JP2006269637A - 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、その製造方法及びそれを用いたボンド磁石用組成物、並びにボンド磁石 - Google Patents

希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、その製造方法及びそれを用いたボンド磁石用組成物、並びにボンド磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】組成ずれが無く、優れた磁気特性を示す希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を還元拡散法によって安定的に生産できる製造方法および、それを用いたボンド磁石用組成物、並びに各種機器を小型化、高特性化しうるボンド磁石を提供する。
【解決手段】還元拡散法により、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造する方法において、希土類元素量が5原子%以上である原料希土類−遷移金属合金粉末(A)を用意し、これに希土類酸化物粉末(B)、及び該希土類酸化物(B)を還元するための還元剤を混合する工程、引き続き、この混合物を非酸化性雰囲気中で加熱焼成して希土類−遷移金属系母合金からなる還元拡散反応生成物とする工程、次いで、得られた還元拡散反応生成物を窒素含有雰囲気中で加熱処理して、窒化する工程を含むことを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法などにより提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、その製造方法及びそれを用いたボンド磁石用組成物、並びにボンド磁石に関し、より詳しくは、組成ずれが無く、優れた磁気特性を示す希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を還元拡散法によって安定的に生産できる製造方法および、それを用いたボンド磁石用組成物、並びに各種機器を小型化、高特性化しうるボンド磁石に関する。
近年、携帯電話に代表される情報通信機器をはじめ、家電、音響機器、自動車用各種機器などさまざまな機器において小型化や高性能化が要求されている。そして、このような機器に必要不可欠な永久磁石も小型化、高特性化が望まれている。しかし、従来から使われているフェライト磁石は、価格は安いものの最大エネルギー積(BH)maxが数MGOeと低く、高特性化の要求には応えきれない。このため、フェライトなどの低特性磁石に比較し、数10倍の磁気特性を有する希土類磁石の需要が伸びており、1993年にはフェライト磁石を抜いて使用量が最も多い磁石となっている。
このうちNd−Fe−B系焼結磁石は、55MGOeを超える最大エネルギー積(BH)maxを有し、希土類磁石の中でも最も需要が高い磁石の一つである。さらに、理論上、磁石粉末の磁気特性ではNd−Fe−B系磁石に並ぶ磁石として、菱面体晶系、六方晶系、正方晶系、又は単斜晶系の結晶構造を有する金属間化合物に窒素を導入した希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が、特に永久磁石材料として優れた磁気特性を有することから注目されている。
例えば、Fe−R−N(R:Y、Th、及び全てのランタノイド元素からなる群の中から選ばれた1種または2種以上)で表される永久磁石(特許文献1参照)、また、六方晶系あるいは菱面体晶系の結晶構造を有するR−Fe−N−H(R:イットリウムを含む希土類元素のうちの少なくとも1種)で表される磁気異方性材料が知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、菱面体晶系、六方晶系、又は正方晶系の結晶構造を有するThZn17型、TbCu型、又はThMn12型金属間化合物に窒素等を含有させた希土類磁石材料が知られ、これらの磁石材料の磁気特性等を改善するために、種々の添加物を用いることも検討されている。
例えば、六方晶系あるいは菱面体晶系の結晶構造を有するR−Fe−N−H−M(R:Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種;M:Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Pd、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Pb、Biの元素、及びこれらの元素並びにRの酸化物、フッ化物、炭化物、窒化物、水素化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、塩化物、硝酸塩のうち少なくとも1種)で表される磁石粉末が知られている(特許文献3参照)。
また、六方晶系あるいは菱面体晶系の結晶構造を有するR−Fe−N−H−O−M(R:Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種;M:Mg、Ti、Zr、Cu、Zn、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Biの元素、及びこれらの元素並びにRの酸化物、フッ化物、炭化物、窒化物、水素化物のうち少なくとも1種)で表される磁性材料が知られている(特許文献4参照)。
これらの希土類−遷移金属−窒素系磁性材料の多くは、保磁力発生機構がニュークリエーションタイプであるため、平均粒径1〜10μmの微細な粉末として使用される。この理由は平均粒径が10μmを超えると、必要な保磁力が得られなかったり、ボンド磁石にしたとき該磁石の表面が粗くなって磁石粉末の脱落が起こりやすくなってしまうためである。ただし、平均粒径が1μm未満では、磁石粉末の酸化による発熱やそれに伴う発火、さらにThZn17型結晶構造を有する主相の分解による磁気特性の低下が起こるため好ましくないとされている。
このような希土類−遷移金属−窒素系磁性材料は、数〜数10μmを超える平均粒径を有する希土類−遷移金属系の母合金粉末を製造した後、窒素原子を導入するため、窒素やアンモニア、又はこれらと水素との混合ガス雰囲気中で200〜700℃に加熱する窒化処理を行い、次いで、上記所定の粒度に微粉化して製造される。
そして、上記希土類−遷移金属−窒素系磁性材料の原料として用いられる希土類−遷移金属系母合金粉末は、溶解鋳造法、液体急冷法、還元拡散法等により製造される。このうち溶解鋳造法では、希土類金属、遷移金属、必要に応じてその他の金属を所定の比率で調合して不活性ガス雰囲気中で高周波溶解し、得られた合金インゴットを均一化熱処理した後、ジョークラッシャー等で所定の粒度に粉砕して製造される(例えば、特許文献5参照)。また、液体急冷法では、上記合金インゴットから合金薄帯を作製、これを粉砕して製造される(例えば、特許文献6参照)。また、還元拡散法では、希土類酸化物粉末、還元剤、遷移金属粉、必要に応じてその他の金属粉及び/又は金属酸化物を出発原料として製造され、これによりRリッチ相の少ないRFe14B相に近い組成で合金粉末を作製している(特許文献7参照)。
しかし、上記方法では、母合金組成のばらつきがないものを製造することは難しい。というのは、溶解鋳造法では、溶かした合金が固まる際、温度分布ができ組成ずれを起こしてしまい、また溶解鋳造法、液体急冷法では、原料として使用する希土類金属が高価であるため経済的ではなく、一方、還元拡散法では、原料として用いる希土類元素の原料、遷移金属の原料を混合するとき、希土類元素、遷移金属の割合が場所によりずれていたり、炉内の温度分布が不均一であるなどの理由により、還元拡散時に均一な拡散を行うことは難しく、多かれ少なかれ未拡散状態の合金粉ができてしまうためである。この結果、組成がずれたり、希土類元素が未拡散な状態の母合金を窒化処理した磁石粉末は、主相以外の合金相を含んでおり、磁気特性は低くなってしまうというのが実状であった。
また、還元拡散法では、工程が長く複雑であるため安定した特性の合金粉を製造することはかなり難しい。さらに還元拡散反応生成物(以下、還元物と記すことがある)中の希土類−遷移金属系母合金粉末には凝集・融着部が多く存在し、窒化処理後も合金粉末同士が強く凝集・融着しているため、該希土類−遷移金属−窒素系磁性合金粉末を磁界中で配向させた際の配向性(粉末配向度)が劣り、磁化が低くなってしまうなどの問題がある。
本出願人は、平均粒径を10μm以下にする必要がないピニングタイプ磁石において、配向性を上げる手段として、ジェットミル等の粉砕装置を用いて該希土類−遷移金属−窒素系磁性合金粉末の凝集・融着部を解砕することを提案した(特許文献8参照)。この方法によれば、高飽和磁化の磁粉が得られるものの、解砕工程で合金内部に生じる結晶の歪みのために保磁力が低下するという新たな問題が発生するために、磁気特性の向上も十分とはいえなかった。
このような状況下、ニュークリエーションタイプ磁石、ピニングタイプ磁石のいずれにおいても、組成ずれが無く優れた磁気特性を示す希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を安定的に生産し得る方法が強く求められている。
特開昭60−131949号公報 特開平2−57663号公報 特開平6−279915号公報 特開平3−153852号公報 特開平5−258928号公報 特開平5−13207号公報 特開平5−105915号公報 特開2004−269914号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、組成ずれが無く、優れた磁気特性を示す希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を還元拡散法によって安定的に生産できる製造方法および、それを用いたボンド磁石用組成物、並びに各種機器を小型化、高特性化しうるボンド磁石を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ね、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の高特性化を実現するためには、希土類−遷移金属母合金を製造する際に、希土類元素が未拡散または拡散不足にある粉末を減少させることが重要であり、出発原料として希土類元素がある程度拡散した希土類−遷移金属合金を用い、希土類酸化物及びこれを還元するに足る還元剤を混合し還元拡散を行うことで、希土類−遷移金属母合金内部の組成がより均一化され、磁気特性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、還元拡散法により、下記の一般式(1)又は(2)で表される希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造する方法において、希土類元素量が5原子%以上である原料希土類−遷移金属合金粉末(A)を用意し、これに希土類酸化物粉末(B)、及び該希土類酸化物(B)を還元するための還元剤を混合する工程、引き続き、この混合物を非酸化性雰囲気中で加熱焼成して希土類−遷移金属系母合金からなる還元拡散反応生成物とする工程、次いで、得られた還元拡散反応生成物を窒素含有雰囲気中で加熱処理して、窒化する工程を含むことを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
Fe(100−a−b) …(1)
(式(1)中、Rは1種または2種以上の希土類元素であり、また、a、bは原子%で、4≦a≦18、10≦b≦17を満たす。)
Fe(100−x−y−z) …(2)
(式(2)中、Rは1種または2種以上の希土類元素、MはCu、Mn、Co、Cr、Ti、NiおよびZrからなる群から選択される1種または2種以上の遷移金属元素を示し、また、x、y、zは原子%で、4≦x≦18、0.3≦y≦23、15≦z≦25を満たす。)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、原料希土類−遷移金属合金粉末(A)の希土類元素量が、5原子%以上13原子%以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、希土類酸化物粉末(B)の希土類元素量が、混合物中の全希土類元素量に対して5%以上65%以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、得られた窒化物を、さらに微粉砕又は解砕することを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、一般式(1)において、RがSm又はNdから選ばれる1種以上であり、しかもα−Feの含有量が、1.5%以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、一般式(2)において、Rが希土類元素から選ばれる1種以上であり、MがMn及び/又はCuを必須元素として含み、yが、1≦y≦10であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
一方、本発明の第7の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明に係る製造方法によって得られる希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第5の発明に記載の製造方法によって得られ、平均粒径が10μm以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第6の発明に記載の製造方法によって得られ、平均粒径が50μm以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
さらに、本発明の第10の発明によれば、第7〜9の発明において、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれかを樹脂バインダーとして配合したことを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系ボンド磁石用組成物が提供される。
一方、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、ボンド磁石用組成物を圧縮成形又は射出成形してなる希土類−遷移金属−窒素系ボンド磁石が提供される。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法によれば、組成が粉末内部まで均一な希土類−遷移金属系母合金を出発原料として、これに希土類酸化物と還元剤を混合して還元拡散するので、希土類元素が未拡散または拡散不足の合金粉を低減でき、組成ずれが少なく組成の均一な、高い磁気特性を有する希土類−遷移金属−窒素系磁石材料を得ることができる。さらに、これに樹脂バインダーを配合したボンド磁石用組成物は、前記の高い磁気特性を有する希土類−遷移金属―窒素系磁石粉末を用いるので、電子機器などの小型化、高性能化に応え得る希土類−遷移金属−窒素系ボンド磁石を得ることができ、工業的価値は極めて大きい。
次に、本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、その製造方法、これを用いたボンド磁石用組成物、およびボンド磁石について、以下に詳細に説明する。
1.希土類−遷移金属−窒素系合金粉末
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、希土類元素、FeやM元素等の遷移金属元素、及び窒素から構成されている。本発明の磁石粉末には、組成面で前者はM元素を実質的に含有しないニュークリエーションタイプ磁石と、特定量のM元素を含有するピニングタイプ磁石とが包含される。
すなわち、本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、次の一般式(1)又は(2)で表される希土類−遷移金属−窒素系合金からなる磁石粉末であり、前者がニュークリエーションタイプ磁石、後者がピニングタイプ磁石に相当する。
Fe(100−a−b) …(1)
(式(1)中、Rは1種または2種以上の希土類元素であり、また、a、bは原子%で、4≦a≦18、10≦b≦17を満たす。)
Fe(100−x−y−z) …(2)
(式(2)中、Rは1種または2種以上の希土類元素、MはCu、Mn、Co、Cr、Ti、NiおよびZrからなる群から選択される1種または2種以上の遷移金属元素を示し、また、x、y、zは原子%で、4≦x≦18、0.3≦y≦23、15≦z≦25を満たす。)
(希土類元素)
本発明において、希土類−遷移金属−窒素系合金粉末を構成する主要成分の希土類元素(R)は、磁気異方性を発現させ、保磁力を発生させる上で本質的な役割を果たす元素である。
希土類元素としては、Yを含むランタノイド元素のいずれか1種または2種以上であり、例えば、Y、La、Ce、Pr、Nd、およびSmの群から選ばれる少なくとも1種以上の元素が挙げられる。これらの中でも、Sm及び/又はNdが好ましい。また、これらとEu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbの群から選ばれる少なくとも1種の元素とを組み合わせれば、磁気特性を高めることができる。
希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の希土類元素は、4原子%以上18原子%以下であることが必要である。4原子%よりも少なければ、合金中に軟磁性相であるα−Feが多く存在するようになり高い保磁力が得にくくなり、18原子%を超えると主相となる合金相の体積が減少してしまい飽和磁化が低下するため好ましくない。
希土類元素の中では、特に、Smが好ましく、Smが希土類元素の50原子%以上含むと高い保磁力を持つ材料が得られる。ここで用いる希土類元素は、工業的生産により入手可能な純度でよく、製造上、混入が避けられない元素、例えば、O、H、C、Al、Si、F、Na、Mg、Ca、Liなどが含まれていても差し支えない。
(遷移金属元素)
本発明の希土類−遷移金属−窒素系合金粉末を構成する主要な遷移金属元素としては、鉄(Fe)、及び元素Mが挙げられる。Feは、希土類−遷移金属−窒素系合金粉末の必須成分であるが、磁気特性を損なうことなく温度特性や耐食性を改善する目的で、その一部をCoまたはNiの1種以上で置換してもよい。このように、Fe単独、またはFeの一部をCoまたはNiの1種以上で置換した合金をまとめて以下、Fe成分と称する。
Fe成分は、強磁性を担う基本元素であり、希土類−遷移金属−窒素系合金粉末としたとき、34原子%以上81原子%以下含有する必要がある。Fe成分が、34原子%より少ないと磁化が低くなり好ましくない。81原子%を超えると希土類元素の割合が少なくなり過ぎ、高い保磁力が得られず好ましくない。Fe成分の組成範囲が55〜80原子%であれば、保磁力と磁化のバランスのとれた材料となり特に好ましい。
(M元素)
M元素は、本発明の希土類−遷移金属−窒素系合金粉末をピニングタイプの磁石粉末とする場合に添加され、粗い合金粉末でありながら高い保磁力を出すために必要とされる遷移金属元素である。M元素としては、Mn、Cu、Co、Cr、Ti、Ni、Zr、Hfの少なくとも1種以上の元素が含有されることが必要である。このうち、Mn、又はCuが好ましく、特にMnが含まれることが好ましい。
ピニング型の磁石では、M元素が存在する希土類−遷移金属系合金を窒化し、過剰な窒素により粉末中にひび状のアモルファスを生成させ、微結晶部の磁気的な結合を切らなければならない。この際、希土類−遷移金属−窒素系合金粉末のM元素の含有量は、磁石粉末としたとき、0.3〜23原子%であることが好ましい。M元素が0.3原子%より少ないと、結晶部分を残さずに大部分が非磁性と考えられるアモルファスになってしまい磁気特性が低くなってしまう。23原子%より多いと主相の割合が少なくなりすぎ、磁化が低くなってしまう。
一方、ニュークリエーションタイプの磁石の場合は、粉末内部で主相の磁気的な結合を切る必要性がないためM元素を添加しなくてもよい。例えば、SmFe17磁石粉末を例にとった場合、強磁性相はSmFe17であり、これにM元素が入ってしまうとSmFe17以外の相ができることになり磁気特性を下げてしまうことになる。
(窒素)
窒素は、本発明において希土類−遷移金属系母合金を窒化して、磁石化するために必要な元素であり、ニュークリエーションタイプの磁石なら10〜17原子%、ピニングタイプの磁石なら15〜25原子%含有する必要がある。
ニュークリエーション磁石の場合、窒素が10原子%未満では9eサイトに窒素が埋まりきらず高い磁気特性が得られず、窒素が17原子%より多く入ってしまうと結晶構造が壊れ磁気特性が下がってしまう。ピニングタイプの磁石の場合、窒素が15原子%未満ではアモルファス相が少なすぎ微結晶構造にならず保磁力が高まらず、25原子%を超えてしまうと非磁性と考えられるアモルファス相が多くなり磁化が下がってしまう。
2.希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法は、(1)希土類元素量が5原子%以上である原料希土類−遷移金属合金粉末を用意し、これに希土類酸化物粉末、及び該希土類酸化物を還元するための還元剤を混合し、(2)引き続き、この混合物を非酸化性雰囲気中で加熱焼成して希土類−遷移金属系母合金を含む還元拡散反応生成物とし、(3)次いで、該還元拡散反応生成物を窒素含有雰囲気中で加熱処理して、希土類−遷移金属系母合金の窒化物とする工程を含んでいる。本発明では、(4)得られた窒化物を必要により微粉砕又は解砕して所定の粒径を有する希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造する工程を含むことができる。
(1)希土類−遷移金属母合金粉末の製造
本発明では、まず、希土類元素量を特定量含む原料希土類−遷移金属合金粉末(A)を用意し、これに希土類酸化物粉末(B)、及び該希土類酸化物を還元するための還元剤を混合した後、非酸化性雰囲気中で加熱焼成して、希土類−遷移金属系母合金を含む還元拡散反応生成物とする。
(A)原料希土類−遷移金属合金粉末
本発明において原料希土類−遷移金属合金粉末は、組成ずれのない希土類−遷移金属母合金を得るために、希土類酸化物、還元剤とともに用いられる原料合金粉末である。この希土類−遷移金属合金粉末は、希土類元素量が5原子%以上であれば、製造方法によって特に限定されない。例えば、原料希土類−遷移金属合金粉末は、溶解鋳造法、液体急冷法、もしくは還元拡散法で製造できる。
溶解鋳造法では、特定量の希土類元素、遷移金属、その他の添加金属を所定の比率で調合して、不活性ガス雰囲気中で高周波溶解し、得られた合金インゴットを均一化熱処理した後、ジョークラッシャー等で所定の粒度に粉砕して製造される。また、液体急冷法では、上記合金インゴットから液体急冷法を用いて合金薄帯を作製し、これを粉砕して磁性粉末を製造する。
還元拡散法では、特定量の希土類酸化物粉末、遷移金属粉(鉄粉)、その他の添加金属粉及び/又は金属酸化物、還元剤を出発原料として用いて、下記に詳述すると同様な条件で加熱焼成して製造する。原料として用いる遷移金属の粒度分布は、目標製品の粒度に近い分布のものを用いることが好ましい。
原料希土類−遷移金属合金粉末の希土類元素量は、5原子%以上でなければならず、特に5〜13原子%にすることが好ましい。5原子%より少ないと希土類元素量が少なすぎて遷移金属粉への希土類元素の拡散状態が不十分となり、出来上がった希土類−遷移金属系母合金粉末における希土類元素の粉末内分布が大きく、また、粉末間でも希土類元素量に差ができ、組成が均一で高い磁気特性の合金粉末は得られない。希土類元素量が13原子%を超えると希土類元素が過剰になり過ぎ、経済性の面で好ましくないばかりか、高い飽和磁化を得ることができなくなってしまう。
次に、このようにして得られた原料希土類−遷移金属合金粉末と、希土類酸化物、および該希土類酸化物を還元するに足る還元剤を混合し、還元拡散法によって、希土類−遷移金属系母合金粉末を製造する。
(B)希土類酸化物
本発明において希土類酸化物は、前記希土類元素、すなわち例えば、Y、La、Ce、Pr、Nd、およびSmの群から選ばれる少なくとも1種以上の元素の酸化物である。
その希土類元素量は、原料希土類−遷移金属合金粉末では不足する希土類元素を補える量であればよいが、混合物中の全希土類元素量に対して5%以上65%以下であることが望ましい。希土類酸化物として補充される希土類元素量が5%より少ないと、原料希土類−遷移金属合金粉末に均一に希土類元素を拡散させるには不十分であり、希土類酸化物として補充される希土類元素が65%より多いと、希土類元素が多すぎて、焼成炉内の混合物の温度分布が不均一になりやすかったり、混合物内の組成ばらつきが大きくなったりして、得られる希土類−遷移金属系母合金粉末の希土類元素量にばらつきが現れやすくなる。
(還元剤)
本発明において還元剤は、希土類酸化物を還元する機能を有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。例えばLi及び/又はCa、あるいはこれらの元素とNa、K、Mg、Sr又はBaから選ばれる少なくとも1種が使用できる。
これら還元剤は、その投入量と粉体性状、希土類酸化物の粉体性状、各種原料粉末の混合状態、還元拡散反応の温度と時間を注意深く制御して使用することが望ましい。なお、上記還元剤の中では、取り扱いの安全性とコストの点から、金属Li又はCaが好ましく、特にCaが好ましい。
還元剤の投入量は、希土類酸化物を還元するに足るように、反応当量よりも若干過剰とすることが好ましい。後述する窒化処理では、合金粉末中に十分な窒素原子を導入するのに、かなり長い時間を必要とする。アルカリ金属又はアルカリ土類金属を添加し、該合金粉末の内部に均一に存在させた状態とすれば、この合金粉末を、窒素ガスまたはアンモニアあるいは、アンモニア−水素混合ガス雰囲気中で、加熱させて窒化することにより、該合金粉末の窒化時間を短縮できるので好ましい。
上記各原料の混合方法は、特に限定されないが、Sブレンダー、Vブレンダー、各種ミキサー等を用いて行うことができる。例えば、各原料を所定の量、秤量し、Vブレンダーで1時間混合すれば良い。
上記混合物を反応容器に移す際には、希土類酸化物などは平均粒径が数μmと細かいため粉が飛散しやすい。飛散を防止するためにカバー等を取り付けることが好ましく、これにより合金粉に組成ずれを起こすことが抑制できる。その後、上記混合物を投入した反応容器を還元拡散炉に入れ、酸素が実質的に存在しない非酸化性雰囲気とする。
(還元拡散方法)
上記の原料希土類−遷移金属粉末、希土類酸化物粉末に必要によりM元素粉末を添加し、希土類酸化物を還元するために足る還元剤を配合し、この混合物を非酸化性雰囲気中において、上記還元剤が溶融状態になる温度まで昇温保持し加熱焼成する。
加熱温度は1000〜1250℃程度として処理することが好ましい。Caの融点が838℃、沸点が1480℃であるため、この温度範囲内であれば還元剤は溶解するが、蒸気にはならないで処理することができる。これにより、上記希土類酸化物が希土類元素に還元されるとともに、該希土類元素が原料希土類−遷移金属合金粉中に拡散され、希土類−遷移金属系母合金が合成される。
希土類−遷移金属系母合金を生成後は、反応容器内を室温まで冷却する。その後、希土類−遷移金属系母合金と還元剤酸化物、未反応還元剤等を含んだ還元拡散反応生成物(還元物)を水中に投入し、デカンテーションにより洗浄し、次いで酸洗、固液分離、乾燥を行い希土類−遷移金属合金粉末を製造する。
(水洗、デカンテーション、酸洗)
上記焼成で得られた希土類−遷移金属系母合金を含んだ還元物は、非常に硬いため粉砕が困難である。通常は、以下に記すように水中に投入し、還元物を崩壊させる工程を経て、希土類−遷移金属系母合金を分離していく。還元物の水中での崩壊性を改善するためには、水中投入前に、水素処理を行うことが望ましい。
水素処理では、上記希土類−遷移金属系母合金を含んだ還元物をステンレス製容器に入れ、該容器内にアルゴンガスを封入し、その後、水素に置換し、所定の時間水素ガスを流し続けることで還元物が粉状に崩壊が進む。
その後、得られた粉状還元物を、還元物1kgあたり約1リットルの水の割合で水中に投入し、1〜3時間攪拌し還元物を崩壊させ、スラリー化させる。その後、得られたスラリーを粗い篩を通し水洗槽に移入する。このときスラリー溶液のpHは11〜12程度であり、還元物はほとんど崩壊しており、篩上に残るロス分は非常に少なくなる。
この後、デカンテーションを5〜10回程度繰り返す。デカンテーション条件は、例えば、該スラリー溶液に注水し、攪拌1分、静置分離2分、排水することを1回とすることが好ましい。その後、スラリーのpHが5〜6になるように酢酸を添加し、酸洗を行うことで固液分離し、固相分を乾燥して希土類−遷移金属系母合金粉末を得る。還元剤として用いたCaは非磁性であり、希土類−遷移金属系母合金粉末の粒界や粒子表面に存在するCaは磁気特性を下げるので、できるだけ除去することが好ましい。
(2)窒化処理
希土類−遷移金属系母合金粉末を窒化処理するには、予め窒素ガス又はアンモニア、あるいはアンモニア−水素混合ガスのいずれかを含む含窒素雰囲気とした後、特定の温度で加熱を行う。
窒化処理は、該希土類−遷移金属系母合金粉末を含窒素雰囲気中で、例えば、200〜700℃、好ましくは300〜600℃、さらに好ましくは350〜550℃に加熱する方法が採られる。200℃未満では十分に母合金の窒化速度が遅く、700℃を超える温度では希土類の窒化物と鉄とに分解してしまうので好ましくない。
また、窒化反応を行う反応装置は、特に限定されず、横型、縦型の管状炉、回転式反応炉、密閉式反応炉などが挙げられる。何れの装置においても、本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を調製することが可能であるが、特に窒素組成分布の揃った粉体を得るためにはキルンのような回転式反応炉を用いるのが好ましい。
窒化を効率よく行うためには、通常100μm程度以下の希土類−遷移金属系母合金粉末粒子を用いることが好ましい。粒子の大きさは特に制限されないが、凝集・融着部を実質的に含まない平均粒径10〜100μmの粉末であればなお好ましい。このため、希土類−遷移金属系母合金粉末の凝集・融着部をなくすために、必要により解砕しておくことが好ましく、粒径の大きな希土類−遷移金属系合金粉末をさらに微粉化(解砕を含む)して製造してもよい。粒径が10μmよりも細かいと発火し易く取り扱いが難しくなる。また、粒径が100μmよりも粗いと粒子内を均一な窒化を行いずらくなり、磁気特性が低くなってしまう。
希土類−遷移金属系母合金粉末を粉砕、解砕する方法は、特に制限されず、例えば、湿式粉砕法ではボールミル粉砕や媒体攪拌型ミル粉砕等を、乾式粉砕法では不活性ガスによるジェットミル粉砕等を用いることができる。これらの中でも、粉末の凝集を少なくできるジェットミル粉砕が特に好ましい。
また、希土類−遷移金属系母合金粉末の凝集をさらに少なくするため、例えば、ジェットミル粉砕では、不活性ガス中に5vol%以下の酸素を導入することで微粉化することができる。また、ボールミル粉砕や媒体攪拌ミル粉砕等では、小径の粉砕ボール、あるいはステンレス鋼等ではなくジルコニア等の低比重のセラミックス粉砕ボールを用いることによって微粉化することができる。
(窒化処理前の熱処理)
なお、上記希土類−遷移金属系母合金粉末の粒径が粗大である場合に、粉砕処理して得られた合金粉末には、粉砕により生じた結晶の歪みが残留し、次の窒化工程においてα−Fe等の軟磁性相が発生する原因となる場合がある。α−Fe等の軟磁性相が発生すると保磁力や角型性が低下するため、磁気特性を向上させるためには、粉砕により得られた合金微粉末を、窒化処理に先立って、アルゴン、ヘリウム、真空等の非酸化性かつ非窒化性雰囲気中、600℃以下で熱処理し、結晶の歪みを除去しておくことが好ましい。
特に、窒化処理と同時に400〜600℃で熱処理を行うと処理コストを下げられるためメリットが大きい。窒化処理と同時の場合は、熱処理温度が400℃未満であると、残留する結晶の歪みを除去する効果が十分でなく、一方、600℃を超えると、合金が希土類元素の窒化物と鉄に分解するので好ましくない。
(水素アニール、アルゴンアニール)
上記窒化処理の終了後、水素アニール、アルゴンアニールをすることが好ましい。例えば、水素アニールを0.5〜2時間、アルゴンアニールを0.3〜1時間行い、アルゴンを流した状態で室温まで自然または強制冷却をすればよい。
水素アニールは、希土類−遷移金属−窒素系合金主相に過剰に入った窒素を抜きだす効果があり、また、アルゴンアニールは希土類−遷移金属−窒素系合金主相に過剰に入った水素を抜く効果がある。これにより該合金粉末の過剰な窒素、水素が抜け、理論上、最も磁気特性の高い組成に近づかせることができる。
なお、上記のように、アンモニア−水素混合ガス中で窒化した後の合金粉中には水素が高含有量で残留している場合があり、水素残留量が多いままでは磁気特性が低下するため、必要によって真空加熱を行うなどの方法で十分に水素除去しておく必要がある。
(解砕又は微粉砕)
ニュークリエーションタイプの磁石粉末を製造する場合は、上記の方法で得られた粗粉末では高い保磁力を得ることができないため、平均粒径が10μm以下、好ましくは5μm以下になるように微粉砕を行うことが必要になる。微粉砕を行う方法は特に限定されないが、例えば湿式粉砕機、乾式粉砕機、ジェットミル、アトライターなどが挙げられる。アトライターは適当な粉砕溶媒を選択することにより合金粉末を安価に微粉砕できるので好ましい装置といえる。この際、微粉末を乾燥する必要があるが、真空中で乾燥すれば短時間で効率的に乾燥できるので好ましい。
一方、ピニングタイプの磁石粉末を製造する場合においては、粗粉末の凝集が激しければ下記のように解砕を行うことが好ましい。これにより配向性が上がり磁化を高めることができる。
M元素を添加して作製した希土類−遷移金属系母合金粉末を用い、これに過剰に窒素を入れて希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造すると、粒子内部で部分的にアモルファス化し、その中に数〜数100nmの結晶が微細に混在した状態になる。粒子内部がこのような微結晶構造になると、アモルファス部は非磁性であるため、粒子内の各微結晶間の磁気的な結合が切られ、粗粉が粉砕されて微粉になった場合と同様の状態になり、高い保磁力が得られる。
さらに、得られた希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末における上記微結晶部は、飽和磁化の高いSmFe17に近い強磁性相となっているため、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、粗い合金粉末であっても高い飽和磁化、保磁力が得られることになる。このようなピニングタイプの磁石にあっては微粉砕を行わなくてもよい。ただし、還元拡散により粉末が焼結し二次粒子が多く存在する場合などには、上記粗粉を適宜解砕、または粉砕を行うことができる。
解砕された該合金粉末の平均粒径は、特に限定される訳ではないが、平均粒径が50μm以下であることが好ましい。50μmを超えると、小型のボンド磁石を成形する際に、粗すぎて良好な成形体が得られない。また、アモルファス相と微小強磁性相からなる平均粒径が10μm以上の単一粒子を80体積%以上含んでいることが好ましい。この範囲をはずれて、平均粒径が10μmよりも小さい単一粒子が増加すると、これらが80体積%以上あったとしても、粉末が酸化しやすくなり特性が低下してしまい、また、平均粒径が10μm以上であっても単一粒子の量が80体積%を下まわると、配向度が上がらず磁気特性が低くなってしまうことがある。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、上記の製造方法により得られ、前記の一般式(1)又は(2)で表される希土類−遷移金属−窒素系合金からなる磁石粉末である。
本発明において好ましいのは、一般式(1)において、RがSm又はNdから選ばれる1種以上であり、しかもα−Feの含有量が、1.5%以下の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末である。また、一般式(2)において、Rが希土類元素から選ばれる1種以上であり、MがMn及び/又はCuを必須元素として含み、yが、1≦y≦10の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末である。
(磁石粉末の表面処理)
この希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、空気中、温度や湿度の高い雰囲気中に置かれると錆びたり劣化したりして磁気特性が低下する場合があるため、燐酸や有機燐酸エステル系化合物、亜鉛などの金属粉末、シリルイソシアネート系化合物、あるいはチタネート系、アルミニウム系、シラン系など各種カップリング剤によって表面処理することが望ましい。
例えば、希土類−鉄−窒素系磁石粉末に亜鉛粉末とカップリング剤を加えたものを、有機溶媒を媒液として湿式粉砕することができる。磁石粉末の粉砕時に亜鉛粉末及びカップリング剤が存在すると、粉砕された磁石粉末表面にカップリング剤及び亜鉛粉末がコ−ティングされ、粒子同士の付着が防止されて粉砕速度が早くなる。また、亜鉛粉末がコ−ティングされることにより、磁石粉末表面近傍の変質層が磁気的に無害なものになるため、高磁気特性が得られる。また、表面処理剤として有機燐酸エステル系化合物あるいはシリルイソシアネート系化合物を用いる場合、被覆または塗布手段は特に限定されないが、例えば、まず処理剤を磁性粉100重量部に対して約5〜10重量部の溶媒に溶解した後、磁性粉と充分に混合撹拌し、24時間以上真空または減圧乾燥することにより行うことができる。この時、溶媒としては、アルコール類、ケトン類、低級炭化水素類、芳香族類、またはこれらの混合系有機溶媒等が用いられる。
3.ボンド磁石用組成物
本発明のボンド磁石用組成物は、上記希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれかを樹脂バインダーとして配合したことを特徴とする。すなわち、前記した本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、バインダー成分として熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれかを配合し、混合することにより、優れた特性を有するボンド磁石用組成物となる。
熱可塑性樹脂としては、4−6ナイロン、12ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ふっ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどを用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、熱硬化型シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、熱硬化型フッ素樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂などを用いることができる。
さらに、バインダー成分の種類にもよるが、重合禁止剤、低収縮化剤、反応性樹脂、反応性希釈剤、未反応性希釈剤、変性剤、増粘剤、滑剤、カップリング剤、離型剤、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、無機充填剤や顔料などを添加することができる。
本発明のボンド磁石用組成物を調製する際に用いられる混合機としては、特に制限がなく、リボンミキサー、V型ミキサー、ロータリーミキサー、ヘンシェルミキサー、フラッシュミキサー、ナウターミキサー、タンブラー等が挙げられる。また、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ウェットミル、ジェットミル、ハンマーミル、カッターミル等を用いることができる。各成分を粉砕しながら混合する方法も有効である。
4.ボンド磁石
本発明のボンド磁石は、上記ボンド磁石用組成物を圧縮成形又は射出成形してなる希土類−遷移金属−窒素系ボンド磁石である。すなわち、上記希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を含むボンド磁石用組成物は、混練後、下記の要領で成形してボンド磁石とすることができる。
上記熱硬化性樹脂を含むボンド磁石用組成物を用いる場合は、圧縮成形または射出成形によることが好ましい。圧縮成形の場合は、得られるボンド磁石全重量に対する樹脂量としては1〜5重量%、射出成形では、樹脂粘度の調整や金型の温度等の最適条件を選択する必要があるが、7〜15重量%が好ましい。
圧縮成形する場合は、前記混合比で、例えば、混合機(例えば、井上製作所(製))で混合し、金型に磁界を印加するための電磁石を具備したプレス装置を用い、金型に800kA/m(10kOe)以上の磁界を印加しながら、4ton/cmの圧力でプレス成形する。
また、射出成形の場合では、前記混合比で加熱加圧ニーダー装置を用いて混合し、金型に磁界を印加するための電磁石を具備したプレス装置を用いて成形する。組成物を、例えば、30〜80℃の成形温度に加温したシリンダー中で溶融し、800kA/m(10kOe)以上の磁界が印加された金型中に射出成形して、樹脂の硬化温度まで加熱し、一定時間保持して硬化させる。
一方、熱可塑性樹脂を配合したボンド磁石用組成物を用いる場合は、射出成形によることが好ましく、樹脂量としては5〜20重量%が好ましい。熱可塑性樹脂を配合したボンド磁石用組成物は、溶融温度、例えば210℃以上に加温したシリンダー中で組成物を溶融し、800kA/m(10kOe)以上の磁界が印加された金型中に射出成形し、冷却後、固化した成形物を取り出せば良い。
次に実施例、比較例を用いて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
<磁気特性評価>
希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末試料の磁気特性は、次のように測定した。まず、パラフィンを詰めたサンプルケースを準備し、それに磁石粉末を詰め、その後、加熱配向、冷却固化を行い、振動試料型磁力計(VSM)(東英工業(株)製)を用い、ヒステリシスループを描かせた(最大印加磁場1190kA/m(15kOe))。
射出成形ボンド磁石に関しては、cioffi型自記磁束計(東英工業(株)製)を用いて磁気特性を測定した。
<α−Fe量の評価>
X線回折定量分析により磁石粉末中のα−Fe量を算出した。α−Fe量は、広域測定結果のバックグランドを除去したあとに、α−Fe[JCPDS No.6−696]の<110>面と、SmFe17の<300>面の位置に相当するピークの強度から、下記の式より算出した比率である。
α−Fe量(%)=IFe/(ISFN×100/39.5+IFe)×100
Fe:α−Fe<110>面、2θ=44.673(deg.)のピーク強度
SFN:SmFe17<300>面、2θ=35.593(deg.)の
ピーク強度
なお、α−Fe量の算出には化合物間のピーク強度比の補正は行っておらず、α−Fe、SmFe17以外には化合物が存在していないと仮定している。
<平均粒径の測定>
磁石粉末の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計(Sympatec社製)を用いて行った。
(実施例1〜7、比較例1)
次に示す要領でSm−Fe−N合金磁石を作製した。まず、出発原料として、実施例1〜7では、表1に示す組成の原料希土類−遷移金属合金と、Sm((株)トーメン製)を準備した。比較例1では、原料希土類−遷移金属合金を用いず、遷移金属原料としてFe粉、希土類元素原料としてSmを用いた。
上記混合原料に、還元剤として、このSmを還元するに足るCa(純度99.3%、ミンテックジャパン(株)製)を加え、試料ごとに混合機で1時間混合した。得られた混合物を反応容器に入れ、さらに還元拡散容器に入れた後、電気炉(還元拡散炉)に装入し、アルゴン置換した後、アルゴン流量0.5〜1L/分として、1200℃で8時間保持し、希土類酸化物を還元し、Sm−Fe合金中に拡散させSm−Fe還元物を製造した。比較例1の場合は、希土類酸化物を還元し、Fe粉中に拡散させSm−Fe還元物を製造した。
さらに、この還元物1kgを10Lの水とともに水槽に入れ、10分攪拌後、上澄みを抜き、この作業を10回繰り返してCaを除去し、酢酸を用いて酸洗処理を行った。その後、アルコールでデカンテーションし、真空中100℃、5時間乾燥し、Sm−Fe母合金粉末を得た。
Figure 2006269637
次に、得られた母合金粉末を、篩目開き104μm(#150メッシュアンダー)で篩い、アンモニア−水素混合ガス中、480℃で8時間、窒化処理を行い、Sm−Fe−N合金粗粉末を製造した。
このようにして作製したSm−Fe−N合金に関し、X線回折定量分析を行い、主相以外の相であるα−Fe量を算出した。その結果を表2に示す。さらに図1に実施例1、図2に比較例1のX線回折パターンを示す。
これらの結果より、本発明の実施例1〜7は、比較例1に比べα−Fe量が少ないことが分かる。ただし、実施例5については、投入する原料希土類−遷移金属合金の希土類元素量が5原子%より少なく、また、実施例6、7は、希土類酸化物として存在する希土類元素量が該混合物の全希土類元素量の5%よりも少ないために、Sm−Fe−N合金中のα−Fe量は、実施例1〜4に比べて高くなっている。
Figure 2006269637
さらに、このSm−Fe−N合金1kgをアトライター(三井鉱山(株)製)でアルコールを溶媒として用い、200rpm、2時間粉砕を行った。その後ろ過し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)で攪拌しながら真空加熱乾燥を行い、Sm−Fe−N微粉末を製造した。実施例1〜7、比較例1の組成、磁気特性を表3に示す。
実施例5〜7は、比較例1に比較し粉末特性が高く、実施例1〜4は、これらの試料よりさらに高い特性であることが分かる。
Figure 2006269637
(実施例8〜14、比較例2)
上記実施例1〜7、比較例1で製造したSm−Fe−N合金微粉末をそれぞれ91.0重量%採り、これに熱可塑性樹脂12ナイロン(PA12(宇部興産(株)製)を9.0重量%の割合で混合し、ボンド磁石用組成物を調製した。
次に、このボンド磁石用組成物をナカタニ混練機(ナカタニ製)で190℃−1パス、その後、シリンダー温度210℃、成形圧力1tonでφ20×13mmの形状に射出成形した。実施例1〜7、比較例1の合金微粉末を用いて、各々成形体1〜8とした。
得られた射出成形ボンド磁石の磁気特性を表4に示す。実施例12〜14の射出成形体は、比較例2の射出成形体に比較し磁気特性が高く、実施例8〜11の射出成形体は、これらの試料よりさらに磁気特性が高いことが分かる。
Figure 2006269637
(実施例15〜17、比較例3、4)
次に示す要領で、Sm−Fe−Mn−N合金磁石を作製した。まず、出発原料として、実施例15〜17では、還元拡散法を用いて、表5に示す組成の原料希土類−遷移金属合金を作製し、これにSmを混合した。比較例3では、原料希土類−遷移金属合金を作製せず、95.1%Fe−4.9%Mn合金とSmを原料として用いた。
これらの原料に、還元剤として、このSmを還元するに足るCaを加え、試料ごとに混合機で1時間混合した。得られた混合物を反応容器に入れ、さらに還元拡散容器に入れた後、電気炉(還元拡散炉)に装入し、アルゴン置換した後、アルゴン流量0.5〜1L/分、1200℃で8時間保持し、希土類酸化物を還元し、Sm−Fe−Mn合金中にSmを拡散させ、Sm−Fe−Mn合金還元物を製造した。
さらに、この還元物1kgを10Lの水とともに水槽に入れ、10分攪拌後、上澄みを抜き、この作業を10回繰り返してCaを除去し、酢酸を用いて酸洗処理を行った。その後、アルコールでデカンテーションし、真空中100℃で5時間乾燥し、Sm−Fe−Mn合金粉末を得た。次に、上記8試料の合金を篩目開き104μm(#150メッシュアンダー)で篩い、アンモニア−水素混合ガス中、480℃で9時間、窒化処理を行い、Sm−Fe−Mn−N合金粗粉末を製造した。
実施例15〜17、比較例3の組成、磁気特性を表6に示す。希土類酸化物として存在する希土類元素量が該混合物の全希土類元素量の5原子%よりも少ない実施例17は、比較例3と比べて粉末特性が高く、さらにこれらの試料に比較すると実施例15、16は特性が高いことが分かる。
製造したSm−Fe−Mn−N合金微粉末を91.0重量%採り、これに熱可塑性樹脂(PA12(宇部興産(株)製)を9.0重量%の割合で混合し、ボンド磁石用組成物を調製した。
次に、このボンド磁石用組成物をナカタニ混練機(ナカタニ製)で190℃−1パス、その後、シリンダー温度210℃、成形圧力1tonでφ20×13mmの形状に射出成形した。実施例15〜17、比較例3の合金粉末を用いた射出成形体をそれぞれ成形体9〜12とした。
得られた射出成形ボンド磁石の磁気特性を表7に示す。実施例20の射出成形体は比較例4よりも磁気特性が高く、これらの試料よりも実施例18、19の射出成形体は、さらに特性が高いことが分かる。実施例20は、原料希土類−遷移金属合金中の希土類元素量が5原子%未満であり、さらに投入原料の全希土類元素量に対して希土類酸化物中に含有される希土類元素量が65%を超えているため、実施例18、19に比較すると、若干磁気特性が低くなっている。
Figure 2006269637
Figure 2006269637
Figure 2006269637
本発明の方法により得られたSm−Fe−N合金のX線回折パターンである。 従来の方法により得られたSm−Fe−N合金のX線回折パターンである。

Claims (11)

  1. 還元拡散法により、下記の一般式(1)又は(2)で表される希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造する方法において、
    希土類元素量が5原子%以上である原料希土類−遷移金属合金粉末(A)を用意し、これに希土類酸化物粉末(B)、及び該希土類酸化物(B)を還元するための還元剤を混合する工程、引き続き、この混合物を非酸化性雰囲気中で加熱焼成して希土類−遷移金属系母合金からなる還元拡散反応生成物とする工程、次いで、得られた還元拡散反応生成物を窒素含有雰囲気中で加熱処理して、窒化する工程を含むことを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
    Fe(100−a−b) …(1)
    (式(1)中、Rは1種または2種以上の希土類元素であり、また、a、bは原子%で、4≦a≦18、10≦b≦17を満たす。)
    Fe(100−x−y−z) …(2)
    (式(2)中、Rは1種または2種以上の希土類元素、MはCu、Mn、Co、Cr、Ti、NiおよびZrからなる群から選択される1種または2種以上の遷移金属元素を示し、また、x、y、zは原子%で、4≦x≦18、0.3≦y≦23、15≦z≦25を満たす。)
  2. 原料希土類−遷移金属合金粉末(A)の希土類元素量が、5原子%以上13原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  3. 希土類酸化物粉末(B)の希土類元素量が、混合物中の全希土類元素量に対して5%以上65%以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  4. 得られた窒化物を、さらに微粉砕又は解砕することを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  5. 一般式(1)において、RがSm又はNdから選ばれる1種以上であり、しかもα−Feの含有量が、1.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  6. 一般式(2)において、Rが希土類元素から選ばれる1種以上であり、MがMn及び/又はCuを必須元素として含み、yが、1≦y≦10であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって得られる希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  8. 請求項5に記載の製造方法によって得られ、平均粒径が10μm以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  9. 請求項6に記載の製造方法によって得られ、平均粒径が50μm以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれかを樹脂バインダーとして配合したことを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系ボンド磁石用組成物。
  11. 請求項10に記載のボンド磁石用組成物を圧縮成形又は射出成形してなる希土類−遷移金属−窒素系ボンド磁石。
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