JP2020048040A - 導波管 - Google Patents

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Abstract

【課題】短絡壁部を構成する複数の短絡用ビア導体から漏れた信号による影響を抑制し、伝送特性の向上が可能な導波管を提供する。【解決手段】導波管は、誘電体基板(10)と、その両方の主面に形成された第1導体層(11)及び第2導体層(12)と、第1及び第2導体層の間を電気的に接続して導波管の両側の側面となる1対の側壁部(13)と、第1及び第2導体層の間を接続する複数の短絡用ビア導体(21)からなり管軸方向である第1の方向(X)に直交する短絡面となる短絡壁部(14)とを備えている。誘電体基板は第1の方向に直交する基板端面(10a)を有し、短絡壁部と基板端面との間の距離は、第1の方向に沿って管内波長の1/4の整数倍に相当する。【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体基板を用いて構成され、上下の導体層及び側面の1対の側壁部により誘電体基板の周囲を取り囲んだ構造を有する導波管に関するものである。
従来から、マイクロ波帯やミリ波帯の高周波信号を用いた無線通信において、高周波信号を管軸方向に伝送させる導波管が広く知られている。近年では、導波管の小型軽量化や加工の容易性に鑑み、誘電体基板を用いて構成した導波管が利用されている。この種の導波管において、導波管の両側に設けた側壁部と、導波管の一端に設けた短絡面となる短絡壁部とのそれぞれを複数のビア導体で構成した構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。一般に、導波管に管軸方向に直交する短絡面を形成すると、そこを基点に一定の管内波長λgに応じて周期的に繰り返す定在波が発生する。この場合、特許文献1の導波管においては、複数の短絡用ビア導体からなる短絡壁部(短絡面)を備えているので、導波管を伝送する信号が短絡壁部で全反射し、短絡壁部の位置では電界がゼロとなる。そのため、導波管の短絡壁部の位置を基点とし、そこからの距離がλg/2の周期に従って電界が最大値と最小値を繰り返すことになる。
特開2014−236291号公報
しかしながら、特許文献1の導波管に対し、短絡壁部となる複数の短絡用ビア導体を形成する際、例えば、適切な間隔で配列されなかったり、一部が欠損するなどにより、不完全な短絡用ビア導体が形成される場合がある。その結果、導波管を伝送する信号の一部が短絡壁部から漏れ、それが誘電体基板の基板端面で反射して導波管を逆方向に伝送することになるため、定在波に影響を与えて導波管の伝送特性を劣化させるという問題がある。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、複数の短絡用ビア導体からなる短絡壁部を設ける構造であっても、短絡壁部から信号の一部が漏れることによる伝送特性の劣化を防止し得る導波管を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、誘電体基板(10)を用いて構成され、管軸方向である第1の方向(X)に信号を伝送する導波管であって、前記誘電体基板の一方の主面及び他方の主面に形成され、前記誘電体基板の高さ方向である第2の方向(Z)に対向する第1導体層(11)及び第2導体層(12)と、前記第1導体層と前記第2導体層との間を電気的に接続し、前記第1の方向に沿って延在する前記導波管の両側の側面となる1対の側壁部(13)と、前記第1導体層と前記第2導体層との間をそれぞれ接続する複数の短絡用ビア導体(21)からなり、前記導波管のうち前記第1の方向に直交する少なくとも一方の短絡面となる短絡壁部(14)とを備えている。前記誘電体基板は、前記第1の方向に直交する少なくとも一方の基板端面(10a)を有し、前記短絡壁部と前記基板端面との間の距離は、前記第1の方向に沿って管内波長(λg)の1/4の整数倍に相当することを特徴としている。
本発明の導波管によれば、誘電体基板を用いて構成される導波管は、上下の第1及び第2導体層と両側の1対の側壁部とにより取り囲まれ、かつ、複数の短絡用ビア導体からなる短絡壁部が一方の短絡面として形成され、短絡壁部から基板端面までの距離が管内波長の1/4の整数倍に設定されている。よって、導波管から第1の方向に沿って信号が短絡壁部に向かって伝送する際、複数の短絡用ビア導体の不完全性により信号の一部が漏れたとしても、その漏れ成分が基板端面で反射されて再び短絡壁部に戻るまでの往復の経路長が管内波長の半分の整数倍に合致する。そのため、定在波の電界がゼロとなる節である短絡壁部を基点として、信号の漏れ成分の経路長は隣接する節に合致することになるので、信号の漏れ成分による定在波への影響を抑制することができる。
本発明において、短絡壁部と基板端面との間の距離は、第1の方向に沿って管内波長の1/4に相当することが望ましい。すなわち、導波管のサイズは、前述の距離を管内波長の1/4の整数倍のうちの最小値である管内波長の1/4に設定することで最も小さくできるため、導波管の小型化に有利な寸法条件となる。
本発明において、1対の側壁部を、第1導体層と前記第2導体層との間をそれぞれ接続する複数の側壁用ビア導体で構成してもよい。これにより、複数の側壁用ビア導体と複数の短絡用ビア導体とを、同一構造のビア導体を用いて容易に形成することができる。この場合、複数の側壁用ビア導体は、第1の方向に遮断波長の1/2以下の間隔で配列し、かつ、複数の短絡用ビア導体を、第1及び第2の方向に直交する第3の方向に遮断波長の1/2以下の間隔で配列することが望ましい。また、複数の側壁用ビア導体及び複数の短絡用ビア導体は、いずれも同一の径及び同一の高さのビア導体により構成してもよい。
本発明において、導波管への入力信号を供給する給電部を更に設けることができる。この場合、給電部は導波管のうち、短絡壁部の近傍に設けてもよいし、第1の方向に沿って短絡壁部と反対側の端部の近傍に設けてもよい。給電部を短絡壁部の近傍に設ける場合は、例えば、給電部と短絡壁部の間の距離を管内波長の1/4に設定することで、導波管の定在波に適合させることができる。
本発明によれば、誘電体基板を用いた導波管に複数の短絡用ビア導体からなる短絡壁部を形成し、この短絡壁部から基板端面までの距離を管内波長の1/4の整数倍に設定したので、複数の短絡用ビア導体の不完全性により導波管を伝送する信号の一部が短絡壁部から漏れたとしても、それが基板端面で反射して短絡壁部に戻ってくるまでの経路長が管内波長の半分の整数倍となるため、信号の漏れ成分により定在波の周期性へ及ぼす影響を抑制でき、簡単な構造で伝送特性の劣化を防止し得る導波管を実現することができる。
本発明を適用した導波管の構造と機能を説明する図であり、図1(A)は導波管を上方から見た上面図であり、図1(B)は図1(A)の導波管のA−A断面における断面図であり、図1(C)は導波管におけるX方向に沿った電界強度分布を示す図である。 従来の構造の導波管の構造と機能を説明する図であり、図2(A)は図1(A)に対応する上面図であり、図2(B)は図1(B)に対応する断面図であり、図2(C)は図1(C)に対応する電界強度分布を示す図である。 本実施形態の導波管において、短絡壁部14の近傍に給電部30を設けた構造の変形例を示す図である。 本実施形態の導波管の作製方法の概要を説明する図である。
以下、本発明を適用した導波管の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明の技術思想を具体化した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。
まず、図1を用いて、本発明を適用した導波管の構造と機能について説明する。図1(A)は本実施形態の導波管を上方から見た上面図であり、図1(B)は図1(A)の導波管のA−A断面における断面図である。また、図1(C)は図1の導波管におけるX方向に沿った電界強度分布を示す図である。なお、図1(A)、(B)においては、説明の便宜のため、互いに直交するX方向(導波管の管軸方向)、Y方向、Z方向をそれぞれ矢印にて示している。
図1に示す導波管は、セラミック等の誘電体材料からなる誘電体基板10と、誘電体基板10の下面に形成された導電材料からなる導体層11(本発明の第1導体層)と、誘電体基板10の上面に形成された導電材料からなる導体層12(本発明の第2導体層)と、上下の導体層11、12の間を接続する複数の側壁用ビア導体20からなり、導波管の両側の側面となる1対の側壁部13と、上下の導体層11、12の間を接続する複数の短絡用ビア導体21からなり、導波管の一方の短絡面となる短絡壁部14とを備えている。なお、図1では、本発明の説明の便宜上、導波管のうちX方向の左側の範囲のみを示しているが、導波管のうちX方向の右側の範囲の長さや構造については、導波管の用途に応じて適切に定めることができる。例えば、導波管のX方向に右側には、図示されない給電部やアンテナ、あるいはX方向に直交する短絡面又は開放面を形成することができる。
誘電体基板10は、例えば、複数の誘電体層を積層して形成され、X方向を長尺方向とする直方体の外形形状を有する。誘電体基板10の周囲は、上下(Z方向の両側)の前述の1対の導体層11、12と、側面(Y方向の両側)の1対の側壁部13とにより構成される導体壁で取り囲まれている。そして、導波管は、管軸方向であるX方向に信号を伝送し、図1(A)、(B)に示すように、Z方向に高さa及びY方向に幅bの矩形断面(YZ断面)を有している。一般には、b≒2aの関係に設定されるが、このような設定により導波管の上下面をH面とするTE10を主モードとして伝搬させることができる。
誘電体基板10の一端には、X方向に直交する基板端面10aが形成されている。また、誘電体基板10の所定位置には、X方向に直交する前述の短絡壁部14が形成されている。なお、図1の例では、上下の導体層11、12及び1対の側壁部13のそれぞれのX方向の左端が、短絡壁部14の位置を超えて概ね基板端面10aの位置まで達している。そして、誘電体基板10の基板端面10aとその内側の短絡壁部14は互いに平行であり、導波管の管内波長λgに対し、X方向に沿って距離λg/4だけ離れている。本実施形態において、基板端面10aと短絡壁部14との距離をλg/4に設定する理由については後述する。
1対の側壁部13を構成する複数の側壁用ビア導体20と、短絡壁部14を構成する複数の短絡用ビア導体21とは、それぞれ誘電体基板10を貫く複数の貫通孔に導電材料を充填した柱状導体である。複数の側壁用ビア導体20と複数の短絡用ビア導体21は、いずれも隣接するビア導体同士の間隔が、導波管の遮断波長の1/2以下になるように設定されている。これにより、複数の側壁用ビア導体20は、X方向に沿って2列に延在する導波管の側壁として機能し、複数の短絡用ビア導体21は、Y方向に沿って延在する導波管の少なくとも一方の短絡面として機能する。図1(A)に示すように、複数の側壁用ビア導体20及び複数の短絡用ビア導体21は、外部に露出することなく、その外周が誘電体基板10で覆われている。なお、本実施形態において、1対の側壁部13に関しては、複数の側壁用ビア導体20を用いずに、導電材料からなるベタ状の側壁部で置き換えてもよい。
以下、図1(C)を用いて、図1(A)、(B)の構造を有する導波管において短絡壁部14を設けることによる作用効果について説明する。図1(C)の横軸は、導波管のX方向に沿って基板端面10aの位置を0に設定し、前述したようにλg/4となる短絡壁部14の位置を含めて、管内波長λgを用いて基板端面10aからのX方向の距離を表記している。また、図1(C)の縦軸は電界強度を表し、その変化は導波管を伝送する信号により発生する定在波の波形に合致する。よって、管内波長λgに関し、定在波のX方向に沿って電界が最小となる節は、間隔λg/2で周期的に表れる波形となる。なお、導波管内の管内波長λgは、自由空間の波長よりも長くなる。
一般に、前述の矩形断面を有する導波管のTE10モードはZ方向(矩形断面の短辺方向)の電界成分を伝送するので、YZ平面の短絡面である短絡壁部14の位置ではZ方向の電界成分が消失することになる。よって、図1(C)の横軸λg/4の位置では概ね電界強度がゼロとなる。そして、短絡壁部14の位置を基点として、前述のλg/2の周期性により、電界が最小となる定在波の節は、図1(C)に示すように距離λg/4、3λg/4の位置に現れる。一方、電界が最大となる定在波のピークは、距離0、λg/2、λgの位置に現れる。
ここで、X方向に沿って図1(A)、(B)の右側から短絡壁部14に向かって伝送する信号を考える。この場合、短絡壁部14が短絡面として完全な状態であれば信号が短絡壁部14の左側に伝送することはない。しかし、実際には短絡壁部14を構成する複数の短絡用ビア導体21を形成する際、一部の欠損や充填不良などにより不完全な状態の短絡面となることがあり、このような状態ではX方向に沿って短絡壁部14に達した信号の一部が図1(A)、(B)の短絡壁部14の左側に漏れる恐れがある。図1(C)においては、横軸の距離0において信号の漏れ成分による所定の電界が現れる状況を示している。
一方、このように短絡壁部14を介して伝送する信号の漏れ成分は、基板端面10aまで達すると、そこからX方向の右側に反射して、再び短絡壁部14に到達する。この場合、本実施形態では、信号の漏れ成分が短絡壁部14から基板端面10aを経て短絡壁部14に戻るので、この際の往復の経路長は基板端面10aと短絡壁部14の間の距離λg/4の2倍の距離λg/2となる。よって、この経路長λg/2を経て漏れ成分が短絡壁部14まで戻る際の位相は前述の定在波の周期性による隣接する節に合致するため、漏れ成分による短絡壁部14の位置での電界もゼロとなり、本実施形態の導波管の構造により短絡壁部14からの信号の漏れの影響を抑制することができる。
ここで、図2を用いて、従来の一般的な構造を有する導波管を本実施形態の導波管と対比しながら説明する。従来の構造の導波管に関し、図2(A)は図1(A)に対応する上面図であり、図2(B)は図1(B)に対応する断面図であり、図2(C)は図1(C)に対応する電界強度分布を示す図である。図2に示す導波管の構造のうち、本実施形態の導波管と異なるのは、複数の短絡用ビア導体21からなる短絡壁部14aが、X方向に沿って基板端面10aの近傍に位置する点である。図2(A)、(B)において、短絡壁部14aの位置以外の構造については図1と共通であるため、説明を省略する。
図2(A)、(B)において、短絡壁部14aの外周は、1対の側壁部13と同様、誘電体基板10で覆われているため、基板端面10aと短絡壁部14aとは、X方向に沿って若干の距離だけ離れている。図2(C)に示すように、導波管の定在波の波形は、短絡壁部14aの位置は電界が最小となる節に合致し、管内波長λg/2で周期的に節が現れる点は、図1(C)と共通である。一方、X方向に沿って図2(A)、(B)の右側から短絡壁部14aに向かって信号が伝送する場合、複数の短絡用ビア導体21の不完全性により信号の一部が短絡壁部14aの左側に漏れる点は前述した通りであるが、漏れ成分の経路長については図1(C)と異なっている。
すなわち、図1の場合は漏れ成分の経路長がλg/2となるが、図2の場合は漏れ成分の経路長がλg/2よりも十分に小さい値になる。そのため、図2において、短絡壁部14aを介した漏れ成分が基板端面10aで反射して再び短絡壁部14aに戻ったとしても、定在波の節の周期性には合致しないため、それが定在波の電界に影響を与えることになり、導波管の伝送特性を劣化させる要因となる。この場合、短絡壁部14aからの漏れ成分が大きくなるほど、その分だけ導波管の伝送特性に与える悪影響も増加することになる。以上のように、本実施形態の導波管の構造を採用することにより、従来の構造の導波管に比べて、複数の短絡用ビア導体21の不完全性に起因する伝送特性の劣化を確実に抑制することが可能となる。
本実施形態の導波管においては、図1(A)、(B)の構造には限定されず、本発明の効果を奏することを前提に、多様な変形例がある。図3は、本実施形態の導波管において、短絡壁部14の近傍に給電部30を設けた構造の変形例を示しており、図1(B)に対応する断面図を示している。図3に示すように、給電部30は、誘電体基板10の下側の領域のうち短絡壁部14の近傍の所定位置に形成され、下面の導体層11と同一平面内に形成されて周囲の導体パターンから分離した給電端子30aと、誘電体基板10の内層に形成された接続パッド30bと、給電端子30aと接続パッド30bとを電気的に接続する給電用ビア導体30cとにより構成される。なお、図3において、給電部30以外の構造については図1(B)と共通であるため、説明を省略する。
給電部30は、外部からの入力信号を導波管に給電する役割がある。給電端子30aは、X方向に長尺形状の導体パターンであり、例えば、外部からの入力信号を伝送する線路の一端が給電端子30aに接続される。よって、外部からの入力信号は、給電端子30a、給電用ビア導体30c、接続パッド30bの順に経由して、導波管の内部に伝送される。なお、給電部30の位置は制約されないが、例えば、管内波長λgに対し、X方向に沿って短絡壁部14から距離λg/4だけ離れて配置することができる。これにより、導波管の定在波の周期性から、短絡壁部14の位置が節となるので、給電部30の位置を電界のピークに合致させることができる。
また、図1(A)、(B)の構造においては、管内波長λgに対し、短絡壁部14と基板端面10aとの間の距離がλg/4に設定されるが、本発明は、短絡壁部14と基板端面10aとの間の距離がλg/4の整数倍である構造に対しても適用可能である。この場合であっても、短絡壁部14から基板端面10aで反射して短絡壁部14に戻るまでの経路長が定在波の節に合致するので、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。ただし、前述の距離が最も短いのはλg/4であるため、図1(A)、(B)の構造を採用することが、導波管の誘電体基板10を小型化するために有利である。
次に、本実施形態の導波管の作製方法の概要について、図4を参照しつつ説明する。図4では、給電部30を備える図3の変形例の断面構造を例に取って説明する。まず、誘電体基板10を構成する複数の誘電体層として、例えば、ドクターブレード法により形成した低温焼成用の複数のセラミックグリーンシート40を用意する。ここでは、8枚のセラミックグリーンシート40を用いるものとする。そして、図4(A)に示すように、それぞれのセラミックグリーンシート40の所定位置に打ち抜き加工を施して、複数の側壁用ビア導体20に対応するビアホール(不図示)と、複数の短絡用ビア導体21に対応するビアホール41と、給電用ビア導体30cに対応するビアホール42とを開口する。
次いで、図4(B)に示すように、それぞれのセラミックグリーンシート40に開口された複数のビアホール41、42のそれぞれに、Cuを含む導電性ペーストをスクリーン印刷により充填することで、複数の側壁用ビア導体20(図1参照)と、複数の短絡用ビア導体21と、給電用ビア導体30cをそれぞれ形成する。続いて、図4(C)に示すように、最上層のセラミックグリーンシート40の上面と、最下層のセラミックグリーンシート40の下面と、所定位置のセラミックグリーンシート40の上面とに、それぞれ前述の導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布することで、上下の導体層11、12、給電端子30a、接続パッド30bのそれぞれを形成する。
そして、前述の加工を施した複数のセラミックグリーンシート40を順に積層した上で、加熱加圧することにより積層体を形成する。その後、得られた積層体を脱脂、焼成することにより、図3に示す構造の導波管が完成する。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更を施すことができる。すなわち、本実施形態の導波管の構造については、図1及び図3で説明した構造例には限定されず、本発明の作用効果を得られる限り、他の構造や材料を用いた多様な導波管に対して広く本発明を適用することができる。さらに、その他の点についても上記実施形態により本発明の内容が限定されるものではなく、本発明の作用効果を得られる限り、上記実施形態に開示した内容には限定されることなく適宜に変更可能である。
10…誘電体基板
10a…基板端面
11、12…導体層
13…側壁部
14…短絡壁部
20…側壁用ビア導体
21…短絡用ビア導体
30…給電部
30a…給電端子
30b…接続パッド
30c…給電用ビア導体
40…セラミックグリーンシート
41、42…ビアホール

Claims (6)

  1. 誘電体基板を用いて構成され、管軸方向である第1の方向に信号を伝送する導波管であって、
    前記誘電体基板の一方の主面及び他方の主面に形成され、前記誘電体基板の高さ方向である第2の方向に対向する第1導体層及び第2導体層と、
    前記第1導体層と前記第2導体層との間を電気的に接続し、前記第1の方向に沿って延在する前記導波管の両側の側面となる1対の側壁部と、
    前記第1導体層と前記第2導体層との間をそれぞれ接続する複数の短絡用ビア導体からなり、前記導波管のうち前記第1の方向に直交する少なくとも一方の短絡面となる短絡壁部と、
    を備え、
    前記誘電体基板は、前記第1の方向に直交する少なくとも一方の基板端面を有し、
    前記短絡壁部と前記基板端面との間の距離は、前記第1の方向に沿って管内波長の1/4の整数倍に相当することを特徴とする導波管。
  2. 前記距離は、前記第1の方向に沿って前記管内波長の1/4に相当することを特徴とする請求項1に記載の導波管。
  3. 前記1対の側壁部は、前記第1導体層と前記第2導体層との間をそれぞれ接続する複数の側壁用ビア導体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の導波管。
  4. 前記複数の側壁用ビア導体は、前記第1の方向に遮断波長の1/2以下の間隔で配列され、
    前記複数の短絡用ビア導体は、前記第1及び第2の方向に直交する第3の方向に前記遮断波長の1/2以下の間隔で配列される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の導波管。
  5. 前記複数の側壁用ビア導体及び前記複数の短絡用ビア導体は、いずれも同一の径及び同一の高さのビア導体であることを特徴とする請求項3又は4に記載の導波管。
  6. 前記導波管への入力信号を供給する給電部を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の導波管。
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