいはシリンダに噴射されることになる。
しかしながら、従来の燃料噴射弁においては、噴孔から噴射される燃料の微粒化を促進するために、弁ボディの内部に送給される燃料の圧力を高めた場合、噴孔プレートが変形して噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部に応力集中が生じ、溶接部が劣化することが懸念されるという課題があった。
そこで、本発明は、従来のものと比較して、噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部への応力集中を緩和できる燃料噴射弁を提供することを目的としている。
本発明に係る燃料噴射弁は、上記目的を達成するため、(1)弁孔を形成した弁ボディと、前記弁孔を開閉するよう前記弁ボディの内部に設けたニードルと、前記弁ボディの外側に設けられて前記弁孔を覆う噴孔プレートとを備え、前記弁ボディと前記噴孔プレートの間には、前記弁孔に連通する燃料通路が形成され、前記噴孔プレートには、前記燃料通路に連通する噴孔が形成され、前記噴孔プレートが、前記弁ボディの端部に溶接部を介して接合され、前記溶接部を、前記弁孔を周方向に取り囲むよう形成した燃料噴射弁であって、前記噴孔プレートにおける前記溶接部と前記噴孔の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部を形成している。
この構成により、本発明の燃料噴射弁は、噴孔プレートに形成された薄肉部の剛性が、他の部分の剛性よりも低くなるので、弁ボディの内部に送給される燃料の圧力が高くなると、主に薄肉部が弾性変形する。よって、噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部への応力集中を緩和することができる。
なお、上記(1)に記載の燃料噴射弁において、(2)前記薄肉部は、前記噴孔プレートにおける燃料流通方向下流側の表層部分が凹状となるよう形成してもよい。
この構成により、本発明の燃料噴射弁は、薄肉部が、噴孔プレートにおける燃料流通方向下流側の表層部分が凹状となるよう形成しているので、噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部への応力集中を効果的に緩和することができる。
また、上記(1)または(2)に記載の燃料噴射弁において、(3)前記薄肉部は、前記噴孔プレートにおける燃料流通方向上流側の表層部分が凹状となるよう形成してもよい。
この構成により、本発明の燃料噴射弁は、薄肉部を、噴孔プレートにおける燃料流通方向上流側の表層部分が凹状となるよう形成しているので、噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部への応力集中を効果的に緩和することができる。
また、上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の燃料噴射弁において、(4)前記薄肉部が、前記溶接部に沿うよう環状に形成してもよい。
この構成により、本発明の燃料噴射弁は、薄肉部を、前記溶接部に沿うよう環状に形成しているので、噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部への応力集中をより効果的に緩和することができる。
また、上記(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の燃料噴射弁において、(5)前記噴孔の流路断面積を、燃料流通方向上流側から下流側に向けて拡大するよう形成してもよい。
この構成により、本発明の燃料噴射弁は、噴孔の流路断面積を、燃料流通方向上流側から下流側に向けて拡大するよう形成しているので、噴孔から噴射される燃料の微粒化を促進することができる。
本発明によれば、従来のものと比較して、噴孔プレートを弁ボディに接合する溶接部に対する応力集中を緩和できる燃料噴射弁を提供することができる。
以下、本発明に係る燃料噴射弁の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射弁を示すもので、この燃料噴射弁は、ホルダ1と、弁ボディ2と、ニードル3と、弁駆動装置4と、噴孔プレート5とを備えている。
ホルダ1は、図1に示すように、第1の磁性部材11、非磁性部材12、および第2の磁性部材13を含んで構成されている。
第1の磁性部材11、非磁性部材12、および第2の磁性部材13は筒状に形成され、図1中、下側から上側へ向けて順に同軸に位置するよう配置されている。第1の磁性部材11の上端部と非磁性部材12の下端部は、レーザ溶接等により互いに接合され、非磁性部材12の上端部と第2の磁性部材13の下端部は、レーザ溶接により互いに接合されている。
弁ボディ2は、図2に示すように、下端部に弁孔21が形成され、かつ上端部に開口を有する中空構造体である。弁ボディ2の内部には、弁座22が、弁孔21を周方向に取り囲むよう形成されている。また、弁ボディ2の上端部は、ホルダ1を構成している第1の磁性部材11の下端部にレーザ溶接等により接合されている。
ニードル3は、上側に向けて開口した筒状の支持部31、および、支持部31の下端部に一体に形成した球状の当接部32を含んで構成されている。ニードル3の支持部31は、ホルダ1を構成している第1の磁性部材11の内部に位置し、ニードル3の当接部32は、弁ボディ2の内部に位置している。このニードル3は、後述する弁駆動装置4により、上下方向に往復移動し得るようになっている。
当接部32の直径は、支持部31の外径、ならびに弁ボディ2の弁孔21の内径よりも大きく設定されており、当接部32が弁ボディ2の弁座22の全周にわたって当接すると、弁孔21が閉止されるようになっている。また、支持部31には、燃料孔33が部材径方向に貫通するよう形成されている。
弁駆動装置4は、中空構造体である可動コア41、筒状の固定コア42、筒状の保持部43、スプリング44、およびソレノイドコイル45を含んで構成されている。可動コア41、および固定コア42は、磁性体により形成されている。
可動コア41は、上側および下側の双方に向けて開口しており、可動コア41の上下方向中間部分には、周方向に延びる環状の受け座46が形成されている。可動コア41の下側の開口には、ニードル3の支持部31の上端部が嵌め込まれ、受け座46に当接している。そして、可動コア41は、ホルダ1を構成している第1の磁性部材11の内側部に案内され、上下方向に移動できるようになっている。
固定コア42は、ホルダ1を構成している非磁性部材12、および第2の磁性部材13の下端部分に嵌め込まれ、ホルダ1に対して固定されている。また、保持部43は、固定コア42の上端部分に嵌め込まれている。
スプリング44は、可動コア41と保持部43の間に介在している。スプリング44の下端部は、可動コア41の上側の開口に嵌め込まれ、受け座46に当接している。また、スプリング44の上端部は、固定コア42の下端部に嵌め込まれ、保持部43の下端部に当接している。
このスプリング44は、可動コア41を介してニードル3を下方に向けて押圧する役割を担っている。したがって、ニードル3は、スプリング44の復元力により当接部32が弁ボディ2の弁座22に当接した状態となって、弁孔21を閉止することになる。
ソレノイドコイル45は、ホルダ1を構成している非磁性部材12を周方向に取り囲むよう配置されている。なお、図1中、47,48は、磁気回路用の磁性部材を表しており、これら磁性部材47,48も弁駆動装置4に含まれる。
一方の磁性部材47は、ホルダ1を構成している第1の磁性部材11に接するとともに、ソレノイドコイル45を周方向に取り囲んでいる。他方の磁性部材48は、ホルダ1を構成している第2の磁性部材13と前述した磁性部材47に接している。すなわち、可動コア41、第1の磁性部材11、磁性部材47,48、第2の磁性部材13、および固定コア42により、磁気回路を構成している。
したがって、ソレノイドコイル45を励磁すると、可動コア41と固定コア42の間に磁気吸引力が発生し、可動コア41は、スプリング44の復元力に抗して固定コア42に吸着される。このため、ニードル3が上昇して、当接部32が弁ボディ2の弁座22から離れ、弁孔21が開放される。
また、ソレノイドコイル45の励磁を中断すると、可動コア41と固定コア42の間に磁気吸引力が発生しなくなる。このため、ニードル3は、スプリング44の復元力により下降して、当接部32が弁ボディ2の弁座22に当接し、弁孔21が閉止される。
ホルダ1を構成している第2の磁性部材13の上端部には、燃料に混入した異物を捕捉するためのフィルタ14が嵌め込まれている。また、ホルダ1を構成している第2の磁性部材13の外側部、弁駆動装置4を構成している磁性部材48、ソレノイドコイル45、および磁性部材47の上端部は、樹脂ハウジング15により被覆されている。
さらに、弁ボディ2の内部には、ポンプ等により加圧された燃料が、前述したフィルタ14、第2の磁性部材13の内部空間、保持部43の内部空間、固定コア42の内部空間、ニードル3を構成している支持部31の内部空間、支持部31に形成した燃料孔33、および第1の磁性部材11の内部空間を経て、送給されるようになっている。
噴孔プレート5は、弁ボディ2の外側に弁孔21を覆うように設けた金属円板である。弁ボディ2の下端部と噴孔プレート5の間には、弁孔21に連通する燃料通路51が形成されている。この燃料通路51は、噴孔プレート5において弁ボディ2に向き合う部分の中央に形成した円形の凹部であり、凹部の内径は、弁孔21の内径よりも大きく設定されている。
また、噴孔プレート5には、図3、図4に示すように、燃料通路51に連通する複数の噴孔52が形成されている。噴孔52は、弁孔21の周縁部よりも弁孔21の径方向外側に位置している。噴孔52の流路断面積は、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成することが好ましい。
さらに、噴孔プレート5は、弁ボディ2の下端部に、レーザ溶接等による溶接部53を介して接合されている。溶接部53は、弁孔21を周方向に取り囲み、かつ燃料通路51に干渉しないように、環状に形成されている。
本実施の形態に係る燃料噴射弁の特徴部分は、噴孔プレート5の溶接部53と噴孔52の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部54を形成した点にある。ここで、他の部分とは、噴孔プレート5において、溶接部53と噴孔52の間以外の部分を指している。また、厚みを減少させたとは、噴孔プレート5の板厚方向の寸法が小さいことを意味している。
薄肉部54は、噴孔プレート5における弁ボディ2の外方側(燃料流通方向下流側)の表層部分が凹状の曲面となるよう形成されている。さらに、薄肉部54は、溶接部53に沿うよう環状に形成されている。
次に、本実施の形態に係る燃料噴射弁の作動を説明する。
ソレノイドコイル45が励磁されていないときは、可動コア41と固定コア42の間に磁気吸引力が発生しない。このため、ニードル3は、スプリング44により下向きに押圧され、当接部32が弁ボディ2の弁座22に当接して、弁孔21は閉止された状態に保持される。したがって、ポンプ等により加圧されている燃料は、弁ボディ2の内部から外部へは送出されない。
ソレノイドコイル45を励磁すると、可動コア41と固定コア42の間に磁気吸引力が発生し、可動コア41は、スプリング44の復元力に抗して固定コア42に吸着される。これにより、ニードル3は上昇し、当接部32が弁ボディ2の弁座22から離れて、弁孔21が開放される。
したがって、ポンプ等により加圧されている燃料は、弁ボディ2の内部から、弁孔21、弁ボディ2と噴孔プレート5の間の燃料通路51、および噴孔プレート5の噴孔52を経て、弁ボディ2の外部へ送出される。なお、図4中のFは、燃料の流れを表している。
このとき、噴孔プレート5の噴孔52の流路断面積を、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成してあると、噴孔52を通過する燃料の境界層に剥離が生じる。これにより、弁ボディ2の外部へ送出される燃料は、微粒化が促進されることになる。
弁ボディ2の内部に送給される燃料の圧力により、噴孔プレート5は、主に薄肉部54が弾性変形し、燃料流通方向下流側に向けて凸状に湾曲する。これは、噴孔プレート5に形成された薄肉部54の剛性が、他の部分の剛性よりも低いことに起因する。
このように、本実施の形態に係る燃料噴射弁では、噴孔プレート5の薄肉部54が主に弾性変形するため、噴孔プレート5を弁ボディ2に接合している溶接部53への応力集中を緩和することができ、溶接部53の劣化が抑制されることになる。
また、燃料通路51の開口面積は、噴孔52の総流路断面積を上回るようにする必要がある。これは、燃料通路51を通過する燃料が圧力損失を受けないようにするためである。燃料通路51の開口面積は、図4に示す弁ボディ2の下端と噴孔プレート5の間隙寸法Gに、弁孔21の内周長さを乗算した値であり、噴孔52の総流路断面積は、複数の噴孔52の流路断面積の総和である。
前述したように、本実施の形態に係る燃料噴射弁においては、燃料の圧力により、噴孔プレート5は、燃料流通方向下流側に向けて凸状に湾曲する。このため、燃料通路51の開口面積は、燃料噴射時と燃料噴射中断時で変化することになる。
すなわち、燃料噴射時の燃料通路51の開口面積が、噴孔52の総流路断面積を上回るよう、弁ボディ2、および噴孔プレート5の形状を設定しておけば、燃料通路51を通過する燃料は圧力損失を受けない。
これに加えて、弁ボディ2の内部における弁座22から噴孔プレート5までの容量は、燃料噴射時に比べて燃料噴射中断時のほうが小さくなるため、デポジットが弁ボディ2の内部に生成されにくくなる(デポジットは、燃料噴射中断時に、噴孔52から弁ボディ2の内部に進入する燃焼ガスと、弁ボディ2の内部の残留燃料が反応して生成されるからである)。
図5は本発明の第2の実施の形態に係る燃料噴射弁を示すもので、図中、図1ないし図4と同一の符号を付した部分は同一物を表している。この燃料噴射弁では、図1ないし図4における噴孔プレート5に代えて噴孔プレート6を用いている。
噴孔プレート6は、弁ボディ2の外側に弁孔21を覆うように設けた金属円板である。弁ボディ2の下端部と噴孔プレート6の間には、弁孔21に連通する燃料通路61が形成されている。この燃料通路61は、噴孔プレート6において弁ボディ2に向き合う部分の中央に形成した円形の凹部であり、凹部の内径は、弁孔21の内径よりも大きく設定されている。
また、噴孔プレート6には、燃料通路61に連通する複数の噴孔62が形成されている。噴孔62は、弁孔21の周縁部よりも弁孔21の径方向外側に位置している。噴孔62の流路断面積は、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成することが好ましい。
さらに、噴孔プレート6は、弁ボディ2の下端部に、レーザ溶接等による溶接部63を介して接合されている。溶接部63は、弁孔21を周方向に取り囲み、かつ燃料通路61に干渉しないように、環状に形成されている。
本実施の形態に係る燃料噴射弁の特徴部分は、噴孔プレート6の溶接部63と噴孔62の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部64を形成した点にある。ここで、他の部分とは、噴孔プレート6において、溶接部63と噴孔62の間以外の部分を指している。また、厚みを減少させたとは、噴孔プレート6の板厚方向の寸法が小さいことを意味している。
薄肉部64は、噴孔プレート6における弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)の表層部分が凹状の曲面となるよう形成されている。さらに、薄肉部64は、溶接部63に沿うよう環状に形成されている。
次に、本実施の形態に係る燃料噴射弁の作動を説明する。
ニードル3が上昇して、当接部32が弁ボディ2の弁座22から離れ、弁孔21が開放されると、ポンプ等により加圧されている燃料は、弁ボディ2の内部から、弁孔21、弁ボディ2と噴孔プレート6の間の燃料通路61、および噴孔プレート6の噴孔62を経て、弁ボディ2の外部へ送出される。
このとき、噴孔プレート6の噴孔62の流路断面積を、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成してあると、噴孔62を通過する燃料の境界層に剥離が生じる。これにより、弁ボディ2の外部へ送出される燃料は、微粒化が促進されることになる。
弁ボディ2の内部に送給される燃料の圧力により、噴孔プレート6は、主に薄肉部64が弾性変形し、燃料流通方向下流側に向けて凸状に湾曲する。これは、噴孔プレート6に形成された薄肉部64の剛性が、他の部分の剛性よりも低いことに起因する。
このように、本実施の形態に係る燃料噴射弁では、噴孔プレート6の薄肉部64が主に弾性変形するため、噴孔プレート6を弁ボディ2に接合している溶接部63への応力集中を緩和することができ、溶接部63の劣化が抑制されることになる。
また、燃料通路61の開口面積は、噴孔62の総流路断面積を上回るようにする必要がある。これは、燃料通路61を通過する燃料が圧力損失を受けないようにするためである。燃料通路61の開口面積は、図5に示す弁ボディ2の下端と噴孔プレート6の間隙寸法Gに、弁孔21の内周長さを乗算した値であり、噴孔62の総流路断面積は、複数の噴孔62の流路断面積の総和である。
前述したように、本実施の形態に係る燃料噴射弁においては、燃料の圧力により、噴孔プレート6は、燃料流通方向下流側に向けて凸状に湾曲する。このため、燃料通路61の開口面積は、燃料噴射時と燃料噴射中断時で変化することになる。
すなわち、燃料噴射時の燃料通路61の開口面積が、噴孔62の総流路断面積を上回るよう、弁ボディ2、および噴孔プレート6の形状を設定しておけば、燃料通路61を通過する燃料は圧力損失を受けない。
これに加えて、弁ボディ2の内部における弁座22から噴孔プレート6までの容量は、燃料噴射時に比べて燃料噴射中断時のほうが小さくなるため、デポジットが弁ボディ2の内部に生成されにくくなる(デポジットは、燃料噴射中断時に、噴孔62から弁ボディ2の内部に進入する燃焼ガスと、弁ボディ2の内部の残留燃料が反応して生成されるからである)。
図6は本発明の第3の実施の形態に係る燃料噴射弁を示すもので、図中、図1ないし図4と同一の符号を付した部分は同一物を表している。この燃料噴射弁では、図1ないし図4における噴孔プレート5に代えて噴孔プレート7を用いている。
噴孔プレート7は、弁ボディ2の外側に弁孔21を覆うように設けた金属円板である。弁ボディ2の下端部と噴孔プレート7の間には、弁孔21に連通する燃料通路71が形成されている。この燃料通路71は、噴孔プレート7において弁ボディ2に向き合う部分の中央に形成した円形の凹部であり、凹部の内径は、弁孔21の内径よりも大きく設定されている。
また、噴孔プレート7には、燃料通路71に連通する複数の噴孔72が形成されている。噴孔72は、弁孔21の周縁部よりも弁孔21の径方向外側に位置している。噴孔72の流路断面積は、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成することが好ましい。
さらに、噴孔プレート7は、弁ボディ2の下端部に、レーザ溶接等による溶接部73を介して接合されている。溶接部73は、弁孔21を周方向に取り囲み、かつ燃料通路71に干渉しないように、環状に形成されている。
本実施の形態に係る燃料噴射弁の特徴部分は、噴孔プレート7の溶接部73と噴孔72よりも噴孔プレート7の中心側の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部74を形成した点にある。ここで、他の部分とは、噴孔プレート7において、溶接部73と噴孔72の間以外の部分を指している。また、厚みを減少させたとは、噴孔プレート7の板厚方向の寸法が小さいことを意味している。
薄肉部74は、噴孔プレート7における弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)の表層部分が凹状の曲面となるよう形成されており、噴孔72の燃料流通方向上流側端部は、薄肉部74に位置している。さらに、薄肉部74は、溶接部73に沿うよう環状に形成されている。
次に、本実施の形態に係る燃料噴射弁の作動を説明する。
ニードル3が上昇して、当接部32が弁ボディ2の弁座22から離れ、弁孔21が開放されると、ポンプ等により加圧されている燃料は、弁ボディ2の内部から、弁孔21、弁ボディ2と噴孔プレート7の間の燃料通路71、および噴孔プレート7の噴孔72を経て、弁ボディ2の外部へ送出される。
このとき、噴孔プレート7の噴孔72の流路断面積を、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成してあると、噴孔72を通過する燃料の境界層に剥離が生じる。これにより、弁ボディ2の外部へ送出される燃料は、微粒化が促進されることになる。
弁ボディ2の内部に送給される燃料の圧力により、噴孔プレート7は、主に薄肉部74が弾性変形し、燃料流通方向下流側に向けて凸状に湾曲する。これは、噴孔プレート7に形成された薄肉部74の剛性が、他の部分の剛性よりも低いことに起因する。
このように、本実施の形態に係る燃料噴射弁では、噴孔プレート7の薄肉部74が主に弾性変形するため、噴孔プレート7を弁ボディ2に接合している溶接部73への応力集中を緩和することができ、溶接部73の劣化が抑制されることになる。
また、噴孔72の燃料流通方向上流側端部は、噴孔プレート7の薄肉部74に位置しているので、燃料の流れFは、薄肉部74の表層部分の凹状の曲面に沿って渦流を形成する。これにより、弁ボディ2の外部へ送出される燃料は、微粒化が促進されることになる。
図7、図8は本発明の第4の実施の形態に係る燃料噴射弁を示すもので、図中、図1ないし図4と同一の符号を付した部分は同一物を表している。この燃料噴射弁では、図1ないし図4における噴孔プレート5に代えて噴孔プレート8を用いている。
噴孔プレート8は、弁ボディ2の外側に弁孔21を覆うように設けた金属円板である。弁ボディ2の下端部と噴孔プレート8の間には、弁孔21に連通する燃料通路81が形成されている。この燃料通路81は、噴孔プレート8において弁ボディ2に向き合う部分の中央に形成した円形の凹部であり、凹部の内径は、弁孔21の内径よりも大きく設定されている。
また、噴孔プレート8には、燃料通路81に連通する複数の噴孔82が形成されている。噴孔82は、弁孔21の周縁部よりも弁孔21の径方向外側に位置している。噴孔82の流路断面積は、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成することが好ましい。
さらに、噴孔プレート8は、弁ボディ2の下端部に、レーザ溶接等による溶接部83を介して接合されている。溶接部83は、弁孔21を周方向に取り囲み、かつ燃料通路81に干渉しないように、環状に形成されている。
本実施の形態に係る燃料噴射弁の特徴部分は、噴孔プレート8の溶接部83と噴孔82の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部84を形成した点にある。ここで、他の部分とは、噴孔プレート8において、溶接部83と噴孔82の間以外の部分を指している。また、厚みを減少させたとは、噴孔プレート8の板厚方向の寸法が小さいことを意味している。
薄肉部84は、噴孔プレート8における弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)に形成した溝である。さらに、薄肉部84は、溶接部83に沿うよう環状に形成されている。
次に、本実施の形態に係る燃料噴射弁の作動を説明する。
ニードル3が上昇して、当接部32が弁ボディ2の弁座22から離れ、弁孔21が開放されると、ポンプ等により加圧されている燃料は、弁ボディ2の内部から、弁孔21、弁ボディ2と噴孔プレート8の間の燃料通路81、および噴孔プレート8の噴孔82を経て、弁ボディ2の外部へ送出される。
このとき、噴孔プレート8の噴孔82の流路断面積を、弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)から外方側(燃料流通方向下流側)に向けて拡大するよう形成してあると、噴孔82を通過する燃料の境界層に剥離が生じる。これにより、弁ボディ2の外部へ送出される燃料は、微粒化が促進されることになる。
弁ボディ2の内部に送給される燃料の圧力により、噴孔プレート8は、主に薄肉部84が弾性変形し、燃料流通方向下流側に向けて凸状に湾曲する。これは、噴孔プレート8に形成された薄肉部84の剛性が、他の部分の剛性よりも低いことに起因する。
このように、本実施の形態に係る燃料噴射弁では、噴孔プレート8の薄肉部84が主に弾性変形するため、噴孔プレート8を弁ボディ2に接合している溶接部83への応力集中を緩和することができ、溶接部83の劣化が抑制されることになる。
ニードル3の当接部32が弁ボディ2の弁座22に当接し、弁孔21が閉止されると、噴孔プレート8に形成されている溝状の薄肉部84に燃料が残留する。この燃料残留は、燃焼ガスの熱によって気化し、未燃の燃料ガスが生成される。
この後、ニードル3が上昇して弁孔21が開放されると、噴孔82を経て弁ボディ2の外部へ送出される燃料は、未燃の燃料ガスを巻き込み、燃料ガスが燃料を押し出すように作用する。これにより、弁ボディ2の外部へ送出される燃料は、微粒化が促進されることになる。
図9は、図7における噴孔プレート8の変形例を示すもので、図中、図7と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
図9に示す噴孔プレート8では、前述した薄肉部84に代えて、溶接部83と噴孔82の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部85を形成している。
薄肉部85は、噴孔プレート8における弁ボディ2の内方側(燃料流通方向上流側)に形成した穴である。薄肉部85は、噴孔82ごとに形成されており、薄肉部84と同様な役割を担っている。よって、図9に示す噴孔プレート8を用いた燃料噴射弁においても、図7に示す噴孔プレート8を用いた燃料噴射弁と同等の効果を奏する。
以上のように、本発明に係る燃料噴射弁は、噴孔プレートを弁ボディに接合している溶接部への応力集中を緩和でき、溶接部の劣化が抑制されるという効果を奏するもので、各種燃料噴射弁に有用である。
2…弁ボディ、3…ニードル、5,6,7,8…噴孔プレート、21…弁孔、51,61,71,81…燃料通路、52,62,72,82…噴孔、53,63,73,83…溶接部、54,64,74,84,85…薄肉部
Claims (5)
- 弁孔を形成した弁ボディと、
前記弁孔を開閉するよう前記弁ボディの内部に設けたニードルと、
前記弁ボディの外側に設けられて前記弁孔を覆う噴孔プレートとを備え、
前記弁ボディと前記噴孔プレートの間には、前記弁孔に連通する燃料通路が形成され、
前記噴孔プレートには、前記燃料通路に連通する噴孔が形成され、
前記噴孔プレートが、前記弁ボディの端部に溶接部を介して接合され、
前記溶接部を、前記弁孔を周方向に取り囲むよう形成した燃料噴射弁であって、
前記噴孔プレートにおける前記溶接部と前記噴孔の間の部分に、他の部分に比べて厚みを減少させた薄肉部を形成したことを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記薄肉部は、前記噴孔プレートにおける燃料流通方向下流側の表層部分が凹状となるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記薄肉部は、前記噴孔プレートにおける燃料流通方向上流側の表層部分が凹状となるよう形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 前記薄肉部が、前記溶接部に沿うよう環状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
- 前記噴孔の流路断面積を、燃料流通方向上流側から下流側に向けて拡大するよう形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
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