JP2014236291A - モード変換器 - Google Patents

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Yusuke Uemichi
雄介 上道
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Abstract

【課題】薄型化に対応した導波管ストリップ線路モード変換器を提供する。
【解決手段】接地導体からなる広壁111,112、狭壁、ショート壁で電気的に囲まれた導波路110と、導波路に挿入されて波長λの信号を入力されるピン123とを有し、ショート壁とピンとの距離が、導波路内の管内波長λgの半分(λg/2)である。従来設定されていたようにλg/4の長さではなく、前記ピンから出発し前記ショート壁で反射されて前記ピンまで戻る波と、前記ピンから前記ショート壁と逆方向へと進む波とが同じ位相となるように、λg/4の倍の長さであるλg/2に対応する長さ近傍に設定されたことにより、薄型化された導波路においてもインピーダンス整合を維持して、広帯域設計をおこなうことが可能となるモード変換器100における所望の高周波信号の注入を維持することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、モード変換器に係り、特にミリ波信号等による通信に用いられる導波路に用いて好適な技術に関する。
近年、ミリ波帯を利用した数G[bps]の高速大容量通信が提案され、その一部が実現されつつある。特に、60[GHz]帯で動作する無線通信機器は、より重要性を増している。国内においては、59[GHz]から66[GHz]までの広い周波数帯域を、特定省電力で利用可能であることから、民生分野への普及が期待されており、安価で小型のミリ波通信モジュールの実現が急務となっている。
特許文献1には、プリント基板による導波路(ポスト壁導波路アンテナ:PWA Post-wall Waveguide Antenna)を利用したミリ波モジュールが開示されている。特許文献1の図1〜図7に示すように、この技術は従来の導波路の側壁(金属壁)を、プリント基板のスルーホール群(ポスト群)で置き換えたものである。特許文献1の図1〜図7に示すように、無線通信IC(CMOS−IC)がPWAの上に実装されており、ワイヤボンドやバンプ接続などの方法で無線通信IC(特許文献1の明細書中では半導体チップ4と表記。以下同)から出力されたミリ波信号は、一旦、平面回路による伝送線路(マイクロストリップ、コプレーナ、ストリップ等の線路24と表記)を伝わり、平面回路・導波路変換構造(中心導体23=ピン)を経て、最終的には導波路構造部(導波路2)へと導かれる。特許文献1における中心導体(ピン)23は、プリント基板に貫通穴を形成し、貫通穴の内面に銅メッキを施すことにより形成されている。非特許文献2においては、プローブ変換と称されている。
一般的な高周波回路においては、回路Aと回路Bを接続する場合にインピーダンス整合が取られるように設計することが必要である。これは、回路Aから回路Bの接続点において信号を反射なく伝送させることを意味している。つまり、回路Aとしての平面回路・伝送線路から回路Bとしての導波路の接続点において、信号が反射することなく伝送させることが必要である。従来構造の場合、所定の周波数帯域において、ピンの長さを所定の値に調整することによって、反射損を抑制した信号伝送を実現してインピーダンス整合が取られている。
一般的なモード変換器においては、特許文献2および非特許文献2に記載されるように、導波路内に挿入されたピンから、導波路における開口に対向した面(反射面、もしくはショート壁ともいう)との距離が供給信号波長λ、または、導波路内の管内波長λgに対して、λ/4、λg/4として設定されていた。
特開2011−109438号公報 特開2007−534262号公報
R.Suga,et al. "Cost-Effective 60-GHz Antenna-Package With End-Fire Radiation from Open-Ended Post-Wall Waveguide for Wireless File-Transfer System," 2011 IEEE MTT-S International Microwave Symposium, pp. 348-351 改版マイクロ波回路 藤澤和男著 コロナ社 p-177
近年、携帯電話等の携帯端末へモード変換器を搭載する要求が高まっており、それに伴いモード変換器そのものを小型化、薄型化したいという要求がある。
しかし、本願発明者は、モード変換器を薄型化した際に、帯域が狭くなるという問題を発見した。これは、例えば特許文献1のポスト壁を利用したものに限らない。具体的には、導波路の厚さとほぼ等しい基板厚さが500nm程度になったとき、帯域が狭くなり広帯域設計ができなくなるという現象が発生した。
本発明は以上のような点を考慮してなされたものであり、小型化、特に薄型化された場合でも、広帯域設計が可能なモード変換器を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るモード変換器は、基板の一方の主面および他方の主面に形成された接地導体からなる広壁と、前記基板の厚み方向に形成され、前記広壁と接続した導体からなる狭壁およびショート壁と、から構成された導波路、および、
前記基板の一方の主面から所定の深さまで前記導波路の内部に形成された導体からなるピン、を少なくとも備えたモード変換器であって、
前記ピンからショート壁までの距離が、前記導波路の管内波長λgの半分となるように設定されたことを特徴とする。
本発明によれば、接地導体からなる広壁、狭壁、ショート壁で電気的に囲まれた導波路と、導波路に挿入されて波長λの信号を入力されるピンとを有し、ショート壁とピンとの距離が、導波路内の管内波長λgの半分(λg/2)である。つまり、従来設定されていたようにλg/4の長さではなく、前記ピンから出発し前記ショート壁で反射されて前記ピンまで戻る波Aと、前記ピンから前記ショート壁と逆方向へと進む波Bとが同じ位相となるように、λg/4の倍の長さであるλg/2に対応する長さ近傍に設定されたことにより、薄型化された導波路においてもインピーダンス整合を維持して、広帯域設計をおこなうことが可能となるモード変換器における所望の高周波信号の注入を維持することができる。
本発明の請求項2に係るモード変換器は、請求項1記載のモード変換器であって、前記導波路の厚さが300μm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るモード変換器は、請求項1または2記載のモード変換器であって、
前記ピンが、前記基板の両方の主面を連通しており、
前記基板の他方の主面において露出した前記ピンの端部と、前記基板の他方の主面に形
成された接地導体層からなる広壁との間には、アンチパッドが設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るモード変換器は、請求項1または2記載のモード変換器であって、
前記基板の一方の主面側に接続部が形成され、
前記ピンが、前記基板の一方の主面から所望の深さまで形成された微細孔の内部に形成された導体からなり前記接続部に接続されることを特徴とする。
本発明の請求項5に係るモード変換器は、請求項1から4のいずれかに記載のモード変換器であって、
前記ピンが、前記基板に形成された微細孔の内側壁を覆う導体からなることを特徴とする。
本発明によれば、薄厚化して生じた問題点に対応して、広帯域設計をおこなうことが可能となるモード変換器を提供することができる。
本発明に係るモード変換器の第1実施形態における導波路を示す斜視図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態を示す正断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態におけるピン123と反射面110Aとの距離を模式的に示した正断面図(a)、平断面図(b)である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態におけるGRDビアを示す正断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態における導体柱を示す模式平面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態におけるピンの例を示す模式断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態における工程を示すための模式断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態におけるピンの他の例を示す模式断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態における導波路の他の例を示す模式平面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態における導体柱の他の例を示す模式断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態におけるミリ波通信モジュールの例を示す模式正断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態におけるミリ波通信モジュールの他の例を示す模式側断面図である。 本発明に係るモード変換器の第1実施形態におけるピンの他の例を示す斜視図である。 本発明に係るモード変換器の第2実施形態を示す正断面図である。 本発明に係るモード変換器の第2実施形態における工程を示すための模式断面図である。 本発明に係るモード変換器の第3実施形態を示す正断面図である。 本発明に係るモード変換器の第3実施形態における他の例を示す正断面図である。 本発明に係るモード変換器の第3実施形態における工程を示すための模式断面図である。 本発明に係るモード変換器の第3実施形態における他の例を示す正断面図である。 本発明に係るモード変換器の第3実施形態における他の例を示す正断面図である。 実験例としてシミュレーションをおこなったモード変換器を示す斜視図である。 図22のモード変換器における周波数帯域をシミュレーションした結果を示すグラフである。 実験例としてシミュレーションをおこなったモード変換器における基板厚さと、Lsとの関係をまとめたものである。
<第1実施形態>
以下、本発明に係るモード変換器の第1実施形態を図面に基づいて発明を説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために、例を挙げて説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、省略した部分がある。
[モード変換器の構成]
本実施形態に係るモード変換器100の構成について、図1から図14を用いて説明する。図1は、モード変換器100を示す斜視図であり、図2は、モード変換器100を模式的に示した断面図であり、図3は、接続部を示す拡大斜視図、図4は導波路を模式的に示した正断面図(a)、平断面図(b)、図5は、GNDビアを示す拡大断面図、図6は、ショート壁である導体柱114を模式的に示した模式平面図である。図において、符号100はモード変換器である。
本実施形態のモード変換器100は、図1,図2に示すように、基板101に設けられたピン(導体ピン)123を有する導波路110と、上基板124に設けられ高周波信号伝搬用の接続部となる伝送路(平面回路)122とを有し、これらの基板101と基板124とが貼り合わせられた構成とされている。
導波路110は、基板101の表裏面に設けられた接地導体層(導体膜)からなる広壁111,112と、これら広壁111,112間に立設された複数のポスト(柱)壁である導体柱114からなる狭壁110Bおよびショート壁110Aと、で囲まれた領域であり、ピン123から放射される電磁波信号が伝搬する経路として機能する。導波路110の一端側には、広壁111、112や、狭壁110Bおよびショート壁110Aは配されておらず、電磁波信号が放射される開口部102となっている。また、開口部と反対側が反射部となるショート壁110Aとなっている。
導波路110は、伝送線(例えば、同軸線(coaxial cable))から方形導波路(rectangular waveguide)への信号変換装置として、同軸線−導波路信号変換する構成に類似し、いわゆる、方形導波路TE10モードに変換するプローブ変換をおこなうものとされている。なお、導波路110は、異なるモードに接続する等、開口部102がない構成とすることもできる。
導波路110は、広壁111,112、狭壁110Bおよびショート壁110Aで形成された方形導波路とされ、プローブ変換のプローブとなるピン123が広壁111に形成された開口111aから、広壁111に垂直方向に内部に挿入されている。ショート壁110Aとピン123は平行となるように設けられている。
本発明のモード変換器においては、図4に示すように、ショート壁110Aとピン123との距離Lsが、管内波長λgの半分(λg/2)となるように設定されている。
従来、同軸線−導波路信号変換装置に類似した機構では、方形導波路110のショート壁110Aは、ピン(プローブ)123の中心からλg/4(ここで、λgは、導波路内の管内波長wave guide wavelength)とされる距離Lsだけ離れた位置に設定されていた。
ピン123から反射面110Aに基本周波数信号は、TE10基本モードの場合、ショート壁110Aと広壁111,112と狭壁110Bとによって反射される。そのうち、ショート壁110Aの影響を考え、高周波信号が、ピン123からショート壁110A位置までλg/2の距離を進む間、90°の位相差を有し、ショート壁110Aで反射・反転して180°の位相差を生じ、ショート壁110Aからピン123位置までλg/2の距離を戻る間に90°の位相差を有し、ピン123において回帰した反射信号が360°の位相回転量を有するように設計されていた。
しかし、導波路110の厚さ、つまり、ピン123の長さに沿った方向の導波路110の寸法である、広壁111と広壁112との距離を小さくして550μm以下とすると、帯域が狭くなってしまう。その原因は、詳細に解明されているわけではないが、本願発明者らは、方形導波路110のショート壁110Aと、ピン(プローブ)123の中心との離間距離Lsを、管内波長λgの半分(λg/2)に設定することで、信号波長に対して薄い基板を用いた場合に大幅な広帯域化を実現できることを見いだした。入力ポートから見た場合、Smith Chartの軌跡を観察すると、何らかの共振状態が実現された結果、広帯域化が実現されたと考察できる。これにより、帯域の狭隘化を低減することが可能である。
なお、λをピン123に入力する信号の波長とするとき、導波路110内の管内波長λgは、次のように表わされる。
λg = λ/(1−(λ/2a)1/2
ここで、aは図4(b)に示すように、導波路110における厚さ方向の開口幅である。
基板101は厚さ550μm以下、好ましくは、厚さ500μm程度、あるいは、400μm程度、300μm程度、250μm程度、200μm程度、175μm程度、100μm程度とすることができる。ここで「程度」とは、±50μmの厚み幅を持つことを意味する。基板101の構成材料としては、特に限定されるものではないが、可撓性を有するフレキシブル基板や、ソーダガラス、石英ガラス等のガラス基板とすることができる。フレキシブル基板としては、例えばポリイミド樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラスエポキシ樹脂、エポキシ樹脂にガラスクロス(繊維)を含んだ基板(FR4)などを用いることができ、例えば、液晶ポリマー(LCP)とすることができる。
広壁111,112は、基板101表裏面に設けられた銅薄膜等とされ、少なくともピン123の周辺領域をのぞいた基板101全面に設けられている。
導体柱114は、図1に示すように、広壁111,112と同材の導体からなる同一径寸法の円筒状とされており、それぞれの端部が広壁111と広壁112とに接続されている。複数の導体柱114は、導波路110を平面視して開口部に対応する部分である一辺をのぞいた略矩形となるように配列されて狭壁110Bおよびショート壁110Aを形成している。この複数の導体柱114の配列は、ピン123から発振される高周波信号を反射して外部に漏洩しないように設定される。具体的には、隣り合う導体柱114が離間して配置された場合、その中心間距離Lは、図6に示すように、導体柱114の直径dの2倍よりも小さくなるよう設定される。つまり、導体柱114の再近接位置どうしの間隔Xは、導体柱114の直径dと同等かこれよりも小さくなるよう設定される。また、導体柱114の内部はいずれも導体で充填されていても良いし、充填されていなくても良い。また、導体柱114を形成する円柱状の導体はいずれも広壁111,112よりも薄い導体膜からなっている。なお、導体柱114の内部は樹脂等の絶縁体で充填することや、なにも充填しないこともできる。
モード変換器100は、図1〜図7に示すように、基板101に内在するように広壁111に設けられた開口111aから導波路110内部に挿入されたピン123と、このピン123の外側基端部に接続されて広壁111より外側に位置する平面回路(伝送路)122を有する。
広壁111には略均一厚さの上基板(基板)124が積層されて接着層124aを介して接着される。上基板124には、平面視してピン123と同じ位置に、上基板124を貫通する孔部γ内に導体123Aが設けられている。導体123Aの外側端部は、上基板124表面に位置するピン端子(接続部)123bとされ、伝送路122の一端側に接続されている。
上基板124は基板101と同様の材質からなり、例えばフレキシブル基板とされて、基板101の半分以下の厚み、つまり、ピン123の長さ程度の厚み以下の寸法とすることができる。
上基板124の外側表面上には、接続部としての伝送路122が形成されている。伝送路122は、すくなくとも広壁111の開口111aを跨ぐように設けられ一端側がピン端子123bを介してピン123に接続され、他端側が上基板124上のGSGパッド(高周波信号入力端子)125に接続されて、マイクロストリップラインとなっている。GSGパッド125の伝送路122に対する両外側には、図3に示すように、上基板124上の伝送路122の延在方向に直交する向き両外側位置となるように、GNDパッド126が離間して配置される。
GNDパッド126には、図3に示すように、その両外側位置にそれぞれGNDビア127が設けられ、GNDビア127は、導体123Aと同様の構成とされている。GNDビア127は、図5に示すように、上基板124上の伝送路122の階層から、基板124表面の広壁111の階層まで接続するように設けられる。
ピン123は、図2に示すように、径寸法H1を有する柱状として、基板101内に内在し、先端123aが導体膜112と接触しない位置となるように、例えば、基板101の厚さの半分程度となるように長さ寸法H4が設定される。ピン123は、広壁111,112の面垂直方向に設けられる。ピン123の基端側には、図2、図3に示すように、広壁111と同階層である基板101表面に、広壁111と同一材料からなるフランジ状のランド123cが周設される。平面視して円環状とされるランド123c表面外縁部は、接着層124aを介して上基板124に覆われている。ピン123の基端側は基板101外側にむけてピン123を延長した形状とされる導体123Aを介して伝送路122に接続される。
伝送路122は、図3に示すように、広壁111と略平行である上基板124表面上に延在し、導体123A外側端部位置においては、この導体123Aよりも径寸法の大きなピン端子123bに接続されている。伝送路122は、ピン端子123bからGSGパッド(高周波信号入力端子)125まで直線状に延在するとともに、その幅寸法は、導体123Aおよびピン123の径寸法と等しく設定することができる。伝送路122の幅寸法は、後述するように、入力インピーダンス整合部として適宜調整されることができる。
伝送路122には、上基板124上のGSGパッド(高周波信号入力端子)125に接続された側に、基板124表面において伝送路122と直交する方向に延在するように開放スタブ122bが設けられている。開放スタブ122bは、伝送路122の両側において、それぞれGNDパッド126と所定の離間状態を有するように設けられる。開放スタブ122bの幅寸法は、伝送路122の幅の半分程度とされている。
伝送路122は、また、伝送路122とGSGパッド(高周波信号入力端子)125とが接続される部分に、伝送路よりも幅細となる狭隘部122aが設けられる。
これら伝送路122、開放スタブ122b、狭隘部122aからなる平面回路は、入力インピーダンス整合部を構成する。ここでは、伝送路122の幅寸法および長さ寸法、開放スタブ122bの幅寸法および長さ(張り出し)寸法、開放スタブ122bにおけるGNDパッド126との離間形状、狭隘部122aの幅寸法および長さ寸法、導体123Aの長さ寸法等を調整することで位相回転量、インダクタンス成分、または、容量成分の大きさを制御し、入力インピーダンスの整合を図る。
ピン123は少なくともその表面が広壁111と同様の導体から形成されることができ、本実施形態においては、その中心部分は、表面と同様かまたは異なる性質の導体で充填された構造とされる。具体的には、ピン123の表面が、メッキ法によって形成されたCu、Ag、Auなどの薄膜であり、円筒状のピン123の中心部分(内部)が、導電性ペーストを充填し、それを加熱・焼成した導体となっている。
ピン123の中心部分(内部)は、導体内部に微小な空隙Vを多数含んだ多孔質体である。これは、後述するように、導電性ペーストを加熱処理して形成したことに起因するものである。このように、微小な空隙Vを多数含んだ導体からなるピン123であると、フレキシブル基板101が変形したとしても、ピン123と微細孔αの内面との間に剥離が生じたり、ピン123自体が破損したりする不具合を防止でき、フレキシブル基板101の変形による応力耐性が向上するというメリットが生ずる。また、応力耐性を向上させるために、空隙Vの大きさ及び密度(配置)をピン123内部で好ましい状態に制御する。
図7は、他の実施形態におけるピン123の先端形状を示したものである。
ピン123は、図7(a)のように、先端123aが丸みを帯びた先丸形状であってもよい。あるいは、図7(b)のように、ピン先端123aの中央が鋭角的に尖った形状や、図6、(c)のように、ピン先端の周縁側が鋭角的に尖った形状であってもよい。図6(a)〜(c)のように尖った先端形状であれば、ピン先端123aと広壁112との距離の制御精度が緩和するので好ましい。特に、図6(b)(c)のように鋭角的に尖った先端形状であれば、ピン先端123aと広壁112との距離の制御精度がより緩和するので好ましい。結果として、製造上、インピーダンス整合しやすいという利点がある。
ピン123表面、導体柱114は、基板101の表面側から、チタン(Ti)またはクロム(Cr)からなる膜、銅(Cu)からなる膜を、順に積層した膜構成とすることができる。TiまたはCrからなる膜は、ミリ波帯における電磁波の表皮深さを考慮すると、基板との密着精度が損なわれない範囲において、薄いほど望ましい。例えば、Cuからなる膜が300nm以上である場合には、TiまたはCrからなる膜は40nm程度であることが望ましい。
伝送路122、開放スタブ122b、狭隘部122aなどの平面回路は、同様に、上基板124の表面側から、チタン(Ti)またはクロム(Cr)からなる膜、銅(Cu)からなる膜を、順に積層してなることができる。
広壁111および広壁112も基板101の表面側から、チタン(Ti)またはクロム(Cr)からなる膜、銅(Cu)からなる膜を、順に積層してなることができる。
これらは、いずれもミリ波帯の電磁波伝送に適した状態とされ、例えば、銅部分は後述するようにメッキ層とすることができる。なお、基板101表裏面の広壁111および広壁112、上基板124表面の伝送路122、開放スタブ122b、狭隘部122aなどの平面回路としては、基板101、上基板124に導体膜が形成された基材を利用することもできる。
[モード変換器の製造方法]
図1〜図7に示した導波路100の製造方法について、図8を用いて説明する。図8は、モード変換器の製造過程における基板の要部を、製造工程の順に、段階的に示した正断面図である。
[ポスト壁導波路構造]
まず、準備工程として、図8(a)に示すように、基材として基板101を用意する。例えば、基板101は厚み100μm〜500μm程度のフレキシブル基板とされる。ここで「程度」とは、±50μmの厚み幅を持つことを意味する。基板101の表裏面には銅薄膜からなる広壁111,112が形成されたものとされる。
広壁111,112の厚みは少なくともミリ波帯の表皮深さよりも厚いことが望ましい。60GHzでは、信号電流の表皮深さが270nmなので、2μm程度とすれば十分である。
次いで、図8(b)に示すように、孔あけ工程として、基板101にレーザーアブレーションあるいはドリル等の加工手段により、凹部(キャビティ)α、孔部βを形成する。
凹部αは、ピン123の長さH4に対応する所望の深さ、かつ、径寸法H1に対応する太さまで形成される。孔部βは複数の導体柱114に対応して基板101を貫通するように形成され、かつ、孔部βは径寸法dを有するとともに、隣接する孔部βとの距離Xが直径dよりも小さくなるように形成される。
基板101をフレキシブル基板とした場合には、例えば、液晶ポリマー基板(LCP基板)に対して、レーザー強度が調整されたUV−YAGレーザー、COレーザー等でレーザーを照射することで凹部形状を形成する。
その結果、図8(b)に示すように、基板101に凹部α、孔部βが形成される。微細孔である凹部α、孔部βの孔径は、製造するモード変換器100の用途に応じて、10μm〜300μmの範囲で適宜設定することができる。
薄い基板を用いたモード変換器においては、導波路の厚みを薄くするほど、つまり、導波路が形成される基板を薄くするほど、ピン長さが伝送特性に影響する度合いが大きくなる。そのため、ピン長さをより一層精密に設計する必要がある。例えば、厚みが300μm以下の薄い基板に形成する導波路では、ピン長さを10μmレベルで制御する必要がある。
次いで、図8(c)に示すように、シード層およびメッキ層からなる導体層121a、導体層121bを、凹部α,孔部βの内部に形成する。シード層は例えばCr/Cu,Ti/Cuなどで厚みは10nm〜500nmとされ、スパッタリングで形成することができる。メッキ層は銅メッキとされる。銅メッキ層の厚みは少なくともミリ波帯の表皮深さよりも厚いことが望ましい。60GHzでは、信号電流の表皮深さが270nmなので、導体層121a、導体層121bは、2μm程度の厚さとすれば十分である。このとき、導体層121a、導体層121bと同等の導体層を、基板101の表裏面の広壁111,112上に同時に形成してもよい。
次いで、図8(d)に示すように、凹部α周囲の開口111aに対応する領域をエッチングにより除去し、ランド123cを形成する。この際、開口111a以外にレジストを形成してエッチングすることで、レジストを除く広壁111の部分を除去し、開口111a、ランド123cを形成する。開口111a形成工程は、塩化第二鉄液、塩化第二銅液等の酸溶液を用いたウェットエッチングとすることができる。
次いで、充填工程として、図8(e)に示すように、ペースト状の導電性材料をスクリーン印刷等の手段で凹部α内に充填する。
まず、基板101全表面にシート状のカバーを貼付し、凹部αに対応する部分のみ除去し貫通孔を形成する。この状態で、基板101全面に導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布して凹部α内にペーストを充填する。その後、シートを除去して、図8(e)に示すように、開口111aにはペーストを充填せずに凹部α内のみペーストを充填した状態とする。
カバーとしては、たとえばステンレス、アルミ合金からなるメタルマスクが用いられ、る。
貫通孔形成としては、孔部β形成と同様にメタルマスクにエネルギーを調整したレーザー加工等を用いることが可能である。
ペースト状の導電性材料としては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)等の導体を含むものとされ、これ以外にフィラーとしてのフラックス等を含むこともできる。
なお、ペースト導体は、微細孔αの内部に完全に充填されていなくともよいが、気密性を要求される場合などには、微細孔αの内部に完全に充填されていることが望ましい。このように、ポスト壁導波路構造を形成する。
本発明のモード変換器のように小型化・薄型化しようとすると、必然的にピンも小さく形成する必要があり、そのためにはピンが形成される高アスペクト比の孔(微細孔)をさらに小さくする必要がある。しかしながら、小さな孔であるほどの内部に導体を形成することが困難となる。
本発明は、印刷法を用いて導電性ペースト微細孔の内部に充填しているため、微細孔の内奥まで導電性ペーストを充填することが可能となり、所望の長さのピンを安定的に形成することができる。
[上部伝送構造]
まず、準備工程として、図8(f)に示すように、基材として上基板124を用意する。上基板124は、基板101と同材のとされて、基板101の半分の厚みであるフレキシブル基板とされ、その表面には銅薄膜からなる導電層122Aが形成されたものとされる。
導体層122Aの厚みは少なくともミリ波帯の表皮深さよりも厚いことが望ましい。60GHzでは、信号電流の表皮深さが270nmなので、2μm程度とすれば十分である。
次いで、図8(g)に示すように、上基板124表面に、伝送路122、開放スタブ122b、狭隘部122a、GNDパッド126、GSGパッド(高周波信号入力端子)125などの平面回路を形成する。この際,平面回路形状にパターニングしたレジストを形成し、これ以外の導電層122Aをエッチングにより除去することで、これらの平面回路を形成する。その後、レジストをレジスト剥離液により除去する。さらに、CFガスや0ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)プロセスを実施することもできる。
この際、入力インピーダンス整合をとるためにそれぞれの平面回路における各寸法をそれぞれ設定する。具体的には、伝送路122の幅寸法および長さ寸法、開放スタブ122bの幅寸法および長さ寸法、開放スタブ122bにおけるGNDパッド126との離間形状、狭隘部122aの幅寸法および長さ寸法、導体123Aの長さ寸法を例示できる。なお、図においては、平面回路として、伝送路122のみを示してある。
次いで、図8(h)に示すように、上基板124裏面全体に、接着層124aを形成する。
接着層124aとしては、LCPフィルムあるいはポリイミドとされる基板124に対してエポキシ系やアクリル系の接着剤、あるいはLCPによる接着層が用いられる。
次いで、図8(i)に示すように、上基板124に、レーザーアブレーション等の加工手段により、孔部γを形成する。孔部γは、導体123AおよびGNDビア127に対応するものとされ、形成位置、形成寸法が設定される。孔部γは、上基板124の表面(上側)では、伝送路122やGNDパッド126といった平面回路に電気的に接続するように、また、上基板124の裏面(下側)では、接着層124aを貫通して形成される。これらは、レーザー照射条件を設定することで調節する。
次いで、充填工程として、図8(j)に示すように、ペースト状の導電性材料をスクリーン印刷等の手段で孔部γ内に充填する。
この際、上基板124の全裏面にペースト状導電材料を塗布した後に、スキージ等で押圧して孔部γ内に充填する。この場合、たとえば印刷圧力0.25MPa〜0.5MPa
印刷速度5mm/sec〜30mm/secとすることができる。
なお、導体123Aは、孔部γ内部に完全に充填されていなくともよいが、気密性を要求される場合などには、孔部γ内部に完全に充填されていることが望ましい。このように上部伝送構造を形成する。
次いで、図8(e)に示す基板101に形成されたポスト壁導波路構造と、図8(j)に示す上基板124に形成された上部伝送構造とを、凹部αと孔部γとを位置あわせして貼り合わせ、加熱加圧処理することで接着する。
基板101と上基板124とを貼り合わせる加熱加圧処理は、たとえば加熱温度180℃、圧力1MPa、加熱時間60minとすることができる。この加熱加圧処理は、接着層124aが広壁111表面に接着されるとともに、凹部αおよび孔部γ内に充填された導電性ペーストから形成される導体どうしが接続すればよく、平面回路が変形しない程度の処理条件とされる。
このような工程によって、モード変換器100を形成することができる。
本実施形態においては、ピン123とショート壁110Aとの距離Lsを、管内波長λgの半分(λg/2)に設定したので、必要な帯域を確保することが可能となる。
さらに、基板101の厚さに対し半分程度の深さ寸法を有する微細孔(凹部)αをレーザーアブレーションによって形成し、この内部にペースト状の導体を充填するので、スパッタ、メッキなどで形成した場合に比べ、微細化した場合でも、ピン123長を正確に設定することができる。したがって、信号の反射が最小となるような励振ピン長を正確に実現することが可能となる。すなわち、無線通信ICから平面回路(伝送路)122を伝わってきたミリ波信号を損失なく効果的に伝送することが可能なモード変換器100を製造することができる。
また、導体ペーストを充填してピン123を形成したため、ピン123が外力が作用した場合でも電気的に変形せず、入力インピーダンス整合を容易に維持することができる。
また、インピーダンス整合状況は、ピン123の直径にも左右されると考えられるが、エッチング条件によりピン123となる凹部αの径を調整できるので、高い調整能力を有する。
また、本実施形態の導波路110は、複数の基板を積層することで形成され、積層界面のランド構造によってピン123の途中でビア−ビアの接続をおこなう従来技術に比べ、単一基板101内に内在したピン123を形成できるので、導波路110内部でピン123の途中におけるランド構造が必要なく、ピンの径の変化による信号反射の悪影響も低減させることが可能である。
本実施形態の製造方法によれば、ピン123と狭壁110Bおよびショート壁110Aとなる複数の導体柱114とを同時並行して形成することが可能なため、製造に必要なプロセス数を削減して工数を減らし、作業時間と製造コストを低減することが可能となる。
本実施形態の製造方法によれば、図8(e)に示す基板101に形成されたポスト壁導波路構造と、図8(j)に示す上基板124に形成された上部伝送構造とを、別々に形成しているため、ピン123の長さ等の調節をモード変換器100製造後にすることが可能となる。
本実施形態によれば、平面回路が上基板124表面、つまりモード変換器100の最表面に形成されており、モード変換器の外側から平面回路の形状調整(トリミング)を容易に行うことができる。例えば、ピン123を設計通りの長さで形成できず、所望の特性が得られなかったとしても、モード変換器100を製造後に平面回路をトリミングすることにより、伝送特性の調整を行うことができる。
本実施形態によれが、基板101および上基板124にフレキシブル基板を用いているので、軽量で低損失な導波路が実現できる。同時に、可撓性を有することで、多彩な利用が可能となる。
上述した実施形態においては、図2に示すように、励振ピン123の径寸法を基端部123bから先端部123aまで均一となるように設定したが、図9に示すように、側面が角度を有するように先端部123aが基端部123bに比べて縮径するようにすることができる。この場合、凹部αの内部における金属付着効果を向上させて、シード層および銅メッキの導体膜121a、の形成および導電ペースト充填によるピン123の形成における確実性を向上することができる。
また、本実施形態においては、入力インピーダンス整合部として、伝送線路122、開放スタブ122b、狭隘部122aからなる平面回路を図3に示すような構成としたが、他の構成とすることもできる。
なお、開放スタブ122bは、伝送路122の片側だけに同じ張り出し長さを有するように設けた場合には、伝送路122の線路長が長くしたのと同等の効果を有する。また、開放スタブ122bは、伝送路122の延在する中心軸に対して対称に設けることが好ましい。また、伝送路122の両側で非対称とすることもできる。このように開放スタブ122bの形状・配置は入力インピーダンスとしてきわめて大きな効果を奏する。
また、本実施形態では、図1に示すように、導波路110の開口102の外側位置に基板101がある構成としたが、図10(a)に示すように、基板101の端にまでスリット壁141を形成することもできる。この場合、ピン123の後ろ側が複数の導体柱140から構成される導波路110であるため、基板101に長孔β1を形成した場合でも、基板101が分離してしまうことがない。
このような構成により、電磁波進行方向の側壁が連続壁になっているため、導体の配置
が不連続であることによる電磁波姿態の乱れを防止することができる。
さらに、本実施形態においては、図1に示すように、導波路110を複数の導体柱114からなる狭壁110Bおよびショート壁110Aを有するものとしたが、図10(a)に示すように、平面視矩形であり、モード変換器から電波放射される開口102に対向するショート壁(後方壁)110Aとなる辺は複数の導体柱114とし、また、ピン123から開口102に向かう方向に延在する2辺である狭壁110Bは、その方向に連続したスリット壁141とし、連続した孔β1を形成することもできる。このようにショート壁110Aとなる辺を複数の導体柱140とすることにより、仮に、一部の導体柱において電気的にオープンとなる等の不具合が生じたとしても、残りの導体柱が広壁と接続されていれば、機能を維持することができる。また、狭壁ショート壁をスリット壁141とすることにより、導体柱よりも電磁波の漏洩を、さらに効果的に防止することができる。
また、このように長孔β1を形成した場合、多数の円柱を平面視して重なるように連続して形成した長孔β1とすることもできる。
さらに、矩形の導波路110のうち開口102以外の三辺を連続する長孔β2を形成してコ字状に連続するスリット壁142とするとともに開口102付近のみ離間した導体柱140を形成して導波路110が離間した状態とすることができる。
また、図10(b)に示すように、矩形の導波路110のうち開口102以外の三辺にそれぞれ連続する孔β1,β3を形成し、対応したスリット壁141,143とするとともに、各辺の交わる部分には導体柱140を設けて、導波路110が離間した状態を形成することができる。
また、図10(b)に示すように、矩形の導波路110のうち開口102以外の三辺にそれぞれ連続する長孔β1、β3を形成し、対応したスリット壁141、143とするとともに、各辺の交わる部分には導体柱140を設けて、ショート壁110が離間した状態を形成することができる。この場合、不連続部がポスト1個分のみであるため、この不連続部における電磁波の姿態の乱れを最小限に抑えることでき、且つ、図12に示した構造よりも機械的に安定した構造とすることができる。これらのように導波路110が離間して基板がモード変換器100となる導波路110内部側と外側で連続した状態を形成することで、基板101が分離してしまうことがない。
また、図10(c)に示すように、開口102の外側に、ショート壁が広がった状態のスリット壁144設けることもできる。この場合、H面扇型ホーンアンテナを構成することができ、アンテナ利得を向上させることが可能となる。
これらのように、隙間のある導体柱114の一部をスリット壁141,142,143,144を有する構造とすることで、導波路100を形成する広壁111,112間の狭壁110Bおよびショート壁110Aの大部分をスリット壁141,142,143,144に置き換えることができる。これにより、従来よりも大幅に電磁波の漏洩を抑えることができ、アンテナの放射効率の向上や、導波路の放射損失の削減に貢献できる。また、スリット壁を採用することにより、すべてが導体柱114の場合よりも電流が流れる面積が大きくなるため、すべてのポスト壁114の場合に起こりうるポスト壁114と広壁111,112の電気的非導通による伝送モードの乱れ・破綻とそのリスクを大幅に軽減することが可能となる。
上述した実施形態においては、図1、図2に示すように、導体柱114の径寸法を広壁111から裏面の広壁112まで均一となるように設定したが、図11(a)に示すように、角度θ5を有するように表面101aから裏面101bに向かって縮径するようにすることができる。
この場合、微細孔βの内部における金属付着効果を向上させて、シード層、銅メッキの導体121aの形成を確実におこなうことが可能となる。この場合、微細孔βの内部における金属付着効果を向上させて、シード層、銅メッキによる導体柱114の形成を確実におこなうことが可能となる。また、角度θ5を有することにより、微細孔αの内部における金属付着効果を向上させて、シード層、銅メッキによる広壁111の形成を確実におこなうことが可能となる。
さらに、図11(b)に示すように、角度θ6,角度θ7を有するように表面101aから裏面101bに向けて縮径してから拡径するようにすることができる。角度θ6、角度θ7を有することにより、微細孔αの内部における金属付着効果を向上させて、シード層121a、銅めっきの広壁111の形成を確実におこなうことが可能となる。
本実施形態のモード変換器100は、図12に示すように、ミリ波通信モジュール用基板200とすることができる。
ミリ波通信モジュール用基板200は、モード変換器100と、モード変換器100の一例として上面側にフリップチップ接続された無線送受信機能素子を有する無線通信IC(半導体チップ)210を有している。ミリ波通信モジュール用基板200は、導波路100の形成された基板101表面に、GNDとなる広壁111および上基板124上の伝送路122が設けられるとともに、伝送路122と同階層とされる図示しない回路が設けられるとともに、伝送線路122終端のGSGパッド125と無線通信IC(半導体チップ)210の端子211が接続される。ミリ波等の高い周波数では、寄生インダクタンスの影響が非常に大きくなるため、ワイヤボンドよりもバンプによる短距離実装が望ましい。
本実施形態のモード変換器100は、また、図13に示すように、ミリ波通信モジュール用基板200Aとすることができる。
図13に示すミリ波通信モジュール用基板200Aが、図12に示すミリ波通信モジュール用基板200と異なる点は、ピン端子(接続部)123bがGSGパッド125とされており、このピン端子123bに無線通信IC(半導体チップ)210の端子211が接続される。
これ以外の対応する構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、GNDビア127に接続されるGNDパッド126には、無線通信IC(半導体チップ)210の端子212が接続される。このように、伝送路122、開放スタブ122b、狭隘部122a等を有しない平面回路とすることもできる。ミリ波通信モジュール用基板200Aでも、は、端子211,212は、ミリ波等の高い周波数において、寄生インダクタンスの影響が非常に大きくなるため、ワイヤボンドよりもバンプによる短距離実装が望ましい。
また、本実施形態の励振ピン構造120は、図3に示すように、マイクロストリップラインとされたが、図14に示すように、コプレーナとすることもできる。この場合、PWAの上面GND層となる広壁111と同じ層に、信号線路132を形成する。
<第2実施形態>
以下、本発明に係るモード変換器の第2実施形態を図面に基づいて発明を説明する。
本実施形態において、上記の第1実施形態と異なるのは、ピン構造120に関する点、および製造工程に関する点である。
本実施形態のモード変換器100は、図15、図16に示すように、単一の部材からなるガラス基板(基板)101、高周波信号伝搬用の平面回路(伝送路)122と、ピン(導体ピンともいう)123と、ショート壁であるグランド電位に接続された広壁111および112と、導波路110とを備えている。
単一の部材からなるガラス基板は、複数の基板を積層した積層基板、複合基板ではな
く、単一材料から構成されたガラス基板である。ガラス基板の代わりに、石英基板や半導体基板を用いてもよい。導波路110は、単一のガラス基板101の表裏面に設けられた広壁111、112と、これらの広壁111、112間に立設された複数のポスト壁である導体柱114からなる狭壁110Bおよびショート壁110Aとで囲まれた領域であり、ピン123から放射される電磁波信号が伝搬する経路として機能する。導波路110の一端側には、広壁111、112や、狭壁110Bおよびショート壁110Aは配されておらず、電磁波信号が放射される開口部となっている。
ピン123は、図15に示すように、略均一な外径H1を有する円筒状である。ピン123は、ガラス基板101内に、ガラス基板101の表裏面に対して垂直に形成されている。そして、後述するように、先端123aが広壁112と接触しないように長さ寸法H4が設定される。ピン123の基端123b側は広壁111と同階層であるガラス基板101表面に、広壁111と同一材料からなるフランジ状のランド123cが周設される。平面視して円環状とされるランド123cの表面外縁部123dは、絶縁部124に覆われている。ランド123cの中央側の円環部123eの表面は、伝送路122から延長されるとともに絶縁部124の厚さ方向に拡径する導体122aによって伝送路122に接続される。ピン123の内側面(内面)は、導体122aに接続された導体122bに覆われている。
外縁部123dの外径寸法(ランド123cの外径寸法)H3、ランド123cに接続される部分の導体122aの外径寸法H2、および、ピン123の外径寸法H1は、H3>H2>H1となるように設定される。
ピン123は、少なくともその表面がCu、Ag、Auなどの導体から形成されていればよく、円筒状のピン123の中心部分が表面と同様の導体や、空洞、あるいは、絶縁樹脂等で占有される構造とすることができる。導体の形成方法には、めっき法を用いる方法などがある。
[導波路の製造方法]
図15に示したモード変換器100の製造方法について、図16を用いて説明する。
図16は、導波路の製造過程におけるガラス基板の要部を、製造工程の順に、段階的に示した正断面図である。
まず、準備工程として、図16(a)に示すように、基材としてのガラス基板101を用意する。例えば、ウエハ状をした大面積のガラス基板であり、厚みは850μmである。
[第一工程]
次いで、図16(b)に示すように、第一工程として、ガラス基板101にレーザー照射し、改質部α、改質部βを改質する。改質部αは、ピン123の長さH4に対応する所望の深さまで形成される。改質部βは複数の導体柱114に対応してガラス基板101を貫通するように形成され、かつ、改質部βは径寸法dを有するとともに、隣接する改質部βとの距離Xが直径dよりも小さくなるように形成される。ガラス基板101は、例えばパイレックス(登録商標)からなるものを利用することができ、レーザー光としては、パルス幅が250fsのフェムト秒レーザーを用い、これを集光照射し、その焦点を走査することにより改質部を形成する。上記の改質部α、βの寸法(長さ、太さ)は、レーザー照射の条件(焦点のサイズ、走査距離)により制御することができる。
[第二工程]
次いで、第二工程として、改質した改質部αおよび改質部βをエッチングにより除去する。このエッチング工程におけるエッチングは、容器(不図示)内に入れた所定の薬液中に改質部α、βを形成したガラス基板101を浸漬することにより行う。これにより、改質部αはガラス基板101の一方の主面(表面)101a側から、改質部βは、ガラス基板101の両主面から薬液によりウェットエッチングされ、ガラス基板101内から除去される。
その結果、図16(c)に示すように、改質部α及び改質部βが存在していた部分に、微細孔α及び微細孔βが形成される。本実施形態では、薬液としてフッ酸を主成分とする酸溶液か、または、水酸化カリウムを主成分とする酸溶液を用いることができる。第二工程におけるエッチングは、改質されている部分が改質されていない部分に比べて非常に早くエッチングされる現象を利用するものであり、結果として改質部α、βの形状に起因した微細孔α、βを形成することができる。本実施形態においては、微細孔α、βの孔径は、製造する部分の用途に応じて、10μm〜300μmの範囲で適宜設定することができる。
尚、上述した手法(レーザーによる基板改質と酸溶液を用いた改質部のエッチング)により形成される微細孔αは、その底部が図7(a)に示したように丸みを帯びた形状となる。したがって、微細孔αに形成されるピンは、図7(a)のように先丸形状となる。
[第三工程]
次いで、第三工程として、第二工程において形成した微細孔α及び微細孔βの内部に導電性物質を導入し、ピン123及び導体柱114を形成する。
まず、図16(d)に示すように、シード層121aをガラス基板101の表面101aおよび微細孔α、βの内部に形成するとともに、図16(e)に示すように、シード層121bをガラス基板101の他方の主面(裏面)101bに形成する。シード層121a、121bは例えばCr/Cu、Ti/Cuなどで厚みは10nm〜500nmとされ、スパッタリングで形成することができる。
次いで、図16(f)に示すように、微細孔α周囲のシード層121a上にめっきによりレジスト115を形成する。レジスト115は、ガラス基板の表面101aで平面視して円環状をなしており、微細孔αおよびランド123c部分を除いた開口111aに対応する領域を覆うよう形成される。レジスト115の内径寸法H3は、ランド123cの外径寸法)H3を考慮して設定される。レジスト115としては、例えば、液状ネガレジスト、フィルム状ネガレジスト、液状ポジレジスト、フィルム状ポジレジストを適用することができる。
次いで、図16(g)に示すように、レジスト115を除くシード層121a、121bの表面に、めっき法を用いて銅を積層させ、ピン123、広壁111および112、導体柱114となる層を成長させる。ピン123は、微細孔αの内部および微細孔α周囲のランド123cとなるガラス基板の表面101aに形成され、広壁111は、ガラス基板表面101aの開口111a外側、導体柱114は微細孔βの内部に形成される。
さらに、ガラス基板101の裏面101bに形成されたシード層121bに広壁112を形成する。
銅めっきの厚みは、少なくともミリ波帯の高周波信号が流れるときに電流密度が高くなる表皮深さよりも厚いことが望ましい。60GHzの高周波信号では、信号電流の表皮深さが270nmなので、2μm程度とすれば十分である。
なお、銅めっき法で形成されたピン123、導体柱114は、微細孔α、βの内壁面を導体で覆い、且つ微細孔α、βの中心軸には導体が配されていない形態となる。あるいは、微細孔α、βの内部を完全に充填してもよい。
次いで、レジスト剥離工程として、図16(h)に示すように、レジスト115を剥離する。さらに、残存するシード層121aエッチングをおこなう。これにより広壁111、ランド123c、開口部111aを形成する。
[第四工程]
次いで、第四工程として、図16(j)に示すように、広壁111上およびランド123cの外周部123d上に絶縁部124を形成する。絶縁部124は、ピン123となる微細孔α部分とその周囲のランド123cの中央側の円環部123eとなる部分、および、平面回路(伝送線路)122終端部のGNDビア127となる部分に除去された開口部124a、124bを形成する。
微細孔α周辺の開口部124aは、その径寸法H2となるように設定され、これによって、図2に示すように、ランド123cに接続される部分の導体122aの外径寸法H2を設定する。
第四工程としては、まず、絶縁部124は、例えば液状の感光性樹脂をスピンコート法で広壁111および開口部111a部分のガラス基板の表面111a上に塗布する。次いで、フォトリソグラフィー法により微細孔α周辺の開口部124aと、GNDビア127となる開口部124bとを除去し、絶縁部124を形成する。次いで、残存した感光性樹脂を熱処理することで硬化する。
なお、開口部124aにおいて円環部123e上に除去しきれなかった感光性樹脂が残る場合、これらの除去にはCF4ガスや02ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)プロセスの実施が大変有効である。
[第五工程]
次いで、伝送路122を形成する。図16(k)に示すように、シード層128を絶縁部
124の表面と、ランド123cの円環部123e及び微細孔αの内部と、開口部124
b内部とに形成する。シード層128は、シード層121a、121bと同じく、例えば
Cr/Cu、Ti/Cuなどで厚みは10nm〜500nmとされ、スパッタリングで形
成することができる。
次いで、伝送路形成工程の前工程であるレジスト形成工程として、図16(m)に示すよ
うに、伝送路122となる部分以外のシード層128上にめっきによりレジスト129を
形成する。レジスト129は、伝送路122となる部分およびGSGパッド125、GN
Dパッド126、GNDビア127となる部分を除いた領域を覆うよう形成される。レジ
スト129の材料は、レジスト115と同等のものでよい。
次いで、伝送路形成工程として、図16(n)に示すように、レジスト129を除くシード層128の表面に、銅めっきをおこない、伝送路122となる層を成長させる。同時に、銅めっきの厚みは、少なくともミリ波帯の高周波信号が流れるときに電流密度が高くなる表皮深さよりも厚いことが望ましい。60GHzの高周波信号では、信号電流の表皮深さが270nmなので、2μm程度とすれば十分である。
次いで、図16(p)に示すように、レジスト129の剥離とシード層128のエッチングをおこなう。これによりマイクロストリップラインとなる伝送路122を形成される。
このような工程によって、ピン123を有するモード変換器100をガラス基板101に形成することができる。
本実施形態においては、上記の第1実施形態のように、距離Lsがλg/2とされることで、同等の効果を奏することができるとともに、さらに、単一の部材からなるガラス基板101を用い、レーザー照射による改質でピン123となる改質部αの長さを設定できるので、ガラス基板101の厚み寸法以内であればどのような長さのピン123であっても形成することも可能である。したがって、従来のようにピンの長さが離散的とはならず、信号の反射が最小となるように最適なピン長を実現することが可能となる。すなわち、無線通信ICから伝送路122を伝わってきたミリ波信号を、損失なく効果的に伝送することが可能なモード変換器を製造することができる。
<第3実施形態>
以下、本発明に係るモード変換器の第3実施形態を図面に基づいて発明を説明する。
本実施形態において、上記の第1、第2実施形態と異なるのは、ピン構造120に関する点、および製造工程に関する点である。
図17は、本実施形態におけるモード変換器100の構成例を、模式的に示す断面図である。
本実施形態において、ピン120は、図3に示すように、基板の一方の主面101aから他方の主面101bまで貫通する第一貫通孔103の内壁(内壁面)103aに、導体膜123f、導体膜122fが、順に積層されてなる。ピン120は、第一貫通孔103を経由して、基板の両方の主面101a、101bを連通している。導体膜122fは、平面回路122から延設された膜である。
導波路110は、第一基板(基板)の一方の主面101a、他方の主面101bにそれぞれ配された広壁111、112と、広壁111、112の間に立設し、両者を連結する複数の導体柱(ポスト)114とからなる狭壁110Bおよびショート壁110Aで構成される。導体柱114は、第二貫通孔104とその内部に配された導体とによって構成されている。導体柱114の両端はそれぞれ広壁111、112に電気的に接続されている。
複数の導体柱114は、第一基板101の平面視においてピン120をコの字に囲むことで狭壁110Bおよびショート壁110Aを形成するように配されている。また、第一基板101の側面における一端101c側には、導体膜や導体柱114は配されておらず、電磁波が放射される開口部102となっている。導体柱114は、モード変換器100を動作させた際に、ピン120から放射された電磁波を、導波路110内に閉じ込める機能を有している。導体柱114を備えることにより、放射された電磁波を漏洩させることなく、所望の方向にのみ伝播させることができる。複数の導体柱114は、第一基板101の平面視において、略矩形をなす周縁部のうち、開口部102に対応する一辺を除いた三辺と平行に配列されている。この複数の導体柱114の配列は、ピン120から放射される電磁波を反射して外部に漏洩しないように設定されている。
広壁111、112は、それぞれ銅等の導体によって構成され、電気的に接地された配線(GND)として機能する膜である。広壁111は、第一基板の一方の主面101aにおける第一貫通孔の開口部103bの周縁部には設けられていない。この広壁111が設けられておらず、広壁111とピン120とを絶縁する領域が、アンチパッド111aである。第一基板の他方の主面101bにおいても同様に、広壁112は、第一貫通孔の開口部103cの周縁部には設けられておらず、その広壁111が設けられていない領域が、所定の幅H4のアンチパッド112aとなっている。
なお、ここでのアンチパッド111aは、第一基板の一方の主面101aにおいて、第一貫通孔の開口部103bから外側に広がる、絶縁領域として定義されるものである。そして、アンチパッド112aは、第一基板の他方の主面101bにおいて、第一貫通孔の開口部103cから外側に広がる、何も配されていない絶縁領域として定義されるものである。なお、アンチパッド111a、アンチパッド112aとなる領域は、電気的な絶縁領域であればよく、例えば絶縁体が配された領域であってもよい。例えば、第一基板の一方の主面101a側に形成された絶縁部124や、第一基板の他方の主面101b側に形成された絶縁部(図示せず、パッシベーションとも言う)によって、広壁111、112やアンチパッド111a、112aが被覆されていてもよい。この絶縁部が形成されていることにより、広壁111、112やアンチパッド111a、112aが異物付着や汚染などから保護される。また、本発明のモード変換器100に対して直に接するように、他の基板を積層することができる。
広壁111には略均一な厚さの絶縁部124が積層され、絶縁部124の外側表面上に伝送路122が形成されている。伝送路122は、少なくともアンチパッド111aと重なるように設けられている。伝送路122は、その一端側がピン120の外部側端部に接続され、他端側が絶縁部124上のGSGパッド125に接続されて、マイクロストリップラインとなっている。
ピン120は、少なくともその表面がCu、Ag、Auなどの導体から形成されていればよく、内部については、表面と同様の導体、空洞、あるいは、絶縁樹脂などで占有された構造とすることができる。ピン120は、図に示すように、第一貫通孔の内壁103aに沿って形成されており、外径H1を有する円筒状である。したがって、曲げや捻じれの応力が加わることによって基板101が変形した場合に、ピン120もこれに追従して容易に変形することができ、過剰な応力が加わって破損するのを防ぐことができる。
ピン120は、第一基板101の両方の主面(101a、101b)に対して垂直に形成されている。第一基板101の一方の主面101a側におけるピン120の端部に、広壁111と同階層をなし、広壁111と同一材料からなるフランジ状のランド123cが周設される。第一基板101の平面視において円環状とされるランド123cの表面のうち外縁部123dは、絶縁部124によって覆われている。ランド123cの中央側の円環部123eの表面は、伝送路122から延長されるとともに絶縁部124の厚さ方向に拡径する導体122aによって覆われている。
図17に示すように、外縁部123dの外径寸法(ランド123cの外径寸法)H3、ランド123cに接続される部分の導体122aの外径寸法H2、および、ピン120の外径寸法H1は、H3>H2>H1となるように設定される。また、平面回路122、ピン120、広壁111、112、狭壁110Bおよびショート壁110Aを構成する導体は、第一基板101または樹脂124の表面側から、チタン(Ti)またはクロム(Cr)からなる膜、銅(Cu)からなる膜を、順に積層してなる。これらの導体は、めっき法を用いて形成することができる。
なお、図17においては、第一貫通孔103の長手方向の中心軸近傍が空洞となっている例を示したが、第一貫通孔103の内部がピン120を構成する導体によって充填されていてもよい。
図18は、図17のモード変換器100に対する他の構成例を示す、モード変換器の断面図である。図17においては、第一貫通孔の内壁面103aに沿ってピン120が形成
されており、第一基板の他方の主面101b側に露出したピン120の露出面が、第一基
板の他方の主面101bと面一をなしている例を示したが、図18に示すように、ピン120は、第一基板の他方の主面101bに延設されていてもよい。すなわち、ピン120は、第一貫通孔の開口部103cにおいて外側に広がる縁部(ランド)122aを有していてもよい。
このような構成にすることにより、第一基板の他方の主面301bにおいて、第一貫通
孔の内壁303aとピン320との界面が露出しない構造となる。したがって、この界面からパーティクル等が侵入するのを防ぐことができる。
本実施形態に係るモード変換器によれば、第一基板の他方の主面に配された広壁がグランド端子(GND)として機能する。そのため、第一基板の他方の主面においてピンの端部が、この広壁と電界結合し、ピンの入力インピーダンスは、ピンの端部と広壁との離間距離、すなわちアンチパッドのサイズによって変化することになる。したがって、アンチパッドのサイズを調整することによってピンの入力インピーダンスを、平面回路のインピーダンスと整合するように制御することができる。また、ピンの端部が第一基板の他方の主面において露出しており、ピンの端部と広壁とを電気絶縁させるアンチパッドが、基板の他方の主面に設けられている。そのため、ピンの端部と広壁との位置関係を容易に確認することができる。そして、アンチパッドのサイズを確認しながら調整(トリミング)して最適化することにより、入力インピーダンス整合された伝送路の実現が容易となる。
アンチパッドのサイズの調整は、プロセス的に容易であり、微調整が可能であるため、平面回路とピンの入力インピーダンスを正確に整合させることができる。したがって、平面回路からピンに伝播した信号の反射損失は、アンチパッドのサイズを調整することによって正確に制御することができる。そして、アンチパッドを最適なサイズとすることにより、反射損失を著しく低減させることができる。
[モード変換器の製造方法]
図17に示したモード変換器100の製造方法の一例について、図8を用いて説明する。
図19は、モード変換器100の各製造過程における要部断面を、製造工程の順に、段階的に示した図である。
まず、図19(a)を示すように、準備工程として、後述するレーザーが透過可能な透明度を有する、ガラス等からなる第一基板を準備する。
次に、図19(b)に示すように、第二工程として、第一基板101の所定の位置にレーザーを照射することにより、改質部α、改質部βを形成する。改質部αは、第一基板101内部のピンが形成される位置において、第一基板の一方の主面から他方の主面まで、すなわち、第一基板101の厚さと等しい長さ分の領域に形成する。改質部βは、第一基板の導体柱が形成される位置において、第一基板の一方の主面から
他方の主面まですなわち、第一基板101の厚さと等しい長さ分の領域に形成する。
なお、改質部βは径寸法dを有するとともに、隣接する改質部βとの距離Xが直径dよりも小さくなるように形成される。第一基板101は、例えばパイレックス(登録商標)からなるものとすることができ、レーザー光としてパルス幅が250fsのフェムト秒レーザーを集光照射することにより改質部を形成する。上記の改質部α、βの寸法は、レーザー照射の条件により制御される。
第一工程におけるレーザーの照射方法について説明する。第一基板101の改質したい箇所にレーザー光12を照射するとともに、レーザー光12の焦点13を走査させる。この際、改質プロセスの進行に伴い、焦点13に至るレーザー光12の少なくとも一部が、先に形成された改質部、すなわちレーザー光12の照射によって改質された領域を伝播しないように、レーザー光12の焦点13を走査する。具体的には、図19(b)に示す矢印の方向に、レーザー光12の焦点13を走査することにより第一基板101内部に改質部α、βを形成する。また、レーザー光12の照射は、第一基板101の表面から内部に連続して、すなわち、一方の主面側から他方の主面側に向かって行うようにすると望ましい。
一般的に、レーザー光による改質部は第一基板101よりも高屈折率であるが、改質部とその近傍の屈折率分布は僅かに不均一であるため、改質部を伝播する光はランダムに反射、屈折する。したがって、第一基板101の内部においては、レーザー光12が集光部に伝播するまでに改質部を伝播することがないため、ビーム径が拡がるのを防止し、ピーク強度が小さくなるのを抑制することができる。また、レーザー光12の少なくとも一部が改質部14を伝播しないことにより、レーザー光12の照射によって改質される領域を早く形成することができる。
次いで、図19(c)に示すように、第二工程として、改質部αおよび改質部βをエッチングにより除去する。ここでのエッチングは、容器(不図示)内に収容した所定の薬液中に改質部α、βが形成されたガラス基板101を浸漬することによって行う。これにより、改質部αおよび改質部βが、ガラス基板101の両側から薬液によりウェットエッチングされ、ガラス基板101の内部から除去される。
その結果として、図19(c)に示すように、改質部αおよび改質部βが存在した部分に、第一貫通孔103および第二貫通孔104が形成される。本実施形態においては、薬液としてフッ酸を主成分とする酸溶液か、または、水酸化カリウムを主成分とする酸溶液
を用いることができる。
なお、第二工程におけるエッチングは、改質されている部分が改質されていない部分に比べて非常に早くエッチングされる現象を利用するものであり、これにより、改質部α、βの形状に起因した微細な第一貫通孔103、第二貫通孔104を形成することができる。本実施形態においては、微細な第一貫通孔103、第二貫通孔104の孔径は、製造する部分の用途に応じて、10μm〜300μmの範囲で適宜設定することができる。
次いで、第三工程の前工程である下地形成工程として、図19(d)に示すように、第一基板の一方の主面101a、第一貫通孔103および第二貫通孔104の内部にシード層121aを形成するとともに、図19(e)に示すように、第一基板の他方の主面101bにシード層121bを形成する。シード層121a、121bは、いずれもスパッタリングによって形成することができ、CrとCuの積層膜、またはTiとCuの積層膜などからな
り、厚みは10nm〜500nm程度であることが望ましい。
次いで、第三工程の前工程であるレジスト形成工程として、図19(f)に示すように、シード層121a上における第一貫通孔の開口部103bに接続されるランドの形成領域の周囲に、めっきによるレジスト115aを形成する。また、シード層121b上における第一貫通孔の開口部103cと重なる領域の周囲に、めっきによるレジスト115bを形成する。
第一基板の一方の主面101a側からの平面視において、レジスト115aは円環状をなしており、第一貫通孔の開口部103bおよびランド123c部分を除いたアンチパッド111aに対応する領域を覆うよう形成される。また、第一基板の他方の主面101b側からの平面視において、レジスト115bは円環状をなしており、第一貫通孔の開口部103cを除いたアンチパッド112aに対応する領域を覆うように形成される。レジスト115aの内径寸法H3は、ランド123cの外径寸法H3を考慮して設定される。レジスト115a、115bとしては、例えば、液状ネガレジスト、フィルム状ネガレジスト、液状ポジレジスト、フィルム状ポジレジストを適用することができる。
次いで、第三工程として銅めっきを行い、図19(g)に示すように、レジスト115に覆われた部分を除いたシード層121a、121bの表面に、めっき層を成長させる。以下では、第一基板の一方の主面101a側に形成されためっき層を広壁111、他方の主面101b側に形成されためっき層を広壁112、第一貫通孔103の内部に形成されためっき層をピン120、第二貫通孔104の内部に形成されためっき層を導体柱114と表記する。めっき層の厚みは、少なくともミリ波帯の信号による表皮深さよりも厚いことが望ましい。60GHzの高周波信号では、信号電流の表皮深さが270nmであることから、2μm程度とすれば十分と考えられる。
次いで、レジスト剥離工程として、図19(h)に示すように、レジスト115a、115bを剥離するとともに、残存するシード層121a、112bのエッチングを行う。これにより広壁111、ランド123c、アンチパッド111a、112aを形成する。
次いで、第四工程として、図19(j)に示すように、広壁111上およびランド123cの外周部上に絶縁部124を形成する。絶縁部124は、第一貫通孔αの開口部とその周囲のランド123cの中央側の円環部123eよりなる部分、および、平面回路(伝送線路)122終端部のGND接続ビア127となる部分と重なる部分において除去された開口部124a、124bを形成する。第一貫通孔103周辺の開口部は、その径寸法がH2となるように設定され、これによって、図2に示すように、ランド123cに接続される部分の導体122aの外径寸法H2を設定する。
第四工程において形成する絶縁部124は、感光性樹脂からなり、例えば液状のものをスピンコート法によって、広壁111および開口部111a部分の基板表面111a上に塗布する。次いで、塗布された感光性樹脂層をキュアする際に、フォトリソグラフィー法により第一貫通孔103周辺の開口部124aと、GNDビア127となる開口部124bとを除去し、絶縁部124を形成する。
なお、このフォトリソグラフィーによる樹脂除去工程時に、開口部124aにおいて円環部123e上の現像だけでは除去しきれない感光性樹脂残査が生じた場合、これらの除去には、CF4ガスやO2ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)プロセスの実施が大変有効となる。
次いで、伝送路形成工程の前工程である下地形成工程として、図19(k)に示すように、シード層128を絶縁部124の表面と、ランド123cの円環部123eおよび孔αの内部と、開口部124b内部とに形成する。シード層128は、シード層121a、121bと同じく、スパッタリングによって形成することができ、CrとCuの混合物、TiとCuの混合物などからなり、厚みは10nm〜500nm程度であることが望ましい。
次いで、伝送路形成工程の前工程であるレジスト形成工程として、図19(m)に示すように、伝送路122となる部分以外のシード層128上に、めっきによるレジスト129を形成する。レジスト129は、伝送路122となる部分およびGSGパッド(不図示)、GNDパッド(不図示)、GNDビア(不図示)となる部分を除いた領域を覆うよう形成される。レジスト129の材料は、レジスト115a、115bと同等のものでよい。
次いで、レジスト剥離工程として、図19(p)に示すように、レジスト129を剥離するとともに、残存するシード層128のエッチングをおこなう。これによりマイクロストリップラインとなる伝送路122が形成される。
以上の工程を経ることによって、図17〜19に示したモード変換器が得られる。なお、第一貫通孔および第二貫通孔を、上述したようにレーザーを用いて形成する場合には、第一基板を構成する部材が、レーザー光が透過可能なガラス等の部材に限定される。ただし、第一貫通孔および第二貫通孔は、ドライエッチングや、ドリル等による機械的な加工によって形成することも可能であり、この場合には、第一基板を構成する部材が限定されることはない。また、第一基板の他方の主面101b側には、広壁112およびアンチパッド112aを被覆するパッシベーション膜を形成しても良い。この絶縁部が形成されていることにより、広壁111、112やアンチパッド111a、112aが異物付着や汚染などから保護される。また、本発明のモード変換器100に対して直に接するように、他の基板を積層することができる。パッシベーション膜としては、例えばポリイミドやシリコーン樹脂などの絶縁樹脂を利用することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、距離Lsを設定することで、薄厚化に対応しても広帯域を維持することが可能であるとともに、さらに、ピンの入力インピーダンスを、基板の他方の主面に設けられたアンチパッドのサイズによって調整することができる。したがって、ピンを備えた第一貫通孔は少なくとも第一基板を貫通していればよく、その長さや、他の回路要素等に関する調整を行うことなく、反射損を抑制した信号伝送を実現してインピーダンス整合を取ることが可能となる。
さらに、本実施形態においては、図20、図21に示すように、導体層112側におけるピン120の下端部分が拡径された拡径部133を有することができる。
図20に示す例においては、ピン120の下端部の拡径部133は、ほぼ等しい径寸法H8となるが、図21に示す例においては、ピン120の下端部の径寸法H1から径寸法H8まで下端側に向かって円錐状に拡径する拡径部133とすることもできる。
なお、これら拡径部133の高さ寸法H9は、インピーダンス整合などのために適時設定することができる。
<実験例>
以下、本発明に係る実験例について説明する。
図22は、本発明に係るモード変換器により薄型化を実現したプリント基板ポスト壁導波路(PWW)のシミュレーションモデルである。
このタイプでは、プリント基板ポスト壁導波路(PWW)100の開口をそれぞれ対向して配置した状態とした。信号入出力ポートはマイクロストリップ線路122端のポート125、ポート125となっており、ピン端子123bを通じてマイクロストリップの伝送モード(TEMモード)は導波路の伝送モードであるTE10モードに変換される。ピン123中心間の距離は10mmと設定した。また、Lsをλg/4およびλ/2として設定した。
シミュレーションには3次元電磁界解析ソフトHFSSを用いた。なお、高周波回路設計においては、反射係数は−15dB以下となることが望ましい。
図23は、図22に示す幅広の接続部とされた平面回路を有するモード変換器に対応するシミュレーションモデルを用いたプリント基板ポスト壁導波路の反射係数のシミュレーション結果である。グラフにおいて、Sパラメータ、つまり、反射係数S11が
S11<−15dB
となる周波数領域を帯域と定義する。
また、図24に基板厚さを変化させた場合のLs、λ/4に、λ/2、F,広帯域設計可能か等を示した。
ここで、Fは Ls_bestがλ/4に近いかλ/2に近いかを算出したFactorであり、F=1は同等である、F<1であればλ/2に近い、F<0であればλ/4に近い、ことを示す。
この結果から、方形導波路110の反射面110Aと、ピン(プローブ)123の中心との離間距離Lsを、管内波長λgの半分(λg/2)に設定することで、信号波長に対して薄い基板を用いた場合に大幅な広帯域化を実現できることがわかる。
本発明は、ミリ波帯を利用した数Gbpsの高速大容量通信用のデバイスとして、広く適用することができる。
100・・・モード変換器、101・・・基板、
101a・・・表面、101b・・・裏面、111a・・・開口部、
110・・・導波路、110A・・・ショート壁、110B・・・狭壁、111,112・・・広壁、114・・・導体柱、120・・・励振ピン構造、122・・・平面回路(伝送路)、123・・・ピン、123A・・・導体、124・・・上基板(フレキシブル基板)、123b・・・ピン端子(接続部)、123c・・・ランド、125・・・GSGパッド(高周波信号入力端子)、
126・・・GNDパッド、127・・・GNDビア、

Claims (5)

  1. 基板の一方の主面および他方の主面に形成された接地導体からなる広壁と、前記基板の厚み方向に形成され、前記広壁と接続した導体からなる狭壁およびショート壁と、から構成された導波路、および、
    前記基板の一方の主面から所定の深さまで前記導波路の内部に形成された導体からなるピン、を少なくとも備えたモード変換器であって、

    前記ピンからショート壁までの距離が、前記導波路の管内波長λgの半分に設定されたことを特徴とする記載のモード変換器。
  2. 前記導波路の厚さが300μm以下であることを特徴とする請求項1記載のモード変換器。
  3. 前記ピンが、前記基板の両方の主面を連通しており、
    前記基板の他方の主面において露出した前記ピンの端部と、前記基板の他方の主面に形
    成された広壁との間には、アンチパッドが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のモード変換器。
  4. 前記基板の一方の主面側に接続部が形成され、
    前記ピンが、前記基板の一方の主面から所望の深さまで形成された微細孔の内部に形成された導体からなり前記接続部に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載のモード変換器。
  5. 前記ピンが、前記基板に形成された微細孔の内側壁を覆う導体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモード変換器。
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