JP6703442B2 - 電力変換器及びこれを備えたアンテナ装置 - Google Patents
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Description
この場合、第1パターンにおいては定在波が形成され、第1パターンのうち、整合素子に近い端面においては定在波の節が位置し、整合素子から遠い端面においては定在波の腹が位置する。定在波の節が位置する端面では、整合素子側から第1パターン側に向かうインピーダンスがゼロ、つまり電位がゼロとなりショートした状態となる。一方、定在波の腹が位置する端面では、整合素子側から第1パターンの外方に向かうインピーダンスが無限大となる。これにより、整合素子から漏出した第1方向の電磁波が第2基板内及び空気中等に広がるのを抑制し、電力損失を抑制できる。
上記の第2方向に延びる第2パターンは、第1パターンと同様に第2基板の実効誘電率の変化を生じさせる。この実効誘電率の変化によって整合素子から漏出して第2基板内を伝搬する電磁波が反射される。つまり、第2方向に延びる第2パターンは、主に、整合素子から放射され第2基板内を伝搬する第1方向の電磁波を反射する。これにより整合素子からの電磁波が第2基板内及び空気中等に広がるのを抑制し、電力損失を抑制できる。
ガラスフッ素樹脂は、高周波を低損失で送受信可能な材料である。よって、例えば、この電力変換器をアンテナ装置に用い、第2基板の第2伝送パターンの端部に高周波の電磁波を送受信するための平面アンテナパターンを接続する場合には、第2基板をガラスフッ素樹脂で形成するのが好ましい。
一方、ガラスエポキシ樹脂は、熱膨張係数が比較的小さいため、スルーホールを形成する過程においてもひび割れ等の破損が生じにくい。よって、第1基板の結合素子の周囲にスルーホールを形成する場合には、第1基板をガラスエポキシ樹脂で形成するのが好ましい。このスルーホールは、結合素子以外の第1基板内及び空気中等に電磁波が広がるのを抑制する。また、スルーホールは、第1基板に高周波回路を搭載するための結合穴としても利用できる。
(1)電力変換器の全体構成
図1は、本実施形態に係る電力変換器の斜視図である。図2は、図1の電力変換器を上側からみた分解斜視図である。図3は、図2とは逆に、電力変換器を下側からみた分解斜視図である。
次に、図4〜図10も参照しつつ、電力変換器100の各部の構成について説明する。図4は、電力変換器を上側から見た透視図である。図5は、図1のA−A’線断面図である。図6は、第1基板の第1下面の平面図である。図7は、第1基板の第1上面の平面図である。図8は、第2基板の第2下面の平面図である。図9は、第1離隔グラウンドの拡大平面図である。図10は、第2基板の第2上面の平面図である。
図2、図5及び図7等に示すように、第1基板ユニット101は、矩形状の第1基板10を備え、この第1基板10の第1上面(第1面)10aに、結合素子11と、第1伝送パターン12と、接地電位を有する第1上面グラウンド13とが配置されている。第1伝送パターン12は前後方向に延びており、後側の第1端部12aには、図視しない高周波回路が接続可能となっている。また、第1伝送パターン12は、前側の第2端部12bにおいて、結合素子11と接続されている。一方、図2、図5及び図6等に示すように、第1基板10の第1下面(第2面)10bには、概ね全体に亘って接地電位を有する第1下面グラウンド14が配置されている。また、第1基板10には、これを貫通する複数のスルーホール16が形成されている。
図6等に示すように、第1基板10は、長方形状に形成されている。また、第1基板10は、例えばガラスエポキシ樹脂から形成されている。ガラスエポキシ樹脂基板は、熱膨張係数が比較的小さいため、スルーホール16を形成する過程においてもひび割れ等の破損が生じにくい。また、この第1基板10の厚みは、例えば、0.5〜1.0mmとすることができる。
図7に示すように、第1伝送パターン12は、第1基板10の第1上面10aにおいて、前後方向に延びる長尺状に形成されている。上記のように、第1伝送パターン12の第1端部12aには、高周波回路が接続可能となっており、第2端部12bには、結合素子11が接続されている。結合素子11は、矩形状に形成されており、後述する第2基板20の整合素子21と電磁的に結合され、これにより電力変換が行われる。
第1上面グラウンド13は、結合素子11及び第1伝送パターン12が配置される開口を有し、それ以外の部分については、第1基板10の第1上面10aの全体に亘って形成されている。具体的には、第1上面グラウンド13の開口は、前側から後側へ向かって配置される、第1開口端13aと、第2開口端13bと、第3開口端13cとを有し、これらが一体的に形成されている。第1開口端13aは、結合素子11から離隔した位置で矩形状に形成され、結合素子11の周囲を取り囲んでいる。第2開口端13b及び第3開口端13cは、第1伝送パターン12から離隔して位置している。
図6に示すように、第1下面グラウンド14は、スルーホール16を除く、第1基板10の第1下面10bの概ね全体に亘って配置されている。これにより、第1基板10が第1下面グラウンド14により支持されるため、第1基板10の強度を高めることができる。ここで、第1下面グラウンド14のうち、第1上面10aの第1伝送パターン12に対応する部分が第1伝送グラウンド14aを構成し、第1上面10aの結合素子11に対応する部分が結合グラウンド14bを構成する。
図6及び図7に示すように、結合素子11及び第1伝送パターン12の周囲には、第1基板10を貫通する多数のスルーホール16が形成されている。図5に示すように、スルーホール16の内壁面に沿って接地電位を有する接続グラウンド15が形成されており、この接続グラウンド15は第1上面10aの第1上面グラウンド13と第1下面10bの第1下面グラウンド14とを接続している。
次に、第2基板ユニット102について説明する。図2、図5及び図10等に示すように、この第2基板ユニット102は、第2基板20を備え、この第2基板20の第2上面(第4面)20aに、シールド板27と、第2伝送パターン28とが配置されている。一方、図3、図5及び図8等に示すように、第2基板20の第2下面(第3面)20bには、整合素子21と、接地電位を有する複数の第2下面グラウンド25と、が配置されている。
第2基板20は、図1、図4等に示すように、前後方向に、第1基板10よりも短い長方形状に形成されている。そして、図4、図5に示すように、第1基板10と第2基板20とは、第1基板10の結合素子11と第2基板20の整合素子21とが対向するように配置される。第1基板10の後端部は、第2基板20の後端から突出するように配置される。また、第2基板20の左右方向の幅は、特に限定されないが、例えば図4に示すように第1基板10より小さくすることができる。
図8に示すように、整合素子21は、第2基板20の第2下面20bに配置されており、矩形状に形成されている。また、この整合素子21は、第1基板10の結合素子11と対向するように、第2基板20の後側に配置されている。そして、整合素子21は結合素子11と電磁的に結合され、これにより電力変換が行われる。
図3、図8等に示すように、第2基板20の第2下面20bには、接地電位を有する第2下面グラウンド25が配置されている。第2下面グラウンド25は、一体的に形成された、第1離隔グラウンド22、第2伝送グラウンド23、及び拡張グラウンド24により構成されている。以下にこれらについて説明する。
図8、図9に示すように、第1離隔グラウンド22は、整合素子21を取り囲む形状であり、一体的に形成された、第1グラウンド22a(第1パターン)、第2グラウンド22b(第2パターン)、第3グラウンド22c(第3パターン)、及び第4グラウンド22d(第4パターン)を有する。
図4及び図8に示すように、第2伝送グラウンド23は、第1離隔グラウンド22のうち第1グラウンド22aから前方に向かって延びるグラウンドである。第2伝送グラウンド23は、後述する、第2基板20の第2上面20aの第2伝送パターン28に対応して配置されている。また、第2伝送グラウンド23は、上面視において、整合素子21に対して、第1基板10の第1上面10aの第1伝送パターン12と対向する位置に配置されている。つまり、上面視において、整合素子21の後側に第1伝送パターン12が位置しており、整合素子21の前側に第2伝送グラウンド23が位置する。
拡張グラウンド24は、後側に凹部24abを有するように、全体としてU字状に形成されており、この凹部24ab内に、整合素子21、第1離隔グラウンド22、及び第2伝送グラウンド23が配置されている。そして、この凹部24abの前端縁に、第2伝送グラウンド23の先端部が接続されている。また、この凹部24abの前端縁は、第2伝送グラウンド23との連結部分よりも左右の部分24a,24bが、それぞれ前側に凸となる円弧状に形成されている。これにより、第2伝送グラウンド23と拡張グラウンド24との接続領域において、インピーダンスの変化を緩やかにできる。よって、電磁波の反射を抑制し、電力損失を抑制できる。
図4、図10に示すように、シールド板27は、整合素子21よりも上面視における面積が大きく、少なくとも整合素子21に対応して、第2基板20の第2上面20aに配置されている。より具体的には、シールド板27は、整合素子21及び第1離隔グラウンド22に対応するように配置されている。また、シールド板27の前側の端部には後側に凹む矩形状の凹部27aが形成されている。
図10に示すように、第2伝送パターン28は、第2基板20の第2上面20aにおいて、前後方向に延びる帯状に形成されており、前後方向の両端に、第1端部28a及び第2端部28bを有している。また、第2伝送パターン28は、第2下面20bの第2伝送グラウンド23に対応するように配置されており、これにより、第2伝送パターン28と第2伝送グラウンド23とが一体として、電磁波の反射壁となる。さらに、第2伝送パターン28の第1端部28aは、シールド板27の凹部27aに非接触状態で挿入されており、図4に示すようにこの第1端部28aが整合素子21の端部と重畳している。つまり、整合素子21の前後方向の中央部よりも前側において、第2伝送パターン28の第1端部28aと、整合素子21とが重畳している。
次に、接着部材103について説明する。接着部材103は第1基板10と第2基板20とを接着する部材であり、第2基板20よりも小さく形成されている。これにより、第1基板10に第2基板20を接着する場合に、接着部材103が第1基板10からはみ出るのを抑制できる。また、図4に示すように、接着部材103は、全体としては矩形状であるが、結合素子11及び整合素子21に対応した凹部103aを後側に有している。よって、図4、図5に示すように、結合素子11と整合素子21とが対向する部分には接着部材103は介在しておらず、結合素子11と整合素子21とは空気を介して対向している。接着部材103は、特には限定されないが、例えば両面テープで形成することができる。但し、接着部材103は、結合素子11及び整合素子21を除いた部分において第1及び第2基板10、20を接着できればよく、液状の接着剤であってもよい。また、接着部材103は非導電性であるのが好ましい。この場合、第1基板10と第2基板20とが電気的に接続されてショートするのを防止できる。なお、このような接着部材103により形成される結合素子11と整合素子21との間の距離は、例えば、30〜100μmとすることができる。
上述の電力変換器100を製造する工程では、グラウンド及び伝送パターン等のパターニング工程が、第1基板10及び第2基板20それぞれに対して行われ、第1及びと第2基板ユニット101,102が形成される。また、接着部材103を所定の大きさに加工するとともに、凹部103aを形成する。その後、第1基板ユニット101と第2基板ユニット102との間に接着部材103を介在させ、位置合わせを行った上で、両基板ユニット101、201を貼り合わせる。
次に、上記の電力変換器100の動作について説明する。まず、この電力変換器100において、第1基板ユニット101の第1伝送パターン12から、第2基板ユニット102の第2伝送パターン28に電磁波が伝送される場合について説明する。
次に、上記の電力変換器100を用いたアンテナ装置200について説明する。図11、図12は、電力変換器に平面アンテナパターン及び高周波回路が接続されたアンテナの平面図である。
<4−1>
上記の電力変換器100では、上述したように、第1基板10のマイクロストリップ線路と、第2基板20のマイクロストリップ線路及びコプレーナ線路との間で電力変換が行われる。伝送線路は、基板の両面のパターンにより形成できるため、電力変換器100の薄型化及び小型化を達成できる。パターンを薄層の金属等により形成する場合には、さらに電力変換器100の薄型化及び小型化を達成できる。このような電力変換器100は、例えば内部に中空部を形成する必要のある導波管に比べて薄型でかつ小型である。
結合素子11と整合素子21との間には空間が形成されているため、結合素子11及び整合素子21間の電磁波の放射が空気を介して行われる。空気の誘電率は約1.0であり、例えば樹脂などの誘電率に比べて小さい。よって、結合素子11及び整合素子21間で放射される電磁波の減衰を抑制できる。結果として電力損失を抑制でき、効率の良い電力変換器100を得ることができる。
第2基板20に形成されている第1離隔グラウンド22は、その端面を基準として第2基板20の実効誘電率に変化をもたらすため、整合素子21から漏出して第2基板20内を伝搬する電磁波を反射する。よって、整合素子21からの電磁波が第2基板20内及び空気等に拡がるのが抑制される。その結果、この第1離隔グラウンド22によっても電力損失をさらに抑制できる。
第1基板10をガラスエポキシ樹脂で形成することによって、第1基板10にひび割れを生じさせることなくスルーホール16を形成できる。また、第2基板20をガラスフッ素樹脂で形成することによって、第2基板20に平面アンテナパターン50を搭載しても高周波の電磁波を低損失で送受信可能とできる。
本実施形態の電力変換器100は、上記の通り、導波管を含んでおらず、板状の第1基板ユニット101と、板状の第2基板ユニット102と、これら基板ユニット101,102間の接着部材103とを含む。また、第1基板ユニット101の第1基板10と、第2基板ユニット102の第2基板20とは、熱膨張係数が異なる。この電力変換器100では、内部において熱が発生する場合、あるいは、電力変換器100の外部から熱が加わる場合などがある。この場合、両基板10、20の熱膨張係数の違いによって、両基板10、20に挟まれた接着部材103に歪が発生することがあるが、両基板10、20の電力変換構造に大きな影響を及ぼさず、電力変換器100での電力の変換効率に大きな影響はない。
一方、導波管を用いて、導波管により伝送される電力と、伝送線路を構成する複数の基板との間で電力変換を行う電力変換器では、複数の基板間の熱膨張係数の違いによって導波管の形状が歪む。これにより、電力の変換効率が低下する。
よって、導波管を用いない本実施形態の電力変換器100は、異なる熱膨張係数を有する基板10、20を含む場合であっても、電力の変換効率に優れている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
上記実施形態では、結合素子11と整合素子21とが空気を介して対向している構成(構成1)に加えて、さらに整合素子21の周囲に第1離隔グラウンド22が配置された構成(構成2)を採用している。しかし、例えば、上記構成1に代えて、結合素子11と整合素子21とが誘電体を介して対向している構成1aを採用してもよい。つまり、電力変換器100において、結合素子11と整合素子21とが誘電体を介して対向している構成(構成1a)に加えて、構成2を採用して電力変換器100を構成してもよい。結合素子11と整合素子21との間に誘電体が介在するため電磁波の減衰の抑制効果は、空気に比べて小さい。しかし、構成2の第1離隔グラウンド22によって、整合素子21からの電磁波が第2基板20内及び空気等に広がるのを抑制でき、電力損失を抑制できる。
上記実施形態では、第1離隔グラウンド22の第2グラウンド22bは、隙間22b1を有して分断されている。しかし、図13に示すように、第2グラウンド22bは隙間22b1がなく、一連の帯状に形成されていてもよい。図13は、第1離隔グラウンドの別の一例における拡大平面図である。図13によると、第1離隔グラウンド22は、第1〜第4グラウンド22a〜22dが連結されて構成されており、整合素子21の全周囲を取り囲むように連続した環状に形成されている。
上記実施形態では、第1離隔グラウンド22は、第1〜第4グラウンド22a〜22dにより構成されている。しかし、第1離隔グラウンド22は、図14〜図16に示すように構成されてもよい。図14〜図16は、第1離隔グラウンドの別の一例における拡大平面図である。図14に示すように、第1離隔グラウンド22は、第2伝送グラウンドに接続される第1グラウンド22aのみにより構成されてもよい。
上記実施形態では、第1離隔グラウンド22は、第2伝送グラウンド23に接続されている。しかし、第1離隔グラウンド22は、必ずしも第2伝送グラウンド23に接続されている必要はない。図17は、第1離隔グラウンドの別の一例における拡大平面図である。
上記実施形態では、第2基板20にガラスフッ素樹脂を用いたが、高周波の電磁波を低損失で送受信可能であればよく、ガラスフッ素樹脂に限定されない。例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンなどであってもよい。同様に、上記では、第1基板10にガラスエポキシ樹脂を用いたが、熱膨張係数が小さくスルーホールを形成可能であればく、ガラスエポキシ樹脂に限定されない。例えば、ガラスコンポジット、ビスマレイミドトリアジン樹脂などであってもよい。
また、例えば、第1基板10の材料と第2基板20との材料は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記実施形態では、第1基板10にスルーホール16を形成しているが、スルーホール16は必須ではない。また、スルーホール16の代わりに、結合素子11の周囲に環状の第2離隔グラウンド40を形成してもよい。図18は、第1基板の第1上面において、結合素子の周囲に第2離隔グラウンドを形成した構成を示す説明図である。本変形例に係る電力変換器100は、結合素子11を取り囲むように環状の第2離隔グラウンド40が第1基板10の第1上面10aに形成されている。第2離隔グラウンド40は、第5グラウンド40a、第6グラウンド40b、第7グラウンド40c及び第8グラウンド40dを有する。
上記実施形態では、スルーホール16の接続グラウンド15は、第1上面10aの第1上面グラウンド13と第1下面10bの第1下面グラウンド14とを接続している。しかし、第1上面10aの第1上面グラウンド13及び第1下面10bの第1下面グラウンド14が形成されていない第1基板10において、壁面に接続グラウンド15が形成されたスルーホール16が形成されていてもよい。また、第2スルーホール16bは省略し、結合素子11の周囲の第1スルーホール16aのみを形成してもよい。
上記実施形態では、拡張グラウンド24と第2伝送グラウンド23との接続部分の平面形状は緩やかに変化している。しかし、接続部分の形状はこれに限定されない。図19及び図20は、拡張グラウンドと第2伝送グラウンドとの接続部分の平面形状を示す平面図である。図19に示すように、第2伝送グラウンド23は前後方向に延びており、拡張グラウンド24は第2伝送グラウンド23に対して左右方向に延びており、拡張グラウンド24と第2伝送グラウンド23とが直交するように接続されていてもよい。
上記実施形態では、結合素子11及び整合素子21は矩形状である。しかし、結合素子11及び整合素子21の形状はこれに限定されず、例えば円形状及び楕円形状等その他の形状であってもよい。
上記実施形態では、第1基板10の第1下面10bにおいて、第1下面グラウンド14が概ね全体に亘って配置されているが、これに限定されない。例えば、第1下面グラウンド14は、少なくとも第1伝送パターン12に対応する第1伝送グラウンド14aと、結合素子11に対応する結合グラウンド14bとを含んで構成されればよい。
上記実施形態では、第1伝送パターン12と第2伝送パターン28とは、上面視において、整合素子21を挟んで同一直線状において対向するように配置されている。しかし、第1伝送パターン12及び第2伝送パターン28の配置はこれに限定されず、例えば第2伝送パターン28は、上面視において、整合素子21を基準として第1伝送パターン12と同じ側に配置されていてもよい。
また、第2伝送パターン28は、上面視において、整合素子21を挟んで第1伝送パターン12と同一直線状とは異なる位置に配置されていてもよい。例えば、第1伝送パターン12の延びる方向と、第2伝送パターン28が延びる方向とが角度を有して交差してもよい。
また、第1伝送パターン12及び第2伝送パターン28の少なくとも1つは、直線状でなくてもよく、例えば曲線状であってもよいし、屈曲していてもよい。
上記実施形態では、第1及び第2基板ユニット101、102は左右方向に長い長方形状であるが、前後方向に長い長方形状であってもよい。また、各基板ユニット101,102の形状は長方形状に限定されず、例えば正方形状、円形状、楕円形状及び多角形状であってもよい。
上記実施形態では、第1基板10及び第2基板20に1つ電力変換器100が形成されている。しかし、第1基板10及び第2基板20に複数の電力変換器100が形成されていてもよい。
上記実施形態では、アンテナとして平面アンテナを例に挙げているが、アンテナはこれに限定されない。例えば、上記電力変換器100に接続可能な、例えばスロット型アンテナ等の各種のアンテナを適用可能である。
上記実施形態では、電力変換器100はアンテナ装置200に使用される例を示した。しかし、電力変換器100の用途はこれに限定されず、例えば高速映像有線伝送、高速無線LAN等に使用することができる。
上記実施形態では、電力変換器100の下部の第1基板10の熱膨張係数が、上部の第2基板20の熱膨張係数よりも小さい。しかし、例えば、第1基板10と第2基板20とを入れ替えてもよい。例えば、第1基板10の結合素子11と第2基板20の整合素子21とが対向するように、電力変換器100の上部に第1基板10を配置し、下部に第2基板20を配置してもよい。つまり、基板の熱膨張係数の大きさによって、基板に設ける構成を適切に選択すればよい。さらに言い換えれば、基板の上下に関係なく、熱膨張係数の小さい基板には熱膨張の影響を受けやすい構成を設け、代わりに熱膨張係数の大きい基板に熱膨張の影響を受けにくいスルーホール等を形成するようにすればよい。
上記実施形態では、第1基板ユニット101と第2基板ユニット102とは、本発明の固定部材である接着部材103によって接着されている。しかしながら、本発明の固定部材は、これに限定されず、第1基板ユニット101と第2基板ユニット102とを固定するものであれば、特には限定されない。したがって、接着剤のように取り外し不能に固定してもよいし、着脱自在に固定してもよい。以下では、本発明に係る固定部材の他の例について、図21を参照しつつ説明する。図21は、固定部材を備えた電力変換器の図1のA−A’線断面図である。
11 結合素子
12 第1伝送パターン
20 第2基板
21 整合素子
22 第1離隔グラウンド
23 第2伝送グラウンド
24 拡張グラウンド
27 シールド板
28 第2伝送パターン
50 平面アンテナパターン
60 高周波回路
100 電力変換器
101 第1基板ユニット
102 第2基板ユニット
103 接着部材(固定部材)
200 アンテナ装置
Claims (5)
- 第1面、及び当該第1面とは反対側に配置される第2面を有する、第1基板と、
前記第1面に配置される第1伝送パターンと、
前記第1面に配置され、前記第1伝送パターンの端部に接続される結合素子と、
前記第2面において、少なくとも一部が前記第1伝送パターン及び前記結合素子と対応する位置に配置され、前記第1伝送パターン及び前記結合素子とともに電磁波の反射壁を構成する、第1伝送グラウンドと、
前記第1基板の第1面と対向する第3面、及び当該第3面とは反対側に配置される第4面を有する、第2基板と、
前記第3面において、前記結合素子と対向する位置に配置され、当該結合素子と電磁的に結合する、整合素子と、
前記第3面に配置され、前記整合素子から離隔し、当該整合素子の周囲の少なくとも一部に配置され、前記整合素子からの電磁波の漏出を抑制する離隔パターンと、
前記第3面に配置される第2伝送グラウンドと、
前記第4面において、前記整合素子及び前記第2伝送グラウンドと対応する位置に配置され、前記整合素子及び前記第2伝送グラウンドとともに電磁波の反射壁を構成する、第2伝送パターンと、
前記第1基板と前記第2基板とを固定している固定部材と、
を備え、
前記結合素子と前記整合素子との間には、空間が形成されており他部材が配置されていない、電力変換器。 - 前記第1及び第2伝送パターンは、少なくとも一部が、前記第1及び第2基板の面方向に沿う第1方向に延びるように形成され、
前記離隔パターンは、
前記第1及び第2基板の面方向において、前記整合素子に対して、前記第1伝送パターンとは反対側に離隔して、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1パターンを含
む、請求項1に記載の電力変換器。 - 第1面、及び当該第1面とは反対側に配置される第2面を有する、第1基板と、
前記第1面に配置される第1伝送パターンと、
前記第1面に配置され、前記第1伝送パターンの端部に接続される結合素子と、
前記第2面において、少なくとも一部が前記第1伝送パターン及び前記結合素子と対応する位置に配置され、前記第1伝送パターン及び前記結合素子とともに電磁波の反射壁を構成する、第1伝送グラウンドと、
前記第1基板の第1面と対向する第3面、及び当該第3面とは反対側に配置される第4面を有する、第2基板と、
前記第3面において、前記結合素子と対向する位置に配置され、当該結合素子と電磁的に結合する、整合素子と、
前記第3面に配置される第2伝送グラウンドと、
前記第4面において、前記整合素子及び前記第2伝送グラウンドと対応する位置に配置され、前記整合素子及び前記第2伝送グラウンドとともに電磁波の反射壁を構成する、第2伝送パターンと、
前記結合素子と前記整合素子との間に空間が形成されるように、前記第1基板と前記第2基板とを固定している固定部材と、
を備え、
前記結合素子と前記整合素子との間には他部材が配置されていない、電力変換器。 - 前記第1基板及び前記第2基板は熱膨張係数の異なる材料で形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電力変換器。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電力変換器と、
前記第2基板の第4面に配置され、前記第2伝送パターンの端部と接続されるアンテナパターンと、
を備えている、アンテナ装置。
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