JP2011240750A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性や乾燥路面での操縦安定性等を損ねることなく、ウエット性能を向上し得る空気入りタイヤに関するものである。
【解決手段】トレッド踏面(1)に、4本以上の主溝(2a,2b)によって5条以上の陸部(3a〜3c)を区画し、ショルダ陸部(3c)及び中央陸部(3a)以外の少なくとも1条の陸部(3b)に、該陸部(3b)を横切って延びて、相互に隣接する一対の前記主溝(2a,2b)のそれぞれに開口する、幅方向溝(4b)及び/または幅方向サイプ(5b)を複数本設け、幅方向溝(4b)及び/または幅方向サイプ(5b)と交差する方向に延在して、一端が幅方向溝(4b)及び/または幅方向サイプ(5b)に開口し、他端が陸部(3b)内で終端する、周方向溝(6a)及び/または周方向サイプ(7a)を設けてなる空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は空気入りタイヤ、より詳細には、耐摩耗性能や乾燥路面での操縦安定性等を損ねることなく、ウエット性能を向上させた空気入りタイヤ、中でも、トラック・バス等の重荷重車両に用いて好適な空気入りタイヤに関するものである。
従来、車両が湿潤路面を走行する際のいわゆるウエット性能を向上させる手法としては、タイヤのトレッド部に、トレッド周方向に延びる複数本の主溝を設け、さらにこの主溝により区画された陸部に、トレッド幅方向に延びる複数本の幅方向溝やサイプ等を設けることによって、湿潤路面上でのタイヤの排水性を高めることが一般的である。
例えば、特許文献1には、「トレッド部に、トレッド周方向に直線状に延びる3本以上の主溝を設け、それらの主溝によって4条以上のリブを区画してなる空気入りタイヤにおいて、トレッド幅方向の最外側に位置するショルダリブの幅を、他のリブの幅の1.35倍以上1.6倍以下とするとともに、各リブに、トレッド幅方向に延びる浅い細溝および、細溝の溝底に位置するサイプを設け、それぞれのサイプの、リブ表面からの主溝深さの80%位置を越える部分の、トレッド幅方向長さの総和を、リブ幅の総和の0.2倍以上としてなる空気入りタイヤ。」が記載されており、この空気入りタイヤによれば、「新品時および摩耗末期のウエット性能をとも大きく向上させるとともに、偏摩耗の発生を有効に防止することができる。」とする。
ところで、近年では、タイヤのウエット性能に対する市場の要求がより高度化してきており、これがため、上記のような従来の空気入りタイヤのトレッド部の陸部に、さらに、トレッド周方向に延びる周方向浅溝や周方向サイプを設けることによって湿潤路面上でのタイヤの排水性を向上させる手法が提案されている。
しかし、上記の手法を採用する場合、周方向浅溝等を設けることによって、タイヤの幅方向からの入力に対する陸部の剛性が低下し、耐摩耗性能や乾燥路面での操縦安定性等の他の性能が低下してしまうことが問題となる。
また、近年の市場では、乾燥路面での操縦安定性の向上も同時に求められており、それ故に、従来の空気入りタイヤでは、高度な市場要求を満足し得る程度に、耐摩耗性能や乾燥路面での操縦安定性、及びウエット性能のそれぞれを高い次元で実現することは困難である。
そこで、上記手法の他、振り幅を持ったジグザグ状の幅方向溝をリブに設けることによって排水性の向上を図る手法もあるが、この手法のみでは、排水性の向上効果が不十分である。
特開2000−1688317号公報
そこで、本発明は、上記課題を解決し、高度な市場要求を満足し得る程度に耐摩耗性や、乾燥路面での操縦安定性を確保しながら、ウエット性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決する空気入りタイヤを提供すべく鋭意検討したところ、ウエット性能の向上のために、タイヤのトレッド部に周方向溝や周方向サイプを設けるにあたり、該周方向溝等の配置を工夫して設けることが効果的であるとの知見を得て、本発明を完成するに到った。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる3本以上の主溝によって4条以上の陸部を区画し、トレッド踏面の幅方向最外側に区画されるショルダ陸部及びトレッド踏面のタイヤ赤道上に区画される中央陸部以外の、少なくとも1条の陸部に、該陸部をタイヤ幅方向に横切って延びて、相互に隣接する一対の前記主溝のそれぞれに開口する、幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方を、トレッド周方向に間隔をおいて複数本設けた空気入りタイヤであって、
前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方と交差する方向に延在して、一端が前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方に開口し、他端が前記陸部内で終端する、周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方を設けてなることを特徴とするものである。
ここで、「幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方」を設けるとは、幅方向溝または幅方向サイプを各々単独で設けることの他、幅方向溝を設けて該幅方向溝の溝底に幅方向サイプを重ねて設けることを含むものである。
また、「周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方」を設けるとの記載も同様に、周方向溝または周方向サイプを各々単独で設けることの他、周方向溝を設けて該周方向溝の溝底に周方向サイプを重ねて設けることを含むものである。
また、これら幅方向溝、幅方向サイプ、周方向溝及び周方向サイプは、直線状のもののみに限られず、ジグザグ状等に屈曲させることが可能である。
尚、「サイプ」とは、前記陸部に与えられる切込みであって、タイヤをJATTMA規格に定められる標準リムに取り付け、適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する内圧(以下、「標準内圧」という)を充填し、同最大負荷能力に対応する荷重を負荷した状態での該タイヤの接地面内で、開口が閉止される程度の狭幅の切り込みのことを言うものとする。
また、「トレッド踏面の最外側に区画されるショルダ陸部」とは、トレッド踏面のタイヤ幅方向端部に面する2つの陸部のことを言い、「トレッド踏面の中央域に区画される中央陸部」とは、タイヤの赤道面から最も近い陸部のことを言い、タイヤの赤道面と前記主溝とが重なる場合は、タイヤの赤道面の左右両側に存在する2つの陸部を言うものとする。
請求項1に記載したところにおいて、より好ましくは、前記中央陸部に、一端が前記主溝に開口し、他端が該陸部内で終端する、幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方を設ける。
請求項1または2に記載したところにおいて、より好ましくは、前記幅方向溝を前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成する。
請求項1〜3のいずれかに記載したところにおいて、より好ましくは、前記周方向溝を前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成する。
請求項1〜4のいずれかに記載したところにおいて、より好ましくは、前記幅方向溝の溝底に前記幅方向サイプを設ける。
請求項1〜5のいずれかに記載したところにおいて、より好ましくは、前記周方向溝の溝底に前記周方向サイプを設ける。
請求項1〜6のいずれかに記載したところにおいて、より好ましくは、前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方のタイヤ周方向長さを、該周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方をタイヤ周方向に挟んで隣接する2本の、前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方の、周方向配設ピッチの30〜75%の範囲とする。
ここで、「周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方のタイヤ周方向長さ」とは、周方向溝及び/または周方向サイプが開口する前記幅方向溝と、当該周方向溝及び/または周方向サイプの幅方向中心線との交点から、当該周方向溝及び/または周方向サイプの終端までのタイヤ周方向距離を言う。
また、「周方向配設ピッチ」とは、タイヤ周方向に隣接する2本の前記幅方向溝及び/または幅方向サイプの各幅方向中心線のタイヤ周方向距離を言う。
請求項1〜7のいずれかに記載したところにおいて、より好ましくは、前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方を、トレッド周方向に隣接する2本の、前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方から、相互に接近する方向に延在させて各1本以上設ける。
請求項8に記載したところにおいて、より好ましくは、相互に接近する方向に延在させて各1本以上設けた、前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方の、陸部幅方向の相対間隔を、前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方を設けた前記陸部の平均幅の1/3以上としてなる。
ここで、「陸部幅の相対間隔」とは、2つの周方向溝及び/または周方向サイプの相互の終端位置での陸部幅方向の間隔のことを言う。
請求項1〜9のいずれかに記載したところにおいて、より好ましくは、前記ショルダ陸部に、前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成されてトレッド周方向に連続して延びる周方向連続溝を設ける。
請求項1〜10のいずれかに記載したところにおいて、より好ましくは、少なくとも1本の主溝の溝底に、前記陸部よりも高さの低い石噛み防止突起を突設させる。
本発明の空気入りタイヤでは、トレッド踏面の、ショルダ陸部及び中央陸部以外の少なくとも1条の陸部に設けた、周方向溝及び/または周方向サイプにより、湿潤路面走行時に、該周方向溝及び/または周方向サイプのエッジ成分によって、路面上の水膜をカットし、また、溝及びサイプそれ自体に排水性能を発揮させて、タイヤ接地面と路面との接触を良好とすることにより、車両に優れた操縦安定性をもたらすことができる。
またここでは、前記周方向溝及び/または周方向サイプは、その一端のみを幅方向溝及び/または幅方向サイプに開口させて、他端を陸部内で終端させており、周方向に隣接する2つの前記幅方向溝及び/または幅方向サイプ間に区画されるブロックを完全に分断しないため、該ブロックがタイヤ幅方向に連続した一連の接地領域を形成することになる。
これがため、タイヤの幅方向からの入力に対する該ブロックの剛性を、ブロックを前記周方向溝及び/または周方向サイプによって分断した場合よりも大きくすることができ、優れた耐摩耗性及び乾燥路面での操縦安定性を確保することができる。
これに対し、前記周方向溝及び/または周方向サイプが前記ブロックを分断する場合は、前記周方向溝及び/または周方向サイプにより分断された複数の接地領域の、相互のもたれ合いに基づく、分断部分相互の支持を実現できないことにより、各接地領域の剛性が確保されないので、耐摩耗性及び、乾燥路面での操縦安定性が損なわれるおそれがある。
即ち、本発明によれば、耐摩耗性能や乾燥路面での操縦安定性、及びウエット性能のそれぞれを高い次元で実現した空気入りタイヤを提供することが可能である。
また、本発明の空気入りタイヤにおいて、トレッド踏面の中央域に区画される中央陸部に、一端が、中央陸部を区画するいずれか一方の主溝に開口し、他端が該陸部内で終端する、幅方向溝及び/または幅方向サイプを設けた場合は、該中央陸部の剛性の低下を防止しながらタイヤの排水性を向上させることができる。
ここで、例えば中央陸部に、該陸部を横断する幅方向溝等を設けたときは、タイヤの周方向入力に対する陸部の剛性が低下するおそれがあり、また、中央陸部に周方向溝を設けた場合、タイヤの幅方向入力に対する陸部の剛性が低下するおそれがあるので、いずれにあっても、耐摩耗性や操縦安定性が低下することになる。
さらに、本発明の空気入りタイヤにおいて、前記幅方向溝を前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成した場合は、陸部の剛性低下をより効果的に抑制することができる。
加えて、本発明の空気入りタイヤにおいて、前記周方向溝を前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成したときは、上記と同様に陸部の剛性低下を効果的に抑制することができる。
さらにまた、本発明の空気入りタイヤにおいて、前記幅方向溝の溝底に前記幅方向サイプを設けたときは、前記幅方向溝が摩耗によって消失した場合であっても、前記幅方向サイプが車両制駆動時にエッジ成分として機能するため、タイヤの摩耗中期以降の優れた操縦安定性を確保することができる。
加えてまた、本発明の空気入りタイヤにおいて、前記周方向溝の溝底に前記周方向サイプを設けた場合は、前記周方向溝が摩耗によって消失した場合であっても、前記周方向サイプが車両コーナリング時等にエッジ成分として機能することができるので、上記したところと同様に、タイヤの摩耗中期以降の優れた操縦安定性を確保することができる。
また、本発明の空気入りタイヤにおいては、前記周方向溝及び/または周方向サイプのタイヤ周方向長さを、該周方向溝及び/または周方向サイプをタイヤ周方向に挟んで隣接する2本の前記幅方向溝及び/または幅方向サイプの周方向配設ピッチの30〜75%の範囲としたときは、それが30%以上であることにより、排水性の向上効果を十分に得ることができる。
一方それを75%以下に抑えることにより、さらに、当該ブロックの剛性を確保することができる。
さらに、本発明の空気入りタイヤにおいて、前記周方向溝及び/または周方向サイプを、トレッド周方向に隣接する2本の前記幅方向溝及び/または幅方向サイプから、相互に接近する方向に延在させて各1本以上設けた場合は、より多くの周方向溝及び/または周方向サイプをブロックに設けてタイヤの排水性を向上させながら、ブロック内の剛性の均一性を確保することができ、ヒールアンドトウ摩耗等の偏摩耗の抑制に効果的である。
上記構成を採用する本発明の空気入りタイヤにおいて、さらに、相互に接近する方向に延在させて各1本以上設けた、前記周方向溝及び/または周方向サイプの陸部幅方向の相対間隔を、前記周方向溝及び/または周方向サイプを設けた前記陸部の平均幅の1/3以上としたときは、周方向溝及び/または周方向サイプによりブロック内に形成される接地領域の連続性を十分に確保し、タイヤの幅方向からの入力に対する該ブロックの剛性を十分に確保することができる。
一方、特に制限するものではなく、上記相対間隔の上限としては、前記陸部の平均幅の90%未満とすることが好ましい。これを90%以上とした場合、前記接地領域がブロックの幅方向端付近で狭くなりすぎてしまい、ブロックの耐久性が損なわれる可能性がある。
さらにまた、本発明の空気入りタイヤにおいて、前記ショルダ陸部に、前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成されてトレッド周方向に連続して延びる周方向連続溝を設けたときは、ヒールアンドトウ摩耗等の偏摩耗を生じさせることなく、タイヤの排水性をより向上させることができる。
加えてまた、本発明の空気入りタイヤにおいて、少なくとも1本の前記主溝の溝底に、前記陸部よりも高さの低い石噛み防止突起を突設した場合は、当該主溝への石の噛み込みを効果的に抑制することができる。
本発明による空気入りタイヤの一実施形態のトレッドパターンを示す部分展開図である。 図1の要部拡大図である。 本発明による空気入りタイヤの他の実施形態のトレッドパターンを示す部分展開図である。 本発明による空気入りタイヤのさらに他の実施形態のトレッドパターンを示す部分展開図である。 本発明による空気入りタイヤのさらに他の実施形態のトレッドパターンを示す部分展開図である。 比較例タイヤのトレッドパターンを示す部分展開図である。 従来の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す部分展開図である。
図1に示すトレッドパターンは、トレッド踏面1に、トレッド周方向に連続して延びる3本以上(図示例では4本)の主溝2a,2bによって4条以上(図示例では5条)の陸部3a〜3cを区画し、トレッド踏面1の最外側に区画されるショルダ陸部3c及びトレッド踏面1のタイヤ赤道上に区画される中央陸部3a以外の、少なくとも1条(図示例では2条)の陸部3bに、該陸部3bを、ほぼ「へ」字状に横切って延びて、相互に隣接する一対の前記主溝2a,2bのそれぞれに開口する、幅方向溝4b及び幅方向サイプ5bの少なくとも一方(図示例では両方)を、トレッド周方向に間隔をおいて複数本設けたものである。
ここでは、前記幅方向溝4b及び幅方向サイプ5bの少なくとも一方と交差する方向に延在して、一端が前記幅方向溝4b及び幅方向サイプ5bの少なくとも一方に開口し、他端が前記陸部3b内で終端する、周方向溝6a及び周方向サイプ7aの少なくとも一方(図示例では両方)を設け、この構成をもって優れた耐摩耗性能、乾燥路面での操縦安定性及びウエット性能を実現する。
尚、図1に示すトレッドパターンは、中央陸部3aに、一端が、中央陸部3aを区画するいずれか一方の主溝2aに開口し、他端が該陸部3a内で終端する、幅方向溝4a及び幅方向サイプ5aを有し、また、ショルダ陸部3cに、一端が、ショルダ陸部3cを区画する主溝2bに開口し、他端が該陸部3cで終端する幅方向溝4cを有する。
またこのパターンでは、幅方向溝4a〜4c及び周方向溝6aが、主溝2a,2bよりも浅く構成されており、ショルダ陸部3c以外の陸部3a,3bに設けられる幅方向溝4a,4bの溝底に、さらに幅方向サイプ5a,5bを設けている。
さらに、このトレッドパターンの陸部3bの1のブロック10を中心とした要部拡大図を図2に示すように、このパターンでは、周方向溝6a及び周方向サイプ7aのタイヤ周方向長さhを、該周方向溝6a及び周方向サイプ7aをタイヤ周方向に挟んで隣接する2本の幅方向溝4b及び幅方向サイプ5bの周方向配設ピッチPLの30〜75%の範囲内としている。
また、図2に示すところでは、2本ずつの周方向溝6a及び周方向サイプ7aのそれぞれを、トレッド周方向に隣接するそれぞれの幅方向溝4b及び幅方向サイプ5bから、周方向で相互に接近する向きに延在させて設けている。
そして、ここでは、2本の周方向溝6a及び周方向サイプ7aの、陸部幅方向の相対間隔dを、周方向溝6a及び周方向サイプ7aを設けた陸部3bの平均幅Wの1/3以上としている。
尚、図1に示すように、このパターンでは、ショルダ陸部3cに、各幅方向溝4cを横切ってトレッド周方向に直線状に連続して延びる周方向連続溝8を有しており、この周方向連続溝8は、各幅方向溝4cと同様に浅溝によって構成されている。また、中央陸部3aを区画する2本の主溝2aの溝底には、石噛み防止突起9が突設されている。
一方、図7に示す従来の空気入りタイヤのトレッドパターンは、トレッド踏面101に、トレッド周方向に連続して延びる4本の主溝102a,102bによって5条の陸部103a〜103cを区画し、ショルダ陸部3cに、主溝102bに開口して該ショルダ陸部103c内で終端する幅方向溝104cを有し、ショルダ陸部103c以外の陸部103a,103bに、該陸部103a,103bを横断する幅方向溝104a,104bを有する。
さらに、中央陸部103aの各幅方向溝104aの溝底に、該溝の両端から中央部に向って延在して該溝内で終端する2本ずつの幅方向サイプ105aが設けられており、また、中央陸部103aを除く陸部103b及び103cには、幅方向溝104a,104bの溝底に、該溝に沿って延在する幅方向サイプ105b,105cが設けられている。
尚、中央陸部103aを区画する主溝102aの溝底には、石噛み防止突起109が突設されている。
このパターンでは、ショルダ陸部103c及び中央陸部103a以外の陸部103bに周方向溝が設けられておらず、そのため、排水性能が十分ではない。従って、このようなトレッドパターンを採用する従来の空気入りタイヤは、ウエット性能について改善の余地があると言える。
また、このパターンでは、中央陸部103aに設けられる幅方向溝104aが、該陸部を分断するよう配されているため、トレッド中央部の剛性が不十分であるおそれがある。
図3に示すトレッドパターンは、本発明の他の実施形態のトレッドパターンであり、周方向溝6bの溝底に周方向サイプを設けない点を除き、図1のトレッドパターンと同一のものである。
本発明では、このトレッドパターンのように、周方向サイプを設けることなく周方向溝6bのみを設けることも可能であり、このパターンを採用した場合は、周方向サイプを設けた場合よりも、タイヤの幅方向からの入力に対してのブロック10の剛性が大きくなるため、操縦安定性をより向上させることができる。
また、図4に示すトレッドパターンは、本発明のさらに他の実施形態のトレッドパターンであり、中央陸部3a及びショルダ陸部3c以外の陸部3bに、幅方向溝及び周方向溝を設けることなく、幅方向サイプ5b及び周方向サイプ7aだけを設けた点を除き、図1のトレッドパターンと同一である。
このパターンを採用した場合、周方向溝を設けていないため、図3の実施形態のタイヤに比べると排水性につきやや劣る点があるものの、陸部3bの剛性が向上するため、操縦安定性を向上させることができる。
さらに、図5に示すトレッドパターンは、本発明のさらに他の実施形態のトレッドパターンであり、中央陸部3a及びショルダ陸部3c以外の陸部3bに設けた幅方向溝4bのそれぞれに開口させて、周方向に直線状に延在する各1本の周方向溝6aを設けた点を除き、図1のトレッドパターンと同一のものである。尚、この図に示すところにおいて、周方向溝6aに加えて、または代えて周方向サイプを設けることも可能である。
このトレッドパターンのように、各ブロック10に1本ずつ周方向溝6a及び/または周方向サイプを設けた場合、陸部3bの幅方向剛性をより向上させることができる。
尚、本発明に係るトレッドパターンは、以上に例示したものの他、例えば、中央陸部及びショルダ陸部以外の陸部に、幅方向サイプも周方向サイプも設けることなく、幅方向溝及び周方向溝だけを設けたトレッドパターン等とすることも可能である。
図6に示すトレッドパターンは、本発明との比較に供する比較例タイヤのトレッドパターンであり、中央陸部3a及びショルダ陸部3c以外の陸部3bに、周方向に直線状に連続する周方向連続溝8bを設けてなるものである。
尚、このトレッドパターンは、上記以外の点で図1のトレッドパターンと同一である。
図6に示すようなトレッドパターンを採用するタイヤでは、陸部3bの接地領域が幅方向に分断されているため、各部分間の相互支持によるブロック10の剛性維持効果が得られないため、タイヤの幅方向からの入力に対するブロック剛性が大幅に低下してしまうことになる。
図3に示したトレッドパターンを有する、サイズ315/70R22.5のラジアルタイヤを製造し、これを発明例タイヤ1とした。
その際、中央陸部3aの両隣にある陸部3bに設けた周方向溝6aの周方向長さhを、幅方向溝4b及び幅方向サイプ5bの配設ピッチPLに対して、h=0.6PLとし、相互に接近する向きに延在させて設けた周方向溝6aの、陸部幅方向の相対間隔dを、陸部3bの平均幅Wに対して、d=0.4Wとした。
また、図7に示すトレッドパターンを有する同サイズのラジアルタイヤを製造し、これを従来例タイヤとした。
かくして得られた上記供試タイヤを、JATMA規格に定める標準リムに装着し、標準内圧に調節してそれぞれを車両に装着した後、各供試タイヤのウエット性能及び操縦安定性能を評価した。表1にその結果を示す。
ここで、ウエット性能は、上記タイヤ車輪を実際の車両に装着して実地走行試験を行い、フィーリング評価によって1〜10まで(高いほど優良)の評価を行い、また、操縦安定性は、台上試験により評価した。尚、指数値は大きいほど優れた結果を示すものとした。
Figure 2011240750
上記表に示すように、発明例タイヤ1は、ウエット性能及び操縦安定性の両性能につき、従来例タイヤよりも優れている。
次に、図5に示すトレッドパターン及び図6に示すトレッドパターンを有する同サイズのラジアルタイヤのそれぞれを製造して、発明例タイヤ2及び比較例タイヤとした。
これにより得られた発明例タイヤ2、比較例タイヤ及び前述した発明例タイヤ1のそれぞれについて、周方向溝6a及び周方向連続溝8bを設けた陸部3bの各ブロック10のタイヤ幅方向剛性、並びにドライ・ウエット性能について評価した。表2にこの結果を示す。
ここで、表2における周方向エッジ成分とは、各ブロック10に設けた各周方向溝6a及び周方向連続溝8bのタイヤ周方向長さhの当該ブロック10内での合計値を、配設ピッチPLで除した比率を言う。
また、ブロックのタイヤ幅方向剛性は、各トレッドパターンのモデルを作成して計算した。尚、表2には、発明例タイヤ2の評価結果を100とした指数値を記載しており、この数値が大きいほどブロックのタイヤ幅方向剛性が高いことを示す。
さらに、ドライ・ウエット性能は、テストコース及び市場テストによる総合フィーリング評価により評価した。尚、表2中において、◎は優良、○は良、×は可をそれぞれ示すものとする。
Figure 2011240750
表2によれば、発明例タイヤ1及び2は、比較例タイヤよりも各ブロックのタイヤ幅方向剛性及びドライ・ウエット性能について優れていることがわかる。また、発明例タイヤ1は、発明例タイヤ2よりもドライ・ウエット性能に優れている。これは、周方向溝6aを相互に接近する方向に各ブロック10に2本ずつ設けて周方向エッジ成分(%)を増加させたことにより、タイヤの排水性が向上したためである。
1 トレッド踏面
2 主溝
3 陸部
4 幅方向溝
5 幅方向サイプ
6 周方向溝
7 周方向サイプ
8 周方向連続溝
9 石噛み防止突起
10 ブロック
101 トレッド踏面
102 主溝
103 陸部
104 幅方向溝
105 幅方向サイプ
109 石噛み防止突起
110 ブロック
PL ピッチ長さ
h 周方向サイプの長さ
d 周方向サイプの相対間隔
W ブロック幅

Claims (11)

  1. トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる3本以上の主溝によって4条以上の陸部を区画し、トレッド踏面の幅方向最外側に区画されるショルダ陸部及びトレッド踏面のタイヤ赤道上に区画される中央陸部以外の、少なくとも1条の陸部に、該陸部をタイヤ幅方向に横切って延びて、相互に隣接する一対の前記主溝のそれぞれに開口する、幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方を、トレッド周方向に間隔をおいて複数本設けた空気入りタイヤであって、
    前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方と交差する方向に延在して、一端が前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方に開口し、他端が前記陸部内で終端する、周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方を設けてなる空気入りタイヤ。
  2. 前記中央陸部に、一端が、中央陸部を区画するいずれか一方の主溝に開口し、他端が該陸部内で終端する、幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方を設けてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記幅方向溝を前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記周方向溝を前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成する請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記幅方向溝の溝底に前記幅方向サイプを設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記周方向溝の溝底に前記周方向サイプを設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方のタイヤ周方向長さが、該周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方をタイヤ周方向に挟んで隣接する2本の、前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方の、周方向配設ピッチの30〜75%である請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方を、トレッド周方向に隣接する2本の、前記幅方向溝及び幅方向サイプの少なくとも一方から、相互に接近する方向に延在させて各1本以上設けてなる請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 相互に接近する方向に延在させて各1本以上設けた、前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方の、陸部幅方向の相対間隔を、前記周方向溝及び周方向サイプの少なくとも一方を設けた前記陸部の平均幅の1/3以上としてなる請求項8に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ショルダ陸部に、前記主溝よりも溝深さが浅い浅溝によって構成されてトレッド周方向に連続して延びる周方向連続溝を設けてなる請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  11. 少なくとも1本の主溝の溝底に、前記陸部よりも高さの低い石噛み防止突起を突設させてなる請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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