JP2015098623A - 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末及びその製造方法 - Google Patents

希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】還元拡散後の還元生成物に過度の粉砕を行わず、1μm以下の粒度の割合が減少し、特に高い保磁力を有する表面安定性に優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその安価な製造方法の提供。
【解決手段】還元拡散法で製造される希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末であって、希土類−鉄合金の外周部にTi、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含み、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下で、1μm以下の粒度の割合が10%未満であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末などにより提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末及びその製造方法に関し、より詳しくは、還元拡散後の還元生成物に過度の粉砕を行わず、1μm以下の粒度の割合が減少し、特に高い保磁力を有する表面安定性に優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその安価な製造方法に関するものである。
SmFeNで代表される希土類−遷移金属−窒素系磁石は、高性能でかつ安価な希土類−遷移金属−窒素系磁石として知られている。
従来、この希土類−遷移金属−窒素系磁石は、希土類金属と遷移金属を溶解して合金を作製する溶解法や、希土類酸化物と遷移金属からなる原料にアルカリ土類金属を還元剤として配合し、高温で希土類酸化物を金属に還元するとともに遷移金属と合金化する還元拡散法によって製造されている。しかし、溶解法では、原料として使用する希土類金属が高価であるため経済的ではなく、安価な希土類酸化物粉末を原料として利用できる還元拡散法が望ましい方法であると考えられている。
すなわち、還元拡散法では、先ず希土類酸化物粉末原料、遷移金属粉末原料、および上記希土類酸化物の還元剤であるアルカリ土類金属を配合した混合物を、非酸化性雰囲気中で焼成して希土類−遷移金属系合金を合成する。その後、得られた希土類−遷移金属系合金を水素吸蔵させてから湿式処理して粉末状にした後、この粉末状の希土類−遷移金属合金を窒化処理する方法もしくは窒化処理と湿式処理の順番を入れ替えた方法により、所望の希土類−遷移金属−窒素系磁石が製造される。
この様にして得られた粉末状の希土類−遷移金属−窒素系磁石は、特定の粒度になるまで微粉砕処理される。この場合、希土類−遷移金属−窒素系磁石は、保磁力の発生機構がニュークリエーション型であることから、磁気特性の一つである減磁曲線の角型性、保磁力を高めるには、微粉砕された後の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の粒度を揃えることが必要とされている。
磁石粉末の粒度を揃えるために、出発原料として微細な鉄粉や酸化鉄粉が用いられているが、例えば、特許文献1および特許文献2には、共沈法で微細水酸化物を作製してからM成分(Al、Ti、Mnなど)を添加し、焼成して得られた微細粉末を原料粉末として還元拡散法で合金化して窒化することで、粉砕することなく高性能磁石粉末を製造していた。
しかしながら、この方法では金属Caで還元拡散を行う前に沈殿生成物の洗浄、大気焼成および水素還元を行うために、プロセスが長く製造コストが高いという欠点を有していた。
一方、希土類−遷移金属系磁石粉末を粉砕する場合は、例えば、特許文献3には、不活性ガス雰囲気を保持したハンマ−ミル、ディスクミル、振動ミル、アトライタ−、ジェットミル、あるいはボ−ルミルで効率的に行うことができるといった記載があり、実施例1には湿式ボ−ルミルと乾式ジェットミル粉砕を行って微粉砕し、平均粉末粒径2.0〜3.0μmの磁粉を得ている。しかし、平均粉末粒径2.0〜3.0μmまで粉砕する過程で0.5〜30μmといった粉末粒径分布の広い粉末となる結果、粒子形状は不定形であり、1μm以下の粒度の割合が高く安定性に劣っていた。
このため、例えば、特許文献4では、SmFeN合金粒子を微粉砕する際、または微粉砕後の分級の際に、磁石粒子の温度を300〜650℃に保つようにして磁石粒子の凝集を防ぐ方法が提案されている。また、特許文献5では、SmFeN合金粒子の表面をフッ素化合物皮膜、ポリシラザン硬化皮膜、酸化ケイ素皮膜、窒化ケイ素皮膜のいずれかで被覆して保護層を形成することによって、耐酸化性を向上させ、微粉同志の凝集を抑制した高磁気特性の合金粉末が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、製造時に温度調整や皮膜条件などをコントロールするのが難しく、製造工程も長くなり、バラツキが大きくなりやすいなどの問題があり、保磁力はいずれも10kOe未満であり、かつ表面安定性に優れた磁石粉末を得ることが困難であった。
そこで本出願人は、先に上記課題を解決する方法として、磁石粉末を特定の粒度分布に揃えることで凝集度が低くなり、磁気特性が向上した希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、また、磁石粉末を特定の装置・条件で粉砕することによって効率的に製造する方法を提案した(特許文献6)。
この方法では、希土類−遷移金属−窒素系磁石の粗粉末を媒体攪拌ミルの粉砕機に入れ、次いで、粉砕機の中で0.1〜1mmの金属ボール又はセラミックスボールの粉砕媒体とともに回転させ、特定の条件で微粉砕して、磁石粉末の平均粒径(D50)が1〜4μmとなり、従来法と比較すると磁気特性は向上したものの平均粒径(D50)が小さく、微粉砕によって生じる1μm以下の粒度の割合が高いため、特に表面安定性に改善の余地が残されていた。また、粉砕媒体のボ−ル径が0.1〜1mmと小さくハンドリングの問題もあった。
このため、微粉砕に依存せず、1μm以下の粒度の割合が少ないことで表面安定性が高く、従来法と同等以上の磁気特性を有する希土類−遷移金属−窒素系磁石とその製造方法が必要とされている。
特許第4590920号公報 特許第5170138号公報 特開2003−272943号公報 特開平5−175022号公報 特開2000−34503号公報 特許第4063005号公報
本発明の目的は、このような従来の状況に鑑み、還元拡散後の還元生成物に過度の粉砕を行わず、1μm以下の粒度の割合が減少し、特に高い保磁力を有する表面安定性に優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその安価な製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定粒度の磁石原料粉末の表面に、Ti、Zr、Alから選択された少なくとも一種の元素から成る原料を分散させて、特定量の金属Caによる還元拡散を行った後に窒化反応を行うことによって、粉末の平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下で、かつ1μm以下の粒度が10%未満になり、特に高い保磁力を有する表面安定性に優れた磁石粉末を容易に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、還元拡散法で製造される希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末であって、希土類−鉄合金の外周部にTi、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含み、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下で、1μm以下の粒度の割合が10%未満であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、磁石粉末は、その表面に元素換算でのP含有量が1質量%以下の燐酸塩被膜が形成されていることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、磁石粉末は、希土類元素が23.0質量%以上25.0質量%以下、Nが3.0質量%以上3.6質量%以下、Ti、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素が0.1質量%以上3質量%以下含むことを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、磁石粉末は、10μmを超える粒度の割合が49%以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、保磁力iHcが880kA/m以上の磁気特性を有することを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、原料粉末である平均粒径(D50)が10μm以下の鉄粉末および希土類元素の酸化物粉末と、前記原料粉末混合物中の酸化物を還元するに必要な化学量論量の1.1倍量以上のアルカリ土類金属を混合した後、800〜1150℃で加熱する還元拡散法による希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法であって、
前記原料粉末として、さらに平均粒径(D50)が鉄粉末と希土類元素の酸化物粉末よりも小さいTi、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物粉末を混合して、希土類−鉄合金の粒成長が抑制された還元拡散生成物を得るようにし、その後、該還元拡散生成物を窒化し、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造することを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、前記Ti、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物粉末の平均粒径が1〜300nmであることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第6の発明において、前記窒化の前に、還元拡散生成物に水素を吸蔵させることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第6の発明において、前記希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を、さらに有機媒体およびボ−ル径が1mmを超え5mm以下の粉砕媒体と共に粉砕機の媒体攪拌ミルに入れて回転させて粉砕することを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第6の発明において、前記粉砕の際に、有機媒体に燐酸を添加することを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
本発明によれば、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が、希土類−鉄合金の外周部にTi、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含み、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下で、1μm以下の粒度の割合が特定量以下であることから、かかる合金粉末は表面安定性に優れ高い保磁力を有している。
また、このような高い保磁力を有する表面安定性に優れた磁石粉末は、ボンド磁石などの材料として有用であり、磁石合金の微粉砕工程を必須とせず、比較的低コストで安定的に生産できることから、その工業的価値は極めて大きい。
実施例1で得られたSmFe合金粉末の断面SEM写真(倍率1000倍)である。 比較例3で得られたSmFe合金粉末の断面SEM写真(倍率700倍)である。 比較例5で得られたSmFe合金粉末の断面SEM写真(倍率1000倍)である。
以下、本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、特定粒度の磁石原料粉末の表面に、Ti、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含む原料粉末を分散させて還元拡散させるので、還元拡散後の粒成長が抑制されることにより、従来技術では所望の粒径にするため過度の粉砕で生じていた1μm以下の粒度の割合が少なくなる。
1.希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末
本発明に係る希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、高い保磁力と優れた表面安定性を有している磁石粉末である。磁石粉末は、希土類元素を含む遷移金属−窒素系磁石合金の粉末であり、例えば、希土類−鉄−窒素系の各種磁石粉末等が例示される。
希土類元素には、Sm、Gd、Tb、Ceの内の少なくとも一種、あるいは、さらにPr、Nd、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの内、一種以上を含むものが好ましい。中でもSmが含まれる場合、本発明の効果を著しく発揮させることが可能となる。希土類元素は、単独若しくは混合物として使用でき、その含有量は、23.0質量%以上25.0質量%以下とすることが好ましい。含有量が23.0質量%よりも少ないと、合金中に軟磁性相であるα−Feが多く存在するようになって高い保磁力が得難くなり、25.0質量%を超えると主相となる合金相の体積が減少してしまい飽和磁化が低下するため好ましくない。
遷移金属には、Feのほかに、Co、Ni、Mnが一般的に用いられるが、特に限定はされない。これらの中では、特に、Feを70質量%以上含有するものが好ましい。さらに、磁気特性を損なうことなく磁石の温度特性を改善する目的で、Feの一部をCoで置換することが好ましい。
Fe成分が、70質量%より少ないと磁化が低くなり好ましくないが、Fe成分が80質量%を超えると希土類元素の割合が少なくなり過ぎ、高い保磁力が得られず好ましくない。Fe成分の組成範囲が70〜76質量%であれば、保磁力と磁化のバランスのとれた材料となり、特に好ましい。
また、保磁力の向上、生産性の向上並びに低コスト化のために、Ca、Cr、Nb、Mo、Sb、Ge、V、Si、Ta又はCu等から選ばれた一種以上を添加してもよい。この場合、添加量は、遷移金属全体に対して7質量%以下とすることが望ましい。また、不可避的不純物としてCあるいはB等が5質量%以下含有されていてもよい。
さらに、窒素Nは磁気特性の観点から3.0質量%以上3.6質量%以下とすることが好ましい。窒素が3.0質量%未満では9eサイトに窒素がすべて入らないため高い磁気特性が得られず、窒素が3.6質量%より多く入ってしまうと結晶構造が壊れ磁気特性が下がってしまう。
Ti、Zr、Alから選択された少なくとも一種の添加元素は、上記希土類元素、Fe元素が還元拡散により合金化する際、その合金粒の周囲に存在して粒成長を抑制する。これら添加元素は、磁気特性の向上にもある程度は寄与することから、含有量は、元素換算で0.1〜3質量%が好ましく、0.3質量%以上3質量%以下がより好ましい。0.1質量%以上であれば、還元拡散後の合金粉末の顕著な粒成長を抑制できるが、3質量%を超えると磁気特性に悪影響を生じることがあり好ましくない。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下、すなわち10μm以下の粒度の割合が50%以上であり、かつ1μm以下の粒度の割合が10%未満のものである。平均粒径(D50)の範囲、1μm以下の粒度の割合が前記範囲を外れると、いずれの場合でも所望とする保磁力と表面安定性が得られない。
平均粒径(D50)、1μm以下の粒度の割合および10μm以下の粒度の割合は、HELOS粒度分布測定装置を用いて測定した値である。HELOS粒度分布測定装置は、粒度分布を測定する際に、被測定粉末に一定の圧力の窒素を噴射させて凝集した粉末を解凝して測定するものである。そして、このときの窒素圧を分散力と呼んでいる。ここで、平均粒径(D50)、1μm以下の粒度の割合、10μm以下の粒度の割合は、いずれも窒素圧力を3.0×10Paで噴射して測定したものである。
本発明では、表面安定化成分としてP(燐)を含有することができる。P(燐)含有量は元素換算で、1質量%以下であり、0.2質量%以上1質量%以下が好ましい。1質量%を越えると、所望とする保磁力が得られない。好ましい含有量は、0.7質量%以下である。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、1μm以下の粒度の割合が10%未満と微細な粒子が少なく、10μm以下の粒度の割合が50%以上、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下であり、粒が揃っているので凝集が極めて少ない。
また、本発明では、10μmを越える粒度の割合が49%以下であることが好ましく、47%以下がより好ましく、45%以下が特に好ましい。なお、本発明では、20μmを越える粒度の割合が10%以下であることが一層好ましい。
本発明の磁石粉末は、保磁力iHcが880kA/m以上という優れた磁性特性を有し、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下と比較的大きいものの、1μm以下の粒度の割合が10%未満と極めて少なく、表面安定性に優れていることから大気中に暴露しても発火しない。
2.磁石粉末の製造方法
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、特定粒度以下の磁石原料粉末表面に、これよりも粒度が小さいTi、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含む原料粉末を分散させた後、特定量の金属Caを用いた還元拡散法によって希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末を製造し、平均粒径(D50)と1μm以下の粒度の割合が特定範囲の粉末となるようにして製造される。
(1)希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の調製
原料の希土類粉末としては、通常希土類酸化物粉末が使用される。希土類酸化物粉末の粒径は、反応性、作業性等の面から平均粒径(D50)が10μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、7μm以下、特に好ましくは、5μm以下である。10μmを越えると、還元拡散法で得られる合金生成物中に、希土類元素が拡散していない未反応鉄部が多くなる。
原料として用いる遷移金属粉末、特に鉄粉末は、一般的にアトマイズ法、電解法等により製造されるが、粉末状のものであれば、その製法は限定されない。鉄粉末の粒径は、反応性、作業性等の面から平均粒径(D50)が10μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、7μm以下、特に好ましくは、5μm以下である。10μmを越えると、還元拡散法で得られる合金生成物中に、希土類元素が拡散していない未反応鉄部が多くなる。
還元剤としては、Caなどのアルカリ土類金属が用いられる。上記還元剤は、粒状もしくは粉末状のものが用いられるが、粒度は最大粒径5mm以下のものが好ましい。
Ti、Zr、Alの各元素の原料は、特に限定されず、金属、合金、酸化物のいずれでもよいが、原料コストや還元拡散法での使用を考慮すると酸化物が好ましい。また、その粒径は、用いる希土類酸化物粉末や遷移金属粉末よりも小さければ特に限定されない。
しかし、希土類元素、Fe元素が還元拡散により合金化する際、その合金粒の周囲に存在して粒成長を抑制するには、1〜300nmの範囲が好ましい。より好ましいのは、3〜100nmの範囲であり、5〜50nmの範囲が特に好ましい
希土類元素を含む希土類酸化物粉末原料と遷移金属粉末原料および、その他原料粉末を秤量して反応容器に入れて混合し、さらに希土類酸化物と遷移金属酸化物を還元するのに十分な量の還元剤を添加し混合する。この場合の反応当量は、少な過ぎると酸化物原料のまま残留し図2に示すように合金内部に未反応鉄が生じるため1.1倍量以上とする。一方、多過ぎると洗浄時間が長くなり生産性が低くなるため、1.1〜2倍量が好ましく1.2〜1.7倍量がより好ましい。
上記原料混合物の入った反応容器を還元拡散炉に移し、不活性ガス雰囲気中、例えば、Arガスを流しながら還元拡散炉で上記還元剤が溶融状態になる温度まで昇温し加熱焼成する。
加熱温度は800℃〜1150℃として3〜10時間処理することが好ましい。還元剤として上記したようにCaを選定した場合、遷移金属粉末に対する希土類元素の十分な拡散と焼結による粒成長抑制の観点から、800℃〜1150℃の温度範囲とすることが必要である。800℃未満では図3に示すように合金内部に未反応鉄が生じる。
この加熱焼成により、上記混合物中の希土類酸化物が希土類元素に還元されるとともに、該希土類元素が鉄粉中に拡散し、図1に示すような希土類−鉄母合金が合成される。そして、希土類−鉄母合金の周囲にはTiなどが存在することで、合金粒成長が抑制される。この還元拡散反応が起きる際、原料混合物が圧縮されていると圧縮されていない場合と比較して、原料混合物が炉内の底部、すなわち高温部で、温度分布の小さい範囲に配置され、均一に熱がかかることにより場所による反応のばらつきが小さくなり、よって組成ばらつきが小さい還元物が得られ、ひいては磁気特性の優れた合金粉末が得られることになる。さらに原料混合物が圧縮されていることにより各原料粒子間の距離が短いため熱伝導がよく、短時間で還元拡散反応が起こる。還元拡散時間が長い場合、蒸気圧の高い希土類元素は高温部で揮発し、低温部に濃縮し組成のばらつき原因になる。したがって、このように短時間で還元拡散反応できることは特性を向上させる大きな要因となる。
次に、この希土類−遷移金属系合金に対して、必要により水素吸蔵を行う。希土類−遷移金属系合金は、少なくとも水素を含有する雰囲気の温度が500℃以下となるように冷却する。500℃を越えると消費エネルギ−が大きくなり、しかも、目的の希土類−鉄母合金が分解したり、副反応生成物が生じたりすることがあるからである。反応生成物に水素を吸蔵させることは室温でも十分行うことができる。反応生成物が水素を吸蔵すると自己発熱を起こし、材料温度が上昇するため、500℃を越えないように留意する。
水素吸蔵では、還元拡散処理を行った後、冷却した反応生成物を炉内に入れたまま、還元拡散処理で用いた不活性ガスを水素雰囲気ガスに置換し、この水素を含む雰囲気ガスで加圧するか、あるいは流しながら一定時間吸蔵処理することにより行う。この時、次工程の窒化処理に悪影響を与えない範囲で加熱しても構わない。水素ガスの置換は、炉内にある不活性ガスを脱気し、真空に引いてから水素ガスを導入した方が短時間で水素ガスに完全に置換できるので好ましい。この時の真空度は、大気圧に対して−30kPa以下が好ましく、−100kPa以下がさらに好ましい。
アルゴンガスは、水素ガスよりも比重が大きいため反応生成物の底部まで完全に水素ガスで置換しきれないと、水素吸蔵が効果的に行えず、水素吸蔵後も大きな塊のまま存在することがあるから、注意を要する。
次に、水素を含む雰囲気ガスで置換後、水素の吸蔵を促進するために炉内の圧力を大気圧に対して+5kPa以上に加圧しておくことが好ましい。加圧は大気圧に対して+10〜50kPaがより好ましい。加圧した状態で放置し、反応生成物が水素を吸蔵していくと、初期加圧圧力から徐々に低下することで水素吸蔵の進行が確認できる。
反応生成物では、主相であるSmFe17相の周りにTi、ZrあるいはAlを含むSmリッチ相で覆われている状態である。上記水素吸蔵を行うことにより、水素はSmリッチ相等の結晶格子内に入るが、Smリッチ相は主相よりも膨張率が大きいためにSmリッチ相と主相の粒界から割れて崩壊する。また、強固に凝集している反応生成物の周りにある未反応還元剤や酸化カルシウム等が水素と反応して、凝集がほぐれて崩壊していく。
取り出した崩壊物の粒径が10mm以下、好ましくは1mm以下になるように反応温度と時間を設定することが好ましい。崩壊物の粒径が10mmを越える状態では、窒化処理工程で均一な窒化が困難になり、磁気特性の角形が低下してしまい、水素吸蔵の効果がない。
このように、水素吸蔵させた反応生成物は、該水素処理後、容器から取り出した時点で既に崩壊しており、引き続き行われる窒化工程での崩壊性も向上している。そのため、生成した主相であるSmFe17相磁性粉末の凝集が小さく、崩壊して、該磁性粉末の表面が活性となっており、その後の窒化処理において該合金粉末内の窒素の分布が均一になり、結果として、得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の減磁曲線の角形性が良好なものとなる。
また、水素吸蔵で崩壊した後、窒化処理して得られる希土類−鉄−窒素系磁石粗粉末は、窒素の分布が均一となるので、磁気特性を低下させる希土類−鉄−窒素系磁石粉末が少なくなるので収率が高くなる。
窒化ガスには、窒素、またはアンモニアを用いることが好ましい。特に、アンモニアは希土類−鉄合金粉末を窒化しやすく、短時間で窒化できるため好ましい。本発明では、窒化ガスが少なくともアンモニアと水素とを含有していることが好ましく、反応をコントロールするためにアルゴン、窒素、ヘリウムなどを混合することができる。アンモニア−水素混合ガスを用いるとアンモニアだけで窒化した場合と比較し、アンモニア分圧が下がり、表面付近が過窒化になり難く粉末内部まで均一に窒化できる。窒化ガスの量は、磁石粉末中の窒素量が3.0〜3.6質量%となるに十分な量であることが好ましい。
全気流圧力に対するアンモニアの比(アンモニア分圧)は、0.1〜0.7、好ましくは0.2〜0.6となるようにする。アンモニア分圧がこの範囲であると、母合金の窒化が進み、十分に磁石粉末の飽和磁化と保磁力を向上できる。
窒化反応を行う反応装置は、特に限定されず、横型、縦型の管状炉、回転式反応炉、密閉式反応炉などが挙げられる。何れの装置においても、本発明の希土類−鉄−窒素磁石粉末を調製することが可能であるが、特に窒素組成分布の揃った粉体を得るためにはキルンのような回転式反応炉を用いるのが好ましい。
窒化処理は、該希土類−遷移金属母合金粉末を含窒素雰囲気中で、例えば、200〜700℃に加熱する。加熱温度は、300〜600℃が好ましく、さらに好ましくは350〜550℃とする。200℃未満では十分に母合金の窒化速度が遅く、700℃を超える温度では希土類の窒化物と鉄とに分解してしまうので好ましくない。加熱時間は処理量に応じて適宜選択すればよいが、例えば1〜10時間とする。
窒化を効率よく行うためには、通常80μm程度以下の希土類−遷移金属母合金粉末を用いることが好ましい。粒子の大きさは特に制限されないが、凝集・融着部を実質的に含まない平均粒径3〜20μmの粉末であればさらに好ましい。このため、希土類−遷移金属母合金粉末の凝集・融着部をなくすために、必要により解砕しておくことができ、粒径の大きな希土類−遷移金属系合金粉末をさらに微粉砕(解砕を含む)して製造してもよい。粒径が1μmよりも細かいと発火や表面酸化し易く取り扱いが難しくなる。また、粒径が80μmよりも粗いと粒子表面から内部まで均一に窒化し難く、磁気特性が低くなってしまう。
その後、窒化処理した希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を純水中に投じ、水素イオン濃度pHが11以下となるまで、攪拌とデカンテーションとを繰り返す。その後、pHが約6となるまで水中に酢酸を添加し、この状態で攪拌を行う。その後、得られた希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末をアルコ−ル置換し、次に乾燥することで、所望の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が製造される。
ここで、前記の通り水素吸蔵工程後の窒化処理工程と水中デカンテーション工程との順番を逆にしてもよい。
(2)磁石粉末の粉砕
得られた希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、必要に応じて媒体攪拌ミルの粉砕機に入れ、有機溶媒中で粉砕媒体によって粉砕する。磁石粉末を、その平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下(10μm以下の粒度の割合が50%以上)、1μm以下の粒度の割合が10%未満となるように粉砕することで、優れた磁気特性を有する磁石微粉末を製造することができる。このとき、10μmを越える粒度の割合が49%以下となるように粉砕することが好ましい。
本発明で磁石粉末の粉砕機は、その種類によって特に限定されるわけではないが、中でも、粉末の組成や粒子径を均一にしやすい点で媒体攪拌ミルによる粉砕方法が好適である。
媒体攪拌ミルは、有機溶媒と磁石粉末を混合して形成されたスラリーを微粉砕するものであり、例えば、ボール、ビーズ等の粉砕媒体を充填したミルを、攪拌棒、回転ディスク等によって強制的に攪拌することにより、粉砕を行う装置が挙げられる。
有機溶媒を装置内に入れておき、これに磁石粗粉末を加えてから装置を回転させてもよいし、予め有機溶媒と磁石粉末を混合機によりプレミキシングしてスラリーを形成しておき、これをポンプにより媒体攪拌ミルに送って粉砕処理してもよい。
有機溶媒は、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、メタノール、ヘキサン等のいずれかを使用できるが、特にイソプロピルアルコールを用いた場合、好ましい磁石微粉末を得ることができる。
この媒体攪拌ミル内では、有機溶媒によって磁石粉末とボールがスラリー状態となって攪拌による攪拌作用を受ける。そして、磁石粉末同士あるいはボールとの摩擦により、磁石粉末は粉砕される。
このとき有機溶媒には、表面安定化剤として燐酸やその化合物を添加することができる。燐酸などを添加することで、磁石粉末が粉砕されるとともにその表面には燐酸塩の被膜が形成される。燐酸の添加量は、長時間大気に晒しても安定で磁気特性に優れた磁石が得られるように、磁石微粉末への被膜が平均1〜20nm程度となる量が好ましく、微粉末中の元素換算でのP含有量は0.2質量%以上1質量%以下とする。
所望とする粉末粒度や処理量に応じて、媒体攪拌ミル1台で循環処理したり、あるいは複数台を設置して連続処理を行うこともできる。媒体攪拌ミルを複数設置する場合、ミルの型式や運転条件(メディア径、主軸回転数、吐出量等)を変化させてもよい。
一方、媒体攪拌ミルの一種であるビーズミルは、本発明で使用する小さな粒径の磁石粉末の粉砕に適したミルであり、バッチ法または連続法で操作される典型的なビーズミルであれば特に限定されず、垂直流動もしくは水平流動を支持するように設計された任意の装置を採用することができる。
ビーズミルは、典型的には、シリカサンド、ガラスビーズ、セラミックス粉砕媒体または鋼球を粉砕媒体として使用する粉砕機である。微粉砕された磁石粉末からの粉砕媒体の分離は、粉砕媒体と磁石粉末との間に存在する沈降速度、粒子の大きさ、もしくは両パラメータ間の差に基づいて行うことができる。ビーズミルの中には、他の媒体攪拌ミルと同様に有機溶媒を供給する。セラミックス粉砕媒体には、ジルコニア、窒化珪素、アルミナなどが例示される。
上記粒度の磁石粉末を得るためには、希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末を、媒体攪拌ミルの粉砕機の中に、金属ボールあるいはセラミックスボールなどの粉砕媒体とともに入れて粉砕すればよいが、その際、粉砕媒体のボール径を1mmを超え5mm以下として粉砕する。粉砕媒体のボール径が1mm以下だと、粉砕能力が落ちたり、ハンドリングの問題があり、5mmを越えると所望とする粒径まで粉砕できない。
また、ボール充填率は、粉砕機の種類や粉砕能力などによっても異なるが容積の40〜70%とすることが好ましい。
(3)乾燥
粉砕された磁石粉末を含むスラリーは、引き続き、有機溶媒から磁石粉末を分離し乾燥する。乾燥条件は、特に制限されるわけではないが、磁石粉末を乾燥機に入れ、真空中あるいは不活性ガス雰囲気下、130℃以上160℃以下で、30〜480分間加熱するのが好ましい。
本発明の方法により、平均粒径が4μmを超え10μm以下(10μm以下の粒度の割合が50%以上)、かつ1μm以下の粒度の割合が10%未満で、保磁力iHcが高く、表面安定性に優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造することが可能となる。
すなわち、保磁力が880kA/m以上であり1000kA/m以上も可能という優れた磁性特性を有し、かつ大気に暴露しても安定で発火しない希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造することができる。
希土類−遷移金属−窒素系磁石には、フェライト、アルニコなど、通常ボンド磁石の原料となる各種の磁石粉末を混合してもよく、異方性磁石粉末だけでなく、等方性磁石粉末も対象となるが、異方性磁場(HA)が3979kA/m(50kOe)以上の磁石粉末が好ましい。
また、これら処理を施した磁石粉末に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム組成物などを配合して射出成形、押出し成形などを行えば、樹脂結合型磁石すなわちボンド磁石を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)磁石微粉末の磁気特性
日本ボンド磁石工業協会、ボンド磁石試験方法ガイドブック、BM−2002、BM−2005に準じて、得られた磁石粉末の磁気特性を測定した。
(2)平均粒径(D50)、1μm以下の粒度の割合、10μm以下の粒度の割合
いずれも、HELOS粒度分布測定装置(SYMPATEC GmbH社製、商品名:レーザ−回折式粒度分布測定装置HELOS&RODOS)を用いて、被測定粉末に3.0×10Paの圧力の窒素を噴射させて、凝集した磁石粉末を解凝して測定した。
(実施例1)
磁石原料粉末として、平均粒径(D50)4μmの鉄粉末(Fe純度98%)1050.2gと、平均粒径(D50)3μmの酸化サマリウム粉末(Sm純度99.5%)424.8g、および平均粒径(D50)36nmの酸化チタン粉末(TiO純度99.9%以上)23.6gをヘンシェルミキサ−で混合した。得られた混合粉末から960gを分取し、そこに粒状金属カルシウム(Ca純度99%)163.5g添加してロッキングミキサ−を用いて10分混合した。
得られた混合物を円筒形のステンレス容器に入れ、アルゴンガス雰囲気下、970℃で5時間加熱処理を施し、Ti含有SmFe合金を含む還元拡散生成物をえた。この還元拡散生成物を室温まで冷却した後、アルゴンガスを排出しながら水素ガスを供給し、ガス圧力約0.01MPaとして水素を吸蔵させた。これにより、還元拡散生成物が崩壊し、粒度が1mm以下になった。該Ti含有SmFe合金粉末の断面観察を行った結果、図1に示すように、未反応鉄は観察されなかった。
次に、水素を吸蔵した還元拡散生成物をアンモニア分圧が0.2のアンモニア−水素混合ガス雰囲気下で昇温し、445℃で150分保持し、その後、同温度で水素ガスに切り替えて60分保持し、さらに窒素ガスに切り替えて60分保持し還元拡散生成物中の合金を窒化後、冷却し磁石粉末を得た。
次に、窒化処理した磁石粉末を純水中に投じたところ、崩壊してスラリ−が得られた。水素イオン濃度pHが12以下となるまで、攪拌とデカンテーションとを繰り返し行った後、pHが約6となるまで水中に酢酸を添加し、この状態で15分間攪拌を行った。その後、脱酢酸洗浄として純水中で洗浄を行い、真空乾燥機を用い50℃で5時間保持して乾燥して磁石粉末aを得た。この磁石粉末aは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末a中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%、Tiは0.7質量%(残部FeおよびCa、以下同じ。)であった。
得られた磁石微粉末aに分散力を作用させて、HELOS Particle Size Analysisで平均粒径(D50)と1μm以下の粒度、10μm以下の粒度の割合を測定するとともに、保磁力iHcを測定し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、得られた磁石粉末a15gをイソプロピルアルコ−ル100mlとともに、3/16インチ(4.76mm)のSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)を300g充填した振動式ボ−ルミルに入れて10分粉砕を行った。その後、濾過して真空乾燥機で50℃で5時間保持して乾燥した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末bを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末bは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末b中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%、Tiは0.7質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、酸化チタン粉末に替えて平均粒径(D50)31nm、純度99.9%以上の酸化アルミニウム粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして磁石粉末cを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末cは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末c中のSmは23.2質量%、Nは3.4質量%、Alは0.6質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、酸化チタン粉末に替えて平均粒径(D50)5nm、純度99.9%以上の酸化ジルコニウム粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして磁石粉末dを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末dは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末d中のSmは23.2質量%、Nは3.3質量%、Zrは0.8質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、酸化チタン粉末47.2gとした以外は、実施例1と同様にして磁石粉末eを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末eは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末e中のSmは23.2質量%、Nは3.3質量%、Tiは1.3質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、酸化チタン粉末11.8gとした以外は、実施例1と同様にして磁石粉末fを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末fは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末f中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%、Tiは0.4質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、平均粒径(D50)4μmの鉄粉末に替えて8μmの鉄粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして磁石粉末gを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末gは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末g中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%、Tiは0.7質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、平均粒径(D50)4μmの鉄粉末に替えて6μmの鉄粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして磁石粉末hを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末hは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末h中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%、Tiは0.7質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例2において、さらに85%燐酸0.22g添加して振動式ボ−ルミルで10分間粉砕した後、濾過して真空乾燥機で50℃で5時間保持して乾燥した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末iを得た。この磁石粉末iは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末i中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%、Tiは0.7質量%、Pは0.4質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末iにはPが含まれるので、長時間大気に晒しても磁気特性が低下しなかった。
(実施例10)
実施例1において、酸化チタン粉末129.8gおよび粒状金属カルシウム248.3gと増量した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末jを得た。この磁石粉末jは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末j中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%、Tiは5.0質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、酸化チタンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして磁石粉末kを得た。この磁石粉末kは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末k中のSmは23.2質量%、Nは3.2質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、アルゴンガス雰囲気下、1180℃で5時間加熱処理し、窒化条件を465℃、200分とした以外は、実施例1と同様にして磁石粉末lを得た。この磁石粉末lは大気に晒しても安定であり、またこの磁石微粉末l中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%、Tiは0.7質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、粒状金属カルシウム109.8gとした以外は、実施例1と同様にして還元拡散反応を行い、SmFe合金粉末を得た。該合金粉末の断面観察を行った結果、図2に示すように、粒子の中心部に多数の未反応鉄が観察されたため、窒化処理を行わなかった。
(比較例4)
平均粒径(D50)4μmの鉄粉末に替えて、平均粒径(D50)14μmの鉄粉末を用いた以外は実施例1と同様にして磁石粉末mを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。この磁石粉末mは大気に晒しても安定であり、また磁石粉末m中のSmは23.2質量%、Nは3.5質量%、Tiは0.7質量%であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、アルゴンガス雰囲気下、750℃で5時間加熱処理した以外は、実施例1と同様にして還元拡散反応を行い、SmFe合金粉末を得た。該合金粉末の断面観察を行った結果、図3に示すように、粒子の中心部に多数の未反応鉄が観察されたため、窒化処理を行わなかった。
(比較例6)
実施例2において、振動式ボ−ルミルでの粉砕時間を、平均粒径(D50)が2μm未満となる6時間とした以外は、実施例1と同様にして磁石粉末nを得たが、大気に晒した瞬間に部分的に発火したため、他の評価は行わなかったが、粒度1μm以下の割合は20%と推測される。
(比較例7)
比較例6に対して粉砕時間をやや短くして、平均粒径(D50)が3.2μmの磁石粉末oをえた。保磁力が実施例2より低下して保磁力iHcが740kA/m以下となった。
Figure 2015098623
Figure 2015098623
「評価」
以上の結果から、実施例1〜10は、平均粒径(D50)や1μm以下の粒度の割合が本発明の範囲内であるために、保磁力が高く、表面安定性に優れた磁石粉末が得られている。
これに対して、比較例1、2および4は、平均粒径(D50)や10μm以下の粒度の割合が本発明から外れているために、保磁力が低いことが分かる。また、比較例3は金属Ca不足で多数の未反応鉄が観察され、比較例5は還元拡散温度が低過ぎて多数の未反応鉄が観察されたことから、窒化処理するに至らなかった。さらに、比較例6は、平均粒径(D50)が本発明の下限から外れて表面安定性に劣った。また、比較例7も平均粒径(D50)が本発明の下限から外れため、表面酸化の影響で保磁力が劣った。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、保磁力が高く、表面安定性に優れているので民生用あるいは産業用の各種機器に組み込まれるボンド磁石の原料として使用できる。

Claims (10)

  1. 還元拡散法で製造される希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末であって、希土類−鉄合金の外周部にTi、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含み、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下で、1μm以下の粒度の割合が10%未満であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  2. 磁石粉末は、その表面に元素換算でのP含有量が0.2質量%以上1質量%以下の燐酸塩被膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  3. 磁石粉末は、希土類元素が23.0質量%以上25.0質量%以下、Nが3.0質量%以上3.6質量%以下、Ti、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素が0.1質量%以上3質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  4. 磁石粉末は、10μmを超える粒度の割合が49%以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  5. 保磁力iHcが880kA/m以上の磁気特性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  6. 原料粉末である平均粒径(D50)が10μm以下の鉄粉末および希土類元素の酸化物粉末と、前記原料粉末混合物中の酸化物を還元するに必要な化学量論量の1.1倍量以上のアルカリ土類金属を混合した後、800〜1150℃で加熱する還元拡散法による希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法であって、
    前記原料粉末として、さらに平均粒径(D50)が鉄粉末と希土類元素の酸化物粉末よりも小さいTi、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物粉末を混合して、希土類−鉄合金の粒成長が抑制された還元拡散生成物を得るようにし、その後、該還元拡散生成物を窒化し、平均粒径(D50)が4μmを超え10μm以下の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  7. 前記Ti、Zr、Alから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物粉末の平均粒径が1〜300nmであることを特徴とする請求項6に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  8. 前記窒化の前に、還元拡散生成物に水素を吸蔵させることを特徴とする請求項6に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  9. 前記希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を、さらに有機媒体およびボ−ル径が1mmを超え5mm以下の粉砕媒体と共に粉砕機の媒体攪拌ミルに入れて回転させて粉砕することを特徴とする請求項6に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  10. 前記粉砕の際に、有機媒体に燐酸を添加することを特徴とする請求項6に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
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