JP5566169B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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本発明は、導波管・平面線路変換器及び高周波回路に係り、更に詳しくは、マイクロ波やミリ波を伝送するための導波管及び平面線路間において電力変換を行う導波管・平面線路変換器、並びに、導波管・平面線路変換器を備えた高周波回路、例えば、車載用のアンテナ装置に関する。
導波管をマイクロストリップ線路、コプレーナ線路などの平面線路に接続し、それぞれの伝送電力を相互に変換する導波管・平面線路変換器が知られている。一般的な導波管・平面線路変換器では、整合素子から導波管の短絡面までの距離を管内波長λgの1/4にするために、短絡導波管ブロックが用いられるが、装置が大型化し、あるいは、短絡面の位置決めを高精度で行う必要があった。このような問題点を解決するために改良された導波管・平面線路変換器が知られている(例えば、特許文献1)。
図12及び図13は、特許文献1に示された導波管・平面線路変換器105の構成を示した図である。図12は斜視図、図13は、図12の誘電体基板1の平面図であり、図中の(a)に誘電体基板1の上面、(b)に誘電体基板1の下面が示されている。
この導波管・平面線路変換器105は、導波管2の開口部が、誘電体基板1の下面に密着固定されている。この誘電体基板1の上面には、短絡板4が形成されるとともに、その切り込み12内に伝送パターン5が形成されている。また、上記誘電体基板1の下面には、開口部内に整合素子7が形成され、開口部外に接地板6が形成されている。伝送パターン5は、開口部内では、誘電体基板1を挟んで整合素子7と対向し、電磁的に結合されている。このような構成により、短絡導波管ブロックを用いない導波管・平面線路変換器を実現することができる。
このような従来の導波管・平面線路変換器105では、開口部を囲むように多数のスルーホール13を形成し、開口部から誘電体基板1内への電磁波の漏出を防止することにより、実用的な変換効率を確保している。スルーホール13の形成は、誘電体基板1にドリルで貫通孔を形成した後、導電性金属をめっきし、貫通孔を導電性金属で充填した後、誘電体基板の表面に付着した余分な導電性金属を除去することによって行われている。
特開2001−111312
従来の導波管・平面線路変換器105は、スルーホールを用いて電磁波の漏出を防止している。このため、スルーホール加工が不可欠であり、製造工程が複雑となり、生産コストの低減が難しいという問題があった。また、スルーホールが破断し、あるいは、スルーホールにクラックが入った場合に、導波管・平面線路変換器の特性が大きく変化し、車載用途等における耐久性、信頼性を確保することが難しいという問題があった。
さらに、スルーホールの形成工程において誘電体基板が損傷を受け、導波管・平面線路変換器の性能を安定化させ、あるいは、向上させることが難しいという問題があった。誘電体基板は、スルーホールを形成することによって、例えば、そりが生じたり、表面の平滑度が低下する。このため、スルーホール加工を行わない場合に比べて、誘電体基板に対するパターン加工の精度が低下し、導波管・平面線路変換器として十分な性能が得られず、あるいは、性能にばらつきが生じるという問題があった。特に、同じ誘電体基板上に、アンテナパターンなどの回路パターンが形成された高周波回路の場合、当該回路パターンの加工精度が低下し、所望の高周波特性を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、容易に製造することができ、安価に提供することができる導波管・平面線路変換器を提供することを目的とする。また、導波管・平面線路変換器の耐久性や信頼性を向上させることを目的とする。
さらに、導波管・平面線路変換器を含む高周波回路の特性を安定化させ、あるいは、向上させることを目的とする。特に、導波管・平面線路変換器を構成する誘電体基板上にアンテナパターンが形成されたアンテナ装置の性能を安定化させ、あるいは、向上させることを目的とする。
本発明によるアンテナ装置は、2以上の導波管が形成された金属ブロックと、上記導波管に対応する2以上の導波管・平面線路変換器が形成された誘電体基板とを備えたアンテナ装置において、上記誘電体基板は、第1面により上記2以上の導波管の開口部を閉鎖し、第2面に2以上のアンテナパターンが形成される。上記導波管・平面線路変換器は、上記誘電体基板の第1面の上記開口部内に形成された整合素子と、上記誘電体基板の第1面に上記開口部を取り囲むように形成された接地板と、上記誘電体基板の第2面に形成され、上記導波管を終端させるシールド板と、上記誘電体基板の第2面に形成され、一端が上記シールド板の切り込み内において上記整合素子と対向し、他端が上記アンテナパターンに接続された伝送パターンとを有し、上記2以上の導波管は、上記開口部の短辺を互いに対向させて配置され、上記シールド板は、上記接地板の外縁よりも内側、かつ、上記開口部からの距離が1/4波長の奇数倍となる外縁を有し、上記開口部ごとに互いに独立して形成される。
導波管の開口部と接地板の外縁との間にシールド板の外縁を形成し、シールド板の外縁を境界として誘電体基板の実効誘電率を変化させることにより、シールド板の外縁を開放された自由端とし、導波管の開口部から誘電体基板内に広がる電磁波をシールド板の外縁において全反射させることができる。このため、導波管の開口部からシールド板の外縁までの距離を1/4波長の奇数倍にすれば、開口部よりも外側の誘電体基板内には、シールド板の外縁を腹とし、開口部の外縁を節とする定在波が現れる。つまり、開口部の外縁が電気的にショートしている状態と等価になる。従って、誘電体基板にスルーホールを形成することなく、電力損失を抑制し、変換効率を向上させることができる。
なお、第1の本発明における1/4波長は、導波管の管内波長をシールド板及び接地板に挟まれた誘電体基板中における波長に換算した値の1/4を意味する。また、第1の本発明におけるシールド板は、その外縁の少なくとも一部が、接地板の外縁よりも内側に形成され、かつ、導波管の開口部までの距離が1/4波長の奇数倍となっていればよく、シールド板の外縁全体が上記条件を満たしているものに限定されない。
また、このような構成により、導波管・平面線路変換器及びアンテナパターンが同一の誘電体基板上に形成されたアンテナ装置において、アンテナパターンの精度を向上させ、アンテナ特性を安定化させ、あるいは、向上させることができる。

本発明による導波管・平面線路変換器は、導波管の開口部と接地板の外縁との間にシールド板の外縁を形成するとともに、導波管の開口部からシールド板の外縁までの距離を1/4波長の奇数倍にすることにより、導波管の開口部から誘電体基板内への電磁波の漏出を抑制することができる。
このため、電磁波の漏出を防止するためのスルーホールが不要となり、製造工程を簡略化することができ、導波管・平面線路変換器を安価に提供することができる。また、スルーホールを有しないため、耐久性、信頼性を向上させることができる。さらに、スルーホール加工の工程において誘電体基板が損傷を受けることがないため、導波管・平面線路変換器の性能を安定化させ、あるいは、向上させることができる。
また、導波管・平面線路変換器を構成する誘電体基板上に形成された回路パターンの高周波特性を安定化させ、あるいは、向上させることができる。特に、回路パターンとしてアンテナパターンが形成されている場合に、そのアンテナ性能を安定化させ、あるいは、向上させることができる。
本発明の実施の形態1による導波管・マイクロストリップ線路変換器100を示した斜視図である。 図1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100の平面図である。 図2のA−A切断線による断面図である。 図2のB−B切断線による断面図である。 本発明による変換効率向上の原理を説明するための説明図である。 図1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100の透過量及び反射量の周波数特性を示した図である。 本発明の実施の形態2による導波管・マイクロストリップ線路変換器101の平面図である。 本発明の実施の形態2による導波管・マイクロストリップ線路変換器102の平面図である。 本発明の実施の形態3による導波管・マイクロストリップ線路変換器103の平面図である。 本発明の実施の形態3による導波管・マイクロストリップ線路変換器104の平面図である。 本発明の実施の形態4によるアンテナ装置200の展開斜視図である。 従来の導波管・マイクロストリップ線路変換器105の構成を示した斜視図である。 図12の導波管・マイクロストリップ線路変換器105の平面図である。
実施の形態1.
図1〜図4は、本発明の実施の形態1による導波管・平面線路変換器の一構成例を示した図であり、導波管・マイクロストリップ線路変換器100が示されている。図1には展開斜視図、図2には平面図、図3には図2のA−A切断線による断面図、図4には図2のB−B切断線による断面図が示されている。
この導波管・マイクロストリップ線路変換器100は、上面にシールド板3及び伝送パターン5が形成され、下面に接地板6及び整合素子7が形成された誘電体基板1からなる。この誘電体基板1は、その下面を導波管2の開口部21と対向させることにより、整合素子7を介して、導波管2及び伝送パターン5の伝送電力を相互に変換することができる。しかも、接地板6及びシールド板3の形状を工夫することにより、スルーホールを用いることなく、高い変換効率を実現することができる。
導波管2は、導電性材料からなるブロック体、例えば、アルミダイキャスト法により成形された直方体ブロックであり、管壁22に囲まれた中空部23を有し、この中空部23内を電波が伝搬する。この導波管2は、管壁22が2つの狭壁及び2つの広壁からなる方形導波管であり、伝搬方向に直交する中空部23の断面は、広壁に相当する長辺と、狭壁に相当する短辺とからなる長方形である。さらに、導波管2の一端には、中空部23の断面と同一形状からなる開口部21が形成されている。
誘電体基板1は、その下面が導波管2の開口部21を閉鎖するように配置されている。この誘電体基板1は開口部21よりも広く、開口部21に対応する閉鎖領域11の周辺に導波管2の端面が密着固定されている。また、誘電体基板1上には、シールド板3、伝送パターン5、接地板6及び整合素子7が、導電性金属のパターンとして形成されている。これらのパターンは、熱圧着法により貼り付けられた銅箔などの導電性金属箔を誘電体基板1の全面に形成した後、フォトエッチング法でパターニングすることによって形成される。
シールド板3は、閉鎖領域11を覆うように形成され、導波管2を終端させる短絡面を構成している。図中のシールド板3は長方形からなり、その長辺から内側に向けてストリップ状の切り込み12が形成されている。この切り込み12は、閉鎖領域11の短辺と平行に延び、閉鎖領域11に達している。
伝送パターン5は、その一端がシールド板3の切り込み12内に形成され、閉鎖領域11の長辺及びシールド板3の長辺を横切り、他端がシールド板3の外側へ引き出されている。この伝送パターン5は、切り込み12内では、シールド板3から一定の距離を隔てて配置され、シールド板3とともにコプレーナ線路を形成している。また、閉鎖領域11よりも外側では、誘電体基板1を介して接地板6と対向するように配置され、接地板6とともにマイクロストリップ線路を形成している。
接地板6は、閉鎖領域11を取り囲むように形成され、この接地板6に導波管2の端面を密着させることによって、接地板6及び導波管2を導通させている。図中では、誘電体基板1が導波管2の端面と同一の形状からなり、接地板6が、閉鎖領域11と一致する内縁を有し、閉鎖領域11を除く誘電体基板1の下面全体に形成されている。
整合素子7は、接地板6と導通しないように閉鎖領域11内に形成された素子であり、その一部が誘電体基板1を挟んで伝送パターン5の先端と重複するように配置され、伝送パターン5と電磁的に結合されている。一般に、導波管2内では、短手方向の電界しか存在せず、この電界分布は長手中央において最大となることが知られている。このため、整合素子7は、開口部21の長辺の垂直二等分線を通り、開口部21の短手方向の長さが導波管2の管内波長λgの1/2となる形状であることが望ましい。なお、伝送パターン5の閉鎖領域11への挿入量と、導波管2の短手中央からの距離とを調整することにより、インピーダンス整合を図ることができる。
従来の導波管・マイクロストリップ線路変換器では、閉鎖領域11外の誘電体基板1内へ電磁波が漏出するのを防止するために、閉鎖領域11の周囲にスルーホールを形成している。これに対し、本実施の形態による導波管・マイクロストリップ線路変換器100は、シールド板3の形状を工夫することによって、スルーホールを形成することなく、電磁波の漏出を防止している。このようなチョーク構造について以下に説明する。
図5は、本発明による変換効率向上の原理を説明するための説明図であり、図3の一部が拡大して示されている。図中の11,31,32は、いずれも誘電体基板1の一部の領域であり、11は、開口部21に対応する閉鎖領域、31は、閉鎖領域11よりも外側のシールド板3が形成された環状領域、32は、上記環状領域31よりも更に外側のシールド板3が形成されていない領域である。つまり、開口部21の外縁が領域11,31の境界となり、シールド板3の外縁が領域31,32の境界となっている。
一般に、誘電体基板1の実効誘電率εeffは、誘電体基板1の材料及び形状が同一であっても、誘電体基板1の表面状態によって変化する。このため、誘電体基板1の上面の一部にシールド板3を形成した場合、このシールド板3の外縁を境界として、実効誘電率εeffが変化する。このような実効誘電率εeffが均一でない誘電体基板1内を電磁波が伝搬する場合、実効誘電率εeffの変化点において電磁波の反射が発生する。ここでは、シールド板3の外縁が開放された自由端となり、閉鎖領域11から環状領域31に伝搬した電磁波は、シールド板3の外縁で全反射される。
このため、開口部21の外縁からシールド板3の外縁までの距離を1/4波長の奇数倍にすれば、閉鎖領域11よりも外側の誘電体基板1内には、シールド板3の外縁を腹とし、開口部21の外縁を節とする定在波が現れ、開口部21の外縁における誘電体基板1の電位は常にゼロとなる。つまり、シールド板3の外縁を境界とする内側から外側への入力インピーダンスZが無限大になり、開口部21の外縁を境界とする内側から外側への入力インピーダンスZがゼロとなり、開口部21の外縁において誘電体基板1は電気的にショートしている状態と等価になる。
この様にして、開口部21からシールド板3の外縁までの距離を1/4波長の奇数倍にすることにより、誘電体基板1を伝搬して広がる電磁波に対し、シールド板3の外縁における入力インピーダンスを増大させるとともに、開口部21の外縁におけるインピーダンスを低減させ、誘電体基板1を介する電磁波の漏出を抑制することができる。従って、誘電体基板1にスルーホールを形成することなく、電力損失を抑制し、変換効率を向上させることができる。
なお、シールド板3が形成された閉鎖領域11よりも外側の環状領域31には、上述した通り、定在波が存在し、わずかな誘電体損失が発生している。しかしながら、シールド板3の外縁において電磁波を全反射させることにより、十分な損失抑制の効果が得られる。
また、図1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100では、開口部21の各辺から、それに対向するシールド板3の辺までの距離が、それぞれλ/4となっている。従って、スルーホールを用いなくても、導波管・マイクロストリップ線路変換器100の電力損失を抑制し、変換効率を向上させることができる。
図6は、図1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100の透過量及び反射量の周波数特性を示した図である。透過量及び反射量は、散乱パラメータS21,S11として求められる値であり、横軸に周波数をとって、従来装置の特性とともに示されている。図中の実線T1及びR1は、図1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100の透過量及び反射量を示す特性曲線である。一方、破線T2及びR2は、図12に示した従来の導波管・マイクロストリップ線路変換器105の透過量及び反射量を示す特性曲線である。
一般に、導波管・平面線路変換器の周波数特性は、整合素子7の共振周波数において透過量が最大となり、反射量が最小となることが知られている。図6では、共振周波数が約76.5GHzであり、この共振周波数における透過量T1は、従来装置の透過量T2と比べて僅かに小さいという程度であり、ほぼ同等であることがわかる。また、上記共振周波数における反射量R1は、従来装置の透過量R2よりも小さいことがわかる。つまり、図1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100は、スルーホールを用いることなく、従来装置とほぼ同等の透過特性と、従来装置よりも優れた反射特性とを実現している。
本実施の形態による導波管・マイクロストリップ線路変換器100では、開口部21と接地板6の外縁との間にシールド板3の外縁を形成し、開口部21からシールド板3の外縁までの距離を1/4波長にすることにより、開口部21よりも外側の誘電体基板1内へ電磁波が漏出するのを抑制している。このため、開口部21の周辺にスルーホールを形成することなく、電力損失を抑制し、変換効率を向上させることができる。
特に、本実施の形態による導波管・マイクロストリップ線路変換器100では、開口部21及びシールド板3がいずれも長方形からなり、対応する辺の距離をそれぞれ1/4波長にしている。このため、開口部21から誘電体基板1中に電磁波が漏出するのを効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態では、開口部21からシールド板3の外縁までの距離が1/4波長である場合の例について説明している。装置の小型化という観点からは、上記距離が1/4波長であることが望ましいが、1/4波長の奇数倍であっても、同様の作用効果を得られることはいうまでもない。
実施の形態2.
実施の形態1では、1つの伝送パターン5が誘電体基板1上に形成された導波管・マイクロストリップ線路変換器100の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、2以上の伝送パターン5a〜5dが誘電体基板1上に形成された導波管・マイクロストリップ線路変換器について説明する。
図7及び図8は、本発明の実施の形態2による導波管・平面線路変換器の一構成例を示した図であり、導波管・マイクロストリップ線路変換器101,102を構成する誘電体基板1の平面図が示されている。図示した導波管・マイクロストリップ線路変換器101,102は、いずれも誘電体基板1の上面に形成された薄膜パターンを除き、実施の形態1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100と同様である。
図7の導波管・マイクロストリップ線路変換器101は、誘電体基板1上に2つの伝送パターン5a,5bが形成されている。シールド板3の2つの長辺には、2つの切り込み12a,12bがそれぞれ形成され、2つの伝送パターン5a,5bが12a,12b内に形成されている。これらの伝送パターン5a,5bは、それぞれの先端を同一の整合素子7と重複させ、閉鎖領域11の短辺と平行、かつ、互いに反対方向に向けて延び、閉鎖領域11の長辺を横切って、シールド板3の外へ引き出されている。つまり、対称となるように、2つの伝送パターン5a,5bが配置されている。
図8の導波管・マイクロストリップ線路変換器102は、誘電体基板1上に4つの伝送パターン5a〜5dが形成されている。シールド板3には4つの切り込み12a〜12dが形成され、4つの伝送パターン5a〜5dは、これらの切り込み12a〜12d内にそれぞれ配置されている。また、伝送パターン5a〜5dは、それぞれの先端を同一の整合素子7と重複させ、閉鎖領域11の短辺と平行に延び、閉鎖領域11の長辺を横切って、シールド板3の外へ引き出されている。ここでは、2つの伝送パターン5a,5bが、閉鎖領域11の一方の長辺をともに横切り、残る2つの伝送パターン5c,5dが、閉鎖領域11の他方の長辺を横切るように形成されている。伝送パターン5a〜5dは、シールド板3よりも外側で緩やかに湾曲し、隣接する伝送パターン同士の距離を広げている。
本実施の形態によれば、2以上の伝送パターン5a〜5dが誘電体基板1上に形成された導波管・マイクロストリップ線路変換器101,102においても、実施の形態1と同様にして、開口部21の周辺にスルーホールを形成することなく、電力損失を抑制し、変換効率を向上させることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態では、開口部21及びシールド板3がともに長方形からなり、両者の対応する各辺の距離を1/4波長にした導波管・マイクロストリップ線路変換器100〜103の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、シールド板3の外縁の一部についてのみ開口部21までの距離を1/4波長にした場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3による導波管・平面線路変換器の一構成例を示した図であり、導波管・マイクロストリップ線路変換器103を構成する誘電体基板1の平面図が示されている。この導波管・マイクロストリップ線路変換器103は、誘電体基板1の上面に形成された薄膜パターンを除き、実施の形態1の導波管・マイクロストリップ線路変換器100と同様である。
導波管・マイクロストリップ線路変換器103では、開口部21の2つの長辺から、対向するシールド板3の外縁までの距離がそれぞれλ/4であるのに対し、開口部21の2つの短辺から、対向するシールド板3の外縁までの距離はλ/4の奇数倍に一致していない。つまり、シールド板3は、その外縁の一部だけが、開口部21からの距離がλ/4の奇数倍となるように形成されている。このような構成であっても、上記外縁の一部を横切る方向へ広がる電磁波を抑制することができる。
例えば、図1に示した導波管・マイクロストリップ線路変換器100の場合でも、開口部21のコーナー付近からシールド板3の外縁に至る対角方向の距離については、λ/4よりも長くなっている。しかしながら、図6に示した通り、漏出防止の効果は十分に得られていることから、シールド板3は、その外縁の少なくとも一部が、開口部21からλ/4の奇数倍の距離を隔てて形成されていればよい。
上述した通り、導波管2内では、短手方向の電界しか存在せず、この電界分布は長手中央において最大となることから、誘電体基板1内へ漏出する電磁波は、その大部分が開口部21の長辺、特にその中央付近を横切って広がっている。このため、開口部21の長辺からシールド板3の外縁までの距離がλ/4の奇数倍となっていることが望ましい。特に、開口部21の長辺の中央付近からシールド板3の外縁までの距離がλ/4の奇数倍となっていることが望ましい。
本実施の形態によれば、シールド板3の外縁の一部から開口部21までの距離をλ/4の奇数倍にすることにより、上記外縁の一部を横切って、誘電体基板1内へ電磁波が広がるのを抑制している。このため、変換効率とともに、製造法やレイアウトなどに関するその他の事情も考慮して、シールド板3の形状を決定することができる。
なお、上記実施の形態では、シールド板3が長方形からなる導波管・マイクロストリップ線路変換器100〜103の例について説明したが、本発明は、このような場合のみに限定されない。例えば、図10に示した導波管・マイクロストリップ線路変換器104のように長方形以外の形状とすることもできる。この導波管・マイクロストリップ線路変換器104は、シールド板3が、長方形のコーナー付近を中心角が90°の円弧で置き換えた角丸長方形の形状を有している。この様な形状のシールド板3を用いることにより、開口部21各辺からシールド板3の外縁までの距離をλ/4にするとともに、開口部21のコーナー付近からシールド板3の外縁に至る対角方向の距離もλ/4にすることができる。従って、より効果的に電磁波の漏出を抑制することができる。
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4による高周波回路の一構成例を示した展開斜視図であり、アンテナ装置200が示されている。このアンテナ装置200は、2以上のアンテナパターン305と、これらのアンテナパターン305に対応する2以上の導波管・マイクロストリップ線路変換器100とが同一の誘電体基板301に形成されたアレイアンテナであり、例えば、マイクロ波又はミリ波を送受信するための車載用アンテナとして利用される。
アンテナ装置200は、誘電体基板301の端辺に沿って形成された変換器領域A1と、残りの領域に形成された回路領域A2とに区分されている。変換器領域A1には、3つの導波管・マイクロストリップ線路変換器100が形成され、回路領域A2には、3つのアンテナパターン305が形成されている。各アンテナパターン305は、誘電体基板1を挟んで接地板306と対向するとともに、その一端が、対応する導波管・マイクロストリップ線路変換器100の伝送パターン5と接続されている。つまり、伝送パターン5が、アンテナパターン305の給電線となる。
複合導波管302は、3つの独立した中空部を有する金属ブロックであり、一体的に形成された3つの導波管2に相当し、その上面及び下面には、各導波管2の開口部21U及び21Dがそれぞれ形成されている。上面の開口部21Uは、アンテナ装置200の下面によって閉鎖され、対応する導波管・マイクロストリップ線路変換器100にそれぞれ接続される。一方、下面の開口部21Dは、回路基板201に接続されている。回路基板201には、導波管2がそれぞれ接続される高周波回路、例えば、ミリ波やマイクロ波の送受信回路が形成されている。
各導波管・マイクロストリップ線路変換器100は、図1〜4に示した導波管・マイクロストリップ線路変換器100と同一の構成を有している。すなわち、誘電体基板1の下面には、閉鎖領域11内に整合素子7が形成されるとともに、閉鎖領域11を取り囲むように接地板306が形成されている。また、誘電体基板1の上面には、シールド板3が形成されるとともに、その切り込み12内に伝送パターン5の一端が形成されている。そして、開口部21Uの各辺からシールド板3の外縁までの距離がλ/4の奇数倍となっている。
従来の導波管・マイクロストリップ線路変換器105は、電力損失を抑制するためのスルーホールが不可欠であり、スルーホールを形成するための穴あけ工程やめっき工程において、誘電体基板1にそりを生じさせたり、その表面の平滑性を低下させていた。このため、従来の導波管・マイクロストリップ線路変換器105を採用した高周波回路では、誘電体基板1上にパターンを精度よく形成することが難しいという問題があった。特に、導波管・マイクロストリップ変換器100の誘電体基板1上にアンテナパターンを形成したアンテナ装置の場合、アンテナパターンの精度を向上させることができず、アンテナ性能を向上させることが難しいという問題があった。
これに対し、本実施の形態によるアンテナ装置200では、スルーホールを用いることなく、電力損失を抑制することができる導波管・マイクロストリップ線路変換器100を採用することにより、アンテナパターン305の精度を向上させることができる。その結果、アンテナ性能を安定化させ、あるいは、向上させることができる。
なお、図11の誘電体基板301の上面には、開口部21Uごとに独立したシールド板3が形成されているが、隣接する2以上の開口部21Uを1つのシールド板3で覆うように構成することもできる。図11では、隣接する開口部21Uが、互いの短辺を対向させて配置されているため、隣接するシールド板3を連結しても、開口部21Uの長辺からシールド板3の外縁までの距離がλ/4の奇数倍となるようにすれば、変換効率を著しく損なうことはない。
1 誘電体基板
2 導波管
3 シールド板
5,5a〜5d 伝送パターン
6,306 接地板
7 整合素子
11 閉鎖領域
21,21U,21D 開口部
22 管壁
23 中空部
35 アンテナパターン
100〜105 導波管・ストリップ線路変換器
200 アンテナ装置
201 回路基板
301 誘電体基板
302 複合導波管
305 アンテナパターン
306 接地板
A1 変換器領域
A2 回路領域
T1,T2 透過量
R1,R2 反射量
λg 導波管内の波長
λ 誘電体基板内の波長

Claims (1)

  1. 2以上の導波管が形成された金属ブロックと、上記導波管に対応する2以上の導波管・平面線路変換器が形成された誘電体基板とを備えたアンテナ装置において、
    上記誘電体基板は、第1面により上記2以上の導波管の開口部を閉鎖し、第2面に2以上のアンテナパターンが形成され、
    上記導波管・平面線路変換器は、
    上記誘電体基板の第1面の上記開口部内に形成された整合素子と、
    上記誘電体基板の第1面に上記開口部を取り囲むように形成された接地板と、
    上記誘電体基板の第2面に形成され、上記導波管を終端させるシールド板と、
    上記誘電体基板の第2面に形成され、一端が上記シールド板の切り込み内において上記整合素子と対向し、他端が上記アンテナパターンに接続された伝送パターンとを有し、
    上記2以上の導波管は、上記開口部の短辺を互いに対向させて配置され、
    上記シールド板は、上記接地板の外縁よりも内側、かつ、上記開口部からの距離が1/4波長の奇数倍となる外縁を有し、上記開口部ごとに互いに独立して形成されることを特徴とするアンテナ装置
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