JP5855932B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、トレッド部がある程度摩耗した後も良好な氷雪上性能を維持しつつ、かつ、センター摩耗を抑制することが可能な空気入りタイヤに関する。
雪上や氷上での走行性能を向上させるために、複数本の周方向溝および幅方向溝で複数個のブロックを区画形成したブロック基調のトレッドパターンにおいて、各ブロックに複数本のサイプを形成したタイヤが知られている。このタイヤでは、サイプによりエッジ効果が生じて、氷雪上性能が向上する。しかし、サイプを設けた結果、ブロック陸部の剛性が低下するため、乾燥路面での走行ではトレッド部が摩耗しやすくなるという問題があった。特に、普通乗用車用のタイヤの通常使用条件下では、トレッド部の中央域(以下、単に「センター領域」ともいう。)に位置するブロックの剛性が、側方域(以下、単に「ショルダー領域」ともいう。)に位置するブロックの剛性以上の場合、センター領域のブロックが、ショルダー領域のブロックに比べて早く摩耗する、いわゆるセンター摩耗が生じる。
氷上性能または雪上性能と摩耗性能とを考慮したブロック基調のトレッドパターンを有するタイヤとしては、以下のようなものが知られている。特許文献1には、複数本の周方向溝のうち、最外側の2本の周方向溝よりタイヤ幅方向内側の領域のブロックに設けたサイプの深さを周方向溝の深さの65〜80%とし、最外側の2本の周方向溝よりタイヤ幅方向外側の領域のブロックに設けたサイプの深さを主溝の深さの35〜50%とした、トラック等の重荷重用の冬用タイヤが記載されている。このタイヤは、トレッド部のセンター領域に比べてショルダー領域でサイプを浅くすることにより、ショルダー領域でのブロック剛性がセンター領域よりも高くしている。
また、特許文献2には、各ブロックに複数本のサイプを設けたスタッドレスタイヤであって、各ブロックの周方向中央部分を最深部分として周方向両端部から中央部分に向かってサイプの深さを漸増させたタイヤが記載されている。このタイヤは、ブロックの周方向中央部分のサイプを深くすることによって、ブロック全体の剛性を低く保ち、路面との接触性が向上させる結果、氷雪上性能が高まる一方、周方向端部のサイプを浅くすることで、ブロック内におけるタイヤ周方向の段差摩耗である、いわゆるヒールアンドトウ摩耗を抑制するものである。
特開平8− 80712号公報 特開平7−215017号公報
しかしながら、特許文献1のタイヤでは、トレッド部のセンター領域に位置するブロックに比べてショルダー領域に位置するブロックでサイプを全体として浅くしているため、ある程度摩耗が進行するとショルダー領域でサイプが消失し、氷雪上性能を維持できないという問題があった。
また、特許文献2のタイヤでは、センター領域のブロックとショルダー領域のブロックとで区別することなく、同様に上記で説明したサイプを設けている。このため、センター領域とショルダー領域でブロック剛性が異なることがなく、一般にはセンター摩耗が生じてしまう。
既述のように、普通乗用車用のタイヤの通常使用条件下では、センター摩耗が生じやすいが、トレッド部がある程度摩耗した後の氷雪上性能を維持することと、センター摩耗の抑制を両立しようとする試みはこれまでなされていなかった。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、トレッド部がある程度摩耗した後(タイヤ使用中期以降)も良好な氷雪上性能を維持しつつ、かつ、センター摩耗を抑制することが可能な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも2本の周方向溝と、タイヤ幅方向に沿って延びる複数本の幅方向溝とを配設して、前記少なくとも2本の周方向溝のうち、タイヤ赤道に近い方から2本の周方向溝間に複数個の中央ブロックからなる中央ブロック列と、トレッド端と該トレッド端に最も近い周方向溝との間に複数個の側方ブロックからなる側方ブロック列とをそれぞれ区画形成し、前記複数個のブロックの各々に、タイヤ幅方向に延びる3本以上のサイプを配設してなる空気入りタイヤであって、各ブロックに配設した前記3本以上のサイプは、タイヤ周方向最外側に位置する2本の外側サイプと、該外側サイプ以外の内側サイプとで構成され、前記各ブロックにおいて、前記2本の外側サイプの深さが、いずれの内側サイプの深さよりも浅く、前記中央ブロックにおける前記2本の外側サイプの深さがいずれも、前記側方ブロックにおける前記2本の外側サイプの深さよりも深く、前記側方ブロックにおける、内側サイプの少なくとも1本の深さが、前記中央ブロックにおける、内側サイプのいずれかの深さと等しいことを特徴とする空気入りタイヤ。
前記中央ブロックには複数本の内側サイプが形成され、該中央ブロックにおける内側サイプの深さが全て等しい上記(1に記載の空気入りタイヤ。
)前記側方ブロックには複数本の内側サイプが形成され、該内側サイプの少なくとも1本の深さが、前記中央ブロックにおける内側サイプのいずれの深さよりも浅い上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
)前記複数個のブロックの各々に配設されるサイプは、タイヤ幅方向位置により深さが変化するサイプである上記(1)乃至()のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。


本発明によれば、中央ブロックにおける2本の外側サイプをいずれも、側方ブロックにおける2本の外側サイプよりも深くしたため、側方ブロックよりも中央ブロックの剛性が低くなる。その結果、中央ブロックの路面との追従性が良くなり摩耗の進行が遅くなることで、センター摩耗を抑制することができる。また、各ブロックに配設した3本以上のサイプにつき、2本の外側サイプをいずれの内側サイプより浅くしたことで、エッジ成分は確保しつつ、ブロックが倒れこみすぎるのを抑制する。その結果、高い氷雪上性能を発揮することができる。その際、側方ブロックについて、前記の通り外側サイプよりも深い内側サイプがあるため、摩耗が進行して外側サイプが消失しても、内側サイプが残る。このため、側方ブロックで全てのサイプが同時に消失することはない。その結果、トレッド部がある程度摩耗した後もサイプによる良好な氷雪上性能を維持することができる。
本発明に従う代表的な空気入りタイヤ1(実施形態1)のトレッド部の一部を示す展開図である。 (a)は、図1に示す中央ブロック31を拡大して示した拡大図であり、(b)は、図1に示す側方ブロック32aを拡大して示した拡大図である。 (a)は、図2(a)におけるI−I断面図であり、(b)は、図2(b)におけるII−II断面図である。 図1と同様のトレッドパターンを有し、サイプ深さを図3と異なるものとした、本発明に従う別の空気入りタイヤ(実施形態2)のサイプ深さを示す断面図であり、(a)は、図3(a)と同様に示した中央ブロック31のI−I断面図であり、(b)は、図3(b)と同様に示した側方ブロック32aのII−II断面図である。 図1と同様のトレッドパターンを有し、サイプ深さを図3と異ならせ、タイヤ幅方向位置により深さが変化するサイプとした、本発明に従う別の空気入りタイヤ(実施形態3)のサイプ深さを示す図であり、縦軸はサイプの深さ、横軸はサイプに沿った位置を表す。AおよびBは、ブロックの両端部である。(a)は、中央ブロック31のサイプ51〜55について、サイプに沿った位置に対してサイプの深さを示した深さプロファイルであり、(b)は、側方ブロック32aのサイプ61〜65について、サイプに沿った位置に対してサイプの深さを示した深さプロファイルである。
以下、図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付し、説明は省略する。
(実施形態1)
図1〜図3を用いて、本発明の一実施形態である空気入りタイヤ1を説明する。本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、タイヤ周方向Cに沿って延びる少なくとも2本の周方向溝と、タイヤ幅方向Wに沿って延びる複数本の幅方向溝とを配設する。図1に示す本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2に、4本の周方向溝11a,11b,12a,12bと、複数本の各幅方向溝21,22a,22b,23a,23bを配設する。周方向溝11aと11bおよび12aと12bは、タイヤ赤道CLを基準に線対称に配設されており、周方向11a,11bの溝幅中心線は、タイヤ赤道CLからトレッド幅の20%の距離に位置し、周方向12a,12bの溝幅中心線は、タイヤ赤道CLからトレッド幅の60%の距離に位置する。周方向溝11a,11b,12a,12bは、いずれもタイヤ周方向に平行な直線状であり、同一の溝幅および溝深さを有している。複数本の幅方向溝21,22a,22b,23a,23bは、タイヤ幅方向に平行な直線状であり、周方向に等間隔に配設されている。また、同一の溝幅および溝深さを有している。
周方向溝のうち、タイヤ赤道CLに近い方から2本の周方向溝11a,11b間に、幅方向溝21を配設して、複数個の中央ブロック31からなる中央ブロック列41を区画形成する。また、トレッド端Eとこのトレッド端Eに最も近い周方向溝12a,12bとの間に、幅方向溝22a,22bを配設して、複数個の側方ブロック32a,32bからなる側方ブロック列42a,42bを区画形成する。さらに、本実施形態では、周方向溝11a,11bと周方向溝12a,12bとの間に、幅方向溝23a,23bを配設して、複数個の中間ブロック33a,33bを区画形成している。また、全てのブロックはタイヤ周方向に位相差を設けず配設されている。
複数個の各ブロック31,32a,32b,33a,33bの各々に、タイヤ幅方向Wに延びる3本以上(本実施形態では5本)のサイプを配設する。本明細書において「サイプ」とは、タイヤ接地時に開口が閉じる溝をいい、一般には1.5mm以下の幅を意味し、タイヤ接地時に開口が閉じる結果、接地時にブロック同士が接触して支えあうものである。図2(a)に示すように、中央ブロック31には、タイヤ周方向に凸の角部がタイヤ幅方向に沿って複数連なるジグザグ状となってタイヤ幅方向に延びるサイプ51〜55を配設する。また、図2(b)に示す側方ブロック32aと不図示の側方ブロック32bには、平面視でサイプ51〜55と同一形状のサイプ61〜65を配設する。
中央ブロック31に配設したサイプは、タイヤ周方向最外側に位置する2本の外側サイプ51,52と、該外側サイプ以外の内側サイプ53,54,55とで構成される。同様に、側方ブロック32a,32bに配設したサイプは、タイヤ周方向最外側に位置する2本の外側サイプ61,62と、該外側サイプ以外の内側サイプ63,64,65とで構成される。
本発明の特徴的構成は、中央ブロック31および側方ブロック32a,32bに配設するこれらのサイプが、以下の2つの条件をともに満たすことである。以下、その作用効果とともに説明する。
1つ目の条件は、各ブロックにおいて、2本の外側サイプの深さが、いずれの内側サイプの深さよりも浅い点である。すなわち、図3(a)に示すように、中央ブロック31では、外側サイプ51,52の深さd51,d52は、内側サイプ53,54,55の深さd53,d54,d55よりも浅い。また、図3(b)に示す側方ブロック32aおよび不図示の側方ブロック32bでは、外側サイプ61,62の深さd61,d62は、内側サイプ63,64,65の深さd63,d64,d65よりも浅い。これにより、サイプのエッジ成分は確保しつつ、ブロックが倒れこみすぎるのを抑制し、その結果、高い氷雪上性能を発揮することができる。
すなわち、タイヤの負荷転動時、各ブロックは路面からの入力によって倒れ込む。ブロックにサイプを配設することで、ブロックの剛性が小さくなり、よりブロックの倒れ込みが大きくなる。この現象は、サイプのエッジ効果を確保するためには必要なものである。しかし、ブロックのタイヤ周方向端部は、サイプより幅広の幅方向溝と隣接しているため、タイヤ周方向内側部分(ブロック中央部)よりもブロックの倒れ込みが大きい。その結果、ブロックの路面との接地面積が減少し、これに起因して氷雪上性能が低下することがあった。本発明においては、上記のとおり、2本の外側サイプの深さが、いずれの内側サイプの深さよりも浅いため、ブロックのタイヤ周方向端部での倒れ込みを抑制しつつ、内側サイプは深いままとするため、エッジ成分はある程度確保することができる。その結果、高い氷雪上性能を発揮することができるのである。
2つ目の条件は、図3(a)と図3(b)を比較するとわかるとおり、中央ブロック31における2本の外側サイプ51,52の深さd51,d52がいずれも、側方ブロック32a,32bにおける2本の外側サイプ61,62の深さd61,d62よりも深いことである。これにより、側方ブロック32a,32bよりも、中央ブロック31の方が、ブロック剛性が低くなる。その結果、タイヤの負荷転動時のタイヤ踏面と路面とのすべり現象が、側方ブロック32a,32bよりも中央ブロック31の方が小さくなることで摩耗の進行が遅くなり、センター摩耗を抑制することができる。なお、本発明が対象とするのは、普通乗用車用の冬用タイヤである。普通乗用車用のタイヤの場合、個々のブロック剛性が非常に小さく、転動時のブロックの動きが大きくなる。そのため、仮にセンター部のブロック剛性を高くすると剛性を高くしたセンター部のブロックの動きが小さくなり、路面とのすべりが生じてセンター摩耗が進展してしまうといった問題が起きるのである。
ここで、本発明においては、側方ブロックのサイプ61〜65の深さを、一律に中央ブロックのサイプ51〜55よりも浅くしたのではなく、上記2つの条件を満たすよう構成した結果、外側サイプ61,62が外側サイプ51,52よりも浅くなり、内側サイプ63〜65は、必ずしも内側サイプ53〜55より浅くはならない。そのため、側方ブロック32a,32bについて、外側サイプ61,62よりも深い内側サイプ63〜65があるため、摩耗が進行して外側サイプ61,62が消失しても、内側サイプ63〜65が残る。このため、側方ブロックで全てのサイプが同時に消失することはない。その結果、トレッド部がある程度摩耗した後(タイヤ使用中期以降、具体的には外側サイプ61,62が消失した後)も良好な氷雪上性能を維持することができる。
本発明においては、側方ブロックにおける、内側サイプの少なくとも1本の深さが、中央ブロックにおける、内側サイプのいずれかの深さと等しいことが好ましい。本実施形態において、内側サイプ53〜55はいずれもその深さが、内側サイプ63〜65の深さと等しくなっている。このように、各ブロックの外側サイプ以外のサイプにおいては、中央ブロックか側方ブロックかを問わず、基本となるサイプ深さを等しくすることによって、外側サイプが摩耗で消失した後も氷雪上性能の低下を最小限に抑える効果がより顕著なものとなる。
なお、本発明において「サイプの深さが等しい」とは、数学的に厳密な意味で等しい値であることを意味するものではなく、空気入りタイヤの技術常識に鑑み、製造上の誤差を許容するレベルのものであることは勿論である。これは、溝やサイプの配設間隔についても同様である。
上記発明の作用効果を奏する観点から、d51,d52は2.5mm〜3.5mm、d53,d54,d55は7.0mm〜9.0mm、d61,d62は1.5mm〜2.5mm、d63,d64,d65は7.0mm〜9.0mmの範囲内とすることができる。d51,d52を2.5mm以上とすれば、早期にサイプ51,52が摩耗で消失することがなく、3.5mm以下とすれば、ブロックの倒れ込みを抑制する効果を十分に発揮することができる。また、d61,d62も同様の観点から上記好適範囲とすることが好ましく、この範囲でd51,d52よりも小さくすることが好ましい。d53,d54,d55およびd63,d64,d65については、7.0mm以上とすれば、十分なエッジ成分を確保して高い氷雪上性能を発揮でき、かつ、摩耗後も十分摩耗性能を維持できるため好ましく、9.0mm以下とすれば、乾燥路面での良好な操縦安定性を確保するために必要なブロック剛性を維持できるため好ましい。一例として本実施形態では、d51,d52=3mm、d53,d54,d55=9mm、d61,d62=2mm、d63,d64,d65=9mmとする。
また、本実施形態では、各サイプの深さは、タイヤ幅方向位置により異ならず、同一の深さを有する。
中央ブロックにおける内側サイプの深さd53,d54,d55は、全て等しいことが好ましい。センター摩耗を抑制する観点から、本発明では、側方ブロックの剛性を高くする一方、中央ブロックの剛性は低い状態とすることが好ましいところ、内側サイプのいずれかを浅くするなどして、異なる深さとすると、中央ブロックの剛性が低い状態を維持できないためである。
また、本実施形態では、各サイプは、両端部が周方向溝に開口するいわゆるオープンサイプとしたが、本発明はこれに限られることはなく、両端部がブロック内で終端するいわゆるクローズサイプでも、片端が周方向溝に開口し、他端がブロック内で終端するサイプでも構わない。
本実施形態において、中間ブロック33a,33bについては、何ら限定されないが、中央ブロックおよび側方ブロックと同様に、2本の外側サイプの深さが、いずれの内側サイプの深さよりも浅くなることが好ましい。また、内側サイプの深さは、中央ブロックの内側サイプ53,54,55の深さと等しく、外側サイプの深さは、側方ブロックの外側サイプ61,62の深さ以上で、中央ブロックの外側サイプ51,52の深さ以下となることが好ましい。
(実施形態2)
図4を用いて、実施形態2にかかる空気入りタイヤを説明する。この空気入りタイヤは、図4(b)に示す側方ブロック32aおよび不図示の側方ブロック32bにおける複数本の内側サイプのうち、1本のサイプ64の深さd64が3mmとなっている以外は、実施形態1と同様である。このように、側方ブロックの内側サイプの少なくとも1本の深さが、中央ブロック31における内側サイプ53,54,55のいずれの深さよりも浅いことが好ましい。側方ブロックのサイプ63,65については、中央ブロックの内側サイプ53〜55と同じ深さとしつつも、サイプ64についてはこれらより浅くすることによって、側方ブロックの剛性をより高くし、センター摩耗を抑制する効果をより高めることができる。
(実施形態3)
図5を用いて、実施形態3にかかる空気入りタイヤを説明する。この空気入りタイヤでは、複数個のブロックの各々に配設されるサイプは、タイヤ幅方向位置により深さが変化するサイプである。トレッドパターンとサイプの配設態様は、図1,図2に示した実施形態1と同様である。
図5(a)に示すように、中央ブロック31に配設されるサイプのうち、外側サイプ51,52については、その両端部分では深さ2mm、その間の中央部分では深さ3mm、両端部から中央部分への向かう部分では深さ2mmから3mmへと漸増するテーパ部分を形成している。また、内側サイプ53,54,55については、その両端部分では深さ2mm、その間の中央部分では深さ9mm、両端部から中央部分への向かう部分では深さ2mmから9mmへと漸増するテーパ部分を形成している。
また、図5(b)に示すように、側方ブロック32aに配設されるサイプのうち、外側サイプ61,62については、深さが2mmで変化しないサイプである。内側サイプ64については、その両端部分では深さ2mm、その間の中央部分では深さ3mm、両端部から中央部分への向かうで深さ2mmから3mmへと漸増するテーパ部分を形成している。また、内側サイプ63,65については、その両端部分では深さ2mm、その間の中央部分では深さ9mm、両端部から中央部分へ向かう部分では深さ2mmから9mmへと漸増するテーパ部分を形成している。
このように、タイヤ幅方向位置で各サイプの深さを変化させることにより、各サイプの全体がほぼ同時に消失することがなく、上記例でいれば、両端部分がまず消失し、その後、中央部分が消失するように、段階的にサイプの消失が起きる。このため、摩耗後のエッジ性能をより残すことができる。
なお、サイプの深さが変化する場合に、本発明が着目する「各サイプの深さ」とは、各々のサイプの平均深さを意味する。具体的には、図5に示した深さプロファイルから積分計算して求めた相加平均である。
本発明においては、タイヤの内部構造は特に限定されず、任意のタイヤ構造を有する空気入りタイヤに適用可能である。その他、特許請求の範囲において規定した以外の事項は何ら限定されることはなく、例えば、トレッドパターンなどもその要旨の範囲内で種々の変更が可能なことは勿論である。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の実施例および比較例にかかる普通乗用車用の空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。各タイヤのタイヤサイズは、175/80R14とした。
(実施例1〜3)
実施形態1〜3において説明したタイヤを実施例1〜3とした。中央ブロックおよび側方ブロックのサイプの深さは表1に示した。中間ブロックのサイプ深さは、外側サイプが3mm、内側サイプが9mmとした。
(比較例1〜3)
中央ブロックおよび側方ブロックのサイプの深さが本発明の条件を満たさないタイヤとして、表1に示すサイプ深さのタイヤを用意した。トレッドパターンおよびサイプ配設態様は、図1,2に示した本発明のタイヤと同様である。
上記各供試タイヤについて、サイズ14×5Jのリムに組み付け、内圧220kPa(相対圧)として車両に装着し、以下の試験を行って性能を評価した。
(摩耗性能の評価)
摩耗性能は、乾燥路面を1万キロ走行後に、側方ブロックの摩耗量と中央ブロックの摩耗量との差を測定し、比較例1の前記摩耗量の差を100とした指数で示している。当該指数は、数値が大きいほどセンター摩耗が少なく良好な結果であることを示している。
(氷上性能および雪上性能の評価:使用初期)
氷上性能は、新品タイヤを装着した車両にて氷板路面上を時速20km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表1に示す。表1中の評価は、比較例1の結果を100として指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上性能が良好であることを示す。雪上性能は、新品タイヤを装着した車両を、プロのテストドライバーが雪上を運転し、比較例1を100として指数表示した。なお、この数値は高い程、操縦安定性に優れることを示している。
(氷上性能および雪上性能の評価:摩耗後)
トレッド部が約3mm摩耗して、実施例1〜3については各ブロックの外側サイプが消失した状態で、同様に氷上性能および雪上性能を測定した。使用初期と同様の指数表示で、結果を表1に示す。
Figure 0005855932
表1から明らかなように、実施例1〜3はセンター摩耗を十分に抑制しつつ、使用初期には高い氷雪上性能を得ることができ、摩耗後においても比較的高い氷雪上性能を得ることができ、これらの特性がバランス良く満たされていた。しかし、比較例1〜3については、これらの特性のいずれかが劣っていた。
本発明によれば、トレッド部がある程度摩耗した後も良好な氷雪上性能を維持しつつ、かつ、センター摩耗を抑制することが可能な空気入りタイヤを提供することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
11a,11b タイヤ赤道に近い周方向溝
12a,12b トレッド端に近い周方向溝
21 幅方向溝
22a,22b 幅方向溝
23a,23b 幅方向溝
31 中央ブロック
32a,32b 側方ブロック
33a,33b 中間ブロック
41 中央ブロック列
42a,42b 側方ブロック列
51,52 中央ブロックの外側サイプ
53〜55 中央ブロックの内側サイプ
61,62 側方ブロックの外側サイプ
63〜65 側方ブロックの内側サイプ

Claims (4)

  1. トレッド部に、
    タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも2本の周方向溝と、タイヤ幅方向に沿って延びる複数本の幅方向溝とを配設して、前記少なくとも2本の周方向溝のうち、タイヤ赤道に近い方から2本の周方向溝間に複数個の中央ブロックからなる中央ブロック列と、トレッド端と該トレッド端に最も近い周方向溝との間に複数個の側方ブロックからなる側方ブロック列とをそれぞれ区画形成し、
    前記複数個のブロックの各々に、タイヤ幅方向に延びる3本以上のサイプを配設してなる空気入りタイヤであって、
    各ブロックに配設した前記3本以上のサイプは、タイヤ周方向最外側に位置する2本の外側サイプと、該外側サイプ以外の内側サイプとで構成され、前記各ブロックにおいて、前記2本の外側サイプの深さが、いずれの内側サイプの深さよりも浅く、
    前記中央ブロックにおける前記2本の外側サイプの深さがいずれも、前記側方ブロックにおける前記2本の外側サイプの深さよりも深く、
    前記側方ブロックにおける、内側サイプの少なくとも1本の深さが、前記中央ブロックにおける、内側サイプのいずれかの深さと等しい
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記中央ブロックには複数本の内側サイプが形成され、該中央ブロックにおける内側サイプの深さが全て等しい請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記側方ブロックには複数本の内側サイプが形成され、該内側サイプの少なくとも1本の深さが、前記中央ブロックにおける内側サイプのいずれの深さよりも浅い請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記複数個のブロックの各々に配設されるサイプは、タイヤ幅方向位置により深さが変化するサイプである請求項1乃至のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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