JP6182422B2 - 導波管との接続構造 - Google Patents

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本発明は、平面回路からなる伝送線路に対して、導波管を平行に連結することが可能な、導波管との接続構造に関する。
近年、ミリ波帯を利用した数Gbpsの高速大容量通信が提案され、その一部が実現されつつある。特に、60GHz帯で動作する無線通信機器は、より重要性を増している。国内においては、59〜66GHzの広い周波数帯域を、無免許で利用可能であることから、民生分野への普及が期待されており、安価で小型のミリ波通信モジュールの実現が急務となっている。
平面回路による伝送線路(マイクロストリップ線路やコプレーナ線路等)を中空の導波管と接続するため、平面回路の基板に対して直交する方向に導波管を配置した数々の構造が提案されている(特許文献1〜4、非特許文献1参照)。
また、基板加工技術に基づく導波路形成技術として、ポスト壁導波路(PWW:Post−wall Waveguide)が知られている(特許文献5参照)。ポスト壁導波路は、従来の方形導波管の広壁と狭壁を、それぞれ基板両面の接地導体層と基板を貫通するスルーホール群(ポスト群)で置き換えたものと理解することができる。
特開2011−61290号公報 特開平6−140815号公報 特許第2928154号公報 特許第4453696号公報 特許第3672241号公報
榊原久二男、"多層基板を用いたミリ波帯平面アンテナに関する研究"、[online]、電気通信普及財団、研究調査報告書No.23(2008年)、286−296頁、インターネット<URL:http://www.taf.or.jp/publication/kjosei_23/index−1/page/p286.pdf>
しかしながら、従来の伝送線路と導波管との接続構造は、構造が複雑で、かつ、平面回路と導波管が直交する(すなわち信号の伝搬方向が直交する)形態でしか実現できないという制約があった。また、伝送線路と導波管との間で信号を変換するとき、一般的な変換損失が1dB程度と大きいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、平面回路からなる伝送線路に対して、導波管を平行に連結することが可能な、導波管との接続構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、平面回路からなる伝送線路と導波管との接続構造であって、誘電体基板にポスト壁導波路が形成されたポスト壁導波路基板と、前記誘電体基板に設けられ、平面回路からなる伝送線路とを備え、前記ポスト壁導波路は、前記誘電体基板の対向する両面に形成された一対の接地導体層と、前記一対の接地導体層を接続するように前記誘電体基板を貫通するポストからなる一対のポスト壁とから構成され、前記伝送線路と前記ポスト壁導波路との間は、前記誘電体基板に形成されたモード変換器により接続され、前記ポスト壁導波路の端部が導波管の中空部に挿入されて、前記ポスト壁導波路と前記導波管とが伝搬方向を互いに平行にして連結され、前記ポスト壁導波路の接地導体層と前記導波管の広壁との隙間が導体により閉鎖されていることを特徴とする、導波管との接続構造を提供する。
前記ポスト壁導波路基板の幅は、導波管における一対の狭壁の間隔と同じであってもよい。
前記誘電体基板は、前記ポスト壁導波路の伝搬方向においては前記導波管の中空部に対向する前記ポスト壁導波路の端部と前記モード変換器との間であって、前記ポスト壁導波路における前記一対の接地導体層と前記一対のポスト壁で囲まれる内部に、ポストを有してもよい。
前記誘電体基板の上には、前記伝送線路に接続された半導体素子が実装されていてもよい。
前記一対の接地導体層が、いずれも前記導波管の広壁と接触しておらず、それぞれの接地導体層と前記導波管の広壁との間が導体により閉鎖されていてもよい。
前記接地導体層と前記導波管の広壁との間を閉鎖する導体が、前記ポスト壁導波路の端部よりも前記導波管の奥側に突出していてもよい。
前記モード変換器は、前記伝送線路から前記誘電体基板の内部に向けて形成されたピン構造を有してもよい。
前記伝送線路と前記誘電体基板との間に、前記一対の接地導体層に対して前記伝送線路を電気的に絶縁する誘電体層が設けられていてもよい。
前記一対の接地導体層のうち一方の接地導体層は、前記誘電体基板において前記伝送線路と同一の面に形成され、他方の接地導体層は、前記誘電体基板において前記伝送線路と反対の面に形成され、前記モード変換器は、前記伝送線路と前記一方の接地導体層とが連続した導体パターンとして形成されることにより構成されていてもよい。
本発明によれば、平面回路からなる伝送線路と導波管との間にポスト壁導波路を配置し、伝送線路とポスト壁導波路を同一の誘電体基板に形成したので、伝送線路に対して導波管を平行に連結することが可能である。誘電体基板と導波管との隙間を導体で閉鎖することにより、ポスト壁導波路と導波管との間の損失を抑制することができる。
さらに、ポスト壁導波路の端部を導波管の中空部に挿入することにより、ポスト壁導波路が導波管に固定され、両者の連結が容易になる。
本発明の接続構造の一例を示す斜視図である。 本発明の接続構造の一例を示すH面における断面図である。 本発明の接続構造の一例を示すE面における断面図である。 本発明の接続構造の一例を示す伝搬方向に垂直な面における断面図である。 ポスト壁の間隔を狭くした一例のH面における断面図である。 ポスト壁の間隔を狭くした一例の伝搬方向に垂直な面における断面図である。 筐体を用いた一例のE面における断面図である。 筐体を用いた一例の伝搬方向に垂直な面における断面図である。 半導体素子に封止樹脂を設けた一例のE面における断面図である。 支持部を高くした接続構造の一例を示すE面における断面図である。 閉鎖導体を導波路端部より突出させた一例のE面における断面図である。 閉鎖導体を導波路端部より突出させた別の一例のE面における断面図である。 閉鎖導体をテーパ状に突出させた一例のE面における断面図である。 反射係数の電磁界シミュレーションの結果の一例を示すグラフである。 透過係数の電磁界シミュレーションの結果の一例を示すグラフである。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、伝送線路と導波管との接続構造の一例を示す概念的な斜視図である。図2はH面における断面図、図3はE面における断面図、図4は伝搬方向に垂直な面における断面図である。図1に示すように、導波管30は、誘電体基板24の片面に形成された伝送線路11に対し、それぞれの伝搬方向と平行な軸方向(X軸方向)に沿って対向している。伝送線路11は、平面回路により、例えばマイクロストリップ線路、コプレーナ線路、ストリップ線路等から構成されている。導波管30のE面は狭壁31,31に平行であり、H面は広壁32,33に平行である。
ポスト壁導波路基板26は、誘電体基板24にポスト壁導波路20が形成された基板である。ポスト壁導波路20は、誘電体基板24の対向する両面に形成された一対の接地導体層22,23と、一対の接地導体層22,23を接続するように誘電体基板24を貫通する多数のポスト21a,21a,・・からなる一対のポスト壁21,21を備える。接地導体層22,23は、図示しないが、接地(グランド)電位となるように外部に接続されている。ポスト壁導波路20は、導波管30に対向する端部とは反対の側に、ポスト壁21に直交するショート壁を有する。ショート壁は、接地導体層22,23を接続するように誘電体基板24を貫通する1又は2以上のポスト21bから構成されている。
誘電体基板24は、特に限定されないが、樹脂、ガラス、セラミックスやこれらの複合体等の誘電体から構成することができる。誘電体基板24と接地導体層22,23は、特に限定されないが、プリント回路基板用の両面銅張積層板を加工して作製することもできる。各ポスト21aは、誘電体基板24に形成した貫通孔の内面に導体を積層したり、貫通孔に導体を充填したりして柱状の導体となるように形成される。貫通孔の断面形状は円形に限らず、四角形、多角形、その他の形状であってもよい。隣接するポスト21a,21aの配列や間隔は、高周波信号がポスト壁導波路20の外部に漏洩しないように設定される。例えば、隣接するポスト21a,21a間の中心間距離をポスト21aの直径の2倍以下とすることが挙げられる。
図3に示すように、伝送線路11とポスト壁導波路20との間は、誘電体基板24に形成されたモード変換器12により接続されている。図3のモード変換器12は、伝送線路11から誘電体基板24の内部に向けて挿入されたピン構造の導体により構成されている。接地導体層22には開口部22aが設けられ、ピン構造の導体と接地導体層22との間は誘電体で絶縁される。伝送線路11と誘電体基板24との間には、接地導体層22,23に対して伝送線路11を電気的に絶縁する誘電体層13が設けられていてもよい。伝送線路11を構成する平面回路が、GSG(接地−信号−接地)構造のグランド(GND)端子のように接地を要する部分を要する場合は、誘電体基板24に対して伝送線路11と同じ側に設けられた接地導体層22に接続するため、誘電体層13を貫通するグランド(GND)ビア(図示せず)を設けることができる。
ピン構造は、誘電体基板24に形成される下部導体12bと、誘電体層13を貫通する上部導体12aの二体から構成してもよい。ピンが1種類の導体で形成されてもよく、2種類以上の導体を積層した構成でもよい。ピンの内部は空洞でもよく、導体が充填されてもよく、誘電体が充填されてもよい。ピンの先端形状は丸みを帯びた形状でも尖った形状でもよい。
図4に示すように、導波管30は、一対の狭壁31,31と一対の広壁32,33を有する方形導波管である。広壁は、上部広壁32と下部広壁33からなる。広壁の幅は狭壁の幅より広い。すなわち、一対の狭壁31,31が対向する方向の間隔は、一対の広壁32,33が対向する方向の間隔よりも広い。図2及び図3に示すように、狭壁31,31と広壁32,33で囲まれる内部は中空部34となっている。
ポスト壁導波路20と導波管30は、伝播モードにおける互いのH面を共有するように、伝搬方向に垂直な面で接続されている。ポスト壁21,21と接地導体層22,23の配置は、それぞれ導波管30の狭壁31,31と広壁32,33の位置に対応している。図4では、導波管30の内面30a(図2及び図3参照)の概略の位置を、方形の二点鎖線で表している。ポスト壁導波路20の伝搬方向に沿った誘電体基板24の端部は、導波管30の中空部34に対向している。これにより、信号が伝搬可能な領域である、ポスト壁導波路20の内部と導波管30の内部が整合する。ポスト壁導波路20における信号の伝搬方向は、導波管30における信号の伝搬方向に平行である。
ポスト壁導波路20の内部は、誘電体基板24を構成する誘電体で形成されているため、導波管30の内部空間である中空部34と比べると誘電率が大きく、内部を伝搬する信号の波長が短縮される。このため、ポスト壁導波路20の広壁に相当する接地導体層22,23の間隔は、導波管30の広壁32,33の間隔より狭い。つまり、ポスト壁導波路20は、伝搬方向に垂直な面における断面形状が、導波管30より小型である。そこで、この面の方向(Z軸方向)に生じる隙間を埋めるためのシャッターとして、接地導体層22と上部広壁32の間に、金属等の導体25(以下「閉鎖導体25」という。)が配置されている。これにより、隙間からの信号の漏洩を抑制し、損失を低減することができる。閉鎖導体25は、金属の加工物でもよく、金属箔であってもよい。閉鎖導体25は、接地導体層22及び上部広壁32に対して、隙間なく接触していることが好ましい。また、閉鎖導体25が、両方の狭壁31,31に対しても隙間なく接触していることが好ましい。隙間からの信号の漏洩を防止(遮蔽・シールド)できれば、閉鎖導体25が接地導体層22や導波管30との間に隙間を有していても構わない。
図2に示すように、ポスト壁導波路20の端部が、導波管30の中空部34に挿入されている。ポスト壁導波路基板26の幅は、導波管30の狭壁31,31の間隔(すなわち導波管30の内側形状の幅)と同じである。ここで、ポスト壁導波路基板26の幅は、誘電体基板24の幅であり、ポスト壁21,21の外側を含む。このため、幅方向において、ポスト壁導波路基板26の外面が、導波管30の内面に隙間なく接触する。これにより、伝播モードにおける互いのH面が共有されるように、導波管30に対してポスト壁導波路基板26を確実に固定することができる。導波管30に対する嵌め合いを固くするため、ポスト壁導波路基板26の幅を若干大きくしてもよい。ポスト壁導波路基板26と導波管30との間に接着剤を用いてもよい。
ポスト壁導波路20の幅(ポスト壁21,21の間隔に相当し、ポスト壁21,21の外側を含まない。)が導波管30の狭壁31,31の間隔よりも狭い場合、ポスト壁21の外側に導体を設けて、ポスト壁21と導波管30の狭壁31との隙間を埋めてもよい。例えば図5及び図6に示す例では、誘電体基板24の内部に、ポスト壁21から外側に向けて1又は2以上のポスト21cが配置されている。これにより、隙間からの信号の漏洩を抑制し、損失を低減することができる。
図2及び図5の場合、ポスト壁導波路20の伝搬方向(X軸方向)における、導波管30の中空部34に対向するポスト壁導波路20の端部とモード変換器12との間の区間においては、一対の接地導体層22,23と一対のポスト壁21,21で囲まれる内部に、他のポストがなく、誘電体基板24の誘電体のみが配されている。
伝送線路11からモード変換器12に信号を伝搬させると、信号がポスト壁導波路20を伝搬し、ポスト壁導波路20の端部から導波管30に向けて放射される。このように、伝送線路11の信号をモード変換器12によりポスト壁導波路20のTEモードに変換し、その後、ポスト壁導波路20のTEモードと導波管30のTEモードとを変換する。2回モードを変換することで、ポスト壁導波路20と導波管30の間の伝送をTEモード同士の変換により行うことができるため、信号中心周波数で損失を少なくことができる。
ピン構造のモード変換器12の場合、ピンの長さを自在に調節することが可能となり、他の回路要素等による調節を行うことなく反射損を抑制することができる。ピン構造は銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等の導体から形成することができる。ピン導体と誘電体基板の密着性を高めるため、間に密着層としてチタン(Ti)やクロム(Cr)等の膜を設けることが好ましい。密着層は、ピン導体と誘電体基板との密着が損なわれない範囲において、薄いほど望ましい。例えば、Cuの膜が300nm以上である場合には、TiまたはCrの膜は40nm程度であることが望ましい。
ミリ波のように、周波数の高い高周波信号を伝送する場合、スルーホールが長いとリアクタンスが増大し、安定的な接続が難しい。伝送線路11と接地導体層22の間の誘電体層13の厚さは、電気的絶縁が確保できる限り薄いことが好ましい。その厚さとしては、例えば10〜20μm程度が挙げられる。半導体素子のGND端子とPWWの接地導体層22の間をビアで接続する際に、リアクタンスを低く抑えることができ、半導体素子のGND端子を電気的に安定な状態で外部基板と接続できる。
ポスト壁導波路20と導波管30との位置合わせのため、ポスト壁導波路20の周囲には、ポスト壁導波路20を支持する支持部材40を設けることができる。図3の場合、伝送線路11の反対側の接地導体層23に沿った壁面(底面)を覆うように支持部材40が配されている。支持部材40は、さらに、ポスト壁21,21に沿ったポスト壁導波路基板の壁面(誘電体基板24の側面)を覆ってもよい。支持部材40としては、例えば、ポスト壁導波路基板の幅と厚さに合わせて溝を形成した金属製の治具を用いることができる。溝の幅と深さはポスト壁導波路基板の幅と厚さと同じにしてもよい。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
高周波信号としては、ミリ波が挙げられるが、導波管構造による伝搬が可能であれば、テラヘルツ波(サブミリ波)等の更に高い周波数を有する信号でもよい。
ポスト壁導波路20の端部においては、導波管30に対する整合のため、ポスト等の導体を設けることもできる。ポスト壁導波路20の伝搬方向(X軸方向)における、導波管30の中空部34に対向するポスト壁導波路20の端部とモード変換器12との間の区間において、一対の接地導体層22,23と一対のポスト壁21,21で囲まれる内部に、1又は2以上のポスト(図示せず)を設けることにより、ポスト壁導波路20と導波管30の間で反射損を低減することができる。
伝送線路11の設けられた側では、図7に示すように、誘電体基板24の上に半導体素子16が実装されていてもよい。半導体素子16は、例えば集積回路(IC)であり、バンプ15を介して伝送線路11の端部14に接続されている。ポスト壁導波路20の支持部材が、導波管30の狭壁31,31及び広壁32,33と同様に、四方に壁部42を有する筐体41(図8参照)であってもよい。この筐体41は、ポスト壁導波路20の底面と両側面を覆う金属製治具の一例である。導波管30と筐体41との継ぎ目では、それぞれの端部にフランジ35,43を設け、フランジ35,43同士を対向させて連結することが好ましい。これにより、導波管30とポスト壁導波路20の伝搬方向のずれを低減して、両者を連結することができる。フランジ35,43の連結手段は特に限定されないが、ねじ36、リベット、クリップ等が挙げられる。
図9に示す例は、半導体素子16やポスト壁導波路20の周囲にモールドや塗布等により樹脂を設けて回路等を封止したものである。封止樹脂17の形成方法としては、適度に加熱した樹脂を回路等の周囲に付与して、冷却により固化させる方法、液状の硬化性樹脂を回路等の周囲に付与して、光照射等により硬化させる方法等が挙げられる。
図10に示すように、ポスト壁導波路20の底面は、導波管30の下部広壁33と接触しておらず、導波管30の中空部34に対し、ポスト壁導波路20がZ軸方向の中間程度に位置してもよい。この場合、ポスト壁導波路20の接地導体層22,23は、いずれも導波管30の広壁32,33と接触していない。このため、閉鎖導体25は、上側の接地導体層22と上部広壁32との間だけでなく、下側の接地導体層23と下部広壁33との間にも設けることが好ましい。また、ポスト壁導波路20の下部の接地導体層22と導波管30の下部広壁33との隙間には、金属などの導体からなる部材40を設けてもよい。これにより、隙間からの信号の漏洩を抑制し、損失を低減することができる。
図11及び図12に示すように、ポスト壁導波路20の上下、又はその一方に設けた閉鎖導体25を、ポスト壁導波路20の端部よりも導波管30の奥側に突出させてもよい。この場合、ポスト壁導波路20の端部と導波管30の内面30aとの間に、X軸方向に閉鎖導体25が設けられた区間ができる。これにより、徐々にポスト壁導波路20から導波管30への整合を行うことができ、より広帯域の整合が期待できる。閉鎖導体25がポスト壁導波路20の端部から突出した部分25a(以下「突出部分25a」という。)の高さは、接地導体層22,23と導波管30の広壁32,33との隙間と同程度でもよく、より小さくしてもよい。図10や図11のようにポスト壁導波路20の上下にそれぞれ閉鎖導体25,25を設けた場合に、片方の閉鎖導体25に突出部分25aを形成してもよい。導波管30を伝搬する信号の波長をλとして、突出部分25aの長さがλ/4程度であることが好ましい。突出部分25aの形状は、導体の高さが2段階以上で変化するように階段状にしてもよい。
図13に示すように、ポスト壁導波路20と導波管30との間で寸法を徐々に変化させるため、突出部分25aの一部又は全部において、テーパ状の部分25bを形成してもよい。これにより、徐々にポスト壁導波路20から導波管30への整合を行うことができ、より広帯域の整合が期待できる。テーパ状の部分25bの形状は、ポスト壁導波路20の端部から離れるほど、導体内部寸法(例えばZ軸方向の高さ)が大きくなるようにすればよい。テーパ状の部分25bの長さは、導波管30を伝搬する信号の波長λと同程度、又はλ以上が好ましい。ポスト壁導波路20の上下にそれぞれ閉鎖導体25,25を設けた場合(図10及び図11参照)、これらの閉鎖導体25,25の一方のみ又は両方にテーパ状の部分25bを形成することもできる。
閉鎖導体の全体が導波管の外側に配されてもよい。閉鎖導体の全体が導波管の内側に配されてもよい。閉鎖導体の一部が導波管の外側に配されて、閉鎖導体の一部が導波管の内側に配されてもよい。
導波管に対するポスト壁導波路の固定手段は、溶接、接着、半田、ねじ、リベット、クリップ等が挙げられる。固定箇所に応じて、異なる固定手段を使い分けてもよい。
伝送線路とポスト壁導波路の間でモードを変換するモード変換部としては、図示したピン構造に限らず、任意の構造を採用可能である。例えば、特許文献5に開示されるように、一対の接地導体層のうち一方の接地導体層は、誘電体基板において伝送線路と同一の面に形成され、他方の接地導体層は、誘電体基板において伝送線路と反対の面に形成され、伝送線路と前記一方の接地導体層とが連続した導体パターンとして形成されることにより、モード変換器が構成されていてもよい。
導波管は、少なくともポスト壁導波路に連結される部分の近傍がポスト壁導波路の伝搬方向と平行であればよい。ポスト壁導波路から離れた箇所では、導波管が90°ベンド構造など曲がった構造であってもよい。
(実施例1)
導波管としてWR−15(内側寸法が広壁側で3.76mm、狭壁側で1.88mmの方形導波管)を想定し、ポスト壁導波路の誘電体基板として厚さ0.85mm、幅3.76mmの石英を想定し、ポスト壁導波路の幅を2.0mmと想定して、ポスト壁導波路と導波管の間のモード変換に関し、電磁界シミュレーションを行った。ポスト壁導波路と導波管の隙間(約0.85mmと1.88mmとの差で、Z軸方向に約1mm)は、金属の部材で閉鎖した。
周波数(Frequency)に対する反射係数S11のシミュレーション結果を図14に示す。また、周波数に対する透過係数S21のシミュレーション結果を図15に示す。図14より、おおよそ5GHzの帯域にわたって、−10dBより小さい反射損が実現できる。また、図15より、設計中心(60GHz)で透過係数S21が0となることが確認できる。
11…伝送線路、12…モード変換器、13…誘電体層、16…半導体素子、20…ポスト壁導波路、21…ポスト壁、21a,21b,21c…ポスト、22,23…接地導体層、24…誘電体基板、25…閉鎖導体、26…ポスト壁導波路基板、30…導波管、31…狭壁、34…中空部、35,43…フランジ、40…支持部材、41…筐体。

Claims (9)

  1. 平面回路からなる伝送線路と導波管との接続構造であって、
    誘電体基板にポスト壁導波路が形成されたポスト壁導波路基板と、前記誘電体基板に設けられ、平面回路からなる伝送線路とを備え、
    前記ポスト壁導波路は、前記誘電体基板の対向する両面に形成された一対の接地導体層と、前記一対の接地導体層を接続するように前記誘電体基板を貫通するポストからなる一対のポスト壁とから構成され、
    前記伝送線路と前記ポスト壁導波路との間は、前記誘電体基板に形成されたモード変換器により接続され、
    前記ポスト壁導波路の端部が導波管の中空部に挿入されて、前記ポスト壁導波路と前記導波管とが伝搬方向を互いに平行にして連結され、
    前記ポスト壁導波路の接地導体層と前記導波管の広壁との隙間が導体により閉鎖されていることを特徴とする、導波管との接続構造。
  2. 前記ポスト壁導波路基板の幅は、導波管における一対の狭壁の間隔と同じであることを特徴とする、請求項1に記載の導波管との接続構造。
  3. 前記誘電体基板は、前記ポスト壁導波路の伝搬方向においては前記導波管の中空部に対向する前記ポスト壁導波路の端部と前記モード変換器との間であって、前記ポスト壁導波路における前記一対の接地導体層と前記一対のポスト壁で囲まれる内部に、ポストを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の導波管との接続構造。
  4. 前記誘電体基板の上には、前記伝送線路に接続された半導体素子が実装されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導波管との接続構造。
  5. 前記一対の接地導体層が、いずれも前記導波管の広壁と接触しておらず、それぞれの接地導体層と前記導波管の広壁との間が導体により閉鎖されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導波管との接続構造。
  6. 前記接地導体層と前記導波管の広壁との間を閉鎖する導体が、前記ポスト壁導波路の端部よりも前記導波管の奥側に突出していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導波管との接続構造。
  7. 前記モード変換器は、前記伝送線路から前記誘電体基板の内部に向けて形成されたピン構造を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導波管との接続構造。
  8. 前記伝送線路と前記誘電体基板との間に、前記一対の接地導体層に対して前記伝送線路を電気的に絶縁する誘電体層が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の導波管との接続構造。
  9. 前記一対の接地導体層のうち一方の接地導体層は、前記誘電体基板において前記伝送線路と同一の面に形成され、他方の接地導体層は、前記誘電体基板において前記伝送線路と反対の面に形成され、
    前記モード変換器は、前記伝送線路と前記一方の接地導体層とが連続した導体パターンとして形成されることにより構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導波管との接続構造。
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