JP4377649B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、氷雪路での走行性能を悪化させることなく偏摩耗の発生を抑制しうる空気入りタイヤに関する。
スタッドレスタイヤなどの空気入りタイヤでは、例えば図9に示すように、トレッド部に設けられたブロックaに、略タイヤ幅方向にのびるサイピングbが設けられる。一つのブロックaの中には複数本のサイピングbが含まれ、これらはタイヤ周方向に隔設される。これにより、ブロックaは、サイピングbによって複数個のブロック小片cに区分される。このようなブロックaは、サイピングbのエッジ効果により氷雪路でのグリップ力を確保している。
しかしながら、このようなサイピングbは、図10に示すように、タイヤの走行時における駆動、制動時に路面から大きなせん断力fを受けると、サイピングcが大きく開き、ブロック小片cの倒れ込み量が大きくなる。とりわけタイヤ周方向の両端部に位置するブロック小片cは、接地面から蹴り出される際に大きく変形するための大きな摩耗エネルギーを受ける。これにより、ブロックaは、タイヤ周方向の前縁又は後縁が早期に摩耗するヒールアンドトウ摩耗が発生しやすい。
また上述のような大きなサイピングの開きを防止するために、両端をブロック内で終端させたいわゆるクローズドタイプのサイピングも提案されている。
しかしながら、制動時など非常に大きなせん断力fがブロックに作用する場合には、上述のクローズドサイピングにおいても、図11に接地形状を示すように、サイピングbが三日月状に大きく開口し、ハッチングにて示したサイピング周辺部に偏摩耗が生じる傾向がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、トレッド部に設けられた少なくとも一つのブロックに、ほぼタイヤ幅方向にのびかつ溝深さが変化する溝底変化サイピングを含むサイピングをタイヤ周方向に隔設し、かつ溝底変化サイピングは、該サイピングに沿った溝深さ形状において略T字状に形成されるとともに、タイヤ周方向の端部側に深さを小とした第1の溝底変化サイピングを、この第1の溝底変化サイピングの間に深さが大きい第2の溝底変化サイピングをそれぞれ設けることを基本として、氷雪路での走行性能を悪化させることなく偏摩耗の発生を抑制しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
なおサイピングの深さをタイヤ周方向の端部と中間部とで違えた技術として、下記特許文献1が提案されてはいるが、本発明の溝底変化サイピングとは溝深さ形状が基本的に異なるものである。
特開平9−76711号公報
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部にブロックを有する空気入りタイヤであって、少なくとも一つの前記ブロックは、ほぼタイヤ幅方向にのびかつ溝深さが変化する溝底変化サイピングを含むサイピングがタイヤ周方向に隔設されてなり、かつ前記溝底変化サイピングは、該サイピングに沿った溝深さ形状において、溝底変化サイピングの略中間部分で一定の深さを有する中間部と、該中間部の両側に設けられかつ前記中間部よりも小さい深さをなす両側の側縁部とを有する略T字状をなすとともに、前記ブロックは、タイヤ周方向の両端部に、前記中間部の深さを小とした第1の溝底変化サイピングが設けられるとともに、前記第1の溝底変化サイピングの間に、前記中間部の深さが前記第1の溝底変化サイピングよりも大きい第2の溝底変化サイピングが少なくとも1本設けられ、しかも前記第1の溝底変化サイピングと前記第2の溝底変化サイピングとは、前記側縁部の深さが同一であることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記両側の側縁部は、各々タイヤ幅方向の長さがサイピング全長さAの15〜30%かつ深さがブロックの最大高さBの15〜30%であり、しかも前記第1の溝底変化サイピングは、中間部の深さc1が前記第2の溝底変化サイピングの中間部の深さc2の50〜75%であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記溝底変化サイピングは、一つのブロック内において、3〜6本設けられる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記第2の溝底変化サイピングは、中間部のタイヤ幅方向の長さが、前記第1の溝底変化サイピングの中間部の長さよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
請求項1記載の発明では、溝底変化サイピングが、該サイピングに沿った溝深さ形状において、溝底変化サイピングの略中間部分で一定の深さを有する中間部と、該中間部の両側に設けられかつ前記中間部よりも小さい深さを有する両側の側縁部とを有する略T字状をなす。このような溝底変化サイピングは、深さの小さい両側の側縁部でサイピングの過度の開きを抑制しうるとともに、深さの大きい中間部ではサイピングの開き量を確保して高いエッジ性能を発揮しうる。
またブロックには、タイヤ周方向の両端部に、中間部の深さを小とした第1の溝底変化サイピングが設けられ、これら第1の溝底変化サイピングの間に、中間部の深さが第1の溝底変化サイピングよりも大きい第2の溝底変化サイピングが少なくとも1本設けられる。これにより、ブロックのタイヤ周方向両端部での剛性を高め偏摩耗の発生を抑制しうるとともに、ブロックのタイヤ周方向の中央部分では剛性を相対的に低下させ、氷雪路でのエッジを効果的に路面に追従させ得る。このように本発明の空気入りタイヤでは、走行性能を悪化させずに偏摩耗の発生を抑制しうる。
また請求項2記載の発明のように、両側の側縁部各々のタイヤ幅方向の長さ及び深さを規制するとともに、第1の溝底変化サイピングの中間部の深さを第2の溝底変化サイピングの中間部の深さに関連づけて規制したときには、よりバランス良く氷雪路での走行性能と耐偏摩耗性能とを向上しうる。
また、第1の溝底変化サイピングと第2の溝底変化サイピングとにおいて、側縁部の深さを同一としたときには、特に剛性が小となるブロックのタイヤ軸方向両側の側縁部においてサイピングの開きを確実に抑制し偏摩耗のみならずブロックの欠け等を防止するのに役立つ。
また請求項4記載の発明のように、第2の溝底変化サイピングは、中間部のタイヤ幅方向の長さが、前記第1の溝底変化サイピングの中間部の長さよりも大きいときには、ブロックの中間部において深さが大の中間部をより広く確保でき、エッジ効果をさらに有効に発揮させて氷雪路での走行性能の向上をさらに高めることができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図を示す。この実施形態では乗用車用のスタッドレスタイヤのものが例示される。空気入りタイヤ(全体不図示)は、例えばラジアルタイヤであって、そのトレッド部2に、タイヤ周方向にのびる複数本の縦主溝3と、この縦主溝3と交わる向きにのびる横溝4とが設けられる。これによりトレッド部2には、縦主溝3と横溝4(又は縦主溝3と横溝4とトレッド縁E)とで囲まれる縦長矩形状のブロック5が複数個区分される。
縦主溝3及び横溝4は、排水ないし排雪性能を向上するために、いずれも溝幅が3.5mm以上で形成されることが望ましい。本実施形態の縦主溝3及び横溝4はいずれも直線状でタイヤ周方向及びタイヤ軸方向にのびるものを示すが、曲線状、波状及び/又はジグザグ状など種々の形状で実施できる。同様に、本実施形態のトレッドパターンは、全てがブロック5から構成されたブロックパターンを例示するが、これに限定されるものではなくリブ列などを含む各種のパターンにも適用できる。
少なくとも一つのブロック5には、ほぼタイヤ幅方向にのびるサイピング6が設けられる。「ほぼタイヤ幅方向」とは、少なくともタイヤ幅方向に対して±20°の範囲を包含する。本実施形態では、全てのブロック5にサイピング6を設けた好ましい態様を示す。サイピング6は、溝幅が小さい切り込み状で形成される。サイピング7の溝幅は特に限定はされない。ただし、サイピング7の溝幅が大きすぎるとブロック5の剛性が過度に低下する傾向があり、逆に小さすぎても加工が困難となり生産性を悪化させる。このような観点より、サイピング7の溝幅は、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは0.3〜1.0mmとするのが望ましい。
またサイピング6は、溝深さが変化する溝底変化サイピング7を含む。本実施形態では各ブロック5に設けられたサイピング6は、いずれもこの溝底変化サイピング7として形成されたものが例示される。なお「溝深さが変化するサイピング」とは、1本のサイピングに、溝深さが異なる部分が含まれることを意味している。
図2にはブロック5の部分斜視図を示し、また図3(A)、(B)にはサイピングに沿った溝深さ形状(サイピングに沿った断面形状)の正面図をそれぞれ示している。溝底変化サイピング7は、前記溝深さ形状において、そのタイヤ幅方向の略中間部分で一定の深さを有する中間部8と、該中間部8の両側に設けられかつ前記中間部8よりも小さい一定の深さを有する両側の側縁部9、9とを有する正面視で略T字状で形成されている。また本例では、各側縁部9は、いずれもブロック側面5a、5aに開口している。
前記サイピング7で区分されたブロック小片10は、ブロック側面5a、5aに近い端部分ほど剛性が小さく、駆動、制動時の開きや変形量が大きくなりやすい。サイピング7の溝深さ形状を略T字状とした場合、深さの小さい側縁部9、9によってブロック小片10のタイヤ幅方向の端部分の剛性低下が防止できる、これにより、ブロック小片10の過度の開きや倒れ込み等を防止し、ひいては偏摩耗の抑制に役立つ。他方、剛性の大きいブロック小片10のタイヤ幅方向の中間部分ではサイピング7の中間部8の深さを相対的に大としているため、サイピング7を過度とならない範囲で開かせてエッジ効果を高めることができる。なお溝底変化サイピング7の中間部8の開きは、前記側縁部9,9によって適切に規制される。
さらに溝底変化サイピング7は、図3(A)に示したように、中間部8の深さc1を相対的に小とした第1の溝底変化サイピング7Aと、図3(B)に示したように、中間部8の深さc2を相対的に大とした第2の溝底変化サイピング7Bとが含まれる。そしてブロック5には、そのタイヤ周方向の両端部に第1の溝底変化サイピング7A、7Aが設けられるとともに、この第1の溝底変化サイピング7A、7Aの間に、前記第2の溝底変化サイピングが少なくとも1本設けられる。好ましくは、第1の溝底変化サイピング7A、7Aの間を全て第2の溝底変化サイピング7Bとするのが望ましい。
ブロック5のタイヤ周方向の両端部に設けられた第1の溝底変化サイピング7Aは、前記略T字状の溝深さ形状に加え、中間部8の深さc1を相対的に小としている。タイヤ周方向の両端部のブロック小片10a及び10bは、前述した如くタイヤ周方向の中央部のブロック小片10cに比べると、走行時により大きく倒れ込むため摩耗エネルギーも大となり、ひいては偏摩耗が顕著となる傾向があるが、本実施形態ではブロックの周方向の両端部に前記第1の溝底変化サイピング7Aを設け、その走行時の開きを小としてブロック小片10a、10bの倒れ込み量を規制できる。従って、タイヤ周方向両端部のブロック小片10a、10bの摩耗を抑制するのに役立つ。
他方、ブロック5のタイヤ周方向の中央部に設けられることとなる第2の溝底変化サイピング7Bは、図3(B)に示したように、中間部8の深さc2を相対的に大としているため、該ブロック5のタイヤ周方向の中央部の剛性を相対的に低下させ、サイピングの開きを相対的に大としてそのエッジを氷雪路面に効果的に追従させ得る。このように本発明の空気入りタイヤでは、氷雪路での走行性能を悪化させずに偏摩耗の発生を抑制しうる。
前記第1、第2の溝底変化サイピング7A、7Bにおいて、両側の側縁部9、9は、各々タイヤ幅方向の長さa1又はa2がサイピング全長さAの15〜30%かつ深さb1又はb2がブロック5の最大高さBの15〜30%であることが望ましい。なお本例ではサイピング全長さAがブロック幅と等しく設定されている。
側縁部9の長さa1又はa2が、サイピング全長さAの15%未満であると、該側縁部9においてサイピング7の大きな開きを抑制する効果が不足しやすくなり、逆に30%を超えると、中間部8の占める長さが小となり、サイピングのエッジを効果的に路面へ追随させることが困難となる。特に好ましくは、側縁部9の長さa1又はa2はブロック幅Aの18〜25%、より好ましくは18〜22%とすることが望ましい。本実施形態では、第1及び第2の溝底変化サイピング7A、7Bにおいて、側縁部9の長さa1、a2はいずれも等しく設定されたものが例示される。また中間部8のタイヤ幅方向の長さは、前記サイピング長さAから2×a1又は2×a2を差し引いた長さになる。
また側縁部9の深さb1又はb2がブロック5の最大高さBの15%未満であると、サイピング7の開き量が著しく小となり氷雪路での性能が低下する傾向があり、逆に30%を超えるとサイピング7の大きな開きを抑制する効果が不足しやすくかつ偏摩耗も生じやすくなる。特に好ましくは、側縁部9の深さb1又はb2はブロック高さBの15〜30%、より好ましくは15〜25%とすることが望ましい。本実施形態では、第1及び第2の溝底変化サイピング7A、7Bにおいて、側縁部9の深さb1、b2はいずれも等しく設定されたものが例示される。
また第1の溝底変化サイピング7Aは、その中間部8の深さc1が第2の溝底変化サイピング7Bの中間部8の深さc2の50〜75%、より好ましくは60〜70%であるのが望ましい。前記深さc1が深さc2の50%未満であると、例えば第1の溝底変化サイピング7Aの深さc1が小さくなり氷雪路での性能悪化が生じやすくなる他、一つのブロック5の中で第1ないし第2の溝底変化サイピング7A、7Bの中間部8の深さの差が過度に大きくなってしまい耐偏摩耗性能についても不利となる。逆に前記深さc1が深さc2の75%を超えると、ブロック5のタイヤ周方向の両端部において偏摩耗を抑制する効果が低下しやすくなる。なお第2の溝底変化サイピングの深さc2は、好ましくは前記ブロック5の最大高さBの60〜90%、より好ましくは70〜80%とするのが望ましいものである。
なおサイピング7の隔設ピッチなどは適宜設定することができるが、好ましくは一つのブロック内において3ないし6本程度溝底変化サイピング7を設けるのが好ましい。
図4には本発明の他の実施形態を示す。
この形態では、第2の溝底変化サイピング7Bは、その中間部8のタイヤ幅方向の長さd2が、第1の溝底変化サイピング7Aの中間部8の長さd1よりも大で形成される(これにより、第2の溝底変化サイピング7Bの側縁部9のタイヤ幅方向の長さa2は第1の溝底変化サイピング7Aの側縁部9の長さa1よりも小で形成される。)。他の構成は上記実施形態と同一である。この態様では、ブロック5のタイヤ周方向の中央部分において第2の溝底変化サイピングにおいて深さが大きい中間部9をより広く確保でき、エッジ効果をさらに有効に発揮させて氷雪路での走行性能をさらに高めるの役立つ。なおこの場合、前記第2の溝底変化サイピング7Bの中間部の長さd2は、側縁部9の長さa2が前記好ましい範囲内に収まるように定められるが、特に望ましくは第1の溝底変化サイピング7Aの中間部の長さd1の80〜120%とすることが望ましい。
図5には、参考例の実施形態を示している。
この形態では、第2の溝底変化サイピング7Bは、その側縁部9の深さb2が、第1の溝底変化サイピング7Aの側縁部9の深さb1よりも大で形成される。他の構成は図2の実施形態と同一である。なおこの実施形態では、第1及び第2の溝底変化サイピング7A、7Bにおいて側縁部9のタイヤ幅方向の長さa1、a2は同一に設定されたものが例示される。この態様では、ブロック5のタイヤ周方向の中央部分において、第2の溝底変化サイピング7Bの側縁部9をより深く形成でき、該ブロックのタイヤ周方向の中央部分でエッジ効果をさらに有効に発揮させ、氷雪路での走行性能をさらに向上させることができる。なおこの場合、前記第2の溝底変化サイピング7Bの側縁部9の深さb2は、前記好ましい範囲内に収まるように定められるのが望ましい。
図6には、参考例の実施形態を示している。
この形態では、第2の溝底変化サイピング7Bは、中間部8のタイヤ幅方向の長さd2及び側縁部9の深さb2が、それぞれ第1の溝底変化サイピング7Aの中間部の長さd1及び側縁部9の深さb1よりも大で形成される。つまり、図4及び図5の構成をともに兼ね備えた態様としている。この実施形態においても、ブロック5のタイヤ周方向の中央部分において、サイピング7の過度の開きを抑制しつつも第2の溝底変化サイピング7Bの側縁部9をより深く確保でき、該ブロックのタイヤ周方向の中央部分でエッジ効果をさらに有効に発揮させ、氷雪路での走行性能を向上しうる。
図7には、本発明のさらに他の実施形態を示している。この実施形態では、サイピング7の中間部8がジグザグ状に屈曲するジグザグ状部分11を含むものが例示される。側縁部9はタイヤ幅方向にのびる直線状としている。この実施形態では、深さが大きく氷雪路において特に高いエッジ効果が発揮される中間部8をジグザグ状としたことにより、エッジ長さをより効果的に増し、より一層、氷雪路での走行性を高めることができる。なおジグザグ状には、エッジを有するジグザグの他、正弦波状のように滑らかな波形状も含む概念である。また側縁部9についても勿論ジグザグ状に変形させることもできる。
以上本発明の実施形態について説明したが本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではない。例えば、第2の溝底変化サイピング7Bにおいては、図8に示すように中間部8の深さを違えた2種以上を設けることができる。
図1に示すブロックパターンを有するとともにサイピングの仕様を表1に基づき形成した空気入りタイヤ(乗用車用スタッドレスタイヤ:サイズ195/65R15)について、耐偏摩耗性能、制動能力及び操縦安定性についてテストを行った。サイピングの溝幅は1.0mmに統一し、いずれのブロックについてもサイピング本数を5本とした。なお比較例1及び2では、溝底変化サイピングは溝深さ形状が略T字状をなすものであるが、いずれも一つのブロック内で同じ溝深さ形状とされている。
テスト方法は次の通りである。
<耐偏摩耗性能>
各試供タイヤを排気量2000ccの後輪駆動車の全輪に装着し、テストコースを2000km走行し、ブロックのヒール&トウ摩耗量を測定した。なお測定はタイヤ周上均等に4カ所で行いその平均値で示している。数値が小さいほどヒールアンドトウ摩耗が少なく良好であることを示す。
<制動能力>
各供試タイヤを排気量2000ccの後輪駆動車の全輪に装着し、乾燥舗装路で約100kmのならし走行を行った後、雪路、氷路それぞれにおいて制動テストを行った。制動テストは、試験路面上を30km/hの速度で走行させ、4輪をロックさせた急ブレーキをかけ、車が停止するまでの制動距離を各タイヤ毎3回づつ測定しその平均値を計算した。評価は、比較例1の制動距離の平均値を100とする指数で表示している。数値が大きいほど、制動距離が短く性能が優れていることを示す。
Figure 0004377649
テストの結果より、本発明の空気入りタイヤは、氷路及び雪路での制動性能を悪化させることなく摩耗性能を高めていることが確認できる。
本発明の実施形態を示すトレッドパターンの平面図である。 本発明の実施形態を示すブロックの部分斜視図である。 (A)は第1の溝底変化サイピングの溝深さ形状図、(B)は第2の溝底変化サイピングの溝深さ形状図である。 本発明の他の実施形態ブロックの部分斜視図である。 参考例の実施形態ブロックの部分斜視図である。 参考例の実施形態ブロックの部分斜視図である。 本発明の他の実施形態を示すブロックの部分斜視図である。 本発明の他の実施形態を示すブロックの部分斜視図である。 従来のブロックの斜視図である。 その走行時の変形状態を示す側面図である。 ブロックのサイピングの開口状態を示す接地面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 縦主溝
4 横溝
5 ブロック
6 サイピング
7 溝底変化サイピング
7A 第1の溝底変化サイピング
7B 第2の溝底変化サイピング
8 中間部
9 側縁部
10 ブロック小片
A ブロック幅
B ブロックの最大高さ
a1 第1の溝底変化サイピングの側縁部の長さ
a2 第2の溝底変化サイピングの側縁部の長さ
b1 第1の溝底変化サイピングの側縁部の深さ
b2 第2の溝底変化サイピングの側縁部の深さ
c1 第1の溝底変化サイピングの中間部の深さ
c2 第2の溝底変化サイピングの中間部の深さ
d1 第1の溝底変化サイピングの中間部の長さ
d2 第2の溝底変化サイピングの中間部の長さ

Claims (4)

  1. トレッド部にブロックを有する空気入りタイヤであって、少なくとも一つの前記ブロックは、ほぼタイヤ幅方向にのびかつ溝深さが変化する溝底変化サイピングを含むサイピングがタイヤ周方向に隔設されてなり、
    かつ前記溝底変化サイピングは、該サイピングに沿った溝深さ形状において、溝底変化サイピングの略中間部分で一定の深さを有する中間部と、
    該中間部の両側に設けられかつ前記中間部よりも小さい深さをなす両側の側縁部とを有する略T字状をなすとともに、
    前記ブロックは、タイヤ周方向の両端部に、前記中間部の深さを小とした第1の溝底変化サイピングが設けられるとともに、
    前記第1の溝底変化サイピングの間に、前記中間部の深さが前記第1の溝底変化サイピングよりも大きい第2の溝底変化サイピングが少なくとも1本設けられ、しかも
    前記第1の溝底変化サイピングと前記第2の溝底変化サイピングとは、前記側縁部の深さが同一であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記両側の側縁部は、各々タイヤ幅方向の長さがサイピング全長さAの15〜30%かつ深さがブロックの最大高さBの15〜30%であり、
    しかも前記第1の溝底変化サイピングは、中間部の深さが前記第2の溝底変化サイピングの中間部の深さの50〜75%であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記溝底変化サイピングは、一つのブロック内において、3〜6本設けられる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第2の溝底変化サイピングは、中間部のタイヤ幅方向の長さが、前記第1の溝底変化サイピングの中間部の長さよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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