JP4794616B2 - 導波管・ストリップ線路変換器 - Google Patents

導波管・ストリップ線路変換器 Download PDF

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Description

本発明は、導波管・ストリップ線路変換器に係り、更に詳しくは、マイクロ波やミリ波を伝送するための導波管及びストリップ線路間において電力変換を行う導波管・ストリップ線路変換器に関する。
図11は、従来の導波管・ストリップ線路変換器200の一構成例を示した展開斜視図である。また、図12は、図11の導波管・ストリップ線路変換器200をC−C切断線により切断した場合の断面図である。この導波管・ストリップ線路変換器200は、導波管ブロック1及び短絡ブロック3の間に誘電体基板2を挟み込んだ構造を有し、導波管ブロック1内に形成された導波管14と、誘電体基板2上に形成されたストリップ線路21との間で伝送電力を相互に変換する電力変換装置であり、例えば、車載レーダ用のアンテナ装置などに利用されている。
導波管14の開口部15は、導波管ブロック1の接合面10上に形成され、誘電体基板2によって閉鎖されている。一方、短絡ブロック3内には、短絡面までの距離が伝搬波長の1/4に相当する短絡導波管が形成されている。この短絡導波管の開口部35は、短絡ブロック3の接合面30上に形成され、誘電体基板2によって閉鎖されている。また、これらの開口部15及び35は、誘電体基板2を挟んで対向するように配置されており、導波管14が、誘電体基板2を挟んで反対側に配置された短絡ブロック3内において短絡されるバックショート(BS)構造を有している。
誘電体基板2は、短絡ブロック3側の主面上にストリップ線路21が形成され、導波管ブロック1側の主面上に接地板22が形成されている。一般に導波管内では、管内波長の1/4だけ短絡面から離れた位置において最大の電界が形成されている。このため、誘電体基板2の短絡ブロック3側の主面上にストリップ線路21を形成すれば、高い変換効率を得ることができる。また、誘電体基板2には、複数のスルーホール23が形成されており、これらのスルーホール23によって開口部15を取り囲んでいる。スルーホール23は、平行平板導波路としての誘電体基板2内を電磁波が伝搬し、誘電体基板2と平行な方向に電磁波が広がるのを防止している。
図13は、図11の導波管・ストリップ線路変換器200の特性を示した図であり、シミュレーションで求められたSパラメータS11及びS21の周波数特性が示されている。図中ではS11(反射係数)が実線、S21(透過係数)が破線で示されている。S11が−20dB以下となる周波数は72.2GHz〜82.5GHzであり、約10GHzの帯域幅が確保されている。
図14は、図11の導波管・ストリップ線路変換器200がスルーホール23を有しない場合の特性を示した図であり、図13と同様にして、シミュレーションで求められたSパラメータS11及びS21の周波数特性が示されている。図14の特性は、図13の特性に比べて、パラメータS11及びS21の周波数特性が乱れており、S11は大きくなり、S21(透過係数)は小さくなり、帯域幅も狭くなっている。つまり、スルーホール23を省略することによって、誘電体基板2内に電磁波が漏出すれば、導波管・ストリップ線路変換器200の特性が著しく劣化することが上記解析結果からわかる。
特開2000−244212号公報
従来の導波管・ストリップ線路変換器200は、開口部15を複数のスルーホール23で取り囲むことによって、良好な変換特性を実現している。しかしながら、誘電体基板2にスルーホール23を形成することによって、誘電体基板2上の導電性薄膜の厚さにバラツキが生じやすいという問題があった。
誘電体基板2には、ストリップ線路21及び接地板22に加工するための導電性薄膜が形成されている。この薄膜の厚さにばらつきが生じた場合、薄膜をパターニングするためのエッチング処理の制御が困難になったり、あるいは、ストリップ線路21から短絡ブロック3内の短絡面までの距離が1/4波長から外れ、変換効率が低下するという問題が生じる。特に、誘電体基板2の同一面内において上記薄膜の厚さがばらついた場合に問題となる。
例えば、誘電体基板2は、両面に銅箔が形成された誘電体基板にスルーホール21を形成した後に、上記銅箔をパターニングすることによって行われる。スルーホール23の形成工程では、パターニング前の誘電体基板にドリルで貫通孔を形成した後、銅めっきを行うことによって上記貫通孔内に銅を充填させている。銅箔のパターニングは、フォトリソグラフィー技術を用いて行われる。例えば、銅箔上にフォトレジストを形成し、その露光及び現像によってフォトレジストのパターニングが行われる。その後に、誘電体基板をエッチング液に浸潤させることによって、露出していた銅箔がエッチングされる。この様にしてパターニングされた銅箔がストリップ線路21や接地板22となる。
上述したスルーホール23の形成工程では銅めっき処理を行われている。このとき、銅箔の表面にも薄いめっき層が形成される。このめっき層は膜厚が不均一であり、特に、貫通孔やその周辺においてめっき層の厚さが大きくばらついている。このようなばらつきが生じると、その後のパターニング工程における銅箔のエッチング処理の制御が困難になるという問題があった。また、膜厚のばらつきによって、ストリップ線路21から短絡面までの距離を1/4波長に精度よく一致させることが難しいという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、良好な変換特性を有し、容易に製造することができる導波管・ストリップ線路変換器を提供することを目的とする。特に、スルーホールを有しない誘電体基板を用いて、良好な変換特性を有する導波管・ストリップ線路変換器を実現することを目的とする。
第1の本発明による導波管・ストリップ線路変換器は、導波管の開口部が形成された第1接合面を有する導波管ブロックと、第1接合面と対向する第2接合面を有し、上記導波管を短絡させる短絡ブロックと、第1接合面及び第2接合面の間に配置された誘電体基板と、上記誘電体基板上に形成され、その一端が上記開口部と対向するストリップ線路と、第1接合面又は第2接合面に形成され、導波管の伝搬波の1/4波長に相当する深さを有し、電磁波が上記誘電体基板内を伝搬して広がるのを抑制するチョーク溝とを備えて構成される。

1/4波長の深さを有するチョーク溝を設けることによって、チョーク溝の入射波を逆相の反射として出射させることができる。このため、平板平行導波路としての誘電体基板内を伝搬する電磁波がチョーク溝に達すると、少なくとも当該電磁波の一部が打ち消され、誘電体基板と平行に広がって漏出する電磁波を減少させることができる。従って、電磁波の漏出を抑制するためのスルーホールを誘電体基板に形成することなく、良好な変換特性を有する導波管・ストリップ線路変換器を実現することができる。
なお、チョーク溝は、第1接合面又は第2接合面の少なくとも一方に形成されていればよい。また、チョーク溝の内部は中空であってもよいし、誘電体であってもよい。チョーク内部が誘電体である場合、その深さは、導波管及びストリップ線路の伝搬波の当該誘電体内における波長の1/4に一致させておく。
第2の本発明による導波管・ストリップ線路変換器は、上記構成に加えて、上記チョーク溝が、第1接合面又は第2接合面の周縁に達するように形成されている。この様な構成により、導波管ブロック又は短絡ブロックの側面に、チョーク溝の内部を外部と連通させる連通口が形成される。この連通口を介して、チョーク溝へ斜めに入射した電磁波を外部に放出することができるので、不要波が誘電体基板に反射されるのを抑制することができる。
第3の本発明による導波管・ストリップ線路変換器は、上記構成に加えて、上記開口部が矩形形状からなり、上記チョーク溝が、上記開口部の少なくとも3辺を囲むとともに一部を開放させた形状からなり、上記ストリップ線路が、上記チョーク溝が開放された領域に形成されている。この様な構成により、チョーク溝及びストリップ線路を交差させることなく配置するとともに、開口部をおおむね取り囲むことができる。
本発明による導波管・ストリップ線路変換器は、誘電体基板と対向する導波管ブロック又は短絡ブロックの接合面に、1/4波長の深さを有するチョーク溝が形成されている。このようなチョーク溝を設けることにより、誘電体基板に沿って伝搬する電磁波が、誘電体基板内で広がるのをチョーク溝によって抑制することができる。このようなチョーク溝を利用することによって、誘電体基板にスルーホールを形成することなく、良好な変換特性を有する導波管・ストリップ線路変換器を実現することできる。従って、ばらつきの少ない高精度の導波管・ストリップ線路変換器を容易に製造することができる。
また、本発明による導波管・ストリップ線路変換器は、上記チョーク溝が第1接合面又は第2接合面の周縁に達するように形成され、チョーク内部を外部と連通させている。このため、チョーク溝に対して斜めに入射した電磁波は、少なくともその一部が連通口から外部へ放出され、不要波が誘電体基板に反射されるのを抑制することができる。従って、特性の良好な導波管・ストリップ線路変換器を実現することができる。
また、本発明による導波管・ストリップ線路変換器は、チョーク溝が、導波管の矩形からなる開口部の少なくとも3辺を囲むとともに、ストリップ線路と交差しないようにその一部を開放させた形状からなる。このため、チョーク溝及びストリップ線路を交差させることなく配置するとともに、開口部をおおむね取り囲むことができ、特性の良好な導波管・ストリップ線路変換器を実現することができる。
図1及び図2は、本発明の実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の一構成例を示した展開斜視図であり、導波管・ストリップ線路変換器100を斜め上方向及び斜め下方向から見た場合がそれぞれ示されている。
この導波管・ストリップ線路変換器100は、導波管ブロック1、誘電体基板2及び短絡ブロック3によって構成され、導波管ブロック1内に形成された導波管14と、誘電体基板2上に形成されたストリップ線路21との間で伝送電力を相互に変換する電力変換装置である。
導波管ブロック1は、導電性材料からなるブロック体であり、その内部にはマイクロ波又はミリ波を伝送するための導波管14が形成されている。この導波管ブロック1は、誘電体基板2と対向する接合面10を有し、この接合面10上には、導波管14の開口部15が形成されるとともに、当該開口部15を概ね囲むチョーク溝16が形成されている。このチョーク溝16は、1/4波長の深さを有し、誘電体基板2と平行に伝搬する電磁波が、誘電体基板2内に広がって漏れ出すのを阻止している。
例えば、6mm厚のアルミニウム板が導波管ブロック1として用いられる。導波管14は、短辺1.27mm、長辺2.54mmの矩形からなる断面を有する貫通孔であり、導波管ブロック1を厚さ方向に貫通し、導波管14の断面と同一形状からなる開口部15が接合面10上に形成されている。開口部15の対向する2つの短辺の近傍には、締結ネジ4を螺入するための径1.1mmのネジ穴13がそれぞれ形成され、開口部15及びネジ穴13を囲むようにチョーク溝16が形成されている。
チョーク溝16は、接合面10上に形成された幅1.44mm、深さ1mmの溝であり、3本の直線状の溝(直線溝)を交差させた草冠型の平面形状を有し、その一部であるコの字形状の部分が、開口部15の三辺を囲むように配置されている。チョーク溝16をこのような平面形状に形成することにより、ストリップ線路21と交差させないように一部を開放させつつ、開口部15を概ね取り囲むことができる。また、3本の直線溝は、その一端又は両端が接合面10の周縁まで延び、導波管ブロック1の側面に連通口17が形成されている。この連通口17は、チョーク溝16の内部を外部と連通させる開口部である。
誘電体基板2は、フッ素樹脂などの誘電体からなる厚さ0.114mm、比誘電率2.21の基板であり、両面に厚さ18μmの銅箔が貼付されている。これらの銅箔をパターニングすることにより、誘電体基板2を挟んでストリップ線路21及び接地板22が形成され、コプレナー線路を構成している。短絡ブロック3側の主面には直線状に延びるストリップ線路21が形成されている。一方、導波管ブロック1側の主面には、開口部15に対応する領域25及びチョーク溝16に対応する領域26を除いた全面に接地板22が形成されている。この接地板22は、少なくとも開口部15を取り囲むように形成され、導波管ブロック1の接合面10と接触させることによって、導波管ブロック1と同一の電位に保たれる。
短絡ブロック3は、導電性材料からなるブロック体であり、誘電体基板2との接合面30からの深さが伝搬波長の1/4となる中空部34が形成されている。この中空部34は、その断面の形状及び位置が導波管14と一致するように形成され、導波管14を誘電体基板2との接合面30から更に1/4波長だけ延長して短絡する短絡導波管である。
図中では、金属スペーサ31及び金属板32で構成される短絡ブロック3が示されている。金属スペーサ31は、打ち抜き加工された0.62mmのアルミ板であり、誘電体基板2と対向させる接合面30を有するとともに、その厚さ方向に金属スペーサ31を貫通する中空部34が形成されている。開口部35は、中空部34の接合面30上における開口部であり、中空部34の他方の開口部は、接合面30と平行な金属板32によって閉鎖され、短絡面が形成されている。側面開口部36は、ストリップ線路21に対応して形成された金属スペーサ31の側面上の開口部であり、幅が0.7mm、中空部34までの奥行きが0.365mmであり、短絡ブロック3とストリップ線路21とを電気的に導通させないように形成されている。金属スペーサ31の厚さを伝搬波長の1/4に一致させることによって、上記接合面30上において最大の電界が形成される短絡導波管が形成される。
締結ネジ4は、誘電体基板2を挟んだ状態で、導波管ブロック1及び短絡ブロック3を締結させる手段である。ここでは、2つの締結ネジ4を金属スペーサ31のネジ穴へ挿入し、金属板32、金属スペーサ31及び誘電体基板2を順に貫通させ、導波管ブロック1のネジ穴13へ螺入することによって、金属スペーサ31及び誘電体基板2を挟み込むように、金属板32及び導波管ブロック1を締結している。
導波管ブロック1の2つのネジ穴13は、開口部15の近傍であって、開口部15を挟んで対向する位置に形成されている。図中では、ネジ穴13が開口部15の短辺近傍に位置し、チョーク溝16は、ネジ穴13よりも更に外側に形成され、コの字形状の内側に開口部15及びネジ穴13を内包している。このようにして、ネジ穴13を開口部15の近傍に配置し、その外側にチョーク溝16を形成することによって、開口部15付近において、導波管ブロック1、誘電体基板2及び短絡ブロック3を精度よく密着させつつ、開口部15を囲むチョーク溝16を形成することができ、導波管・ストリップ線路変換器100の変換特性を向上させることができる。
図3及び図4は、本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の外観図であり、斜め上の異なる2方向から見た場合の様子が示されている。また、図5は、本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の平面図である。
誘電体基板2の一方の主面(図中では上面)は、その一部の領域のみが短絡ブロック3と対向している。ストリップ線路21は、短絡ブロック3から引き出されるように配置されており、誘電体基板2の上記主面上の短絡ブロック3以外の領域に形成されたアンテナなどの高周波回路(不図示)に接続される。なお、ストリップ線路21は、誘電体基板2の上記主面、つまり、短絡ブロック3側の主面に形成されているが、側面開口部36を通って短絡ブロック3から引き出され、短絡ブロック3とは絶縁されている。
また、ストリップ線路21は、その一端が開口部15に対応する領域内に位置し、開口部15の短辺と平行に延び、開口部15の長辺と交差して上記領域外に引き出されており、開口部15への挿入長は0.705mmである。理論上、方形導波管内では、その短辺に平行な電界しか存在しないことから、高い変換効率を得るために、ストリップ線路21を開口部15の短辺と平行となるように配置している。
導波管ブロック1の接合面10には、誘電体基板2の下面が密着しており、開口部15及びチョーク溝16は、誘電体基板2によって閉鎖されている。一方、チョーク溝16の端部は、接合面10の周縁まで延び、導波管ブロック1の側面には、チョーク溝16の断面と同一形状の連通口17が形成されている。このような連通口17を設けることによって、2つの導波管・ストリップ線路変換器を隣接して配置する場合に、各連通口17を対峙させて、上記導波管・ストリップ線路変換器の側面を密着させれば、2つのチョーク溝16が連結され、2つの導波管・ストリップ線路変換器によって共有させることができる。
図6及び図7は、本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の断面図であり、図6には、図3のA−A切断線で切断した場合、図7には、図3のB−B切断線で切断した場合の様子が示されている。
開口部15は、誘電体基板2上の接地板22が形成されていない領域25によって閉鎖されている。このため、電磁波は導波管14及び誘電体基板2間を通過することができ、導波管14は、短絡ブロック3によって短絡される。短絡ブロック3の深さは伝搬波長の1/4に相当し、短絡ブロック3の誘電体基板2との接合面30において最大電界が得られる。この接合面30に密着させる誘電体基板2の主面上にストリップ線路21を形成することによって高い変換効率が得られる。
チョーク溝16も、同様にして、誘電体基板2上の接地板22が形成されていない領域26によって閉鎖されており、電磁波はチョーク溝16及び誘電体基板2間を通過することもできる。チョーク溝16は、矩形の断面を有し、その深さは自由空間波長(空気中波長)の1/4に相当している。つまり、チョーク溝16の底面で反射した反射波は、入射波とは逆位相の電磁波として誘電体基板2へ再入射され、誘電体基板2内の電磁波を打ち消すことができる。従って、電磁波が誘電体基板2内で広がるのをチョーク溝16によって抑制し、導波管・ストリップ線路変換器100の変換特性を向上させることができる。
ここで、電磁波の漏出を防止するためには、チョーク溝16が、開口部15を完全に取り囲んでいることが望ましい。しかしながら、チョーク溝16をストリップ線路21と交差させることは望ましくない。このため、本実施の形態では、ストリップ線路21と交差させないように、チョーク溝16をストリップ線路21に向けて開かれた形状とし、ストリップ線路21が交差している長辺を除く開口部15の三辺を囲んでいる。また、チョーク溝16は、ストリップ線路21の両側において、短絡ブロック3の側面よりも更に外側まで延びている。このため、開口部15は、チョーク溝16と短絡ブロック3の側面とによって完全に取り囲まれている。
なお、本発明におけるチョーク溝16は、この様な場合のみには限定されず、少なくとも開口部15の周縁に沿って延びる形状として配置されていれば、電磁波の漏出を抑制する効果が得られる。例えば、開口部15の少なくとも一辺と平行にチョーク溝16が形成されていればよい。
図8は、本発明の原理を説明するための説明図であり、導波管・ストリップ線路変換器の断面図に電磁波の伝搬方向が示されている。図中の(a)は、チョーク溝16を有しない従来の導波管・ストリップ線路変換器200の断面図、(b)は、チョーク溝16を有する本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の断面図であり、いずれも電磁波が誘電体基板2内を右から左に伝搬する場合の様子の一例が示されている。
導波管ブロック1及び短絡ブロック3に挟まれた誘電体基板2は平行平板導波路として機能する。このため、図中の(a)に示した通り、チョーク溝16を有しない導波管・ストリップ線路変換器200の場合、電磁波が誘電体基板2内をその主面と平行に伝搬する。これに対し、チョーク溝16を有する導波管・ストリップ線路変換器100の場合には、チョーク溝16へ侵入した電磁波が、逆位相の電磁波となって誘電体基板2へ戻り、誘電体基板2内を伝搬する電磁波を打ち消すことができる。
図中の(b)には、誘電体基板2内を右から左に伝搬する電磁波[1]が、チョーク溝16に達した場合の様子が示されている。この電磁波[1]は、チョーク溝16へ侵入する電磁波[2]と、誘電体基板2内を更に直進する電磁波[3]とに分離される。また、図中の(c)には、チョーク溝16内で短絡端反射された反射波[4]が、誘電体基板2内に戻り、元の伝搬方向とは逆方向に進む電磁波[5]と、元の伝搬方向に進む電磁波[6]とに分離される様子が示されている。チョーク溝16の深さは、1/4波長に相当するため、電磁波[6]及び電磁波[3]とは180度位相が異なっており、打ち消し合う。このため、電磁波が、チョーク溝16を越えて誘電体基板2内を伝搬するのを抑制することができる。
図9は、本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の特性を示した図であり、シミュレーションで求められたSパラメータS11及びS21の周波数特性が示されている。図中ではS11(反射係数)が実線、S21(透過係数)が破線で示されている。なお、チョーク溝16及びスルーホールの有無の違いを除き、図13及び図14の場合と同一条件でシミュレーションを行っている。
いずれもスルーホール23を有しない導波管・ストリップ線路変換器の特性が示された図9及び図14を比較すれば、チョーク溝16の形成により、変換特性が著しく改善されていることがわかる。すなわち、本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100は、スルーホール23を有しない従来の導波管・ストリップ線路変換器200に比べて、反射係数S11が小さく、透過係数S21が大きく、帯域幅が広くなっている。
また、図9及び図13を比較すれば、変換効率及び帯域幅に僅かな特性の差が認められるが、概ね同等の特性が得られることがわかる。つまり、チョーク溝16を有する導波管・ストリップ線路変換器100は、スルーホール23を有する導波管・ストリップ線路変換器200と同様の特性を有することがわかる。
本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100は、誘電体基板2に対向する導波管ブロック1の接合面10にチョーク溝16が形成されている。このチョーク溝は1/4波長の深さを有するため、誘電体基板2内を伝搬する電磁波が、当該チョーク溝16を越えて伝搬されるのを抑制することができる。従って、スルーホール23が形成されていない誘電体基板2を用いて、良好な変換特性を有する導波管・ストリップ線路変換器を実現することができる。その結果、良好な特性を有し、ばらつきのない導波管・ストリップ線路変換器を容易に製造することができる。
また、本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100は、チョーク溝16及び短絡ブロック3の側面によって、開口部15が完全に取り囲まれている。このため、電磁波が、導波管ブロック1及び短絡ブロック3からなる平行平板導波路を介して漏出することによる電力損失を抑制し、導波管・ストリップ線路変換器の変換効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、チョーク溝16が導波管ブロック1の接合面10に形成されている場合の例について説明したが、本発明は、この様な場合には限定されない。例えば、短絡ブロック3の接合面30に形成されている場合であっても、同様の作用効果を得ることができる。チョーク溝16を短絡ブロック3に形成する場合には、誘電体基板2のチョーク溝16に対応する領域26の接地板22をエッチングにより除去する必要はない。
また、本実施の形態では、チョーク溝16が、中空部として形成される場合の例について説明したが、本発明はこの様な場合には限定されない。例えば、チョーク溝16の内部が誘電体で形成されていてもよい。この場合、チョーク溝16の深さは、変換される電磁波の当該誘電体中における波長の1/4に相当していればよい。
また、本実際の形態では、チョーク溝16が接合面10の周縁まで延び、連通口17が形成されている場合の例について説明したが、本発明はこの様な場合には限定されず、連通口17が形成されていなくてもよい。図10は、本発明の実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の他の例を示した平面図である。この導波管・ストリップ線路変換器100では、ストリップ線路21と平行に延びる直線溝が接合面10の周縁に達しておらず、連通口17を有していない。同様にして、ストリップ線路21と交差する方向に延びる直線溝も接合面10の周縁に達しないように形成することもできる。
本発明の実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の一構成例を示した展開斜視図である。 本発明の実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100を異なる方向から見た場合の展開斜視図である。 本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の外観図である。 本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100を図3とは異なる方向から見た場合の外観図である。 本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の平面図である。 本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100のA−A切断線による断面図である。 本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100のB−B切断線による断面図である。 本発明の原理を説明するための説明図である。 本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の特性を示した図である。 本実施の形態による導波管・ストリップ線路変換器100の他の例を示した平面図である。 従来の導波管・ストリップ線路変換器200の一構成例を示した展開斜視図である。 図11の導波管・ストリップ線路変換器200をC−C切断線により切断した場合の断面図である。 図11の導波管・ストリップ線路変換器200の特性を示した図である。 図11の導波管・ストリップ線路変換器200がスルーホール23を有しない場合の特性を示した図である。
符号の説明
1 導波管ブロック
10 接合面
13 ネジ穴
14 導波管
15 開口部
16 チョーク溝
17 連通口
2 誘電体基板
21 ストリップ線路
22 接地板
23 スルーホール
25,26 接地板の非形成領域
3 短絡ブロック
30 接合面
31 金属スペーサ
32 金属板
34 中空部
35 開口部
36 側面開口部
4 締結ネジ
100 導波管・ストリップ線路変換器

Claims (3)

  1. 導波管の開口部が形成された第1接合面を有する導波管ブロックと、
    第1接合面と対向する第2接合面を有し、上記導波管を短絡させる短絡ブロックと、
    第1接合面及び第2接合面の間に配置された誘電体基板と、
    上記誘電体基板上に形成され、その一端が上記開口部と対向するストリップ線路と、
    第1接合面又は第2接合面に形成され、導波管の伝搬波の1/4波長に相当する深さを有し、電磁波が上記誘電体基板内を伝搬して広がるのを抑制するチョーク溝とを備えたことを特徴とする導波管・ストリップ線路変換器。
  2. 上記チョーク溝は、第1接合面又は第2接合面の周縁に達するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導波管・ストリップ線路変換器。
  3. 上記開口部は矩形形状からなり、
    上記チョーク溝は、上記開口部の少なくとも3辺を囲むとともに一部を開放させた形状からなり、
    上記ストリップ線路は、上記チョーク溝が開放された領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導波管・ストリップ線路変換器。
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