JP2014169113A - パレット形成部材、合成樹脂製パレット、および、合成樹脂製パレットの製造方法 - Google Patents

パレット形成部材、合成樹脂製パレット、および、合成樹脂製パレットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】合成樹脂製パレットにおける中央部の機械的な強度が高められるパレット形成部材、合成樹脂製パレット、および、合成樹脂製パレットの製造方法を提供する。
【解決手段】デッキボードでは、中央桁と対向する部位であるデッキ中央部11Cと、端桁と対向する部位であるデッキ端部11Eとの間の部分が、デッキ中間部11Mとして設定され、デッキボードの厚さに対するコア層10Cの厚さの比が層厚比として設定され、デッキ中間部11Mおよびデッキ端部11Eの少なくとも1つには、デッキボードの中心に対して点対称となる位置に複数の樹脂射出部が形成され、デッキ中央部11Cの層厚比が、デッキ中間部11Mの層厚比よりも小さい。
【選択図】図4

Description

本開示の技術は、コア層がスキン層で覆われるパレット形成部材、合成樹脂製パレット、および、合成樹脂製パレットの製造方法に関する。
物品の搬送や保管に用いられる合成樹脂製パレットには、表層であるスキン層と内層であるコア層とからなる2層構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。2層構造からなる合成樹脂製パレットの製造方法では、環境保全や軽量化を目的として、例えば、スキン層にのみバージン樹脂が用いられ、コア層として再生樹脂が用いられている。そして、デッキボードの中央部に設けられた1つの樹脂射出部からバージン樹脂が金型内に射出され、次いで、同じ樹脂射出部から再生樹脂が金型内に射出される。
特開2010−047266号公報
ところで、デッキボードの中央部に設けられた樹脂射出部からバージン樹脂と再生樹脂とが射出される方法では、デッキボードの周縁部からデッキボードの中央部に向けてコア層の肉厚が徐々に厚くなる。この際に、コア層に用いられる樹脂では、環境保全や軽量化の要請が満たされるべく、スキン層に用いられる樹脂と比べて機械的な強度が低い樹脂が用いられるため、コア層の肉厚が厚くなるデッキボードの中央部では、機械的な強度が低くなる。
一方で、二方差しの合成樹脂製パレットであれ、四方差しの合成樹脂製パレットであれ、フォークの差し込み孔にフォークが差し込まれた状態では、コア層の肉厚が厚い部分であるデッキボードの中央部に、合成樹脂製パレットを反らせる応力が集中しやすい。結果として、フォークの差し込み孔にフォークが差し込まれた状態では、合成樹脂製パレットを反らせる応力が集中しやすい部位で、機械的な強度が得られがたくなっている。
本開示の技術は、合成樹脂製パレットにおける中央部の機械的な強度が高められるパレット形成部材、合成樹脂製パレット、および、合成樹脂製パレットの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の技術におけるパレット形成部材の一態様は、コア層がスキン層で覆われたデッキボードと、前記デッキボードに一体に成形された中央桁と、前記デッキボードに一体に成形された複数の端桁と、を備える。前記デッキボードでは、前記中央桁と対向する部位であるデッキ中央部と、前記端桁と対向する部位であるデッキ端部との間の部分が、デッキ中間部として設定され、前記デッキボードの厚さに対する前記コア層の厚さの比が層厚比として設定され、前記デッキ中間部および前記デッキ端部の少なくとも1つには、前記デッキボードの中心に対して複数の樹脂射出部が等配されている。そして、前記デッキ中央部の層厚比が、前記デッキ中間部の層厚比よりも小さい。
本開示の技術における合成樹脂製パレットの一態様は、2つのパレット形成部材が貼り合わされた合成樹脂製パレットにおいて、前記2つのパレット形成部材の各々が上記一態様のパレット形成部材である。
本開示の技術における合成樹脂製パレットの一態様は、コア層がスキン層で覆われたデッキボードと、前記デッキボードに一体に成形された中央桁と、前記デッキボードに一体に成形された複数の端桁と、を備える。前記デッキボードでは、前記中央桁と対向する部位であるデッキ中央部と、前記端桁と対向する部位であるデッキ端部との間の部分が、デッキ中間部として設定され、前記デッキボードの厚さに対する前記コア層の厚さの比が層厚比として設定される。前記デッキ中間部および前記デッキ端部の少なくとも1つには、前記デッキボードの中心に対して複数の樹脂射出部が等配される。そして、前記デッキ中央部の層厚比が、前記デッキ中間部の層厚比よりも小さい。
本開示の技術における合成樹脂製パレットの製造方法の一態様は、中央桁と複数の端桁とがデッキボードに一体に成形される合成樹脂製パレットの製造方法である。前記デッキボードでは、前記中央桁と対向するデッキ中央部と、前記端桁と対向するデッキ端部との間の部分がデッキ中間部として設定され、前記デッキボードの厚さに対するコア層の厚さの比が層厚比として設定され、前記デッキ中間部および前記デッキ端部の少なくとも1つには、前記デッキボードの中心に対して複数の樹脂射出部が等配される。そして、前記複数の樹脂射出部の各々からスキン層樹脂を金型内に射出する工程と、前記スキン層樹脂が射出された後に前記複数の樹脂射出部の各々からコア層樹脂を前記金型内に射出する工程と、を含み、前記デッキ中央部の層厚比を前記デッキ中間部の層厚比よりも小さくする。
本開示の技術における一態様によれば、デッキ中間部およびデッキ端部の少なくとも1つに、デッキボードの中心に対して樹脂射出部が等配されている。それゆえに、コア層になる樹脂が樹脂射出部から射出される際に、先に射出されたスキン層となる樹脂は、デッキ中間部に滞在するよりも優先的にデッキ中央部に向けて流動して表面硬化層を形成する。そして、デッキ中央部の層厚比がデッキ中間部の層厚比よりも小さく形成されるため、パレット形成部材における中央部の機械的な強度、ひいては、合成樹脂製パレットにおける中央部の機械的な強度が高められる。
本開示の技術におけるパレット形成部材の他の態様では、前記樹脂射出部の数は、2つであり、前記2つの樹脂射出部の各々は、前記デッキ中間部に形成されている。
本開示に記載されるパレット形成部材の他の態様によれば、樹脂射出部の数が3つ以上である構成に比べて、パレット形成部材の製造に必要とされるホットランナーなどの樹脂の通路の構成が簡素である。
本開示の技術におけるパレット形成部材の一態様では、前記中央桁は、前記デッキボードの1つの辺に沿って延び、前記端桁は、前記中央桁を挟んで前記中央桁に沿って延びる2つの桁であり、前記2つの桁の各々と前記中央桁との間には、フォークが入る通路が形成されている。
デッキボードの1つの辺に沿って延びる中央桁には、デッキボードの外部に露出される壁が含まれ、外部に露出する壁によって、フォークの入る通路の入口が区画される。一方で、通路に向けてフォークが入れられる際に、通路とフォークとの相対的な位置がずれると、通路の入口を区画する壁に対して、フォークの先端が衝突する。それゆえに、フォークの通路を区画する中央桁、特に通路の入口を区画する中央桁の壁には、フォークの衝突に対する機械的な強度が求められる。
この点で、本開示の技術におけるパレット形成部材の他の態様によれば、2つの樹脂射出部が中央桁を挟む位置に配置されている。そのため、2つの樹脂射出部の各々からスキン層になる樹脂が射出されるとき、2つの樹脂射出部の各々からデッキ中央部へ流動した樹脂は、相互に衝突して中央桁の壁に向けて流れやすくなる。結果として、中央桁において外部に露出した壁の機械的な強度が高められる。
本開示の技術におけるパレット形成部材の一態様では、前記複数の樹脂射出部の各々は、前記デッキ中間部に形成され、前記デッキ端部の層厚比が、前記デッキ中間部の層厚比よりも小さい。
デッキボードにおけるデッキ端部には、合成樹脂製パレットの落下に対する機械的な強度や、フォークとの衝突に対する機械的な強度が求められる。本開示に記載されるパレット形成部材の他の態様によれば、複数の樹脂射出部の各々がデッキ中間部に形成されているため、コア層としての樹脂が樹脂射出部から射出される際に、デッキ端部よりも優先的にデッキ中間部へ樹脂が流動しやすくなる。そして、デッキ端部の層厚比がデッキ中間部の層厚比よりも小さく形成されるため、パレット形成部材における端部の機械的な強度、ひいては、合成樹脂製パレットにおける端部の機械的な強度が高められる。
本開示の技術の一実施形態における合成樹脂製パレットの平面構造を示す平面図である。 一実施形態における合成樹脂製パレットの正断面構造を示す正断面図であって、図1における2−2線断面図である。 一実施形態における合成樹脂製パレットの側断面構造を示す側断面図であって、図1における3−3線断面図である。 一実施形態における合成樹脂製パレットの正断面構造を示す正断面図であって、図1における2−2線断面図の一部を拡大して示す部分断面図である。 一実施形態における合成樹脂製パレットの側断面構造を示す側断面図であって、図1における3−3線断面図の一部を拡大して示す部分断面図である。 一実施形態における合成樹脂製パレットでのコア層の厚さの分布を示す図である。 一実施形態における合成樹脂製パレットの製造方法に用いられる樹脂ゲートの配置を示す図である。 一実施形態における合成樹脂製パレットの製造方法で射出される樹脂の射出量の推移を示すタイミングチャートである。 (a)〜(c)は、一実施形態における合成樹脂製パレットの製造方法による樹脂の流動末端の位置に関する数値計算の結果を示す図である。
本開示の技術におけるパレット形成部材、合成樹脂製パレット、および、合成樹脂製パレットの製造方法の一実施形態を以下に説明する。なお、本実施形態における合成樹脂製パレットは、上下一対の2つのパレット形成部材が相互に貼り合わされた貼り合せパレットである。また、合成樹脂製パレットを構成する2つのパレット形成部材である上側パレット形成部材と下側パレット形成部材とは、上側パレット形成部材と下側パレット形成部材との境界が含まれる平面に対して面対称である。そのため、以下では、上側パレット形成部材の構成について主に説明し、下側パレット形成部材の構成にて上側パレット形成部材と重複する説明を省略する。
[合成樹脂製パレットの構成]
図1に示されるように、上側パレット形成部材10Tにおけるデッキボード11は、コア層をスキン層で覆った2層構造からなる矩形板状に形成されている。デッキボード11は、図1の破線で示されるように、紙面の手前側から紙面の奥側に向けて突き出た3つの桁と一体に成形されている。3つの桁は、1つの中央桁12、中央桁12を挟む2つの端桁13とから構成されている。1つの中央桁12は、デッキボード11における1つの辺に沿った方向である差し込み方向Diに沿って延び、2つの端桁13の各々は、同じく差し込み方向Diに沿って延び、1つの中央桁12を挟んでいる。
デッキボード11にて、差し込み方向Diと直交する方向は、交差方向Dcとして設定されている。また、デッキボード11の中心であるデッキ中心Cを通って差し込み方向Diと直交する平面は、第1対称面M1として設定され、デッキボード11の中心であるデッキ中心Cを通って交差方向Dcと直交する平面は、第2対称面M2として設定されている。また、デッキボード11を囲う4つの端辺のうち、第1対称面M1に沿って延びる2つの端辺の各々は、第1端辺L1として設定され、第2対称面M2に沿って延びる2つの端辺の各々は、第2端辺L2として設定されている。
中央桁12において楕円筒状に形成された周壁は、相互に対向する2つの中央桁側壁12aと、相互に対向する2つの中央桁端壁12bとから構成されている。2つの中央桁側壁12aは、第2対称面M2に対して面対称であり、差し込み方向Diに沿って延び、かつ、交差方向Dcにおける両端部にて緩やかに曲がっている。2つの中央桁端壁12bは、第1対称面M1に対して面対称であり、交差方向Dcに沿って延び、2つの中央桁側壁12aの各々の両端部を連結している。なお、中央桁12は、第1対称面M1に対して非対称であってもよいし、第2対称面M2に対して非対称であってもよい。
端桁13において楕円筒状に形成された周壁は、相互に対向する2つの端桁側壁13aと、相互に対向する2つの端桁端壁13bとから構成されている。2つの端桁13は、第2対称面M2に対して面対称であり、2つの端桁13の各々は、第1対称面M1に対して面対称である。2つの端桁側壁13aの各々は、差し込み方向Diに沿って延び、交差方向Dcにおける両端部にて緩やかに曲がっている。2つの端桁端壁13bの各々は、交差方向Dcに沿って延び、2つの端桁側壁13aの各々の両端部に連結している。なお、2つの端桁13は、第2対称面M2に対して非対称であってもよいし、2つの端桁13の各々は、第1対称面M1に対して非対称であってもよい。
上側パレット形成部材10Tには、デッキボード11、端桁13、および、中央桁12によって囲まれ、差し込み方向Diに沿って延びる2つの通路14が区画されている。2つの通路14の各々は、上側パレット形成部材10Tの外部からフォークの差し込まれる部位である。そして、2つの通路14の各々にフォークが差し込まれる状態で、上側パレット形成部材10T、ひいては、合成樹脂製パレットは搬送される。
デッキボード11では、平面視にて2つの中央桁側壁12aと重なる部位と、2つの中央桁端壁12bと重なる部位とによって囲まれる領域、すなわち、中央桁12の周壁と重なる部位で囲まれる領域が、デッキ中央部11Cとして区画されている。また、デッキボード11では、平面視にて2つの端桁側壁13aと重なる部位と、2つの端桁端壁13bと重なる部位とによって囲まれる領域、すなわち、端桁13の周壁と重なる部位で囲まれる領域が、デッキ端部11Eとして区画されている。そして、デッキボード11では、2つのデッキ端部11Eの各々とデッキ中央部11Cとによって挟まれる2つの領域が、デッキ中間部11Mとして区画されている。
デッキ中間部11Mには、差し込み方向Diに沿って並べられた複数の貫通孔である水抜き孔15が形成されている。複数の水抜き孔15の各々は、2つのデッキ中間部11Mの各々において、交差方向Dcに沿って3列に並べられている。なお、水抜き孔15の数量は、合成樹脂製パレットの用途に応じて適宜変更されるものであって、水抜き孔15は割愛されてもよい。
2つのデッキ中間部11Mの各々には、デッキ中心Cに対して点対称となる部位に1つの樹脂射出部16が形成されている。パレット形成部材が形成されるとき、コア層になる樹脂、および、スキン層になる樹脂は、2つの樹脂射出部16の各々から射出される。
交差方向Dcにて、2つの樹脂射出部16の各々と第2対称面M2との距離WSは、2つの樹脂射出部16の各々と第2端辺L2との距離W2と等しい。また、差し込み方向Diにて、2つの樹脂射出部16の各々は、第1対称面M1よりもデッキボード11の第1端辺L1側に、距離W1だけ偏って配置されている。なお、2つの樹脂射出部16は、デッキ中心Cに対して点対称となる部位であって、デッキ中間部11Mとデッキ端部11Eのいずれか一方に形成されていればよく、距離WSと距離W2とが相互に異なっていてもよいし、距離W1がゼロであってもよい。
図2に示されるように、合成樹脂製パレットでは、上側パレット形成部材10Tと下側パレット形成部材10Bとが貼り合わされ、上側パレット形成部材10Tと下側パレット形成部材10Bとは、これらの境界を含む平面に対して面対称である。
上側パレット形成部材10Tにおける中央桁12の下側端面は、下側パレット形成部材10Bにおける中央桁12の上側端面に融着されている。合成樹脂製パレットでは、上側パレット形成部材10Tの中央桁12と、下側パレット形成部材10Bの中央桁12とによって合成樹脂製パレットでの中央桁が構成されている。
上側パレット形成部材10Tにおける2つの端桁13の各々の下側端面は、下側パレット形成部材10Bにおける2つの端桁13の各々の上側端面に融着されている。合成樹脂製パレットでは、上側パレット形成部材10Tの端桁13と、下側パレット形成部材10Bの端桁13とによって合成樹脂製パレットでの端桁が構成されている。
合成樹脂製パレットでは、上下一対の通路14が、上下一対のデッキ中間部11M、中央桁、および、端桁によって囲まれて、フォークの差し込まれる2つの差し込み孔Hが区画されている。上下一対のデッキ中間部11Mの各々には、他のデッキ中間部11Mに向けて突き出た2つの第1補強リブ17が、差し込み方向Diに沿って延びている。
図3に示されるように、上側パレット形成部材10Tにおける中央桁12の下側端面は、下側パレット形成部材10Bにおける中央桁12の上側端面に対し、差し込み方向Diの全体にわたり融着されている。
上下一対のデッキ中間部11Mの各々には、他のデッキ中間部11Mに向けて突き出た複数の第2補強リブ18が、交差方向Dcに沿って水抜き孔15ごとに延びている。すなわち、上下一対のデッキ中間部11Mの各々には、他のデッキ中間部11Mに向けて突き出た補強リブ17,18が格子状に形成されている。なお、合成樹脂製パレットの内側に格子状に形成される補強リブは、デッキ中央部11Cやデッキ端部11Eに形成されてもよい。
図4に示されるように、上側パレット形成部材10Tは、コア層10Cをスキン層10Sで覆った2層構造体である。コア層10Cに用いられる樹脂は、スキン層10Sに用いられる樹脂とは性状が異なる樹脂であり、スキン層10Sに用いられる樹脂よりも機械的な強度の低い樹脂である。なお、図4では、2層構造の構成を詳細に説明する便宜上、コア層10Cにのみハッチングが付されている。
スキン層10Sには、新品の樹脂であるバージン樹脂と、帯電を抑止する機能を有する樹脂とが用いられ、コア層10Cには、使用済の樹脂が再生された樹脂である再生樹脂が用いられることが好ましい。上側パレット形成部材10Tの表層がバージン樹脂からなるスキン層10Sで形成され、上側パレット形成部材10Tの内層が再生樹脂からなるコア層10Cで形成される構成であれば、合成樹脂製パレットにおける表面の美観は保たれ、かつ、合成樹脂製パレットの原材料に必要とされる費用が抑えられる。そして、使用済の樹脂がコア層10Cとしてリサイクルされるため、環境の保護が促進される。
また、スキン層10Sとなる樹脂の流動性の指標であるMI(メルトフローインデックス)は、コア層10Cとなる樹脂のMIよりも大きく設定されることが好ましい。スキン層10Sとなる樹脂のMIがコア層10Cとなる樹脂のMIよりも大きい構成であれば、上側パレット形成部材10Tを形成するための金型内へ樹脂が射出される際に、内層であるコア層10Cがスキン層10Sを突き破ること、すなわち、ブレークすることが抑えやすくなる。
第1対称面M1と平行な断面にて、デッキ中央部11Cにおけるコア層10Cの厚さの平均値は、中央部コア厚さTCCとして設定される。また、デッキ中間部11Mにおけるコア層10Cの厚さの平均値は、中間部コア厚さTMCとして設定され、デッキ端部11Eにおけるコア層10Cの厚さの平均値は、端部コア厚さTECとして設定されている。
デッキ中央部11C、デッキ中間部11M、および、デッキ端部11Eの各々では、コア層10Cの厚さが相互に異なる一方で、コア層10Cの厚さとスキン層10Sの厚さとの合計は、共通するデッキ厚さTDAとして設定されている。そして、デッキボード11の厚さであるデッキ厚さTDAに対するコア層10Cの厚さの比が層厚比として設定されている。
中央部コア厚さTCCは、端部コア厚さTECよりも小さく、かつ、中間部コア厚さTMCよりも小さく、デッキ中央部11Cにおける層厚比は、デッキ端部11Eにおける層厚比よりも小さく、かつ、デッキ中間部11Mにおける層厚比よりも小さい。また、端部コア厚さTECは、中間部コア厚さTMCよりも小さく、デッキ端部11Eにおける層厚比は、デッキ中間部11Mにおける層厚比よりも小さい。すなわち、中央部コア厚さTCC、中間部コア厚さTMC、および、端部コア厚さTECは、下記式1を満たしている。
TCC<TEC<TMC … 式1
ここで、フォークの差し込み孔Hにフォークが差し込まれた状態にて、合成樹脂製パレットを反らせる応力は、デッキ中央部11Cに集中しやすくなる。スキン層10Sに用いられる樹脂よりも機械的な強度の低いコア層10Cでは、スキン層10Sよりも機械的な強度が得られがたく、コア層10Cの厚さがデッキ中央部11Cで大きくなる構成では、合成樹脂製パレットを反らせる応力に対し、十分な耐性が得られがたくなる。
この点で、デッキ中央部11Cの層厚比が、デッキ中間部11Mの層厚比よりも小さく、かつ、デッキ端部11Eの層厚比よりも小さい構成であれば、デッキ中央部11Cの機械的な強度がデッキ中間部11Mやデッキ端部11Eよりも高められる。ひいては、フォークが差し込まれた状態での合成樹脂製パレットにおける中央部の機械的な強度が高められる。それゆえに、フォークの差し込み孔Hにフォークが差し込まれた状態にて、合成樹脂製パレットが反ることが抑えられる。
また、合成樹脂製パレットが、他の合成樹脂製パレットと衝突したり落下したりする際に、合成樹脂製パレットに加わる衝撃は、デッキ端部11Eに集中しやすくなる。コア層10Cに用いられる樹脂では、スキン層10Sに用いられる樹脂よりも機械的な強度が得られがたいため、コア層10Cの厚さがデッキ中間部11Mよりもデッキ端部11Eで大きくなる構成では、合成樹脂製パレットに加わる衝撃に対し、十分な耐性が得られがたくなる。
この点で、デッキ端部11Eの層厚比が、デッキ中間部11Mの層厚比よりも小さい構成であれば、デッキ端部11Eの層厚比が、デッキ中間部11Mの層厚比よりも大きい構成に比べて、デッキ端部11Eの機械的な強度、ひいては、合成樹脂製パレットにおける端部の機械的な強度が高められる。それゆえに、合成樹脂製パレットが、他の合成樹脂製パレットと衝突したり落下したりする際に、合成樹脂製パレットの形状を保つことが可能となる。
図5に示されるように、デッキ中央部11Cは、差し込み方向Diに沿って三等分され、デッキ中心Cに近い側から順に、第1中央部11C1、第2中央部11C2、第3中央部11C3として設定されている。なお、図5においても、2層構造の構成を詳細に説明する便宜上、コア層10Cにのみハッチングが付されている。
第2対称面M2と平行な断面にて、第1中央部11C1におけるコア層10Cの厚さの平均値は、第1中央コア厚さTC1として設定される。また、第2中央部11C2におけるコア層10Cの厚さの平均値は、第2中央コア厚さTC2として設定され、第3中央部11C3におけるコア層10Cの厚さの平均値は、第3中央コア厚さTC3として設定されている。
第1中央コア厚さTC1、第2中央コア厚さTC2、第3中央コア厚さTC3の各々は、相互に略等しい大きさであって、いずれも先に説明された端部コア厚さTECよりも小さく、かつ、中間部コア厚さTMCよりも小さい。そして、第1中央部11C1、第2中央部11C2、および、第3中央部11C3の各々における層厚比は、デッキ端部11Eにおける層厚比よりも小さく、かつ、デッキ中間部11Mにおける層厚比よりも小さい。すなわち、第1中央コア厚さTC1、第2中央コア厚さTC2、第3中央コア厚さTC3の各々は、下記式2を満たしている。
TC1(≒TC2≒TC3)<TEC<TMC … 式2
図6に示されるように、デッキボード11では、コア層10Cの厚さが薄い部分ほど、濃いドットが付されている。デッキ中央部11Cでは、第1中央部11C1と第2中央部11C2と第3中央部11C3とにおいて、コア層10Cの厚さが略等しく、デッキボード11のうちでコア層10Cの厚さが最も薄い。
これに対し、樹脂射出部16が含まれるデッキ中間部11Mでは、デッキ中央部11Cに隣り合う部位であるものの、デッキ中間部11Mの略全体にわたり、コア層10Cの厚さがデッキボード11のうちで最も厚い。また、デッキ端部11Eでは、第1対称面M1に近い部分において、コア層10Cの厚さがデッキ中間部11Mと近く、第1対称面M1から遠い部分ほど、コア層10Cの厚さがデッキ中間部11Mよりも厚い。
上記距離WS、距離W1、距離W2、デッキボード11における各構成部位の高さ、幅、肉厚の大きさについて一例を以下に示す。
・距離WS :270mm
・距離W2 :270mm
・距離W1 : 20mm
・補強リブ17、18の高さ : 30mm
・デッキボード11の肉厚 : 3mm
・中央桁12、端桁13の高さ: 72mm
・デッキ端部11Eにおける交差方向Dcの幅 :125mm
・デッキ中間部11Mにおける交差方向Dcの幅:275mm
・デッキ中央部11Cにおける交差方向Dcの幅:300mm
次に、上記構成からなる合成樹脂製パレットを製造する方法について説明する。なお、図7および図9では、樹脂射出部16から射出された樹脂の流動末端の位置を説明する便宜上、上側パレット形成部材の形成に用いられる金型のキャビティー形状を上側パレット形成部材の形状を用いて示す。
上側パレット形成部材10Tの形成に用いられる金型のキャビティー11CVには、中央桁12を成形するための中央桁部分12CVや端桁13を成形するための端桁部分13CVが区画され、樹脂射出部16と対応する部位に2つの樹脂ゲート21が接続されている。2つの樹脂ゲート21の各々は、樹脂射出部16と対応する部位に接続される筒状に形成された樹脂バルブ22と、樹脂バルブ22の開口を開閉するバルブピン23などから構成されている。2つの樹脂ゲート21の各々は、溶融された樹脂が通るホットランナー24に接続され、2つの樹脂ゲート21の各々には、スキン層10Sを形成するためのスキン層樹脂と、コア層10Cを形成するためのコア層樹脂とが各別に供給される。
射出量制御部25は、2つの樹脂ゲート21の各々に接続されて、2つの樹脂ゲート21における樹脂ゲート21の駆動を制御する。そして、パレット形成部材が成形される際に、2つの樹脂ゲート21の各々は、樹脂ゲート21に対応する樹脂射出部16から、まずスキン層樹脂を金型内に射出し、その後にコア層樹脂を射出する。ここで、コア層樹脂が射出される際に、樹脂バルブ22の開口では、コア層樹脂の周囲にスキン層樹脂が射出され続けることが好ましい。コア層樹脂の周囲にスキン層樹脂が射出される方法であれば、溶融された樹脂の流動末端でコア層がスキン層を突き破ること、すなわち、ブレークすることが抑えやすくなる。
図8に示されるように、パレット形成部材が形成されるとき、射出量制御部25は、まず、金型内へスキン層樹脂の射出を開始し、スキン層樹脂の単位時間あたりの射出量をタイミングt1にて第1射出量Q1に到達させる。例えば、射出量制御部25は、スキン層樹脂の射出量を1秒間で120ccに到達させる。
次いで、射出量制御部25は、スキン層樹脂を第1射出量Q1で所定の時間だけ射出した後に、スキン層樹脂の射出量をタイミングt2にて下げ始める。そして、射出量制御部25は、スキン層樹脂の射出量を第1射出量Q1よりも低い第2射出量Q2にタイミングt3にて到達させる。例えば、射出量制御部25は、スキン層樹脂を120cc/秒で8秒間だけ射出した後に、スキン層樹脂の射出量を120cc/秒から30cc/秒へ1秒間で下げる。この間に、デッキ中間部11Mに対応する2つの樹脂射出部16の各々からスキン層樹脂が射出され、射出されたスキン層樹脂は、デッキ中間部11Mを通じてデッキ中央部11C、および、デッキ端部11Eへ流動する。
射出量制御部25は、スキン層樹脂の射出量が第2射出量Q2に到達するとき、金型内へコア層樹脂の射出を開始し、コア層樹脂の単位時間あたりの射出量をタイミングt4にて第1射出量Q1に到達させる。また、射出量制御部25は、コア層樹脂の射出量が第1射出量Q1に到達するまで、スキン層樹脂の射出量を第2射出量Q2に保ち、コア層樹脂の射出量が第1射出量Q1に到達するとき、スキン層樹脂の射出量を第2射出量Q2よりも低い第3射出量Q3まで下げ始める。例えば、射出量制御部25は、コア層樹脂の射出量を1秒間で120ccに到達させ、この間に、スキン層樹脂の射出量を30cc/秒に保つ。そして、射出量制御部25は、コア層樹脂の射出量が120cc/秒に到達するとき、スキン層樹脂の射出量を30cc/秒から20cc/秒まで下げ始める。
続いて、射出量制御部25は、コア層樹脂を第1射出量Q1で所定の時間だけ射出した後に、コア層樹脂の射出量をタイミングt5にて下げ始める。この間に、デッキ中間部11Mに対応する2つの樹脂射出部16の各々からコア層樹脂が射出され、射出されたコア層樹脂は、デッキ中間部11Mを通じてデッキ中央部11C、および、デッキ端部11Eへ流動する。
そして、射出量制御部25は、コア層樹脂の射出を停止した後に、ホットランナー24の内部をスキン層樹脂で置き換えて、スキン層樹脂の射出量をタイミングt6にて下げる。今回のパレット形成部材の形成にて、ホットランナー24の内部がスキン層樹脂で置き換えられる方法であれば、次回のパレット形成部材の形成の開始にあたり、ホットランナー24の内部の洗浄が不要である。なお、合成樹脂製パレットは、上下一対の2つのパレット形成部材が相互に貼り合わされることによって製造される。
次に、上記合成樹脂製パレットの製造方法における樹脂の流動末端について図9(a)から図9(c)を用いて説明する。なお、図9(a)から図9(c)の各々は、上記一例として示された寸法からなるパレット形成部材を用いた数値計算の結果を示す図であって、相互に異なるタイミングにおけるスキン層樹脂の占める領域に濃いドットを付して示す図であり、相互に異なるタイミングにおけるコア層樹脂の占める領域に薄いドットを付して示す図である。図9(a)は、図8におけるタイミングt1とタイミングt2との間のタイミングでの流動末端の位置を示す図である。図9(b)は、図8におけるタイミングt2での流動末端の位置を示す図であり、図9(c)は、図8におけるタイミングt4とタイミングt5との間のタイミングでの流動末端の位置を示す図である。
図9(a)に示されるように、2つの樹脂ゲート21の各々から射出されたスキン層樹脂の流動末端は、金型のキャビティー内にて、先に説明された各リブ17,18に対応する空間に案内されながら、中央桁部分12CVの表面や端桁部分13CVの表面に表面固化層を形成する。そして、2つの樹脂ゲート21の各々から射出されたスキン層樹脂の流動末端のうち、端桁部分13CVに向けて流動する流動末端は、タイミングt1とタイミングt2との間のタイミングにて、第1端辺L1に対応する部位に到達する。また、一方の樹脂ゲート21から射出されたスキン層樹脂の流動末端のうち、中央桁部分12CVに向けて流動する流動末端と、他方の樹脂ゲート21から射出されたスキン層樹脂の流動末端のうち、中央桁部分12CVに向けて流動する流動末端とは、第2対称面M2で合一する。結果として、端桁部分13CVに囲まれる空間や中央桁部分12CVに囲まれる空間では、それら以外の空間と比べて、表面固化層が形成されやすくなる。特に、2つの樹脂ゲート21の各々から射出されたスキン層樹脂の流動末端が合一する部分、すなわち、中央桁部分12CVに囲まれる空間では、表面固化層が形成されやすくなる。
図9(b)に示されるように、2つの樹脂射出部16の各々から射出されたスキン層樹脂の流動末端のうち、端桁部分13CVに向けて流動する流動末端は、タイミングt2にて、第1端辺L1に対応する部位の略全体にわたり到達する。一方で、2つの樹脂ゲート21の各々から射出されたスキン層樹脂の流動末端のうち、第2端辺L2に対応する部位に向けて流動する流動末端は、中央桁端壁12bに対応する部位、および、端桁端壁13bに対応する部位以外の部位へ到達する。
図9(c)に示されるように、2つの樹脂ゲート21の各々から射出されたコア層樹脂の流動末端は、先に形成された表面固化層内を流動し、かつ、先に射出されたスキン層樹脂を樹脂射出部16の周囲から押し出すように樹脂射出部16から広がる。
この際に、一方の樹脂射出部16からデッキ中心Cに向けて押されるスキン層樹脂と、他方の樹脂射出部16からデッキ中心Cに向けて押されるスキン層樹脂とは、相互に押し合う。そして、コア層樹脂の射出によって押されるスキン層樹脂の一部は、第2対称面M2に沿って流動して、中央桁端壁12bに対応する部位をスキン層樹脂で埋めさせ、中央桁端壁12bにおけるスキン層樹脂の割合を高める。結果として、先に射出されたスキン層樹脂をコア層樹脂が突き破ること、すなわち、ブレークすることが中央桁端壁12bにて抑えられる。
また、2つの樹脂射出部16の各々から射出されたコア層樹脂は、表面固化層の形成されやすい部位、すなわち、デッキ中央部11Cに対応する部分、および、デッキ端部11Eに対応する部分を避けながら、デッキ中間部11Mに対応する部分で優先的に広がる。
上記実施形態によれば以下に列挙される効果が得られる。
(1)2つの樹脂射出部16は、デッキ中心Cに対して点対称となる位置に配置され、かつ、デッキ中間部11Mに形成されている。それゆえに、樹脂射出部16から射出されるコア層樹脂は、デッキ中央部11Cよりも優先的にデッキ中間部11Mに向けて樹脂が流動しやすくなる。そして、デッキ中央部11Cの層厚比がデッキ中間部11Mの層厚比よりも小さく形成されるため、デッキ中央部11Cの機械的な強度、ひいては、合成樹脂製パレットにおける中央部の機械的な強度が高められる。
(2)樹脂射出部16の数が3つ以上である構成に比べて、上側パレット形成部材10Tの形成に必要とされる樹脂ゲート21の配置やホットランナー24などの樹脂の通路の構成が簡素である。
(3)差し込み孔Hにフォークが差し込まれる際に、差し込み孔Hとフォークとの相対的な位置がずれると、差し込み孔Hの入口を区画する中央桁端壁12bに対して、フォークの先端が衝突する。それゆえに、差し込み孔Hの入口を区画する中央桁端壁12bには、フォークの衝突に対する機械的な強度が求められる。
この点で、2つの樹脂射出部16が中央桁12を挟む位置に配置される構成であれば、2つの樹脂射出部16の各々からデッキ中央部11Cへ流動したスキン層樹脂が、相互に衝突した後に中央桁端壁12bに向けて流れやすくなる。結果として、中央桁端壁12bにおけるスキン層の割合が高められ、中央桁端壁12bの機械的な強度が高められる。
(4)デッキ端部11Eには、合成樹脂製パレットの落下に対する機械的な強度や、フォークとの衝突に対する機械的な強度が求められる。この点で、2つの樹脂射出部16の各々がデッキ中間部11Mに形成される構成であれば、デッキ中央部11Cやデッキ端部11Eよりもデッキ中間部11Mへコア層樹脂が流動しやすくなる。そして、デッキ中央部11Cやデッキ端部11Eの層厚比がデッキ中間部11Mの層厚比よりも小さく形成されるため、デッキ端部11Eの機械的な強度、ひいては、合成樹脂製パレットにおける端部の機械的な強度が高められる。
(5)コア層樹脂が射出される際に、コア層樹脂の周囲にスキン層樹脂が射出され続けるため、コア層10Cがスキン層10Sを突き破ること、すなわち、ブレークすることが抑えやすくなる。
(6)デッキ中心Cに対して点対称となる位置に、2つの樹脂射出部16の各々が配置されている。そのため、デッキ中心Cと対向する位置に1つの樹脂ゲートが配置される方法と比べて、デッキボード11の隅と樹脂射出部16との距離が短くなる。それゆえに、デッキ中心Cと対向する位置に1つの樹脂ゲートが配置される方法と比べて、樹脂ゲート21から射出される樹脂の圧力を下げること、すなわち、ホットランナー24の内径を小さくすることが可能になる。結果として、デッキ中心Cと対向する位置に1つの樹脂ゲートが配置される方法と比べて、ホットランナー24や樹脂ゲート21の構造的な強度が高められる。
(7)デッキ中心Cと対向する位置に1つの樹脂ゲートが配置される方法と比べて、ホットランナー24の内径を小さくすることが可能であるから、ホットランナー24の内部に溜まるコア層樹脂の容量、すなわち、1つのホットランナー24内の置き換えに必要なスキン層樹脂の容量を抑えることが可能となる。結果として、デッキ中心Cと対向する位置に1つの樹脂ゲートが配置される方法と比べて、合成樹脂製パレットを構成する樹脂の量に対するスキン層樹脂の量の割合が大きくなることが抑えられる。ひいては、合成樹脂製パレットを構成する樹脂の量に対するコア層樹脂の量の割合が小さくなることが抑えられる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・デッキ中央部11Cの層厚比が、デッキ中間部11Mの層厚比よりも小さい構成であれば、デッキ端部11Eの層厚比は、デッキ中間部11Mの層厚比よりも大きくてもよい。また、デッキ端部11Eの層厚比は、デッキ中央部11Cの層厚比よりも小さくてもよい。
・中央部コア厚さTCC、中間部コア厚さTMC、および、端部コア厚さTECの各々は、第1対称面M1と平行な1つの断面にて計測される値であってもよい。また、中央部コア厚さTCC、中間部コア厚さTMC、および、端部コア厚さTECの各々は、デッキボード11の表面をデッキボード11の厚さ方向に沿って順に削る方式で計測される値であってもよい。すなわち、デッキ中央部11C、デッキ中間部11M、および、デッキ端部11Eの各々でコア層が露出するまでの削り量をコア層上のスキン層の厚さに相当する大きさとして取り扱い、それを各部位でのスキン層の厚さの半分として取り扱ってもよい。
・パレット形成部材、および、合成樹脂製パレットの内部には、合成樹脂製パレットの軽量化を図るために、中空部が形成されることが好ましい。この構成においても、コア層10Cの厚さとは、コア層10Cの肉厚であり、また、デッキ厚さは、コア層10Cの厚さと、スキン層10Sの厚さと、中空部の厚さとの総和である。
なお、デッキ中央部11Cにおける層厚比が、デッキ中間部11Mにおける層厚比よりも小さければ、デッキボードの厚さ方向における中空部の厚さは、デッキ中央部11C、デッキ中間部11M、および、デッキ端部11Eにて、相互に等しくてもよい。また、デッキ中央部11Cにおける中空部の厚さは、デッキ中間部11Mにおける中空部の厚さよりも厚くてもよく、また、デッキ端部11Eにおける中空部の厚さよりも厚くてもよい。ただし、合成樹脂製パレットにおける中央部の機械的な強度を高めるためには、デッキ中央部11Cにおける中空部の厚さは、デッキ中間部11Mにおける中空部の厚さやデッキ端部11Eにおける中空部の厚さよりも薄いことが好ましい。デッキ中央部11Cにおける中空部の厚さを薄くするためには、コア層樹脂を射出する際に、中空部を形成するためのガスをデッキ中央部11Cとは異なる部位であるデッキ中間部11M、あるいは、デッキ端部11Eから注入すればよい。
・樹脂射出部16は、デッキ中心Cに対して点対称となる位置のうちデッキ端部11Eに形成されてもよい。また、デッキボード11に3つ以上の樹脂射出部16が形成される構成では、3つ以上の樹脂射出部16の各々が、デッキ中間部11M、および、デッキ端部11Eの少なくとも1つに、デッキ中心Cを中心として等配される構成であればよい。要するに、デッキ中間部11Mおよびデッキ端部11Eの少なくとも1つに、デッキ中心Cに対して複数の樹脂射出部16が等配される構成であれば、常に樹脂が射出され続けるデッキ中間部11Mあるいはデッキ端部11Eよりも、樹脂の流れが緩まるデッキ中央部11Cにて、スキン層樹脂の表面硬化層が形成されやすくなる。結果として、デッキ中央部11Cにおける層厚比がデッキ中間部11Mよりも小さくなる。なお、デッキ中心Cを中心として等配された位置とは、デッキ中心Cを中心として厳密に等角度で配置された位置を示すことに限られず、相互に隣り合う2つの樹脂射出部16のなす中心角が±10°の範囲で異なっていてもよい。
・1つのデッキボード11に設定される樹脂射出部16の数は、デッキ中心に対して等配される位置であれば、3つ以上であってもよい。例えば、3つの樹脂射出部16は、デッキ中心Cが中心となる正三角形の頂点に配置されてもよい。また、例えば、4つの樹脂射出部16は、デッキボード11にて第1対称面M1上と第2対称面M2上とに2つずつ配置されてもよい。
・合成樹脂製パレットは、上側パレット形成部材10Tと下側パレット形成部材10Bとが貼り合わされた貼り合せパレットに限らず、上側デッキボードと下側デッキボードとが一体に成形される一体成形パレットであってもよい。また、上側パレット形成部材に相当する構成が1つの合成樹脂製パレットとして用いられるスキッドパレットであってもよい。
・合成樹脂製パレットは、1つの中央桁12と2つの端桁13とを有する、いわゆる二方差しのパレットに限らず、例えば、1つの中央桁と4つの隅桁と4つの中間桁とを有する、いわゆる四方差しのパレットであってもよい。
C…デッキ中心、H…差し込み孔、Dc…交差方向、Di…差し込み方向、L1…第1端辺、L2…第2端辺、M1…第1対称面、M2…第2対称面、Q1…第1射出量、Q2…第2射出量、Q3…第3射出量、TC1…第1中央コア厚さ、TC2…第2中央コア厚さ、TC3…第3中央コア厚さ、TCC…中央部コア厚さ、TDA…デッキ厚さ、TEC…端部コア厚さ、TMC…中間部コア厚さ、10B…下側パレット形成部材、10C…コア層、10S…スキン層、10T…上側パレット形成部材、11…デッキボード、11C…デッキ中央部、11E…デッキ端部、11M…デッキ中間部、11CV…キャビティー、12…中央桁、12a…中央桁側壁、12b…中央桁端壁、12CV…中央桁部分、13…端桁、13a…端桁側壁、13b…端桁端壁、13CV…端桁部分、14…通路、15…水抜き孔、16…樹脂射出部、17…第1補強リブ、18…第2補強リブ、21…樹脂ゲート、22…樹脂バルブ、23…バルブピン、24…ホットランナー、25…射出量制御部。

Claims (7)

  1. コア層がスキン層で覆われたデッキボードと、
    前記デッキボードに一体に成形された中央桁と、
    前記デッキボードに一体に成形された複数の端桁と、を備え、
    前記デッキボードでは、
    前記中央桁と対向する部位であるデッキ中央部と、前記端桁と対向する部位であるデッキ端部との間の部分が、デッキ中間部として設定され、
    前記デッキボードの厚さに対する前記コア層の厚さの比が層厚比として設定され、
    前記デッキ中間部および前記デッキ端部の少なくとも1つには、
    前記デッキボードの中心に対して複数の樹脂射出部が等配され、
    前記デッキ中央部の層厚比が、前記デッキ中間部の層厚比よりも小さい、
    パレット形成部材。
  2. 前記樹脂射出部の数は、2つであり、
    前記2つの樹脂射出部の各々は、前記デッキ中間部に形成されている、
    請求項1に記載のパレット形成部材。
  3. 前記中央桁は、前記デッキボードの1つの辺に沿って延び、
    前記端桁は、前記中央桁を挟んで前記中央桁に沿って延びる2つの桁であり、
    前記2つの桁の各々と前記中央桁との間には、フォークが入る通路が形成されている
    請求項2に記載のパレット形成部材。
  4. 前記複数の樹脂射出部の各々は、前記デッキ中間部に形成され、
    前記デッキ端部の層厚比が、前記デッキ中間部の層厚比よりも小さい
    請求項1から3のいずれか1つに記載のパレット形成部材。
  5. 2つのパレット形成部材が貼り合わされた合成樹脂製パレットにおいて、
    前記2つのパレット形成部材の各々は、請求項1から4のいずれか1つに記載のパレット形成部材である
    ことを特徴とする合成樹脂製パレット。
  6. コア層がスキン層で覆われたデッキボードと、
    前記デッキボードに一体に成形された中央桁と、
    前記デッキボードに一体に成形された複数の端桁と、を備え、
    前記デッキボードでは、
    前記中央桁と対向する部位であるデッキ中央部と、前記端桁と対向する部位であるデッキ端部との間の部分がデッキ中間部として設定され、
    前記デッキボードの厚さに対する前記コア層の厚さの比が層厚比として設定され、
    前記デッキ中間部および前記デッキ端部の少なくとも1つには、
    前記デッキボードの中心に対して複数の樹脂射出部が等配され、
    前記デッキ中央部の層厚比が、前記デッキ中間部の層厚比よりも小さい、
    合成樹脂製パレット。
  7. 中央桁と複数の端桁とがデッキボードに一体に成形される合成樹脂製パレットの製造方法であって、
    前記デッキボードでは、前記中央桁と対向するデッキ中央部と、前記端桁と対向するデッキ端部との間の部分がデッキ中間部として設定され、
    前記デッキボードの厚さに対するコア層の厚さの比が層厚比として設定され、
    前記デッキ中間部および前記デッキ端部の少なくとも1つには、前記デッキボードの中心に対して複数の樹脂射出部が等配され、
    前記複数の樹脂射出部の各々からスキン層樹脂を金型内に射出する工程と、
    前記スキン層樹脂が射出された後に前記複数の樹脂射出部の各々からコア層樹脂を前記金型内に射出する工程と、を含み、
    前記デッキ中央部の層厚比を前記デッキ中間部の層厚比よりも小さくする
    ことを特徴とする合成樹脂製パレットの製造方法。
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