JP7255997B2 - 導波管スロットアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体基板を用いて構成した導波管に一又は複数のスロットを設けた導波管スロットアンテナに関するものである。
従来から、マイクロ波帯やミリ波帯の高周波信号を用いた無線通信において、導波管に複数のスロットを形成し、給電部から給電された高周波信号を導波管に伝搬させて複数のスロットから電磁波として放射する導波管スロットアンテナが知られている。近年では、小型軽量化や加工の容易性に鑑み、誘電体基板とそれを取り囲む金属部材により構成した導波管スロットアンテナも利用されている。一般に、導波管内には一定の管内波長に応じて周期的に繰り返す定在波が発生するので、導波管の信号伝送方向の少なくとも一端に短絡面を配置し、この短絡面の近傍側のスロットの中心位置が短絡面から管内波長の1/4倍又は1/2倍の距離となるように配置する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構造を有する導波管スロットアンテナにより、導波管内の電磁界分布の周期性に適合するスロット配置が可能となる。
特開2008-167246号公報
一般に、矩形断面を有する導波管の電磁界分布は、信号伝送方向の成分を持たない電界と、信号伝送方向の成分を持つ磁界とにより形成される。この場合、導波管内では電界に比べて分布が複雑となる磁界の影響が強くなるため磁界分布に着目すると、短絡面の位置を基点として管内波長の1/2の周期性を有する磁界分布が形成される(例えば、図2参照)。上記従来の構造のうち、短絡面から管内波長の1/2倍の距離に配置されるスロットは、隣接する磁界分布の境界上に配置されるため、スロットに磁界が集中することになり、導波管スロットアンテナの放射効率を向上させることができる。しかし、このようなスロット配置は、短絡面の近傍側のスロットが2つの磁界分布に跨るため、導波管の信号伝送方向の長さが必要となり、導波管スロットアンテナの小型化が難しいという課題がある。一方、上記従来の構造のうち、短絡面から管内波長の1/4倍の距離に配置されるスロットは、1つの磁界分布に重ねて配置することができるため、導波管スロットアンテナの小型化が可能である。しかし、このようなスロット配置は、平面視でスロットの形状内における磁界分布の対称性により、打ち消し合う磁界成分が増加するので、導波管スロットアンテナの放射効率が低下するという課題がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、スロットの配置に基づいて、導波管スロットアンテナの小型化と良好な放射特性とを両立し得る構造を実現するものである。
上記課題を解決するために、本発明の導波管スロットアンテナは、誘電体基板(10)と当該誘電体基板を取り囲む金属部材(11、12、13)とにより構成された導波管と、当該導波管の信号伝送方向である第1の方向(X)に沿って配置され、前記金属部材の内縁により画定される一又は複数のスロット(14)とを備える導波管スロットアンテナであって、前記金属部材は、前記導波管のうち前記第1の方向に直交する少なくとも一方の短絡面となる第1の短絡壁部(W3)を含み、前記一又は複数のスロットは、前記短絡壁部に接する前記内縁により画定される第1スロット(14a)を含み、前記第1スロットは、前記第1の方向に沿って前記導波管の管内波長(λg)の1/2倍より小さい所定のスロット長(L)を有し、前記金属部材は、前記誘電体基板の下面に形成された第1導体層と、前記誘電体基板の上面に形成され、前記一又は複数のスロットが設けられる第2導体層と、前記第1導体層と前記第2導体層との間を電気的に接続し、前記第1の方向に延在する前記導波管の両側の側面となる1対の側壁部とを含んで構成され、少なくとも前記誘電体基板の上面及び下面の間を貫通して形成され、前記導波管に入力信号を給電する給電部を備え、前記第2導体層に垂直な第2の方向から見た平面視で、前記給電部が前記第1スロットと重なる位置に配置され、かつ、前記給電部が前記第1の方向に沿って前記スロット長の範囲を逸脱しないことを特徴としている。
本発明の導波管スロットアンテナによれば、誘電体基板と金属部材とにより構成された導波管に配置される一又は複数のスロットのうち、第1スロットを画定する金属部材の内縁を第1の短絡壁部に接して配置するとともに、そのスロット長を第1の方向に沿って管内波長λgの1/2倍より小さくしたので、第1の短絡壁部の位置を基点とする導波管内の磁界分布の周期性に対してスロット配置を最適化することができる。具体的には、平面視で第1スロットの位置及びスロット長の条件に応じて、第1スロットが磁界分布内の対称性に基づく磁界成分の打ち消し合いを抑制し得る配置を実現することができる。これにより、放射特性を劣化させることなく、主に導波管スロットアンテナの第1の方向のサイズを縮小することができる。
本発明の一又は複数のスロットは、第1スロットを含む複数のスロットとし、その複数のスロットのうち隣接するスロット同士の間隔が第1の方向に沿って管内波長と同一又は管内波長の1/2倍に設定してもよい。これにより、導波管内で周期性を有する磁界分布に対し、隣接する2個のスロットを、隣接する2個の磁界分布に対応付けて配置するか、あるいは、1つ置きの2個の磁界分布に対応付けて配置するかを選択的に定めることができる。
発明の金属部材には、導波管のうち第1の方向に直交する他方の短絡面となる第2の短絡壁部を含めて構成し、第1の短絡壁部と第2の短絡壁部との間の距離が第1の方向に沿って管内波長の1/2のN(Nは1以上の整数)倍に相当する配置としてもよい。このように配置すれば、管内波長の1/2の周期性を有する磁界分布に対し、1対の短絡壁部を設けた導波管の第1の方向のサイズを適合させることができる。なお、上記の場合、1対の側壁部と第1及び第2の短絡壁部は、第1導体層と第2導体層との間をそれぞれ接続する複数のビア導体から構成することができる。
本発明において、第1及び第2の短絡壁部を設ける場合、一又は複数のスロットは第1スロットのみの1個のスロットとし、第1の短絡壁部と第2の短絡壁部との間の距離を第1の方向に沿って管内波長の1/2倍に設定してもよい。これにより、1個のスロットのみを設けることを前提に、導波管スロットアンテナのX方向のサイズを最小化することができる。
本発明の一又は複数のスロットは、第2導体層に垂直な第2の方向から見た平面視で、第1及び第2の方向に直交する第3の方向における1対の側壁部の間の中心位置から偏移した位置に配列することができる。すなわち、導波管内の磁界分布の周期性から、第1の方向に沿って右回りの磁界分布と左回りの磁界分布が交互に並ぶので、隣接するスロット同士の第1の方向に沿った間隔が管内波長と等しいときは各スロットを第3の方向に対して同じ位置に配置し、隣接するスロット同士の第1の方向に沿った間隔が管内波長の1/2倍であるときは各スロットを第3の方向における一対の側壁部の間の中心位置を挟んで第3の方向に対して対称位置に配置することで、各スロットにおける磁界方向を揃えることが可能となる。
本発明は、少なくとも誘電体基板の上面及び下面の間を貫通して形成されて導波管に入力信号を給電する給電部を更に備えて構成される。この場合、第2導体層に垂直な第2の方向から見た平面視で、給電部が第1スロットと重なる位置に配置され、かつ、給電部が第1の方向に沿って前記スロット長の範囲を逸脱しないように配置される。このように第1スロットと一体的に配置される給電部を設けることで、第1の方向に沿って給電部のための余分なサイズ拡張は不要となり、導波管スロットアンテナの小型化に適している。また、給電部と第1スロットが一体的なアンテナとして作用し、給電部と第2導体層との間の容量も低減するので、良好な特性を保つことができる。
本発明によれば、第1スロットを第1の短絡壁部に接して配置し、第1スロットの形状が直下の1つの磁界分布の範囲内に重なるように適切なスロット長に設定することで、磁界分布の周期性に適合させつつ主に第1の方向に沿った長さを短縮できるとともに、第1スロットの形状の直下で磁界分布に含まれる磁界成分が打ち消し合うことを抑制することができる。従って、従来構造では困難であった導波管スロットアンテナの小型化と良好な放射特性とを両立することが可能となる。
本発明を適用した一実施例に係る導波管スロットアンテナの構造を示す図であり、図1(A)は導波管スロットアンテナを上方から見た上面図であり、図1(B)は図1(A)の導波管スロットアンテナのA-A断面における断面図である。 図1(A)の上面図に対応して、誘電体基板10からなる導波管及びスロット14a、14bに、導波管に発生する磁界分布20を重ねた状態を模式的に示す図である。 本発明の効果を説明するための第1の比較例の構造を示す図であり、図3(A)は図1(A)に対応する上面図であり、図3(B)は図1(B)に対応する断面図である。 本発明の効果を説明するための第2の比較例の構造を示す図であり、図4(A)は図1(A)に対応する上面図であり、図4(B)は図1(B)に対応する断面図である。 第1の比較例の図3(A)の上面図に対応して、図2と同様の磁界分布20を重ねた状態を模式的に示す図である。 第2の比較例の図4(A)の上面図に対応して、図2と同様の磁界分布20を重ねた状態を模式的に示す図である。 本発明を適用した導波管スロットアンテナに関し、スロット14の個数を変更した第1の変形例を示す図であり、図7(A)は図1(A)に対応する上面図であり、図7(B)は図1(B)に対応する断面図である。 本発明を適用した導波管スロットアンテナに関し、給電部15を設けた第2の変形例を示す図であり、図8(A)は図1(A)に対応する上面図であり、図8(B)は図1(B)に対応する断面図である。 本実施形態の導波管スロットアンテナの作製方法の概要を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明の技術思想を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。
まず、図1を用いて、本発明を適用した一実施例に係る導波管スロットアンテナの構造について説明する。図1(A)は本実施形態の導波管スロットアンテナを上方から見た上面図であり、図1(B)は図1(A)の導波管スロットアンテナのA-A断面における断面図である。なお、図1においては、説明の便宜のため、互いに直交するX方向(本発明の第1の方向)、Y方向(本発明の第3の方向)、Z方向(本発明の第2の方向)をそれぞれ矢印にて示している。
本実施形態の導波管スロットアンテナは、セラミック等の誘電体材料からなる誘電体基板10と、誘電体基板10の下面に形成された導電材料からなる導体層11(本発明の第1導体層)と、誘電体基板10の上面に形成された導電材料からなる導体層12(本発明の第2導体層)と、上下の導体層11、12の間を接続する複数のビア導体13と、上面の導体層12に形成された複数のスロット14(14a、14b)とを備えている。なお、図1(A)では、複数のビア導体13を導体層12側から透視した状態を示している。
誘電体基板10は、X方向を長尺方向とする直方体の外形形状を有し、一般には複数の誘電体層を積層して形成される。誘電体基板10の周囲のうち、上下(Z方向の両側)は前述の1対の導体層11、12で覆われ、4つの側面(X方向及びY方向のそれぞれの両側)に沿って前述の複数のビア導体13が配列されている。このような構造により、誘電体基板10は、1対の導体層11、12及び複数のビア導体13からなる金属部材により取り囲まれた導波管として機能する。この導波管は、X方向を信号伝送方向として、図1(A)(B)に示すように、Z方向に高さa及びY方向に幅bの矩形断面(YZ断面)を有している。一般には、b≒2aの関係に設定されるが、このような設定により導波管の上下面をH面とするTE10を主モードとして伝搬させることができる。
複数のビア導体13は、それぞれ誘電体基板10を貫く複数の貫通孔に導電材料を充填した複数の柱状導体であり、隣接するビア導体13の間隔が導波管の遮断波長の半分以下になるように設定されている。複数のビア導体13の各々は、下端が導体層11と接続され、上端が導体層12と接続され、その柱状導体の側面が外部に露出することなく誘電体基板10で覆われている。図1(A)に示すように、複数のビア導体13は、Z方向から見た平面視で、X方向に2列で延在する1対の側壁部W1、W2と、Y方向に2列で延在する1対の短絡壁部W3、W4とに区分される。誘電体基板10からなる導波管のうち、1対の側壁部W1、W2は両側のXZ平面の側面を構成し、1対の短絡壁部W3、W4は、信号伝送方向であるX方向に垂直なYZ平面の短絡面を構成する。X方向に対向する短絡壁部W3、W4の間隔は、例えば、管内波長λgの2倍(2λg)に設定される。
なお、1対の側壁部W1、W2と1対の短絡壁部W3、W4は、図1に示す複数のビア導体13を用いて構成する場合には限られず、Z方向から見た平面視で、誘電体基板10の四辺を取り囲むベタ状の導体壁を用いて構成してもよい。また、一方の短絡壁部W3のみを設け、他方の短絡壁部W4を省略する構造であっても、本発明の適用が可能である。例えば、導波管スロットアンテナの開放端に、他の導波管や機器を接続する形態であってもよい。
複数のスロット14は、導体層12においてX方向に沿って配列されている。本実施形態では、図1(A)の右側から順に2個のスロット14a、14bが設けられている。Z方向から見た平面視で、2個のスロット14a、14bの各々は、X方向の所定のスロット長LとY方向の所定の幅とを有する矩形の形状を有している。図1(B)からわかるように、導体層12のうち、2個のスロット14a、14bの形状部分が開口されており、下側の誘電体基板10が部分的に露出している。換言すれば、2個のスロット14a、14bの各形状は、金属部材(導体層12及び短絡壁部W3)の内縁により画定されている。2個のスロット14a、14bは、導波管の管内波長λgに対し、X方向に沿って互いの中心位置の間隔がλgとなるように配置されている。また、2個のスロット14a、14bは、導波管のY方向の中心位置から偏移した位置に配置されている。
ここで、右側のスロット14a(本発明の第1スロット)に着目すると、Z方向から見た平面視で、スロット14aの矩形の一方の短辺が短絡壁部W3に接している。換言すれば、スロット14aの形状は、部分的に短絡壁部W3の前述の内縁により画定される。そして、スロット14aの前述のスロット長Lは、管内波長λgに対し、X方向に沿ってL<λg/2を満たす必要がある。なお、スロット14a、14bの他の寸法パラメータについては、導波管内の電磁界分布に応じて適切に設定される。本実施形態において、一又は複数のスロット14の配置による効果について詳しくは後述する。
次に、本実施形態におけるスロット14a、14bの配置と、導波管における磁界分布との関係について説明する。図2は、図1(A)の上面図に対応して、1対の側壁部W1、W2及び1対の短絡壁部W3、W4に取り囲まれた導波管及びスロット14a、14bに、導波管に発生する磁界分布20を重ねた状態を模式的に示す図である。前述したように、管内波長λgに対し、短絡壁部W3、W4の間のX方向の距離が2λgであって、導波管内の電磁界分布の周期性がλg/2の整数倍になることから、導波管のX方向に沿って4つの磁界分布20(20a、20b、20c、20d)が並ぶことになる。電界の方向がZ方向を向くので、各々の磁界分布20は、電界に直交するX方向又はY方向の成分からなる。磁界分布20は電界分布に比べて複雑であり、それぞれのスロット14の配置に応じた放射特性に強い影響を与える。短絡壁部W3、W4の位置を含めてλg/2毎に現れる電界のゼロ点の位置が磁界分布20の境界となり、電界のピークの位置が各々の磁界分布20の中心となる。そして、各磁界分布20内の矢印にて示すように、電界方向の周期性に対応して右回りの磁界分布20a、20cと左回りの磁界分布20b、20dが交互に並ぶことがわかる。
図2において、右側の短絡壁部W3に接するスロット14aは、磁界分布20aの範囲内に配置されている。スロット14aの矩形の形状内には、磁界分布20aのうちX方向に沿う磁界成分m1とY方向に沿う磁界成分m2とが存在し、これらの磁界成分m1、m2の間の各方向に沿う他の磁界成分も存在する。一方、スロット14aからX方向に距離λgだけ離れた位置のスロット14bは、磁界分布20bを挟んだ位置の磁界分布20cの範囲内に配置されている。スロット14bの矩形の形状内で、磁界分布20cのうちスロット14aの場合と方向性が等しい磁界成分m1、m2(不図示)及び他の磁界成分が存在する。以下、本実施形態のスロット14a、14bの配置に基づく効果に関し、従来の構造と比較しながら説明する。
図3は、本発明の効果を説明するための第1の比較例の構造を示しており、図3(A)が図1(A)に対応する上面図であり、図3(B)が図1(B)に対応する断面図である。第1の比較例においては、右側のスロット14aが短絡壁部W3には接しておらず、X方向に沿って短絡壁部W3からスロット14aの中心位置までの距離がλg/2に設定されている。一方、図4は、本発明の効果を説明するための第2の比較例の構造を示しており、図4(A)が図1(A)に対応する上面図であり、図4(B)が図1(B)に対応する断面図である。第2の比較例においては、右側のスロット14aが短絡壁部W3には接しておらず、X方向に沿って短絡壁部W3からスロット14aの中心位置までの距離がλg/4に設定されている。第1及び第2の比較例のいずれにおいても、本実施形態と同様、X方向に沿って2個のスロット14a、14bの互いの中心位置の間隔がλgに設定されている。なお、図3及び図4において、2個のスロット14a、14bの配置以外の構造については、図1と同様であるため説明を省略する。
図5は、第1の比較例の図3(A)の上面図に対応して、図2と同様の磁界分布を重ねた状態を模式的に示す図である。右側のスロット14aは、中心位置が2つの磁界分布20a、20bの境界に配置され、左側のスロット14bは、中心位置が2つの磁界分布20c、20dの境界に配置される。一方、2個のスロット14a、14bの各々の形状内には、主にY方向に沿って同じ向きの磁界m3が存在する。そのため、スロット14a、14bの形状内で磁界成分m3の方向が揃うため、放射効率は高くなる。
しかし、第1の比較例においては、1個のスロット14が常に隣接する2つの磁界分布20に跨るため、2個のスロット14a、14bに対応する4つの磁界分布20の範囲としてX方向に沿って長さ2λgが必要となる。これに対し、本実施形態によれば、スロット14a、14bの各々が1つの磁界分布20の範囲内にあるため、図2に示すように、2個のスロット14a、14bに対応して少なくとも3つの磁界分布20(20a、20b、20c)があればよく、X方向に沿って導波管スロットアンテナを長さ1.5λgまで縮小することができる。仮に、後述するように導波管スロットアンテナに1個のスロット14aのみを設ける構造を想定すると、第1の比較例は2個の磁界分布20に対応してX方向の長さλgが必要であるのに対し、本実施形態は1個の磁界分布20に対応してX方向の長さλg/2まで縮小可能であり、第1の比較例に比べてX方向の長さを半減することができる。
図6は、第2の比較例の図4(A)の上面図に対応して、図2と同様の磁界分布20を重ねた状態を模式的に示す図である。右側のスロット14aは磁界分布20aの範囲内に配置され、左側のスロット14bは磁界分布20cの範囲内に配置される。一方、2個のスロット14a、14bの各々の矩形の形状内には、X方向に沿う磁界成分m1と、Y方向に沿って互いに逆方向の磁界成分m2、m3と、これらの磁界成分m1、m2、m3の間の各方向の他の磁界成分も存在する。第2の比較例の構造によれば、1個のスロット14が1つの磁界分布20の範囲内にあるため、例えば、導波管スロットアンテナに2個あるいは1個のスロット14を設ける場合のX方向の長さについては、本実施形態と同程度に縮小でき、小型化には適している。
しかし、第2の比較例においては、スロット14a、14bの各々の形状内に、Y方向に沿って逆方向の磁界成分m2、m3が存在し、これらの磁界成分m2、m3が打ち消し合うことになるので、必然的に各スロット14からの放射レベルが減少する。これに対し、本実施形態によれば、1個のスロット14の形状内に存在する磁界成分m1、m2が打ち消し合うことはないため、第2の比較例に比べて放射レベルが大きくなる。ただし、前述したように、本実施形態におけるスロット長L<λg/2の条件を満たしたとしても、スロット長Lがλg/2に接近すると、打ち消し合う磁界成分が増加するので、スロット長Lをλgの30~45%程度に設定することが望ましい。
以上のように、第1の比較例では導波管スロットアンテナの小型化が難しく、第2の比較例ではスロット14の放射効率の低下が避けられないので、いずれの場合も導波管スロットアンテナの小型化と放射効率の向上を両立することは困難である。これに対し、本実施形態の構造では、スロット14aの一端を短絡壁部W3に接する配置を採用したことにより、導波管スロットアンテナの小型化と放射効率の向上とを両立することが可能となる。
本発明を適用した導波管スロットアンテナは、図1の構造には限定されず、本発明の効果を奏することを前提に、多様な変形例がある。図7は、スロット14の個数を変更した第1の変形例を示しており、図7(A)が図1(A)に対応する上面図であり、図7(B)が図1(B)に対応する断面図である。第1の変形例は、既に述べたように、導体層12に1個のスロット14aのみが配置されている。図7(A)におけるスロット14aの配置は図1(A)と共通であるが、図2に示すように1個のスロット14aが1つの磁界分布20aのみに重なるため、導波管スロットアンテナのサイズは、1つの磁界分布20aのX方向の長さλg/2に設定すればよいので、最も小型化に適した構造となる。
なお、本発明の作用効果を得られる限り、導波管スロットアンテナのスロット14の個数は、1個又は2個には制約されない。例えば、3個以上の多数のスロット14を配列する場合であっても、本発明を適用することができる。この場合、管内波長λgに対し、図1と同様の配列に従い、隣接するスロット14同士のX方向に沿った間隔をλgに設定してもよいが、隣接するスロット14同士のX方向に沿った間隔をより短縮してλg/2に設定してもよい。複数のスロット14を間隔λg/2で配列する場合、磁界分布20の右回りと左回りが交互に並ぶので、隣接するスロット14同士が前述のY方向の中心位置を挟んで対称的な位置に配列することにより、全てのスロット14の形状内における磁界成分の方向性を揃えることができる。
また図8は、図1に示す導波管スロットアンテナにおいて、入力信号を給電する給電部15を設けた第2の変形例を示しており、図8(A)が図1(A)に対応する上面図であり、図8(B)が図1(B)に対応する断面図(図8(A)のB-B断面)である。一般には、Z方向から見た平面視で、2個のスロットから離れた位置に配置した給電部が設けられるが、第2の変形例の給電部15は一方のスロット14aと重なる位置に配置されている。この場合、給電部15及びスロット14aが重なる領域は、スロット14aの矩形の基本形状のうち、長辺の一部が半円状に突出する形状を有する。また、給電部15の中心位置と右側の短絡壁部W3との間のX方向に沿った距離は、導波管の管内波長の1/4倍に設定される。また、給電部15は、誘電体基板10の上面と下面の間を貫通して形成される。
図8(B)に示すように、給電部15は、下面の導体層11と同一平面内に配置される給電端子15aと、上面の導体層12と同一平面内に配置される上端部15bと、これらの給電端子15aと上端部15bとを電気的に接続する給電用ビア導体15cとにより構成される。給電端子15a及び上端部15bは、導体層11、12と同じ導電材料から形成されるが、導体層11、12とは接触していない。よって、Z方向から見た平面視で、給電端子15aの周囲にはリング状の抜きパターン(不図示)が形成され、同様に上端部15bの周囲にもリング状の抜きパターンが形成されている。給電用ビア導体15cは円柱状に形成され、主に給電用ビア導体15cの径に応じて給電部15のインピーダンス整合を最適化することができる。
第2の変形例によれば、給電部15をスロット14aと重なる位置に配置したので、給電部15の配置による導波管のX方向の余分なサイズが不要となり、給電部15を設ける場合であっても導波管スロットアンテナの小型化が可能となる。また、アンテナ特性の観点から、スロット14aと給電部15の上端部15bは一体的な形状を有する1つのアンテナとして作用し、スロット14aと給電部15との間の互いの干渉を抑制することができる。また、給電部15は、上端部15bが導体層12と同一平面内にあるため、主に上端部15bと導体層12との間の容量が小さくなるため、給電部15の容量成分の増加による高周波特性の劣化を防止することができる。さらに、第2の変形例によれば給電部15がX方向に沿ったスロット14aのスロット長Lの範囲を逸脱しないため、給電部15を配置することによってスロット長Lに依存する導波管スロットアンテナの共振周波数が影響を受けることを避けることができる。このように、第2の変形例は、給電部15を設けた導波管スロットアンテナの良好な特性を維持しつつ、小型化の効果も得ることができる。
なお、第2の変形例におけるスロット14aのスロット長Lの範囲は、矩形のスロット14aを画定するX方向に沿って延びる一対の長辺によって挟まれた領域のことを意味する。また、スロット14aの形状が、X方向に長辺を有する矩形の角部に曲線状又は直線状の面取り部を有する略矩形状である場合、スロット14aのスロット長Lの範囲は、X方向に沿って延びる一対の長辺によって挟まれた領域のことを意味するが、この一対の長辺に面取り部は含まれない。
次に、本実施形態の導波管スロットアンテナの作製方法の概要について、図9を参照しつつ説明する。ここでは、図1(B)に対応する断面構造を有する導波管スロットアンテナを作製する場合を例に取って説明する。まず、誘電体基板10を構成する複数の誘電体層として、例えば、ドクターブレード法により形成した低温焼成用の複数のセラミックグリーンシート30を用意する。そして、図9(A)に示すように、それぞれのセラミックグリーンシート30の所定位置に打ち抜き加工を施して、複数のビアホール31を開口する。なお、各セラミックグリーンシート30における各ビアホール31の位置及び個数は、導波管の1対の側面及び1対の短絡面となる複数のビア導体13の配置に対応して設定される。
次に、図9(B)に示すように、それぞれのセラミックグリーンシート30に開口された複数のビアホール31のそれぞれに、Cuを含む導電性ペーストをスクリーン印刷により充填することにより、複数のビア導体13を形成する。続いて、図9(C)に示すように、最下層のセラミックグリーンシート30の下面に、Cuを含む導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布することにより、導体層11を形成する。同様に、最上層のセラミックグリーンシート30の上面に、Cuを含む導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布することにより、2個のスロット14a、14bを有する導体層12をそれぞれ形成する。
そして、複数のセラミックグリーンシート30を順に積層した上で、加熱加圧することにより積層体を形成する。その後、得られた積層体を脱脂、焼成することにより、図1を用いて既に説明したように、誘電体基板10に構成された導波管スロットアンテナが完成する。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更を施すことができる。例えば、本実施形態の図1の構造例は1例であって、本発明の作用効果を得られる限り、他の構造や材料を用いた多様な導波管スロットアンテナに対して広く本発明を適用することができる。さらに、その他の点についても上記実施形態により本発明の内容が限定されるものではなく、本発明の作用効果を得られる限り、上記実施形態に開示した内容には限定されることなく適宜に変更可能である。
本実施形態では、一又は複数のスロット14に、X方向に沿って一方の短絡壁部W3に接する1個のスロット14aが含まれる構造を説明したが、一又は複数のスロット14に、X方向に沿って一方の短絡壁部W3に接する1個のスロット14と他方の短絡壁部W4に接する1個のスロット14が含まれる構造としてもよい。この場合には、それぞれのスロット14に重なる各磁界分布の対称性を確保する必要がある。
10…誘電体基板
11、12…導体層
13…ビア導体
14…スロット
15…給電部
20…磁界分布
30…セラミックグリーンシート
31…ビアホール
W1、W2…側壁部
W3、W4…短絡壁部

Claims (6)

  1. 誘電体基板と当該誘電体基板を取り囲む金属部材とにより構成された導波管と、当該導波管の信号伝送方向である第1の方向に沿って配置され、前記金属部材の内縁により画定される一又は複数のスロットと、を備える導波管スロットアンテナであって、
    前記金属部材は、前記導波管のうち前記第1の方向に直交する少なくとも一方の短絡面となる第1の短絡壁部を含み、
    前記一又は複数のスロットは、前記短絡壁部に接する前記内縁により画定される第1スロットを含み、
    前記第1スロットは、前記第1の方向に沿って前記導波管の管内波長の1/2倍より小さい所定のスロット長を有
    前記金属部材は、
    前記誘電体基板の下面に形成された第1導体層と、
    前記誘電体基板の上面に形成され、前記一又は複数のスロットが設けられる第2導体層と、
    前記第1導体層と前記第2導体層との間を電気的に接続し、前記第1の方向に延在する前記導波管の両側の側面となる1対の側壁部と、
    を含んで構成され、
    少なくとも前記誘電体基板の上面及び下面の間を貫通して形成され、前記導波管に入力信号を給電する給電部を備え、
    前記第2導体層に垂直な第2の方向から見た平面視で、前記給電部が前記第1スロットと重なる位置に配置され、かつ、前記給電部が前記第1の方向に沿って前記スロット長の範囲を逸脱しない、
    ことを特徴とする導波管スロットアンテナ。
  2. 前記一又は複数のスロットは前記第1スロットを含む複数のスロットであり、当該複数のスロットのうち隣接するスロット同士の間隔が前記第1の方向に沿って前記管内波長と同一又は前記管内波長の1/2倍であることを特徴とする請求項1に記載の導波管スロットアンテナ。
  3. 記金属部材は、前記導波管のうち前記第1の方向に直交する他方の短絡面となる第2の短絡壁部を含み、前記第1の短絡壁部と前記第2の短絡壁部との間の距離が前記第1の方向に沿って前記管内波長の1/2のN(Nは1以上の整数)倍に相当することを特徴とする請求項1又は2に記載の導波管スロットアンテナ。
  4. 前記1対の側壁部と前記第1及び第2の短絡壁部は、前記第1導体層と前記第2導体層との間をそれぞれ接続する複数のビア導体からなることを特徴とする請求項に記載の導波管スロットアンテナ。
  5. 前記一又は複数のスロットは前記第1スロットのみを含み、前記第1の短絡壁部と前記第2の短絡壁部との間の距離が前記第1の方向に沿って前記管内波長の1/2倍に相当することを特徴とする請求項3又は4に記載の導波管スロットアンテナ。
  6. 前記一又は複数のスロットは、前記第2の方向から見た平面視で、前記第1及び第2の方向に直交する第3の方向における前記1対の側壁部の間の中心位置から偏移した位置に配列されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の導波管スロットアンテナ。
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