JP2000034510A - 合金粉末 - Google Patents

合金粉末

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JP2000034510A
JP2000034510A JP11179705A JP17970599A JP2000034510A JP 2000034510 A JP2000034510 A JP 2000034510A JP 11179705 A JP11179705 A JP 11179705A JP 17970599 A JP17970599 A JP 17970599A JP 2000034510 A JP2000034510 A JP 2000034510A
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nitrogen
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rare earth
atmosphere
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Michiya Kume
道也 久米
Yoshio Tanabe
芳雄 田辺
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水洗工程を経ても酸素量の増大せず、ひいて
は通常の大気中で水分に対し安定な合金粉末を提供す
る。 【構成】 Nd、Sm、Ce、およびPrから選ばれる
少なくとも一種の希土類金属と、鉄、カルシウム、酸素
を含有する合金粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、希土類金属を含む合金
粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、希土類金属とFe、Co、Ni
等の遷移金属との金属間化合物又は合金は産業上有用な
材料であり、例えば、Tb−Fe−Coの薄膜は光磁気
メモリーに、Sm−Coは永久磁石に、La−Niは水
素貯蔵合金にと利用される。この場合、これらの金属間
化合物又は合金は粉末状態で求められることが多い。粉
末を得るためには、成分となる金属を溶融してインゴッ
トにした後、このインゴットを粉砕する方法が一般的で
あるが、直接粉末を得る方法としては、希土類酸化物粉
末と遷移金属粉末を混合し、これをカルシウム蒸気中で
加熱することで希土類酸化物を還元して遷移金属中に拡
散させる還元拡散法が知られている。
【0003】還元拡散法は安価な希土類酸化物を使用す
ることや、合金が還元と同時にできるという利点があ
り、永久磁石用のSmCo5 金属間化合物又はSm−C
o合金の製造では広くこの方法が用いられる。しかし、
反応副生成物であるCaOや未反応Caを除去するため
に水洗工程が必要であり、水に対し不安定な物質では採
用できない。例えば、Nd−Fe合金に適用すると、反
応そのものは完了するが、後の水洗工程で著しく酸素量
が増大してしまうという欠点がある。たとえ、水分中の
酸素量を極力減らすことができたり、有機溶媒等で水洗
工程を簡略化できたとしても、還元拡散法により得られ
た合金粉末では、耐食性が根本的に改善されるものでは
なく、多くの場合、大気中に暴露しておくだけでも酸素
量が増大し、求められる物性或いは特性の発現が著しく
阻害されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
とするところは、水洗工程を経ても酸素量の増大せず、
ひいては通常の大気中で水分に対し安定な合金粉末を提
供することにある。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明は、希土類金属含
有合金粉末において、Nd、Sm、Ce、およびPrか
ら選ばれる少なくとも一種の希土類金属と、鉄、カルシ
ウム、酸素を含有する合金粉末である。また、窒素処理
によって耐酸化処理された前記の合金粉末である。希土
類金属と鉄、Caとの混合物をアルゴン雰囲気中におい
て600℃から1200℃の範囲の温度で加熱し、引き
続いて窒素あるいは窒素原子を含むガスの雰囲気中にお
いて250℃から800℃の範囲の温度で加熱し、この
混合物をアルゴン雰囲気中において600℃から120
0℃の範囲の温度で加熱し、引き続いて窒素あるいは窒
素を含む雰囲気中において250℃から800℃の範囲
の温度で加熱し、耐酸化処理と共に、カルシウムの一部
を窒化カルシウムとし、この反応生成物を水および弱酸
水溶液で処理し窒化カルシウムを溶出除去することによ
って得られた前記の合金粉末である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者等は、鋭意研究を重ねた
結果、通常の還元拡散反応に引き続いて反応生成物を窒
素を含む雰囲気のなかで熱処理することにより、水分に
対して極めて安定な合金粉末を製造し得ることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、Nd、Sm、Ce、およびPr
から選ばれる少なくとも一種の希土類金属と、Feの金
属粉と、粒状のCaとを混合し、この混合物をアルゴン
雰囲気中において600℃から1200℃の範囲の温度
で加熱し、引き続いて窒素あるいは窒素を含む雰囲気中
において250℃から800℃の範囲の温度で加熱し、
その後、この反応生成物を水および弱酸水溶液で処理す
るすることによって得られる。好ましくは、前記金属粉
の一部を30原子%までの範囲にて同種の金属の酸化物
で置換してもよい。また、本発明の製造方法において
は、前記粒状のCaを希土類酸化物の酸素原子当量に対
し約1.5倍程度混合することが好ましい。
【0008】単独の窒素処理によって耐食性が増す事例
は数多く提示されているが、本発明は、鉄鋼、磁気記録
用鉄粉等に用いられる希土類−Fe系合金を還元拡散法
により製造するのに当たり、還元拡散反応後に窒素又は
窒素を含む雰囲気中での窒素処理を行うことを特徴とし
ており、これにより、水洗工程は勿論大気中に暴露して
おいても酸素量が増大しない希土類−Fe系合金粉末を
製造することができ、本発明による工業的意義は大き
い。
【0009】即ち、従来の還元拡散法によれば、副生成
物であるCaOは速やかに水と反応してCa(OH)2
になるが、未反応のCaは比較的緩慢に反応するので除
去に手間取り、ひいては純度の低下をもたらす原因にも
なっていたのに対し、本発明によれば、窒素処理を行っ
ているので、未反応のCaの大部分がCaN等のカルシ
ウム窒化物になり、このCaN等のカルシウム窒化物は
CaOと同様に速やかに水と反応するのでこの除去には
極めて好都合である。
【0010】金属粉の一部を30原子%までの範囲にて
同種の金属の酸化物で置換することにより、この金属酸
化物の粉とCa粉との反応、即ち、金属酸化物の還元時
の自己発熱によって希土類酸化物とCa粉との還元反応
を全体として均一にすると共に容易ならしめる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について、Nd−Fe
合金粉末の製造例から説明する。まず、目的とする組成
に応じた割合でNd23粉末とFe粉末とCa粉末とを
混合する。この場合、Feの原子量に対し30原子%ま
での範囲にてFe23又はFe34で置換してよい。こ
れらの酸化鉄がCaにより還元されるときの反応熱によ
り、全体として均一な反応を行わしめることができ、外
部エネルギーの節約や収率の向上につながる。また、粒
状のCa粉の混合量については、希土類酸化物と、選択
的に混合する金属酸化物との酸化物を還元するに足るこ
とが必要であるが、好適には、粒状のCaの混合量は、
Nd23と、選択的に混合するFe 23又はFe34
中の酸素原子の当量に対し1.5倍程度が望ましい。
【0012】このようにして得られた混合粉を真空排気
が可能な加熱容器中に配置する。加熱容器内を真空排気
した後、アルゴンガスを通じながら600℃から120
0℃の範囲内、望ましくは800℃から1000℃の範
囲内で数時間、好適には2時間程度加熱する。加熱温度
が600℃未満であると、酸化物の還元反応が進行せず
好ましくなく、加熱温度が1200℃を越えると、Ca
が飛散してしまうので好ましくない。ここで、混合粉、
即ち、出発系にFe23又はFe34が適量入っている
場合、昇温途中で自己発熱し、効率的に均一な反応を行
わしめることができるが、Feに対して30原子%以上
相当のFe23又はFe34が混合されていると、極め
て大きな発熱により爆発あるいは飛散が起きて好ましく
ない。
【0013】次いで、加熱を止め、引き続いてアルゴン
ガス中で250℃から800℃の範囲内で、好ましくは
300℃から600℃の範囲内の一定の温度まで冷却し
て以後この温度で一定に保持する。その後、加熱容器を
再び真空排気した後、窒素ガスを導入する。導入するガ
スは窒素に限らず窒素原子を含むガス、例えば、アンモ
ニアでもよい。大気圧以上の圧力で窒素ガスを通じなが
ら30分間以上1時間以内、好適には30分間加熱した
後、加熱を停止し放冷する。
【0014】得られた反応生成物をイオン交換水に投入
し、これにより、反応生成物が直ちに崩壊し、合金粉末
とCa成分との分離が始まる。水中での撹拌、静置、上
澄み液の除去を数回繰り返し、最後に酢酸等の弱酸で処
理することにより、Ca成分の分離が完了する。得られ
た合金粉末は粒径がシャープに揃うと共に流動性のある
ものである。
【0015】窒素又は窒素を含む雰囲気中での窒素処理
が水洗工程に先立ち行われていることにより、水洗工程
においても、酸素成分を含まない合金粉末が得られるこ
とに役立つ。即ち、従来、反応生成物であるCaOは速
やかに水と反応してCa(OH)2 になるが、未反応の
Caは比較的緩慢に反応するので除去に手間取り、ひい
ては純度の低下をもたらす原因にもなっていたのに対
し、本発明によれば、窒素処理を行っているので、未反
応のCaの大部分がCaN等のカルシウム窒化物にな
り、このCaN等のカルシウム窒化物はCaOと同様に
速やかに水と反応するのでこの除去には極めて好都合で
ある。
【0016】以下、本発明の具体例について従来と比較
しながら説明する。 実施例1 平均粒径1μmのNd23粉23.15gと平均粒径3
0μmのFe粉39.44gとを混合し、さらに粒状の
Ca12.41gを加えて充分に混合する。Caの当量
はNd23中の酸素原子の当量に対し1.5倍である。
混合物を軟鋼製の坩堝に入れ、加熱容器中にセットす
る。加熱容器内を1×10-2トル(Torr)以下まで真空
排気した後、アルゴンガスを導入し、大気圧で流通させ
る。加熱容器を加熱し850℃になったらこの状態で2
時間保持し続け、以後アルゴンガスを流通させたままま
冷却していく。500℃になったらこの温度に保持を開
始し、アルゴンガスの流通を止めて直ちに加熱容器内を
真空排気する。加熱容器内が1×10-2トル(Torr )以
下まで真空排気された後、排気を止め、窒素ガスを導入
し、大気圧で窒素ガスが流通するようにし、その後、3
0分間の熱処理を行ってから加熱を止めて放冷する。
【0017】得られた反応生成物は多孔質のブロック状
であって容易に坩堝から取り出すことができ、反応生成
物を3000ccのイオン交換水中に投入すると、直ち
に崩壊する。この時、反応生成物中のCaOと、ほとん
どをCaN等のカルシウム窒化物とする未反応のCaと
が微細なCa(OH)2 に変わる。このスラリーを10
分間撹拌した後、10分間静置し、微細なCa(OH)
2 が浮遊している上澄み液を捨てる。ここで再度300
0ccのイオン交換水を加えて先と同様な操作を行う。
数回、この操作を繰り返した後、当初pH4.5に調整
された酢酸水溶液中で15分間撹拌、静置して上澄み液
を捨てる。この後再度水洗いを数回行ってCa分の除去
が完了する。最後に、Ca分を除去した合金粉末をヌッ
チェにてアルコール置換しながら水と分離し、分離した
ケーキを80℃で真空乾燥し、これにより、Nd−Fe
合金粉末を得る。
【0018】こうして得られた合金粉末は46.22g
で、粒径を約50μmとする流動性の良い黒色粉末であ
った。化学分析によれば、Nd:27.7%、Fe:7
0.2%、Ca:0.08%及びO(酸素原子):0.
45%であった。出発原料のNdとFeに基づく収率は
76.3%であった。
【0019】実施例2 次に、金属粉の一部を金属酸化物として混合するNd−
Fe合金粉末について説明する。平均粒径1μmのNd
23粉23.15gと平均粒径30μmのFe粉37.
17g及び平均粒径1μmのFe23粉3.42gを混
合する。これら原料のFe原子のうちFe23に由来す
るものは6.5原子%である。さらにこれに粒状のCa
16.48gを加えて充分に混合する。Caの当量はN
23及び Fe23 中の酸素原子の当量に対し1.5
倍である。以後、実施例1と全く同様の操作でアルゴン
ガスでの加熱処理、窒素処理及び後処理を行ったが、初
期の昇温中620℃から急激な自己発熱が見られ、系の
温度は瞬間的に870℃に達する。
【0020】得られたNd−Fe合金粉末は50.15
gであって、粒径約50μmの流動性の良い黒色粉末で
あった。化学分析によれば、Nd:28.2%、Fe:
70.1%、Ca:0.07%及びO(酸素原子):
0.56%であった。出発原料のNdとFeに基づく収
率は83.0%であった。
【0021】実施例3 実施例2と同じく金属粉の一部を金属酸化物として混合
する他のNd−Fe合金粉末の製造方法について説明す
る。平均粒径1μmのNd23粉23.01g、平均粒
径30μmのFe粉34.62g及び平均粒径1μmの
Fe23粉6.43gを混合する。これら原料のFe原
子のうちFe23に由来するものは13原子%である。
さらにこれに粒状のCa19.60gを加えて充分に混
合する。Caの当量はNd23及び Fe2O3 中の酸素
原子の当量に対し1.5倍である。以後、実施例1と全
く同様の操作を行ったが、初期の昇温中570℃から急
激な自己発熱が見られ、系の温度は瞬間的に1070℃
に達する。
【0022】得られたNd−Fe合金粉末は52.31
gであって、粒径約50μmの流動性の良い黒色粉末で
あった。化学分析によれば、Nd:28.1%、Fe:
69.9%、Ca:0.12%及びO(酸素原子):
0.88%であった。出発原料のNdとFeに基づく収
率は87.1%であった。
【0023】実施例4 窒素ガス中での熱処理温度を500℃でなく450℃と
する以外、実施例3と全く同じ出発原料を用い実施例3
と同様の処理を行った。得られたNd−Fe合金粉末は
42.32gであって、粒径約50μmの流動性の良い
黒色粉末であった。化学分析によれば、Nd:26.5
%、Fe:71.2%、Ca:0.12%及びO(酸素
原子):0.81%であった。出発原料のNdとFeに
基づく収率は70.3%であった。
【0024】実施例5 平均粒径1μmのSm23粉22.88gと平均粒径3
0μmのFe粉39.73gとを混合し、さらに粒状の
Ca11.83gを加えて充分に混合する。Caの当量
はSm23中の酸素原子の当量に対し1.5倍である。
以後、実施例1と全く同じ処理を行う。得られたSm−
Fe合金粉末は51.22gであって、粒径約50μm
の流動性の良い黒色粉末であった。化学分析によれば、
Sm:28.7%、Fe:69.8%、Ca:0.09
%、O(酸素原子):0.33%であった。出発原料の
SmとFeに基づく収率は84.8%であった。
【0025】実施例6 平均粒径1μmのSm23粉22.88g、平均粒径3
0μmのFe粉38.64g及び平均粒径1μmのFe
23粉1.43gを混合し、さらに粒状のCa13.4
4gを加えて充分に混合する。出発原料内のFe原子の
うちFe23に由来するものは 2.6原子%である。
Caの当量はSm23およびFe23中の酸素原子の当
量に対し1.5倍である。以後、実施例1と全く同じ処
理を行った。初期の昇温中690℃から急激な自己発熱
が見られ、系の温度は瞬間的に830℃に達する。
【0026】得られたSm−Fe合金粉末は54.26
gであって、粒径約50μmの流動性の良い黒色粉末で
あった。化学分析によれば、Sm:28.5%、Fe:
70.0%、Ca:0.11%、O(酸素原子):0.
36%であった。出発原料のSmとFeに基づく収率は
90.0%であった。
【0027】実施例7 平均粒径1μmのCeO2 粉22.90g及び平均粒径
30μmのFe粉37.13gを混合し、さらに粒状の
Ca16.00gを加えて充分に混合する。Caの当量
はCeO2 中の酸素原子の当量に対し1.5倍である。
以後、実施例1と全く同じ処理を行う。初期の昇温中6
70℃から比較的緩慢な自己発熱が発生し、系の温度は
790℃に達する。この場合、Fe23等は含まれてい
ないが、CeO2 が発熱源となっている。
【0028】得られた合金粉末は51.07gであっ
て、粒径約50μmの流動性の良い黒色粉末であった。
化学分析によれば、Ce:29.2%、Fe:68.1
%、Ca:0.07%、O(酸素原子):0.21%で
あった。出発原料のCeとFeに基づく収率は89.1
%であった。
【0029】実施例8 平均粒径1μmのPr611 粉22.81gと平均粒径
30μmのFe粉37.91gを混合し、さらに粒状の
Ca14.77gを加えて充分に混合する。Caの当量
はPr611 中の酸素原子の当量に対し1.5倍であ
る。以後、実施例1と全く同じ処理を行った。得られた
Pr−Fe合金粉末は52.01gであって、粒径約5
0μmの流動性の良い黒色粉末であった。化学分析によ
れば、Pr:29.2%、Fe:68.2%、Ca:
0.11%、O(酸素原子):0.32%であった。出
発原料のPrとFeに基づく収率は89.2%であっ
た。
【0030】実施例9 アルゴンガス中での加熱温度を750℃とした以外は実
施例1と同じ条件にて反応を行った。得られた合金粉末
は43.2gで、粒径を約50μmとする流動性の良い
黒色粉末であった。化学分析によれば、Nd:27.4
%、Fe:71.2%、Ca:0.11%及びO(酸素
原子):0.56%であった。出発原料のNdとFeに
基づく収率は71.3%であった。
【0031】比較例1 比較のため、窒素ガスでの熱処理を行わないこと以外、
上述した実施例1、5、7及び8と全く同じ原料組成
で、還元拡散反応および後処理を行い、比較例1〜4を
それぞれ作製した。得られた合金粉末の組成は、以下の
通りであった。
【0032】窒素ガスでの熱処理を行わないこと以外実
施例1と同様にして得られた比較例1では、Nd−Fe
合金粉末が40.45gで得られ、この粉末は粒径約5
0μmで赤黒色粉末であり、また、化学分析より、N
d:15.2%、Fe:82.1%、Ca:1.6%及
びO(酸素原子):0.86%であった。出発原料のN
dとFeに基づく収率は66.4%であった。
【0033】比較例2 窒素ガスでの熱処理を行わないこと以外は実施例5と同
様にして得られた比較例2では、Sm−Fe合金粉末が
50.51gで得られ、この粉末は粒径約50μmで赤
黒色粉末であり、また、化学分析より、Sm:27.4
%、Fe:71.6%、Ca:0.40%及びO(酸素
原子):0.56%であった。出発原料のSmとFeに
基づく収率は84.1%であった。
【0034】比較例3 窒素ガスでの熱処理を行わないこと以外実施例7と同様
にして得られた比較例3では、Ce−Fe合金粉末が5
0.6gで得られ、この粉末は粒径約50μmの赤黒色
粉末であり、また、化学分析より、Ce:28.8%、
Fe:69.9%、Ca:0.10%及びO(酸素原
子):0.67%であった。出発原料のCeとFeから
に基づく収率は89.5%であった。
【0035】比較例4 窒素ガスでの熱処理を行わないこと以外実施例8と同様
にして得られた比較例4では、Pr−Fe合金粉末が5
1.47gで得られ、この粉末は粒径約50μmの赤黒
色粉末であり、また、化学分析より、Pr:29.5
%、Fe:69.1%、Ca:0.18%及びO(酸素
原子)0.88%であった。出発原料のPrとFeに基
づく収率は89.4%であった。
【0036】次に、本発明による実施例と上述した比較
例との比較において、大気中に1週間放置した場合にお
ける酸素量の変化を試験した結果について説明する。以
下に1週間後の酸素量を示す。尚、括弧内の数値は反応
直後の値である。
【0037】 実施例1−0.46%(0.45%)、比較例1−1.52%(0.86%) 実施例5−0.33%(0.33%)、比較例2−0.61%(0.55%) 実施例7−0.21%(0.21%)、比較例3−0.69%(0.67%) 実施例8−0.32%(0.32%)、比較例4−0.90%(0.88%) これから明らかなように、希土類−Fe合金粉末、とり
わけ、これまで問題視されてきたNd−Fe合金粉末に
おいても、本発明の実施例による合金粉末では、大気中
での安定性が優れていることが判る。
【0038】尚、上述の説明においては、希土類とFe
とからなる合金粉末について説明したが、本発明によれ
ば、Fe、Ni、Coの中から選ばれた金属粉と希土類
との合金、あるいはFe、Ni、Coの一部がTi、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、
B、Al、Ca、In、SiおよびCuの酸化物の形あ
るいは金属の形で置換したものも可能であり、目的に応
じて各種組成の合金を製造し得る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、水
洗工程を経ても酸素量は増大せず、通常の大気中で水分
に対し安定な希土類金属を含む合金粉末を製造すること
ができ、産業上極めて有用な合金粉末を提供することが
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/047 H01F 1/06 J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属含有合金粉末において、N
    d、Sm、Ce、およびPrから選ばれる少なくとも一
    種の希土類金属と、鉄、カルシウム、酸素を含有するこ
    とを特徴とする合金粉末。
  2. 【請求項2】 窒素処理によって耐酸化処理されたこと
    を特徴とする請求項1記載の合金粉末。
  3. 【請求項3】 希土類金属と鉄、Caとの混合物をアル
    ゴン雰囲気中において600℃から1200℃の範囲の
    温度で加熱し、引き続いて窒素あるいは窒素原子を含む
    ガスの雰囲気中において250℃から800℃の範囲の
    温度で加熱し、この混合物をアルゴン雰囲気中において
    600℃から1200℃の範囲の温度で加熱し、引き続
    いて窒素あるいは窒素を含む雰囲気中において250℃
    から800℃の範囲の温度で加熱し、耐酸化処理と共
    に、カルシウムの一部を窒化カルシウムとし、この反応
    生成物を水および弱酸水溶液で処理し窒化カルシウムを
    溶出除去することによって得られたものであることを特
    徴とする請求項1または2記載の合金粉末。
JP11179705A 1999-06-25 1999-06-25 合金粉末 Pending JP2000034510A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015098623A (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 住友金属鉱山株式会社 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末及びその製造方法

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