JP2014162250A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ円周方向に沿って延長する複数の周方向主溝により区画される複数のリブと、タイヤ幅方向両端に位置するショルダーリブに形成され、当該ショルダーリブに隣接する周方向主溝に一端が開口し、他端が当該ショルダーリブ内において終端して閉口する一端開口細溝と、一対のショルダーリブの間に位置する各リブに形成され、当該各リブに隣接する周方向主溝それぞれに両端部が開口する両端開口溝とを備え、一端開口細溝の深さを周方向主溝の溝深さに対して20%〜30%の範囲に設定し、両端開口溝を細溝と底部に細溝を有する広溝とを周方向に交互に設けて構成し、細溝と、細溝を含む広溝との深さを周方向主溝の溝深さに対して60%〜90%の範囲に設定する。
【選択図】図1
Description
本構成によれば、両端開口溝を細溝と底部に細溝を有する広溝とを周方向に交互に設け、細溝及び広溝の深さを周方向主溝の溝深さに対して60%〜90%の範囲となるように深めに設定することにより、両端開口溝を形成する細溝の壁面同士の接触力が増加し、タイヤ円周方向へのゴム流動成分が遮断されることで、路面に対する蹴り出し時の滑りを抑えることができる。よって、路面に対する蹴り出し時の滑りが抑制されたことで、滑りにより生じる摩耗が抑制され、タイヤのライフ性能が向上することになる。また、広溝が底部に細溝を有することにより、広溝により排水性を向上させるとともに細溝によりリブ剛性が維持され、ウェット性能を向上させながらライフ性能の低下を防ぐことができる。また、ショルダーリブの一端開口細溝の深さを周方向主溝の溝深さに対して20%〜30%の範囲に設定したことにより、両端開口溝が形成されたリブよりもリブ剛性が高くなるので、一端開口細溝を有するリブのタイヤ転がり半径が基準となってタイヤが撓むので、タイヤの転がり半径が小さくなり、操舵時の抵抗が小さくなるのでタイヤの偏摩耗を抑制することができる。
同図に示すように、タイヤのトレッド踏面Tsには、タイヤ円周方向に沿って連続して延長する複数の等間隔の周方向主溝としての周方向溝11(11A〜11D)と、周方向溝11によって区画される複数の陸部としてのリブ12(12A〜12E)が形成される。本実施形態では、トレッドパターンの一例として、周方向溝11は、4本の周方向溝11A乃至11Dにより5本のリブ12A〜12Eが区画して形成されるものとして説明する。具体的には、タイヤ幅方向中心としてのタイヤ幅方向中心すなわち通称タイヤ赤道C上に位置するセンターリブ12Aと、このセンターリブ12Aの左右に位置するセカンドリブ12B;12Dと、さらにその外側(タイヤ幅方向両端)に位置するショルダーリブ12C;12Eよりなる。本実施形態における各リブ12は、周方向溝11に対する陸部であって、この陸部はタイヤ円周方向に沿ってそれぞれ連続し、各リブ12をタイヤ幅方向に横切り、周方向溝11の深さと略等しい深さの溝を備えていないタイプの所謂リブタイヤである。本実施形態では、周方向溝11A〜11Dの溝深さD及び溝幅Wは、同一の寸法で形成されている(図3参照)。
サイプ群Aにおいて、上記リブ12A〜12Eの細溝Lと広溝Mとは、図2(a)に示すような傾斜線分t1〜t5よりなる仮想の凹凸線分Tに沿うように配置され、サイプ群Bにおいて細溝Lと広溝Mとは図2(b)に示すような傾斜線分k1〜k3よりなる仮想の凹凸線分Kに沿うように配置される。
サイプ群Bのセンターリブ12Aの傾斜線分k1とセカンドリブ12Bの傾斜線分k2とは、互いに反対方向に傾斜してV字状となっており、セカンドリブ12Dの傾斜線分k3は、傾斜線分k1と反対方向に傾斜して逆V字状をなす。なお、傾斜線分t2と傾斜線分k2とは平行で、傾斜線分t1と傾斜線分k1とも平行で、傾斜線分t4と傾斜線分k3とも平行となっている。
各リブ12A乃至12Eの溝11A乃至11D側の側縁には、周方向に沿って一定間隔の切込み23が形成される(図1参照)。
なお、センターリブ12A,セカンドリブ12B,セカンドリブ12Dの細溝Lと広溝Mは、両端が図6(a)に示すように周方向溝11側にそれぞれ開口するが、図1に示すようにショルダーリブ12C;12Eの浅底の細溝Laは、相当の長さを有し、この浅底の細溝Laは、周方向溝11C側一端と、周方向溝11D側一端のみリブ12側に開口し、他端は延長した後に閉口している。ここで、センターリブ12Aの細溝L,広溝MのS字状変形状態について詳細を説明する。
本実施形態では、湾曲部25;26は、例えば、それぞれ円弧によって形成され、図6(b),(c)に示すように、一方の湾曲部25の円弧の曲率中心25oと他方の湾曲部26の円弧の曲率中心26oとが、細溝L,広溝Mを挟んで互いに反対側でかつ、曲率中心25oが周方向溝11Bに近く、曲率中心26oが周方向溝11Aに近い側に位置するように形成される。また、反対向きの湾曲部25;26の曲率半径R1;R2は、それぞれ30mm〜50mmの範囲で設定される。なお、本実施形態では、湾曲部25;26の曲率半径R1;R2は、30mm〜50mmの範囲において、同一の寸法として説明するが、曲率半径が30mm〜50mmの範囲であれば、互いに異なる曲率半径で形成しても良い。
本実施形態では、図8に示すように、細溝L,広溝Mの湾曲部32は、例えば、円弧によって形成される。この細溝L,広溝Mの湾曲部32の円弧の曲率中心31oは、センターリブ12A側に近接する。この湾曲部32の曲率半径R3は、湾曲部25;26の細溝L,広溝Mに許容される曲率半径の設定範囲の1.5倍〜2.5倍で設定される。具体的には、細溝L,広溝Mの湾曲部32は、曲率半径R3が45mm乃至125mmの範囲で設定される。セカンドリブ12Bの細溝L,広溝Mについてもセカンドリブ12Dの細溝L,広溝Mとは反対方向に変形するように、曲率中心31oとは反対側に、曲率中心が位置するようにして形成され、同一の曲率持つように形成される。
本実施形態では、湾曲部42は、例えば、円弧又はC字状によって形成される。湾曲部42の円弧の曲率中心41oは、前記湾曲部32の曲率中心31oと、反対側に位置する。湾曲部42の曲率半径R4は、前記湾曲部25;26に許容される設定範囲の1.5倍〜2.5倍で設定される。具体的には、湾曲部42は、曲率半径R4が45mm乃至125mmの範囲で設定される。ショルダーリブ12Cの浅底の細溝Laは、曲率中心がショルダーリブ12Eの浅底の細溝Laの曲率中心と反対側に位置する点が異なるだけで、同一曲率の湾曲部42を有する等他は同一である。
なお、ショルダーリブ12C;12Eの浅底の細溝Laの深さD5をセンターリブ12A,セカンドリブ12B;12Dの細溝Lの深さよりも浅く設定することにより、本発明に係るタイヤを操舵輪に装着したときに、ショルダー部の剛性を損ねることなく排水性を確保することができる。例では、センターリブ12Aの細溝L,広溝Mをセンターサイプ、セカンドリブ12B;12Dの細溝L,広溝Mをセカンドサイプ、ショルダーリブ12C;12Eの細溝Lをショルダーサイプと称する。
タイヤ性能試験には、タイヤのサイズが315/60R22.5のトラック、バス用タイヤを用い、9.00×22.5のホイールリムにタイヤを装着し、900kpaの内圧を印加した。また、タイヤには、上記サイズが該当するETRTO規格に基づいた正規荷重を負荷した。
タイヤ実車試験は、テストコースにおいて実施し、試験項目毎に異なる路面条件で実施した。路面条件は、下記に示すとおりである。摩耗性能試験は、路面:ドライ、摩耗ライフ指数(最初の溝が消滅するまでの走行距離)により評価した。ウェット旋回性能試験は、路面:ベルジアン(石畳路面)+WET、旋回加速度により評価した。ウェットブレーキ性能試験は、路面:アスファルト+WET、減速度指数により評価した。また、摩耗試験は、摩耗試験機により行い偏摩耗性を評価した。なお、同表において、100を基準として数値が大きいものほどその性能に優れていることを示す。
比較例1及び比較例2は、図9に示す従来のトレッドパターンを有するタイヤである。
図9に示すトレッドパターンでは、センターリブ12A,12B,12Cの関係において、仮想線分Pを有し、仮想線分Pは、略V字をなす傾斜線分P1と傾斜線分P2とからなり、センターリブ12A,セカンドリブ12D,ショルダーリブ12Eの関係において、仮想線分Qを有し、仮想線分Qは、略逆V字をなす傾斜線分Q1と傾斜線分Q2とからなる。傾斜線分P1の先端は、センターリブ12Aの途中まで延長し、傾斜線分Q1の先端は、センターリブ12Aの途中まで延長し、さらに、互いに対向方向にV字、逆V字をなすごとく折曲されて、それぞれ折曲線分P3,Q3を形成する。
なお、セカンドリブ12B;12Dの内側には、周方向の溝Nと、この溝Nに接続される横方向に延長する傾斜溝L0が互いに、交互に形成される。ここで、センターリブ12Aの広溝Mをセンターサイプ、セカンドリブ12B;12Dの広溝Mをセカンドサイプ、ショルダーリブ12C;12Eの細溝Lをショルダーサイプという。
12C;12E ショルダーリブ、11;11A;11B;11C;11D 周方向溝、
21、21a、22 溝、25;26;32;42 湾曲部、
25o;26o;31o;41o 曲率中心、28;29;30;49 底部、
L 細溝、M 広溝、R1乃至R4 曲率半径。
Claims (5)
- タイヤ円周方向に沿って延長する複数の周方向主溝により区画される複数のリブと、
タイヤ幅方向両端に位置するショルダーリブに形成され、当該ショルダーリブに隣接する周方向主溝に一端が開口し、他端が当該ショルダーリブ内において終端して閉口する一端開口細溝と、
一対の前記ショルダーリブの間に位置する各リブに形成され、当該各リブに隣接する周方向主溝それぞれに両端部が開口する両端開口溝とを備え、
前記一端開口細溝の深さを前記周方向主溝の溝深さに対して20%〜30%の範囲に設定し、
前記両端開口溝を細溝と底部に細溝を有する広溝とを周方向に交互に設けて構成し、細溝と、細溝を含む広溝との深さを前記周方向主溝の溝深さに対して60%〜90%の範囲に設定したことを特徴とするタイヤ。 - 前記両端開口溝の深さを前記周方向主溝の溝深さに対して75%〜90%の範囲に設定したことを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
- 前記各リブにおいて、センターリブの左右に隣接する各セカンドリブに形成される両端開口溝は、センターリブの細溝に対し、広溝が対応するように、また、センターリブの広溝に対し細溝が対応するように位置することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタイヤ。
- 前記複数のリブのうち、タイヤ幅方向中心上に位置するセンターリブに形成される両端開口溝は、曲率半径が30mm〜50mmの範囲で設定され、周方向に対し反対向きで、かつ連続する2つの湾曲部よりなるS字状の曲がりを有し、
一方の湾曲部の曲率中心と他方の湾曲部の曲率中心とが、両端開口溝を介して互いに反対側に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載のタイヤ。 - 前記各リブにおいて、センターリブの左右に隣接する各セカンドリブの両端開口溝は、曲率半径が、センターリブに設けられた両端開口溝の湾曲部に設定される曲率半径の1.5倍〜2.5倍の曲率半径で形成される湾曲部を有し、当該各セカンドリブの両端開口溝は、センターリブの両端開口溝とで、一連の凹凸のうねりを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか記載のタイヤ。
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