JP2014508204A - 向上した特性を有するポリエステル組成物 - Google Patents
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Abstract
記述される本発明は、金属塩の水溶液を用いて製造した場合に、向上した機械的性質を有するポリエステルエラストマー組成物に関する。固体として金属塩がポリエステル組成物に混合されるポリエステル組成物と比較して、金属塩が金属塩の水溶液と溶融混合される、ポリエステルエラストマー組成物においてDMA貯蔵弾性率の向上、メルトフローレートの減少および光透過率の増加が、確認される。
Description
本発明は、向上した機械的性質を有するポリエステルエラストマー組成物、ポリエステル組成物を製造する方法、およびこれらの組成物から製造される物品に関する。
ポリエーテルエステルコポリマーエラストマーは、良好な低温可撓性、機械的強度、耐衝撃性、耐疲労性、および加工性を示す。しかしながら、かかる組成物において高い剛性と低温可撓性の組み合わせを達成することは難しい。特性のこの望ましい組み合わせを有する組成物を提供すべく過去に使用されている方法は、硬いポリマーまたは無機充填剤をポリエーテルエステルコポリマーマトリックスにブレンドすることを含むが、これは完全に満足のいくものではなかった。
ポリエステルの溶融強度を増加すると、加工性などの特定の物理的性質が向上し得ることが知られている。イオノマーポリマーとカルボン酸の塩の添加は、ポリエステルの溶融強度を増加する方法であることも知られている。例えば、米国特許第4,010,222号明細書には、コポリエステルエラストマーとエチレン/カルボン酸コポリマーから本質的になるポリマーブレンドであって、その酸基の少なくとも10%が中和されており(つまり、イオノマー)、その結果、溶融強度が増加したコポリエステルエラストマー組成物が生成される、ポリマーブレンドが開示されている。この特許では、かかるコポリエステルエラストマーブレンド組成物が、イオノマーを含有しないポリエステル組成物よりも吹込み成形による加工性が高いことが教示されている。
米国特許第3,957,706号明細書には、ポリエーテルエステルコポリマーをアルカリ金属カルボン酸塩の固体粒子とブレンドすることが教示されている。この特許では、炭素原子3〜22個を有する直鎖状または分岐状飽和または不飽和脂肪族モノカルボン酸のナトリウム塩が意外な圧縮回復を示すことが教示されている。
米国特許第4,362,836号明細書には、ポリエステルエラストマーへの、脂肪族ポリカルボン酸のアルカリ金属塩の添加が教示されている。そのアルカリ金属塩は、少なくとも20個の炭素原子と2個のカルボキシル基を有する。
米国特許出願公開第2010/0127434号明細書には、ポリエステルアラミド、コポリエステルアラミド、コポリエーテルアラミド、コポリエーテルエステル−アミド、コポリエーテルエステル−ウレタン、コポリエーテル−ウレタン、コポリエステル−ウレタン、コポリエステル−尿素、コポリエーテルエステル−尿素およびその混合物として記述される「分子的に自己集合性の材料」と呼ばれる組成物への、固体無機および有機塩を含むレオロジー添加剤とこれらの材料の水溶液の添加が開示されている。レオロジー添加剤の添加は、溶融粘度を下げると言われている。
米国特許出願公開第2007/0246867号明細書に、無機塩または特定の有機酸、例えば酢酸またはプロピオン酸の塩などの添加剤を溶融状態のポリマーに導入する方法であって、添加剤が水溶液として溶融ポリマーに導入される方法が開示されている。
米国仮特許出願第61/308960号明細書に、分子量300未満を有する固体アルカリ金属塩をポリエステルと溶融混合することによって、ポリエステルのメルトフローレートを低減する方法が開示されている。
固体状態で機械的性質を維持しながら、高温で向上したメルトレオロジーを示すポリエーテルエステルコポリマーエラストマー組成物が依然として必要とされている。特に、より効率的な吹込み成形を可能にする溶融粘度特性を有するポリエーテルエステルコポリマー組成物が必要とされている。かかるコポリエーテルエステル組成物を生成するための実際的な方法も必要とされている。
本発明は、
A.
1.ISO868に従って決定されるショアD硬度40D以上を有するポリエステル;および
2.分子量500以下を有する金属塩を含む少なくとも1種類の水溶液であって、i)その金属塩が第1A族カチオンを含み、かつii)金属塩のアニオンの共役酸の沸点が300℃未満である、水溶液;
を含む組成物を溶融混合し、それによってポリエステル/金属塩混合物が形成される工程であって、その金属塩が、金属塩とポリエステルの合計重量に対して約0.05〜約20重量%の量でポリエステル/金属塩混合物中に存在する工程と、
B.ポリエステル/金属塩混合物から水およびガスを除去して、成形用ポリエステル組成物を形成する工程と、
を含む、成形用ポリエステル組成物を形成する方法に関する。
A.
1.ISO868に従って決定されるショアD硬度40D以上を有するポリエステル;および
2.分子量500以下を有する金属塩を含む少なくとも1種類の水溶液であって、i)その金属塩が第1A族カチオンを含み、かつii)金属塩のアニオンの共役酸の沸点が300℃未満である、水溶液;
を含む組成物を溶融混合し、それによってポリエステル/金属塩混合物が形成される工程であって、その金属塩が、金属塩とポリエステルの合計重量に対して約0.05〜約20重量%の量でポリエステル/金属塩混合物中に存在する工程と、
B.ポリエステル/金属塩混合物から水およびガスを除去して、成形用ポリエステル組成物を形成する工程と、
を含む、成形用ポリエステル組成物を形成する方法に関する。
本発明は、造形物品を成形するためのポリエステル組成物の使用にも関し、そのポリエステル組成物は、
A.
1.ISO868に従って決定されるショアD硬度40D以上を有するポリエステル;および
2.分子量500以下を有する金属塩を含む少なくとも1種類の水溶液であって、i)その金属塩が第1A族カチオンを含み、かつii)金属塩のアニオンの共役酸の沸点が300℃未満である、水溶液;
を含む組成物を溶融混合し、それによってポリエステル/金属塩混合物が形成される工程であって、その金属塩が、金属塩とポリエステルの合計重量に対して約0.05〜約20重量%の量でポリエステル/金属塩混合物中に存在する工程と、
B.ポリエステル/金属塩混合物から水およびガスを除去して、成形用ポリエステル組成物を形成する工程と、の方法によって製造される。
A.
1.ISO868に従って決定されるショアD硬度40D以上を有するポリエステル;および
2.分子量500以下を有する金属塩を含む少なくとも1種類の水溶液であって、i)その金属塩が第1A族カチオンを含み、かつii)金属塩のアニオンの共役酸の沸点が300℃未満である、水溶液;
を含む組成物を溶融混合し、それによってポリエステル/金属塩混合物が形成される工程であって、その金属塩が、金属塩とポリエステルの合計重量に対して約0.05〜約20重量%の量でポリエステル/金属塩混合物中に存在する工程と、
B.ポリエステル/金属塩混合物から水およびガスを除去して、成形用ポリエステル組成物を形成する工程と、の方法によって製造される。
本発明はさらに、本発明の方法によって製造される成形用ポリエステル組成物を含む物品に関する。
本発明は、造形物品を成形するためのポリエステル組成物の使用にも関し、ポリエステル組成物は、上述の溶融混合プロセスによって生成される。
以下の定義は、明細書で論じられ、かつ特許請求の範囲に記載の用語の意味を解釈するために使用される。
本明細書で使用される、「1つ(a)」という冠詞は、1つだけでなく複数も意味し、必ずしもその指示名詞を単数形に限定するものではない。
本明細書で使用される、「約」および「にて(at)、または約(about)」とは、当該の量または値が、指定の値またはほぼ同じである他の値であってもよいことを意味する。その表現は、同様な値が本発明による同等な結果または効果を促進することを伝えることが意図される。
本明細書で使用される、「溶融混合」という用語は、均一な混合物を得るための、ポリエステルポリマーの融点を超える温度での、ポリエステルポリマーと他の材料との混合を意味する。
本明細書で使用される、「金属塩の水溶液」という用語は、水と金属塩を含む溶液であって、その金属塩が水に完全に溶解している溶液を意味する。
本明細書で使用される、「等しい量」という用語は、固形ベースでの材料の同一重量を意味する。すなわち、金属塩の水溶液が重量ベースで塩を25%含有する場合(例えば、金属塩25グラムおよび水75グラム)、金属塩水溶液100グラムは、固形の塩25グラムに等しい量である量の金属塩を含有する。
本明細書で使用される、「メルトフローレート」(MFR:melt flow rate)という用語は、温度および圧力/荷重の制御条件下でのキャピラリーを通る材料の流量を意味する。MFRは、ポリマー溶融物(その融解温度を超えるポリマー)の、圧力下で流れる能力の尺度であり、特定の試験条件下での溶融物の粘度に反比例する。MFRは、国際標準ISO1133:1997(E)の方法に従って決定される。
本明細書で使用される、「より大きい」という用語は、より大きな数値を意味する。例えば、2の値は1.5の値よりも大きい。
本明細書で使用される、「より低い」という用語は、より小さな数値を意味する。例えば、0.5g/10分のMFRは、3g/10分のMFRよりも低い。
本明細書で使用される、「DMA貯蔵弾性率」という用語は、長さ135.35mm、幅12.89mmおよび深さ3.23mmの金型キャビティで成形され、長さ60mmに切断された射出成形試験片でISO6721−5に従って動的機械分析(DMA)によって、1〜20Hzから選択される振動数範囲にわたって測定される貯蔵弾性率を意味する。
本明細書で使用される、「金属塩」という用語は、元素周期表の第1A族金属から選択される一価カチオンを含む塩を意味する。「少なくとも1種類の金属塩」とは、1種または複数種の金属塩、例えば2種、3種または4種の金属塩を意味する。
本発明は、向上した溶融粘度および吹込み成形特性を有する、ポリエステル組成物、特にコポリエーテルエステルコポリマー組成物を製造するプロセスに関する。特定のショアD硬度のポリエステルをアルカリ金属塩の水溶液(つまり、第1A族金属カチオンを含む塩の水溶液)と溶融混合する、本発明の方法を用いることによって、固体状態の等しい量(上記で定義される)のアルカリ金属塩が同様な溶融混合条件下でポリエステル基質組成物と溶融混合される、溶融混合プロセスによって生成される組成物と比較して、著しく優れたメルトフローレートを有するポリマー組成物を生成することが可能である。さらに、本発明の方法によって生成される、得られたポリエステル組成物の、DMA貯蔵弾性率によって測定される曲げ弾性率は一般に、等しい量のアルカリ金属塩が固体状態でポリエステル溶融物に添加され、得られたブレンドが溶融混合される条件下で製造されるポリエステル組成物の曲げ弾性率よりも優れている。曲げ弾性率は、応力と、ポリマーの曲げ変形におけるひずみとの比を表す。曲げ弾性率の値が高いほど、荷重下での変形に耐えるポリマーの能力が優れている。したがって、DMA貯蔵弾性率によって測定される曲げ弾性率の向上は、DMA貯蔵弾性率の数値の増加によって表される。本発明の目的では、DMA貯蔵弾性率は、上述の条件を用いてISO6721−5に従って測定される。
さらに、本発明の方法に従ってポリマー溶融物と金属塩水溶液を溶融混合することによって製造されるポリエステル組成物の光透過率は一般に、固体状態の等しい量のアルカリ金属塩(上記で定義される)がポリマーと溶融混合される条件下で製造されるポリエステル組成物の光透過率よりも優れている。
本明細書で使用される、光透過率は、CIE標準Illuminant D65光源およびGretagMacbeth Corporation,New Windsor,NY,U.S.A.から入手可能なGretagMacbeth Color−Eye(登録商標)7000A分光光度計を使用してASTM D1003Bに準拠して試験した場合に、本発明のポリエステル組成物から作製された試験片を通る指定波長の光の量の尺度である。本発明の目的では、光透過率は、平均全透過率(Tt)と表される。
平均全透過率の値が高いほど、光が試験片を透過するポリマーの能力が優れている。したがって、CIE標準Illuminant D65光源およびMacbeth Color−Eye(登録商標)7000A分光光度計を使用してASTM D1003Bによって測定される平均全透過率の向上は、平均全透過率の数値の増加によって表される。
ポリエステルポリマー
本発明の方法は、少なくとも1種類のアルカリ金属塩の水溶液とポリエステルポリマーを溶融混合することを含む。本発明で使用するのに適しているポリエステルポリマーは、エステルを含む1種または複数種のジカルボン酸および3個以上の炭素原子を有する1種または複数種のジオールから誘導されるポリエステル、コポリエステル熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。ポリエステルポリマーは、ISO868によって決定される、少なくとも約40D、好ましくは少なくとも45DのショアD硬度(つまり、デュロメータ硬度)を有する。適切なポリエステルポリマーは、金属塩溶液との混合前に、10,000g/モルを超える、好ましくは15,000g/モルを超える、さらに好ましくは20,000g/モルを超える数平均分子量を有する。注目すべきコポリエステル熱可塑性エラストマー(TPC)としては、コポリエステルエステルエラストマー、コポリカーボネートエステルエラストマー、およびコポリエーテルエステルエラストマーが挙げられ、後者が好ましい。
本発明の方法は、少なくとも1種類のアルカリ金属塩の水溶液とポリエステルポリマーを溶融混合することを含む。本発明で使用するのに適しているポリエステルポリマーは、エステルを含む1種または複数種のジカルボン酸および3個以上の炭素原子を有する1種または複数種のジオールから誘導されるポリエステル、コポリエステル熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。ポリエステルポリマーは、ISO868によって決定される、少なくとも約40D、好ましくは少なくとも45DのショアD硬度(つまり、デュロメータ硬度)を有する。適切なポリエステルポリマーは、金属塩溶液との混合前に、10,000g/モルを超える、好ましくは15,000g/モルを超える、さらに好ましくは20,000g/モルを超える数平均分子量を有する。注目すべきコポリエステル熱可塑性エラストマー(TPC)としては、コポリエステルエステルエラストマー、コポリカーボネートエステルエラストマー、およびコポリエーテルエステルエラストマーが挙げられ、後者が好ましい。
コポリエステルエステルエラストマーは、a)硬質ポリエステルセグメントおよびb)軟質および可撓性ポリエステルセグメントを含有するブロックコポリマーである。硬質ポリエステルセグメントの例は、ポリアルキレンテレフタレート、ポリ(シクロヘキサンジカルボン酸シクロヘキサンメタノール)である。軟質ポリエステルセグメントの例は、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチルアジペート、およびポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステルである。コポリエステルエステルエラストマーは、エステル基および/またはウレタン基を介して互いに連結される、高融点ポリエステルのエステル単位のブロックと低融点ポリエステルのエステル単位のブロックを含有する。ウレタン基を含有するコポリエステルエステルエラストマーは、溶融相の異なるポリエステルを反応させることによって製造することができ、その後、得られたコポリエステルエステルをジフェニルメチレンジイソシアネートなどの低分子量ポリイソシアネートと反応させる。
コポリカーボネートエステルエラストマーは、a)芳香族または半芳香族ポリエステルのブロックからなる硬質セグメント、およびb)ポリカーボネート含有ポリマー成分のブロックからなる軟質セグメントを含有するブロックコポリマーである。適切には、コポリカーボネートエステルエラストマーは、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールから誘導される反復単位で構成される硬質ポリエステルセグメント、脂肪族カーボネートの反復単位で構成される軟質セグメント、および/または脂肪族カーボネートおよび脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸またはラクトン、およびこれらの組み合わせのランダムに分布された反復単位で構成される軟質セグメントで作られており、硬質セグメントおよび軟質セグメントは、ウレタン基で連結され得る。これらのエラストマーおよびその製造は、例えば欧州特許第0846712号明細書に記述されている。
コポリエーテルエステルエラストマーが、これらの組成物における好ましい熱可塑性ポリエステルであり、エステル結合によって頭−尾結合された、複数の反復長鎖エステル単位と短鎖エステル単位を有する。長鎖エステル単位は式(A):
によって表される。
短鎖エステル単位は式(B):
によって表される。Gは、数平均分子量約400〜約6000、または好ましくは約400〜約3000を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールから末端ヒドロキシル基を除去した後に残る二価ラジカルであり;
Rは、分子量約300未満を有するジカルボン酸からカルボキシル基を除去した後に残る二価ラジカルであり;
Dは、分子量約250未満を有するジオールからヒドロキシル基を除去した後に残る二価ラジカルである。
Rは、分子量約300未満を有するジカルボン酸からカルボキシル基を除去した後に残る二価ラジカルであり;
Dは、分子量約250未満を有するジオールからヒドロキシル基を除去した後に残る二価ラジカルである。
本明細書で使用される、ポリマー鎖における単位に適用される「長鎖エステル単位」という用語は、長鎖グリコールとジカルボン酸との反応生成物を意味する。適切な長鎖グリコールは、末端(またはできる限り末端に近い)ヒドロキシル基を有し、かつ数平均分子量約400〜約6000、好ましくは約600〜約3000を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールである。好ましいポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、これらのアルキレンオキシドのコポリマーグリコール、およびエチレンオキシド−キャップ化ポリ(プロピレンオキシド)グリコールなどのブロックコポリマーが挙げられる。これらの2種類以上の混合物を使用することができる。
本明細書で使用される、コポリエーテルエステルのポリマー鎖における単位に適用される「短鎖エステル単位」という用語は、分子量約550未満を有する低分子量化合物またはポリマー鎖単位を意味する。これらの単位は、低分子量ジオールまたはジオールの混合物(分子量約250未満)をジカルボン酸と反応させて、上記の式(B)で表されるエステル単位を形成することによって生成される。反応して適切な短鎖エステル単位を形成する低分子量ジオール中に含まれるのは、非環式、脂環式および芳香族ジヒドロキシ化合物である。炭素原子約2〜15個を有するジオール、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、テトラメチレン、1,4−ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレンおよびデカメチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン等が好ましい。特に好ましいのは、炭素原子2〜8個を含有する脂肪族ジオールであり、さらに好ましいジオールは1,4−ブタンジオールである。使用することができるビスフェノールの中には、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、およびビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが含まれる。ジオールの等価なエステル形成誘導体も有用である。
本明細書で使用される、「ジオール」という用語は、上記の誘導体など、等価なエステル形成誘導体を包含する。しかしながら、分子量条件は、その誘導体ではなく、相当するジオールを意味する。
上記の長鎖グリコールおよび低分子量ジオールと反応してコポリエーテルエステルを生成することができるジカルボン酸は、低分子量の、つまり分子量約300未満を有する脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸である。本明細書で使用される「ジカルボン酸」という用語は、コポリエーテルエステルポリマーの形成におけるグリコールおよびジオールとの反応において実質的にジカルボン酸と同様に機能する、カルボキシル官能基2個を有する、ジカルボン酸の機能的等価物を包含する。これらの等価物としては、エステルおよび酸ハロゲン化物および無水物などのエステル形成誘導体が挙げられる。分子量条件は、酸に関係し、その等価なエステルまたはエステル形成誘導体には関係しない。
したがって、相当する酸が分子量約300未満を有することを条件として、300を超える分子量を有するジカルボン酸のエステルまたは300を超える分子量を有するジカルボン酸の機能的等価物が含まれる。ジカルボン酸は、コポリエーテルエステルポリマーの形成を実質的に妨げないいずれかの置換基または組み合わせを含有し得る。
本明細書で使用される、「脂肪族ジカルボン酸」という用語は、各基が飽和炭素原子に結合している、カルボキシル基2個を有するカルボン酸を意味する。カルボキシル基が結合している炭素原子が飽和しており、環にある場合、その酸は脂環式である。共役不飽和を有する脂肪族または脂環式酸は、単独重合であることから、使用することができない場合が多い。しかしながら、マレイン酸などの一部の不飽和酸を使用することができる。
本明細書で使用される、「芳香族ジカルボン酸」という用語は、各基が炭素環式芳香族環構造における炭素原子に結合している、カルボキシル基2個を有するジカルボン酸を意味する。両方のカルボキシル官能基が同じ芳香族環に結合している必要はなく、2個以上の環が存在する場合、それらは、脂肪族または芳香族二価ラジカルあるいは−O−または−SO2−などの二価ラジカルによって結合され得る。使用することができる、代表的な有用な脂肪族および脂環式酸としては、セバシン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸;アジピン酸;グルタル酸;4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸;2−エチルスベリン酸;シクロペンタンジカルボン酸デカヒドロ−1,5−ナフチレンジカルボン酸;4,4’−ビシクロヘキシルジカルボン酸;デカヒドロ−2,6−ナフチレンジカルボン酸;4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル)カルボン酸;および3,4−フランジカルボン酸が挙げられる。好ましい酸はシクロヘキサンジカルボン酸およびアジピン酸である。
代表的な芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸;二安息香酸;ビス(p−カルボキシフェニル)メタンなどのベンゼン核2個を有する置換ジカルボキシ化合物;p−オキシ−1,5−ナフタレンジカルボン酸;2,6−ナフタレンジカルボン酸;2,7−ナフタレンジカルボン酸;4,4’−スルホニル二安息香酸およびC1〜C12アルキルおよびその環置換誘導体、例えばハロ、アルコキシ、およびアリール誘導体が挙げられる。芳香族ジカルボン酸も使用されることを条件として、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸などのヒドロキシ酸も使用することができる。
コポリエーテルエステルエラストマーの製造には、芳香族ジカルボン酸が好ましい。芳香族酸の中でも、炭素原子8〜16個を有する芳香族酸、特に単独で使用される、またはフタル酸および/またはイソフタル酸の混合物と共に使用される、テレフタル酸が好ましい。
コポリエーテルエステルエラストマーは、式(B)に相当する短鎖エステル単位を好ましくは15〜99重量%、さらに好ましくは20〜95重量%、またさらに好ましくは50〜90重量%含み、その残りは上記の式(A)に相当する長鎖エステル単位である。さらに好ましくは、上記の式(A)および(B)におけるRによって表される基の少なくとも約70%が1,4−フェニレンラジカルであり、上記の式(B)におけるDによって表される基の少なくとも約70%が1,4−ブチレンラジカルであり、1,4−フェニレンラジカルではないR基のパーセンテージと、1,4−ブチレンラジカルではないD基のパーセンテージとの合計は30%を超えない。第2ジカルボン酸を使用してコポリエーテルエステルを製造する場合、イソフタル酸が好ましい。第2低分子量ジオールが使用される場合、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、またはヘキサメチレングリコールが好ましい。
2種類以上のコポリエーテルエステルエラストマーの混合物が使用され得ることから、混合物中の各コポリエーテルエステルエラストマーの短鎖エステル単位の重量%は、本明細書に開示される値以内にある必要はない。むしろ、上記に開示される値以内になければならないのは、エラストマー混合物の短鎖エステル単位の総重量%であり、加重平均として計算される。例えば、等しい量の2種類のコポリエーテルエステルエラストマーを含有する混合物において、加重平均45重量%の短鎖エステル単位については、一方のコポリエーテルエステルエラストマーは短鎖エステル単位を60重量%含有することができ、もう一方の樹脂は、短鎖エステル単位を30重量%含有することができる。
好ましくは、コポリエーテルエステルエラストマーは、テレフタル酸および/またはイソフタル酸、1,4−ブタンジオールおよびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールまたはポリ(トリメチレンエーテル)グリコールまたはエチレンオキシドキャップ化ポリプロピレンオキシドグリコールのエステルまたはエステルの混合物から製造され、あるいはテレフタル酸、例えばジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオールおよびポリ(エチレンオキシド)グリコールのエステルから製造される。さらに好ましくは、コポリエーテルエステルは、テレフタル酸、例えばジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオールおよびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールのエステルから製造される。
好ましくは、ポリエステル樹脂は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6−ナフトエート)(PEN)、およびポリ(1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)(PCT)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)およびそのコポリマーおよび混合物から選択される。さらに好ましくは、ポリエステル樹脂は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)(PCT)、およびそのコポリマーおよびブレンドである。ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)およびそのコポリマーおよびブレンドが、またさらに好ましい。適切なコポリエーテルエステルエラストマーの例は、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delawareから商標Hytrel(登録商標)で市販されている。
金属塩の水溶液
本発明の方法に従ってポリエステルポリマーと溶融混合される金属塩の水溶液は、有機塩と無機塩のどちらも含む。適切な有機金属塩としては、限定されないが、炭酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、およびマレイン酸の金属塩が挙げられる。使用してもよい無機金属塩としては、限定されないが、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、臭化リチウム、塩化リチウム、およびヨウ化カリウムなどの金属塩が挙げられる。有機酸の塩が無機金属塩よりも好ましい。
本発明の方法に従ってポリエステルポリマーと溶融混合される金属塩の水溶液は、有機塩と無機塩のどちらも含む。適切な有機金属塩としては、限定されないが、炭酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、およびマレイン酸の金属塩が挙げられる。使用してもよい無機金属塩としては、限定されないが、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、臭化リチウム、塩化リチウム、およびヨウ化カリウムなどの金属塩が挙げられる。有機酸の塩が無機金属塩よりも好ましい。
好ましくは、有機または無機金属塩は、分子量500未満、好ましくは300未満、さらに好ましくは250未満、最も好ましくは200未満を有する。
本発明の実施において有用な金属塩を形成するために使用することができるカチオンは第1A族アルカリ金属カチオンである。第1A族一価カチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムであり、リチウム、ナトリウムおよびカリウムが好ましい。ナトリウムおよびカリウムがさらに好ましく、ナトリウムが最も好ましいカチオンである。二価カチオンは本発明の態様ではないが、混合された一価カチオン塩、例えばマレイン酸の混合塩が特定の実施形態において有用であり得る。本発明の有機一価金属塩の好ましい例としては、金属炭酸塩および金属酢酸塩、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明の一価金属塩としては、これらの塩の種々の含水化合物ならびに金属塩の無水形態が挙げられる。例えば、炭酸ナトリウムとは、公称式Na2CO3・xH2O(xはゼロ以上である)によって定義される塩を意味する。炭酸ナトリウムの例は、無水炭酸ナトリウム(Na2CO3・0H2O)、炭酸ナトリウム一水和物(Na2CO3・1H2O)、炭酸ナトリウム七水和物(Na2CO3・7H2O)、および炭酸ナトリウム十水和物(Na2CO3・10H2O)である。本発明の実施において有用な金属塩の分子量は、金属塩の無水形態(水ゼロモル)に基づく。
理論に束縛されることなく、ポリエステルとの溶融混合中、金属塩は、ポリエステルの酸末端基とのイオン交換反応に加わると考えられる。これによって酸末端基が酸性塩に変換され、金属塩のカチオンはポリエステル酸性塩のカチオンとなる。
ポリエステルの酸末端基と金属塩のイオン交換反応によって、化学化合物、例えば、本発明の方法によって生成されるポリエステル組成物の物理的性質に悪影響を及ぼし得る酸が生じる。これらの望ましくない化合物が溶融混合プロセス中に除去されるならば、それがより望ましいだろう。形成される望ましくない化合物の1つの種類は、金属塩のアニオンの共役酸であるだろう。共役酸の分子量が約500未満である場合には、その沸点は、溶融混合プロセス中または溶融混合プロセス後にポリエステル組成物から共役酸を除去することができるには十分に低い。ポリエステルの物理的性質に有害な影響を及ぼす可能性のある溶融混合工程中に生成される他の化合物にも同じことが当てはまる。かかる不純物の分子量が約500未満である場合には、一般に、溶融混合プロセス中または後にそれらを除去することができる。
したがって、本発明の実施において有用である適切な金属塩は、約300℃未満、好ましくは250℃未満、さらに好ましくは200℃未満の沸点を有する共役酸の塩であるだろう。例えば、酢酸、プロピオン酸、炭酸、安息香酸、リン酸、塩酸、ヨウ化水素、臭化水素、ヨウ素、塩素、および硫酸の沸点は200℃未満である。したがって、脂肪酸の金属塩の水溶液の使用は本発明の態様ではない。
本発明において有用な金属塩のアニオンは好ましくは、炭酸塩または酢酸塩などの低分子量アニオンである。そのアニオンは、分子量500未満を有する、中性(つまり、イオン化されていない)化合物、一般にアニオンの共役酸を形成することができなければならない。かかる酸の例としては、例えば、酢酸アニオンの共役酸である酢酸、および炭酸アニオンの共役酸である炭酸が挙げられる。本発明の溶融混合プロセス中に形成される中性化合物は好ましくは、成形用ポリエステル組成物の単離後よりもむしろ、本発明の溶融混合プロセ工程中にポリエステル組成物から除去される。例えば、酢酸ナトリウムが使用される実施形態において、酢酸ナトリウムの一部が溶融混合プロセス中に反応し、酢酸が形成するが、溶融混合中にポリエステル組成物から除去するのに十分に揮発性である。炭酸ナトリウムが反応して炭酸が形成し得るが、溶融混合中にCO2と水に分解する。そのCO2と水は溶融混合工程中に容易に除去することができる。
本発明の実施において有用な金属塩のアニオンの分子量は、500以下、好ましくは300未満、さらに好ましくは200未満、またさらに好ましくは150未満、最も好ましくは100未満である。
溶融混合プロセス工程中に金属塩のアニオンから生成される中性化合物(つまり、金属塩以外)は、その分子量が低いため、本発明の方法の溶融混合工程中にポリマー溶融物から容易に除去されるのに十分に低い沸点または蒸気圧を有する。単離後に得られる成形用ポリエステル組成物は、低濃度の中性化合物を含む。好ましくは、これらの望ましくない中性化合物の除去の程度は、本発明の方法によって生成される単離ポリエステル組成物中の中性化合物の濃度が、成形用ポリエステル組成物を含むすべての成分の全重量に対して、ポリエステル組成物の10重量%未満、好ましくは1重量%未満となるような程度である。
本発明において有用な金属塩のアニオンは炭素を含有してもよいし、しなくてもよい。アニオンが炭素原子を含有する場合、アニオンは6個以下の炭素原子を含有することが好ましい。アニオンが脂肪族である場合には、さらに好ましくは、アニオンは、炭素原子5個以下、またさらに好ましくは炭素原子4個以下、最も好ましくは炭素原子3個以下を含有するだろう。アニオンが芳香族官能基を含有する場合、炭素原子の数は、好ましくは9個未満、さらに好ましくは炭素原子8個未満である。炭素原子を含有するアニオンの非制限的な例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、炭酸および安息香酸アニオンが挙げられる。無機アニオンとしては、リン酸、臭化物、塩化物、フッ化物、ヨウ化物、硝酸、およびヒドロキシルアニオン、およびその誘導体(例えばリン酸水素)が挙げられる。好ましくは、金属塩はC1〜C3カルボン酸の塩である。好ましい有機アニオンは炭酸および酢酸アニオンである。
脂肪酸、つまりC12〜C30脂肪酸(例えば、ステアリン酸)をベースとする金属塩の共役酸は、本発明の方法の溶融混合工程中に除去するには高すぎる沸点を有する。かかる酸の金属塩を使用して、本発明の方法においてポリエステルと溶融混合される水溶液を形成した場合、得られるポリエステルは、ポリマー物理的性質に悪影響を及ぼし得る濃度で脂肪酸残基を含有すると考えられ、それは望ましくない。
本発明の水溶液の調製において有用な金属塩の非制限的な例としては、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、ギ酸ナトリウム、およびギ酸カリウムが挙げられる。ナトリウムまたはカリウムカチオンを含む金属塩が好ましい。
本発明の方法に従って、上記で定義される金属塩の水溶液をポリエステルポリマーと溶融混合する。ポリエステルポリマーと固体状態の金属塩との溶融混合は本発明の態様ではない。ポリエステルへの固体金属塩の添加はいくつかの不利点を有する。第一に、第1A族金属塩は一般に、塩が添加されるポリエステルの融点を超える融点を有する。その結果、溶融ポリエステルに分散された場合に固体塩は、固体状態のままであり、溶融しない。したがって、均一な分散液の調製は難しくなり得る。さらに、ポリエステルポリマーにわずか数重量パーセントの固体金属塩を添加すると、ポリエステルポリマーの粘度が非常に高いレベルに増加し、これらの粘性材料の加工が難しくなり、多大のエネルギーを消費する。
本発明の方法で使用される金属塩水溶液は、固体金属塩を水に完全に溶解することによって調製される。金属塩水溶液の調製に使用される方法は特に限定されない。当技術分野で公知の一般的な混合方法を用いて、固体塩を水に、または水を固体塩に添加することができる。水溶液中の金属塩の濃度は、塩と水の重量に対して約0.5〜80重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜80重量%、最も好ましくは20〜60重量%である。水中での金属塩の濃度は、溶融混合中に除去しなければならない水の量が最小限になるように、できる限り高いことが好ましい。一般に、水の温度が高くなるほど、水溶液に溶解することができる金属塩の量も多くなる。ポリエステル溶融物に添加される金属塩水溶液の温度は約30〜90℃、好ましくは40〜80℃であることが好ましい。
金属塩水溶液中の金属塩の濃度に応じて、溶融混合ポリエステル組成物から水を除去した後の、ポリエステル組成物中の金属塩の実際の濃度は、ポリエステルポリマーに添加される金属塩水溶液の量よりも少ない。例えば、金属塩水溶液100グラムが炭酸ナトリウム30重量%を含有し、ポリエステルポリマー100グラムに添加される場合、金属塩水溶液をポリエステルポリマーと溶融混合し、水を完全に除去した後の、ポリエステル組成物中の固体炭酸ナトリウムの濃度は、ポリエステル組成物130グラム中に30グラムまたは金属塩とポリエステルポリマーに対して23重量%となるだろう。
金属塩の水溶液は、本発明の方法によって1種または複数種のポリエステルポリマーと溶融混合され、成形用ポリエステル組成物が製造される。溶融混合中にポリエステル溶融組成物に添加される金属塩の水溶液の体積は、水溶液中の金属塩の濃度および単離成形用ポリエステル組成物中の金属塩の所望の濃度によって決定される。単離成形用ポリエステル組成物中の金属塩の濃度は、組成物から水を除去した後の、塩とポリエステルの全重量に対する、ポリエステル組成物中の金属塩の重量である。単離ポリマー組成物中の金属塩の濃度は、塩とポリエステルの全重量に対して約0.05〜20重量%、好ましくは0.15〜15重量%である。
成形用ポリエステル組成物の溶融混合および単離
本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物は溶融混合ブレンドであり、ポリマー成分のすべてが互いに十分に分散されており、非ポリマー成分のすべてがポリマー成分全体に十分に分散されて、均一な組成物が形成される。その溶融混合方法で、溶融混合プロセス中または後にポリエステル組成物から残留水を除去することができる限り、いずれかの溶融混合方法を用いて、本発明において有用なポリマー成分と非ポリマー成分を合わせることができる。溶融混合作業中に残留水を除去することが好ましいが、ポリエステルポリマーおよび水性金属塩の冷却または単離後に残留水を除去してもよい。例えば、単離成形用ポリエステル組成物から残留水を除去する方法の1つは、ポリエステル組成物に減湿空気を適用することを含む。代替方法としては、残留水の一部を溶融混合作業中に除去してもよく、溶融混合作業が完了した後または溶融混合ブレンドの単離後、例えば押出機ダイを通って出た後に、残りを除去してもよい。かかる作業は、当業者の知識の範囲内である。
本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物は溶融混合ブレンドであり、ポリマー成分のすべてが互いに十分に分散されており、非ポリマー成分のすべてがポリマー成分全体に十分に分散されて、均一な組成物が形成される。その溶融混合方法で、溶融混合プロセス中または後にポリエステル組成物から残留水を除去することができる限り、いずれかの溶融混合方法を用いて、本発明において有用なポリマー成分と非ポリマー成分を合わせることができる。溶融混合作業中に残留水を除去することが好ましいが、ポリエステルポリマーおよび水性金属塩の冷却または単離後に残留水を除去してもよい。例えば、単離成形用ポリエステル組成物から残留水を除去する方法の1つは、ポリエステル組成物に減湿空気を適用することを含む。代替方法としては、残留水の一部を溶融混合作業中に除去してもよく、溶融混合作業が完了した後または溶融混合ブレンドの単離後、例えば押出機ダイを通って出た後に、残りを除去してもよい。かかる作業は、当業者の知識の範囲内である。
好ましくは、本発明の方法の溶融混合工程が完了した後、ポリエステル組成物中に存在する残留水の量は、5重量%未満、さらに好ましくは2重量%未満、最も好ましくは1重量%未満であり、その重量%は、塩とポリエステルの全重量に対する%である。
特定の実施形態において、ポリエステルポリマー、金属塩水溶液、および任意の成分が、一軸または二軸スクリュー押出機;ブレンダー;一軸または二軸スクリューニーダー;またはバンバリーミキサーなどの溶融混合機に、単一工程の添加によって同時に、または段階的に添加され、次いで溶融混合される。ポリエステルポリマーおよび金属塩溶液を段階的に添加する場合、ポリエステルポリマーおよび/または金属塩溶液の一部を最初の操作で混合装置に添加し、次いで溶融混合し、残りのポリエステルポリマーおよび金属塩溶液は続いて添加される。十分に混合された均一な組成物が得られるまで、得られる組成物をさらに溶融混合する。均一な組成物は、材料全体に均一な組成を有する組成物である。言い換えると、均一な組成物は、その組成物のあらゆる部分または一部が組成物の他のあらゆる部分または一部と同じ組成を有する組成物である。成形用ポリエステル組成物を形成する溶融混合デバイスとして、好ましくは押出機、さらに好ましくは二軸スクリュー押出機が使用される。押出機は、ガス抜き口、さらに好ましくは真空ガス抜き口、またはポリエステル組成物から残留水を除去するための他の手段を備える。
本発明の溶融混合プロセスを用いた場合、ポリエステル組成物のメルトフローレート(MFR)が、等しい塩レベルで固体金属塩をポリエステルポリマーと溶融混合することによって製造されたポリエステル組成物のMFRに対して少なくとも15%低減された、ポリエステル組成物が得られる。固形ベースでの塩レベルがポリエステル組成物に対して約0.5〜約20%、好ましくは約0.6〜約15重量%、さらに好ましくは0.6〜10重量%に等しい場合に、MFRのこの15%の減少が確認される。パーセンテージは、ポリエステル組成物中のポリエステルと金属塩の全重量(つまり、固形ベースでの)に対する%である。MFRの減少は(より低い数値)はポリエステル組成物の溶融粘度の増加を表す。押出機または吹込み成形ダイを出た後、冷却前、溶融ポリマーがその形を維持しなければならない押出し成形および吹込み成形中には、増加した(つまり、より高い)溶融粘度が好ましい。粘度が低すぎる(より高い数値)である場合には、冷却し、その成形形状に硬化する前に、押出された成形ポリマーが垂れるか、または変形し得る。
理論に束縛されることなく、金属塩水溶液中の水が金属塩に対して担体として作用し、ポリエステルポリマーに金属塩がより簡単かつ均一に分散することを可能にし、固体金属塩の添加と比較して、より高い添加レベルで金属塩をポリエステルポリマーに組み込むことが可能になると考えられる。
金属塩の水溶液を使用して、本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率(23℃)は、塩のレベルが、ポリエステルと塩の重量に対して約3重量%以上〜約20重量%(固形分)、つまり3〜20重量%である場合に、等しい塩レベルで固体金属塩を使用して製造されたポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率よりも優れている。好ましくは、本発明の方法によって製造されたポリエステル組成物中の金属塩の量は、塩とポリエステルの重量に対して約3重量%以上〜約15重量%、最も好ましくは塩とポリエステルの重量に対して約4〜約12重量%である。固体金属塩をポリエステル溶融物に添加することによって製造される組成物と比較される、本発明の方法によって製造される組成物のDMA貯蔵弾性率の向上は、本発明の方法によって製造される特定の組成物を特徴付ける特性である。同じ固体金属塩(つまり、水溶液としてではなく固体としてポリエステルに添加される)を用いて、等しい塩添加レベル(固形分)にて(つまり、塩+ポリエステルの重量は同じである)製造されたポリエステル組成物は、本発明のポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率の向上を達成しない。ポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率値のかかる比較は、比較されるポリエステル組成物中の等しいレベルの同じ金属塩に基づく。つまり、例えば、水溶液中で使用される金属塩が酢酸ナトリウムである場合、比較のために、酢酸ナトリウムは固体金属塩として使用される。固体金属塩を使用した溶融混合によって製造されるポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率の向上と比較して、本発明の方法を用いて溶融混合によって製造されるポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率の向上(より高い数値)は、少なくとも10%高い。そのパーセンテージの向上は、金属塩を含有しないポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率に対するものである。
DMA貯蔵弾性率はポリマー剛性に関連する。DMA貯蔵弾性率の数値が高いほど、ポリマーを使用する間の荷重下でのエネルギーを保存する能力が優れている。意外なことに、溶融混合プロセス中の金属塩水溶液の添加によって付与されるDMA貯蔵弾性率およびメルトフローレートの向上は、その基質コポリエーテルエステルがショアD硬度値40D未満、例えばショアD硬度30Dを有する組成物には及ばないことが判明している。固体金属塩がポリエーテルエステルとブレンドされる先行技術の方法では、この作用は開示または予測されていない。
特定の実施形態において、ポリエステルポリマーと溶融混合される塩が水溶液の状態である、本発明の方法によって製造される成形用ポリエステル組成物の光透過率は、等しいレベルの固体金属塩とポリエステルポリマーを溶融混合することによって製造されるポリエステル組成物の光透過率よりも優れている。つまり、成形用ポリエステル組成物中の塩の重量が、ポリエステルと塩の重量に対して約0.05重量%以上〜約10重量%である場合に、成形用組成物の光透過率が、ポリエステルと塩の重量に対して同一重量%の塩を有する同様な組成物であって、ポリエステルと溶融混合される時に塩が固体状態であり、かつポリエステルのショアD硬度が50D以上である組成物に対して有意に高められる。好ましくは、向上した光透過率が求められる実施形態におけるポリエステル組成物の金属塩の量は、約0.10重量%以上〜約8重量%、さらに好ましくは0.20〜5重量%であり、重量%は、金属塩とポリエステルの合計重量に対する%である。ポリエステルに固体金属塩を添加することによって製造される組成物と比較される、本発明の方法によって製造される組成物の光透過率の向上は、本発明の特定の実施形態で製造されるポリエステル組成物を特徴付ける更なる特性である。金属塩が水溶液状態ではなく固体状態で、等しい塩添加レベル(ポリエステルと塩の重量に対して)にてポリエステルに添加される溶融混合プロセスによって製造されるポリエステル組成物は、本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物の上述の実施形態を特徴付ける光透過率の向上を達成しない。ポリエステル組成物の光透過率値のかかる比較は、比較されるポリエステル組成物中の等しいレベルの金属塩に基づく。本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物の光透過率の向上(高い数値)は、ポリエステル中の金属塩の濃度が0.05〜約10重量%であり、かつポリエステルがショアD硬度約50D以上を有する場合に、溶融混合されるポリマーに金属塩が固体として添加されるプロセスによって製造されるポリエステル組成物の光透過率の向上よりも、少なくとも20%高い。
ポリエステル組成物を製造するために、本発明の方法で使用されるポリエステルがショアD硬度約45D以上を有する場合、金属塩なしのポリエステル組成物に対してポリエステル組成物の光透過率は、ポリエステル組成物中の金属塩の濃度が固形ベースで約0.15重量%を超え、約10重量%までである場合に、向上する。
固形ベースでの同一塩の等しい添加レベルにて(つまり、ポリエステル組成物中の塩の重量%が、水の非存在下での塩+ポリエステルの重量に対して同じである)、本発明と同様な金属塩水溶液ではなく、固体金属塩とポリエステルポリマーを溶融混合することによって、ポリエステルポリマー/金属塩のブレンドが調製される場合には、ブレンドは通常、本発明のポリエステル組成物の高い曲げ弾性率値を示さない。一般に、固体金属塩が添加される同一組成物と比較して、約4重量%を超え約15重量%までの金属塩濃度(固形ベース)で金属塩が水溶液として添加される場合、少なくとも10%の曲げ弾性率値の向上が得られるだろう。パーセンテージは、ポリエステルと金属塩の合計重量に対するパーセンテージ(固形ベース)である。
さらに、特定の実施形態において、本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物は、本発明の方法によって添加される金属塩を含有しないポリエステル組成物のガラス転移温度に対して約5℃までのガラス転移温度の低下を示し得る。その結果、本発明の方法によって製造される溶融混合組成物は硬いが、低温可撓性が犠牲にされない。結果として、かかる組成物は、低温への曝露が想定される多くの用途に特に適している。
本明細書に記載の溶融混合組成物はさらに、1種または複数種の熱安定剤、酸化防止剤、充填剤およびポリエステルに通常使用される他の添加剤を含んでもよい。適切な熱安定剤および酸化防止剤の例としては、ジフェニルアミン、アミド、チオエステル、フェノール系酸化防止剤、および亜リン酸エステルが挙げられる。使用する場合、熱安定剤または酸化防止剤が、ポリエステルと金属塩の合計の全重量に対して、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%または約2重量%の量で組成物中に存在する。
特定の場合において、本明細書に記載の溶融混合組成物を使用して、物品の製造に使用される組成物を使用してもよく、脂肪酸の1種または複数種の塩を組み込むのに有用である。これは、最終用途において、例えばプラスチック製ギヤなどの摩擦部品の製造においてかかる化合物がポリエステルの物理的性質に悪影響を及ぼさないといった場合であるだろう。脂肪酸塩が添加される場合には、溶融混合ポリエステル/金属塩ブレンドから残留水を除去した後に製造時のある時点で添加される。これは固体ポリマーの単離後であってもよい。脂肪酸は、炭素原子約12〜約80個を含有するアルキル基の鎖を含み、かつ末端メチル基および末端カルボキシル基を有する。脂肪酸は飽和、不飽和または多価不飽和脂肪酸であることができる。適切な脂肪酸の塩の例としては、限定されないが、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、およびメリシン酸の塩が挙げられ、ステアリン酸の塩およびモンタン酸の塩が好ましい。脂肪酸の1種または複数種の塩は、好ましくは脂肪酸のナトリウム塩またはカルシウム塩である。使用する場合、脂肪酸のその1種または複数種の塩は、溶融混合組成物の全重量に対して0.1〜10重量%である。
更なる添加剤としては、以下の成分:潤滑剤、UV光安定剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤および補強剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤、粘度調整剤、核剤およびポリマー配合分野で公知の他の加工助剤のうちの1つまたは複数ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。使用する場合、更なる添加剤は一般に、溶融混合組成物の全重量に対して約0.1〜約50重量%の量で存在する。
本明細書に記載の添加剤は、これらの量および当技術分野で公知の物理的形状で、例えば、粒子の寸法の少なくとも1つが1〜1000nmの範囲にある、いわゆるナノ材料の形状で存在し得る。
本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物は、自動車用のエアバッグ展開ドア、自動車用窓のモーターに使用されるプラスチック製ギア、フロントガラスのワイパー用モーター、座席調節装置用モーター、または他の自動車電気モーター、ならびにレールパッド、および上下動バンパー(jounce bumper)などの多種多様な物品の製造に有用である。組成物は、水圧ホース用途における構成材料としても有用である。
したがって、本明細書に記載の溶融混合組成物を造形する工程を含む、物品を製造する方法も本明細書に記述される。本明細書で使用される、「造形」という用語は、物品に形を付与し、かつ押出し成形、押出しコーティング、射出成形、圧縮成形または吹込み成形を含む技術を意味する。好ましくは、造形は、好ましい吹込み成形、プロファイル押出し成形および波形押出し成形などの溶融押出し成形プロセスを用いて行われる。
プロファイル押出し成形および波形押出し成形は、任意の長さの中空プラスチック製物品を製造する従来の技術である。どちらにおいても、ピンと押出し成形ヘッドのダイとの間のギャップを通して厚い成形可能な状態で押出される。
プロファイル押出し成形において、長い縦長さにわたって同じ断面を有する中空物品が製造される。ピンおよびダイは、目的の断面が形成されるような形をしている。例えば、同心円形ピンとダイとの間の環状ダイギャップを用いて、管およびパイプが製造される。ダイアセンブリを出た後、溶融物はエアギャップを通してより薄い断面に延伸され、次いで冷却され、その形が維持され、凝固すると、押出し成形中空体が得られる。
したがって、上述のように、本明細書に記載の方法によって製造されるポリエステル組成物は、特に吹込み成形、射出成形、圧縮成形、または当業者に公知の他の成形法によって、造形物品を成形するために有利に使用され得る。ポリエステル組成物を使用することによって、溶融混合プロセスで塩水溶液を使用することによって、向上したメルトレオロジーが付与されるため、成形作業がより効率的となる。本明細書に記載の方法によって製造されるポリエステル組成物の使用は、自動車用エアバッグ展開ドア、プラスチック製ギア、レールパッド、上下動バンパー、CVJブーツおよび水圧ホース等の成形物品に特に適合される。
本発明はさらに、以下の実施例によって説明され、別段の指定がない限り、すべての部は重量による。
使用される材料
以下に記載の材料を用いて、実施例(E1〜E19)および比較例(C1〜C18)の組成物を製造した。比較例組成物C1、C4、C6およびC7はポリエステルエラストマーのみ含有し、対照組成物である。
PE−1:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)3078コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点177℃(ISO11357−1/−3)、メルトフローレート(190℃,2.16kg)5.0g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度30Dを有する、非常に低い弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−2:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)4556コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点193℃(ISO11357−1/−3)、メルトフローレート(230℃,2.16kg)21g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度45Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−3:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)5556コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点203℃(ISO11357−1/−3)、メルトフローレート(230℃,2.16kg)8.1g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度55Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−4:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)6356コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点211℃(ISO11359−1/−2)、メルトフローレート(230℃,2.16kg(ISO1133))9g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度63Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−5:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)6386コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点211℃(ISO11359−1/−2)、メルトフローレート(230℃,2.16kg(ISO1133))1.4g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度63Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
Mallinckrodt Baker Inc.から入手可能な炭酸ナトリウム
Sigma−Aldrich Co.から市販されている酢酸ナトリウム
Mallinckrodt Baker Inc.から市販されている重炭酸ナトリウム
Sigma−Aldrich Co.から市販されている炭酸カリウム
Sigma−Aldrich Co.から市販されている酢酸亜鉛
イオノマー:エチレンの共重合単位と11重量%のメタクリル酸を含むコポリマーであって、その利用可能なカルボン酸部位の約58%がナトリウムカチオンで中和されている、コポリマー。実施例で使用されるすべての金属塩が無水形である。
以下に記載の材料を用いて、実施例(E1〜E19)および比較例(C1〜C18)の組成物を製造した。比較例組成物C1、C4、C6およびC7はポリエステルエラストマーのみ含有し、対照組成物である。
PE−1:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)3078コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点177℃(ISO11357−1/−3)、メルトフローレート(190℃,2.16kg)5.0g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度30Dを有する、非常に低い弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−2:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)4556コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点193℃(ISO11357−1/−3)、メルトフローレート(230℃,2.16kg)21g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度45Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−3:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)5556コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点203℃(ISO11357−1/−3)、メルトフローレート(230℃,2.16kg)8.1g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度55Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−4:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)6356コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点211℃(ISO11359−1/−2)、メルトフローレート(230℃,2.16kg(ISO1133))9g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度63Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
PE−5:E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウエア州ウィルミントン)からHytrel(登録商標)6386コポリエーテルエステルエラストマーとして入手可能な、融点211℃(ISO11359−1/−2)、メルトフローレート(230℃,2.16kg(ISO1133))1.4g/10分および公称ショアDデュロメータ硬度63Dを有する、中程度の弾性率の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
Mallinckrodt Baker Inc.から入手可能な炭酸ナトリウム
Sigma−Aldrich Co.から市販されている酢酸ナトリウム
Mallinckrodt Baker Inc.から市販されている重炭酸ナトリウム
Sigma−Aldrich Co.から市販されている炭酸カリウム
Sigma−Aldrich Co.から市販されている酢酸亜鉛
イオノマー:エチレンの共重合単位と11重量%のメタクリル酸を含むコポリマーであって、その利用可能なカルボン酸部位の約58%がナトリウムカチオンで中和されている、コポリマー。実施例で使用されるすべての金属塩が無水形である。
実施例で使用される金属塩の水溶液は、水に金属塩を完全に溶解して調製された。固体金属塩をガラス容器内で脱イオン水に添加し、金属塩が水に完全に溶解し、透明な溶液が得られるまで、溶液を攪拌した。
酢酸ナトリウム33.3グラムを水100グラムに完全に溶解して、酢酸ナトリウムの水溶液を調製した。炭酸ナトリウム25グラムを水100グラムに完全に溶解して、炭酸ナトリウムの水溶液Aを調製した。炭酸ナトリウム5.26グラムを水100グラムに完全に溶解して、炭酸ナトリウムの水溶液Bを調製した。炭酸カリウム75グラムを水100グラムに完全に溶解して、炭酸カリウムの水溶液を調製した。酢酸亜鉛33.3グラムを水100グラムに完全に溶解して、酢酸亜鉛の水溶液を調製した。表1〜7における実施例に、これらの水溶液を使用した。
本発明のポリエステル組成物中の固形ベースの金属塩の量は、水溶液に溶解された塩の量から計算された。表1において、実施例E1は、ポリエステルポリマーに添加された炭酸カリウム水溶液10重量%を有する。炭酸カリウム水溶液10グラムが固形ベースで塩4.29グラムを含有することから(75g/175g=水溶液中で炭酸カリウム42.9重量%)、ポリエステルポリマーに添加される金属塩の固形ベースでの重量%は4.29である。最終成形用ポリエステル組成物中の金属塩の重量%は、ポリエステルと金属塩の重量に対する%である。E1については、成形用ポリエステル組成物中の金属塩の重量%は、金属塩とポリエステルポリマーの重量に対して4.29/(90+4.29)または4.55重量%であり、MPC(成形用ポリエステル組成物)中の塩(重量%)として示される。
表1〜7の組成物に関して記載の材料は、別段の指定がない限りグラムで示される。
試料の作製
溶融混合手順
表1〜4に示す成分を30mm二軸スクリュー押出機で溶融混合することによって、実施例E1〜E19および比較例C6〜18の組成物を製造した。押出機はバレルに真空ガス抜き口を備えた。バレル温度が約250℃に設定されるような条件下でコポリエステル熱可塑性エラストマーを含む組成物を押出機で製造した。押出機をスクリュー回転数約250rpmで操作した場合に、これによってポリマー溶融物が得られた。ポリマー溶融物に添加する前に、金属塩水溶液を約50℃に加熱した。
溶融混合手順
表1〜4に示す成分を30mm二軸スクリュー押出機で溶融混合することによって、実施例E1〜E19および比較例C6〜18の組成物を製造した。押出機はバレルに真空ガス抜き口を備えた。バレル温度が約250℃に設定されるような条件下でコポリエステル熱可塑性エラストマーを含む組成物を押出機で製造した。押出機をスクリュー回転数約250rpmで操作した場合に、これによってポリマー溶融物が得られた。ポリマー溶融物に添加する前に、金属塩水溶液を約50℃に加熱した。
第1バレルの供給口を通して、すべての固体成分を導入し、第5バレルの注入口を通して、金属塩水溶液を注入した。組成物がダイを出る時、手持ち式プローブで測定された樹脂組成物の溶融温度は約265℃であった。押出機を出ると、コンパウンドされた混合物はレースまたはストランド状で押出され、それを冷却し、顆粒に切断し、次いで吸湿を防ぐために、密閉アルミニウム製バッグに入れた。表1に示す成分量は、溶融混合が行われる前の成分の全重量に対して重量%で示される。
押出機のバレル温度が約260℃であったことを除いては、上述の同じ溶融混合法を用いて、表5および表6で示される成分を溶融混合することによって、実施例E20〜E36および比較例C19〜C26の組成物を製造した。
試験手順
メルトフローレート(MFR)
国際標準ISO1133の方法に従って、Tinius Olsen Material Testing Machine Companyから市販のExtrusion Plastometer MP987を使用して、ペレットでメルトフローレートを測定した。PE1を含有する実施例および比較例を除いて、すべての実施例および比較例のMFRを230℃にて荷重2.16kg下で測定した。1つの成分としてPE1を含有するすべての実施例および比較例に対して、荷重2.16kg下で190℃の温度を用いた。
メルトフローレート(MFR)
国際標準ISO1133の方法に従って、Tinius Olsen Material Testing Machine Companyから市販のExtrusion Plastometer MP987を使用して、ペレットでメルトフローレートを測定した。PE1を含有する実施例および比較例を除いて、すべての実施例および比較例のMFRを230℃にて荷重2.16kg下で測定した。1つの成分としてPE1を含有するすべての実施例および比較例に対して、荷重2.16kg下で190℃の温度を用いた。
メルトフローレートを決定する前に、窒素パージを用いて真空下にて80℃で、顆粒を12時間乾燥させた。表1〜3は、2つの試料試験片から得られたMFR平均値を表す。MFRの値は、グラム/10分で報告される。メルトフローレートは一般に、メルトフローインデックスとも呼ばれる。
曲げ弾性率
ISO178に従って、曲げ弾性率を決定した。
ISO178に従って、曲げ弾性率を決定した。
DMA貯蔵弾性率
DMA貯蔵弾性率を射出成形試験片で決定した。試験片金型キャビティの寸法は、135.35mm(長さ)、12.89mm(幅)および3.23mm(深さ)であった。金型温度は45〜55℃に維持した。組成物の成形溶融温度は245〜265℃の範囲であった。射出成形後に、試験片を長さ60mmに切断した。DMAの測定はTA Instruments model DMA Q800装置を使用して、ISO6721−5に従って行った。35mmデュアルカンチレバークランプ上で試験片をクランプし、中心と末端クランプとの距離17.5mmを得た。1〜20Hzの範囲から選択される振動数を用いて、−145℃〜+170℃の温度範囲にわたって、上昇速度2.0℃/分にて貯蔵弾性率の測定値を決定した。23℃での貯蔵弾性率(E’23)および100℃での貯蔵弾性率(E’100)を決定した。貯蔵弾性率の保持率%は、E’100/E’23比×100を使用して計算することができる。
DMA貯蔵弾性率を射出成形試験片で決定した。試験片金型キャビティの寸法は、135.35mm(長さ)、12.89mm(幅)および3.23mm(深さ)であった。金型温度は45〜55℃に維持した。組成物の成形溶融温度は245〜265℃の範囲であった。射出成形後に、試験片を長さ60mmに切断した。DMAの測定はTA Instruments model DMA Q800装置を使用して、ISO6721−5に従って行った。35mmデュアルカンチレバークランプ上で試験片をクランプし、中心と末端クランプとの距離17.5mmを得た。1〜20Hzの範囲から選択される振動数を用いて、−145℃〜+170℃の温度範囲にわたって、上昇速度2.0℃/分にて貯蔵弾性率の測定値を決定した。23℃での貯蔵弾性率(E’23)および100℃での貯蔵弾性率(E’100)を決定した。貯蔵弾性率の保持率%は、E’100/E’23比×100を使用して計算することができる。
ショアD硬度
ISO868に従って、ショアD硬度を測定した。
ISO868に従って、ショアD硬度を測定した。
平均光透過率
射出成形試験プラークを試験して、平均光透過率を決定した。試験プラークは、30mm二軸スクリュー押出機およびキャビティ公称寸法76.2mm(長さ)×76.2mm(幅)×1.59mm±0.025mm(厚さ)を有する金型を使用して、上述の溶融混合法によって製造された射出成形ペレットによって作製した。金型温度を45〜55℃に維持した。組成物の成形溶融温度は、220〜250℃の範囲であった。
射出成形試験プラークを試験して、平均光透過率を決定した。試験プラークは、30mm二軸スクリュー押出機およびキャビティ公称寸法76.2mm(長さ)×76.2mm(幅)×1.59mm±0.025mm(厚さ)を有する金型を使用して、上述の溶融混合法によって製造された射出成形ペレットによって作製した。金型温度を45〜55℃に維持した。組成物の成形溶融温度は、220〜250℃の範囲であった。
GretagMacbeth Corporation(米国ニューヨーク州ニューウィンザー)から市販のGretagMacbeth Color−Eye(登録商標)7000A分光光度計を使用して、修正されたASTM D1003B法に従って、試験プラークの平均光透過率を測定した。試験プラークの光透過率を試験するために使用される光の波長は、10nm間隔で360nm〜750nmの範囲であった。したがって、光透過率の測定は、360nm、370nm、380nmにて、750nmまで行われた。分光光度計によって、各波長での総透過率、例えば360nmで10%、370nmで12%、380nmにて15%、750nmまでが測定される。各波長での透過率パーセントが分光光度計によって測定され、各試験プラークに対して40測定値またはデータポイントが得られた。次いで、40測定値を平均し、表1〜6に示す平均透過率が得られた。
ガラス転移温度
DMA貯蔵弾性率測定に使用される寸法と同じ寸法の射出成形試験片でガラス転移温度(Tg)を決定した。動的機械分析を使用してISO法6721−5に従って、振動数1Hz、温度走査速度2℃/分にて、試験片の特性を測定した。ガラス転移点は、タンジェントデルタピークの頂点とみなされる。
DMA貯蔵弾性率測定に使用される寸法と同じ寸法の射出成形試験片でガラス転移温度(Tg)を決定した。動的機械分析を使用してISO法6721−5に従って、振動数1Hz、温度走査速度2℃/分にて、試験片の特性を測定した。ガラス転移点は、タンジェントデルタピークの頂点とみなされる。
実施例および比較例
表1〜7に示すデータは、上述の製造方法および試験法を用いて得られた。このデータから、a)本発明の方法によってポリエステル組成物に添加されている金属塩を含むポリエステル組成物(つまり、金属塩水溶液がポリエステルに添加される(実施例))をb)固体塩がポリエステル組成物に添加される、金属塩を含むポリエステル組成物(比較例)を比較することができる。実施例に関して、塩パーセント(固形ベース)は、ポリエステルポリマーに添加された金属塩の重量による量を表す。表に示されるMPC中の塩重量%は、水を除去した後およびポリエステルポリマーと金属塩の全重量(固形ベース)に対する、最終成形用ポリエステル組成物中の金属塩の重量%を表す。固体として添加された塩を含有する比較例については、塩パーセント(固形ベース)は、ポリエステル組成物に添加された固体または乾燥金属塩の重量%を表す。
表1〜7に示すデータは、上述の製造方法および試験法を用いて得られた。このデータから、a)本発明の方法によってポリエステル組成物に添加されている金属塩を含むポリエステル組成物(つまり、金属塩水溶液がポリエステルに添加される(実施例))をb)固体塩がポリエステル組成物に添加される、金属塩を含むポリエステル組成物(比較例)を比較することができる。実施例に関して、塩パーセント(固形ベース)は、ポリエステルポリマーに添加された金属塩の重量による量を表す。表に示されるMPC中の塩重量%は、水を除去した後およびポリエステルポリマーと金属塩の全重量(固形ベース)に対する、最終成形用ポリエステル組成物中の金属塩の重量%を表す。固体として添加された塩を含有する比較例については、塩パーセント(固形ベース)は、ポリエステル組成物に添加された固体または乾燥金属塩の重量%を表す。
実施例E1〜E19および比較例C1〜C18
実施例E1〜E2(表1)およびE9〜E19(表3および4)および比較例C4およびC8〜C18(表1、3および4)は、熱可塑性ポリエステルエラストマー成分としてPE3を含有する。C4組成物は、添加剤または塩の非存在下にてPE3を含有する。示されるデータから、本発明の方法を用いてポリエステル組成物に金属塩を添加することによって、ポリエステル組成物の少なくとも2つの物理的性質、具体的にはMFRおよびDMA貯蔵弾性率が改良されることが示されている。
実施例E1〜E2(表1)およびE9〜E19(表3および4)および比較例C4およびC8〜C18(表1、3および4)は、熱可塑性ポリエステルエラストマー成分としてPE3を含有する。C4組成物は、添加剤または塩の非存在下にてPE3を含有する。示されるデータから、本発明の方法を用いてポリエステル組成物に金属塩を添加することによって、ポリエステル組成物の少なくとも2つの物理的性質、具体的にはMFRおよびDMA貯蔵弾性率が改良されることが示されている。
この結果は、試験された試料に関して、固形ベースで塩が約3重量%以上〜約8重量%(つまり、塩+ポリエステルの全重量に対して)(E12〜E14(表3)およびE18〜E19(表4))にて、本発明のポリエステル組成物の貯蔵弾性率(23℃)が、固体状態でポリエステル組成物に溶融混合された等しい量の金属塩を含むポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率(C8〜C12(表3)およびC14〜C15(表4))よりも少なくとも10%高いことを示している。同様な効果がE12〜E13で確認される。向上%は、金属塩を含まない(つまり、ゼロ%)ポリエステル組成物のDMA貯蔵弾性率に対する%である。
表のデータは、固体塩の添加に対して金属塩水溶液の添加が、ポリエステル組成物のMFRに対して有する効果も例証する。例えば、表1のE4対C5、表3のE13対C9、表3のE14対C10、表4のE17対C13、表4のE18対C14および表4のE19対C15を参照のこと。
比較例C2およびC3(表1)は、ポリエステルのショアD硬度が約40D未満である場合に、ポリエステルに金属塩水溶液を添加することによって、たとえあるにしても、ポリエステル組成物の貯蔵弾性率および曲げ弾性率はほとんど向上しないことを例証している。水性金属塩が固形ベースで塩約4.3%にてポリエステルに添加された場合、ポリエステル組成物のMFRは減少するが、塩約8.5%では、実際のところMFRは増加する。
比較例C18(表4)は、二価金属塩水溶液をポリエステルPE−3に添加することによって製造される組成物の例である。固形ベースで添加される金属塩の量は約2.5重量%である。実施例E11(表3)は、水溶液中に添加された一価金属塩2.5重量%(固形ベース)を含有する。実施例E11組成物のMFRは、C18組成物よりもかなり低い。同じポリエステルおよび水溶液として添加される同じ量の塩がどちらの場合にも使用される。E11のDMA貯蔵弾性率は、C18組成物よりも10%を超えて高い。曲げ弾性率もまた、C18組成物と比較してE11組成物が優れている。E11とC18のわずかな差は、一価カチオン塩がE11組成物中に存在し、二価カチオン塩がC18組成物中に存在することである。E11およびC18中に存在する塩のアニオンは同じ(酢酸アニオン)である。これは、本発明の方法によるポリエステル組成物に一価金属カチオンを有するカルボン酸塩を添加すると、二価カチオンを有するカルボン酸塩を添加するよりも、ポリエステル組成物のMFR、DMA貯蔵弾性率および曲げ弾性率が大きく向上することを示している。
実施例E20〜E26および比較例C19〜C22
表5のデータから、ポリエステル+塩の重量に対して塩含有率0.13重量%を有する、本発明の方法によって製造されたポリエステル組成物の光透過率は、金属塩を含有しない同一ポリエステル組成物の光透過率よりも少なくとも46%高いことが例証されている(C19に対するE24)。実施例23の組成物(E23)は、比較例22(C22)組成物よりも282パーセント高い光透過率値を示す。C22では塩を固体としてポリエステルに添加したのに対して、E23では水溶液として添加したことを除いては、C22組成物は、E23組成物と同じポリエステル組成物から製造された。塩の重量%は、どちらの組成物に関しても、ポリエステル+塩の重量に対して同じであった。比較例C20およびC21から、ポリエステル+塩の重量に対して約0.15重量%未満のレベルで水溶液中の金属塩をポリエステル組成物に添加することによって、ポリエステルが約50D未満のショアD硬度を有する場合には、金属塩を含有しない対照C19と比較してポリエステル組成物の光透過率は向上しないことが分かる。実施例E20〜23およびE25〜E26から、ポリエステル+塩の重量に対して約0.15重量%を超え約1重量%までの金属塩レベルは、約45D以上のショアD硬度を有し、かつポリエステル+塩の重量に対して同レベルの金属塩を含むが、塩が固体金属塩としてポリエステルに添加されたポリエステル組成物と比べて、かなり高い光透過性を付与することが例証されている。
表5のデータから、ポリエステル+塩の重量に対して塩含有率0.13重量%を有する、本発明の方法によって製造されたポリエステル組成物の光透過率は、金属塩を含有しない同一ポリエステル組成物の光透過率よりも少なくとも46%高いことが例証されている(C19に対するE24)。実施例23の組成物(E23)は、比較例22(C22)組成物よりも282パーセント高い光透過率値を示す。C22では塩を固体としてポリエステルに添加したのに対して、E23では水溶液として添加したことを除いては、C22組成物は、E23組成物と同じポリエステル組成物から製造された。塩の重量%は、どちらの組成物に関しても、ポリエステル+塩の重量に対して同じであった。比較例C20およびC21から、ポリエステル+塩の重量に対して約0.15重量%未満のレベルで水溶液中の金属塩をポリエステル組成物に添加することによって、ポリエステルが約50D未満のショアD硬度を有する場合には、金属塩を含有しない対照C19と比較してポリエステル組成物の光透過率は向上しないことが分かる。実施例E20〜23およびE25〜E26から、ポリエステル+塩の重量に対して約0.15重量%を超え約1重量%までの金属塩レベルは、約45D以上のショアD硬度を有し、かつポリエステル+塩の重量に対して同レベルの金属塩を含むが、塩が固体金属塩としてポリエステルに添加されたポリエステル組成物と比べて、かなり高い光透過性を付与することが例証されている。
実施例E27〜E36および比較例C23〜C26
表6のデータからさらに、本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物の光透過率の向上が確認される。実施例E27〜E33から、金属塩が水溶液として添加され、金属塩がポリエステルにおいて固形ベースで少なくとも約0.1重量%の濃度である場合に、ポリエステル組成物の光透過率は、金属塩を含まない対照(C23)よりも少なくとも44%高いことが分かる。実施例E34〜E36は、対照(C24)に比べて、最低でも少なくとも52%の光透過率の向上を有する。比較例C25およびC26は、溶融混合プロセス中に固体として添加される塩を1重量%含む。実施例E27〜E29の塩濃度が、固形ベースでポリエステル+塩の重量に対してC25およびC26より低いにもかかわらず、C25およびC26の光透過率は、実施例E27〜E36よりも劣っている。
表6のデータからさらに、本発明の方法によって製造されるポリエステル組成物の光透過率の向上が確認される。実施例E27〜E33から、金属塩が水溶液として添加され、金属塩がポリエステルにおいて固形ベースで少なくとも約0.1重量%の濃度である場合に、ポリエステル組成物の光透過率は、金属塩を含まない対照(C23)よりも少なくとも44%高いことが分かる。実施例E34〜E36は、対照(C24)に比べて、最低でも少なくとも52%の光透過率の向上を有する。比較例C25およびC26は、溶融混合プロセス中に固体として添加される塩を1重量%含む。実施例E27〜E29の塩濃度が、固形ベースでポリエステル+塩の重量に対してC25およびC26より低いにもかかわらず、C25およびC26の光透過率は、実施例E27〜E36よりも劣っている。
実施例E37〜E40および比較例C27
表7のデータから、実施形態の光透過率の向上が示され、本発明の方法によって製造されるショアD硬度45を有するポリエステル組成物が、金属塩の非存在下での同一ポリエステル組成物と比較される。実施例E38〜E40の光透過率は、比較例C27よりも少なくとも89%高かった。実施例E37は、ポリエステル+塩の重量に対して金属塩含有率0.10重量%を有し、金属塩を含有しない比較例C27よりも25%低い光透過率を有する。表7のデータから、少なくとも0.5重量%の金属塩を水溶液としてポリエステルポリマーに溶融混合した場合に、ポリエステル組成物のMFRの減少も確認される。
表7のデータから、実施形態の光透過率の向上が示され、本発明の方法によって製造されるショアD硬度45を有するポリエステル組成物が、金属塩の非存在下での同一ポリエステル組成物と比較される。実施例E38〜E40の光透過率は、比較例C27よりも少なくとも89%高かった。実施例E37は、ポリエステル+塩の重量に対して金属塩含有率0.10重量%を有し、金属塩を含有しない比較例C27よりも25%低い光透過率を有する。表7のデータから、少なくとも0.5重量%の金属塩を水溶液としてポリエステルポリマーに溶融混合した場合に、ポリエステル組成物のMFRの減少も確認される。
Claims (18)
- A.1.ISO868に従って決定されるショアD硬度40D以上を有するポリエステル;および
2.分子量500以下を有する金属塩を含む少なくとも1種類の水溶液であって、i)前記金属塩が第1A族カチオンを含み、かつii)前記金属塩のアニオンの共役酸の沸点が300℃未満である、水溶液;
を含む組成物を溶融混合し、それによってポリエステル/金属塩混合物が形成される工程であって、前記金属塩が、前記金属塩と前記ポリエステルの合計重量に対して約0.05〜約20重量%の量で前記ポリエステル/金属塩混合物中に存在する工程と、
B.前記ポリエステル/金属塩混合物から水およびガスを除去して、成形用ポリエステル組成物が形成される工程と、
を含む、成形用ポリエステル組成物を形成する方法。 - 請求項1に記載の方法に従って製造される成形用ポリエステル組成物。
- 前記ポリエステルがショアD硬度50D以上を有し、かつ前記金属塩が、前記金属塩と前記ポリエステルの合計重量に対して約0.05〜約10重量%の量で前記ポリエステル/金属塩混合物中に存在する、請求項1に記載の方法に従って製造される成形用ポリエステル組成物。
- i)前記ポリエステル組成物の前記ポリエステル成分の平均光透過率よりも高く、かつii)請求項1に記載の方法に従って製造されるが、前記ポリエステル/金属塩混合物が、ポリエステルと固体金属塩を溶融混合することによって形成される、成形用ポリエステル組成物の平均光透過率よりも少なくとも20%高い、平均光透過率を有することを特徴とする、請求項3に記載の成形用ポリエステル組成物。
- 前記金属塩が、前記金属塩と前記ポリエステルの合計量に対して約0.5〜約20重量%の量で前記ポリエステル/金属塩混合物中に存在する、請求項1に記載の方法に従って製造される成形用ポリエステル組成物。
- i)同様な条件下にてISO1133に従って測定した場合に、前記ポリエステル組成物の前記ポリエステル成分のメルトフローレートよりも低く、かつii)請求項1に記載の方法に従って製造されるが、前記ポリエステル/金属塩混合物が、ポリエステルと固体状態である同一金属塩とを溶融混合することによって形成される、成形用ポリエステル組成物の、同様な条件下でISO1133に従って測定した場合のメルトフローレートよりも少なくとも15%低い、ISO1133に従って決定されるメルトフローレートを有することを特徴とする、請求項5に記載の方法に従って製造される成形用ポリエステル組成物。
- 前記金属塩が、前記金属塩と前記ポリエステルの合計量に対して約3.0〜約20重量%の量で前記ポリエステル/金属塩混合物中に存在する、請求項6に記載の方法に従って製造される成形用ポリエステル組成物。
- i)同様な条件下で決定される場合に、前記ポリエステル組成物の前記ポリエステル成分のDMA貯蔵弾性率よりも高く、かつii)請求項7に記載の方法に従って製造されるが、前記ポリエステル/金属塩混合物が、ポリエステルと固体状態である同一金属塩とを溶融混合することによって形成される、成形用ポリエステル組成物の、ISO6721−5に従って決定される前記ポリエステル成分のDMA貯蔵弾性率よりも少なくとも10%高い、ISO6721−5に従って決定されるDMA貯蔵弾性率を有することを特徴とする、請求項7に記載の方法に従って製造される成形用ポリエステル組成物。
- A.請求項1に記載の方法によって形成される成形用ポリエステル組成物を提供する工程;
B.前記ポリエステル組成物を成形することによって造形物品を形成する工程;
を含む、ポリエステルを含む造形物品を製造する方法。 - 請求項9に記載の方法によって製造される物品。
- 自動車用エアバッグ展開ドア、プラスチック製ギア、レールパッド、CVJブーツ、上下動バンパー、または水圧ホースの形状の、請求項9に記載の物品。
- 前記ポリエステルがコポリエーテルエステルエラストマーである、請求項1に記載の方法。
- 前記金属塩がC1〜C3カルボン酸の塩である、請求項1に記載の方法。
- 前記金属塩が炭酸塩である、請求項1に記載の方法。
- 前記金属塩がナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンを含む、請求項1に記載の方法。
- 造形物品を成形するためのポリエステル組成物の使用であって、前記ポリエステル組成物が、
A.1.ISO868に従って決定されるショアD硬度40以上を有するポリエステル;および
2.分子量500以下を有する金属塩を含む水溶液であって、i)前記金属塩が第1A族カチオンを含み、かつii)前記金属塩のアニオンの共役酸の沸点が300℃未満である、少なくとも1種類の水溶液;
を含む組成物を溶融混合し、それによってポリエステル/金属塩混合物が形成される工程であって、前記金属塩が、前記金属塩と前記ポリエステルの合計重量に対して約0.05〜約20重量%の量で前記ポリエステル/金属塩混合物中に存在する工程と、
B.前記ポリエステル/金属塩混合物から水およびガスを除去して、成形用ポリエステル組成物が形成される工程と、
の方法によって製造される、使用。 - 前記ポリエステルが、エステル結合によって頭−尾結合された、複数の反復長鎖エステル単位と短鎖エステル単位を有するコポリマーであるコポリエーテルエステルエラストマーであり、前記長鎖エステル単位が、式(A):
式中、Gは、好ましくは数平均分子量約400〜約6000を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールから末端ヒドロキシル基を除去した後に残る二価ラジカルであり;
Rは、分子量約300未満を有するジカルボン酸からカルボキシル基を除去した後に残る二価ラジカルであり;
Dは、好ましくは分子量約250未満を有するジオールからヒドロキシル基を除去した後に残る二価ラジカルである、請求項16に記載の使用。 - 前記造形物品が、自動車用エアバッグ展開ドア、プラスチック製ギア、レールパッド、上下動バンパー、CVJブーツ、または水圧ホースの形状である、請求項16に記載の使用。
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