JP5648427B2 - ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂発泡成形体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド樹脂の優れた耐熱性を有しながら、良好な発泡状態で充分に軽量化でき、しかも低吸水性に優れ、高湿環境下でも優れた寸法安定性や耐荷重性を発揮しうるとともに、光散乱特性にも優れた成形体を得ることができるポリアミド樹脂組成物と、これを用いたポリアミド樹脂発泡成形体とに関する。
ポリアミド樹脂は、一般に溶融粘度が低いため、発泡成形を行うとセル成長過程で発泡セル間の壁が破れてセルが粗大化しやすく、均一で微細な発泡構造のポリアミド樹脂発泡成形体は製造しにくいことが知られている。
ポリアミド樹脂発泡成形体の製造方法としては、化学発泡剤を用いる方法が一般的である。化学発泡法は、原料樹脂と加熱により分解してガス発生する有機発泡剤とを混合し、該発泡剤の分解温度以上に加熱することにより発泡成形する方法である。例えば特許文献1においては、ポリアミド3元共重合体を用い、化学発泡剤によって比重1.2のポリアミド発泡成形体を得ている。しかし、このポリアミド発泡体は、発泡倍率が低く、軽量化を充分に満足させることはできなかった。
また化学発泡剤を用いた方法以外のポリアミド樹脂発泡成形体の製造方法として、特許文献2では、あらかじめポリアミド成形体に二酸化炭素を吸収させ、後工程で加熱することによって2倍の発泡倍率でポリアミド発泡成形体を得る方法が提案されている。しかし、この方法で得られたポリアミド発泡成形体も、やはり充分に軽量化されているとは言えず、しかも成形工程と発泡工程が実質別工程となっているため、煩雑で生産性が悪いという欠点がある。
さらに特許文献3では、窒素もしくは二酸化炭素の超臨界流体を溶融樹脂に溶解させて射出成形する発泡ポリアミド成形体の製造方法を開示している。しかし、この方法も発泡倍率は1.25と低く、充分な軽量化を実現できなかった。
他方、特許文献4では、ポリスチレン樹脂を用いて平均セル径の微細な発泡成形体を得る方法が開示されているが、目的の発泡成形体を得るためには、一般的な射出成形機に加えて、特殊な射出プランジャーと特殊な射出装置とが別途必要であり、汎用性に欠けるという欠点がある。しかも、当該文献で報告されている発泡成形体は、既存の発泡成形法においても比較的発泡成形が容易なポリスチレン樹脂を用いたもののみであり、この方法を発泡成形が難しいポリアミド樹脂に適用したとしても、所望の発泡成形体を容易に得ることはできないのが実情であった。
さらに特許文献5では、金型内に充填した溶融樹脂が冷却過程で一定の粘弾性状態になった時に、コア側金型を型開き方向に移動させるとともに金型内樹脂に臨界状態の不活性ガスを直接注入することにより発泡成形体を得る方法が提案されている。しかし、固化速度の速い結晶性ポリアミドは適当な粘弾性状態を保持する時間が短いため、この方法で均一な発泡セルを形成するのは困難であった。
他方、ポリアミド樹脂は、光散乱特性を有する樹脂材料として有用であることが知られており、ポリアミド多孔質粒子を用いて光散乱特性を有する樹脂材料を得る方法が特許文献6、7に記載されている。しかし、ここでは、ポリアミドは光散乱性充填材として調製されており、光散乱性ポリアミド成形体を射出成形で容易に得る方法は開示されていない。
ところで、汎用ポリアミドであるナイロン6やナイロン66は、高湿環境下に曝されると吸水して質量が増え易い。そして吸水すると、成形体が膨張し耐荷重性が低下する。そのため、高湿環境においては諸特性が低下しにくいより吸水性の低いポリアミド種の成形体が求められる。
特開2009−249549号公報 特開2006−35687号公報 特開2005−126545号公報 特開2006−69215号公報 特開2006−212945号公報 特開2007−219183号公報 特開2010−132768号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な発泡状態のポリアミド樹脂発泡成形体を容易な方法で得ることができる発泡成形用のポリアミド樹脂組成物を提供し、これにより、耐熱性に優れるとともに充分に軽量化され、しかも低吸水性に優れ、高湿環境下でも優れた寸法安定性や耐荷重性を発揮し、さらに光散乱性をも兼ね備えたポリアミド樹脂発泡成形体を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、ポリアミド樹脂の溶融粘弾性測定で得られる特定のパラメータ値(α(0)、α(30))が所定の関係を満足する特定のポリアミド樹脂組成物の発泡成形体であれば、発泡成形に必要なレオロジー特性が高められ、ポリアミド樹脂の固化速度がコントロールされて発泡成形性が向上し、耐熱性に優れかつ充分に軽量化でき、さらには低吸水性、吸水時の寸法安定性や耐荷重性のほか、光散乱性が付与された発泡成形体を容易に得ることができることを見出した。そして、所定の関係を満足するパラメータ値(α(0)、α(30))を得るための一つの手段として、脂肪族ジカルボン酸と脂環族ジアミンとの重縮合により形成される脂環族基を有する非結晶性ポリアミド樹脂、特に、炭素原子12〜18個を有するジカルボン酸から選択された脂肪族ジカルボン酸と、ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタンおよび2,2−ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)プロパンからなる群より選択された脂環族ジアミンとの重縮合により形成される非結晶性ポリアミド樹脂をポリアミド樹脂として用いればよいことをも見出した。さらに、このような非結晶性ポリアミド樹脂に対して、グリシジル基を含有する特定のビニル系共重合体や無機強化材を配合すると、発泡成形に必要なレオロジー特性がさらに高まり、上述した各特性がさらに向上することを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、グリシジル基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量4000〜25000であり、かつエポキシ価が400〜2500当量/1×106gであるグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)0〜10質量部と、無機強化材(C)0〜350質量部とを含有する発泡成形体用のポリアミド樹脂組成物であって、前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)は脂環族基を有し、かつ、前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)の溶融粘弾性測定において、線形領域における周波数10〜100rad/sの範囲での溶融粘弾性測定で得られる貯蔵弾性率(単位:Pa)を、周波数(x)と貯蔵弾性率(y)の両対数グラフにプロットしたときの乗数(y=axα;ここでaは定数)をα値とすることとし、260℃で行った溶融粘弾性測定から得られるα値をα(0)とし、該溶融粘弾性測定の後に同温度で30分間滞留後、再び行った溶融粘弾性測定から得られるα値をα(30)とするとき、下記式(i)および(ii)を満足することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
α(0)<1.20 (i)
α(0)−α(30)>0.20 (ii)
(2)前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子12〜18個を有するジカルボン酸から選択された脂肪族ジカルボン酸と、ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタンおよび2,2−ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)プロパンからなる群より選択された脂環族ジアミンとの重縮合により得られたものである前記(1)記載の発泡成形体用ポリアミド樹脂組成物。
(3)前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)は芳香族基を有さない樹脂である前記(1)または(2)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(4)グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)が、(X)20〜99質量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80質量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜79質量%のエポキシ基を含有しない前記(X)以外のビニル基含有モノマーからなる共重合体である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を用いて得られることを特徴とするポリアミド樹脂発泡成形体。
(6)前記ポリアミド樹脂組成物を溶融し、型締めされた複数の金型で形成されるキャビティ内に化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガスとともに溶融状態の前記ポリアミド樹脂組成物を射出、充填し、表層に厚み100〜800μmの非発泡スキン層が形成された段階で少なくとも一つの金型を型開き方向へ移動してキャビティの容積を拡大させることにより得られる前記(5)記載のポリアミド樹脂発泡成形体。
(7)自動車関連部品として使用される前記(5)または(6)に記載のポリアミド樹脂発泡成形体。
(8)光散乱部品として使用される前記(5)または(6)に記載のポリアミド樹脂発泡成形体。
本発明のポリアミド樹脂組成物によれば、良好な発泡状態のポリアミド樹脂発泡成形体を容易な方法で得ることができる。かかるポリアミド樹脂組成物においては、発泡成形時の滞留によって均質な発泡状態とするためのレオロジー特性が得られるため、発泡剤のガスによる発泡セルの成長過程で破泡によるセルの粗大化が抑えられ、その結果、優れた軽量性と耐荷重性を兼ね備え、しかも低吸水性に優れ、高湿環境下でも優れた寸法安定性や耐荷重性を発揮し、さらに光散乱性をも有するポリアミド樹脂発泡成形体を容易な方法で得ることができる。こうして提供された本発明のポリアミド樹脂発泡成形体は、例えば自動車部品や家電部品などの用途において、要求特性の高い樹脂機能部品や機能性を求められる意匠部品として好適に用いられる。また本発明のポリアミド樹脂発泡成形体は、光を受けて散乱発光するため、省エネルギーを目的とした光学成形品としても極めて有用である。
図1は、本発明の一実施形態(実施例1)であるポリアミド樹脂発泡成形体の断面写真である。 図2は、比較例2のポリアミド樹脂発泡成形体の断面写真である。 図3は、本発明のポリアミド樹脂発泡成形体の製造方法の一例を説明するための概略構成図である。 図4は、実施例1,4,7〜10で使用した非結晶性ポリアミド樹脂(A1:MACM・14)の溶融粘弾性測定で初期に得られた貯蔵弾性率の周波数依存データのグラフである。 図5は、実施例1,4,7〜10で使用した非結晶性ポリアミド樹脂(A1:MACM・14)の溶融粘弾性測定で30分滞留後の再測定で得られた貯蔵弾性率の周波数依存データのグラフである。 図6は、比較例1〜5で使用した結晶性ポリアミド樹脂(A4:ポリアミド6)の溶融粘弾性測定で初期と30分滞留後の再測定で得られた貯蔵弾性率の周波数依存データのグラフである。
以下、本発明のポリアミド樹脂組成物およびそれを用いた発泡成形体について詳述する。
(ポリアミド樹脂組成物)
本発明のポリアミド樹脂組成物は、特定の非結晶性ポリアミド樹脂(A)と、必要に応じて特定のグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)および無機強化材(C)とを含有する。
本発明で用いられる非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、脂環族基を有するものである。つまり、非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミドを構成するモノマーの少なくとも1種が脂環族基を有するモノマーであることが好ましい。脂環族基としては、例えばシクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、ピペラジン環などが挙げられる。なお、本発明において「非結晶性」とは、JIS−K7121に準じて昇温速度20℃/分でDSC測定を行った際に明確な融点を示さないものを意味する。
非結晶性ポリアミド樹脂(A)としては、脂肪族ジカルボン酸と脂環族ジアミンとの重縮合により形成されたポリアミド樹脂であることが好ましい。これにより、後述するα値に関する条件(i)および(ii)を満足させることができ、その結果、発泡成形に必要なレオロジー特性が向上する。脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸(以下「12」と略記することがある)、トリデカン二酸、テトラデカン二酸(以下「14」と略記することがある)など、炭素原子数4〜36の直鎖状または分岐鎖を有する脂肪族ジカルボン酸類が挙げられる。脂環族ジアミンとしては、ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)メタン(以下「PACM」と略記することがある)、ビス(3−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタン(以下「MACM」と略記することがある)、2,2−ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)プロパン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3−アミノシクロヘキシル−4−アミノシクロヘキシルメタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジンなどが挙げられる。
非結晶性ポリアミド樹脂(A)を構成する脂肪族ジカルボン酸と脂環族ジアミンとの組み合わせとしては、脂肪族ジカルボン酸がウンデカン二酸、ドデカン二酸(12)、トリデカン二酸、テトラデカン二酸(14)など炭素原子12〜18個を有するジカルボン酸であり、脂環族ジアミンがビス(4−アミノ−シクロヘキシル)メタン(PACM)、ビス(3−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタン(MACM)、2,2−ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)プロパンからなる群より選択されたものである組み合わせが、溶融流動特性がよく、後述するα値に関する条件(i)および(ii)を満足させるうえで特に好ましい。とりわけ、非結晶性ポリアミド樹脂(A)としては、ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタン(MACM)とドデカン二酸(12)とを組み合わせた樹脂(以下「MACM12」と略記することがある)や、ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタン(MACM)とテトラデカン二酸(14)とを組み合わせた樹脂(以下「MACM14」と略記することがある)が、吸水率が低く、吸水寸法変化が小さい成形体が得られる点で好ましい。中でも、MACM14は、300℃以下の成形温度で成形でき、金型温度が100℃程度でも薄肉成形性およびバリ発生抑制性が良好であり、強度、剛性、耐衝撃性、靭性に優れた成形体が得られやすい点で好ましい。
さらに非結晶性ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマーとしては、上述した脂肪族ジカルボン酸と脂環族ジアミンのほかに、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム類、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−(または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類が含まれてもよい。
また非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、芳香族基を有さない樹脂であることが好ましい。つまり、非結晶性ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマーの全てが芳香族基を含有しないことが好ましい。このように芳香族基を有さないことにより、良好な靭性を有する成形体が得られる。
非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、ガラス転移温度が125〜160℃であることが好ましい。より好ましくは130〜155℃、さらに好ましくは135〜153℃である。非結晶性ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度が125℃未満であると、吸水によってガラス転移温度が更に低下するために高温高湿環境における成形体の剛性が低下し、変形などの問題が発生する虞があり好ましくない。一方、非結晶性ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度が160℃を超えると、耐衝撃性や靭性が低下する傾向がある。また、ガラス転移温度が高い場合には充填性に難があるために成形時の金型温度や樹脂温度を極めて高く設定する必要があり、省エネの点でも好ましくない。なお、本発明において、ガラス転移温度は、例えば後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
非結晶性ポリアミド樹脂(A)の分子量は、特に限定されないが、後述する実施例で記載の方法で測定した数平均分子量が、3000〜40000の範囲であることが好ましい。数平均分子量が3000より小さいと成形体の機械的強度が低下し、逆に40000より大きいと分子量が高くなりすぎて成形性を損なう虞があるので、いずれも好ましくない。
非結晶性ポリアミド樹脂(A)の酸価およびアミン価としては、いずれも0〜200当量/1×10gが好ましく、0〜100当量/1×10gであることがより好ましい。末端官能基が200当量/1×10gを超えると、溶融滞留時にゲル化や劣化が生じやすくなるだけでなく、使用環境においても着色や加水分解等の問題を引き起こす虞がある。特に、ガラスファイバーやマレイン酸変性ポリオレフィンなどの反応性化合物をコンパウンドする際は、反応性および反応基に合わせ、酸価および/またはアミン価を5〜100当量/1×10gとすることが好ましい。
非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、アミノ基量とカルボキシル基量とのモル比を調整して重縮合する方法や末端封止剤を添加する方法によって、ポリアミドの末端基量および分子量を調整することができる。アミノ基量とカルボキシル基量とのモル比を一定比率で重縮合する場合には、使用する全ジアミンと全ジカルボン酸のモル比をジアミン/ジカルボン酸=1.00/1.05から1.10/1.00の範囲に調整することが好ましい。
非結晶性ポリアミド樹脂(A)の末端を封鎖する場合、末端封止剤を添加する時期として、原料仕込み時、重合開始時、重合後期、または重合終了時が挙げられる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、モノカルボン酸、モノアミン、酸無水物(無水フタル酸等)、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを使用することができる。具体的には、末端封止剤としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;無水マレイン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;等が挙げられる。
本発明で用いられる非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、線形領域における周波数10〜100rad/sの範囲での溶融粘弾性測定で得られる貯蔵弾性率(単位:Pa)を、周波数(x)と貯蔵弾性率(y)の両対数グラフにプロットしたときの乗数(y=axα;ここでaは定数)をα値とすることとし、260℃で行った溶融粘弾性測定から得られるα値をα(0)とし、該溶融粘弾性測定の後に同温度で30分間滞留後、再び行った溶融粘弾性測定から得られるα値をα(30)とするとき、下記式(i)および(ii)を満足するものである。
α(0)<1.20 (i)
α(0)−α(30)>0.20 (ii)
ナイロン6やナイロン66は、上記α値について、ほぼ2に近い挙動をとり、滞留によって大きく変化しないため、α(0)−α(30)はほぼゼロである。そればかりか、劣化による分子鎖切断によりα値が滞留とともに増大する場合と比較すると、本発明に使用される非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、周波数(x)と貯蔵弾性率(y)の両対数グラフに特に示されるように、溶融時の変形において緩和挙動が遅いという特長を持ち、発泡プロセスにおける溶融挙動がより発泡成形に適している。そのため、発泡成形の成形性と発泡成形体の生産性に優れており、125℃以上のガラス転移温度をもつ耐熱レベルの高い非結晶性ポリアミド樹脂(所謂エンジニアリングプラスチック)においても微細で均一な発泡成形体を得ることができる。つまり、本発明の脂環族基を有する非結晶性ポリアミド樹脂(A)は、比較例で用いた「ポリアミド6」や「ポリアミド66」などに比べて、溶融滞留時、劣化によって分子量低下に伴う緩和挙動が速くならないだけでなく、適当な滞留条件によって系の緩和挙動がより遅くなり、増粘改質をしなくても発泡に向いたレオロジー特性となることを示す。さらに脂環族基を有する非結晶性ポリアミド樹脂(A)にグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)を添加すると、より発泡成形に適したレオロジー特性を得ることができ、この傾向は脂環族基を有する非結晶性ポリアミド樹脂(A)にグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)を添加した場合の上記α(0)の挙動がこれをよく示す。
一般に発泡成形における発泡は樹脂の冷却プロセスでコントロールされ、発泡セルの成長は比較的低い剪断速度下での溶融樹脂の変形で形成される。このため溶融状態における緩和挙動が速すぎると発泡セル間壁が伸張に耐えられず隣同士のセルが同一化して発泡セルが粗大化してしまう。測定時間内で経時変化の影響が少ない10〜100rad/sの溶融粘弾性測定で得られるα(0)が1.2以上を示す場合は、分子鎖の絡み合いによる溶融変形に対する緩和挙動が充分遅いとは言えず、発泡時にセルが隣接するセルと一体化して粗大化してしまう傾向にある。30分滞留後の溶融粘弾性測定で得られるα(30)については、α(0)−α(30)の値が0.20以下であると、分子鎖の絡み合いによる溶融変形に対する緩和挙動が充分遅いとは言えず、発泡時にセルが隣接するセルと一体化して粗大化してしまう傾向にある。さらにα(0)<α(30)となる場合には、樹脂の劣化によって分子量が低下し、分子鎖の絡み合いによる緩和効果が少なくなり、発泡成形におけるセルの粗大化の原因となる。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)は、例えば、(X)ビニル芳香族モノマーと、(Y)グリシジルアルキル(メタ)アクリレートと、必要に応じて(Z)エポキシ基を含有していない前記(X)以外のビニル基含有モノマー(以下「その他のビニル基含有モノマー」と称する)とを含有する単量体混合物を重合して得られるものを用いることができる。本発明では、グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)を含有させると、分子量が増加して溶融伸張粘度増大効果が発現されやすくなり、加工条件管理幅が広がり、その結果、耐熱性とともにより優れた軽量性および耐荷重性を有する発泡成形体を得ることができる。
(X)ビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。(Y)グリシジルアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルやシクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらの中でも、反応性の高い点で(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。(Z)その他のビニル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の炭素数が1〜22のアルキル基(アルキル基は直鎖、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステル等が挙げられる。また(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アリルエーテル類等の芳香族系ビニル系単量体、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンモノマーなども(Z)その他のビニル基含有モノマーとして使用可能である。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)は、(X)20〜99質量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80質量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜79質量%のその他のビニル基含有モノマーからなる共重合体であることが好ましい。より好ましくは(X)が20〜99質量%、(Y)が1〜80質量%、(Z)が0〜40質量%からなる共重合体であり、さらに好ましくは(X)が25〜90質量%、(Y)が10〜75質量%、(Z)が0〜35質量%からなる共重合体である。ここで(X)+(Y)+(Z)=100質量%である。これらの組成は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)との反応に寄与する官能基濃度に影響するため、前記範囲に適切に制御することが好ましい。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)の具体例としては、例えば、スチレン/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、ビスフェノールA型やクレゾールノボラック、フェノールノボラック型のエポキシ系化合物等が挙げられる。グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)は1種のみであってもよいし2種以上を混合して使用することももちろん可能である。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)の持つアミノ基あるいはカルボキシル基と反応し得る官能基として、グリシジル基を1分子あたり2個以上含有することが重要である。これにより、速やかに樹脂全体に一部架橋を導入することができ、溶融押出時においてポリアミド樹脂(A)の持つアミノ基あるいはカルボキシル基とグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)との反応により一部が架橋生成物となり、溶融伸張粘度向上効果を得ることができる。なお、グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)中のグリシジル基は、例えばポリマーの主鎖、側鎖、末端のいずれに存在していてもよい。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)は、溶融伸張粘度調整が可能であるように制御するために、重量平均分子量が4000〜25000であることが重要である。重量平均分子量は、好ましくは5000〜15000、より好ましくは6000〜10000である。グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)の重量平均分子量が4000未満であると、未反応のグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)が成形工程で揮発し、もしくは成形品表面にブリードアウトし、製品の接着性低下、表面の汚染を引き起こす可能性がある。さらにグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)同士の過剰な反応による焼けゴミが生成し、混練時の生産性低下や最終製品の品質低下に繋がる。一方、グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)の重量平均分子量が25000を超えると、混練押出時の反応が遅くなって分子量保持の効果が下がるだけでなく、グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)と非結晶性ポリアミド樹脂(A)との相溶性が悪くなる為、ポリアミド樹脂(A)が本来持つ耐熱性等の耐久性が低下する可能性が大きくなる。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)のエポキシ価は、400〜2500当量/1×106gであることが重要である。好ましくは500〜1500当量/1×106gであり、より好ましくは600〜1000当量/1×106gである。エポキシ価が400当量/1×106g未満であると、目標としたレオロジーコントロールの効果が発現しないことがあり、2500当量/1×106gを超えると、増粘効果が過剰となり成形性に悪影響を与えることがある。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)の含有量は、分子量及び官能基の導入数に応じて適宜設定できるが、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0〜9質量部、さらに好ましくは0〜5質量部である。グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)が10質量部を超えると、増粘効果が過剰となり成形性に悪影響を与えたり、成形体の機械的特性や透明性に影響を与えたりする傾向がある。
グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)との混和性が高く、非結晶性ポリアミド樹脂(A)に良好に分散し、しかも分子量が比較的高いので、非結晶性ポリアミド樹脂(A)との反応によりゲルには至らない比較的ゆるやかな架橋や分岐構造が生成する。この反応生成物が、溶融状態のポリアミド樹脂組成物における分子鎖の絡み合い効果を増大させ、溶融粘度を増大させるとともに、広いせん断速度領域において緩和挙動を遅くする効果を発現すると考えられる。
本発明で用いられる無機強化材(C)は、強度や剛性および耐熱性等の物性を最も効果的に改良するものであり、具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ジルコニア繊維等の繊維状のもの、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等のウイスカー類、針状ワラストナイト、ミルドファイバー等を挙げることができる。またこれらのほか、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、タルク、カオリン、ワラストナイト、マイカ、アルミナ、ハイドロタルサイト、モンモリロナイト、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、赤燐、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、層間剥離を目的として有機処理を施した層状ケイ酸塩等の充填材も無機強化材(C)として用いることができる。これらの中でも特に、ガラス繊維、炭素繊維などが好ましく用いられる。これら無機強化材(C)は、1種のみであってもよいし2種以上を組み合わせてもよい。
例えばガラス繊維としては、繊維長1〜20mm程度に切断されたチョップドストランド状のものが好ましく使用できる。ガラス繊維の断面形状としては、円形断面や非円形断面のガラス繊維を用いることができる。非円形断面のガラス繊維としては、繊維長の長さ方向に対して垂直な断面において、略楕円形、略長円形、略繭形であるものをも含み、その場合偏平度が1.5〜8であることが好ましい。ここで偏平度とは、ガラス繊維の長手方向に対して垂直な断面に外接する最小面積の長方形を想定し、この長方形の長辺の長さを長径とし、短辺の長さを短径としたときの、長径/短径の比である。ガラス繊維の太さは特に限定されるものではないが、短径が1〜20μm、長径が2〜100μm程度である。
無機強化材(C)は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)との親和性を向上させるため、有機シラン系化合物、有機チタン系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ系化合物等のカップリング剤で予めカップリング処理をしてあるものが好ましく、カルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基と反応しやすいものが特に好ましい。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のいずれを使用しても良いが、その中でも特に、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤などのシラン系カップリング剤が好ましい。例えばカップリング剤で処理してあるガラス繊維を配合したポリアミド樹脂組成物では機械的特性や外観特性に優れた成形体が得られるので好ましい。なお、カップリング剤による処理は、予め行うことが好ましいが、カップリング剤を後添加して使用することもできる。ただし、上述したカップリング処理を施すと光散乱特性は低下する場合があるので、透明性や光散乱特性を重視する場合にはカップリング処理は施されていない透明性のある無機強化材(C)を用いるのがよい。
無機強化材(C)の含有量は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0〜350質量部である。好ましくは20〜150質量部、より好ましくは30〜120質量部である。無機強化材(C)が350質量部を超えると、発泡時の溶融樹脂の伸びが低くなり、隣接するセル同士が結合して粗大化しやすくなる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、前述のもの以外に、ポリアミド樹脂に従来から使用されている各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、安定剤、衝撃改良材、難燃剤、離型剤、摺動性改良材、着色剤、可塑剤、結晶核剤などが挙げられる。また添加剤として、金型等の金属腐食を防止する目的でハイドロタルサイト系化合物を用いることもできる。添加剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
安定剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ホスファイト化合物、チオエーテル系化合物などの有機系酸化防止剤や熱安定剤、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、イミダゾール系等の光安定剤や紫外線吸収剤、金属不活性化剤などが挙げられる。また熱安定剤の一つとして、銅化合物(具体的には、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、燐酸第二銅、ピロリン酸第二銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの有機カルボン酸の銅塩など)が、120℃以上の高温環境下で有効な長期熱老化を防止しうるので有用である。さらにこの銅化合物は、ハロゲン化アルカリ金属化合物と併用することが好ましい。ハロゲン化アルカリ金属化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。安定剤を含有させる場合、その含有量は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0〜5質量部とするのが好ましい。特に安定剤が銅化合物の場合には、ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して0.005〜0.5質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量部である。
難燃剤としては、特に制限されないが、例えば、ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物の組み合わせが好ましい。ハロゲン系難燃剤としては、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノール型エポキシ系重合体、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモビフェニル、臭素化ポリカーボネート、パークロロシクロペンタデカン及び臭素化架橋芳香族重合体等が好ましく、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が好ましい。中でも、熱安定性の点で、ジブロムポリスチレンと三酸化アンチモンとの組み合わせが好ましい。また、難燃剤として非ハロゲン系難燃剤を用いることもでき、具体的には、メラミンシアヌレート、赤リン、ホスフィン酸の金属塩、含窒素リン酸系の化合物などが挙げられる。特に、ホスフィン酸金属塩と含窒素リン酸系化合物(例えばメラミンのほか、メラム、メロンのようなメラミンの縮合物とポリリン酸の反応生成物またはそれらの混合物を含む)との組み合わせが好ましい。難燃剤を含有させる場合、その含有量は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0〜50質量部とするのが好ましく、より好ましくは0〜40質量部、さらに好ましくは0〜30質量部である。
離型剤としては、長鎖脂肪酸またはそのエステルや金属塩、アマイド系化合物、ポリエチレンワックス、シリコーン、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。長鎖脂肪酸としては、特に炭素数12以上のものが好ましく、例えばステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などが挙げられ、これらは一部もしくは全カルボン酸がモノグリコールやポリグリコールによりエステル化されていてもよく、または金属塩を形成していてもよい。アマイド系化合物としては、エチレンビステレフタルアミド、メチレンビスステアリルアミドなどが挙げられる。離型剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。離型剤を含有させる場合、その含有量は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0〜5質量部とするのが好ましい。
摺動性改良材としては、高分子量ポリエチレン、酸変性高分子量ポリエチレン、フッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、亜鉛、グラファイト、鉱物油等が挙げられる。摺動性改良材を含有させる場合、その含有量は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0.05〜3質量部とするのが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、非結晶性ポリアミド樹脂(A)以外の他の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。非結晶性ポリアミド樹脂(A)以外の他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリサルホン(PSU)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等が挙げられる。これら他の熱可塑性樹脂と非結晶性ポリアミド樹脂(A)との相溶性が低い場合には、必要に応じて、反応性化合物やブロックポリマー等の相溶化剤を添加したり、他の熱可塑性樹脂を変性(特に酸変性が好ましい)すればよい。他の熱可塑性樹脂は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)に対して溶融混練により溶融状態でブレンドしてもよいし、他の熱可塑性樹脂を繊維状や粒子状に成形し、非結晶性ポリアミド樹脂(A)中に分散してもよい。他の熱可塑性樹脂を含有する場合、その含有量は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0〜50質量部とするのが好ましく、より好ましくは0〜35質量部、さらに好ましくは0〜20質量部である。
なお、本発明のポリアミド樹脂組成物においては、上述した任意の含有成分のいずれかとして、ポリアミド樹脂(A)のアミノ基あるいはカルボキシル基と反応する置換基を有する化合物や重合体等を用いることにより、かかる反応性の置換基を導入し、架橋度を上げるようにしてもよい。反応性の置換基としては、例えば、グリシジル基、カルボキシル基、カルボン酸金属塩、エステル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボジイミド基等の官能基や、ラクトン、ラクチド、ラクタム等のポリエステル末端と開環付加しうる官能基等が挙げられ、これらの中でもグリシジル基あるいはカルボジイミド基が反応の速さの観点で好ましい。このような置換基は1種のみであってもよいし2種以上であってもよく、また1分子中に異なった種類の官能基を持つことも差し支えない。なお、反応性の置換基を導入する場合、その導入量は、高度架橋によりゲル等が発生しない範囲とするのがよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)とグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)との混和性が良好でポリアミド樹脂(A)にグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)が分散しやすく、かつグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)の分子量が比較的高いので、ポリアミド樹脂(A)とグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)との反応においてゲルには至らない比較的ゆるやかな架橋や分岐構造を生成させることができる。この反応生成物が、溶融状態において分子鎖の絡み合い効果を増大させうることに寄与し、溶融粘度を増大させるとともに、広いせん断速度領域において緩和挙動を遅くする効果を発現すると考えられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物を調製するにあたり、非結晶性ポリアミド樹脂(A)とグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)やその他の任意成分とを混合する方法は特に制限されない。例えば、グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)やその他の任意成分(無機強化材(C)や添加剤等)は、重合終了後のポリアミド樹脂(A)に対して添加することができる。具体的には、1)重合終了後の重合機内に添加するか、2)重合機を出た直後の溶融状態のポリアミド樹脂に直接添加して混練するか、あるいは3)固体化(たとえば粉末、ペレット状など)したポリアミド樹脂(A)に添加した後、溶融混練するなどの方法が適用できる。上記1)または2の方法においては、ポリアミド樹脂が溶融状態にあるので、グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)等の添加によりそのまま高溶融粘度化されるが、上記3)の方法においては、グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)等を均一に分散混合させたポリアミド樹脂(A)は高溶融粘度化のために加熱再溶融することが望ましい。
加熱再溶融方法には特に制限はなく、当業者に周知のいずれの方法も採用すればよく、例えば、単軸押出機、2軸押出機、加圧ニーダ、バンバリーミキサ等を使用できる。これらの中でも特に2軸押出機は好ましく用いられる。2軸押出機の運転条件等は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)の種類、各含有成分の種類や量など種々の要因により異なり一義的に決められない。例えば加工温度は、300℃以下の範囲で、非結晶性ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度(125〜160℃)+50〜150℃前後で設定すればよい。運転時間は10分間以内、例えば1分から数分間で充分目的とする溶融粘度に到達すると考えてよい。押出機のスクリュー構成は、練りの優れるニーデングディスクを数箇所組み込むことが好ましい。
かくして得られた本発明のポリアミド樹脂組成物は、溶融状態における粘度安定性が高く、特に発泡成形に適した溶融レオロジー特性を有している。
(ポリアミド樹脂発泡成形体)
本発明のポリアミド樹脂発泡成形体は、上述した本発明のポリアミド樹脂組成物を用いて得られたものである。かかる本発明のポリアミド樹脂発泡成形体は、通常、表層に存在する非発泡スキン層と内層に存在する発泡層とを備えており、これら非発泡スキン層及び発泡層は上述した本発明のポリアミド樹脂組成物で形成されているので、均一なセル状態の発泡構造を有し、優れた軽量性と耐荷重性を発現できる。
発泡層は、樹脂連続相と平均セル径10〜300μmの独立した発泡セルとから構成される。ここで、樹脂連続相とは、硬化したポリアミド樹脂組成物で形成される空洞を持たない部分を意味する。発泡セルの径(セル径)は、均一でばらつきがない限り小さい場合であっても大きい場合であっても夫々異なる特性を発現するので、いずれの場合も有用である。例えば、平均セル径が小さい場合には同重量でより高い剛性を発現することができ、平均セル径が大きい場合はクッション性や破壊における適当なエネルギー吸収特性を得ることができる。しかし、非発泡スキン層の厚み以上の平均セル径を持つ発泡構造体は、耐荷重面で不利となるので、発泡セルの平均セル径は、非発泡スキン層の厚み以下であるのがよい。具体的には、平均セル径は上記のように10〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜200μmである。平均セル径が10μm未満である場合、成形体の内圧が低く非発泡スキン層形成時の圧力が不足し、ヒケ等の外観が悪くなる虞がある。逆に、外圧によってセルが成長できなかった結果である場合も考えられるが、この場合はセル成長が抑えられすぎて目的の低比重構造体が得られない可能性があるため好ましくない。一方、平均セル径が300μmを超える場合、耐荷重性が低く、数μm〜数100μmスケールの無機強化材(C)の補強効果もほぼ期待できないため、好ましくない。平均セル径が前記範囲であると、非発泡スキン層に成形体内部より適当な圧力を与えることができ、かつセルの成長を阻害しない外圧で成形できる。
非発泡スキン層は、発泡層に積層されており、厚みが100〜800μmであることが好ましい。非発泡スキン層の厚みが100μm未満である場合、良好な外観が得られない傾向があり、一方、800μmを超えると、発泡層の比重が低くなりすぎるため、発泡成形体全体として後述する比重0.2〜1.0である発泡構造体を均一なセル状態で得られない虞がある。より好ましくは非発泡スキン層の厚みは120〜700μm、さらに好ましくは150〜500μmである。
本発明の発泡成形体は、通常、発泡層の両面に非発泡スキン層が設けられたサンドイッチ構造(換言すれば、発泡層が両面から非発泡スキン層に挟まれた構造)を有するものとなる。
本発明の発泡成形体の比重は、0.2〜1.0であることが好ましい。一般的な非強化ポリアミド、無機強化ポリアミドの比重は凡そ1.0〜1.8前後であるから、本発明の発泡成形体は充分に軽量化されていると言える。より好ましくは0.3〜0.9である。比重が0.2未満では、耐荷重構造体としての機械特性が低くなりすぎる傾向があり、1.0を超えると、充分な軽量化が達成されたとは言えない。
本発明の発泡成形体を得る際の発泡成形法としては、特に制限されず、公知の方法を採用することができるが、成形サイクル性やコスト、均質発泡を得られる成形方法として、以下、図面を用いて説明する金型を拡張する発泡法(金型拡張法)が好ましく採用される。勿論、本発明の発泡成形体は、当該方法により得られたものに限定されない。
金型を拡張する発泡法とは、図3に示すように、型締めされた複数の金型1,2で形成されるキャビティ3内に、溶融状態のポリアミド樹脂組成物Mを化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガス(以下、纏めて「発泡剤」と称することもある)とともに射出、充填し、表層に厚み100〜800μmの非発泡スキン層が形成された段階で少なくとも一つの金型2を型開き方向へ移動してキャビティ3の容積を拡大させることにより、発泡成形体を得る方法である。詳しくは、ポリアミド樹脂組成物Mと発泡剤とをキャビティ3内に充填後、所定の温度で加熱することにより、キャビティ3内に充填されたポリアミド樹脂組成物Mの表層に非発泡スキン層が形成される。この非発泡スキン層が所定の厚み(100〜800μm)になった段階で、金型2を型開き方向へ移動してキャビティ3の容積を拡大させる。
本発明の発泡成形体を得る際に用いることのできる発泡剤は、発泡核となるガス成分もしくはその発生源として成形機の樹脂溶融ゾーンで溶融している樹脂に添加される。
具体的には、化学発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム及び重炭酸ソーダ等の無機化合物、並びにアゾ化合物、スルホヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、アジド化合物等の有機化合物等が使用できる。アゾ化合物としては、ジアゾカルボンアミド(ADCA)、2,2−アゾイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、ジアゾアミノベンゼン等が挙げられ、これらの中でも、ADCAが好ましい。スルホヒドラジド化合物としては、ベンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン1,3−ジスルホヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホンヒドラジド、ジフェニルオキシド−4,4−ジスルホンヒドラジド等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、N,N−ジニトロソペンタエチレンテトラミン(DNPT)、N,N-ジメチルテレフタレート等が挙げられる。アジド化合物としては、テレフタルアジド、P−第三ブチルベンズアジド等が挙げられる。
発泡剤として化学発泡剤を用いる場合、化学発泡剤は、非結晶性ポリアミド樹脂(A)に均一に分散させるために、当該化学発泡剤の分解温度よりも融点が低い熱可塑性樹脂をベース材とした発泡剤マスターバッチとして使用することもできる。ベース材となる熱可塑性樹脂は、化学発泡剤の分解温度より低い融点であれば特に制限なく、例えばポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。この場合、化学発泡剤と熱可塑性樹脂との配合比率は、熱可塑性樹脂100質量部に対して化学発泡剤が10〜100質量部であるのが好ましい。化学発泡剤が10質量部未満の場合は非結晶性ポリアミド樹脂(A)に混合するマスターバッチの量が多くなりすぎて物性低下を招く虞があり、100質量部を超えると化学発泡剤の分散性の問題よりマスターバッチ化が困難になる。
発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素および/または窒素を用いる場合、それらの量は、熱可塑性樹脂組成物(ポリアミド樹脂組成物中の樹脂成分)100質量部に対して0.05〜30質量部、さらに好ましくは0.1〜20質量部であることが好ましい。超臨界状態の二酸化炭素および/または窒素が、0.05質量部未満であると均一かつ微細な発泡セルが得られにくくなり、30質量部を超えると成形体表面の外観が損なわれる傾向がある。
なお、発泡剤として用いられる超臨界状態の二酸化炭素または窒素は単独で使用できるが、二酸化炭素と窒素を混合して使用してもよい。ポリアミドに対して窒素はより微細なセルを形成するのに適している傾向があり、二酸化炭素はよりガスの注入量を比較的多くできるためより高い発泡倍率を得るのに適している。したがって、発泡構造体の状態に応じて任意で混合してもよい。二酸化炭素と窒素とを混合する場合の混合比率は、モル比で1:9〜9:1の範囲であることが好ましい。
溶融状態のポリアミド樹脂組成物Mを発泡剤とともにキャビティ3内に射出するには、射出成形機4内で溶融状態のポリアミド樹脂組成物Mと発泡剤とを混合すればよい。特に、発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素および/または窒素を用いる場合には、例えば図3に示すようにガスボンベ5から気体状態の二酸化炭素および/または窒素を直接あるいは昇圧ポンプ6で加圧して射出成形機4内に注入する方法、液体状態の二酸化炭素および/または窒素をプランジャーポンプで射出成形機4内に注入する方法等が採用できる。これらの二酸化炭素および/または窒素は、溶融状態のポリアミド樹脂組成物中への溶解性、浸透性、拡散性の観点から、成形機内部で超臨界状態となっている必要がある。ここで、超臨界状態とは、気相と液相とを生じている物質の温度および圧力を上昇させていくに際し、ある温度域および圧力域で前記気相と液相との区別をなくし得る状態のことをいい、この時の温度、圧力を臨界温度、臨界圧力という。すなわち超臨界状態において物質は気体と液体の両方の特性を併せ持つので、この状態で生じる流体を臨界流体という。このような臨界流体は気体に比べて比重が大きく、液体に比べて粘性が小さいため、物質中を極めて拡散し易いという特性を有する。ちなみに、二酸化炭素は、臨界温度が31.2℃、臨界圧力が7.38MPaであり、窒素は、臨界温度が52.2℃、臨界圧力が3.4MPaであり、この臨界温度以上、臨界圧力以上で超臨界状態となって臨界流体としての挙動を取るようになる。
本発明のポリアミド樹脂発泡成形体は、耐熱性と軽量性を兼ね備えたものであるので、例えば、内装品、外装品、カバー、筐体、荷重支持系部品などの自動車関連部品として有用である。また、本発明のポリアミド樹脂発泡成形体は、良好な光散乱特性を有するものであるので、光散乱部品としても有用である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例に記載された測定値は、以下の方法によって測定したものである。
<融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)>
105℃で15時間減圧乾燥した試料(ポリアミド樹脂)をアルミニウム製パン(TA Instruments社製「品番900793.901」)に10mg量り取り、アルミニウム製蓋(TA Instruments社製「品番900794.901」)で密封状態にした後、示差走査熱量計(TA Instruments製「DSCQ100」)を用いて室温から20℃/分で昇温し、350℃で3分間保持した後に上記パンを取出し、液体窒素に漬け込み、急冷させた。その後、液体窒素から上記パンを取出し、室温で30分間放置した後、再び、上記示差走査熱量計を用いて室温から20℃/分で350℃まで昇温し、その際の融解による吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。また、この2度目の昇温過程におけるガラス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
<数平均分子量>
各試料を2mg秤量し、4mLのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/トリフルオロ酢酸ナトリウム10mM溶液に溶解させた後、0.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、得られた試料溶液について下記条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析を行い、数平均分子量を求めた。なお、分子量換算は標準ポリメチルメタクリレート換算とし、分子量1000以下のものはオリゴマーとして除いて算出した。
装置:TOSOH製「HLC−8220GPC」
カラム:TOSOH製「TSKgel SuperHM−H×2」、「TSKgel SuperH2000」
流速:0.25mL/分
濃度:0.05質量%
温度:40℃
検出器:RI
<エポキシ価>
100mLのエレンマイヤーフラスコにサンプルを秤量し、10〜15mLのメチレンクロライドを加えて、マグネチックスターラーにて攪拌溶解した。10mLのテトラエチルアンモニウムブロマイド試薬を加え、さらに6〜8滴のクリスタルバイオレット指示薬を加え、0.1規定パークロリック酸で滴定した。終点は青から緑に変色して2分間安定な点とした。滴定に要したパークロリック酸の量(mL)をA、サンプル質量をW(g)、パークロリック酸試薬の規定度をNとして、下記式に基づきエポキシ価を算出した。
エポキシ価(当量/1×10g)=(N×A×1000)/W
<比重>
発泡成形体から四辺に切り出し面を有する25mm×25mm×厚みの試験片を切り出し、JIS−Z8807に記載の固体比重測定方法に準じて比重を測定した。なお、例えばスキン層/発泡層/スキン層のサンドイッチ構造において発泡層が充分に形成されておらず上下のスキン層が分離した場合など、試験片が複数に分かれてしまった場合には、複数に分かれた切り出し試験片を用いて同時に比重測定を行った。
<スキン層厚みおよび発泡状態>
可視光硬化型樹脂に包埋後に研磨して発泡断面を露出させるか、あるいは、予めノッチをつけて破壊によって発泡断面が露出するように調製した成形体を液体窒素に10分間浸漬した後に衝撃破壊して発泡断面を露出させることにより、断面観察用サンプルを得た。そして、走査性電子顕微鏡もしくは実体顕微鏡により撮影した上記断面観察用サンプルの発泡断面の写真を画像処理し、表層部分に観られる一体化した非発泡層の厚みをスキン層厚みとして測定した。
また発泡状態は、発泡断面の画像において上下のスキン層の間の発泡層に発泡成形体全体の厚みの1/2以上の長さの空洞が認められない場合を「○」、上下スキン層の間の発泡層に発泡成形体全体の厚みの1/2以上の長さの空洞が認められる場合を「×」と評価した。
<生産性>
ポリアミド樹脂組成物を得るにあたり、溶融混練の際に特に問題のなかった場合は「○」とし、粘度があがりすぎて押し出し困難であった場合は「×」と評価した。
<吸水時の寸法安定性(95%RH吸水寸法増加)>
得られたポリアミド樹脂発泡成形体(幅100mm×長さ250mm)を用いて、80℃、95%RH環境下にて静置して重量の経時変化を測定する吸水試験を行い、重量の変化がなくなった時点で平衡吸水とみなし、このときの寸法(95%RH吸水時の寸法)を測定した。そして、以下の式より寸法変化率を求め、寸法変化率が0.1%未満である場合を「○」、寸法変化率が0.1%以上である場合を「×」と評価した。なお、以下の式において、乾燥時寸法とは、吸水試験に供する前のポリアミド樹脂発泡成形体の初期の寸法のことである。寸法の測定は、ポリアミド樹脂発泡成形体の幅方向の寸法(mm)と長さ方向の寸法(mm)を測定し、その平均値を95%RH吸水時または乾燥時寸法とした。
寸法変化率(%)=〔(95%RH吸水時の寸法−乾燥時寸法)/乾燥時寸法〕×100
<吸水時の耐荷重性保持特性>
得られたポリアミド樹脂発泡成形体から幅10mm×長さ100mmの試験片を切り出し、スパン長50mm、荷重速度2mm/分で三点曲げ試験を実施した時の最大荷重をX(N)とし、その後、温度80℃、湿度95%の環境下に200時間放置した後、スパン長50mm、荷重速度2mm/分で三点曲げ試験を実施した時の最大荷重をY(N)とし、Y/Xの値が0.8以上であるものを「○」、0.8未満であるものを「×」と評価した。
<光散乱特性>
まず、発泡剤(窒素または二酸化炭素)を使用しないこと、および金型を型開き方向へ移動させずに(金型を拡張させずに)成形したこと以外は、測定対象とするポリアミド発泡成型体の製造条件と同条件で、比較対象とするポリアミド樹脂非発泡成形体を作製した。
得られたポリアミド樹脂発泡成型体と上記で得たポリアミド樹脂非発泡成形体(比較対象)とに波長440nmの光を照射したときに、照射光が成形体内で光散乱して成形体全体が発光して見える程度が、非発泡成形体よりも顕著である場合を「○」、発光して見える程度が非発泡成形体と同等である場合、または、光の透過性自体が乏しく、照射光が成形体の反光源側へ透過しないか透過光が僅かであり、成形体全体に成形体内部の光散乱による発光が認められない場合を「×」と評価した。
<溶融粘弾性測定(α値)>
非結晶性ポリアミド樹脂(A)の溶融粘弾性測定における上述したα値を求めるため、線形領域における周波数10〜100rad/sの範囲での溶融粘弾性測定を行い、周波数(x)と貯蔵弾性率(y)の両対数グラフとして周波数依存データを取得した。
溶融粘弾性測定(動的粘弾性測定)は、TA Instruments社製「ARES」と測定治具として25mmφのパラレルプレートを用いて、以下の条件で行い、周波数(ω)−貯蔵弾性率(G’)の両対数プロットを得た。実施例1,4,7〜10で使用した非結晶性ポリアミド樹脂(A1:MACM・14)の結果を示すグラフを図4、図5に、比較例1〜5で使用した結晶性ポリアミド樹脂(A4:ポリアミド6)の結果を示すグラフを図6に、それぞれ示す。プロットより貯蔵弾性率の傾き(α値)を求める場合は、得られたデータ点の累乗近似式で同プロット上に直線を得、その直線の傾きを求めた。なお、測定は、実施例はいずれも260℃、「ポリアミド6(A4)」を用いた比較例では240℃、「ポリアミド66(A5)」を用いた例では275℃、「ポリアミド6T6I(A6)」を用いた例では280℃で実施した。
Strain=10%
Initial Frequency=100rad/s
Final Frequency=10rad/s
Gap=0.7〜1.5mm
Geometry Type=Parallel Plate(Diameter=25mm)
各実施例および比較例においては、以下の原料を用いた。
<ポリアミド樹脂(A)>
(本発明における脂環族基を有する非結晶性ポリアミド樹脂;A1〜A3)
A1:MACM・14((ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタンとテトラデカン二酸との重縮合体);アルケマ社製「G350」、ガラス転移温度(Tg)146℃、数平均分子量14200
A2:MACM・12((ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタンとドデカン二酸との重縮合体);EMS社製「TR−90」、ガラス転移温度(Tg)155℃、数平均分子量13300
A3:MACM・12・I((ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタンとドデカン二酸とイソフタル酸との重縮合体);EMS社製「TR−55」、ガラス転移温度(Tg)162℃、数平均分子量18600
(比較用のポリアミド樹脂;A4〜A6)
A4:ポリアミド6;東洋紡績製「ナイロンT−820」、相対粘度RV=3.1の6ナイロン、数平均分子量25400、融点225℃
A5:ポリアミド66;東レ製「アミラン(登録商標)CM3001N」、相対粘度RV=2.8の66ナイロン、数平均分子量17900、融点265℃
A6:ポリアミド6T6I(ポリヘキサメチレンテレフタルアミドとポリヘキサメチレンイソフタルアミドとの重縮合体);EMS社製「グリボリーG21」、6T/6I=33/67(モル%)、Tg125℃、数平均分子量15100、非結晶性
<グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)>
(B1:スチレン系重合体1)
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。一方、スチレン(St)89質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)11質量部、キシレン(Xy)15質量部、及び重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(DTBP)0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。これを一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。このとき反応器内温は約210℃に保った。反応器内部の温度が安定してから36分経過後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機に導き、連続的に揮発成分を除去して、スチレン系重合体(B1)を得た。このスチレン系重合体(B1)は、GPC分析(ポリスチレン換算値)によると重量平均分子量8500、数平均分子量3300であった。また、そのエポキシ価は670当量/1×10g、エポキシ価数(1分子当りの平均エポキシ基の数)は2.2であり、グリシジル基を1分子中に2個以上有するものである。
(B2:スチレン系重合体2)
St77質量部、GMA23質量部、Xy15質量部、DTBP0.3質量部からなる単量体混合液を用いた以外は、上記スチレン系重合体(B1)の製造と同じ方法にてスチレン系重合体(B2)を得た。このスチレン系重合体(B2)は、GPC分析(ポリスチレン換算値)によると重量平均分子量9700、数平均分子量3300であった。また、そのエポキシ価は1400当量/1×10g、エポキシ価数(1分子当りの平均エポキシ基の数)は4.6であり、グリシジル基を1分子中に2個以上有するものである。
<無機強化材(C)>
C1:ガラス繊維1;日東紡績(株)製「CS3PE453」
C2:ガラス繊維2;日東紡績(株)製「CSG3PA810S」
C3:ガラスビーズ;ポッターズバロティーニ社製「EMB−10」
<その他の添加剤>
安定剤1:臭化第二銅(ナカライテスク社製、試薬)
安定剤2:チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガノックスB1171」
離型剤:クラリアントジャパン社製「モンタン酸エステルワックスWE40」
(実施例1〜10、比較例1〜7)
上述した各原料(A)〜(C)の使用量(質量部)は表1〜2に示す通りとし、その他の添加剤の使用量については各実施例・比較例とも、安定剤1を0.06質量部、安定剤2を0.3質量部、離型剤を0.4質量部とし、これらを35φ二軸押出機(東芝機械社製)にてスクリュー回転数100rpmにて溶融混練した。詳しくは、ガラス繊維(無機強化材(C1)、(C2))以外の原料はあらかじめ混合してメインホッパーから投入し、ガラス繊維(無機強化材(C1)、(C2))はベント口からサイドフィードで投入した。このとき、シリンダ温度は、実施例ではいずれも285℃、「ポリアミド6(A4)」を用いた比較例では250℃、「ポリアミド66(A5)」を用いた例では280℃、「ポリアミド6T6I(A6)」を用いた例では280℃に設定した。そして、押出機から吐出されたストランドを水槽で冷却した後、ストランドカッターでペレット化し、125℃で5時間乾燥することにより、ポリアミド樹脂組成物をペレットとして得た。
次に、上記で得られたポリアミド樹脂組成物を用いて上述した金型拡張法にて発泡成形体を作製した。金型としては、型締めすると幅100mm、長さ250mm、厚み2mmtのキャビティを形成することのできる固定用金型と稼動用金型からなる平板作成用の金型を用いた。具体的には、金型の型締め力が1800kN、口径42mm、L/D=30のスクリューを持つ電動射出成形機の可塑化領域で、窒素または二酸化炭素を超臨界状態で各表に示す量(質量部:対ポリアミド樹脂組成物中の樹脂成分100質量部)注入し、表面温度100℃に温調された金型に射出充填後、射出外圧と内部からの発泡圧力によって100〜800μmの非発泡スキン層が形成された段階で、稼動用金型を型開き方向へ、各表にコアバック量(mm)として示す長さだけ移動させて、キャビティの容積を拡大させて、発泡成形体を得た。
実施例1〜10、比較例1〜7で得られたポリアミド樹脂発泡成形体の評価結果を表1〜2に示す。
表1〜2から明らかなように、実施例1〜10のポリアミド樹脂発泡成形体は、発泡状態が良好で軽量性に優れ、しかも吸水下においても充分な寸法安定性と耐荷重性を有し、さらに光散乱特性をも有する発泡成形体であることが分かる。それに対して、比較例1〜7の発泡成形体は、比重が低いものもあるが、低吸水性は悪く、実施例1〜10と比べると、どれも何れかの評価項目で劣るものであった。
また、実施例1および比較例2で得られた発泡成形体を切断し、その断面を走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡にて観察した。実施例1の発泡成形体の走査型電子顕微鏡による断面写真(倍率30倍)を図1に示し、比較例2の発泡成形体の光学顕微鏡による断面写真(倍率20倍)を図2に示す。図1および図2から、本発明のポリアミド樹脂発泡成形体は、均一で微細な発泡セル構造を有しているのに対して、比較例2の発泡成形体は、発泡状態が悪いことが分かる。
1 金型(固定用)
2 金型(稼動用)
3 キャビティ
4 射出成形機
5 ガスボンベ
6 昇圧ポンプ
7 圧力制御バルブ

Claims (6)

  1. 非結晶性ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、
    グリシジル基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量4000〜25000であり、かつエポキシ価が400〜2500当量/1×106gであるグリシジル基含有スチレン系共重合体(B)0〜10質量部と、
    無機強化材(C)0〜350質量部とを含有する発泡成形体用のポリアミド樹脂組成物を用いて得られるポリアミド樹脂発泡成形体であって、
    前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)は脂環族基を有し、かつ、
    前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)の溶融粘弾性測定において、線形領域における周波数10〜100rad/sの範囲での溶融粘弾性測定で得られる貯蔵弾性率(単位:Pa)を、周波数(x)と貯蔵弾性率(y)の両対数グラフにプロットしたときの乗数(y=axα;ここでaは定数)をα値とすることとし、260℃で行った溶融粘弾性測定から得られるα値をα(0)とし、該溶融粘弾性測定の後に同温度で30分間滞留後、再び行った溶融粘弾性測定から得られるα値をα(30)とするとき、下記式(i)および(ii)
    α(0)<1.20 (i)
    α(0)−α(30)>0.20 (ii)
    を満足し、かつ、
    前記ポリアミド樹脂組成物を溶融し、型締めされた複数の金型で形成されるキャビティ内に化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガスとともに溶融状態の前記ポリアミド樹脂組成物を射出、充填し、表層に厚み100〜800μmの非発泡スキン層が形成された段階で少なくとも一つの金型を型開き方向へ移動してキャビティの容積を拡大させることにより得られることを特徴とするポリアミド樹脂発泡成形体。
  2. 前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子12〜18個を有するジカルボン酸から選択された脂肪族ジカルボン酸と、ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ−シクロヘキシル)メタンおよび2,2−ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)プロパンからなる群より選択された脂環族ジアミンとの重縮合により得られたものである請求項1記載のポリアミド樹脂発泡成形体
  3. 前記非結晶性ポリアミド樹脂(A)は芳香族基を有さない樹脂である請求項1または2に記載のポリアミド樹脂発泡成形体
  4. グリシジル基含有スチレン系共重合体(B)が、(X)20〜99質量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80質量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜79質量%のエポキシ基を含有しない前記(X)以外のビニル基含有モノマーからなる共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂発泡成形体
  5. 自動車関連部品として使用される請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂発泡成形体。
  6. 光散乱部品として使用される請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂発泡成形体。
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