JP2014095877A - 反射防止膜を有する光学素子、光学系および光学機器 - Google Patents

反射防止膜を有する光学素子、光学系および光学機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高屈折率ガラスにおいて優れた低反射率特性を有し、高性能な反射防止性能を有する光学素子を提供すること
【解決手段】透明な基板11と、前記基板の上に積層された反射防止膜101と、を有する光学素子を提供する。反射防止膜は、基板から順に第1層、第2層、および第3層を有する。基板は、587.6nmの波長の光の屈折率が1.80〜2.05である。第1層は、前記光の屈折率が1.43〜1.47、物理膜厚が29.0〜40.0nmでシリカを主成分とする無機系酸化膜である。第2層は、前記光の屈折率が2.00〜2.20、物理膜厚が12.0〜41.0nmの無機系酸化膜である。第3層は、前記光の屈折率が1.23〜1.26、物理膜厚が110.0〜130.0nmのシリカ微粒子を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止膜を有する光学素子、光学系および光学機器に関する。
高屈折率の基板に適した高性能な反射防止膜を実現するためには、反射防止膜は、一般に、屈折率の低い最表層が必要である。屈折率の低い層を形成するための材料として、シリカやフッ化マグネシウム等の無機系材料、シリコーン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料を用いることが知られている。さらに反射率を低く抑えるために、シリカやフッ化マグネシウムの層内に空隙を形成することも知られている。例えば、屈折率1.38のフッ化マグネシウムの薄膜層内に30%(体積)の空隙を設けることによって屈折率を1.27まで下げることが可能となる。空隙を形成する方法として、ゾルーゲル法を用い、フッ化マグネシウム微粒子を推積し、微粒子間に空隙を形成した低屈折率材料を用いた反射防止膜を形成することが知られている(特許文献1)。また、他の空隙形成方法として、溶媒、酸性触媒、界面活性剤の混合液をエージングしてアルコキシシランを加水分解・重縮合させ、塩基性触媒を添加したゾル液を塗工、乾燥させ、溶媒を除去し、焼成することも知られている(特許文献2)。
特開2010−15186号公報 特開2010−55060号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された反射防止膜は、屈折率が1.52〜1.60未満の屈折率を有する基板に適用されるものであり、屈折率が1.80以上の高屈折率基板に適した反射防止膜については開示も示唆もない。
本発明の例示的な目的は、高屈折率ガラスにおいて優れた低反射率特性を有し、高性能な反射防止性能を有する光学素子、光学系および光学機器を提供することである。
本発明の光学素子は、透明な基板と、前記基板の上に積層された反射防止膜と、を有する光学素子であって、前記反射防止膜は、前記基板から順に第1層、第2層、および第3層を有し、前記基板は、587.6nmの波長の光の屈折率が1.80〜2.05であり、前記第1層は、前記光の屈折率が1.43〜1.47、物理膜厚が29.0〜40.0nmでシリカを主成分とする無機系酸化膜であり、前記第2層は、前記光の屈折率が2.00〜2.20、物理膜厚が12.0〜41.0nmの無機系酸化膜であり、前記第3層は、前記光の屈折率が1.23〜1.26、物理膜厚が110.0〜130.0nmのシリカ微粒子を有することを特徴とする。
本発明によれば、高屈折率ガラスにおいて優れた低反射率特性を有し、高性能な反射防止性能を有する光学素子、光学系および光学機器を提供することができる。
本実施形態の光学素子の概略断面図である。(実施例1〜8) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例1) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例2) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例3) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例4) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例5) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例6) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例7) 本発明の光学素子の反射率特性である。(実施例8) 比較例1と実施例1の光学素子の反射率特性である。 比較例2と実施例2の光学素子の反射率特性である。
図1は、本実施形態の光学素子の概略断面図である。光学素子は、透明な基板11と、その上に形成された反射防止膜101から構成されている。反射防止膜101は3層構造を有し、基板11から基板11から離れる方向に順に第1層12、第2層13、第3層102が積層されている。
基板11は、d線(波長587.6nm)の屈折率が1.80〜2.05であるガラス基板である。基板11の形状は限定されず、平面、曲面、凹面、凸面、フィルム状でもよい。このような高屈折率を有する基板11は、高精細なデジタルカメラに好適である。なお、基板11はガラスに限定されず樹脂など他の材料から構成されてもよい。
第1層12は、d線の屈折率が1.43〜1.47、物理膜厚29.0〜40.0nmのシリカを主成分とする無機系酸化膜であり、例えば、SiOから構成される。これにより、ガラス基板11の主成分であるシリカとの密着力が高まり、膜の密着強度が増す。
第2層13はd線の屈折率が2.00〜2.20、物理膜厚12.0〜41.0nmの無機系酸化膜である。さらに好ましくは、物理膜厚は12.0から30.0nmの範囲にすることが望ましい。第2層13は反射防止膜の低反射率特性を得るために第1層12と第3層102の調整膜であり、屈折率、物理膜厚をこの範囲にすることが望ましい。第2層13の材料としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ランタン、アルミナ、シリカ、または、これらの少なくとも2つの材料の混合物を用いてもよい。
第1層12と第2層13は無機系皮膜であり、酸化物から構成されている。無機系皮膜からなる誘電体反射防止膜は、真空蒸着法により形成することができる。誘電体反射防止膜の形成方法としては、これに限定されるものではなく、スパッタ法を用いてもよい。
第3層102は、最も空気115側に形成され、d線の屈折率が1.23〜1.26、物理膜厚110.0〜130.0nmのシリカ微粒子を有する。図1では、第3層102のシリカ微粒子は中空微粒子14をバインダー15で結合させて強度を上げた膜から構成されているが、メソポーラスシリカであってもよい。中空微粒子14は、内部に空孔16を有し、空孔16の外側にシェル17を有する。中空微粒子14は空孔16に含まれる空気(屈折率1.0)によって屈折率を下げることができる。空孔16内に水分や不純物の吸着がないため、耐環境性が良く屈折率の変化のない安定した特性が得られる。
空孔16は単孔、多孔どちらでもよく、適宜選択することができる。シェル17は、屈折率の低い材料から構成されることが好ましく、SiO、MgFなどの無機材料やフッ素、シリコーンなどの有機材料が挙げられるが、SiOは粒子の製造が容易であるため好ましい。中空微粒子14の平均粒径(平均粒子径)は、好ましくは20nm以上70nm以下、より好ましくは30nm以上60nm以下である。中空微粒子14の平均粒径が20nm未満の場合、空孔16の大きさが小さくなり、屈折率を低くすることが難しくなる。また、平均粒径が60nm以上になると粒子間の空隙の大きさが大きくなるため、粒子の大きさに伴う散乱が発生する。
また、本発明におけるバインダーは、膜の光学特性、耐摩耗性、密着力、環境信頼性によって有機材料、無機材料を適宜選択する事が可能であるが、屈折率、耐摩耗性の観点からシランアルコキシ加水分解縮合物もしくはその部分分解縮合物を用いることが好ましい。第3層102に中空微粒子14とバインダー15としてシランアルコキシ加水分解縮合物を混合した塗料を用いた場合を考える。この場合、塗料に含まれる中空シリカ微粒子とシランアルコキシ加水分解縮合物の固形分の重量比率としては、中空シリカ微粒子固形分重量:バインダー固形分重量が7:3〜8:2であることが好ましい。この範囲に設定することにより、屈折率の低い、膜強度の強い層となり、耐擦傷性が保たれる。
第3層の形成方法は特に限定されず、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法など液状塗工液の一般的な塗工方法を用いることができる。塗工後の乾燥は、乾燥機、ホットプレート、電気炉などを用いることができる。乾燥条件は、基板11に影響を与えず且つ中空粒子内の有機溶媒を蒸発できる程度の温度と時間とする。一般的には300℃以下の温度を用いることが好ましい。塗工回数は限定されない。
本実施形態の光学素子は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビカメラ等の撮像装置(光学機器)の結像光学系に好適である。反射防止膜101は、光学素子の両面あるいは片面に設けられ、透過光量を上げると共に、不要光によるゴースト、フレアを回避するのに効果的である。もちろん光学機器は、双眼鏡、望遠鏡、顕微鏡など撮像装置に限定されない。
実施例1の光学素子は、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が1.806の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.46のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚38.2nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.11のTaを、真空蒸着法によって物理膜厚14nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が117.3nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.25であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例1の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表1に示す。
図2は、分光反射率計で測定した実施例1の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図2に示すように、実施例1の光学素子は、波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.3%以下の良好な特性が得られた。また、実施例1の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が1%以下、700nmにおいても1.5%以下の低反射率特性が得られた。更に、コットン不織布クリント(ユニチカ株式会社の商品名)で300g/cmの荷重をかけ、20回往復させた後、反射防止膜101の表面を確認したところ、傷は観察されなかった。
実施例2の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が2.003の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.46のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚29.0nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.00の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚23.7nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が114.8nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.25であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例2の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表2に示す。
図3は、分光反射率計で測定した実施例2の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図3に示すように、実施例2の光学素子は、波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.3%以下の良好な特性が得られた。また、実施例2の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が1%以下、700nmにおいても1.5%以下の低反射率特性が得られた。更に、実施例1同様に表面膜強度を確認したところ、傷は観察されなかった。
実施例3の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が1.883の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.46のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚37.3nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.20の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚14.8nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が117.5nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.25であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例3の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表3に示す。
図4は、分光反射率計で測定した実施例3の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図4に示すように、実施例3の光学素子は、波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.3%以下の良好な特性が得られた。また、実施例2の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が1%以下、700nmにおいても1.5%以下の低反射率特性が得られた。更に、実施例1同様に表面膜強度を確認したところ、傷は観察されなかった。
実施例4の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が1.800の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.43のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚40.0nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.20の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚12.0nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が130.0nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.23であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例4の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表4に示す。
図5は、分光反射率計で測定した実施例4の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図5に示すように、実施例4の光学素子は、波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.3%以下の良好な特性が得られた。また、実施例2の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が0.5%以下、700nmにおいても1.1%以下の低反射率特性が得られた。更に、実施例1同様に表面膜強度を確認したところ、傷は観察されなかった。
実施例5の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が1.800の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.43のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚34.2nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.00の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚17.4nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が118.1nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.23であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例5の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表5に示す。
図6は、分光反射率計で測定した実施例5の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図6に示すように、実施例5の光学素子は、波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.3%以下の良好な特性が得られた。また、実施例2の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が1.0%以下、700nmにおいても1.5%以下の低反射率特性が得られた。更に、実施例1同様に表面膜強度を確認したところ、傷は観察されなかった。
実施例6の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が1.800の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.43のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚40.0nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.20の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚12.3nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が118.7nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.26であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例6の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表6に示す。
図7は、分光反射率計で測定した実施例6の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図7に示すように、実施例6の光学素子は、波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.3%以下の良好な特性が得られた。また、実施例2の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が1.0%以下、700nmにおいても1.5%以下の低反射率特性が得られた。更に、実施例1同様に表面膜強度を確認したところ、傷は観察されなかった。
実施例7の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が2.003の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.43のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚29.0nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.00の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚29.0nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が110.0nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.23であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例7の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表7に示す。
図8は、分光反射率計で測定した実施例7の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図8に示すように、実施例7の光学素子は、波長420nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.5%以下の良好な特性が得られた。また、実施例2の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が1.5%以下、700nmにおいても1.8%以下の低反射率特性が得られた。更に、実施例1同様に表面膜強度を確認したところ、傷は観察されなかった。
実施例8の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が2.003の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.47のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚30.8nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.20の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚17.5nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が116.5nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.26であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。実施例8の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表8に示す。
図9は、分光反射率計で測定した実施例8の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図9に示すように、実施例8の光学素子は、波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で全域0.3%以下の良好な特性が得られた。また、実施例2の光学素子は、入射角45度においても、400〜650nmの波長での反射率が1.0%以下、700nmにおいても1.6%以下の低反射率特性が得られた。更に、実施例1同様に表面膜強度を確認したところ、傷は観察されなかった。
(比較例1)
比較例1の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が1.806の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.46のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚38.2nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率2.11のTaを、真空蒸着法によって物理膜厚14nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が117.3nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.30であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。比較例1の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表9に示す。
図10は、分光反射率計で測定した比較例1の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図10に示すように、比較例1の光学素子は、実施例1と比較すると波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で反射率が高く反射防止性能が劣っていることが確認できた。また、実施例1と同様の条件で表面膜強度を確認したところ、傷が観察された。
(比較例2)
比較例2の光学素子も、図1の構成を有する。基板11には、d線の屈折率が2.003の透明ガラス基板を用いた。ガラス基板を洗浄した後で、第1層12としてd線の屈折率1.48のSiOを、真空蒸着法によって物理膜厚29.0nmだけ成膜した。次に、第2層13としてd線の屈折率1.90の蒸着材料を、真空蒸着法によって物理膜厚23.7nmだけ成膜した。次に、第3層102として中空SiO含有溶液にバインダー溶液を混合調整した液をスピンコーターによって物理膜厚が114.8nmになるように塗工した。d線の屈折率は1.30であった。スピンコーターの回転数条件出しは事前に行った。塗工後は100℃〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。比較例2の光学素子のd線の屈折率と膜厚を表10に示す。
図11は、分光反射率計で測定した比較例2の光学素子の特性であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)である。図11に示すように、比較例2の光学素子は、実施例2と比較すると波長400nm〜700nmの可視域において入射角0度で反射率が高く反射防止性能が劣っていることが確認できた。また、実施例2と同様の条件で表面膜強度を確認したところ、傷が観察された。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
光学素子は、レンズなどに適用することができる。
11…基板、12…第1層、13…第2層、101…反射防止膜、102…第3層

Claims (7)

  1. 透明な基板と、前記基板の上に積層された反射防止膜と、を有する光学素子であって、
    前記反射防止膜は、前記基板から順に第1層、第2層、および第3層を有し、
    前記基板は、587.6nmの波長の光の屈折率が1.80〜2.05であり、
    前記第1層は、前記光の屈折率が1.43〜1.47、物理膜厚が29.0〜40.0nmでシリカを主成分とする無機系酸化膜であり、
    前記第2層は、前記光の屈折率が2.00〜2.20、物理膜厚が12.0〜41.0nmの無機系酸化膜であり、
    前記第3層は、前記光の屈折率が1.23〜1.26、物理膜厚が110.0〜130.0nmのシリカ微粒子を有することを特徴とする光学素子。
  2. 前記シリカ微粒子は中空微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記中空微粒子の平均粒径は、20nm以上70nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記第2層は、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ランタン、アルミナ、シリカまたはこれらの少なくとも2つの混合物であることを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記シリカ微粒子はメソポーラスシリカであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の光学素子を有することを特徴とする光学系。
  7. 請求項6項に記載の光学素子を有することを特徴とする光学機器。
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