JP5098485B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの耐偏摩耗性能を維持しつつタイヤの耐ティア性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
リブパターンを有する空気入りタイヤでは、リバーウェア摩耗などの偏摩耗を抑制するために、陸部(リブ)のエッジ部に細かいサイプ群(マルチサイプ)が設けられる。このサイプ群は、陸部のエッジ部に沿って2[mm]〜15[mm]程度のピッチで設けられる。かかる構成では、サイプ群により陸部の剛性が低減されるので、タイヤ接地時における陸部のエッジ面圧が減少する。これにより、偏摩耗の発生が抑制されてタイヤの耐偏摩耗性能が向上する。
なお、このようなマルチサイプを有する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2001−55013号公報
しかしながら、上記の構成では、サイプの配置間隔が狭いため、サイプを起点としたティア(サイプもげ)が発生し易い。
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、タイヤの耐偏摩耗性能を維持しつつタイヤの耐ティア性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、リブ列あるいはブロック列から成る複数の陸部と、前記陸部のエッジ部に沿って配列される複数のサイプとを有する空気入りタイヤであって、隣り合う一対の前記サイプのうちの一方のサイプのエッジ部が当該サイプによる前記陸部の断面視にて波型形状あるいはジグザグ形状を有すると共に、他方のサイプのエッジ部が当該サイプによる前記陸部の断面視にて直線形状を有することにより、前記陸部の摩耗進行時にて、前記陸部の踏面に現れる一方の前記サイプのエッジ部と他方の前記サイプのエッジ部との位置関係が変化することを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、隣り合う一対のサイプのうち少なくとも一方のサイプのエッジ部がサイプによる陸部の断面視にて波型形状あるいはジグザグ形状を有するので、陸部の摩耗進行時にて、隣り合うサイプのエッジ部を結ぶ直線の傾斜角が変化する(一方向に固定されない)。これにより、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が抑制されるので、タイヤの耐ティア性能が向上する利点がある。また、かかる構成では、サイプによるタイヤの耐偏摩耗性能が適正に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記サイプのエッジ部の波型形状あるいはジグザグ形状の振幅が1[mm]以上6[mm]以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、サイプのエッジ部の振幅が適正化されるので、タイヤの耐ティア性能および耐偏摩耗性能が適正に確保される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝により区画されて成るリブ状の前記陸部とを有すると共に、トレッド部が当該陸部を基調とするリブパターンを有する構成において、タイヤ幅方向の最も外側にある前記周方向主溝の溝壁に、前記サイプが配置される。
タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝の溝壁では、ティアやリバーウェア摩耗が発生し易い。したがって、かかる陸部に上記のサイプが配置されることにより、ティアの低減効果がより顕著に得られる利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、重荷重用ラジアルタイヤに適用される。
重荷重用ラジアルタイヤでは、大きな荷重が負荷されるため、ティアが発生し易い。したがって、かかる空気入りタイヤを適用対象とすることにより、上記のサイプによるティアの低減効果がより顕著に得られる利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、隣り合う一対のサイプのうち少なくとも一方のサイプのエッジ部がサイプによる陸部の断面視にて波型形状あるいはジグザグ形状を有するので、陸部の摩耗進行時にて、隣り合うサイプのエッジ部を結ぶ直線の傾斜角が変化する(一方向に固定されない)。これにより、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が抑制されるので、タイヤの耐ティア性能が向上する利点がある。また、かかる構成では、サイプによるタイヤの耐偏摩耗性能が適正に維持される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。図2〜図5は、図1に記載した空気入りタイヤのサイプを示す断面図(図2)および作用説明図(図3〜図6)である。図7〜図17は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。図18は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
[空気入りタイヤ]
この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22により区画されて成る複数の陸部31〜33とをトレッド部に有する(図1参照)。複数の陸部31〜33は、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝22を境界として、タイヤ幅方向内側のセンター陸部31、32と、タイヤ幅方向外側のショルダー陸部33とに区画される。
例えば、この実施例では、4本の周方向主溝21、22が形成されており、また、これらの周方向主溝21、22によりリブ状かつ5本の陸部(センターリブ31、32およびショルダーリブ33)が区画されている。トレッド部には、これらの陸部31〜33により、リブ列を基調としたトレッドパターンが形成されている。
[マルチサイプ]
また、この空気入りタイヤ1では、少なくとも一つの陸部33に、細かいサイプ群(マルチサイプ)4が形成される(図1および図2参照)。このサイプ群4は、複数種類のサイプ41、42から成り、陸部33のエッジ部に沿って配列される。また、これらのサイプ41、42では、その一方の端部が周方向主溝22に開口しており、他方の端部が陸部33内に位置している。この実施例では、サイプ41、42の両端部のうち陸部33内にある側の端部(クローズド側の端部)を、サイプ41、42のエッジ部と呼ぶ。
ここで、この空気入りタイヤ1では、隣り合う一対のサイプ41、42のうちの少なくとも一方のサイプ41(42)のエッジ部が、このサイプ41(42)による陸部33の断面視にて波型形状あるいはジグザグ形状を有する(図3および図4参照)。すなわち、隣り合う一対のサイプ41、42のうちの少なくとも一方のサイプ41(42)のエッジ部が、このサイプ41(42)による陸部33の断面視にて、サイプ深さ方向に向かうに連れて波状あるいはジグザグ状に変位する。
例えば、この実施例では、5本あるリブ状の陸部31〜33のうちタイヤ左右のショルダーリブ33に対して、サイプ群4が形成されている(図1参照)。また、サイプ群4は、ショルダーリブ33の周方向主溝22側のエッジ部およびタイヤ幅方向外側のエッジ部にそれぞれ配置されている。また、サイプ群4は、ショルダーリブ33のエッジ部に沿って2[mm]〜15[mm]程度のピッチで配置されている。また、サイプ群4は、複数種類のサイプ41、42によって構成されている(図2参照)。また、これらのサイプ41、42は、トレッド部の平面視にて、略直線形状を有しており、陸部33のエッジ部に対して垂直方向に延在している。このため、隣り合うサイプ41、42が略平行に配置されている。
また、これらのサイプ41、42は、各サイプ41、42による陸部33の断面視にて、波型形状を有している(図3および図4参照)。具体的には、各サイプ41、42のエッジ部が陸部33の踏面からサイプ深さ方向に向かうに連れて正弦波状に変化するように、各サイプ41、42の断面形状が形成されている。このため、一方のサイプ41のエッジ部と他方のサイプ42のエッジ部との位置関係が、サイプ深さ方向に向かうに連れて変化している。また、隣り合う一対のサイプ41、42間では、各エッジ部の正弦波の波長λ、λおよび振幅A、Aが等しく設定されている(λ=λおよび振幅A=A)。また、一方のサイプ41におけるエッジ部の正弦波の位相と、他方のサイプ42におけるエッジ部の正弦波の位相とが、正弦波の半波長のλ分の位相差φを有する。なお、各サイプ41、42のエッジ部の中心線(正弦波の中心線)は、相互に略平行であり、また、周方向主溝22の溝壁に対しても略平行である。
上記の構成では、サイプ群4により陸部33の剛性が低減されるので、タイヤ接地時における陸部33のエッジ面圧が減少する。これにより、偏摩耗(特に、リバーウェア摩耗)の発生が抑制されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する。
また、発明者らの研究によれば、サイプを起点とするティアは、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂が陸部の踏面にて成長することにより発生する。
この点において、この空気入りタイヤ1では、陸部33の摩耗が進行するに連れて、陸部33の踏面に現れる一方のサイプ41のエッジ部と他方のサイプ42のエッジ部との位置関係が変化する(図4〜図6参照)。すなわち、各サイプ41、42のエッジ部が波型形状を有するので、陸部33の摩耗が進行するに連れて、サイプ41、42のエッジ部の位置が陸部33の踏面上をサイプ長さ方向に往復変位する(サイプ長さが変化する)。したがって、摩耗進行時には、トレッド踏面における隣り合うサイプ41、42のエッジ部を結ぶ直線の陸部端に平行な線に対する傾斜角θが変化する(一方向に固定されない)。これにより、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が抑制されるので、サイプ41、42を起点としたティアの発生が低減される。
なお、上記の隣り合うサイプ41、42には、(1)他のサイプ41、42よりも著しく短いあるいは著しく長いサイプ長さを有する補助サイプ、または、(2)エッジ部を有さないオープンサイプが含まれない。例えば、補助サイプのエッジ部とこれに隣り合うサイプ41(42)のエッジ部とが離れ過ぎている場合には、偏摩耗抑制効果が得られ難いためである。
[効果]
この空気入りタイヤ1では、隣り合う一対のサイプ41、42のうち少なくとも一方のサイプ41(42)のエッジ部がサイプ41(42)による陸部33の断面視にて波型形状あるいはジグザグ形状を有するので、陸部33の摩耗進行時にて、隣り合うサイプ41、42のエッジ部を結ぶ直線の傾斜角が変化する(一方向に固定されない)。これにより、隣り合うサイプ41、42のエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が抑制されるので、タイヤの耐ティア性能が向上する利点がある。また、かかる構成では、サイプ41、42によるタイヤの耐偏摩耗性能が適正に維持される利点がある。
また、かかる構成では、サイプ41(42)のエッジ部が波型形状あるいはジグザグ形状を有するので、サイプのエッジ部が直線形状を有する構成と比較して、陸部33の強度が高められる。これにより、陸部の偏摩耗が適正に維持される利点がある。
[サイプ形状の具体例1]
なお、この空気入りタイヤでは、隣り合う一対のサイプ41、42のエッジ部が各サイプによる陸部33の断面視にてそれぞれ波型形状あるいはジグザグ形状を有することが好ましい(図3および図4参照)。かかる構成では、隣り合う一対のサイプ41、42の双方が波型形状あるいはジグザグ形状のエッジ部を有するので、各摩耗段階における各エッジ部の位置関係の調整が容易となる。これにより、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が効率的に抑制されるので、タイヤの耐ティア性能が効果的に向上する利点がある。
ここで、一方のサイプ41のエッジ部が波長λおよび振幅Aの波型形状あるいはジグザグ形状を有し、また、他方のサイプ42が波長λおよび振幅Aの波型形状あるいはジグザグ形状を有するとする。また、各サイプ41、42のエッジ部が位相差φを有するとする。
このとき、上記の構成では、隣り合う一対のサイプ41、42のエッジ部の波型形状あるいはジグザグ形状が、同一の波長(λ=λ)を有すると共にこの波長の半分の位相差(φ=λ/2)を有することが好ましい(図3および図4参照)。すなわち、各サイプ41、42のエッジ部が同一波長を有すると共に位相を反転させて配置される。かかる構成では、摩耗が進行するに連れて、一方のサイプ41のエッジ部と他方のサイプ42のエッジ部とが陸部33の踏面上にて異なる方向に移動する(図6参照)。したがって、各サイプのエッジ部が陸部の踏面上にて同一方向に移動する構成と比較して、隣り合うサイプ41、42のエッジ部を結ぶ直線の傾斜角の変化が大きい。これにより、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が効果的に抑制されるので、タイヤの耐ティア性能が効果的に向上する利点がある。
また、上記に限らず、隣り合う一対のサイプ41、42のエッジ部の波型形状あるいはジグザグ形状が、略同一の波長(λ=λ)を有すると共にこの波長の1/4以上3/4以下の位相差(λ/4≦φ≦3λ/4)を有すれば良い(図7参照)。かかる構成としても、陸部33の摩耗進行時にて、隣り合うサイプ41、42のエッジ部を結ぶ直線の傾斜角が変化する。これにより、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が抑制されて、タイヤの耐ティア性能が向上する利点がある。
[サイプ形状の具体例2]
また、この空気入りタイヤ1では、隣り合う一対のサイプ41、42のうちの一方のサイプ41のエッジ部が、このサイプによる陸部33の断面視にて波型形状あるいはジグザグ形状を有し、且つ、他方のサイプ42のエッジ部が、このサイプ42による陸部33の断面視にて直線形状を有することが好ましい(図8参照)。かかる構成では、陸部33の摩耗進行時にて、隣り合うサイプ41、42のエッジ部を結ぶ直線の傾斜角が変化する。これにより、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が抑制されて、タイヤの耐ティア性能が向上する利点がある。
[サイプ形状の具体例3]
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ41(42)のエッジ部がサイプ(42)による陸部33の断面視にて正弦波形状を有する(図3参照)。しかし、これに限らず、サイプ41(42)のエッジ部が直線と円弧とを継ぎ合わせて成るジグザグ形状を有しても良い(図9参照)。例えば、図9に示す構成では、サイプ41(42)のエッジ部が直線を基調とするジグザグ形状を有し、そのエッジ部の振幅が最大となる部分および最小となる部分が円弧により構成されている。
また、サイプ41(42)のエッジ部が直線のみから成るジグザグ形状を有しても良い(図10参照)。例えば、図10に示す構成では、サイプ41(42)のエッジ部が直線を基調とするジグザグ形状から成り、そのエッジ部の振幅が最大および最小となる部分が平坦な線分により構成されている。
また、サイプ41(42)のエッジ部は、複数の正弦波が合成されて構成されても良い(図11参照)。例えば、図11に示す構成では、長い波長の正弦波と短い波長の正弦波とが合成されて、エッジ部の波型形状が構成されている。また、一方のサイプ41のエッジ部を構成する短い波長と、他方のサイプ42のエッジ部を構成する短い波長とが、同一の波長および同一の振幅を有すると共に、その短い波長の1/2の位相差を有する。
また、サイプ41(42)のエッジ部は、長い波長にて緩やかに変化しても良いし(図3参照)、短い波長にて細かく変化しても良い(図12参照)。また、一方のサイプ41(42)のエッジ部と他方のサイプ42(41)のエッジ部とが相互に異なる波長にて変化しても良い(図13参照)。例えば、図13に示す構成では、一方のサイプ41のエッジ部が短い波長にて細かく変化し、他方のサイプ42のエッジ部が長い波長にて緩やかに変化している。例えば、図13に示す構成では、一方のサイプ41のエッジ部の波長λと、他方のサイプ42のエッジ部の波長λとが、λ<λの関係を有している。
また、一方のサイプ41のエッジ部が波状形状を有すると共に他方のサイプ42のエッジ部が直線形状を有する構成では、波状形状を有するサイプ41のエッジ部が長い波長にて緩やかに変化しても良いし(図8参照)、短い波長にて細かく変化しても良い(図14参照)。
また、隣り合う一対のサイプ41、42のエッジ部が同一の振幅(A=A)を有しても良いし(図3参照)、相互に異なる振幅(A>A)を有しても良い(図15参照)。また、双方のサイプ41、42のエッジ部が波型形状(図3参照)あるいはジグザグ形状(10参照)を有しても良いし、一方のサイプ41のエッジ部がジグザグ形状を有すると共に他方のサイプ42のエッジ部が波型形状を有しても良い(図16参照)。
また、隣り合う一対のサイプ41、42のエッジ部が種類の異なる波型形状を有しても良い(図17参照)。例えば、図17に示す構成では、一方のサイプ41のエッジ部が正弦波状の波状形状を有すると共に、他方のサイプ42のエッジ部が矩形波状の波型形状を有している。
上記のいずれの構成としても、隣り合うサイプのエッジ部を繋ぐ亀裂の成長が抑制されて、タイヤの耐ティア性能が向上する。
[付加的事項]
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ41(42)のエッジ部の波型形状あるいはジグザグ形状の振幅A(A)が1[mm]以上6[mm]以下の範囲内にあることが好ましい。かかる構成では、サイプ41(42)のエッジ部の振幅A(A)が適正化されるので、タイヤの耐ティア性能および耐偏摩耗性能が適正に確保される利点がある。例えば、エッジ部の振幅が1[mm]未満では、隣り合うサイプ41、42のエッジ部を結ぶ直線の傾斜角の変化が小さいため、タイヤの耐ティア性能が十分に得られない。また、エッジ部の振幅が6[mm]を越えると、振幅が大きすぎるため陸部の面圧が不均一となり、タイヤの耐偏摩耗性能が低下する。
[適用対象]
また、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22により区画されて成るリブ状の陸部31〜33とを有すると共に、トレッド部がこれらの陸部31〜33を基調とするリブパターンを有する構成では、特に、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝21の溝壁に、ティアやリバーウェア摩耗が発生し易い。したがって、かかる周方向主溝21の溝壁に上記のサイプ41、42が配置されることにより、ティアの低減効果がより顕著に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、重荷重用ラジアルタイヤを適用対象とすることが好ましい。かかる空気入りタイヤでは、大きな荷重が負荷されるため、ティアが発生し易い。したがって、かかる空気入りタイヤを適用対象とすることにより、上記のサイプ41、42によるティアの低減効果がより顕著に得られる利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)耐ティア性能および(2)耐偏摩耗性能に関する性能試験が行われた(図18参照)。この性能試験では、タイヤサイズ295/80R22.5の空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この空気入りタイヤにJATMA規定の最高内圧および最大荷重が負荷される。また、この空気入りタイヤが2−D4の試験車両の前輪に装着される。
(1)耐偏摩耗性能にかかる性能試験では、試験車両が所定のテストコースを80[km/h]にて6万[km]走行する。その後に、ショルダーリブに発生した偏摩耗量が測定されて、評価が行われる。評価は、従来例の空気入りタイヤを基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(2)耐ティア性能に関する性能試験では、試験車両がテストコース内に設けられた段差に対して一定角度で進入退出する。そして、進入退出が10回繰り返された後に、ショルダーリブに発生したティアの数が観察されて、評価が行われる。評価は、従来例の空気入りタイヤを基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
従来例の空気入りタイヤは、図1のリブ列を基調としたリブパターンを有する。またタイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝の両側に、エッジ部に沿って複数のサイプが形成されている。また、これらのサイプのエッジ部は、サイプによる陸部の断面視にて直線形状を有する。このため、従来例の空気入りタイヤでは、陸部の摩耗進行時にて、陸部の踏面に現れる一方のサイプのエッジ部と他方のサイプのエッジ部との位置関係(各サイプのエッジ部を結ぶ直線の傾斜角)が変化しない。
発明例1〜発明例5の空気入りタイヤ1は、従来例の空気入りタイヤと比較して、隣り合う一対のサイプ41、42のうち少なくとも一方のサイプ41(42)のエッジ部がサイプによる陸部33の断面視にて正弦波形状を有する点で相異する(図9参照)。このため、発明例1〜5の空気入りタイヤ1では、陸部33の摩耗進行時にて、陸部33の踏面に現れる一方のサイプ41のエッジ部と、他方のサイプ42のエッジ部との位置関係が変化する。
試験結果に示すように、発明例1〜発明例5では、タイヤの耐偏摩耗性が維持されつつタイヤの耐ティア性能が向上することが分かる(図18参照)。
以上のように、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤの耐偏摩耗性能を維持しつつタイヤの耐ティア性能を向上できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのサイプを示す断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのサイプを示す作用説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤのサイプを示す作用説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤのサイプを示す作用説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤのサイプを示す作用説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
21、22 周方向主溝
31、32 センター陸部
33 ショルダー陸部
4 サイプ群
41、42 サイプ

Claims (4)

  1. リブ列あるいはブロック列から成る複数の陸部と、前記陸部のエッジ部に沿って配列される複数のサイプとを有する空気入りタイヤであって、
    隣り合う一対の前記サイプのうちの一方のサイプのエッジ部が当該サイプによる前記陸部の断面視にて波型形状あるいはジグザグ形状を有すると共に、他方のサイプのエッジ部が当該サイプによる前記陸部の断面視にて直線形状を有することにより、前記陸部の摩耗進行時にて、前記陸部の踏面に現れる一方の前記サイプのエッジ部と他方の前記サイプのエッジ部との位置関係が変化することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記サイプのエッジ部の波型形状あるいはジグザグ形状の振幅が1[mm]以上6[mm]以下の範囲内にある請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝により区画されて成るリブ状の前記陸部とを有すると共に、トレッド部が当該陸部を基調とするリブパターンを有する構成において、
    タイヤ幅方向の最も外側にある前記周方向主溝の溝壁に、前記サイプが配置される請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 重荷重用ラジアルタイヤに適用される請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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