JP2015140241A - 移載装置及びモータを有する装置の位置決め方法 - Google Patents

移載装置及びモータを有する装置の位置決め方法 Download PDF

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Abstract

【課題】センサーやリミットスイッチ等を省略した移載装置であって、衝突音やモータの唸り音が小さく、耐久性を低下させる懸念が少ない移載装置を開発する。
【解決手段】主搬送コンベア部等を昇降させる際に、昇降手段の昇降用モータ物理的動作限界に至るまで回転させてモータを停止させる。その際、昇降用モータの回転数をカウントし、これが一定の回転数になると、昇降用モータを一旦制動し、その後は遅い回転速度で昇降用モータが回転する様に制御する。その後に昇降用モータを惰性回転させ実質的に制御装置側から昇降用モータに対して電流が流れない状態とする。戻り側物理的動作限界に至って回転が停止すると、制御装置から昇降用モータ側に流れる電流が復活するので、電流が増加する。ステップ15で電流の増加を検知することにより、戻り側物理的動作限界に至ったことを認識する。
【選択図】図9

Description

本発明は、コンベアラインの一部を構成する移載装置に関するものであり、特に搬送物の搬送方向を搬入方向に対して交差する方向に転換できる移載装置に関するものである。また本発明は、モータを有する装置における位置決め方法に関するものである。
製品の組み立てラインや、物品の配送場では、搬送物の搬送にコンベアラインが利用されることが多い。たとえば、配送場では多数のコンベアラインが縦横に設置されていて、コンベアラインが交錯する位置に移載装置が配置されている。即ち移載装置は、物品を元のコンベアライン(主コンベアライン)から搬出し、他のコンベアライン(副コンベアライン)に乗り移らせる機能を有する。
移載装置は前記した機能を果たすべく、物品を搬送する二つの搬送コンベア部と、搬送コンベア部の高さを変更する昇降手段が備えられている。昇降手段は、クランク、カム、ネジ、ギア等の部材で構成される昇降機構を備え、この昇降機構を例えばモータで駆動するものである。
二つの搬送コンベア部は、それぞれ搬送物を載置して搬送する搬送路を有している。二つの搬送コンベア部の搬送路は、搬送方向が互いに異なる。移載装置は前記した昇降手段によって、2つの搬送路の相対的高さを変更することができる。
即ちこの種の移載装置は、昇降手段によって、搬送に関わらない側の搬送コンベア部の搬送路を他方の搬送路よりも下方に待避させ、さらに搬送に寄与する側の搬送コンベア部の搬送路をリフトして露出させ、その高さを維持させる。そしてリフトした側の搬送コンベア部を作動させることで、搬送に関わらない搬送部に搬送を阻害されることなく、円滑な搬送を可能にしている。
前記した様に移載装置では、搬送に寄与する側の搬送コンベア部を上昇させた状態で維持する必要がある。
そのため従来技術の移載装置には、搬送コンベア部の高さを直接的に、あるいは間接的に検知するセンサーやリミットスイッチが設けられている。そして前記したモータを駆動して一方の搬送コンベア部を上方に移動し、当該搬送コンベア部が所定の高さに至ったことを前記したセンサーやリミットスイッチが検知すると、前記したモータを停止する。その結果、一方の搬送コンベア部の搬送路が、他方の搬送コンベア部の搬送路よりも上に露出した状態で昇降方向の移動を停止する。
またセンサーやリミットスイッチを利用して、被駆動体の位置を検知し、被駆動体の位置が所定の位置に至ったことを条件として、モータの回転を停止する構造は、移載装置に限らず、他の機械装置にも応用されている。
特開2012−51679号公報 特開2001−225946号公報
従来技術の移載装置は、搬送コンベア部の高さを検知するセンサーやリミットスイッチが必要であり、部品点数が多い。またセンサーやリミットスイッチの位置調整や配線を行う必要があり、組み立てや調整が面倒である。またセンサーやリミットスイッチが故障する場合もある。センサーやリミットスイッチは、移載装置の奥まった位置に設けられることが多いので、取り替えが面倒である。
そのためセンサーやリミットスイッチ等を省略したいという要求がある。
そこで本発明者らは、搬送コンベア部の高さが所定の高さに至った際に物理的に何らかの部材と衝突させ、モータを強制的に停止させることによってセンサーを省略する構成を考えた。即ちモータを回転させて昇降機構を物理的動作限界に至るまで動作させてモータを強制的に停止させることとし、この際に搬送コンベア部の高さが所定の高さとなっている構造を発案し試作した。
しかしながら、この移載装置は、モータを停止する際に、モータの回転速度が速い場合は衝突音やモータの唸り音が発生し、使用者に違和感を与えるという問題があった。また歯車等の機械要素に過度の負担を与えたり、モータに過電流が流れるといった不都合があり、移載装置の耐久性を低下させる懸念があった。
そこで本発明は上記した問題点に注目し、センサーやリミットスイッチ等を省略することができる移載装置を開発することを目的とし、衝突音やモータの唸り音が小さく、耐久性を低下させる懸念が少ない移載装置の開発を課題とするものである。
また本発明は、発明を水平展開し、歯車等の機械要素に過度の負担を与えたり、モータに過電流が流れるといった不都合が少ない位置決め方法を開発することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、主搬送コンベア部と、副搬送コンベア部と、前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段とを有し、前記主搬送コンベア部は一定の平面領域にあって搬送物を一定の方向に搬送する主搬送路を有し、前記副搬送コンベア部は主搬送路と同一の平面領域に配置されていて主搬送路の搬送方向に対して交差する方向に搬送物を搬送する副搬送路を備え、前記昇降手段によって一方の搬送路を他方の搬送路よりも上に上昇させて搬送物を所望の方向に搬送する移載装置において、昇降手段は、複数の部材が組み合わされてなる昇降機構とモータとを有し、前記昇降機構は、前記モータの回転力を昇降方向の運動に変換して前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部の少なくとも一方に伝動し前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部の少なくとも一方を昇降させ、一方の搬送路が所定の高さにあるときにモータの回転を停止させるものであり、その過程において前記モータを回転させて前記昇降機構を物理的動作限界に至るまで動作させてモータを停止させる物理的限界認定動作を実行し、物理的動作限界に至るまでの間にモータが低回転状態となる様にモータの制御を変更することを特徴とする移載装置である。
本発明の移載装置では、物理的限界認定動作においては、物理的動作限界に至るまでの間にモータの回転数を低下させた状態にする。そのため物理的動作限界に至った際の衝撃が小さく、衝突音が小さい。またモータに過電流が流れる懸念も小さい。そのため本発明の移載装置は、耐久性を低下させる懸念が少ない。
請求項2に記載の発明は、物理的動作限界におけるモータの回転状態をモータの回転原点とするか、又は物理的動作限界から所定の回転数だけモータを回転させたモータの回転状態をモータの回転原点としてモータを最終的に停止し、モータの回転状態が回転原点であるとき、一方の搬送路が他方の搬送路よりも上に上昇した状態であることを特徴とするとする請求項1に記載の移載装置である。
請求項3に記載の発明は、モータに流れる電流を検知する電流検知手段を有し、前記物理的限界認定動作においては、惰性が付加された状態でモータを回転させ、モータに流れる電流が急変した位置又は一定値を越えた位置を物理的動作限界とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の移載装置である。
ここで「モータに流れる電流」はモータに外部から供給される電流であっても良く、モータ自身が発生する電流であってもよい。
昇降機構が物理的動作限界に至ってモータが強制的に停止されると、モータに掛かる負荷が増大し、モータに流れる電流が変化する。そのためモータに流れる電流の急変又は一定値を越えることにより、昇降機構が物理的動作限界に至った事実を検知することができる。
また本発明の移載装置では、物理的限界認定動作においては、惰性が付加された状態でモータを回転させる。そのためモータに流れる電流は、極めて少ないものとなり、物理的動作限界に至ってモータが強制的に停止されても、電源側からモータに流れる電流は少ない。そのためモータを損傷したり、モータの寿命を縮めることはない。
請求項4に記載の発明は、前記物理的限界認定動作においては、モータを惰性で回転させることによってモータで発電し、実質的に外部からモータに電流が供給されない状況を作ることを特徴とする請求項3に記載の移載装置である。
本発明の移載装置では、実質的に外部からモータに電流が供給されない状況が作られる。従って物理的動作限界に至ってモータが強制的に停止されても、電源側からモータに流れる電流は少ない。そのためモータを損傷したり、モータの寿命を縮めることはない。
請求項5に記載の発明は、モータに流れる電流を検知する電流検知手段を有し、モータに流れる電流が一定値を越えた位置を物理的動作限界とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の移載装置である。
本発明の移載装置は、電流値によって物理的動作限界を認識するので正確である。
請求項6に記載の発明は、行き側物理的動作限界と戻り側物理的動作限界とを有し、前記モータを正回転及び逆回転させて前記二つの物理的動作限界に至らしめ、行き側物理的動作限界に至らしめる際、又は戻り側物理的動作限界に至らしめる場合の少なくともいずれか一方の際にモータを低回転状態とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の移載装置である。
本発明の移載装置では、行き側物理的動作限界と戻り側物理的動作限界とを認識させるから、主搬送路が上昇した状態での位置決めと、副搬送路が上昇した状態での位置決めを行うことができる。
請求項7に記載の発明は、昇降機構は、ピニオンギアと、ラックと、ラックによって直線移動するカム部と、前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部に設けられたカムフォロアを有し、ラックの両端が物理的動作限界となることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の移載装置である。
本発明は、移載装置の具体的構造を限定したものである。
請求項8に記載の発明は、モータの回転力を伝動して被駆動体を動作させ、被駆動体が所定の位置にあるときにモータを停止することにより被駆動体の位置又は姿勢を所定の位置又は姿勢にするモータを有する装置の位置決め方法において、
モータを最終的に停止させるまでの過程において前記モータを回転し、物理的動作限界に至るまで動作させてモータを停止させる物理的限界認定動作を実行し、物理的限界認定動作においては、前記モータを起動した後にモータが低回転状態となる様にモータの制御を変更し、惰性が付加された状態でモータを回転させ、モータに流れる電流を監視してモータに流れる電流が急変した位置でモータを停止させる方法を含むことを特徴とするモータを有する装置の位置決め方法である。
本発明の位置決め方法では、物理的動作限界に至るまでの間にモータの回転数を低下させた状態となる。特に本発明では、物理的限界認定動作においては、惰性が付加された状態でモータを回転させる。そのためモータに流れる電流は、極めて少ないものとなり、物理的動作限界に至ってモータが強制的に停止されても、電源側からモータに流れる電流は少ない。そのためモータを損傷したり、モータの寿命を縮めることはない。
本発明の移載装置は、センサーやリミットスイッチ等を使用しなくても搬送コンベア部を所定の高さに移動させることができる。また本発明の移載装置は、衝突音やモータの唸り音が小さく、耐久性を低下させる懸念が少ない。
本発明のモータを有する装置の位置決め方法についても同様であり、衝突音やモータの唸り音が小さく、耐久性を低下させる懸念が少ない。
本発明の実施形態の移載装置を備えたコンベアラインの斜視図である。 本発明の実施形態の移載装置の斜視図である。 本発明の実施形態の移載装置の分解斜視図である。 図3の分解斜視図から主搬送コンベア部のベルト等と副搬送コンベア部のローラ等を略し、各コンベア部のフレームだけを図示した移載装置の分解斜視図である。 図2の移載装置の昇降機構及びギアードモータの斜視図である。 主搬送コンベア部と副搬送コンベア部が共に中間高さの位置にある場合における各搬送コンベア部と水平移動部材の関係を示す説明図であり、(a)は主搬送コンベア部の状態、(b)は副搬送コンベア部の状態、(c)は、各搬送コンベア部に属するコロと水平移動部材の関係を示す。 主搬送コンベア部が上昇位置にあり、副搬送コンベア部が下降位置にある場合における各搬送コンベア部と水平移動部材の関係を示す説明図であり、(a)は主搬送コンベア部の状態、(b)は副搬送コンベア部の状態、(c)は、各搬送コンベア部に属するコロと水平移動部材の関係を示す。 主搬送コンベア部が下降位置にあり、副搬送コンベア部が上昇位置にある場合における各搬送コンベア部と水平移動部材の関係を示す説明図であり、(a)は主搬送コンベア部の状態、(b)は副搬送コンベア部の状態、(c)は、各搬送コンベア部に属するコロと水平移動部材の関係を示す。 図2の移載装置の物理的限界認定動作を実行する際におけるフローチャートである。 物理的限界認定動作が実行されている際における移載装置のラックとピニオンとの位置関係を時系列で示す説明図であり、(a)乃至(d)は時系列に並べたものである。 物理的限界認定動作が実行されている際における昇降用モータの目標回転速度と、実際の回転速度と、電流検知装置が検知する電流値と、昇降用モータの発電量との関係を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態の移載装置の制御装置のブロック図である。
以下さらに本発明の実施形態の移載装置1について説明する。
図1に示す様に、本発明の実施形態の移載装置1は、コンベアライン21における搬送経路が交差する部位に配置される。即ち直線状に配置された上流側の主搬送ライン22と下流側の主搬送ライン23の間に移載装置1が配置されて主ライン100が構成されており、主搬送ライン22,23と直交する副搬送ライン24が移載装置1に接続されている。
そのためコンベアライン21は、物品25を主ライン100(主搬送ライン22,23)に沿って搬送したり、移載装置1上で搬送方向を変更し、物品25を副ライン200(副搬送ライン24)に沿って搬送することができる。
主搬送ライン22,23,及び副搬送ライン24は、複数のローラを備えたローラコンベアであり、複数の従動ローラが駆動ローラから動力伝達されて回転するように構成されている。そのため主搬送ライン22,23、副搬送ライン24は、載置した物品25を、各々一方向に搬送することができる。
移載装置1は、機械構造部と、制御装置によって構成されている。移載装置1の機械構造部は、図2、図3、図4、図5の様に、副搬送コンベア部2と主搬送コンベア部3と、昇降手段6を備えている。なお昇降手段6は、昇降機構8とギアードモータ5によって構成されている。
図3に示すように、移載装置1の副搬送コンベア部2は、複数の搬送ローラ14と、搬送ローラ14を回転可能に支持するローラ側フレーム部材15とを有している。ローラ側フレーム部材15の下部の4カ所には、図4の様にそれぞれコロ(カムフォロア)27が設けられている。副搬送コンベア部2は、ローラ側フレーム部材15に、複数の搬送ローラ14と4つのコロ27とが一体化されたユニットとなっている。ローラ側フレーム部材15は、図示しないガイドに沿って上下方向にのみ往復移動が可能である。
また、複数の搬送ローラ14のうちの少なくとも一つは駆動ローラであり、その他は従動ローラであって、駆動ローラと従動ローラとがベルトで動力伝達されている。副搬送コンベア部2は、複数の搬送ローラ14によって搬送路が形成されており、搬送路の上に載った物品25は、搬送ローラ14が回転することによって搬送される。
次に、主搬送コンベア部3について説明する。
主搬送コンベア部3は、一つのベルト駆動ローラ17と、複数のベルト従動プーリ18と、両ローラに懸架される環状のベルト19と、ベルト側フレーム部材35とを備えている。
ベルト側フレーム部材35の下部外側の4箇所には、それぞれコロ(カムフォロア)36が設置されている。主搬送コンベア部3は、ベルト側フレーム部材35に、ベルト駆動ローラ17等と、4つのコロ(カムフォロア)36が一体化されてユニット化されている。
ベルト駆動ローラ17はモータ内蔵ローラであって回転可能な外筒の内部に減速機構を有するモータ(図示せず)を備えている。そのためモータが駆動されると外筒が回転する。
ベルト側フレーム部材35は、図示しないガイドに沿って上下方向にのみ往復移動が可能である。
主搬送コンベア部3は、ベルト19によって搬送路が形成されており、搬送路の上に載った物品25は、環状のベルト19を走行させることによって搬送される。
主搬送コンベア部3の搬送路と、副搬送ライン24の搬送路は、図1、図2の様に同一の平面領域に配置されている。即ち副搬送コンベア部2の搬送ローラ14同士の間に、主搬送コンベア部3のベルト19が配置されており、二つの搬送路が同一の平面領域にある。
次に昇降手段6について説明する。本実施形態では、昇降手段6は、複数の部材が組み合わされてなる昇降機構8とギアードモータ5によって構成されている。
ギアードモータ5は、公知の様にモータ50と減速機51が一体化されたものである。以下、ギアードモータ5の全体と、内部のモータ50とを区別するため、内部のモータ50を昇降用モータ50と称する。
本実施形態では、昇降用モータ50は、永久磁石とコイルが内蔵されたブラシレスモータである。また昇降用モータ50は、回転子の回転位置を検知するホール素子(図示せず)が内蔵されており、回転子の回転数をカウントすることができる。
また本実施形態で採用する昇降用モータ50は、永久磁石とコイルが内蔵されたものであるから、外力によって回転子を回転させると、コイルに電流が発生する。即ち本実施形態で採用する昇降用モータ50は外力によって回転子を回転させると、発電機として機能する。
昇降機構8は、具体的には、ギア列52と、駆動シャフト53と、ピニオンギア55と、水平移動部材11及び前記した副搬送コンベア部2に属するコロ(カムフォロア)27と主搬送コンベア部3に属するコロ(カムフォロア)36等から構成される。
駆動シャフト53は、ギアードモータ5の出力軸に対して交差する方向に配置され、その両端は移載装置1の両端近傍に至っており、両端にピニオンギア55が取り付けられている。
ギア列52は、図5の様にギアードモータ5の出力軸と、駆動シャフト53の中間部とを接続するものであり、ギアードモータ5の回転力を駆動シャフト53に伝動するものである。従ってギアードモータ5が回転すると、駆動シャフト53の両端に取り付けられたピニオンギア55が回転する。
本実施形態では、ローラ側フレーム部材15とベルト側フレーム部材35の間に、2つの水平移動部材11が平行に配置される。これらの水平移動部材11は、図示しないガイドに沿って、長手方向にのみ往復移動が可能である。
図5、図6に示すように水平移動部材11は、直動カムであり、長尺状の直線部30を備えている。この直線部30の中央であって下面側にラック部31が設けられている。
ラック部31には、前記したピニオンギア55が噛み合う。そして正回転又は逆回転するピニオンギア55から動力が伝達されることによって、水平移動部材11は水平方向に往復移動する。即ち前記したギアードモータ5を回転することにより、水平移動部材11に動力が伝動され、水平移動部材11は、図示しないガイドに沿って往復移動する。
また、水平移動部材11は、前記した様に直動カムであり、直線部30の上面側には、カム凹部28,29が設けられている。即ちカム凹部28,29は、それぞれラック部31の両脇に設けられている。カム凹部28,29には、前述のローラ側フレーム部材15に設けたコロ(カムフォロア)27と、ベルト側フレーム部材35に設けたコロ(カムフォロア)36が嵌る。
即ちギアードモータ5が回転してピニオンギア55が回転すると、水平移動部材11の直線部30は、4つのコロ27を回転させながら水平移動し、カム凹部28,29がコロ27の位置に差し掛かると、図7に示すようにコロ27をカム凹部28,29内に落ち込む。その結果、コロ27と一体のローラ側フレーム部材15が降下し、副搬送コンベア部2が下方に下がる。一方、主搬送コンベア部3は上昇位置に留まる。
なおこのとき、ピニオンギア55はラック部31の一方の端部に至っている。即ち、ピニオンギア55が物理的動作限界に至って回転できない状態となっている。
同様に、ベルト側フレーム部材35の4つのコロ36も、ギアードモータ5が回転してピニオンギア55が回転し、水平移動部材11が水平移動すると、図8に示すようにカム凹部28,29内に落とし込まれる。その結果、ベルト側フレーム部材35は降下し、主搬送コンベア部3が下がる。一方、副搬送コンベア部2は上昇位置に留まる。
なおこのとき、ピニオンギア55はラック部31の他方の端部に至っている。即ち、ピニオンギア55が物理的動作限界に至って回転できない状態となっている。
前記した様に、ギアードモータ5が回転すると、駆動シャフト53の両端に取り付けられたピニオンギア55が回転し、水平移動部材11が移動するから、ギアードモータ5を回転させることによって、主搬送コンベア部3と、副搬送コンベア部2が昇降する。即ちピニオンギア55が一方の方向に回転して物理的動作限界に至って回転できない状態に至ると、主搬送コンベア部3が上昇位置で停止する。またピニオンギア55が他方の方向に回転して物理的動作限界に至って回転できない状態に至ると、副搬送コンベア部2が上昇位置で停止することとなる。
本実施形態では、移載装置1の機械構造部は、図12に示す制御装置60によって制御されている。
制御装置60は、主搬送コンベア部3のベルト駆動ローラ17を駆動する主搬送コンベア部駆動回路と、副搬送コンベア部2の駆動ローラを駆動する副搬送コンベア部駆動回路と、昇降手段6の昇降用モータ50を駆動する昇降用モータ駆動回路を有している。
また制御装置60は、昇降用モータ50の回転数を検出する回転数検出部と、昇降用モータ50に供給される電流値を検出する供給電流検出部と、昇降用モータ50の回転速度を決定して指令する回転速度指令部を有している。
本実施形態では、主搬送コンベア部3及び副搬送コンベア部2を昇降させる際に、昇降手段6の昇降用モータ50を回転する。そしてピニオンギア55を物理的動作限界に至るまで回転させてモータを停止させる。具体的には、昇降用モータ50が回転してる間、供給電流検出部で昇降用モータ50に供給される電流値を検出し、電流値が急変して一定の値になったときに物理的動作限界に至ったとみなしてモータを停止させる。
即ち本実施形態の昇降手段6では、昇降手段6を動作させる過程において昇降用モータ50を回転させ、昇降機構8を物理的動作限界に至るまで動作させ、昇降用モータ50を停止させる動作(以下、物理的限界認定動作と称する)を実行する。
そして昇降用モータ50に流れる電流を検知し、昇降用モータ50に流れる電流が一定値を越えた位置を物理的動作限界として昇降用モータ50への通電を停止する。
即ち昇降用モータ50を回転させて、ピニオンギア55を物理的動作限界に至るまで回転し、昇降用モータ50に流れる電流が一定値を越えた位置を物理的動作限界として昇降用モータ50への通電を停止する。その結果、コロ27又はコロ36が直線部30のカム凹部28,29に嵌った状態で水平移動部材11が停止する。そして主搬送コンベア部3と、副搬送コンベア部2が昇降して搬送路が所定の高さの位置に留まる。
以上のように構成された移載装置1は、物品25を図1に示す主搬送ライン22から移載装置1を経て主搬送ライン23側へ搬送したり、主搬送ライン22から移載装置1を経て副搬送ライン24側へ搬送することができる。
仮に物品25の搬送先が、主搬送ライン23側である場合(すなわち、主ライン100上を搬送する場合)には、制御装置60からの指令によってギアードモータ5(昇降用モータ50)を一方の方向に駆動し、昇降用モータ50に流れる電流を検知し、昇降用モータ50に流れる電流が一定値を越えた位置を物理的動作限界として昇降用モータ50への通電を停止して水平移動部材11が図7(c)に示す位置まで移動させる。そしてローラ側フレーム部材15が降下するように副搬送コンベア部2側のコロ27をカム凹部28,29に落とし込み、図7(b)に示すように搬送ローラ14の頂部(搬送路)を下方へ待避させる。その際、主搬送コンベア部3側のコロ36は水平移動部材11の直線部30上にあるので、主搬送コンベア部3が上昇位置に配置されて物品25を載置することができる。その結果物品25は、ベルト19によって主搬送ライン23側へ搬送される。
逆に物品25を副搬送ライン24側へ搬送する場合(すなわち、副ライン200上を搬送する場合)には、制御装置60からの指令によってギアードモータ5を逆回転し、昇降用モータ50に流れる電流が一定値を越えた位置を物理的動作限界として昇降用モータ50への通電を停止して水平移動部材11を図8(c)に示す位置まで移動させる。そしてベルト側フレーム部材35が降下するように主搬送コンベア部3側のコロ36をカム凹部28,29に落とし込み、図8(b)に示すようにベルト19の上面を搬送面10の高さよりも下方へ待避させる。その際、副搬送コンベア部2側のコロ27は必ず水平移動部材11の直線部30上に配置されるので、搬送ローラ(搬送路)14は上昇位置に配置され、この搬送ローラ14上に物品25が載置される。その結果物品25は、搬送ローラ14によって副搬送コンベア24側へ搬送される。
前記した様に本実施形態の移載装置1は、ギアードモータ5内の昇降用モータ50を駆動し、昇降用モータ50に流れる電流を検知し、昇降用モータ50に流れる電流が一定値を越えた位置を物理的動作限界として昇降用モータ50への通電を停止させることによって主搬送コンベア部3と、副搬送コンベア部2を昇降させて所定の高さの位置に留める。
また本実施形態の移載装置1は、物理的限界認定動作を実行する際に特有の制御が行われる。以下、この制御について説明する。
本実施形態では、昇降用モータ50が強制的に停止される位置が二箇所ある。即ち本実施形態では、昇降機構8の物理的動作限界を、2つ持っている。即ち昇降用モータ50を正回転して行き止まる行き側物理的動作限界と、昇降用モータ50を逆回転して行き止まる戻り側物理的動作限界とを有している。
本実施形態では、昇降用モータ50を回転させて昇降機構8を物理的動作限界に至るまで動作させて昇降用モータ50を強制的に停止させる。
本実施形態では、物理的動作限界は、水平移動部材11に形成されたラック部31と、これに嵌合するピニオンギア55の嵌合限界である。即ちピニオンギア55が回転して水平移動部材11のラック部31が直線移動し、ラック部31の両端の歯が無い部分にピニオンギア55が至ると、ピニオンギア55はそれ以上回転することができない。この状態が物理的動作限界であり、ラック部31の両端に存在する。
本実施形態の移載装置1で採用する制御装置60は、CPU及び記憶手段を有し、記憶装置に図11のフローチャートで示されるコンピュータプログラムが格納されている。
そして当該プログラムに従って物理的限界認定動作が実行される。
物理的限界認定動作は、移載装置の昇降手段6が動作する度に実行される。より具体的には、ギアードモータ5が起動される度に実行される。
即ちステップ1で移載装置1の主電源投入が待たれ、主電源が投入されると回転原点決定モードとなり、初期動作が実行される。
回転原点決定モードでは、ステップ3で昇降用モータ50が正回転される。この時の回転速度は、通常の昇降動作の際よりも遅い。説明を容易にするために、通常の昇降動作の際の昇降用モータ50の回転速度を全速運転と称し、ステップ3における昇降用モータ50の回転速度を半速運転と称する。勿論、半速運転は全速運転の半分の速度とは限らない。半速運転の回転速度は、通常の搬送時の回転速度の20パーセントから70パーセント程度であり、本実施形態では、45パーセントから55パーセント程度である。
昇降用モータ50が回転を開始する直前におけるピニオンギア55と、ラック部31との関係は、図10(a)の様であり、ピニオンギア55はラック部31の中間部分のいずれかで嵌合している。
そしてステップ3で昇降用モータ50を半速で正回転させると、図10(b)の様に水平移動部材11が移動してラック部31との嵌合位置が変化し、遂には図10(c)の様にピニオンギア55がラック部31の端部に至って強制的に停止される。即ち昇降用モータ50を回転させて昇降機構8を行き側物理的動作限界に至るまで動作させて昇降用モータ50を強制的に停止させる。
本実施形態では、昇降用モータ50が停止したという事実を、昇降用モータ50に流れる電流値によって検知する。即ち昇降用モータ50は、負荷に応じて電流値が増大する性質を有しているから、昇降用モータ50を回転させて昇降機構8を行き側物理的動作限界に至るまで動作させ、昇降用モータ50が強制的に停止すると、昇降用モータ50に供給される電流値が増大する。そこで本実施形態では、制御装置60内の供給電流検出部で、昇降用モータ50に供給される電流値を監視し、この電流値が急激に増加したことによって昇降用モータ50が強制的に停止したと判定する。
即ち図11のタイムチャートの様に、初期動作が開始されると、昇降用モータ50の回転速度が半速状態となる様に制御される。昇降用モータ50は、停止状態から次第に回転数を増大させてゆく。昇降用モータ50に供給される電流は、最初の突入電流が多いものの次第に安定してゆく。そして行き側物理的動作限界に至って昇降用モータ50が強制的に停止させられると、図11のタイムチャートの様に、昇降用モータ50に供給される電流が急増する。
制御装置60は、ステップ4で昇降用モータ50に供給される電流が、一定値Aを越えたことを検知すると、ステップ5で、行き側物理的動作限界に至ったことを認識し、ステップ6に移行し昇降用モータ50に対する電流供給を停止し、昇降用モータ50を停止させる。
そして続くステップ7で現在の昇降用モータ50の状態を行き側回転原点として記憶する。なお行き側回転原点は、主搬送コンベア部3又は副搬送コンベア部2を所定の高さに移動させて、昇降用モータ50を最終的に停止する位置であり、一方の搬送路が他方の搬送路よりも上に上昇した状態である。
このとき、ローラ側フレーム部材15が降下するように副搬送コンベア部2側のコロ27をカム凹部28,29に落ち、図7(b)に示すように搬送ローラ14の頂部(搬送路)を下方へ待避させる。主搬送コンベア部3側のコロ36は水平移動部材11の直線部30上にあり、主搬送コンベア部3が上昇位置に至る。そのため、主搬送コンベア部3が上昇位置に配置されて物品25を載置することができる。
そして副搬送ライン24側へ搬送するべき物品25が搬送された場合には、図示しない中央制御装置から、モータ逆回転指令が発せられ、制御装置60は、この信号を受けて昇降用モータ50を逆回転させる。即ちステップ8で、モータ逆回転指令を待ち、モータ逆回転指令を受信するとステップ9で昇降用モータ50を逆回転させる。ここで昇降用モータ50の回転速度は、前記した正回転の速度(半速度)よりも早い。より具体的には、通常の昇降動作の際の昇降用モータ50の回転速度(全速運転)に近い速度で昇降用モータ50を逆回転させる。
そして昇降用モータ50の回転数をカウントし、これが一定の回転数になると、ステップ10からステップ11に移行して昇降用モータ50を一旦制動する。
制動をかける回転数は、図10(e)の様に他方の戻り側物理的動作限界に行き着くまでの位置である。即ち、ラック部31の長さは、既知であり、昇降用モータ50は、行き側物理的動作限界から回転を開始しているので、どの程度回転させれば戻り側物理的動作限界に至るかが分かっている。そこで、戻り側物理的動作限界に行き着く前に、昇降用モータ50を一旦制動する。制動を加える時期は、なるべく戻り側物理的動作限界に近い位置であることが望ましい。制動を掛ける位置は、ピニオンギア55とラック部31との嵌合位置が、ラック部31の全長の50パーセント以上進んだ位置であることが望ましく、70パーセント以上進んだ位置であることさらに望ましい。
制動は、昇降用モータ50のコイルを短絡させて行われる。そして昇降用モータ50の回転速度が一定値Dまで低下すると、ステップ11からステップ12に移行して制動を解除する。具体的には、昇降用モータ50の回転速度が60パーセント以下であって40パーセント以上の回転速度になると、昇降用モータ50に制動を解除する。
制動を解除するタイミングは、早くても遅くても好ましくない。
さらにステップ13に移行して、前記した回転速度Dよりも遅い回転速度で昇降用モータ50が回転する様に制御する。例えば制動解除時における回転速度の50パーセント以下、より好ましくは、50パーセント以下の回転速度で昇降用モータ50が回転する様に制御する。
しかしながら、現実に、昇降用モータ50は回転速度Dで回転しているから、昇降用モータ50は自己が発現する回転力ではなく、惰性で回転することとなる。そして前記した様に、昇降用モータ50は、電磁石とコイルを有するものであり、外力で回転させると、電気が発生する。そのため、制御装置60側から供給される電圧よりも、昇降用モータ50が発生する電圧の方が高くなる。その結果、図11に示すタイムチャートの様に、実質的に制御装置60側から昇降用モータ50に対して電流が流れない状態となる。
そして昇降用モータ50はさらに惰性で回転し、遂には図10(g)の様に戻り側物理的動作限界に至って回転が停止する。その結果、昇降用モータ50自身が発生していた電流が消失し、代わって制御装置60から昇降用モータ50側に流れる電流が復活する。この時の電流が増加する割合は大きく、制御装置60の電流検知手段で十分に検知することができる。しかしながら、電流の絶対値は小さいから、昇降用モータ50を傷めることはない。
この電流の増加を検知すると、ステップ15からステップ16に移行し、戻り側物理的動作限界に至ったことを認識し、ステップ17に移行し昇降用モータ50に対する電流供給を停止し、昇降用モータ50を停止させる。本実施形態では、一定の電流値Cがあるか否かをステップ15で監視し、一定の電流値Cが検知されたらステップ16を経てステップ17に移行し昇降用モータ50に対する電流供給を停止し、昇降用モータ50を停止させる。なお基準値たる電流値Cは、前記した電流値Aよりも小さい値である。
このとき、ベルト側フレーム部材35は降下し、主搬送コンベア部3が下がる。一方、副搬送コンベア部2は上昇位置に留まる。
そのため、副搬送コンベア部2が上昇位置に配置されて物品25を載置することができる。
そして続くステップ18で現在の昇降用モータ50の状態を戻り側回転原点として記憶する。
戻り側物理的動作限界に至って回転が停止すると、電源側から昇降用モータ50側に流れる電流が急変することとなるが、この電流の絶対量はわずかである。そのため前記した様に昇降用モータ50を傷める懸念は無い。また、昇降用モータ50は、惰性で回転して戻り側物理的動作限界に至るものであるから、大きな衝突音を発生させることもない。
なお行き側物理的動作限界を検出する際も、昇降用モータ50の回転速度が低いので、過度に大きな衝突音を発生させることはない。
また再度、主搬送ライン23側へ搬送するべき物品25が搬送された場合には、図示しない中央制御装置から、モータ正回転指令が発せられ、制御装置60は、この信号を受けて昇降用モータ50を正回転させる。即ちステップ10で、モータ正回転指令を待ち、モータ正回転指令を受信するとステップ20で昇降用モータ50を正回転させる。
以下の動作は、前記したステップ10からステップ18までと略同一であり、昇降用モータ50の回転数をカウントし、これが一定の回転数になると、ステップ21からステップ22に移行して昇降用モータ50を一旦制動する。
そして昇降用モータ50の回転速度が一定値Dまで低下すると、ステップ23からステップ24に移行して制動を解除する。さらにステップ25に移行して、前記した回転速度Dよりも遅い回転速度で昇降用モータ50が回転する様に制御する。例えば制動解除時における回転速度の50パーセント以下、より好ましくは、50パーセント以下の回転速度で昇降用モータ50が回転する様に制御する。
そして電流の増加を検知すると、ステップ26からステップ27に移行し、行き側物理的動作限界に至ったことを認識し、ステップ28に移行し昇降用モータ50に対する電流供給を停止し、昇降用モータ50を停止させる。またステップ29で現在の昇降用モータ50の状態を行き側回転原点として記憶する。
このとき、ローラ側フレーム部材15が降下するように副搬送コンベア部2側のコロ27がカム凹部28,29に落ち、図7(b)に示すように搬送ローラ14の頂部(搬送路)を下方へ待避させる。主搬送コンベア部3側のコロ36は水平移動部材11の直線部30上にあり、主搬送コンベア部3が上昇位置に至る。そのため、主搬送コンベア部3が上昇位置に配置されて物品25を載置することができる。
以後、ステップ8に移行し、ステップ8以下の工程を繰り返す。
以上説明した実施形態では、双方の物理的動作限界を検知する際に昇降用モータ50を惰性で回転させたが、一方の物理的動作限界を検知する際に昇降用モータ50を惰性で回転させてもよい。
また先の実施形態では、戻り側物理的動作限界を検知する動作の際に、昇降用モータ50を高速で回転させ、その後に制動を掛けて減速した。この構成によると、戻り側物理的動作限界に至るまでの時間を短縮することができ、推奨される。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、最初から中程度の速度で回転させた後、制御装置60から指令される回転速度を低下させて惰性回転に移行させてもよい。
以上説明した実施形態では、移載装置1の主電源が投入されたことをきっかけとして
回転原点決定モードが実行されることとしたが、何らかの異常が起きた際に回転原点決定モードを実行してもよい。
以上説明した実施形態では、物理的動作限界の位置を主搬送コンベア部等が上昇した位置としたが、物理的動作限界と主搬送コンベア部等が上昇した位置とをずらしてもよい。即ち物理的動作限界は、部材を衝突させることによって決められるから、物理的動作限界の位置は機素の係合が不安定である。そのため、モータの回転をやや戻した位置を主搬送コンベア部等が上昇した位置に合致させてもよい。
以上説明した実施形態では、ラック部31の両端が物理的動作限界となる例を示したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば直動カムたる水平移動部材の移動方向に障害物を設け、水平移動部材の水平移動範囲を限定し、水平移動部材の移動限界を物理的動作限界としてもよい。
また直動カムに代わって回転カムやクランク機構によって昇降機構を構成し、なんらかの障害物を設けてカムの回転角度やクランクの部材の移動範囲を限定してもよい。
さらに昇降装置以外の装置に本発明の方法を応用することもできる。例えば、搬送装置上の搬送物を一定の距離だけ搬送する際にも、位置決めは必要であり、本発明のモータを有する装置の位置決め方法を採用することができる。
1 移載装置
2 副搬送コンベア部
3 主搬送コンベア部
6 昇降手段
8 昇降機構
11 水平移動部材

Claims (8)

  1. 主搬送コンベア部と、副搬送コンベア部と、前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段とを有し、前記主搬送コンベア部は一定の平面領域にあって搬送物を一定の方向に搬送する主搬送路を有し、前記副搬送コンベア部は主搬送路と同一の平面領域に配置されていて主搬送路の搬送方向に対して交差する方向に搬送物を搬送する副搬送路を備え、前記昇降手段によって一方の搬送路を他方の搬送路よりも上に上昇させて搬送物を所望の方向に搬送する移載装置において、
    昇降手段は、複数の部材が組み合わされてなる昇降機構とモータとを有し、前記昇降機構は、前記モータの回転力を昇降方向の運動に変換して前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部の少なくとも一方に伝動し前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部の少なくとも一方を昇降させ、一方の搬送路が所定の高さにあるときにモータの回転を停止させるものであり、その過程において前記モータを回転させて前記昇降機構を物理的動作限界に至るまで動作させてモータを停止させる物理的限界認定動作を実行し、物理的動作限界に至るまでの間にモータが低回転状態となる様にモータの制御を変更することを特徴とする移載装置。
  2. 物理的動作限界におけるモータの回転状態をモータの回転原点とするか、又は物理的動作限界から所定の回転数だけモータの回転を戻した回転状態をモータの回転原点としてモータを最終的に停止し、モータの回転状態が回転原点であるとき、一方の搬送路が他方の搬送路よりも上に上昇した状態であることを特徴とするとする請求項1に記載の移載装置。
  3. モータに流れる電流を検知する電流検知手段を有し、前記物理的限界認定動作においては、惰性が付加された状態でモータを回転させ、モータに流れる電流が急変した位置又は一定値を越えた位置を物理的動作限界とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の移載装置。
  4. 前記物理的限界認定動作においては、モータを惰性で回転させることによってモータで発電し、実質的に外部からモータに電流が供給されない状況を作ることを特徴とする請求項3に記載の移載装置。
  5. モータに流れる電流を検知する電流検知手段を有し、モータに流れる電流が一定値を越えた位置を物理的動作限界とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の移載装置。
  6. 行き側物理的動作限界と戻り側物理的動作限界とを有し、前記モータを正回転及び逆回転させて前記二つの物理的動作限界に至らしめ、行き側物理的動作限界に至らしめる際、又は戻り側物理的動作限界に至らしめる場合の少なくともいずれか一方の際にモータを低回転状態とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の移載装置。
  7. 昇降機構は、ピニオンギアと、ラックと、ラックによって直線移動するカム部と、前記主搬送コンベア部又は副搬送コンベア部に設けられたカムフォロアを有し、ラックの両端が物理的動作限界となることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の移載装置。
  8. モータの回転力を伝動して被駆動体を動作させ、被駆動体が所定の位置にあるときにモータを停止することにより被駆動体の位置又は姿勢を所定の位置又は姿勢にするモータを有する装置の位置決め方法において、
    モータを最終的に停止させるまでの過程において前記モータを回転し、物理的動作限界に至るまで動作させてモータを停止させる物理的限界認定動作を実行し、物理的限界認定動作においては、前記モータを起動した後にモータが低回転状態となる様にモータの制御を変更し、惰性が付加された状態でモータを回転させ、モータに流れる電流を監視してモータに流れる電流が急変した位置でモータを停止させる方法を含むことを特徴とするモータを有する装置の位置決め方法。
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